JP2666315B2 - 消耗電極ガスシールド交流アーク溶接方法及び装置 - Google Patents

消耗電極ガスシールド交流アーク溶接方法及び装置

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JP2666315B2 JP921088A JP921088A JP2666315B2 JP 2666315 B2 JP2666315 B2 JP 2666315B2 JP 921088 A JP921088 A JP 921088A JP 921088 A JP921088 A JP 921088A JP 2666315 B2 JP2666315 B2 JP 2666315B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、消耗電極を予め設定した一定速度で送給
し、交流電圧を供給して溶接する消耗電極ガスシールド
交流アーク溶接方法及び装置(以下、交流MIG溶接方法
及び装置という。)に関するものである。
〔従来の技術〕
消耗電極(以下、ワイヤという。)を予め設定した一
定速度で送給(以下、定速度送給という。)する交流MI
G溶接方法及び装置においては、交流の各半波ごとの再
点弧を確実にするために、従来から、高周波・高電圧・
パルス等を重畳すること、又は供給する交流電圧波形を
矩形波にすることなどの手段が提案されている(特開昭
59−92170)。また、他方においては、スパッタ発生の
軽減,溶け込み深さ,ビード幅等を変えるために、逆極
性出力時間と正極性出力時間との比率を変えることが提
案されている(特開昭58−176072)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、これらの従来の装置においては、最適溶接条
件の範囲が狭いために、溶接中に継続して再点弧を確保
しアークを安定させることが困難であり、現在において
も交流MIG溶接方法は実用化されていない。
そこで、本出願人は、交流電圧波形を矩形波にして再
点弧を確実にする手段を使用しても、溶接中に安定なア
ークが継続して得られない原因を考察した。
以下、考察の結果を説明する。第8図(A)に示すよ
うに、ワイヤがプラスの極性の通電期間(以下、逆極性
期間という。)Tr中に流れる電流の波高値(以下、逆極
性電流値という。)がIrであり、またワイヤがマイナス
の極性の通電期間Ts(以下、正極性期間という。)中に
流れる電流の波高値(以下、正極性電流値という。)が
Isである矩形波交流電圧を、ワイヤと被溶接物との間に
供給したときのワイヤ溶接速度Vmは、上記のTs,Tr,Isお
よびIrの関数Gであって次式で近似される。
Vm=G(Ts,Tr,Is,Ir)=K1・(Ur・Ir・Tr+Us・Is・Ts)/To+Rm・Ie2 ……
(1) (K1は定数) となる。
上式において、1/To=Fは、交流出力電圧の周波数 To=Ts+Tr=1/F ……(2) Ie2=(Is2・Ts+Ir2・Tr)/To Ur、Usは、それぞれシールドガス成分、ワイヤ突出し
長さなどで定まる各極性ごとのアークの溶融等価電圧で
あって、ワイヤを溶融する入熱すなわち溶接電流とアー
ク電圧との積のうちワイヤ溶融に寄与する係数である。
Rmは、ワイヤ突出し長さの電圧降下である。
他方、交流MIG溶接方法においては、ワイヤ先端の溶
滴が被溶接物の溶融池に移行するのは、逆極性期間Trで
あることが知られている。このとき、溶滴移行はIr2・T
rに比例するピンチ力によって行われる。第8図(B)
は、同図(A)の出力電流波形に同期してワイヤ先端か
ら溶滴が移行する移行状態図を示している。この溶滴移
行を円滑に行わせるためには、第9図示すように横軸を
逆極性期間Trとし、縦軸を逆極性電流値Irとしたとき
に、TrとIrとは、臨界電流値Ic以上であり、さらに斜線
の範囲内にあることが必要である。
そこで、ワイヤの直径,ワイヤ成分,シールドガス成
分等の消耗材の条件が定まると、円滑な溶滴移行を行わ
せる適正なピンチ力すなわちIr2・Trに比例した値が定
まり、IrとTrとは第9図の斜線に示す関係があるので、
結局、IrとTrとのいずれか一方を予め設定すると他方も
それに対応した値が定まる。
そこで、ワイヤ溶融速度の関数(1)式において、Ir
はTrのいずれか一方を設定すると、Ir及びTrは定数とな
り、(1)式のVmはIsとTsとの関数G、すなわち Vm=G(Is,Ts) ……(3) となる。
つぎに、逆極性期間Trに逆極性電流値Irによってワイ
ヤ先端から溶滴を1回移行させるとすれば、 Vm=K2・D・N ……(4) (K2は定数) ここで、Dは1回の移行溶滴の直径、Nは単位時間内
の移行回数であって、前述した交流出力電圧の逆極性期
間Trに溶滴を1回移行させるとすれば、Nは(2)式よ
