JPH10202371A - 溶接ガンのスパッタ検知方法及び溶接条件補正方法 - Google Patents

溶接ガンのスパッタ検知方法及び溶接条件補正方法

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JPH10202371A
JPH10202371A JP9017676A JP1767697A JPH10202371A JP H10202371 A JPH10202371 A JP H10202371A JP 9017676 A JP9017676 A JP 9017676A JP 1767697 A JP1767697 A JP 1767697A JP H10202371 A JPH10202371 A JP H10202371A
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JP
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welding
electrode
moving
spatter
side electrode
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JP9017676A
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Kazuya Ishiguro
一也 石黒
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Nachi Fujikoshi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スポット溶接における電極と被溶接物との間
に発生するスパッタを素早く検知可能な溶接ガンのスパ
ッタ検知方法及びスパッタ検知後の溶接条件補正方法を
提供する。 【解決手段】 固定側電極7と移動側電極6との間に被
溶接物16を加圧保持することにより被溶接物16の所
定の溶接部位にスポット溶接するようにされた溶接ガン
2において、固定側電極7を溶接部位に移動し、移動側
電極6を固定側電極7側へ移動させることにより固定側
電極7と移動側電極6との間に被溶接物16を加圧保持
し、電極位置検出器4により溶接電流通電前の移動側電
極6の位置を検出し、所定の溶接電流を通電することに
より溶接部位にスポット溶接を行った後、電極位置検出
器4により溶接電流通電後の移動側電極6の位置を検出
し、溶接電流通電前後の移動側電極6の位置の差が予め
設定された規定値を超えている場合はスパッタが生じて
いるものと判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗溶接技術に関
し、特に産業用ロボット等に取り付けて使用されるスポ
ット溶接ガンのスパッタの発生検知方法、及びスパッタ
の発生検知後の溶接条件の補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車生産ラインにおける車体(ワー
ク)の溶接作業は、近年、その殆どが溶接ロボットを使
用したスポット溶接に置きかわってきている。その多く
は5乃至6軸を有する垂直多関節型ロボットの先端に溶
接ガンを取り付け、この溶接ガンが有する2つの電極の
間に車体の溶接部位を加圧保持し、両電極間に所定の溶
接電流を流すことによりスポット溶接を行わせるという
ものである。
【0003】このスポット溶接においては、電極の損傷
や摩耗に起因して、溶接時に、電極とワークとの間ある
いはワーク同士の間に隙間が存在した場合には、電極間
にスパークが発生し、このスパークにより電極あるいは
ワークの溶接部位が溶融しさらにこれが飛散することに
より所謂スパッタが発生し、溶接品質の低下を招くこと
となっていた。また、スパッタの発生に起因して、溶融
し飛散した母材が電極とワークとの間に溶着し、この溶
接部位の溶接終了後に行われる溶接ガンの加圧開放動作
以降の動作に進むことができなくなり、生産ラインがス
トップするなどの障害を引き起こすことにもなってい
た。このスパッタの発生を回避するため、通常、電極の
加圧力や溶接電流を仕様上の規格値よりも多少高めに設
定して対処していた。しかし、この対処方法では、スパ
ッタの発生の有無にかかわらず、定常的に適正な値より
も高い加圧力や溶接電流で溶接作業を行うこととなり、
溶接品質及びエネルギー消費の面で問題があった。
【0004】そこで、上記の問題に対処するものとし
て、溶着の検知に関する技術ではあるが、特開平7−8
0656号では、サーボモータの回転により電極を移動
させ、電極の実際の位置を指令位置に追従させるフィー
ドバック制御を用いたスポット溶接において、電極が取
