JP2663597B2 - 電気絶縁材料及びコンデンサ - Google Patents

電気絶縁材料及びコンデンサ

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電気絶縁材料及びコンデンサに関するもので
ある。
[従来の技術] 従来から電気絶縁材料の比誘電率を高めるために、ポ
リマーに高誘電率材料の粒子を混入する方法が試みられ
て来た。たとえば合成樹脂にチタン酸バリウム系磁気粒
子を混合するもの(特開昭52−6966)、単層または複数
層の熱可塑性ポリマーに高誘電体物質配合物を混合する
もの(特開昭58−149928、58−85514)、ポリエステル
に高誘電体物質配合物を混合するもの(特開昭58−1852
25)などがある。この結果、比誘電率は高誘電率粒子の
含量と共に高くなることが明らかになっている。またそ
れらの混合物を支持体に塗布して用いたものもある(特
開昭61−59714、63−216323)。さらにそれらを用いた
フィルムコンデンサについても特開昭54−48064、60−1
70224、61−59714等がある。
[発明が解決しようとする課題] しかし、いずれのポリマーについてもより高い誘電率
を得るために高誘電率粒子をより多く添加すると、膜状
物の機械特性が悪くなり、実用に適した薄い物が得られ
ず、たとえばコンデンサ用の誘電体フィルムとして用い
る場合、コンデンサの外形寸法が大きくなるなどの欠点
があった。また塗布によって薄い膜状物を得る方法もあ
るが、フィルムの表面に着目しているものは見られず、
例えばコンデンサの誘電体に用いる場合、誘電率のばら
つきが発生し、誘電特性安定性にかけるという欠点があ
った。
本発明の目的は上記の課題を解決すべく、高誘電でか
つ薄くても実用に耐え、また表面特性をコントロールし
て、誘電特性の安定な電気絶縁体を提供すること、及び
それを用いた容量の大きな外形寸法の小さい、また特性
安定に優れたコンデンサを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、酸化チタンおよびチタン酸金属塩から選ば
れた少なくとも一種と、ガラス転移点Tgが65℃以上の樹
脂との混合物からなる膜状物であって、該膜状物の厚み
が0.1〜30μmで、かつ表面の中心線深さRpが0.01〜5.0
μm、表面突起の平均断面扁平度Pが0.005〜0.3である
ことを特徴とする電気絶縁材料及び該電気絶縁材料を用
いてなることを特徴とするコンデンサに関するものであ
る。
ここでガラス転移点Tgが65℃以上の樹脂とは、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど
のポリエステル類、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエー
テルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエー
テルケトン、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、芳
香族ポリイミドあるいはこれらの混合物や共重合物や混
合物などが挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。また粒子との親和性の特に良いことから、好ましく
は芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリアクリルニトリルが好ましく、さらに好まし
くは芳香族ポリアミドである。Tgが65℃より低いと耐熱
性に劣る。
また本発明の酸化チタンとは、ルチル型、アナターゼ
型等があるがこれらに限定されるものでなく、またその
形状にも限定されない粒子である。
またチタン酸金属塩とは、例えばチタン酸バリウム、
チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム、あるいはチタン
酸バリウムのバリウムの1部が他の金属に置き換えられ
たものやチタンの1部が他の金属に置き換えられたも
の、具体的には(Ba(1-x)Srx)(Ti(1-y)Sny)O3(ここ
で0<x<1、0<y<1)などの粒子である。また水
熱合成法、固相反応合成法などの合成法があるがこれら
に限定されるものではなく、またその形状にも限定され
ない。
上記の、酸化チタンおよびチタン酸金属塩から選ばれ
た少なくとも一種の粒子(以下無機粒子という)は、高
誘電性を示すもので、平均粒径は10μm以下で、粒径30
μm以上のものが30%以内であることが好ましく、より
好ましくは平均粒径が1μm以下で、粒径30μm以上の
ものが10%以内である。平均粒径が10μmより大きけれ
ば本発明の効果を生かすような厚さの膜状物で、表面特
性をコントロールすることが困難となるため好ましくな
い。また粒径の違う粒子を2種類以上用いても良い。
さらに膜状物の機械特性を向上する目的で、これらの
混合物に、シラン系、チタネート系、アルミ系等のカッ
プリング剤を添加することは何等差し支えない。
また得られた膜状物に対する無機粒子の平均含有率は
3容量%以上であるのが好ましい。3容量%より少ない
と、含有しない樹脂との誘電率の明確な差が現われず、
本発明の効果が不十分となる。この時の誘電率は、4以
上好ましくは8以上さらに好ましくは10以上であること
が望ましい。
本発明の膜状物の厚みは0.1〜30μmであり好ましく
は0.2〜10μm、さらに好ましくは0.5〜5μmである。
薄い程本発明の効果は大きくなるが、0.1μmより薄い
と電気絶縁性に劣る。また30μmより厚いと本発明の効
果が十分にいかせられず、例えばコンデンサの誘電体と
して用いる時、外形寸法の小さい物が得られない。
また本発明の膜状物は表面の中心線深さRpが0.01〜5.
