JP2665966B2 - 制振性能、遮音性能を高めた複合板 - Google Patents

制振性能、遮音性能を高めた複合板

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JP2665966B2
JP2665966B2 JP1026750A JP2675089A JP2665966B2 JP 2665966 B2 JP2665966 B2 JP 2665966B2 JP 1026750 A JP1026750 A JP 1026750A JP 2675089 A JP2675089 A JP 2675089A JP 2665966 B2 JP2665966 B2 JP 2665966B2
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信昭 山田
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Toho Sheet and Frame Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 内、外装材および屋根材として使用する建材に関する
ものである。
(従来の技術) 屋根用金属板として耐食性、強度ならびに経済性を改
善するため銅または鉛とステンレス鋼板あるいは鉄板の
ように展延差の大きい金属同志を接着剤で接着させたも
のはある。但し、接着剤は特定されていない(特開昭60
−112957号公報参照)。
又、鉛とステンレス鋼板または鉄板との接着剤は多々
考えられているが、例えば、エポキシ樹脂系接着剤で鉛
板とステンレス鋼板を重合した複合板は振動減衰比が大
きくなり難く、複合板の曲げ振動等の振れに伴って接着
剤層にずり変形を生じさせてしまい、複合板の振動減衰
比を高めるとともに鉛板とステンレス鋼板、又は鉄板と
を強固に接着する接着剤に適切なものがなかった。
(発明が解決しようとする問題点) この発明は、上記の従来技術の問題点である振動減衰
比が小であるものを振動減衰比(制振性能)を大にする
とともに、密度大の鉛を使用することにより遮音性能を
も大にした複合板を得ることである。この複合板の振動
時において減衰比を大きくするにはマング率を高める必
要があり、このためステンレス鋼板等の金属板の使用が
望ましく、更に遮音性能を大きくするために密度の大き
い鉛板の使用が望まれ、これらを重合接着して建材とし
て使用できるような特殊な合成樹脂接着剤を開発したも
のである。
(問題点を解決するための手段) そこで、この発明は、鉛板と金属板とを変性ポリエス
テル樹脂層を介して重合接着した複合板を開発したもの
である。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面並びに表に基づいて詳細
に説明する。
第1図は、本発明の複合板を分解したところを示すも
ので、鉛板1とステンレス鋼板等の金属板3を変性ポリ
エステル樹脂層2を介して重合接着したものである。第
2図は部分的に円弧部を形成した複合板を示し、第3図
は端部を折り曲げたものを示す。
ここで、接着剤層として変性ポリエステル樹脂層が何
故に良いかを詳細に説明する。先ず、接着剤を説明する
前に、複合板として鉛板とステンレス鋼板等の金属板を
利用する理由を説明すると、板の振動時において、振動
減衰比を大きくするにはヤング率を高める必要がある。
このためにステンレス鋼板等の金属板が望ましい。ま
た、遮音性能を大にするには密度の大きい鉛板を使用す
ることが望ましい。更に、鉛板、ステンレス鋼板とも耐
食性がある。このために建材の複合板として、鉛板とス
テンレス鋼板等金属板とにより形成したものが望まれて
いた。しかし、この鉛板とステンレス鋼板等金属板の両
方を接着し、建材使用温度範囲である−20℃〜+80℃の
温度範囲で減衰比を大にする接着剤である合成樹脂フイ
ルムが見い出されていなかった。これを種々研究し開発
したのが本願発明で使用した変性ポリエステル樹脂であ
る。
それでは、この変性ポリエステル樹脂はどのような成
分で、どのように製造されるのかを以下に説明すると、
先ず、厚さについて述べれば、100μ以下が望ましい。
これは樹脂層厚が100μを越えると固有振動数(共振振
動数)が多くなり易いためである。
次に、この変性ポリエステル樹脂層について成分等説
明すると、熱可塑性ポリエステルのうち、二塩基性酸と
してテレフタル酸とイソフタル酸と脂肪族二塩基性酸の
混合物(これらの比は、それぞれのモル%で約80:60:40
