JP2667247B2 - 内燃機関部品並びに補機部品 - Google Patents

内燃機関部品並びに補機部品

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、繊維強化樹脂製内燃機関部品並びに補機
部品、特に遠心圧縮機に用いられるインペラや動力伝達
用歯車等に関する。
〔従来の技術〕
従来の繊維強化樹脂製インペラとしては、例えば特公
昭52−48684号、特開昭57−135132号、特開昭57−11910
5号、特開昭59−18296号、特開昭61−283797号公報に記
載されているものがあるが、これらのインペラを構成す
る樹脂材料は、炭素繊維を樹脂の補強材として用いるこ
とを特徴としている。特に、特開昭57−119105号公報に
は、耐熱性のある熱可塑性樹脂又は、熱硬化性樹脂をマ
トリクス樹脂として用いた炭素繊維強化樹脂が、インペ
ラに用いられることが記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、遠心圧縮機インペラの使用条件は−50
℃から200℃(常用使用時最高温度として165℃)最大回
転数が13×104rpmになり、しかも最大回転時に発生する
応力は現行品(アルミニウム合金製、外径約60mm)で約
20kg/mm2、翼の付け根部で約10kg/mm2にもなる。これを
比重の小さい繊維強化樹脂を用いることにより、回転時
の最大応力を約1/2程度に低下させることが出来る。こ
のように、現行の使用条件から、耐熱性、強度(引張
り、曲げ、圧縮)、弾性率(引張り、曲げ)、耐久疲労
性(引張り、曲げ)、クリープ特性(引張り、圧縮)等
を加味して材料を選定すると、特開昭57−119105号公報
に開示される熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が、そのま
まインペラに使用出来るわけではない。
これらの条件を満足する繊維強化樹脂組成物として
は、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミ
ド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポ
リエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン
(PEKK)、ポリケトンサルファイド(PKS)、ポリアリ
ルエーテルケトン(PAEK)、芳香族ポリアミド(PA)、
ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)等の耐熱
性樹脂と、炭素繊維、ガラス繊維、ウイスカ等とを複合
化した組成物が考えられる。
しかし、上述した樹脂は溶融温度が高いので、成形時
の樹脂溶融温度を350℃から430℃とかなり高温にして成
形する必要がある。また、現在市販されている樹脂強化
用炭素繊維は、その収束剤として熱可塑性樹脂用として
のポリアミド系樹脂(分解温度280℃)、熱硬化性樹脂
用としてのエポキシ系樹脂(分解温度300℃)が主とし
て用いられており、前述の成形時の樹脂溶融温度(350
℃から430℃)ではそれら収束剤が分解しやすく、炭素
繊維とマトリクス樹脂との濡れ不足による界面強度の低
下が起こり、また強度のバラツキも生じやすく、繊維強
化樹脂製遠心圧縮機のインペラ用材料として用いる場合
には、炭素繊維での補強効果が有効に生かされず強度が
低いという問題点があった。さらに、炭素繊維とマトリ
クス樹脂との濡れ性を最大限に引き出した場合の組み合
わせによるマトリクス樹脂では、ガラス転移温度が低
く、常用使用時最高温度の165℃での使用では剛性不足
であるという問題点もあった。
本発明の目的は、耐熱性が高く、高温領域において
も、強度、剛性の低下の少ない繊維強化樹脂性内燃機関
部品並びに補機部品を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記目的を達成するために種々検討した
結果、特定の繊維補強樹脂を用いることによって、優れ
た内燃機関部品並びに補助部品が得られることを見出
し、本発明を完成するにいたった。
すなわち本発明は、繊維強化樹脂からなる内燃機関部