0μmであることが必要である。0.01μm未満では膜状
物の取り扱い性が落ち、膜状物同士の擦れによって表面
が傷つき、絶縁欠陥が増大する。これによって例えばコ
ンデンサにした時の耐電圧不良率が増大する。5.0μm
より大きければ同一膜状物における誘電特性の安定性が
悪くなり、例えばコンデンサに用いた時の容量のばらつ
きが大きくなる。Rpのさらに好ましい範囲は0.1〜2.0μ
mである。
さらに本発明の膜状物の表面突起の平均断面扁平度P
は0.005〜0.3であることが必要である。0.005未満では
突起が扁平過ぎ、膜状物の取り扱い性が落ち、膜状物同
士の擦れによって表面が傷つき、絶縁欠陥が増大する。
これによって例えばコンデンサにした時の耐電圧不良率
が増大する。0.3より大きければ突起が尖り過ぎ、突起
の削れなどによって、同一膜状物における誘電特性の安
定性が悪くなり、例えばコンデンサに用いた時の容量の
ばらつきが大きくなる。平均断面扁平度Pのさらに好ま
しい範囲は0.05〜0.15である。
また本発明の膜状物は、表面のRa(中心線平均粗さ)
は0.005〜0.50μmが好ましく、より好ましくは0.01〜
0.3μmである。
さらに本発明の膜状物の表面のRz(10点平均粗さ)は
0.05〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.1〜3.0μ
mである。この場合に、上記の効果が一層現われるので
特に好ましい。
次に本発明の膜状物の製造方法について述べるがこれ
らに限定されるものではない。
樹脂と無機粒子の混合は、樹脂の重合前、重合中、重
合後のいずれに行なってもよい。例えば重合後に混合す
る場合には、溶液製膜が汎用される樹脂であれば、ポリ
マー原液に溶媒分散した無機粒子を練り込む方法があ
り、溶融製膜が汎用される樹脂であれば、重合されたポ
リマーに二軸押出機等を使用して直接ブレンドする方法
などがあるが特にこれらに限定されるものではない。
本発明の膜状物を得るには膜状物単体(以下フィルム
と言う)を得る通常の製膜法と、支持体上に樹脂と無機
粒子の混合物を塗布する方法がある。
通常の製膜法とは、溶液製膜と溶融製膜に大別され
る。前者には、乾湿式法、乾式法、湿式法などがあり、
乾湿式法、乾式法が表面性の良い膜状物を得るには好ま
しい。湿式法では該原液を口金から直接製膜用浴中に押
し出すか、または一旦ドラム等の支持体上に押し出し、
支持体ごと湿式浴中に導入する方法が採用される。この
浴は一般に水系媒体からなるものであり、水の他に有機
溶媒や無機塩等を含有しても良い。湿式浴を通すことで
ポリマー中に含有された塩類、有機溶媒等の抽出が行な
われ、さらに延伸、乾燥、熱処理が行なわれる。
乾湿式法では該原液を口金からドラム、エンドレスベ
ルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる
薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜が自己支持性を持つまで
乾燥する。乾式工程を終えたフィルムは支持体から剥離
されて湿式工程に導入され、上記の湿式法と同様に脱
塩、脱溶媒などが行なわれ、さらに延伸、乾燥、熱処理
が行なわれてフィルムとなる。
乾式法のプロセスを採用した場合は、ドラム、あるい
はエンドレスベルト等の上で乾燥され、自己支持性を持
ったフィルムをこれら支持体から剥離し、延伸を行な
う。さらに残存溶媒を除去するための乾燥や延伸、熱処
理を行なう。
また溶媒製膜法とはポリエステルフィルムの製膜法が
その代表例としてあげられる。Tダイ等から該混合物を
連続的に押し出し、冷却された金属ドラム上にキャスト
し、さらに延伸、熱処理をして膜状物を得ることができ
る。
支持体上に樹脂と無機粒子の混合物を塗布する方法に
は、公知の方法に、グラビアコーター、リバースロール
コーター、ロッドコーターあるいはエアドクタコーター
などがあるが、これらに限定されるものではない。支持
体としてはポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロ
ピレン、芳香族ポリアミド等のフィルムや、これに金属