り付けられた溶接ガンの加圧開放動作時に、電極の指令
位置と電極の実際の位置との差が規定値を超えている場
合は、電極とワークとの間に溶着が生じているものと判
定するようにしている。そして、この構成としたことに
より、従来のような目視による確認や、加圧保持の終了
時点後に溶着検知のためにワークに電流を流す方法に比
して、溶着の検知を素早く行うことが可能であるとして
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平7−8
0656号には以下の問題点がある。第1に、電極の指
令位置と電極の実際の位置との差を規定値と比較すると
いう特開平7−80656号公報記載の方法は、スパッ
タの検知には使用できない点である。図4は溶接時にお
ける電極とワークとの関係を示したものであり、(a)
図は溶接開始時に移動側電極6を駆動し固定側電極7と
の間にワーク16を加圧保持した状態、及び溶接終了時
にスパッタが発生しなかったときの状態を示し、(b)
図は溶接終了時にスパッタが発生したときの状態を示し
ている。
【0006】スパッタが発生しなかった場合は移動側電
極6の位置はワーク16の厚みAに相当した位置となっ
ているが、一方、スパッタが発生した場合はワーク16
の溶接部位が溶融飛散したためこの部分でのワーク16
の厚みが減少し、移動側電極6の位置は溶接前の厚みA
から溶接後には厚みBに相当した位置に変化したものと
なる。ここで、加圧保持動作を行う際の移動側電極6の
指令位置を考えると、加圧保持したときに電極6,7と
ワーク16との間に隙間が生じず、かつ、十分な加圧力
が得られるようにするために、加圧保持を行う際の移動
側電極6の指令位置は、一般に、ワーク16の表面位置
(ワーク16の厚みAに相当した位置)を越えて固定側
電極7の先端位置に近い位置を選定することになる。そ
のため、溶接終了時の移動側電極6の実際の位置は、ス
パッタ発生の有無にかかわらず、この指令位置には到達
していないことになり、よって電極の指令位置と電極の
実際の位置との差を規定値と比較するという特開平7−
80656号公報記載の方法は、スパッタの検知におい
ては容易に適用できないことになる。
【0007】第2に、特開平7−80656号公報記載
の方法は、移動側電極6のアクチュエータとしてサーボ
モータを使用しているものしか適用できない点である。
移動側電極6のアクチュエータとしては、サーボモータ
の他に油圧や空圧を使用した直動アクチュエータが考え
られるが、一般に直動アクチュエータでは電極の指令位
置を指定した高精度な位置決め制御はできないので、電
極の指令位置と電極の実際の位置との差を規定値と比較
するという特開平7−80656号公報記載の方法は容
易に適用できないことになる。
【0008】第3に、電極の指令位置と電極の実際の位
置とを比較する特開平7−80656号公報記載の方法
は、溶接終了時すなわち溶接電流がオフになった時点か
ら判定結果がでるまでにタイムラグが生じる点である。
電極の実際の位置は電極の指令位置に追随して変化する
ので、実際の制御においては、電極の指令位置の指令が
電極の駆動装置へ出力した時点で、ハードウェアまたは
ソフトウエアとして制御装置に内蔵されているタイマー
を起動させ、このタイマーのタイムアップ時刻までに電
極の実際の位置が電極の指令位置に合致したかどうかで
判定することになる。よって、予め設定されたタイマー
のタイムアップ時刻がタイムラグとなり、判定結果の出
力の遅れにつながることになる。
【0009】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、スポット溶接における電極と被溶接
物(ワーク)との間に発生するスパッタを素早く検知
し、なおかつ、油圧や空圧を使用した直動アクチュエー
タにより電極が駆動される溶接ガンにも適用可能な、溶
接ガンのスパッタ検知方法を提供すること、及びスパッ
タ検知後の溶接条件の補正方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1にかかる発明では、固定側電極とこれに
対向して設けられた移動側電極との間に被溶接物を加圧
保持することにより、被溶接物の所定の溶接部位にスポ
ット溶接を施すようにされた溶接ガンにおいて、固定側
電極を被溶接物の所定の溶接部位に移動し、移動側電極
を固定側電極側へ移動させることにより固定側電極と移
動側電極との間に被溶接物を加圧保持し、移動側電極の
位置を検出するようにされた電極位置検出器により溶接
電流通電前の移動側電極の位置を検出し、所定の溶接電
流を通電することにより溶接部位にスポット溶接を行っ
た後、前記電極位置検出器により溶接電流通電後の移動
側電極の位置を検出し、この溶接電流通電後の移動側電
極の位置と前記溶接電流通電前の移動側電極の位置との