り、N=Fとなる。
Dを例えばワイヤの直径と略同一の略一定値になるよ
うにスプレイ移行させるには、(4)式のワイヤ溶融速
度Vmは周波数Fに比例し、次の(5)式が成立する。
Vm=K3・F ……(5) (K3は定数) すなわち、ワイヤ溶融速度Vmに対応して交流電圧の周
波数Fが定まる。
ここで、(2)式において、周波数Fすなわち1/Toと
逆極性期間Trとを予め設定しておけば、前述した(2)
式より正極性期間Tsも定まり定数となるので、(3)式
のワイヤ溶融速度Vmは、正極性電流値Isの関数G、すな
わち Vm=G(Is) ……(6) となる。したがって、Isを所定値に設定すれば、ワイヤ
溶融速度Vmが定まることを示す。
このワイヤ溶融速度Vmは、消耗電極ガスシールドアー
ク溶接においてアーク長を一定値に維持するには、ワイ
ヤ送給速度Vfと等しく、すなわち Vf=Vm ……(7) の関係が必要である。したがって、ワイヤ送給速度Vfを
変化させてワイヤ溶融速度Vm又は被溶接物の溶融池への
入熱を制御する場合に、移行溶滴の直径Dを略一定値に
保つためには、(5)式及び(7)式から、Vf=K3・F
となるので、ワイヤ送給速度Vfに対応させて交流電圧の
周波数Fを適正値に設定すればよい。この交流電圧の周
波数Fは、前述した(2)式により逆極性期間Trを予め
設定すると、正極性期間Tsの関数となるので、結局、ワ
イヤ送給速度Vfは正極性期間Tsに応じて一元的に定める
ようにすればよい。
〔問題点を解決するための手段〕
以上の検討の結果から、問題点を解決するための手段
は下記のとおりである。
請求項1記載の交流MIG溶接方法は、消耗電極と被溶
接物間に交流電圧を供給して溶接する消耗電極ガスシー
ルド交流アーク溶接方法において、出力電流の設定値に
対応した速度で消耗電極を送給し、前記ワイヤ送給速度
に対応した交流出力電圧の周波数を定め、消耗電極の材
質及び直径・シールドガス成分等の消耗材の条件に応じ
た通電期間及び電流値の逆極性電流を通電して溶接する
消耗電極ガスシールド交流アーク溶接方法を提案したも
のである。
請求項2記載の交流MIG溶接方法は、請求項1記載の
溶接方法に加えて、正極性通電期間Ts又は逆極性通電期
間Trのいずれか一方の期間に通電する電圧値を検出し
て、前記検出電圧により、正極性電流値Is又は逆極性電
流値Irのいずれか一方を制御してアーク長を一定に維持
する消耗電極ガスシールド交流アーク溶接方法を提案し
たものである。
請求項3記載の交流MIG溶接装置は、請求項1記載のM
IG交流溶接方法を実施する装置であって、消耗電極と被
溶接物間に交流電圧を供給してアーク溶接する消耗電極
ガスシールド交流アーク溶接装置において、出力電流値
に対応してワイヤ送給速度設定信号S31を出力するワイ
ヤ送給速度設定回路SIと、ワイヤ送給速度設定信号S31
を入力して出力電圧の周波数に相当する出力電圧周波数
信号S4を出力する出力電圧周波数信号発生回路FGと、消
耗電極の材質及び直径・シールドガス成分等の消耗材の
条件により予め設定する設定信号に対応して逆極性期間
通電信号S5を出力する逆極性期間信号発生回路TRGと、
設定信号に対応して逆極性電流信号S13を出力する逆極
性電流信号発生回路IRGと、前記逆極性期間通電信号S5
を入力として正極性期間通電信号S6を出力する正極性期
間信号発生回路TSGと、出力電流に対応したワイヤ送給
速度設定信号S31を入力して正極性電流信号S14を出力す
る正極性電流信号発生回路ISGと、正極性電流信号S14と
逆極性電流信号S13とを入力として正極性電流値Is及び
逆極性電流値Irを制御する出力電流値制御回路INV1と、
正極性期間通電信号S6と逆極性期間通電信号S5とを入力
として正極性電流通電期間Ts及び逆極性電流通電期間Tr
を制御する出力電流通電期間制御回路INV2とから成る消
耗電極ガスシールド交流アーク溶接装置を提供したもの
である。
請求項4記載の交流MIG溶接装置は、請求項3記載のM
IG交流溶接方法を実施する装置であって、請求項3記載
の装置に加えて、正極性電流通電期間Ts又は逆極性電流
通電期間Trのいずれか一方の期間に出力電圧極性検出信
号S44を出力する出力電圧極性検出回路VDと、ワイヤ送
給速度設定信号S31と出力電圧極性検出信号S44とを入力
として差の信号S3を出力する比較回路CMとを備え、この
差の信号S3を出力電圧周波数信号発生回路FGに供給する
ようにした消耗電極ガスシールド交流アーク溶接装置を
提供したものである。
〔作用及び実施例〕
以下作用及び実施例について説明する。
(1)請求項1記載の溶接方法 被溶接物の溶接条件を定めるには、ワイヤ溶融速度Vm
に等しいワイヤ送給速度Vfでワイヤを送給する必要があ