層を設けたもの、さらにアルミ箔等の金属箔単体を用い
ることができるが、これらに限定されるものではない。
以上のような膜状物の成形方法において、本発明の表
面特性を達するには、粒子の添加量や粒径、あるいは延
伸温度、延伸倍率を調節したり、圧延方式を採用するこ
とで可能となる。この圧延方式では圧延ロールの表面性
を変えることで目的とする表面性を得ることができる。
次にコンデンサの製造方法について述べる。
支持体を有さない膜状物を単膜で用いる場合には、真
空蒸着、メッキ、スパッタリング、イオンプレーティン
グ等の方法によって金属薄膜を膜状物上に形成し、コン
デンサ素子となる金属化フィルムを得る。この時の金属
としてはアルミニウム、亜鉛、ニッケル、ニッケルクロ
ム合金等が挙げられるが、これらのうちアルミニウムが
蒸着性、特性の点で好ましい。
また支持体上に塗布して得られる膜状物の場合は、例
えば支持体を上記と同様に金属化してから混合物を塗布
する方法、あるいは塗布後上記と同様に金属化する方
法、あるいは支持体に金属箔を用いる方法などによって
コンデンサ素子となる金属化フィルムを得る。
次に上記のように金属化したフィルムを巻回あるいは
積層して本発明のコンデンサとする。例えば片面を金属
化したフィルムならば2枚重ねて、巻回あるいは積層し
たり、両面を金属化したフィルムならば非金属化フィル
ムと巻回あるいは積層してコンデンサ素子とし、さらに
これに外部電極、外装を施してコンデンサとする。
[発明の効果] 以上のように膜状物の表面特性が本発明の範囲内にあ
れば、加工時に擦れによって表面に傷がつくようなこと
がなく、また同一膜状物における誘電率のばらつきも少
ない。従って例えばコンデンサに用いた場合、容量のば
らつきの少ない、耐電圧不良率の小さなものが得られ
る。また本発明の膜状物はその他バリコン誘電体、トラ
ンス絶縁体、各種モータの絶縁体、コイル絶縁体、フレ
キシブルプリント基板のベース等にも有用である。
[特性の評価法] (1)ガラス転移点Tg パーキンエルマー社製DSC−II型に試料10mgを入れ、
雰囲気を窒素置換する。次に昇温速度16℃/分で280℃
まで昇温させ、この状態で5分間保持する。次いで、こ
の試料を素早く液体窒素中で急冷する。常温まで降温さ
せたDSC−II型に急冷した上記サンプルを入れ、雰囲気
を再び窒素置換する。次いで16℃/分で昇温させ(2nd
RUN)、Tgを測定する。
(2)粒子の平均粒径 電子顕微鏡、あるいは光学顕微鏡などで撮った粒子の
画像を画像処理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)
製]に送り、粒子部分を2値化して得られた個々の粒子
面積から円相当径を求めてその粒子の平均径とする。こ
の測定を場所を変えて500回繰り返し、測定された粒子
について平均径の平均値を平均粒径とした。
(3)中心線平均粗さRa、中心線深さRp、10点平均粗さ
Rz 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定機ET−10を用いて
測定した。条件は下記の通りであり、20回の測定を平均
値をもって値とした。
触針先端半径:0.5μm 触針荷重:5mg 測定長:1mm カットオフ値:0.08mm 尚、中心線平均粗さRa、中心線深さRp、10点平均粗さ
Rzの定義は、例えば奈良治郎著「表面粗さの測定、評価
法」(総合技術センター、1983)に示されているもので
あるが、中心線深さRpとは、粗さ曲線から基準長だけ抜
き取り、その抜き取り部分の最高の山頂から中心線まで
の間隔のことをいう。
(4)表面突起の平均断面扁平度P 2検出方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリオ
ニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリオニ
クス(株)製]においてフィルムの高さ測定値を画像処
理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送り、
画像処理装置上にフィルム表面突起像を再構築する。次