差が予め設定された規定値を超えている場合は、スパッ
タが生じているものと判定するようにしたことを特徴と
する溶接ガンのスパッタ検知方法を提供した。
【0011】前述のように、溶接終了時にスパッタが発
生していなかった場合は溶接前後の加圧保持状態は変化
しないために、移動側電極の位置は溶接の前後でほぼ等
しくなり、一方、スパッタが発生していた場合は少なく
とも電極またはワークのいずれかの母材が飛散するため
に、移動側電極の位置は溶接の前後で異なったものとな
る。そこで、上記請求項1に記載の構成とすることによ
り、溶接前後すなわち溶接電流の通電前と通電後のそれ
ぞれの、溶接ガンの加圧保持状態における移動側電極の
位置を測定し、両者を比較することによりスパッタの有
無を検知するようにする。比較に際しては、両者の差を
とり、この差が予め設定された規定値を超えている場合
はスパッタが生じているものと判定するようにすればよ
い。
【0012】請求項2にかかる発明では、請求項1にか
かる発明において、溶接電流通電後の移動側電極位置の
検出は、溶接電流の通電終了時から規定時間経過した後
に行うようにした。一般に、溶接直後は溶接による発熱
の影響を受け、電極やワークが熱膨張を来しているの
で、この状態で移動側電極位置を検出するようにする
と、スパッタが生じていないにもかかわらず、移動側電
極の位置は溶接の前後で異なったものとなる場合が生
じ、この傾向はワークの母材の熱膨張係数が大きい場合
ほど顕著になって現れる。そこで、溶接工程に要する時
間が生産ライン全体のサイクルタイムに比して余裕があ
る場合は、溶接電流の通電終了時から規定時間経過した
後に溶接電流通電後の移動側電極位置の検出を行わせる
ようにすれば、電極やワークの熱膨張による影響がかな
り低下され、その結果溶接電流通電後の移動側電極位置
が高精度に求められることとなり、スパッタ発生の判定
精度が向上するものとなる。
【0013】請求項3にかかる発明では、請求項1また
は2にかかる発明においてスパッタを検知した後、任意
の溶接部位におけるスパッタの発生頻度が予め設定され
た基準値を超えた場合は、この溶接部位の溶接条件を補
正するようにしたことを特徴とする溶接ガンの溶接条件
補正方法を提供した。任意の溶接部位におけるスパッタ
の発生頻度が高い場合、この溶接部位においては溶接条
件である加圧力または溶接電流が適正値よりも小さいこ
とになる。そこで、スパッタの発生頻度が予め設定され
た基準値を超えた場合は、溶接条件である加圧力または
溶接電流の少なくとも一つを増加させ補正する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図2は本発明のスパッタ検知
方法が適用される溶接ガンの制御回路の一例を示すブロ
ック図である。図示しない位置検出器付きの図示しない
サーボモータによって駆動制御される多関節ロボットの
アーム先端に、別の位置検出器4付きのサーボモータ3
を移動側電極6の駆動源として持ち、この移動側電極6
のみが開閉動作するようにされたC型溶接ガン2が取り
付けられている。移動側電極6はボールネジ5を介して
サーボモータ3により駆動され、移動側電極6に対向し
て設けられた固定側電極7はC型溶接ガン2の固定側に
取り付けられている。
【0015】プログラムデータ格納回路9には、ティー
チング等の手段により予め作成されたロボットアーム及
び溶接ガンの動作を指令するプログラムデータが格納さ
れている。プログラムデータ読込回路10はプログラム
データ格納回路9に格納されているプログラムデータの
中からアーム位置に関する位置データを読み込む。ロボ
ット位置指令作成回路11はプログラムデータ読込回路
10からこの位置データを入力するとともに、この位置
データを基に多関節ロボットを構成する各アームの駆動
指令を作成する。この駆動指令がロボット駆動回路12
に送られることにより、多関節ロボット1は教示された
位置すなわちワーク16の各溶接部位へ移動することに
なる。
【0016】一方、プログラムデータ読込回路10に読
み込まれた電極位置に関する位置データは電極位置指令
作成回路13へ送られ、ここで作成された電極位置指令
が電極駆動回路14に送られることにより、移動側電極
6の駆動源であるサーボモータ3が駆動されることにな
る。これにより、移動側電極6がこれに対向して設けら
れた固定側電極7へ向かって移動し、両電極によってワ
ーク16の溶接部位を加圧保持する。加圧保持を確認し
た時点で溶接機に対して通電指令を出力し、この通電指
令により溶接機が所定の溶接電流を両電極間に流すこと
によりワーク16の溶接部位を溶接する。
【0017】移動側電極6の位置はサーボモータ3に付
随して設けられた位置検出器4の検出データを電極位置
検出回路8に読み込ませることにより検出できる。この
