JP2624554B2 - 内燃機関部品 - Google Patents

内燃機関部品

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、内燃機関部、特に遠心圧縮機に用いられ
るインペラや動力伝達用歯車等に関するものである。
(従来の技術) 従来の繊維強化樹脂製のインペラとしては、例えば、
軸部と翼部を別々に成形し軸部の外表面にほぼ放射状に
切り込んだ溝に翼部の基部を差し込んでこれらを一体に
組み立てたもの(特公昭52−48684号公報)や、インペ
ラ成形型の成形空間の中心部分に、多数の小孔を設けた
筒状体をセットし、炭素繊維で強化した熱可塑性樹脂を
前記筒状体を介して成形空間内に射出することにより成
形したもの(特開昭57−13513号公報)や、炭素繊維強
化樹脂、炭素繊維強化炭素および炭素繊維強化アルミニ
ウム合金のいずれかにより形成したもの(特開昭57−11
9105号公報)や、入口部と出口部とに軸方向に二分割し
てそれぞれ樹脂材により成形して両者を一体化したもの
(特開昭59−18296号公報)や、繊維強化樹脂として、
ナイロン66とポリフェニレンスルフィドとのブレンドよ
りなるマトリクス樹脂を強化繊維で補強した樹脂組成物
を用いて成形したもの(特開昭61−283797号公報)など
があり、これらのインペラを構成する樹脂材料は、炭素
繊維を樹脂の補強材として用いているものであった。
そして、特に、特開昭57−119105号公報には、耐熱性
のある熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂をマトリクス
樹脂として用いた炭素繊維強化樹脂を素材としたインペ
ラが記載されている。
しかしながら、遠心圧縮機に用いられるインペラの使
用条件は、−50℃から200℃(常用使用時最高温度とし
て150℃)の温度で、最大回転数が13×104rpmにもな
り、しかも最大回転時に発生する応力は現行品(アルミ
ニウム合金製、外径約60mm)で約20kgf/mm2、翼部の付
け根部分で約10kgf/mm2にもなることから、インペラの
素材として比重の小さい繊維強化樹脂を用いることによ
り、回転時の最大応力を約1/2程度に低下させることが
できる。
このように、現行の使用条件から、耐熱性、熱伝導
性、強度(引張り、曲げ、圧縮)、弾性率(引張り、曲
げ)、耐久疲労性(引張り、曲げ)、クリープ特性(引
張り、圧縮)等を加味してインペラの素材を選定する
と、特開昭57−119105号公報に開示されている熱可塑性
樹脂または熱硬化性樹脂がそのままインペラの素材とし
て使用できるわけではない。
これらの条件を満足する繊維強化樹脂組成物として
は、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミ
ド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポ
リエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン
(PEKK)、ポリケトンサルファイド(PKS)、ポリアリ
ルエーテルケトン(PAEK)、芳香族ポリアミド(PA)、
ポリアミドイミド(PAI)等の耐熱性樹脂と、炭素繊維
との複合化が考えられる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述した樹脂は溶融温度が高く、成形
時の樹脂溶融温度を350℃430℃とかなり高温にして成形
する必要がある。特に、炭素繊維の場合、現在市販され
ている樹脂強化用炭素繊維は、その収束剤として熱可塑
性樹脂用のポリアミド系樹脂(分解温度;280℃)、熱硬
化性樹脂用のエポキシ系樹脂(分解温度;300℃)が主と
して用いられており、前述の成形時の樹脂溶融温度(35
0℃から430℃)では分解しやすく、炭素繊維とマトリク
ス樹脂との濡れ不足による界面強度の低下が起こり、ま
た、強度のばらつきも生じやすく、繊維強化樹脂製の遠
心圧縮機用インペラの素材として使用する場合には、炭
素繊維での補強硬化が有効に生かされず、軸部と翼部と
を一体で形成してなる遠心圧縮機用インペラの強度が低
いものになるという問題点と、一般的な炭素繊維の熱伝
導率が金属に比べて非常に低い為、成形されて得られた