にこのフィルム表面突起像で突起部分を2値化して得ら
れた個々の突起の面積から円相当径を求めてこれをその
突起の平均径とする。またこの2値化された個々の突起
部分の中で最も高い値をその突起の高さとし、これを個
々の突起について求める。この測定を場所を変えて500
回繰り返し、測定された突起についてその高さと平均径
の比(高さ/平均径)の平均値を平均断面扁平度Pとし
た。なお走査型電子顕微鏡の倍率は1000〜8000倍の間の
値を選択する。
(5)誘電率 ASTM−D−150−68に準ずる。
(6)コンデンサ耐電圧不良率の評価 同一条件でコンデンサを1000個製造し、個々のコンデ
ンサの耐電圧を測定し、規定の電圧に達しなかったもの
の割合を算出し%で示し耐電圧不良率とする。尚、電圧
は100V/secの割合で上昇しながら印加し、コンデンサが
破壊し10mA以上の電流が流れた時点の電圧を耐電圧とし
た。また規定の電圧はフィルム厚さ1μmあたり20Vと
した。
(7)コンデンサ容量のばらつきの評価 同一条件でコンデンサを1000個製造し、個々のコンデ
ンサの静電容量を自動キャパシタンスブリッジを用いて
測定し、そのばらつき(標準偏差)を%で示し容量のば
らつきとした。この値が小さい程、安定性が良い。
(8)コンデンサ特性 耐電圧不良率、容量ばらつきがいづれも10%以下のも
のをコンデンサ特性は良好(○)とした。
[実施例] 以下本発明を実施例をもって説明するが、これに限定
されるものではない。またそれらの例を表にまとめたも
のを表1、表2に示す。
実施例1 (1)膜状物の製造 2−クロロ−p−フェニレンジアミンと2−クロロテ
レフタル酸クロリドから合成したポリマのNMP(N−メ
チルピロリドン)溶液に、前もってNMPに分散しておい
た平均粒径0.5μmのチタン酸バリウムを最終膜状物ポ
リマに対して30容量%になるように添加してポリマ濃度
9wt%、3000ポイズの溶液とした。この混合溶液をステ
ンレス製エンドレスベルト上に流延し、150℃の熱風に
よって自己支持性を持つまで乾燥した。自己支持性を得
たゲルフィルムを連続的にベルトから剥離し、次にこれ
を水槽中へ導入して溶媒の抽出を行い、さらにステンタ
ー内で水分の乾燥と熱処理を行って厚さ4.5μmのフィ
ルムを得た。このフィルムを膜状物1とする。得られた
膜状物1の特性は表1のようであり、高い誘電率を有し
ていた。
(2)金属化 膜状物1に表面抵抗が2Ωになるようにアルミニウム
を真空蒸着した。その際長手方向に走るマージン部を有
するストライプ状に蒸着した(蒸着部の幅9.0mm、マー
ジン部の幅1.0mmの繰り返し)。次に蒸着部の中央と各
マージン部の中央に刃を入れてスリットし、左もしくは
右に0.5mmのマージンを有する全幅5.0mmのテープ状にし
て巻取った。
(3)巻回体の製造 得られたリールの左マージン及び右マージンのもの各
1枚づつを重ねあわせて巻回した。その際幅方向に蒸着
部分がマージン部より0.5mmはみだすように2枚のフィ
ルムをずらして巻回した。
(4)コンデンサの製造 この巻回体から芯剤を抜いて、そのまま180℃、10kg/
cm2の温度、圧力で5分間プレスした。これに両端面に
メタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリー
ド線を接続して巻回コンデンサを得た。これをコンデン
サ1とする。コンデンサ1の容量のばらつき、耐電圧不
良評価結果を表2に示すが良好なコンデンサ特性を有し
ていた。
実施例2 2−クロロ−p−フェニレンジアミンと2−クロロテ
レフタル酸クロリドから合成したポリマのNMP(N−メ
チルピロリドン)溶液に、NMPに分散した平均粒径0.05
μmのチタン酸バリウムを最終膜状物ポリマに対して40
容量%になるように添加してポリマ濃度5wt%の溶液と
した。この混合溶液をアルミニウム蒸着された厚さ5μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィル
ム)上に塗布し、150℃で30分乾燥した。さらに真空乾
燥機中で100℃、24時間加熱してNMPを除去した。この膜
状物を膜状物2とする。この時のPETフィルム上の膜状
