JP2666575B2 - スタッド溶接方法 - Google Patents

スタッド溶接方法

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JP2666575B2
JP2666575B2 JP3010785A JP1078591A JP2666575B2 JP 2666575 B2 JP2666575 B2 JP 2666575B2 JP 3010785 A JP3010785 A JP 3010785A JP 1078591 A JP1078591 A JP 1078591A JP 2666575 B2 JP2666575 B2 JP 2666575B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスタッド溶接方法、特に
プレイバック運転の加圧動作を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスタッド溶接方法は、図6に示す
ように、プレイバック機能を有する産業用ロボット1の
アーム2先端にガンシリンダ3のシリンダチューブ3a
を固定し、このガンシリンダ3の作業ロッド3bのシリ
ンダチューブ3aより突出する下端にチップ電極4を取
り付け、シリンダチューブ3a内に図外のエアー供給経
路から圧力調整された高圧のエアーを供給したまま、制
御部5がティーチングデータにしたがってサーボアンプ
6に位置決めゲインG1なる速度指令を出力し、サーボ
アンプ6が速度指令に応じた速度フィードバックによる
電流をサーボモータ7に供給してアーム2を駆動し、チ
ップ電極4が被溶接材料8の溶接必要位置部分の上面に
直角に当接するか、あるいは当接したのと同様に近接す
る所に位置決めした後、制御部5が位置決めゲインG1
を大きくしてサーボモータ7でアーム2を垂直に下降し
つつ加圧動作することにより、チップ電極4が被溶接材
料8に当接した後、ピストン3cがシリンダチューブ3
a内に供給されたエアーを圧縮しつつ安定加圧距離Lを
以て実線示位置から仮想線示位置に移動,停止し、チッ
プ電極4とこれに対向する対電極9とで、被溶接材料8
の溶接必要部分を加圧挟持しつつ、チップ電極4と対電
極9との間に図外の溶接トランスから溶接電流を通電し
て、被溶接材料8の溶接必要部分を電気抵抗法により溶
接する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のスタッド溶接方
法では、サイクルタイム短縮のため、ガンシリンダ3の
シリンダチューブ3a内にプレイバック運転時と同様な
高圧のエアーを供給したまま、ティーチング運転してい
るので、プレイバック運転時には、サーボモータ7がア
ーム2の受ける加圧反力を補正しようと過駆動する。し
かも、溶接回数に応じてチップ電極4が摩耗する。この
ようなことから、被溶接材料8に対する加圧力を常に均
一に保持できないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明にあって
は、産業用ロボットのティーチング運転時には、ガンシ
リンダに供給されるエアー供給圧を低圧に設定するとと
もに、サーボモータに供給される電流値を検出し、この
検出電流値と加圧動作時刻との関係を設定電流値として
記憶し、次に、上記産業用ロボットのプレイバック運転
時には、ガンシリンダに供給されるエアー供給圧を高圧
に設定し、サーボモータに供給される電流値を検出する
とともに、前記設定電流値を読み出し、この検出電流値
と設定電流値との差を加圧動作時刻を基準に演算し、こ
の演算結果に位置決めゲインとは異なる加圧動作ゲイン
を乗算して、サーボモータの速度指令を補正する。
【0005】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面とともに前述
した従来例と同一部分に同一符号を付して詳述する。
【0006】図1に示すように、この一実施例に使用さ
れるスタッド溶接装置は、大まかには、産業用ロボット
1の制御手段5により、ティーチング時と溶接運転時と
でガンシリンダ3へのエアー供給圧を切り替えるエアー
供給経路10と、電流検出手段16と、差演算手段17
と、設定電流値テーブル18とを備えている。
【0007】そして、先ず、エアー供給経路10におけ
るエアーポンプ10aの駆動によりエアータンク10b
に高圧なエアーが蓄圧されているとともに、方向制御弁
10cの第1ポート10eが、図示のように、エアー供