る。ワイヤ溶融速度Vmは、前述したように Ts…正極性電流通電期間 Tr…逆極性電流通電期間 Is…正極性電流値 Ir…逆極性電流値 の関数 Vm=G(Ts,Tr,Is,Ir) ……(1) で表わされる。ただし、To=Ts+Tr=1/Fで、Fは供給
する交流電圧の周波数であり、I=Is+Irで、1は出力
電流値である。
請求項1記載の交流MIG溶接方法においては、被溶接
物の溶接条件によって定まる出力電流値Iに対応したワ
イヤ送給速度Vfでワイヤを送給する。次に、ワイヤの直
径、ワイヤ成分、シールドガス成分等の消耗材が定まる
と、IrとTrとは前述した第9図の斜線に示す関係がある
ので、IrとTrのいずれか一方を予め設定し、他方もそれ
に応じて定まり、(1)式は Vm=G(Is・Ts) ……(3) となる。
つぎに、ワイヤ送給速度Vfに対応した周波数Fの交流
出力電圧を供給すると、Ts+Tr=1/Fの関係にあるTrが
すでに予め設定されているのでTsも定まることになり、
上記の(3)式は Vm=G(Is) ……(6) 式の関係となる。ここで、ワイヤ送給速度Vfが一定値で
あると、ワイヤ送給速度に対応した出力電流値Iも一定
となり、Is+Ir=Iの関係にあるIrがすでに予め設定さ
れているので、Isも定まることになり、請求項1記載の
交流MIG溶接方法が実現される。
つぎに、第2図及び第3図を参照して本発明の溶接方
法について説明する。第2図(A)は、正極性電流と逆
極性電流との関係を示す出力電流波形図であって、逆極
性期間Tr及び逆極性電流値Irは、ワイヤの直径,ワイヤ
成分,シールドガス成分等の消耗材の条件から予め設定
された一定値であり、正極性期間Ts及び正極性電流値Is
が4制御される。第2図(B)は、同図(A)の出力電
流波形に同期してワイヤ先端から溶滴が移行する移行状
態図を示している。
出力電流の設定値を増加させる場合の作用について説
明する。出力電流を増加させるためにワイヤ送給速度Vf
を増加させると、第3図に示すように、出力電流の周波
数Fもワイヤ送給速度Vfに対応して増加し、正極性電流
値Isも増加する関係に設定されている。逆極性期間Tr及
び逆極性電流値Irは設定された一定値であるので、出力
電流の周波数Fの増大にともなって、正極性電流Isが増
加してワイヤ溶融速度Vmが増加するとともに逆極性電流
通電期間Trの繰返し周期が短くなり溶滴の移行回数が増
大するので、アーク長Laは略一定値に維持され、安定に
アークを継続する。逆に、出力電流の設定値を減少させ
ると上述した順序と逆の作用により溶滴の移行回数が減
少するので、アーク長Laは略一定値に維持され、安定に
アークを継続する。
つぎに、ワイヤ直径、ワイヤ成分、シールドガス成分
等の消耗材の条件と逆極性電流値Ir及び逆極性期間Trと
の関係について説明する。
第10図は、同一のワイヤ直径及び同一のシールドガ
ス成分に対する各種ワイヤ成分における臨界電流値(ド
ロップ移行からスプレー移行に移行する最低電流値)
と、同一のワイヤ成分及び同一のシールドガス成分に
対してワイヤ直径を変化させた場合の臨界電流値と、
同一ワイヤ成分で同一ワイヤ直径に対してシールドガス
成分を変化させた場合の臨界電流値とをそれぞれ示す図
で、横軸にワイヤ直径〔mm〕、縦軸に臨界電流値〔A〕
を示している。臨界電流値は、ドロップ移行域からスプ
レー移行域に移行する最低の電流値であるので、臨界電
流値が大きい値であるほどスプレー移行に移りにくい。
すなわち、電磁力(ピンチ力)が小さいことを意味し、
このピンチ力は、Ir2・Trに比例する。すなわち、第10
図は、ワイヤ直径,ワイヤ成分,シールドガス成分等の
消耗材の相違によって、Ir2・Trに比例するピンチ力に
よって定まる臨界電流値が異なることを示している。し
たがって、ワイヤ直径,ワイヤ成分,シールドガス成分
等の消耗材の条件の相違に対応した適正なIr2・Trが存
在する。
以下、第10図について詳述する。まず第1に、の同
一のワイヤ直径及び同一のシールドガス成分であって
も、ワイヤ成分によって臨界電流値が異なる例として
は、第10図ののグループ例を示す。すなわち、のグ
ループは、ワイヤの直径が1.6mmでシールドガスがアル
ゴンの場合であって、各ワイヤ成分に対する臨界電流値
を符号で示すと、第1のアルミ材(1100)に対しては1A
16、第2のアルミ材(4043)に対しては2A16、第3のア
ルミ材(5183)に対しては3A16、銅材に対してはAC16、
インコネル材に対しては1N16、キュプロニッケルに対し
ては2N16、モネルメタルに対しては3N16、ニッケル材に
対しては4N16の点で示される。
つぎに、の同一ワイヤ成分及び同一シールドガス成
分であっても、ワイヤ直径によって臨界電流値が異なる
例としては、第10図ののそれぞれ同一曲線上の2つの
グループ例を示す。すなわち、の第1のグループの例