繊維強化樹脂製の遠心圧縮機用インペラは、熱伝導の悪
さの為、その使用中に内部での温度分布の差が大きく、
熱歪が発生し熱と応力の影響をより大きく受けやすく、
耐久寿命が短くなるという問題点があった。
この発明は、繊維強化樹脂製の内燃機関部品並びに補
機部品、例えば一体型の遠心圧縮機用インペラの動力伝
達用歯車等において、熱伝導性がよく、強度が高く、そ
してまた強度のばらつきが生じがたい内燃機関部品およ
び補機部品を提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) この発明は、繊維強化樹脂からなる内燃機関部品にお
いて、マトリクス樹脂としてポリエーテルケトン樹脂を
用い、強化繊維として炭素繊維を用い、該炭素繊維とし
て熱伝導率が400kcal/m・hr・℃以上を有し、しかも該
炭素繊維の収束剤として分子の末端に水酸基を有する低
分子量のポリエーテルスルホン樹脂を用い、炭素繊維表
面で加熱架橋させてなる炭素繊維を用いた繊維強化樹脂
組成物を素材として構成したことを特徴としている。
この発明の内燃機関部品は、マトリクス樹脂としてポ
リエーテルケトン樹脂を用い、強化繊維として熱伝導率
が400kcal/m・hr・℃以上を有し、上記収束処理を施し
た炭素繊維を用い、これらを配合した樹脂組成物を使用
して成形してなるものであり、この発明においては炭素
繊維の収束剤として用いられるポリエーテルスルホン樹
脂は、下記一般式で表わすことができるもので、 一般に、英国・ICI社より「VICTREX ポリエーテルス
ルホン(PES)」の商標名で、住友化学(株)より「ス
ミプロイS」の商標名で、また三井東圧化学(株)から
「ポリエーテルスルホン(PES)」として市販されてい
る。
次に、この種の繊維強化樹脂成形体のマトリクス樹脂
としては、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテ
ルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリケトンサルファ
イド(PKS)、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)、芳
香族ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)等が
用いられるが、成形がしやすく、耐熱強度が高く、しか
も炭素繊維との濡れ性がよく、疲労強度が高いものとし
て有効なのはポリエーテルケトン樹脂であるので、この
発明においては、マトリクス樹脂としてポリエーテルケ
トン樹脂を用いる。
このマトリクス樹脂として用いるポリエーテルケトン
樹脂は、下記一般式で表わすことのできるものである。
また、炭素繊維はポリアクリロニトリルフィラメント
(PAN系)、レーヨンフィラメント(レーヨン系)、あ
るいは石油ピッチ(ピッチ系)なとを焼成して得られた
ものであり、特に熱伝導が非常に良いピッチ系のものが
好適である。これらの炭素繊維は、表面処理を施した
後、低分子量でかつ分子の末端に水酸基を有するポリエ
ーテルスルホン樹脂を用いた収束剤で収束したものが好
ましい。そして、このような炭素繊維からなる強化繊維
の配合比率は、マトリクス樹脂と強化繊維との総重量に
対し30〜40重量%とするのが好ましく、30重量%未満の
場合では強化繊維の効果が少なく、45重量%超過の配合
比率では、マトリクス樹脂との密着が悪くなり、強度が
低下するとともに成形性が著しく悪くなるために実際的
ではない。
この発明に係る炭素繊維強化ポリエーテルケトン樹脂
組成物は、通常取り扱いやすいペレット状の成形材料と
して射出成形工程に供されるが、これらは公知の一軸、
または二軸の押出し機を用いてポリエーテルケトン樹脂
と炭素繊維とを配合し、シリンダー温度;370℃〜430
℃、より好ましくは380℃〜410℃で、金型温度;180℃〜
230℃、より好ましくは、190℃〜210℃で行なうことが
でき、軸部と翼部とを一体化した複雑な形状の炭素繊維
強化樹脂製の遠心圧縮機用インペラや、動力伝達用歯車
等の内燃機関部品を容易に得ることができる。
以下、この発明を図面に基づいて説明する。
第1図は、この発明の一実施例を示す図である。まず
構成を説明すると、図示するように遠心圧縮機のインペ
ラは複雑な形状をしており、しかも精密な寸法精度を必