物2の厚みは0.3μmであり、表1のような特性を有し
ていた。これを巻回し実施例1の(4)項と同様の方法
で巻回コンデンサを得た。これをコンデンサ2とする。
コンデンサ2の容量ばらつき、耐電圧不良評価結果を表
2に示すが良好なコンデンサ特性を有していた。
実施例3 ポリカーボネートのジクロロメタン溶液に、ジクロロ
メタンに分散した平均粒径5.0μmの酸化チタンを最終
膜状物ポリマに対して25容量%になるように添加して混
合溶液を得た。この混合溶液をアルミニウム箔上に塗布
し、150℃で30分硬化を行なった。この膜状物を膜状物
3とする。この時の膜状物の厚みは8.0μmであり、表
1のような特性を有していた。スリット工程を経て実施
例1と同様の方法で巻回コンデンサを得た。これをコン
デンサ3とする。コンデンサ3の容量ばらつきと耐電圧
不良評価結果を表2に示すが、コンデンサ特性は良好な
ものであった。
実施例4 ポリフェニレンスルフィドに粒径0.1μmのチタン酸
バリウムを最終膜状物ポリマに対して5容量%になるよ
うに二軸押出機で数回混練し、Tダイから25℃に保った
ドラム上にキャストして冷却固化し、未延伸フィルムを
得た。さらに延伸、熱処理を経て厚さ2.0μmで表1に
示す特性を有するフィルムを得た(膜状物4)。実施例
1と同様の方法で金属化、巻き取り、スリット工程を経
て巻回コンデンサを得た。
これをコンデンサ4とする。コンデンサ4の容量ばら
つき、耐電圧不良評価結果を表2に示すがコンデンサ特
性は良好なものであった。
比較例1 実施例1の平均粒径0.5μmのチタン酸バリウムを平
均粒径15.0μmのチタン酸バリウムに変えた以外は同様
の方法で膜状物5を得た。この膜状物5の厚みは2.0μ
mであり、表1にしめすようにRpが大きくかつ誘電率が
ばらついたものであった。さらに実施例1と同様の方法
で巻回コンデンサを得た。これをコンデンサ5とする。
このコンデンサ5の容量のばらつき、耐電圧不良評価結
果を表2に示すがコンデンサ特性の非常に悪いものであ
った。
比較例2 2−クロロ−p−フェニレンジアミンと2−クロロテ
レフタル酸クロリドから合成したポリマのNMP(N−メ
チルピロリドン)溶液に、NMPに分散した平均粒径0.1μ
mのチタン酸バリウムを最終膜状物ポリマに対して40容
量%になるように添加してポリマ濃度1wt%の溶液とし
た。この混合溶液をアルミニウム蒸着された厚さ5μm
のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィル
ム)上に塗布し、150℃で30分乾燥した。さらに真空乾
燥機中で100℃、24時間加熱してNMPを除去した。この膜
状物を膜状物6とする。この膜状物6の厚みは0.08μm
と厚みが十分でないため導通を起こしたり、取り扱い性
が悪いなどの問題が起き、誘電率の測定も不可能であっ
た。
比較例3 実施例3の平均粒径5.0μmの酸化チタンを平均粒径
0.05μmの酸化チタンに変えた以外は同様の方法で膜状
物7を得た。この時の膜状物の厚みは10μmで、中心線
深さ、平均断面偏平度の小さい物であった。さらに巻き
取り、スリット工程を経て実施例1と同様の方法で巻回
コンデンサを得た。これをコンデンサ7とする。コンデ
ンサ7を容量ばらつき、耐電圧不良評価結果を表2に示
すが、耐電圧不良率が非常に悪い物であった。これは表
面が平滑過ぎてコンデンサに加工する際に擦り傷が多数
発生したことが原因と考えられる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化チタンおよびチタン酸金属塩から選ば
    れた少なくとも一種と、ガラス転移点Tgが65℃以上の樹
    脂との混合物からなる膜状物であって、該膜状物の厚み
    が0.1〜30μmで、かつ表面の中心線深さRpが0.01〜5.0
    μm、表面突起の平均断面扁平度Pが0.005〜0.3である
    ことを特徴とする電気絶縁材料
  2. 【請求項2】請求項(1)に記載の電気絶縁材料を用い
    てなることを特徴とするコンデンサ
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