JP2668808B2 - 磁気信号読取り書込み装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フィルムの搬送装置に用いられ、フィルム
に設けられたトラックに記録された磁気信号を読取りあ
るいは書込む、磁気信号読取り書込み装置に関する。

〔従来技術〕

カメラに使用されているフィルム上に磁気記録面を有
するトラックを設け、このトラックへフィルムの種類等
のフィルム情報、現像枚数等の注文情報及び顧客のID等
のユーザー情報等が記録できるフィルムが提案されてい
る。

このトラックに記憶された磁気信号を正確に読出しま
たは書込むためには、フィルムの幅方向の揺れ（以下
「蛇行」という）によって、トラックと磁気ヘッドの接
触位置がズレ（以下「トラックズレ」という）ないよう
に保持する必要がある。

このため、従来の磁気信号読取り書込み装置には、フ
ィルムが蛇行しないように、フィルムが搬送される搬送
路の両側にフィルムの幅方向端が当接するような搬送用
ガイドを設けたり、または、フィルムの幅方向端の片側
に設けた搬送用ガイドにフィルムを押し付けることによ
って、フィルムの蛇行によるトラックズレを強制的に阻
止していた。

しかしながら、このような強制的にフィルムの蛇行を
阻止して、トラックズレを防止する装置では、フィルム
の幅方向端がガイドに強く押しつけられ、フィルムが傷
付くという不都合があった。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は上記事実を考慮して、フィルムを傷付けるこ
となく、しかもトラックズレが起こらない磁気信号読取
り書込み装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明では、フィルムの画像コマの外側に設けられた
トラックの磁気信号を読取り或いはトラックへ磁気信号
を書込む磁気ヘッドと、前記フィルムの幅方向端部に当
接しフィルムの幅方向の揺れと同期して揺動すると共
に、フィルムの幅方向端部に当接した状態で前記トラッ
クと対応する位置に前記磁気ヘッドが固定される支持部
材と、前記支持部材を前記フィルム側へ付勢してフィル
ムの幅方向端部に常時当接させる付勢手段と、前記磁気
ヘッドと対向して配置され前記フィルムを磁気ヘッドに
押し付ける押圧手段と、を有することを特徴としてい
る。

〔作用〕

上記構成の発明では、フィルムが幅方向に揺れても、
付勢手段が支持部材をフィルムの幅方向端部に常時当接
されているので、支持部材はフィルムの幅方向の揺れと
同期して揺動する。この支持部材に固定された磁気ヘッ
ドは、支持部材がフィルムの幅方向端部に当接した状態
において、トラックと対応する位置にあり、トラックの
動きに追従し、トラックと同一の位置関係を維持するこ
とができる。このため、磁気ヘッドは、押圧手段に押し
付けられたフィルムのトラックの磁気情報を正確に読取
ることができ、或いはトラックへ磁気情報を正確に書込
みことができ、トラックズレを発生させることがない。
また、フィルムの揺れは許容されるので、フィルムはダ
メージを受けない。

〔実施例〕

第１図には本発明に係る磁気信号読取り書込み装置が
適用されたフィルム搬送装置の部分要図が示されてい
る。

トラック15に磁気信号が記憶されたフィルム14は、モ
ータ１で駆動されるローラ２により挟持搬送される。磁
気ヘッド10は、ローラ18（第２図参照）に押し付けら
れ、フィルム14の長手方向と平行に配置されたトラック
15と接触し、このトラック15に記憶されている各駒毎の
との記録及びフィルム14の先端部の記録を読取る。この
磁気ヘッド10からの出力は、復調器３によりデジタル信
号に復調され、バッファメモリ４に収容される。

一方、キーボード13からは、コントローラ７を通じて
各駒毎に必要な情報及びフィルム14の先後端に入力すべ
き情報がバッファメモリ４へ送られ、読取られた情報と
重合わされる。

次に、駒検出部９によってフィルム14への書込み位置
を検出し、バッファメモリ４の情報を変調器５によりフ
ィルム14上の記録方式に変換し、磁気ヘッド６により書
込む。

なお、トラック15への書込みは、撮影時と同じトラッ
ク15でもよいが、別のトラック15に書込んでもよい。

次に、フィルム14のトラック15に磁気信号が書込まれ
ると、ローラ２により搬送される。

ここで、本発明に係る磁気信号の読取り書込み装置の
第１実施例を、磁気ヘッド10が磁気信号を読取る場合に
ついて説明する。

第２図に示されるように、磁気信号の読取り書込み装
置は、磁気信号を読取る磁気ヘッド10が固定される支持
部材12と、この支持部材をフィルム14の幅方向の揺れに
追従するように付勢する引張コイルスプリング16と、磁
気ヘッド10へフィルム14のトラック15面を押圧するロー
ラ18とにより構成されている。

支持部材12は、フィルムの幅方向端に当接するガイド
部20とこのガイド部20からフィルム14の上面に水平に突
出して形成された磁気ヘッド10の取付け部22により構成
されている。

ガイド部20の上端部は揺動可能にピン24で軸支されて
いる。ガイド部20の下端の右側面にはガイド面20Aが形
成され、フィルム14の幅方向端の片側と当接している。
一方、取付け部22の上面には、引張コイルスプリング16
の他端が固定され、引張コイルスプリング16のもう一端
は搬送通路内に固定され、支持部材12のガイド面20Aを
図面右方向（矢印Ａ方向）へ付勢し、常にガイド面20A
とフィルム14の幅方向端の当接状態を保持している。