品並びに補機部品において、該繊維強化樹脂が、 (a) 下記(1)式で表される繰り返し単位を有する
芳香族ポリエーテルケトン95〜60重量%と、下記(2)
式で表される繰り返し単位を有するポリエーテルイミド
5〜40重量%とからなる樹脂組成物の75〜55重量%と、 (b) 下記(3)〜(10)式 で表される繰り返し単位のうちの一種以上を有する芳香
族ポリスルホン樹脂で表面を被覆した後、300〜400℃で
加熱された炭素繊維の25〜45重量%とからなる芳香族ポ
リエーテルケトン系樹脂組成物であることを特徴とする
内燃機関部品並びに補機部品である。
一般に、マトリクス樹脂としては、ポリエーテルスル
ホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテ
ルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PE
K)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリケトン
サルファイド(PKS)、ポリアリルエーテルケトン(PAE
K)、芳香族ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PA
I)、ポリイミド(PI)等が用いられる。しかしなが
ら、成形がしやすく、しかも耐熱強度が高いものとして
有効なのは本発明に用いるようなポリエーテルケトンと
ポリエーテルイミドからなる所謂ポリマーアロイ樹脂で
ある。
マトリクス樹脂として用いるポリマーアロイ樹脂を構
成するポリエーテルケトンは、下記一般式(1)で表わ
すことのできるものである。
本発明においては、ASTM D1238に準じ、380℃、2.16k
g荷重条件下で測定したメルトフローインデックスが5
〜50g/10min、望ましくは10〜25kg/10minの範囲内のポ
リエーテルケトンが好ましく用いられる。
市販されているものとして、英国インペリアル・ケミ
カル・インダストリーズ社の「ビクトレックス ポリエ
ーテルケトンPEK 220P(商標)」があげられる。
本発明において用いられるポリエーテルイミドは下記
式(2)で表される構造を有する。市販されているもの
としては、米国ゼネラル・エレクトリック社製の商品名
「ウルテム」が広く知られており、例えば特開昭56−82
6号公報に記載された方法によって容易に製造すること
ができる。
本発明においては、320℃、2.16kg荷重条件下で測定
したメルトフローインデックスが0.3〜5g/10min、望ま
しくは0.5〜3g/10minの範囲のポリエーテルイミドが好
ましく用いられる。
芳香族ポリエーテルケトンとポリエーテルイミドの配
合割合は、芳香族ポリエーテルケトン95〜70重量%、ポ
リエーテルイミド5〜30重量%が適当である。芳香族ポ
リエーテルケトンが95重量%を越え、ポリエーテルイミ
ドが5重量%未満の場合には目的とする樹脂組成物の高
温での機械強度の向上効果が不十分であり、また芳香族
ポリエーテルケトンが70重量%未満、ポリエーテルイミ
ドが30重量%を越えた場合には得られる樹脂組成物は、
芳香族ポリエーテルケトンが有している優れた化学的特
性を失ってくる。
本発明において、収束剤として炭素繊維の表面を被覆
するのに用いられる芳香族ポリスルホン樹脂は、アリー
レン結合、エーテル結合及びスルホン結合を結合単位と
する線状重合体であり、次式のような繰り返し単位から
なるものを用いる。このうち特に式(3)の樹脂が好ま
しい。
これらの芳香族ポリスルホン樹脂は、例えば特公昭40
−10067号公報、特公昭42−7799号公報、及び特公昭41
−617号公報等に記載された方法によって製造すること
ができ、少なくともこれらの一種または二種以上の混合
物が用いられる。市販されているものとしては、式
(3)で示される代表例として、英国インペリアル・ケ
ミカル・インダストリーズ社の「ビクトレックス ポリ
エーテルスルホン(商標)」、住友化学(株)の「スミ
プロイS(商標)」、また、三井東圧化学(株)の「ポ
リエーテルスルフォン(PES)」が挙げられ、式(2)
で示される代表例として、米国アモコ・ケミカル社の
「ユーデル・ポリスルホン(商標)」等がある。