要とする。このインペラ1は、軸部2および翼部3を備
えており、第2図に示すようにスリーブ5とワッシャ6
とにより挟まれ、ナット7でシャフト部4に固定されて
いる。この発明のインペラは前記樹脂組成物を用い、押
出し成形や射出成形等の良く知られている方法で製造す
ることが出来る。例えば、第3図に示す金型を用いてイ
ンペラを成形することができる。即ち、インペラ形状を
彫り込んだ組み立て式金型8と組み合わせた下金型10に
ピン11を取り付け、しかる後、上金型9を密着固定し、
A方向からゲート9aを通して成形材料を射出、あるいは
押し出しインペラ形状部(キャビティ部)8aに充填し成
形する。
(実施例) 次に、この発明を実施例および比較例により説明す
る。
実施例1 分子末端基に水酸基を有する低分子量のポリエーテル
スルフォン樹脂(三井東圧化学(株)製 5003P)を、
溶剤としてN−メチルピロリドンを用い、樹脂との混合
比率を10〜30重量%に調合し、さらにキシレンを稀釈剤
としてポリエーテルスルフォン系収束剤とした。この収
束剤を用いて電解酸化により表面処理を施したピッチ系
炭素繊維(東亜燃料工業(株)製、UHMタイプ)を収束
した後、空気雰囲気の熱処理炉中で表1記載の各種条件
で熱処理を行なった。
次に、マトリクス樹脂としてのポリエーテルケトン樹
脂(三井東圧化学(株)製 PEK)と、上記処理した炭
素繊維とを炭素繊維の含有率を40重量%になる様に配合
した。このものをL/D=23、圧縮比3の65φ一軸ベント
式押し機を用い、シリンダ温度380℃、スクリュー回転
数45rpmで押し出しストランドを切断しペレット状の成
形材料を得た。このものを150℃で5時間熱風乾燥した
後、日精樹脂工業(株)製80TON(型締圧)射出成形機
を用い、シリンダ温度390℃金型温度210℃で厚み3mmのJ
IS1号ダンベル試験片を成形し、その後、引張試験を実
施した。、その結果を第1並びに第4図に示す。
収束剤を施した炭素繊維の加熱処理温度と時間との相
関をみると、最適な領域は370℃で10時間が特に好まし
い。さらに、この370℃で10時間加熱処理を施した炭素
繊維を用いた成形材料を用いて成形したJIS1号ダンベル
試験片を用い、引張強度の温度依存性を調べた。その結
果を第5図に示す。
又、上述した370℃で10時間熱処理を施した炭素繊維
を用いた成形材料を用い、シリンダ温度390℃、金型温
度200℃、射出圧力1900kg/cm2の成形条件で第3図に示
す様な構造の金型に射出し、インペラ形状物を得た。得
られた形状物をバリ取り、バランスチェックなどの機械
加工を行ない、第2図に示す様な構造でシャフトに固定
し、空気加熱装置付き(温度範囲0〜600℃)の高速回
転強度試験機(回転数0〜25×104rpm)にセットし、回
転数が13×104rpmの場合の各温度(100℃、150℃)にお
けるバースト試験を行なった。また、13×104rpmで連続
耐久性200時間に耐えるか否かを判定する簡便法によれ
ば、常温での瞬間バースト回転数が20×104rpm以上を満
足する必要があるためこの実験も併せて行なった。得ら
れた結果を表2に示す。
比較例1 分子の末端基に水酸基を有する低分子量のポリエーテ
ルスルフォン樹脂(三井東圧化学(株)製5003P)を、
溶剤としてN−メチルピロリドンを用い樹脂と溶剤との
配合比率を10〜30重量%に調合し、さらにキシレンを稀
釈剤としてポリエーテルスルフォン系収束剤とした。こ
の収束剤を用いて電解酸化により表面処理を施したピッ
チ系炭素繊維(東亜燃料工業(株)製、UHMタイプ)を
収束した後、この炭素繊維には熱処理を加えずマトリク
ス樹脂としてのポリエーテルケトン樹脂(三井東圧化学
(株)製 PEK)と混練し、炭素繊維の含有率を40重量
%になる様に配合調整した。このものを実施例1に記載
したと同様の実験を行ない、その結果を表2に併記す
る。
比較例2 エポキシ系収束剤で収束したピッチ系炭素繊維(東亜
燃料工業(株)製 UHM)と、ポリエーテルケトン樹脂
(三井東圧化学(株)製 PEK)とを炭素繊維含有率が4
0重量%となるように配合して、ペレット状の樹脂組成
物を調整した。この樹脂組成物を用い、比較例1に記載
したと全く同様にして実験を行なった。その結果を第4
図並びに表2に示す。
実施例2 分子の末端基に水酸基を有する低分子量のポリエーテ