取付け部22の下面には、３個の磁気ヘッド10が、フィ
ルム14の長手方向と平行に設けられた３本のトラック15
と対応するように取付けられている。この３個の磁気ヘ
ッド10の下側には、ローラ18が対向して配置され磁気ヘ
ッド10へフィルム14のトラック15部分へ押し付けてい
る。

次に上記の如く構成された本発明の第１実施例の作用
を説明する。

第２図に示されるように、支持部材12は、ピン24で揺
動可能に軸支され、ガイド面20Aが常にフィルム14の幅
方向端と当接するように、引張コイルスプリング16が支
持部材12を図面右方向へ付勢している。

従って、仮にフィルム14が左幅方向（矢印Ａ方向と反
対方向）に揺れると、フィルム14の幅方向端が、ガイド
面20Aを押圧し、スプリング16の付勢力に抗して、支持
部材12を左方向（矢印Ａ方向と反対方向）へ揺動させ
る。このため磁気ヘッド10も同様に左方向へ揺動するの
で、トラックズレが生ずることがない。

また、フィルム14が右幅方向（矢印Ａ方向）に揺れる
と、スプリング16の付勢力により、支持部材12は右方向
（矢印Ａ方向）へ揺動するので、フィルム14の幅方向端
とガイド面20Aとの当接状態は保持される。従って磁気
ヘッド10も同様に右方向へ揺動し、トラックズレが生ず
ることがない。

次に本発明に係る第２実施例について説明する。

第３図に示されるように、フィルム14の幅方向端の両
側に磁気記録面としてのトラック15が形成されている場
合、第１実施例に係る読取り装置をフィルム14の長手方
向の両側に配置した実施例を示すものである。

この第２実施例についても、フィルム14の幅方向の揺
れに追従して一対の支持部材26A,26Bが左右（矢印Ｂ方
向及び反対方向）に揺動可能となっているので、トラッ
クズレが生ずることがない。すなわち、フィルム14が左
幅方向（矢印Ｂ方向）に揺れると、引張コイルスプリン
グ16Aの付勢力により、支持部材26Aは左方向へ揺動す
る。

一方、支持部材26Bはフィルム14によりスプリング16B
の付勢力に抗して押出され、左方向に揺動する。なお、
これはフィルム14が逆方向に揺れても同様である。

次に本発明に係る第３実施例について説明する。

第４図に示されるように、フィルム14の幅方向の揺れ
に追従して移動する支持部材28がハウジング30内へ出入
可能に収容されている。このハウジング30の底面30Aに
は圧縮コイルスプリング32が備えられており、支持部材
28を図面右方向（矢印Ｃ方向）へ付勢している。

支持部材28は、第１実施例と同様にガイド面28Aと磁
気ヘッド10の取付け部34を有し、フィルム14の幅方向の
揺れに追従して図面左右方向（矢印Ｄ方向及び反対方
向）へ移動可能となっている。

次に第３実施例の作用について説明する。

第４図に示されるように、仮にフィルム14が左幅方向
（矢印Ｄ方向）に揺れると、フィルム14の幅方向端が、
ガイド面28Aを押圧し、圧縮コイルスプリング32の付勢
力に抗して、支持部材28を左方向（矢印Ｄ方向）へ移動
させる。このため磁気ヘッド10も同様に左方向（矢印Ｄ
方向）へ揺動するので、トラックズレが生ずることがな
い。

また、フィルム14が右幅方向（矢印Ｄ方向と反対方
向）に揺れると、圧縮コイルスプリング32の付勢力によ
り、支持部材28は右方向（矢印Ｄ方向と反対方向）へ移
動するので、フィルム14の幅方向端とガイド面28Aとの
当接状態は保持される。従って磁気ヘッド10もトラック
15との位置関係を保持して、同様に右方向へ移動するの
で、トラックズレが生ずることがない。

なお、本発明に係る装置は、磁気信号の読取り及び書
込みに併用できるが、説明を簡潔化するため、本実施例
では、磁気信号を読取る場合について説明した。

また、磁気ヘッド10は、複数のチャンネルを持つ磁気
ヘッドを図示しているが、単一チャンネルのものでもよ
い。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明に係る磁気信号の読取り書
込み装置は、フィルムの幅方向の揺れに追従して磁気ヘ
ッドが移動するので、トラックズレが生じることがな
い。また、フィルムの搬送が強制的にガイドされないの
で、フィルムを傷付けることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる磁気信号の読取り書込み装置が
適用されたフィルム搬送装置の部分要図、第２図は本発
明の第１実施例に係る磁気信号の読取り書込み装置のフ
ィルム搬送状態を示す側面図、第３図は本発明の第２実
施例に係る磁気信号の読取り書込み装置のフィルム搬送
状態を示す側面図、第４図は本発明の第３実施例に係る
磁気信号の読取り書込み装置のフィルム搬送状態を示す
側面図である。 ６、10……磁気ヘッド、12、26、28……支持部材、14…
…フィルム、16、32……スプリング（付勢手段）、18…
…ローラ（押圧手段）。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フィルムの画像コマの外側に設けられたト
   ラックの磁気信号を読取り或いはトラックへ磁気信号を
   書込む磁気ヘッドと、 前記フィルムの幅方向端部に当接しフィルムの幅方向の
   揺れと同期して揺動すると共に、フィルムの幅方向端部
   に当接した状態で前記トラックと対応する位置に前記磁
   気ヘッドが固定される支持部材と、 前記支持部材を前記フィルム側へ付勢してフィルムの幅
   方向端部に常時当接させる付勢手段と、 前記磁気ヘッドと対向して配置され前記フィルムを磁気
   ヘッドに押し付ける押圧手段と、 を有することを特徴とする磁気信号読取り書込み装置。