また本発明で使用される炭素繊維はアクリル系、レー
ヨン系、リグニン系、ピッチ系等が挙げられ、いずれも
使用される。本発明では繊維強度の最も高いアクリル系
が最も好ましく使用される。炭素繊維の形態は、チョッ
プトストランド、ロービング、織物等いずれでも良い。
望ましいのは、ポリアクリロニトリルフィラメント、レ
ーヨンフィラメントあるいは石油ピッチを焼成して得ら
れたものであり、特にアクリロニトリルフィラメントか
らのものが好適である。これらの炭素繊維は予めその表
面をオゾン又は電解酸化等で酸化処理しておくと更に好
ましい。これら炭素繊維への芳香族ポリスルホン樹脂へ
の被覆方法としては、芳香族ポリスルホン樹脂をジクロ
ルメタン、クロロホルム、1,2ジクロルエタン、1,1,1,
2,2−テトラクロルエタン、ジメチルスルホオキシド、
ノルマルメチルペンタン、メチルエチルケトン、1,1,2
−トリクロルエタンなどの溶剤に溶解した溶液に、炭素
繊維を浸し、その後乾燥し溶剤を除去して、芳香族ポリ
スルホン樹脂を被覆した炭素繊維を得る。
通常、炭素繊維に対する芳香族ポリスルホン樹脂の被
覆量は炭素繊維100重量部に対し0.1〜10重量部が良く、
0.1重量部以下では本発明の効果はえられず、また10重
量部以上被覆させても、機械強度の向上は期待できず意
味がない。
以上のようにして芳香族ポリスルホン樹脂を被覆した
炭素繊維の熱処理は、空気中300〜400℃、特に好ましく
は340〜380℃の温度下に曝すことにより行われる。加熱
処理時間は3〜20時間、特に好ましくは5〜15時間であ
る。
このようにして得られる芳香族ポリスルホン樹脂を被
覆した炭素繊維と芳香族ポリエーテルケトンとポリエー
テルイミドの樹脂組成物との混合には種々の手法が採用
できる。例えば被覆、加熱処理した炭素繊維を3〜6mm
長さに切断し、これと芳香族ポリエーテルケトンとポリ
エーテルイミドの樹脂組成物を個々別々に溶融押出機に
供給して混合することもできるし、あらかじめヘンシェ
ルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダーなど
の混合機で予備ブレンドした後、溶融押出機に供給する
こともできる。更に被覆、加熱処理した炭素繊維ロービ
ングを直接溶融押出機に供給し、芳香族ポリエーテルケ
トンとポリエーテルイミドの樹脂組成物と混合すること
もできる。すなわち、炭素繊維、ポリエーテルケトン、
ポリエーテルイミドの3成分は最終的に本発明の組成比
になるのであればその混合順序、混合方法に制限は無
い。
本発明において芳香族ポリスルホン樹脂を被覆した炭
素繊維と芳香族ポリエーテルケトンとポリエーテルイミ
ドの樹脂組成物との配合割合は、炭素繊維25〜45重量
%、芳香族ポリエーテルケトンとポリエーテルイミドの
混合物75〜55重量%である。炭素繊維の量が25重量%未
満の場合には、得られる樹脂組成物の機械強度が低く好
ましくない。また炭素繊維を45重量%越えて配合した場
合には、得られた樹脂組成物の均一な溶融混合が難しく
なり、溶融流動性も著しく低下して射出成形などの加工
性を損なう結果となる。樹脂組成物には、必要に応じ、
タルク、炭酸カルシュウム、マイカ、ガラスビーズ等の
充填剤、ガラス繊維、チタン酸カリ繊維、アラミド繊
維、セラミック質繊維等の繊維状補強材、安定剤、着色
剤を樹脂組成物の品質、性能を損なわない範囲で混和し
てもよい。
炭素繊維強化ポリエーテルケトンとポリエーテルイミ
ドのポリマーアロイ樹脂組成物は、通常取り扱いやすい
ペレット状の成形材料として射出成形工程に供される
が、例えばこれらは公知の一軸、または二軸の押出し機
を用いてポリエーテルケトン樹脂とポリエーテルイミド
樹脂と炭素繊維とを配合し、シリンダ温度360℃〜420
℃、好ましくは370℃〜390℃で押出し機のスクリューで
圧縮比を2〜3にして押出し賦形することにより得られ
る。射出成形は通常の射出成形機を用い、シリンダ温度
360℃〜420℃、好ましくは380℃〜400℃で、金型温度
は、150℃〜230℃、好ましくは180℃〜200℃で行なうこ
とができ、複雑な形状の炭素繊維強化樹脂製遠心圧縮機
のインペラや、動力伝達用歯車等を容易に得ることが出
来る。
以下、この発明のインペラを図面に基づいて説明す
