JPH0639962A - 複合型制振材料 - Google Patents

複合型制振材料

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JPH0639962A
JPH0639962A JP4196684A JP19668492A JPH0639962A JP H0639962 A JPH0639962 A JP H0639962A JP 4196684 A JP4196684 A JP 4196684A JP 19668492 A JP19668492 A JP 19668492A JP H0639962 A JPH0639962 A JP H0639962A
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resin
viscoelastic
vibration damping
damping material
glass transition
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JP4196684A
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English (en)
Inventor
Kunihiko Eguchi
口 邦 彦 江
Yasunobu Uchida
田 康 信 内
Seiji Sakamoto
本 誠 司 坂
Hidetaka Sugibe
辺 英 孝 杉
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】常温以下の低温から100℃程度の高温までの
広い温度範囲において、高い制振性能と高い接着性能を
有する複合型制振材料の提供。 【構成】2枚の金属板1が樹脂層を挟持してなる複合型
制振材料において、該樹脂層が、相対的にガラス転移点
の異なる2種以上の粘弾性樹脂からなり、該粘弾性樹脂
の各々が、2枚の金属板1の両内面に接着し、縞状およ
び/または海島状に配されている複合型制振材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2枚の金属板に粘弾性
樹脂が挟持されてなる複合型制振材料に関する。具体的
には、広い温度範囲において、優れた制振性能を発揮
し、かつ、接着性能すなわち成形加工性能に優れる複合
型制振材料に関するものであり、階段、床材などの土木
建築部材、モーターカバーなどの電機部材、ダッシュパ
ネル、オイルパンなどの自動車部材などに利用できる。
【0002】
【従来の技術】複合型制振材料とは、2枚の金属板の間
に粘弾性樹脂を介在させた材料である。この材料は、金
属板に加えられる振動を中間層樹脂が熱エネルギーに変
換して制振作用を発現するものであり、騒音、振動防止
材として注目されている。
【0003】複合型制振材料に要求される主な性能は、
使用温度において高い制振性能と、成形加工時に加わる
外力に耐える高い接着性能を有することである。さら
に、用途を拡大するために、使用温度範囲の拡大が望ま
れている。
【0004】制振性の発現温度を拡大するためには、制
振性発現温度の異なる複数の樹脂を複合化することが有
効であり、従来から検討されている。
【0005】例えば、特開昭60−82349、特開昭
61−89841、特開昭61−217237、特開昭
62−152751、特開昭63−56446、特開昭
63−278845などでは、粘弾性特性の温度依存性
の異なる複数の樹脂を積層して多層フィルムとし、これ
を中間層樹脂とした複合型制振材料が開示されている。
【0006】このようにすると、これらの複合型制振材
料の制振性能は、比較的広い温度範囲で良好ではある
が、多層構造であるがゆえに、成形加工時の剪断力に対
して、最も軟質の樹脂層部分がずれ、接着性能を十分に
満足できないことがわかった。
【0007】また、特開昭60−258262、特開昭
61−28551、特開昭61−28553などでは、
粘弾性特性の温度依存性が異なり、互いに相溶しない樹
脂を混合して得た樹脂を中間層樹脂とした複合型制振材
料が開示されている。
【0008】これらの複合型制振材料の制振性能も、比
較的広い温度範囲で良好ではあるが、非相溶状態である
ために、樹脂と樹脂との界面における凝集力が低く、そ
のために前記従来例と同様に接着性能を十分に満足でき
ないことがわかった。
【0009】一方、常温以下で制振性能を発揮させたい
場合には、必然的に常温において軟質な粘弾性樹脂を中