は、ワイヤ成分が第2のアルミ材(4043)でシールドガ
スがアルゴンの場合であって、各ワイヤ成分に対する臨
界電流値を符号で示すと、ワイヤ直径が1.2,1.6及び2.4
〔mm〕に対してそれぞれ2A12,2A16,2A24の各点で示され
ている。同様にして、第2のグループの例は、ワイヤ成
分がステンレス材(308)でシールドガスがアルゴンの
場合で、ワイヤ直径0.4,0.6,0.8,1.2,1.6及び2.4〔mm〕
に対する臨界電流値は、1S04,1S06,1S08,1S12,1S16及び
1S24の各点で示される。さらに、の同一ワイヤ成分で
同一ワイヤ直径であっても、シールドガス成分によって
臨界電流値が異なる例としては、第10図のの2つのグ
ループ例を示す。すなわち、第1のグループの例は、ワ
イヤ成分が軟鋼でワイヤ直径が0.8〔mm〕に対する臨界
電流値は、シールドガスが炭酸ガス5%を含むアルゴン
ガスのときは5C08の点であり、炭酸ガス20%を含むアル
ゴンガスのときは20C08の点で示される。第2のグルー
プの例は、ワイヤ成分が銅材でワイヤ直径が1.6〔mm〕
に対する臨界電流値は、シールドガスがアルゴンガスの
ときはAC16の点であり、ヘリウム50%を含むアルゴンガ
スのときはHC16点で示される。
以上の例でわかるように、ワイヤ直径,ワイヤ成分,
シールドガス成分等の消耗材の条件によって、ピンチ力
(Ir2・Tr)に関係する臨界電流値が存在する。
(2)請求項2記載の溶接方法 前述した請求項1記載の溶接方法は、設定したワイヤ
送給速度Vfとワイヤ溶融速度Vmとが等しい関係にあると
きは、アーク長Laは一定値を維持するが、アーク発生中
に外部条件の変動によりVf<Vmとなると、アーク長Laが
長くなり、逆にVf>Vmとなるとアーク長Laが短くなる。
したがって、Vf=Vmの関係を維持するには、前述した
(6)式により、正極性電流値Isを制御することにより
ワイヤ溶融速度Vmを増減させて、アーク長を一定に維持
させて、Vf=Vmの関係を維持させる必要がある。すなわ
ち、アーク長Laを略一定値に維持するには、前述した
(1)式の4つのパラメータ(Ts,Tr,Is,Ir)の少なく
とも一つをフィードバック制御する必要がある。これら
の4つのパラメータのうち、ワイヤ先端の溶滴の直径を
略一定値に維持するには、ワイヤ先端の溶融を左右する
正極性電流値Is又は正極性期間Tsを制御することが望ま
しい。
つぎに、アーク長Laを検出するために、出力電圧Vaを
検出する場合、正極性期間Tsおよび逆極性期間Trの溶接
電圧1サイクルの平均値をそれぞれVrおよびVsとすれ
ば、 La=K4・Vr=K5・Vs ……(8) となる。
ここで、複数回の正極性期間Tsのアーク電圧の平均値
またはサンプル値をVraとし、複数回の逆極性期間Trの
溶接電圧の平均値またはサンプル値をVsaとすれば、 La=K6・Vra=K7・Vsa ……(9) が成立する。
ワイヤ送給速度Vfの変動によりアーク長Laも変動しよ
うとしたときに、正極性電圧の1サイクルの平均値Vsも
しくは複数回の平均値Vsaまたは逆極性電圧の1サイク
ルの平均値Vrもしくは複数回の平均値Vraを検出して、
これらの検出値が略一定値になるように正極性電流値Is
を制御すればよい。このIsを制御する場合は、Isの通電
期間Tsと逆の極性時のVr又はVraを検出し、また逆に、I
rを制御する場合は、Irの通電期間Trと逆の極性時のVs
又はVsaを検出すれば、安定した電圧値が使用できるの
で精度が向上する。
つぎに、ワイヤ送給速度Vf又はワイヤ溶融速度Vmが一
時的に変動した場合の作用について説明する。Vf>Vmに
なった場合、アーク長Laが短くなってアーク電圧が低下
する。このアーク電圧の低下を逆極性電圧を検出して出
力電圧の周波数F又は正極性電流値Is又はこれら両者を
増加させると、前述した第2図に示すようにIsの増大に
よりワイヤ溶融速度Vmが増加するか、逆極性電流通電期
間Trの繰り返し周期が短くなり溶滴の移行回数が増加す
るか又は両者が増加するので、アーク長Laは増加しても
とのアーク長Laに復帰する。逆に、Vf<Vmになってアー
ク長Laが長くなった場合は、上述した順序と逆の作用に
よってアーク長Laが減少して、もとのアーク長Laに復帰
する。このように、ワイヤ送給速度Vf又はワイヤ溶融速
度Vmが一時的に変動しても、常にアーク長Laは一定値に
維持され、安定したアークを維持することができる。
(3)請求項3記載の溶接装置 つぎに、請求項3記載の交流MIG溶接装置の実施例を
第1図のブロック図及び第4図の接続図を参照して説明
する。
第1図の説明 第1図において、D1は3相交流電源1を入力とする第
1の整流回路である。INV1は、第1の整流回路D1の出力
を高周波交流電圧に変換するとともに、後述する正極性