る。
第1図は、この発明の一実施例を示す図である。
まず構成を説明すると、図示するように遠心圧縮機の
インペラは複雑な形状をしており、しかも精密な寸法精
度を必要とする。このインペラ1は、第2図に示すよう
にスリーブ2とワッシャ3とにより挾まれ、ナット4で
シャフト部5に固定されている。
この発明のインペラは前記樹脂組成物を用い、押出し
成形や、射出成形等の良く知られている方法で製造する
ことが出来る。例えば、第3図に示す金型を用いてイン
ペラを成形することができる。即ち、インペラ形状を彫
り込んだ組み立て式金型6と組み合わせた下金型10にピ
ン7を取り付け、しかる後、上金型8を密着固定し、A
方向からゲート9を通して成形材料を射出、あるいは押
し出しインペラ形状部(キャビティ部)11に充填し成形
する。
〔繊維強化樹脂製造例〕
製造例1 電解酸化により表面処理を施したポリアクリロニトリ
ル系炭素繊維(東邦レーヨン(株)製、HTAタイプ)を
芳香族ポリスルホン樹脂で表面を被覆した後、6mm長さ
に切断してチョップド炭素繊維とし、空気雰囲気の熱処
理炉内で370℃で10時間熱処理を行なった。
次に、マトリクス樹脂としてのポリエーテルケトン樹
脂(三井東圧化学(株)製PEK)と、ポリエーテルイミ
ド樹脂(GE社製PEI)とのポリマーアロイ樹脂の配合比
率を第1表に示し、それぞれの配合比率でのマトリクス
樹脂と上記で処理した炭素繊維とを炭素繊維の含有率を
30重量%になる様に配合した。このものをL/D=23、圧
縮比3の65φ一軸ベント式押出し機を用い、シリンダ温
度380℃、スクリュー回転数45rpmで押し出しストランド
を切断しペレット状の成形材料を得た。このものを150
℃で5時間熱風乾燥した後、日精樹脂工業(株)製80TO
N(型締圧)射出成形機を用い、シリンダ温度380℃、金
型温度180℃で厚み3mmのJIS1号ダンベル試験片を成形
し、その後、230℃で3時間加熱処理を施し室温下と、
高温下(165℃)で引張試験(ASTM D−638)、曲げ試験
(ASTM D−790)を実施した。その結果をガラス転移温
度の測定結果とともに第1表並びに第4図(a),
(b)に示す。ポリエーテルケトンとポリエーテルイミ
ドとの配合比率と引張強度、曲げ弾性率との間の相関を
みると、最適な領域はマトリクス樹脂合計量に対するポ
リエーテルケトン樹脂の配合比率が70〜95重量%が特に
好ましい。
製造例2 電解酸化により表面処理を施したポリアクリロニトリ
ル系炭素繊維(東邦レーヨン(株)製、HTAタイプ)を
芳香族ポリスルホン樹脂で表面を被覆した後、6mm長さ
に切断してチョップド炭素繊維とし、空気雰囲気の熱処
理炉中で370℃で10時間熱処理を行なった。
次に、マトリクス樹脂としてポリエーテルケトン樹脂
(三井東圧化学(株)製PEK)と、ポリエーテルイミド
樹脂(GE社製PEI)の配合比率を80/20としたポリマーア
ロイ樹脂と上記で処理した炭素繊維とを実施例1に記載
した様な混練条件で混練し、炭素繊維の含有率が20、3
0、40、50重量%となるように配合して、ペレット状の
樹脂組成物を調整した。この樹脂組成物を用い、180℃
で3時間熱風乾燥した後、日精樹脂工業(株)製80TON
(型締圧)射出成形機を用い、シリンダ温度390℃、金
型温度180℃で厚み3mmJIS1号ダンベル試験片を成形し、
その後、230℃で3時間加熱処理を施し高温下(165℃)
で引張試験、曲げ試験を実施した。その結果を第5図
(a),(b)に示す。第5図(a),(b)から分か
るように最適な炭素繊維含有率は25〜45重量%の領域に
有る。
実施例1〜3 第2表に示す組成を有する繊維強化樹脂ペレットを前
記製造例1に従い作製し、それを用いて、シリンダ温度
390℃、金型温度180℃、射出圧力2100kg/cm2の成形条件
で第3図に示す様な構造の金型に射出し、インペラ形状
物を得た。得られた形状物を230℃で3時間の加熱処理
の後、バリ取り、バランスチェックなどの機械加工を行
ない、第2図に示す様な構造でシャフトに固定し、空気
加熱装置付き(温度範囲0〜600℃)の高速回転強度試
験機(回転数0〜25×104rpm)にセットし、回転数が13
×104rpmの場合のインペラ圧縮空気出口温度を165℃に