ルスルフォン樹脂(三井東圧化学(株)製5003P)を、
N−メチルピロリドンを溶剤として用い、樹脂含有率を
10〜30重量%に調合し更にキシレンで稀釈してポリエー
テルスルフォン系収束剤とした。この収束剤を用いて、
電解酸化により表面処理を施したピッチ系炭素繊維(東
亜燃料工業(株)製UHMタイプ)を収束した。これを空
気雰囲気の熱処理炉中で370℃で10時間処理を行なっ
た。その後、マトリクス樹脂としてのポリエーテルケト
ン樹脂(三井東圧化学(株) PEK)と、上記処理を行
なった炭素繊維とを炭素繊維の含有率が20,30,40,50重
量%となるように配合してペレット状の樹脂組成物を調
整した。この樹脂組成物を用い、比較例1に記載したと
同様な実験を行なった。その結果を第6図に示す。ま
た、炭素繊維の含有率と熱伝導率との結果を第7図に示
す。更に、この樹脂組成物の中から炭素繊維含有率が40
重量%のもののみをシリンダ温度390℃、金型温度210
℃、射出圧力2100kg/cm2の成形条件で第3図に示すよう
な構造の金型に射出し、インペラ形状物を得た。この
後、実施例1に記載の内容と同様に、機械加工を行ない
バースト試験を行なった。その結果を表2に示す。
比較例3 末端基に水酸基を有する低分子量のポリエーテルスル
フォン樹脂(三井東圧化学(株)製 5003P)を、溶剤
としてN−メチルピロリドンを用い樹脂と溶剤の配合比
率(樹脂配合比率)を10〜30重量%に調合し、さらにキ
シレンで希釈してポリエーテルスルフォン系収束剤とし
た。しかる後、この収束剤を用いて電解酸化により表面
処理を施してあるピッチ系炭素繊維(東亜燃料工業
(株)製 UHMタイプ)を収束した。この炭素繊維に熱
処理を施さず、マトリクス樹脂としてのポリエーテルエ
ーテルケトン樹脂(三井東圧化学(株)製 PEEK)と炭
素繊維の含有率が20,30,40重量%となるように配合して
ペレット状の樹脂組成物を調整した。この樹脂組成物を
用い、比較例1に記載したと同様な実験を行なった。そ
の結果を第6図に示す。さらに、この樹脂組成物の中か
ら炭素繊維含有率が30重量%のもののみを実施例2に記
載したと同様な条件で成形を行ない、機械加工を施しバ
ースト試験を行なった。その結果を表2に示す。
比較例4 エポキシ系収束剤で収束したポリアクリロニトリル
(PAN)系炭素繊維(東邦レーヨン(株)製、HTAタイ
プ)を、マトリクス樹脂としてのポリエーテルケトン樹
脂(三井東圧化学(株)製 PEK)と炭素繊維の含有率
が30,40重量%となるように配合してペレット状の樹脂
組成物を調整した。この樹脂組成物を用い、実施例2に
記載したと同様な実験を行なった。その結果を第7図に
示す。更に、この樹脂組成物の中から炭素繊維含有率が
40重量%のもののみを実施例2に記載の内容と同様にし
て成形した後、機械加工を行ないバースト試験を行なっ
た。その結果を表2に示す。
比較例5 マトリクス樹脂としてポリエーテルケトン樹脂(三井
東圧化学(株)製 PEK)を用い、炭素繊維としてその
表面をNi金属により0.5ミクロンの薄さで被覆された繊
維(東邦レーヨン(株)製 ベスファイトMC)を用い、
炭素繊維含有率が40重量%となるように配合し、ペレッ
ト状の樹脂組成物を調整した。この樹脂組成物を用い、
実施例2に記載したと同様な実験を行なった。その結果
を第7図に示す。この樹脂組成物を用い、実施例1に記
載したと全く同様にして射出成形、後加工の後バースト
試験を行なった。その結果を表2に示す。
実施例3 末端基に水酸基を有する低分子量のポリエーテルスル
フォン樹脂(三井東圧化学(株)製 5003P)を、溶剤
としてN−メチルピロリドンを用い樹脂と溶剤の配合比
率(樹脂配合比率)を10〜30重量%に調合し、さらにキ
シレンで稀釈してポリエーテルスルフォン系収束剤とし
た。しかる後、この収束剤を用いて電解酸化により表面
処理を施してあるポリアクリロニトリル系炭素繊維(東
邦レーヨン(株)製 HTAタイプ)を収束し、これを6mm
長さに切断してチョップド炭素繊維とした。この炭素繊
維を空気雰囲気の熱処理炉中で370℃で10時間処理を行
なった。その後、マトリクス樹脂としてのポリエーテル
ケトン樹脂(三井東圧化学(株)製 PEK)と、上記処
理を行なった炭素繊維とを炭素繊維の含有率が30重量%
となるように配合してペレット状の樹脂組成物を調整し