電極位置検出回路8によって検出された移動側電極6の
位置はスパッタ検知回路15に読み込まれる。スパッタ
検知回路15では、溶接前後の移動側電極6の位置の差
を算出し、その差が予め設定された規定値より大きい場
合にはスパッタが発生しているものと判定するようにし
ている。
【0018】次に、図1に示すフローチャートを参照し
て本発明のスパッタ検知の処理手順の一実施形態につい
て説明する。
【0019】ステップ21:固定側電極を溶接部位に移
動する。このステップでは、プログラムデータ格納回路
9に格納されているアーム位置に関する位置データに基
づいて、固定側電極7を含む溶接ガン2を把持させた多
関節ロボットのアームを動作させ、固定側電極7をワー
ク16の所定の溶接部位に移動する。
【0020】ステップ22:移動側電極を移動し、固定
側電極との間でワーク16を加圧保持する。このステッ
プでは、プログラムデータ格納回路9に格納されている
電極位置に関する位置データに基づいて移動側電極6を
移動し、固定側電極7との間でワーク16の溶接部位を
加圧保持する。
【0021】ステップ23:溶接電流通電前の移動側電
極位置Aを検出する。このステップでは、加圧保持状態
における溶接電流通電前の移動側電極6の位置(A)を
位置検出器4により検出する。なお、本実施形態では、
移動側電極6の位置は固定側電極7の先端位置を基準
(0)としたときの位置としているが、これに限定され
るものではない。
【0022】ステップ24:溶接電流を通電して溶接部
位に溶接を行う。このステップでは、加圧保持状態にお
いて所定の溶接電流を通電して、溶接部位にスポット溶
接を行う。
【0023】ステップ25:遅延タイマースタート。こ
のステップでは、溶接電流通電後の移動側電極6の位置
の検出の開始を遅らせるための遅延タイマーをスタート
する。一般に、溶接直後は溶接による発熱の影響を受
け、電極やワークが熱膨張を来しているので、この状態
で移動側電極6の位置を検出するようにすると、スパッ
タが生じていないにもかかわらず、移動側電極6の位置
は溶接の前後で異なったものとなる場合が生じる。そこ
で、溶接電流の通電終了時から規定時間経過した後に溶
接電流通電後の移動側電極6の位置の検出を行わせるよ
うにする。
【0024】ステップ26:遅延タイマーカウントアッ
プ?。このステップでは、遅延タイマーが予め設定され
た規定時間のカウントアップがされたか否かを判定し、
カウントアップがされていればステップ27へ進む。規
定時間について述べると、溶接部位の範囲はワーク全体
の大きさに比して十分小さい場合が殆どであるから、こ
の場合溶接終了後の溶接部位の温度は瞬時にして低下す
ることになるので、規定時間の設定値としては一般に1
〜2秒程度あれば十分である。
【0025】なお、ワークの母材の熱膨張係数が小さい
場合や、溶接工程のサイクルタイムに余裕がない場合
は、ステップ25〜26の処理を省略するようにするこ
とも可能である。
【0026】ステップ27:溶接電流通電後の移動側電
極位置Bを検出する。このステップでは、加圧保持状態
における溶接電流通電後の移動側電極6の位置(B)を
位置検出器4により検出する。
【0027】ここで、溶接時における電極とワークの関
係について図4を参照して説明する。図4(a)は溶接
開始のために移動側電極6を駆動しワーク16を加圧保
持した状態を示し、この時の移動側電極6の位置はワー
ク16の厚みAに相当した位置となっている。この状態
で溶接機より両電極間に電流を流しワーク16を溶接し
た後において、一切のスッパタの発生が無かった場合に
は図4(a)に示す状態のままとなっており、移動側電
極6の位置は溶接前後で変化はない。しかし、溶接時に
スパッタが発生した場合では、例えば図4(b)に示す
ようにワーク16の一部が溶融飛散したためワーク16
の厚みが減少し、移動側電極6の位置は溶接前のAから
溶接後にはBに相当した位置に変化することになる。
【0028】ステップ28:A−B>規定値?。このス
テップでは、スパッタ判定回路15において、溶接電流
通電前の移動側電極位置(A)と溶接電流通電後の移動
側電極位置(B)との差、すなわち溶接前後の移動側電
極位置の差を算出し、この差が予め設定された規定値を
超えているか否かを判定し、差が規定値を超えていたな
らばスパッタの発生を検知し(ステップ29)、一方、
差が規定値以下であったならばスパッタの発生は無かっ
たものとして処理を終了する。
【0029】ステップ29:スパッタ発生検知。このス
テップでは、スパッタ発生の検知を確認し、所定の処理
を行うための信号出力するなどの処理を行う。具体的に
は、スパッタ発生の検知信号をロボット制御装置に対し
て出力し、表示装置にスパッタの発生を表示させたり、
ロボットをサイクル停止させたりする。また、スパッタ