電流値Is及び逆極性電流値Irを制御する第1のインバー
タから成る出力電流値制御回路である。Tは溶接用電圧
に降圧する溶接電源変圧器、D2は第2の整流回路であ
る。INV2は正極性電流の通電期間Ts及び逆極性電流通電
期間Trを制御して任意の周波数の交流電圧を出力する第
2のインバータから成る出力電流通電期間制御回路であ
る。Lは消耗電極とアークと被溶接物とから成る溶接負
荷である。SIは出力電流に対応したワイヤ送給速度を設
定するワイヤ送給速度設定回路であって出力電流に対応
するワイヤ送給速度設定信号S31を出力する。SCはワイ
ヤの直径,ワイヤ成分,シールドガス成分等の消耗材の
条件に対応した消耗材条件設定回路であって、逆極性期
間設定信号S12と逆極性電流値設定信号S11とを出力す
る。FVは溶接電圧微調整設定回路で溶接電圧微調整設定
信号S1を出力する。CM1は信号S1と信号S31とを加算して
加算信号S2を出力する第1の比較回路、CM2は信号S2と
出力電圧極性検出回路VDが出力する正極性又は逆極性の
出力電圧極性検出信号S44とを比較して差の信号S3を出
力する第2の比較回路である。FGは、信号S3を入力とし
て出力電圧周波数信号S4を出力する出力電圧周波数信号
発生回路である。TRGは、信号S4と信号S12とを入力とし
て逆極性期間通電信号S5を出力する逆極性期間信号発生
回路である。TSGは信号S5を反転して正極性期間通電信
号S6を出力する正極性期間信号発生回路であり、この信
号S6と前述した信号S5とを出力電流通電期間制御回路IN
V2に出力して出力電圧の正極性期間Ts及び逆極性期間Tr
を制御する。IRGは、信号S11を入力して逆極性電流信号
S13を出力する逆極性電流信号発生回路である。ISGは信
号S3及び信号S13を入力して正極性電流信号S14を出力す
る正極性電流信号発生回路である。CM3は、出力電流検
出回路CDの出力電流検出信号S21と信号S13及び信号S14
とを比較して、差の信号S22を出力電流値制御回路INV1
に出力して正極性電流値Is及び逆極性電流値Irを制御す
る。WFは信号S31を入力してワイヤ送給モータWMにワイ
ヤ送給制御信号S32を出力するワイヤ送給制御回路であ
る。請求項1記載の必須の構成要件は、第1図の太線で
示す部分である。
第4図の説明 第4図は、第1図のブロック図の一部を具体化した接
続図であって、第1図のブロック図と同一の構成は同一
の符号を示してある。第4図において、1,D1,INV1,T,D
2,INV2,L,SI,SC,FV,CM1,CM2,FG,TRG,IRG,ISG,TSG,VD,C
D,CM3,WF及びWMの各機能は、第1図と同一なので説明を
省略する。また、信号S1乃至S6,S11乃至S14,S21,S22,S3
1,S32及びS44は、第1図と同一なので説明を省略する。
正極性期間信号発生回路TSGは、逆極性期間通電信号S5
を入力して反転回路によって正極性期間通電信号S6を出
力する。通電信号S5及びS6は出力電流通電期間制御回路
INV2に供給される。この制御回路INV2は、例えば50〜30
0Hzの低周波の可変周波数の電圧を出力する第2のイン
バータ回路であって、信号S5をドライバDVBに供給し
て、信号S53及び信号S54を出力してトランジスタQ3及び
Q4の導通制御を行い、また信号S6をドライバDVCに供給
して、信号S55及び信号S56を出力してトランジスタQ5及
びQ6の導通制御を行う。これらのトランジスタQ3及びQ4
とQ5及びQ6とは交互に導通するので,交流矩形波電圧を
出力する。信号S4乃至信号S6の波形を第5図(A)乃至
(C)に示す。
SW1は、逆極性電流信号S13を逆極性期間通電信号S5に
よってスイッチングして逆極性期間のみ逆極性電流信号
S13を出力する第1のスイッチング回路である。SW2は、
正極性電流信号S14を正極性期間通電信号S6によってス
イッチングして正極性期間のみ正極性電流信号S14を出
力する第2のスイッチング回路である。CM3は、SW1の出
力信号とSW2の出力信号との重畳信号S20と出力電流検出
回路CDの出力電流検出信号S21との差の信号S22を出力す
る第3の比較回路である。AMP1は信号S22を増幅して信
号S23を出力する増幅回路であり、PWMは、信号S23を入
力してパルス幅変調信号S24に変換するパルス幅変調回
路である。信号S22及び信号S24の波形を第5図(D)及
び(E)に示し、また信号S24の部分拡大波形を第5図
(F)に示す。
パルス幅変調信号S24は、出力電流値制御回路INV1に
供給される。この制御回路INV1は、例えば15KHzの高周
波電圧を出力する第1のインバータ回路であって、信号
S24をドライバDVAに供給して、信号S51及びS52を出力し
てトランジスタQ1及びQ2の導通制御を行う。