給経路10に位置している状態において、作業者がペン
ダントと呼ばれている図外のティーチング用スイッチボ
ックスを操作して、産業用ロボット1の制御装置5をテ
ィーチングモードに設定してティーチング運転すると、
制御装置5からティーチング運転信号がエアーポンプド
ライブ回路10dに出力され、方向制御弁10cが図示
とは逆に第1ポート10eから第2ポート10fに切り
替わり、エアータンク10bからガンシリンダ3への高
圧なエアーの供給が遮断されるとともに、エアータンク
10bから分岐経路10g,圧力調整弁10hを通る低
圧なエアーがガンシリンダ3のシリンダチューブ3a内
に供給される。このガンシリンダ3に供給される低圧な
エアーの圧力は、圧力調整弁10hの設定圧力値で調整
することにより、チップ電極4が対電極9と対向してい
ない被溶接材料8の部分(被溶接材料8の対電極9で受
け止めていない部分)を押したときに、当該被溶接材料
8に変形を生じることがない低い値になっている。
【0008】そして、この低圧なエアーがガンシリンダ
3に供給されている状態において、作業者がティーチン
グ用スイッチボックスの操作により、産業用ロボット1
のアーム2を駆動してチップ電極4を被溶接材料8の予
め定められた溶接必要部分に向けて移動するように、産
業用ロボット1をティーチング運転すると、制御装置5
が利得補正手段15のスイッチ15aをオフ動作したま
ま、サーボアンプ6に位置決めゲインG1なる図2に示
すような速度指令Vsを出力し、この速度指令Vsに応
じた速度で駆動するサーボアンプ6がアーム2を駆動す
ることにより、チップ電極4が被溶接材料8の溶接必要
部分に当接した後、ピストン3cをシリンダチューブ3
a内に供給された低圧なエアーを圧縮しつつ安定加圧距
離Lをもって実線示位置から仮想線示位置へと移動し、
この安定加圧距離L移動したところで、作業者がティー
チング用スイッチボックスの操作により、産業用ロボッ
ト1のアーム2の駆動を停止するとともに、アーム2の
停止位置データが産業用ロボット1の制御装置5のメモ
リにティーチングによる溶接位置として記憶する。これ
により、1回のティーチング動作が終了する。
【0009】このティーチング運転において、電流検出
手段16がサーボアンプ6からサーボモータ7に供給さ
れる電流値Iを検出して設定電流値テーブル17に出力
する一方、制御装置5が設定電流値テーブル17に加圧
動作時刻tを出力し、この設定電流値テーブル17が上
記検出電流値Iと加圧動作時刻tとの関係を設定電流値
Iとして記憶する。この設定電流値Iは、制御装置5か
らの速度指令Vsによりチップ電極4が被溶接材料8の
溶接必要部分に当接してから加圧安定距離L移動した時
刻t1を目標時刻とし、この目標時刻t1から前の予め
設定された時刻tnまでの単位時間間隔毎の加圧動作時
刻t(tn,tn−1,tn−2,………,t1)と、
この各加圧動作時間tでの検出電流値iとの関係を規定
するものである。つまり、時刻tnからt1までの各加
圧動作時刻tにおいて、設定電流値Iは図3に示すよう
に、In,In−1,In−2,………,I1になる。
【0010】次に、上記のようにして、被溶接材料8に
予め定められた溶接必要部分の全部に関する産業用ロボ
ット1のティーチング運転が終了した後、作業者が産業
用ロボット1の制御装置5のティーチングモードを解除
するとともに、産業用ロボット1の図外の溶接運転用ス
タートスイッチを操作すると、制御装置5が溶接運転信
号をエアー供給経路10のドライブ回路10dに出力
し、方向制御弁10cが図示のように第2ポート10f
から第1ポート10eに切り替わり、圧力調整弁10h
を含む分岐経路10gが閉鎖されるとともに、エアー供
給経路10が開放され、もってエアータンク10aから
高圧なエアーが分岐経路10gを避けてガンシリンダ3
に供給される。そして、制御装置5が前述のティーチン
グ運転で記憶された位置データたるティーチングデータ
にしたがってアーム2をプレイバックしながら産業用ロ
ボット1を溶接運転し、チップ電極4とこれに対向する
対電極9とで複数の被溶接材料8の溶接必要部分を加圧
挟持しつつ電気抵抗法により溶接を自動的に行う。
【0011】この溶接運転においては、被溶接材料8の
各溶接必要部分毎の溶接ステップの時刻tnになると、
制御装置5が利得補正手段15のスイッチ15aをオン
動作するとともに、差電流演算手段18のデータ取り出
し部18aに各加圧動作時刻tn,tn−1,tn−2