の発生は電極とワークとの溶着を招くこともあるので、
スパッタの発生を検知したのち一定時間内に移動側電極
6が開放しない場合は、溶着が発生したものと判断する
ようにすることもできる。
【0030】さらに、スパッタを検知した後、任意の溶
接部位におけるスパッタの発生頻度が予め設定された基
準値を超えた場合は、この溶接部位の溶接条件を補正す
るようにしてもよい。任意の溶接部位におけるスパッタ
の発生頻度が高い場合、この溶接部位においては溶接条
件である加圧力または溶接電流が適正値よりも小さいこ
とになる。そこで、スパッタの発生頻度が予め設定され
た基準値を超えた場合は、溶接条件である加圧力または
溶接電流の少なくとも一つを増加させ補正するようにす
る。具体的には、予め設定されるスパッタの発生頻度の
基準値を例えば10%と設定した場合は、任意の溶接部
位における最新の過去100回分の溶接過程においてス
パッタが10回を超えて発生したときには、当該溶接部
位の溶接条件を補正するようにする。この時の補正量
は、従来値に予め設定された増加率を乗じた値を用いる
ようにすればよい。
【0031】溶接ガンを含む産業用ロボット等の溶接装
置の生産ラインへの導入時は、各溶接部位の溶接条件は
一律に設定される場合が多いが、このように各溶接部位
のスパッタの発生頻度に応じて溶接条件を自動的に補正
させるようにすることにより、生産ラインが稼働するに
従って、溶接部位毎に異なる適正な溶接条件が自動的に
設定されることになる。この点については、生産ライン
を流れるワークの種類が変更になったときにも同様であ
る。溶接部位毎に適正な溶接条件が設定されることによ
り、溶接品質の向上や溶接エネルギーの低減などの効果
が図られるものとなる。
【0032】上記の実施形態は移動側電極6の駆動源と
してサーボモータを使用したものであったが、本発明は
駆動源として油圧や空圧を利用した直動アクチュエータ
を使用したものにも適用できることを以下に示す。図3
は駆動源として油圧や空圧を利用した直動アクチュエー
タを使用した場合における溶接ガンの制御回路の一例を
示したものである。図2に示した駆動源としてサーボモ
ータを使用したものとの構成上の相違点について述べる
と、直動アクチュエータを使用した場合は、電極位置指
令作成回路13は存在せず、さらに、サーボモータ3と
ボールネジ5の代わりにソレノイドバルブ3′とシリン
ダー5′が存在している。
【0033】また、処理上の相違点について述べると、
ステップ22では、プログラムデータ格納回路9に格納
されているコード信号に基づいて移動側電極6を移動
し、固定側電極7との間でワーク16の溶接部位を加圧
保持するようにしている。すなわち、電極駆動回路14
はリレー回路にて構成されており、プログラムデータ読
込回路10から移動側電極6の把持または開放を指令す
るコード信号を受信し、ソレノイドバルブ3′に対して
移動側電極6の把持指令または開放指令を出力する。こ
れらの指令を受信したソレノイドバルブ3′によりシリ
ンダー5′が駆動して、移動側電極6が把持または開放
の動作を行うことになる。移動側電極6の位置はリニア
スケール等の位置検出器4により検出される。その他の
処理ステップについては、図1に基づいて説明した駆動
源としてサーボモータを使用した場合と同様であるの
で、本発明が駆動源として油圧や空圧を利用した直動ア
クチュエータを使用したものについても適用できるもの
であることは容易に理解できよう。
【0034】以上、本発明の実施形態について詳細に説
明した。上記実施形態によれば、特別なハードウエアを
追加することなく溶接時のスパッタの発生を容易に検知
することができる。なお、上記実施形態では多関節ロボ
ットのアームの駆動源としてサーボモータを使用してい
たが、これに限定されず、油圧や空圧を利用したアクチ
ュエータであってもよい。さらに言えば、溶接ガンを各
溶接部位に移動する装置としては多関節ロボットに限定
されず、数値制御工作機械や油空圧制御の汎用工作機械
であってもよい。
【0035】
【発明の効果】請求項1にかかる発明によれば、固定側
電極とこれに対向して設けられた移動側電極との間に被
溶接物を加圧保持することにより、被溶接物の所定部位
にスポット溶接を施すようにされた溶接ガンのスパッタ
検知方法において、溶接前後すなわち溶接電流の通電前
と通電後のそれぞれの、溶接ガンの加圧保持状態におけ
る移動側電極の位置を測定し、両者を比較することによ
りスパッタの有無を検知するようにした。そのため、移
動側電極の指令位置を比較対象とする従来技術の方法で
はできなかったスパッタの検知が容易に行えるようにな
った。また、移動側電極の指令位置を使用しない、油圧
や空圧を利用した直動アクチュエータを移動側電極の駆
動力としている溶接ガンにも適用できるものとなった。