また、ワイヤ送給制御回路WFは、信号S31を入力とし
てワイヤ送給制御信号S32を出力するワイヤ送給制御信
号発生回路WFCと、信号S32とワイヤ送給モータWMの回転
数を検出するタコジェネレータTGの回転数検出信号S33
との差信号S34を出力する第4の比較回路CM4と、信号S3
4を増幅してワイヤ送給モータに信号S35を出力する増幅
回路AMP2とから構成される。
つぎに第6図を参照して、第4図のうちの出力電流動
作制御回路INV1及びその周辺回路の動作について説明す
る。
INV1は、出力電流値の制御が可能な定電流源であり、
制御の応答速度がINV2の上限周波数である500Hzよりも
十分高く、例えば2KHz程度以上のものであれば目的を達
成することができる。したがって、アナログトランジス
タ制御方式でもチョッパ制御方式でも実現可能である
が、装置の小形化と経済性とから、ここでは2石式フォ
ワードコンバータ方式の実施例で説明する。
第6図のD1,T,D2,L1は、第1図及び第4図と同一なの
で説明を省略する。D1で整流及び平滑された直流電圧値
E1は、正電位側に接続されたトランジスタQ1と負電位側
に接続されたトランジスタQ2とを介して、トランスTの
1次巻線に供給される。トランジスタQ1及びQ2は、DVA
から供給される同位相のオン信号S51とS52とが加わって
いる期間にオンする。S51とS52とは、例えば15KHz程度
のパルス例で第5図のS24に応じてパルス幅が決定され
た信号である。トランジスタQ1及びQ2がオンすると、ト
ランスTの1次巻線には直流電圧値E1が加わり、Tの2
次巻線には、E2=N2/N1・E1の電圧値が発生する。
ただし、N1はTの1次巻線の巻数、N2はTの2次巻数
の巻数である。
トランジスタQ1及びQ2は、S51及びS52のパルス幅の期
間Tonだけオンした後にオフ状態に移行する。Q1及びQ2
のオフの期間は、トランスTの巻線には、Q1及びQ2がオ
ン期間にトランスに蓄えられた磁気エネルギーを放出す
るために、逆電圧(フライバック電圧)を発生するが、
逆電圧を直流電圧値E1にクランプし、トランジスタQ1及
びQ2を過電圧から保護する目的で、ダイオードD31及びD
32が設けられている。さらに、Q1及びQ2のオフ期間内
に、トランスTの磁気エネルギーを完全に放出する必要
性から、Q1及びQ2のオフ時間Toffは、常にTonより長く
設定されている。すなわち、Ton/(Ton+Toff)<0.5に
選ばれている。
これらの動作波形を第7図に示す。同図(A)は、オ
ン信号S51及びS52であり、パルス幅が広く側と狭い側を
示している。同図(B)は、トランスTの1次電圧波形
であり、2次電圧波形も電圧値が異なるのみで、波形は
同じである。斜線部分はフライバック電圧であり、第6
図の2次ダイオードD21によって逆バイアスされる期間
であって出力には寄与しない。したがって、出力電圧の
平均値Voは、Vo=E2・〔(Ton/(Ton+Toff)〕とな
る。第7図(C)は、負荷電流波形Ioを示しており、To
nの期間中は、電流は増加し、直流リアクトルL1にエネ
ルギーを蓄え、次にToffの期間中は、L1のエネルギーを
放出することにより、電流は連続しているが減少する。
Toffの期間中は、ダイオードD22を通して負荷電流は還
流する。この負荷電流の平均値Ioは、Io=Vo/Rlで決ま
る。ただし、Rlは負荷の抵抗分である。したがって、負
荷の抵抗分Rが決まれば、Io=(E2/Rl)・Ton/(Ton+
Toff)となる。また、同図(D)乃至(F)に示すよう
にTonすなわち、オン信号S51及びS52のパルス幅を変化
させることにより負荷電流を制御することができる。
つぎに、本発明の溶接装置において出力電流を増加さ
せる場合の動作について説明する。出力電流を増加させ
るために、第1図に示す出力電流に対応したワイヤ送給
速度設定回路S1の出力電流に対応するワイヤ送給速度設
定信号S31を増加させると、出力電圧周波数信号発生回
路FGの出力電圧周波数信号S4及び正極性電流信号発生回
路ISGの正極性電流信号S14が増加する。正極性電流信号
S14が増加するとワイヤ溶融速度Vmが増加し、他方、出
力電圧周波数信号S4が増加すると、逆極性期間Trの繰り
返し周期が短くなりワイヤ先端からの溶滴移行回数が増
加するので、アーク長Laは略一定値に維持され、安定に
アークを継続する。逆に、出力電流を減少させると上述
した順序と逆の動作により溶滴の移行回数が減少するの
で、アーク長Laは略一定値に維持され、安定にアークを
継続する。
(4)請求項4記載の溶接装置 前述した請求項3記載の溶接装置は、設定したワイヤ
送給速度Vfとワイヤ溶融速度Vmとが等しい関係にあると
きは、アーク長Laは一定値を保持するが、アーク発生中
に外部条件の変動によりVf<Vmとなってアーク長Laが長