………,t1を出力する。すると、データ取り出し部1
8aが設定電流値テーブル17から各時刻tn,tn−
1,tn−2,………,t1如の各設定電流値In,I
n−1,In−2,………,I1をリアルタイムで取り
出し、この取り出した各設定電流値In,In−1,I
n−2,………,I1と、この溶接運転時に電流検出手
段16で検出した図5に示すような検出電流値iたるi
n,in−1,in−2,………,i1をリアルタイム
で取り込み、これら設定電流値In,In−1,In−
2,………,I1と検出電流値in,in−1,in−
2,………,i1との差電流値ΔiたるΔin,Δin
−1,Δin−2,………,Δi1をリアルタイムで演
算し、この演算結果を利得補正手段15にリアルタイム
で出力し、利得補正手段15が差演算手段18からの差
電流値Δin,Δin−1,Δin−2,………,Δi
1に加圧動作ゲインG2をリアルタイムで乗算し、この
積偏差ゲインと制御装置5からの位置決めゲインG1と
の和をとった図4に示すような速度指令Vとしてサーボ
アンプ6に出力する。
【0012】これにより、図5に示すように、実線で示
す検出電流値iと点線で示す設定電流値Iとの差電流Δ
iが速度フィードバックされ、サーボモータ7がチップ
電極4,ガンシリンダ3,アーム2を通して受ける加圧
反力に応じた差電流Δiを受け取り、チップ電極4が被
溶接材料8に当接してから加圧安定距離L移動して停止
している間、被溶接材料8を一定の加圧力で挟持する。
【0013】なお、制御部5は、位置決め予定時刻t1
以降は、データ取り出し部18aに対して時刻t1を出
力するようにしてある。
【0014】本発明は前記実施例中の対電極9を定置式
に構成しても、可動式に構成しても、適用できる。ま
た、低圧なエアーとしては大気を利用することも可能で
ある。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、サーボモ
ータが加圧反力を受けない場合の電流値と受けた場合の
電流値との差分をサーボアンプにフィードバックするの
で、サーボモータを常に加圧反力に応じてサーボ制御し
て、チップ電極と対電極とで被溶接材料を一定の加圧力
で挟持し、安定した溶接を行うことができる。また、チ
ップ電極が受ける加圧反力の時間を基準としているの
で、チップ電極が溶接作業の進行に伴って摩耗しても、
溶接材料に対する加圧力を常に同一の力として、溶接条
件の安定を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図。
【図2】同実施例のティーチィング運転時の速度指令を
示す特性図。
【図3】同実施例のティーチィング運転時の設定電流値
を示す特性図。
【図4】同実施例溶接運転時の速度指令を示す特性図。
【図5】同実施例の溶接運転時の検出電流値を示す特性
図。
【図6】従来のスタッド溶接装置を示す構成図。
【符号の説明】
1…アーム 2…ガンシリンダ 3…チップ電極 4…エアー供給経路 8…溶接材料 9…対電極 15…電流検出手段 16…利得補正手段 17…設定電流値テーブル 18…差電流演算手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレイバック機能を有する産業用ロボッ
    トのサーボモータで駆動されるアーム先端にガンシリン
    ダを固定し、このガンシリンダの作動ロッド端にチップ
    電極を取り付け、このチップ電極とこれに対向する対電
    極とで被溶接材料を加圧挟持しつつ電気抵抗法により溶
    接を行うスタッド溶接方法において、上記産業用ロボッ
    トのティーチング運転時には、ガンシリンダに供給され
    るエアー供給圧を低圧に設定するとともに、サーボモー
    タに供給される電流値を検出し、この検出電流値と加圧
    動作時刻との関係を設定電流値として記憶し、次に、上
    記産業用ロボットのプレイバック運転時には、ガンシリ
    ンダに供給されるエアー供給圧を高圧に設定し、サーボ
    モータに供給される電流値を検出するとともに、前記設
    定電流値を読み出し、この検出電流値と設定電流値との
    差を加圧動作時刻を基準に演算し、この演算結果に位置
    決めゲインとは異なる加圧動作ゲインを乗算して、サー
    ボモータの速度指令を補正する、ことを特徴とするスタ
    ッド溶接方法。
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