間層樹脂に用いる必要があるが、その場合には、接着性
能が低いものとなり、複合型制振材料の用途が限定され
ていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決し、常温以下の低温から100℃程度の高温までの
広い温度範囲において、高い制振性能と高い接着性能を
有する複合型制振材料を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するために鋭意検討した結果、相対的にガラス
転移点の異なる2種以上の粘弾性樹脂を縞状および/ま
たは海島状に配し、さらに粘弾性樹脂の各々が2枚の金
属板の両内面に接着させてなる中間層樹脂を2枚の金属
板で挟持することによって、目標を達成できることを見
出し、本発明に至った。すなわち、本発明では、2枚の
金属板が樹脂層を挟持してなる複合型制振材料におい
て、該樹脂層が、相対的にガラス転移点の異なる2種以
上の粘弾性樹脂からなり、該粘弾性樹脂の各々が、2枚
の金属板の両内面に接着し、縞状および/または海島状
に配されていることを特徴とする複合型制振材料を提供
する。
【0012】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】粘弾性樹脂 本発明で用いる粘弾性樹脂は、特に限定はないが、複合
型制振材料の制振性発現温度、すなわち、粘弾性樹脂の
ガラス転移点近傍において、高い損失正接(tanδ)
を有する樹脂が好ましい。tanδの高い樹脂ほど複合
型制振材料としたときの制振性能が優れており、tan
δの極大値が0.5以上を示すものが好ましく、より好
ましくは、0.7以上である。
【0014】粘弾性樹脂としては、一般的な熱可塑性樹
脂が使用できる。例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂などが
挙げられる。
【0015】また、粘弾性樹脂は、分子鎖中に官能基を
有する熱可塑性樹脂に架橋剤を反応させた架橋樹脂を用
いることもできる。この場合の例としては、水酸基を有
するポリエステルとイソシアナート基を有する架橋剤か
らなる架橋樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル
とエポキシ基を有する架橋剤からなる架橋樹脂などが挙
げられ、熱可塑性樹脂の官能基の種類に応じて、架橋剤
の官能基の種類を適宜選定できる。
【0016】粘弾性樹脂のガラス転移点については、特
に限定はないが、常温付近の制振性を考慮して、−50
〜100℃の範囲内にあることが好ましい。粘弾性樹脂
のガラス転移点は、粘弾性樹脂が架橋樹脂である場合に
は、架橋前の熱可塑性樹脂のガラス転移点によって調整
してもよいし、熱可塑性樹脂の分子量や架橋剤の種類、
架橋剤の配合量などで変化する架橋構造によって調整し
てもよい。
【0017】また、本発明では、相対的にガラス転移点
の異なる粘弾性樹脂を2種以上用いる。それぞれの粘弾
性樹脂のガラス転移点の差が大きい場合には、制振性が
極大となる温度の間隔が広くなる。粘弾性樹脂の種類お
よびそれぞれのガラス転移点については、複合型制振材
料の用途に応じて適宜選定できるが、常温を含む広い温
度範囲での制振性を考慮すると、ガラス転移点0℃以下
の粘弾性樹脂と10℃以上の粘弾性樹脂を用いることが
好ましい。さらに、複合型制振材料作製時の作業性やコ
ストなどを考慮すると、ガラス転移点の異なる粘弾性樹
脂は2種類とするのが好ましい。
【0018】複数の粘弾性樹脂のそれぞれの量比につい
ても、制振性能などの要求に応じて調整が可能だが、常
温を含めた広い温度範囲での制振性を考慮すると、ガラ
ス転移点0℃以下の粘弾性樹脂が10〜90重量%、ガ
ラス転移点10℃以上の粘弾性樹脂が90〜10重量%
であることが好ましく、特に好ましくは、ガラス転移点
0℃以下の粘弾性樹脂が30〜70重量%、ガラス転移
点10℃以上の粘弾性樹脂が70〜30重量%である。
【0019】金属板 本発明の複合型制振材料を構成する金属板としては、特
に限定はなく、冷間圧延鋼板やクロメート処理鋼板、亜
鉛系めっき鋼板、リン酸塩処理鋼板等の表面処理鋼板、
さらに銅板、アルミ板、ステンレス板、チタン板であっ
てもよい。また、形状もコイル状、切り板状のいずれで
あってもよい。金属板の板厚にも特に限定はないが、成
形加工性能や保形性を考慮すれば、通常0.2〜2mm
程度のものが好適に用いられる。
【0020】中間層樹脂の構成 本発明の複合型制振材料の中間層樹脂は、ガラス転移点
の異なる粘弾性樹脂が複数縞状および/または海島状に