くなったり、逆にVf>Vmとなるとアーク長Laが短くな
る。また、Vf=Vmのときであっても、アーク長Laを微調
整したいときがある。請求項4記載の発明はアーク長制
御を行う回路を付加した交流MIG溶接装置である。
請求項4記載の交流MIG溶接装置の実施例を第1図の
ブロック図及び第4図を参照して説明する。
第1図において、アーク長制御を行う回路以外の回路
については、請求項3記載装置の説明と同じであるので
省略する。同図において、点線で示された構成及び信号
がアーク長制御を行う回路であって、FVは溶接電圧微調
整設定信号S1を出力する溶接電圧微調整設定回路であ
る。CM1は溶接電圧微調整設定信号S1と出力電流に対応
したワイヤ送給速度設定信号S31との加算信号S2を出力
する第1の比較回路であり、C2は信号S2と後述する出力
電圧極性検出回路VDの出力電圧極性検出信号S44との差
の信号S3を出力する第2の比較回路である。出力電圧極
性検出回路VDは、第4図に示すように出力電流値制御回
路INV2の出力電圧S41を入力とし、ダイオードD41と抵抗
器R41とから正極性又は逆極性の出力電圧信号S42を出力
する回路VD1と、信号S42のうち逆極性期間通電信号S5又
は正極性期間通電信号S6によってスイッチングして、い
ずれかの通電信号期間のみ信号43を出力する第3のスイ
ッチング回路SW3と、信号S43をホールドして、第2の比
較回路CM2に信号S44を出力するホールド回路HDとから構
成される。
溶接電圧微調整設定回路FVにより、溶接電圧微調整設
定信号S1を高い値に設定すると、出力電圧周波数信号発
生回路FGの出力電圧周波数信号S4を増加させるととも
に、正極性電流信号発生回路ISGの正極性電流信号S14を
増加させると、前述した第2図に示したように溶滴の移
行回数が増加してワイヤ溶融速度Vmが増加するが、ワイ
ヤ送給速度信号S31が一定値であるため、アーク長Laが
増加してアーク電圧が高くなる。逆に、溶接電圧微調整
設定信号S1を低い値に設定すると、上述した順序と逆に
なって、アーク長Laが減少し、アーク電圧が低くなる。
このように、溶接電圧微調整設定回路FVによってアーク
電圧値を微調整することができる。ワイヤ送給速度Vfが
ワイヤ溶融速度Vmよりも大になってアーク長Laが短くな
ると、出力電圧極性検出回路VDの出力電圧極性検出信号
S44が小となり、出力電圧周波数信号発生回路FGの出力
電圧周波数信号S4が大となるとともに、正極性電流信号
発生回路ISGの正極性電流信号S14が大となるので、前述
した第2図に示すように溶滴の移行回数が増加してワイ
ヤ溶融速度Vmが増加するので、アーク長Laが増大しても
とのアーク長に復帰する。逆に、ワイヤ送給速度Vfがワ
イヤ溶融速度Vmよりも小になってアーク長Laが長くなる
と、上述した順序と逆の動作によって、アーク長Laが減
少してもとのアーク長に復帰する。このように、アーク
長Laが変動すると出力電圧極性検出回路VDの作用により
アーク長Laを一定値に維持させることができる。
〔発明の効果〕
請求項1記載の溶接方法によれば、ワイヤの直径,ワ
イヤ成分,シールドガス成分等の消耗材の条件により、
円滑な溶滴移行を行わせる適正なピンチ力すなわち逆極
性電流値Irと逆極性期間Trとからなる関数を切りかえ設
定した上で、出力電流の設定により、ワイヤ送給速度Vf
と一元的に出力電圧の周波数F及び正極性電流値Isを設
定するようにしたので、最適溶接条件の範囲が広くな
り、従来のように高周波,高電圧,パルス等を重畳する
ことなく、溶接中に継続して確実に再点弧が行われ、ア
ークを安定させることができるので、消耗電極ガスシー
ルド交流アーク溶接方法を実用化させることができる。
請求項2記載の溶接方法は、請求項1記載の効果に加
えて、ワイヤ送給速度又はワイヤ溶融速度が一時的に変
動しても、常にアーク長は一定値に維持され、安定した
アークを継続することができる。
請求項3記載の溶接装置は、請求項1記載の溶接方法
を実施する装置であり、また請求項4に記載の溶接装置
は、請求項2記載の溶接方法を実施する装置であるの
で、効果の記載を省略する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の消耗電極ガスシールド交流アーク溶
接方法を実施する装置のブロック図、第2図(A)は本
発明の正極性電流と逆極性電流との関係を示す出力電流
波形図、同図(B)は同図(A)の波形に同期してワイ
ヤ先端から溶滴が移行する移行状態図、第3図は本発明
の溶接方法に係るワイヤ送給速度Vf(横軸)と出力電圧
の周波数F及び正極性電流値Is(縦軸)との関係を示す
線図、第4図は本発明の消耗電極ガスシールド交流アー
ク溶接方法を実施する装置の接続図、第5図(A)乃至