さらに、移動側電極の指令位置を比較対象とする従来技
術の方法においては不可避の問題となっていた判定時の
タイムラグも発生しなくなり、スパッタの発生を溶接終
了時に瞬時に検知できるものとなった。
【0036】請求項2にかかる発明によれば、請求項1
にかかる発明において、溶接電流通電後の移動側電極位
置の検出は、溶接電流の通電終了時から規定時間経過し
た後に行うようにした。そのため、溶接直後の電極やワ
ークの熱膨張による影響がかなり低下され、その結果溶
接電流通電後の移動側電極位置が高精度に求められるこ
ととなり、スパッタ発生の判定精度が向上するものとな
った。
【0037】請求項3にかかる発明によれば、請求項1
または2にかかる発明においてスパッタを検知した後、
任意の溶接部位におけるスパッタの発生頻度が予め設定
された基準値を超えた場合は、この溶接部位の溶接条件
を補正するようにした。そのため、スパッタの発生頻度
が高い溶接部位においては、自動的に溶接条件が補正さ
れるものとなり、その結果スパッタの発生頻度の低下を
可能ならしめるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタ検知の処理手順の一実施形態
を示すフローチャートである。
【図2】本発明のスパッタ検知方法が適用される溶接ガ
ン2の制御回路の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明のスパッタ検知方法が適用される溶接ガ
ン2の制御回路の他の例を示すブロック図である。
【図4】溶接時における電極6,7とワーク16の関係
について示した図であり、(a)図は溶接開始時に移動
側電極6を駆動し固定側電極7との間にワーク16を加
圧保持した状態、及び溶接終了時にスパッタが発生しな
かったときの状態を示し、(b)図は溶接終了時にスパ
ッタが発生したときの状態を示している。
【符号の説明】
2 溶接ガン 4 電極位置検出器 6 移動側電極 7 固定側電極 16 被溶接物(ワーク)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定側電極とこれに対向して設けられた移
    動側電極との間に被溶接物を加圧保持することにより、
    被溶接物の所定の溶接部位にスポット溶接を施すように
    された溶接ガンにおいて、 固定側電極を被溶接物の所定の溶接部位に移動し、 移動側電極を固定側電極側へ移動させることにより固定
    側電極と移動側電極との間に被溶接物を加圧保持し、 移動側電極の位置を検出するようにされた電極位置検出
    器により溶接電流通電前の移動側電極の位置を検出し、 所定の溶接電流を通電することにより前記溶接部位にス
    ポット溶接を行った後、前記電極位置検出器により溶接
    電流通電後の移動側電極の位置を検出し、 該溶接電流通電後の移動側電極の位置と前記溶接電流通
    電前の移動側電極の位置との差が予め設定された規定値
    を超えている場合は、スパッタが生じているものと判定
    するようにしたことを特徴とする溶接ガンのスパッタ検
    知方法。
  2. 【請求項2】前記溶接電流通電後の移動側電極位置の検
    出は、溶接電流の通電終了時から規定時間経過した後に
    行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の溶接
    ガンのスパッタ検知方法。
  3. 【請求項3】固定側電極とこれに対向して設けられた移
    動側電極との間に被溶接物を加圧保持することにより、
    被溶接物の所定の溶接部位にスポット溶接を施すように
    された溶接ガンにおいて、 固定側電極を被溶接物の所定の溶接部位に移動し、 移動側電極を固定側電極側へ移動させることにより固定
    側電極と移動側電極との間に被溶接物を加圧保持し、 移動側電極の位置を検出するようにされた電極位置検出
    器により溶接電流通電前の移動側電極の位置を検出し、 所定の溶接電流を通電することにより前記溶接部位にス
    ポット溶接を行った後、前記電極位置検出器により溶接
    電流通電後の移動側電極の位置を検出し、 該溶接電流通電後の移動側電極の位置と前記溶接電流通
    電前の移動側電極の位置との差が予め設定された規定値
    を超えている場合は、スパッタが生じているものと判定
    するようにしているとともに、 任意の溶接部位におけるスパッタの発生頻度が予め設定
    された基準値を超えた場合は、該溶接部位の溶接条件を
    補正するようにしたことを特徴とする溶接ガンの溶接条
    件補正方法。
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