た。この樹脂組成物を用い、実施例1に記載したと全く
同様にして射出成形、後加工の後バースト試験を行なっ
た。その結果を表2に示す。
表2の結果より、実施例において成形したインペラは
比較例のものに比べて熱伝導率、耐熱強度並びに耐クリ
ープ特性に優れていることがわかる。また、比較例2
(エポキシ系収束剤)で示した市販品の炭素繊維では、
収束剤が成形温度310℃〜360℃では分解ガス化が起こ
り、マトリクス樹脂と炭素繊維との界面に濡れ不良によ
り隙間が生じる為、実施例1(ポリエーテルスルフォン
系収束剤で熱処理有り)に比べると、強度低下が起こる
と考えられる。
(発明の効果) 以上説明してきた様に、この発明によれば、その構成
を繊維強化樹脂からなる一体型遠心圧縮機のインペラや
動力伝達用歯車等の内燃機関部品において、マトリック
ス樹脂としてポリエーテルケトン樹脂を、強化繊維とし
て炭素繊維を用い、該炭素繊維として熱伝導率が400kca
l/m・hr・℃以上を有し、しかも該炭素繊維の収束剤と
して、分子の末端に水酸基を有する低分子量のポリエー
テルスルフォン樹脂を用い、炭素繊維表面上で加熱架橋
させてなる炭素繊維を用いるとしたため、市販品で用い
られているエポキシ系収束剤で収束された炭素繊維に比
べて、成形時の樹脂溶融温度(390℃〜410℃)で分解し
ない為、炭素繊維とマトリクス樹脂との間の濡れ性が改
善され、界面強度の向上がはかれ、繊維強化樹脂製内燃
機関部品の成形材料としての強度向上がはかれる。ま
た、熱伝導性が向上したため高負荷での使用に際し、部
品内部での温度分布の差が小さく成る為、熱歪の発生を
低くすることが出来、更に遠心圧縮機のインペラで翼先
端部での部品温度が約10℃低くなるようにして、材料の
耐クリープ強度が向上し部品の耐久寿命が大幅に向上す
るという効果が得られる。
各実施例は、それぞれ上記共通の効果に加えて、更に
以下のような効果がある。
遠心圧縮機のインペラでは、インペラの軽量化によ
り、エンジン負荷変動に対する追従性が改善される。
又、製品表面の精度がアルミニウム合金製のものに比べ
て極めて向上するために、高速回転時の吸入空気の翼表
面からの剥離現象を低減することができ、吸入圧縮率が
上がるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の1例のインペラの斜視図、 第2図は、シャフト部に取り付けた第1図に示すインペ
ラの断面図、 第3図は、インペラの成形金型の断面図、 第4図は、実施例1、比較例1,2でインペラを製作する
為に用いた炭素繊維の熱処理時間とそれぞれの時の引張
強度を示す曲線図、 第5図は、実施例1と比較例2における炭素繊維の熱処
理の有・無による引張強度の温度依存性を示す曲線図、 第6図は、比較例3の熱処理無しの炭素繊維と実施例2
の炭素繊維(熱処理有り)をそれぞれ用いた樹脂組成物
の強化繊維含有率と引張強度との関係を示す曲線図、 第7図は、比較例4および5の熱伝導率の低い炭素繊維
と実施例2の炭素繊維(熱伝導率高い)夫々用いた樹脂
組成物の強化繊維含有率と熱伝導率との関係を示す曲線
図である。 1……遠心圧縮機用インペラ 2……軸部、3……翼部 4……シャフト、5……スリーブ 6……ワッシャ、7……ナット 8……組み立て式金型 8a……インペラ形状の空間(キャビティ) 9……上金型、9a……ゲート 10……下金型、11……ピン A……成形材料注入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04D 29/02 F04D 29/02 F16H 55/06 F16H 55/06 // C08L 71:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維強化樹脂からなる内燃機関部品におい
    て、マトリクス樹脂としてポリエーテルケトン樹脂を用
    い、炭素繊維の収束剤として分子の末端に水酸基を有す
    る低分子量のポリエーテルスルホン樹脂を用い、炭素繊
    維表面で加熱架橋させてなる熱伝導率が400kcal/m・hr
    ・℃以上の炭素繊維で上記ポリエーテルケトン樹脂を強
    化した繊維強化樹脂から成ることを特徴とする内燃機関
    部品。
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