(F)は第4図の接続図に示す信号の波形図、第6図は
第4図の接続図のうち出力電流制御回路INV1の動作説明
図、第7図(A)乃至(C)及び(D)乃至(F)は第
6図の制御回路の各部の信号の波形図、第8図(A)は
従来の溶接方法の正極性電流と逆極性電流との関係を示
す出力電流波形図、同図(B)は同図(A)の波形に同
期してワイヤ先端から溶滴が移行する状態を示す移行状
態図、第9図は円滑な溶滴移行が行われるときの逆極性
電流通電期間Tr(横軸)と逆極性電流値Ir(縦軸)との
関係を示す図、第10図は各種ワイヤ成分,シールドガス
成分についてのワイヤ直径(横軸)と臨界電流値(縦
軸)との関係を示す図である。 SI……ワイヤ送給速度設定回路 SC……消耗材条件設定回路 WF……ワイヤ送給制御回路 WM……ワイヤ送給モータ FG……出力電圧周波数信号発生回路 TRG……逆極性期間信号発生回路 TSG……正極性期間信号発生回路 IRG……逆極性電流信号発生回路 ISG……正極性電流信号発生回路 INV1……出力電流値制御回路 INV2……出力電流通電期間制御回路 FV……溶接電圧微調整設定回路 VD……出力電圧極性検出回路 CM……比較回路 Tr……逆極性(電流通電)期間 Ts……正極性(電流通電)期間 Ir……逆極性電流値 Is……正極性電流値 F……交流出力周波数 S1……溶接電圧微調整設定信号 S4……出力電圧周波数信号 S5……逆極性期間通電信号 S6……正極性期間通電信号 S11……逆極性電流値設定信号 S12……逆極性期間設定信号 S13……逆極性電流信号 S14……正極性電流信号 S31……出力電流に対応したワイヤ送給速度設定信号 S32……ワイヤ送給速度制御信号 S44……出力電圧極性検出信号

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】消耗電極と被溶接物間に交流電圧を供給し
    て溶接する消耗電極ガスシールド交流アーク溶接方法に
    おいて、出力電流の設定値に対応した速度で消耗電極を
    送給し、前記ワイヤ送給速度に対応した交流出力の周波
    数を定め、消耗電極の材質及び直径・シールドガス成分
    等の消耗材の条件に応じた通電期間及び電流値の逆極性
    電流を通電して溶接する消耗電極ガスシールド交流アー
    ク溶接方法。
  2. 【請求項2】正極性通電期間又は逆極性通電期間のいず
    れか一方の期間に通電する電圧値を検出して、前記検出
    電圧により、正極性電流値又は逆極性電流値のいずれか
    一方を制御してアーク長を一定に維持する請求項1記載
    の消耗電極ガスシールド交流アーク溶接方法。
  3. 【請求項3】消耗電極と被溶接物間に交流電圧を供給し
    てアーク溶接する消耗電極ガスシールド交流アーク溶接
    装置において、出力電流値に対応してワイヤ送給速度設
    定信号S31を出力するワイヤ送給速度設定回路SIと、前
    記ワイヤ送給速度設定信号S31を入力して出力電圧の周
    波数に相当する出力電圧周波数信号S4を出力する出力電
    圧周波数信号発生回路FGと、前記消耗電極の材質及び直
    径・シールドガス成分等の消耗材の条件により予め設定
    する設定信号に対応して逆極性期間通電信号S5を出力す
    る逆極性期間信号発生回路TRGと、前記設定信号に対応
    して逆極性電流信号S13を出力する逆極性電流信号発生
    回路IRGと、前記逆極性期間通電信号S5を入力として正
    極性期間通電信号S6を出力する正極性期間信号発生回路
    TSGと、前記出力電流に対応したワイヤ送給速度設定信
    号S31を入力して正極性電流信号S14を出力する正極性電
    流信号発生回路ISGと、前記正極性電流信号S14と前記逆
    極性電流信号S13とを入力として正極性電流値Is及び逆
    極性電流値Irを制御する出力電流値制御回路INV1と、前
    記正極性期間通電信号S6と前記逆極性期間通電信号S5と
    を入力として正極性電流通電期間Ts及び逆極性電流通電
    期間Trを制御する出力電流通電期間制御回路INV2とから
    成る消耗電極ガスシールド交流アーク溶接装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の出力電圧周波数信号発生回
    路FGの入力信号が、正極性電流通電期間Ts又は逆極性電
    流通電期間Trのいずれか一方の期間に信号を出力する出
    力電圧極性検出回路VDの出力電圧極性検出信号S44とワ
    イヤ送給速度設定信号S31との差信号である消耗電極ガ
    スシールド交流アーク溶接装置。
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