配されていることに特徴がある。縞状とは、ガラス転移
点の異なる粘弾性樹脂が線状あるいは帯状に、交互に配
されている状態を言い、海島状とは、一種の粘弾性樹脂
が平面方向に連続的に介在し、該粘弾性樹脂の中に部分
的に島状にガラス転移点の異なる他の粘弾性樹脂が介在
している状態を言う。理解し易いように、図1に縞状配
置の構成例を、図2に海島状配置の構成例を示す。図1
において、金属板1,1間に低ガラス転移点の粘弾性樹
脂2および高ガラス転移点の粘弾性樹脂3が帯状に配置
されて挟持されている。図2において、金属板1,1間
に2種の異なるガラス転移点の粘弾性樹脂2,3が一方
2の中に他方3が島状に配置されて挟持されている。た
だし、これらはいずれも、相対的にガラス転移点の異な
る粘弾性樹脂の各々が、2枚の金属板の両内面に接着し
ていることが必須である。2枚の金属板の両内面に接着
していない場合は、従来技術の層状あるいは非相溶状樹
脂からなる複合型制振材料と同様に、接着性能が低いも
のとなってしまう。
【0021】縞状および/または海島状に配されてなる
粘弾性樹脂が、中間層樹脂内に部分的に存在していて
も、本発明の効果は若干現れるが、十分な効果を得るた
めには、中間層樹脂の平面方向全域に、縞状および/ま
たは海島状に配されていることが好ましい。
【0022】粘弾性樹脂が縞状に配されている場合の各
線状樹脂あるいは帯状樹脂の幅や、粘弾性樹脂が海島状
に配されている場合の各島状樹脂の面積があまりに広す
ぎる場合には、複合型制振材料の接着性能が低下し、制
振性発現温度に偏りを生じることがある。一つの線状樹
脂、帯状樹脂の幅や島状樹脂の最大径は、複合型制振材
料の平面方向の最短長の半分以下であることが好まし
い。
【0023】中間層樹脂の厚さは、積層される1枚の金
属板の厚さの1/50〜1/5となる厚さであることが
好ましく、実質的に、20〜150μmとなる厚さであ
ることが好ましい。20μm未満である場合には、制振
性能や接着性能が低下し、また150μmを越える場合
には、成形加工時の金属板のずれや割れの原因となるこ
とがある。
【0024】複合型制振材料の製造方法 本発明で用いる中間層樹脂を金属板に挟持する方法とし
ては、粘弾性樹脂を溶媒に溶解し、溶液として金属板に
塗布し、溶媒乾燥後に塗布金属板を積層接着する方法、
粘弾性樹脂を加熱溶融して金属板に塗布し、塗布金属板
を積層接着する方法、粘弾性樹脂を予め加熱溶融してフ
ィルム化し、これを金属板に挟持する方法などが例示さ
れる。本発明の中間層樹脂中には、複合型制振材料のス
ポット溶接性を付与するために、金属フィラーなどの導
電性充填材を配合することもできる。また、接着性能や
制振性能の改良を目的に、カップリング剤や可塑剤など
の添加剤を配合することもできる。
【0025】
【作用】以上詳述した本発明によれば、広い温度範囲に
おいて、制振性能と接着性能に優れる複合型制振材料が
提供されるが、その理由は以下のごとくに推察してい
る。本発明の複合型制振材料の一例を図1および図2に
示す。中間層樹脂は、ガラス転移点の低い粘弾性樹脂1
とガラス転移点の高い粘弾性樹脂2とが縞状または海島
状に構成されている。広い温度範囲において、高い制振
性能を発揮するのは、本発明の中間層樹脂が、ガラス転
移点、すなわち制振性発現温度の異なる粘弾性樹脂を複
数含有するためであり、各粘弾性樹脂の制振性発現温度
が重なり合ったことによる。
【0026】また、広い温度範囲において、高い接着性
能を発揮するのは、軟質な粘弾性樹脂1の中に、硬質な
粘弾性樹脂2が縞状および/または海島状に介在するこ
とによって、梁のような作用から複合型制振材料の剛性
を高め、接着性能を保持するためである。複数の粘弾性
樹脂が層状あるいは非相溶状に配されてなる従来の複合
型制振材料と異なり、硬質で接着性能に優れる粘弾性樹
脂2が、2枚の金属板の両内面に接着しているので、粘
弾性樹脂2の介在量が接着性能を支配する。低温におい
ては、粘弾性樹脂2がガラス状で高接着性を示すため、
中間層樹脂全体の半分程度の介在量であっても十分な接
着強度を発揮する。
【0027】
【実施例】以下本発明を実施例をもって具体的に説明す
る。本実施例においては、下記の各条件にて、2枚の金
属板の間に粘弾性樹脂を介在させ、複合型制振材料を製
造した。また、各材料の性能評価試験方法は以下の通り
である。
【0028】制振性能 制振性能の評価として、複合型制振材料試料の損失係数
ηを機械インピーダンス法によって測定し、1000H
zにおける損失係数の温度依存性を調査した。ηが0.