なる様に調節しながら連続耐久試験を行なった。得られ
た結果を第2表に示す。連続耐久200時間に耐えるもの
を良好(○マーク)と判定した。
実施例4 第2表に示す組成(炭素繊維40wt%)を有する繊維強
化樹脂ペレットを前記製造例1に従い作製し、それを用
いて、金型温度200℃にする以外は実施例1〜3と同様
にしてインペラ形状物を作製し、試験を行なった。得ら
れた結果を第2表に示す。
比較例1および2 第2表に示す組成を有する繊維強化樹脂ペレットを用
いた以外は、実施例1〜3と同様にしてインペラ形状物
を作製し、試験を行なった。得られた結果を第2表に示
す。
比較例3および4 第2表に示す組成(炭素繊維20wt%、50wt%)を有す
る繊維強化樹脂ペレットを用いた以外は実施例4と同様
にしてインペラ形状物を作製し、試験を行なった。得ら
れた結果を第2表に示す。
第2表の結果より、実施例において成形したインペラ
は、比較例のものに比べて耐熱強度並びに耐クリープ特
性に優れていることが分かる。
〔発明の効果〕 以上説明してきた様に、本発明の部品は、使用する繊
維強化樹脂における炭素繊維とマトリクス樹脂との濡れ
性が向上し強度の向上がはかられ、しかもガラス転移温
度の向上もはかられるので、耐熱性が低く、165℃以上
の高温領域においても強度、剛性の低下が少ないため高
速連続耐久で破損しないという効果が得られる。又、各
実施例は、それぞれ上記共通の効果に加えて、更に以下
のような効果がある。インペラの軽量化により、エンジ
ン負荷変動に対する追従性が改善される。また、製品表
面の精度がアルミ合金製のものに比べて極めて向上する
ために、高速回転時の吸入空気の翼表面からの剥離現象
を低減することができ、吸入圧縮効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一例インペラの斜視図、 第2図はシャフト部へ取り付けたインペラの断面図、 第3図はインペラ成形用金型の断面図、 第4図は(a),(b)製造例1における評価結果を示
す図、 第5図(a),(b)は製造例2における評価結果を示
す図である。 1……インペラ、2……スリーブ 3……ワッシャ、4……ナット 5……シャフト、6……組立て式金型 7……ピン、8……上金型 9……ゲート、10……下金型 11……インペラ形状部(キャビティ) A……成形材料入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 79:08) 71:10 (56)参考文献 特開 昭59−184254(JP,A) 特開 昭61−225247(JP,A) 特開 昭64−24856(JP,A) 牧廣、小林力夫編「エンジニアリング プラスチック(初版)」(S58.10. 31)産業図書株式会社 刊 p.148− 152

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維強化樹脂からなる内燃機関部品並びに
    補機部品において、該繊維強化樹脂が、 (a) 下記(1)式で表される繰り返し単位を有する
    芳香族ポリエーテルケトン95〜60重量%と、下記(2)
    式で表される繰り返し単位を有するポリエーテルイミド
    5〜40重量%とからなる樹脂組成物の75〜55重量%と、 (b) 下記(3)〜(10)式 で表される繰り返し単位のうちの一種以上を有する芳香
    族ポリスルホン樹脂で表面を被覆した後、300〜400℃で
    加熱された炭素繊維の25〜45重量%とからなる芳香族ポ
    リエーテルケトン系樹脂組成物であることを特徴とする
    内燃機関部品並びに補機部品。
JP1090830A 1989-04-12 1989-04-12 内燃機関部品並びに補機部品 Expired - Lifetime JP2667247B2 (ja)

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牧廣、小林力夫編「エンジニアリング プラスチック(初版)」(S58.10.31)産業図書株式会社 刊 p.148−152

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