〜30:10:5が望ましい)および、グリコールとしてテト
ラメチレングリコール(14−ブタンジオール)を用いた
生成物であり、かつ、還元粘度が0.3〜0.9dl/g、好まし
くは0.4〜0.8dl/g、および190℃におけるメルトインデ
ックス(MI)が30〜500g/10分、好ましくは40〜300g/10
分を有するものである。
ここで還元粘度は、m−クレゾール溶媒中でポリエス
テル濃度0.25g/0.25dl、40℃で測定した値であり、又19
0℃におけるメルトインデックスはJIS,K6760−1977に準
じて測定した値である。
なお、上記の熱可塑性ポリエステルに対して、添加剤
として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α
−オレフィン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重
合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、石油樹脂などの熱可
塑性樹脂あるいは炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、タルク、アルミナ、シリカ、ヒュームドシリカ、ガ
ラス繊維などの無機充填剤を特殊な特性ポリエステル樹
脂100重量に対し、50重量を越えない範囲の添加も本発
明の有用性を損なわない。
そのほか、ジオクチルフタレート、P−オキシ安息香
酸、P−トルエンスルホンアミドなどの可塑材、ヒンダ
ードフェノール系などの安定剤や有機アルコキシシラン
などの添加も可能である。
以上、説明してきた通り、変性ポリエステル樹脂は、
エステル結合と言う極性基を多量に有し、凝集力の強い
接着剤のため、接着強度が大である。更に加えて、エポ
キシ樹脂等、金属に対して密度性の良い樹脂を配してあ
り、これらの相乗効果により強固に接着されるものであ
る。
又、この複合板の製造法は、表面をきれいにした鉛板
およびステンレス鋼板(例えば、USU304)を140℃に加
熱後、本発明による特殊な変性ポリエステル樹脂(フイ
ルム厚100μ以下)を挿入して熱間プレス機で加熱温度1
40℃、加圧力2kg/cm、加圧時間2分間で本発明複合板を
製作し、熱間プレス機より取り出し放冷する。尚、熱間
プレス機で製作するばかりでなく、圧延機のロールによ
る圧着によって製作できるのは勿論である。
ここで、本発明例と従来のものとを比較してみると、
幅30m×長さ250mmの試験片を採取し、測定条件によるバ
ラツキの少ないインピーダンス法を使用して測定した損
失係数を表に示す。
又、本発明例による接着性試験結果をまとめてみると
以下の〔表2〕のようになる。
尚、ステンレス鋼など金属板としては、銅、アルミ、
錫、鉄等、切断、曲げ等の機械加工が可能なものであれ
ば良いことはいうまでもない。
(発明の効果) 本発明は、以下説明したように、振動減衰比(制振作
用)が大で密度大の鉛板を使用することにより、遮音性
能が向上する他、X線の透過を防ぐことができ、更に耐
食性が良好であり、かつ、ステンレス鋼板等の金属板側
に任意の塗装が可能であり、しかも、切断、曲げ等の機
械加工性に富むので、内、外装材、又は屋根材など建材
に利用すると最適である(但し、合成樹脂フイルムは電
気絶縁性に富むので電気抵抗溶接は不可であることはい
うまでもない)。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る複合板を分解した斜視図、第2
図は、本発明に係る一部円弧状に形成した複合板の斜視
図、第3図は、本発明に係る端部を折り曲げて形成した
複合板の斜視図である。 図中 1……鉛板 2……変性ポリエステル樹脂 3……ステンレス鋼板等の金属版
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 雄貞 東京都中央区日本橋3丁目12番2号 東 邦シートフレーム株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉛板と金属板とを変性ポリエステル樹脂を
    介して接合した制振性能、遮音性能を高めた複合板。
JP1026750A 1989-02-07 1989-02-07 制振性能、遮音性能を高めた複合板 Expired - Fee Related JP2665966B2 (ja)

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