1以上であると制振性能に優れると判断することができ
る。ηが0.1以上を示す温度範囲を表示した。
【0029】接着性能 (1)T−剥離強度:25mm幅に調整した複合型制振
材料の試料について、引張速度200mm/分、測定温
度23℃、40℃、60℃の各温度にて、JIS K−
6854に従って測定した。 (2)剪断接着強度:25mm×12.5mmの接着面
積になるように調整した複合型制振材料の試料につい
て、引張速度10mm/分、測定温度23℃、40℃、
60℃の各温度にて、JIS K−6850に従って測
定した。
【0030】(実施例1)相対的にガラス転移点の異な
る粘弾性樹脂として、ガラス転移点が−25℃のポリエ
ステル系粘弾性樹脂A(ガラス転移点に基づくtanδ
極大値は1.80)とガラス転移点が35℃のポリエス
テル系粘弾性樹脂B(ガラス転移点に基づくtanδ極
大値は1.65)を準備した。これらの粘弾性樹脂を予
め、厚さ約100μmのフィルムとした。粘弾性樹脂A
のフィルムと粘弾性樹脂Bのフィルムを短冊状に切り、
これらを交互に並べて加熱プレスし、粘弾性樹脂Aと粘
弾性樹脂Bがそれぞれ幅5mmに交互に縞状に配された
厚さ50μmのフィルムを得、中間層樹脂とした。金属
板として、接着面を脱脂した0.8mm厚×300mm
×300mmの冷間圧延鋼板(SPCC−SD)を準備
した。2枚の金属板の間に、前記の中間層樹脂フィルム
を挟み、加熱プレスを用いて、120℃×2分×圧力2
0kgf/cm2 の条件で接着し、複合型制振材料の試料を得
た。表1に前記の性能評価試験の結果を示す。
【0031】(実施例2)実施例1と同様の粘弾性樹脂
Aと粘弾性樹脂Bのフィルムを準備した。粘弾性樹脂A
のフィルムに等間隔で穴を開け、その中に粘弾性樹脂B
のフィルムを島状に置いて加熱プレスし、粘弾性樹脂A
フィルム中に、約10mm径の円形の粘弾性樹脂Bフィ
ルムが20mm間隔で縦横方向に配された厚さ50μm
のフィルムを得、中間層樹脂とした。以下は実施例1と
同様にして複合型制振材料試料を作製し、同様の性能評
価試験を行ってその結果を表1に示した。
【0032】(比較例1)粘弾性樹脂Bを用いずに、粘
弾性樹脂Aのフィルム(厚さ50μm)を中間層樹脂と
した以外は実施例1と同様にして複合型制振材料試料を
作製し、同様の性能評価試験を行ってその結果を表1に
示した。
【0033】(比較例2)粘弾性樹脂Aを用いずに、粘
弾性樹脂Bのフィルム(厚さ50μm)を中間層樹脂と
した以外は実施例1と同様にして複合型制振材料試料を
作製し、同様の性能評価試験を行ってその結果を表1に
示した。
【0034】(比較例3)実施例1と同様の粘弾性樹脂
Aと粘弾性樹脂Bのフィルムを準備した。粘弾性樹脂A
のフィルム1枚と粘弾性樹脂Bのフィルム1枚とを重ね
合わせて、加熱プレスし、厚さ50μmの2層型フィル
ムを得、中間層樹脂とした。以下は実施例1と同様にし
て複合型制振材料試料を作製し、同様の性能評価試験を
行ってその結果を表1に示した。
【0035】(比較例4)実施例1と同様の粘弾性樹脂
Aと粘弾性樹脂Bを同容量ずつ準備した。これらを、溶
融混合してフィルム化し、粘弾性樹脂Aと粘弾性樹脂B
との混合フィルムを得た(厚さ50μm)。なお、この
混合フィルムを顕微鏡観察すると、粘弾性樹脂A中に粘
弾性樹脂Bの粒子(約5〜40μm径)が介在した非相
溶状樹脂であった。混合フィルムを中間層樹脂とし、以
下は実施例1と同様にして複合型制振材料試料を作製
し、同様の性能評価試験を行ってその結果を表1に示し
た。
【0036】表1からわかるように、本発明(実施例1
および実施例2)の複合型制振材料は、常温以下の低温
から100℃程度の高温までの広い温度範囲内において
十分な制振性能を発揮する。さらに常温から60℃まで
の広い温度範囲内において十分な接着性能をも満足す
る。中間層樹脂を、単一の粘弾性樹脂とした場合(比較
例1および比較例2)には、十分な制振性を発現する温
度範囲が狭い。さらに、粘弾性樹脂のガラス転移点が低
い場合には、接着強度が低い。また、中間層樹脂を層状
(比較例3)あるいは非相溶状(比較例4)とした従来
技術においては、制振性発現温度範囲は本発明と同等で
あるが、接着性能が著しく低い。本発明の複合型制振材
料によって、広い温度範囲内における制振性能と接着性
能の両立が可能となる。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の複合型制振材料は、常温以下の
低温から100℃程度の高温までの広い温度範囲内にお
いて、優れた制振性能と接着性能を発揮する。このた
め、使用温度範囲の広い材料などに適用でき、複合型制
振材料の用途が拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合型制振材料の構成例で、複数の
粘弾性樹脂が縞状に配された例を示す図である。
【図2】 本発明の複合型制振材料の構成例で、複数の
粘弾性樹脂が海島状に配された例を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】中間層樹脂の構成 本発明の複合型制振材料の中間層樹脂は、ガラス転移点
の異なる粘弾性樹脂が複数縞状および/または海島状に
配されていることに特徴がある。縞状とは、ガラス転移
点の異なる粘弾性樹脂が線状あるいは帯状に、交互に配
されている状態を言い、海島状とは、一種の粘弾性樹脂
が平面方向に連続的に介在し、該粘弾性樹脂の中に部分
的に島状にガラス転移点の異なる他の粘弾性樹脂が介在
している状態を言う。理解し易いように、図1に縞状配
置の構成例を、図2に海島状配置の構成例を示す。図1
において、金属板1,1間にガラス転移点の低い粘弾性
樹脂2およびガラス転移点の高い粘弾性樹脂3が帯状に
配置されて挟持されている。図2において、金属板1,
1間にガラス転移点の低い粘弾性樹脂2およびガラス転
移点の高い粘弾性樹脂3が一方ガラス転移点の低い粘弾
性樹脂2の中に他方ガラス転移点の高い粘弾性樹脂3が
島状に配置されて挟持されている。ただし、これらはい
ずれも、相対的にガラス転移点の異なる粘弾性樹脂の各
々が、2枚の金属板の両内面に接着していることが必須
である。2枚の金属板の両内面に接着していない場合
は、従来技術の層状あるいは非相溶状樹脂からなる複合
型制振材料と同様に、接着性能が低いものとなってしま
う。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【作用】以上詳述した本発明によれば、広い温度範囲に
おいて、制振性能と接着性能に優れる複合型制振材料が
提供されるが、その理由は以下のごとくに推察してい
る。本発明の複合型制振材料の一例を図1および図2に
示す。中間層樹脂は、ガラス転移点の低い粘弾性樹脂2
とガラス転移点の高い粘弾性樹脂3とが縞状または海島
状に構成されている。広い温度範囲において、高い制振
性能を発揮するのは、本発明の中間層樹脂が、ガラス転
移点、すなわち制振性発現温度の異なる粘弾性樹脂を複
数含有するためであり、各粘弾性樹脂の制振性発現温度
が重なり合ったことによる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】また、広い温度範囲において、高い接着性
能を発揮するのは、軟質なガラス転移点の低い粘弾性樹
脂2の中に、硬質なガラス転移点の高い粘弾性樹脂3が
縞状および/または海島状に介在することによって、梁
のような作用から複合型制振材料の剛性を高め、接着性
能を保持するためである。複数の粘弾性樹脂が層状ある
いは非相溶状に配されてなる従来の複合型制振材料と異
なり、硬質で接着性能に優れるガラス転移点の高い粘弾
性樹脂3が、2枚の金属板1,1の両内面に接着してい
るので、ガラス転移点の高い粘弾性樹脂3の介在量が接
着性能を支配する。低温においては、ガラス転移点の高
い粘弾性樹脂3がガラス状で高接着性を示すため、中間
層樹脂全体の半分程度の介在量であっても十分な接着強
度を発揮する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【符号の説明】 1 金属板 2 ガラス転移点の低い粘弾性樹脂 3 ガラス転移点の高い粘弾性樹脂
フロントページの続き (72)発明者 坂 本 誠 司 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 杉 辺 英 孝 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の金属板が樹脂層を挟持してなる複合
    型制振材料において、該樹脂層が、相対的にガラス転移
    点の異なる2種以上の粘弾性樹脂からなり、該粘弾性樹
    脂の各々が、2枚の金属板の両内面に接着し、縞状およ
    び/または海島状に配されていることを特徴とする複合
    型制振材料。
JP4196684A 1992-07-23 1992-07-23 複合型制振材料 Withdrawn JPH0639962A (ja)

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