JP2663390B2 - 生分解性ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

生分解性ポリウレタンの製造方法

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JP2663390B2
JP2663390B2 JP3033402A JP3340291A JP2663390B2 JP 2663390 B2 JP2663390 B2 JP 2663390B2 JP 3033402 A JP3033402 A JP 3033402A JP 3340291 A JP3340291 A JP 3340291A JP 2663390 B2 JP2663390 B2 JP 2663390B2
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polyurethane
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polyisocyanate
starch
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兵衛 畠山
重雄 廣瀬
邦雄 中村
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  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性を有するポリウ
レタンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】これまでに生産されてき
た合成高分子は、古くから存在する天然高分子とは異な
り、自然の循環システムには組み入れにくいため、廃棄
プラスチックは地球環境の劣化を引き起こし大きな問題
となっている。一方、綿、麻、木材、植物油、でんぷん
等の植物性成分は廃棄されれば土壌中に微生物によって
自然に分解され、再び炭酸ガスや肥料として植物に取り
込まれる。
【0003】本発明者らは、合成高分子に生分解性を付
与する方法を鋭意研究中のところ、植物成分を分子中に
組み込んだタイプのポリウレタンが微生物によって分解
されることを見出した。このようなタイプの生分解性ポ
リウレタンは従来全く知られていない。本発明による生
分解性ポリウレタンはプラスチック廃棄物による地球環
境問題を解決するための有効な方法となり得るものであ
る。
【0004】
【発明の課題】そこで、本発明は、生分解性を有する新
規なポリウレタンの製造方法を提供することをその課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(i)
でんぷん又はその変性体、(ii)糖みつ,(iii)
多糖類としてでんぷんを主として含む農産廃棄物及び
(iV)植物油の水酸基含有変性体の中から選ばれる少
なくとも一種の植物成分を2又は3価のポリオールに溶
解し、次いでポリイソシアネートを添加し、触媒の存在
下、反応させることを特徴とする生分解性ポリウレタン
の製造方法が提供される。
【0006】本発明において植物成分として用いるでん
ぷんは、トウモロコシ、小麦、米、ジャガイモ、さつま
いも等を原料として得られる各種でんぷんが挙げられ
る。また、でんぷん変性体としては、でんぷん中の水酸
基の一部に反応試薬を反応させたもので、アセチル化
物、エーテル化物、カルボキシメチル化物等が挙げられ
る。
【0007】糖みつとしては、精製糖みつの他、廃糖み
つが挙げられる。多糖類としてでんぷんを主として含む
農産廃棄物としては、大豆カス、みかんの皮等が挙げら
れる。
【0008】植物油の廃油は、天ぷら油の廃油等の植物
油の酸化物である。
【0009】本発明のポリウレタンは、前記した植物成
分由来のセグメントを含有するものであり、その植物成
分を2又は3価のポリオールに溶解し、これにポリイソ
シアネートを添加し、触媒の存在下重合反応させること
によって製造される。触媒としては、有機スズ化合物や
アミン化合物等、従来公知の触媒を使用することができ
る。ポリウレタンのフィルムや樹脂を得るには、触媒又
は加熱により重合生成物を硬化させる。また、発泡体を
得るには、重合生成物に水、発泡剤及び触媒を加えて反
応させる。このような反応方法は従来良く知られてお
り、従来公知の方法により実施される。
【0010】ポリイソシアネートとしては、脂肪族系ポ
リイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネートおよび
芳香族系ポリイソシアネートの他、それらの変性体が包
含される。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられ、脂環
族系ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロン
ジイソシアネートが挙げられる。芳香族系ポリイソシア
ネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシア
ネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリ
ス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙
げられる。ポリイソシアネート変性体としては、例え
ば、ウレタンプレポリマー、ヘキサメチレンジイソシア
ネートピューレット、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリマー、イソホロンジイソシアネートトリマー等
が挙げられる。
【0011】植物成分を溶解させる2又は3価のポリオ
ールとしては、従来一般に用いられているポリエーテル
系やポリエステル系のポリオール化合物を用いることが
できる。このポリオール化合物もポリイソシアネートと
反応する。
【0012】このようなポリオール化合物としては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グ
リセリン、トリエタノールアミン、ソルビトール等の低
分子量ポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エ
チレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体等のポリ
エーテルポリオール;ポリカプロラクトン、ポリβ−メ
チル−δ−ブチロラクトン、ジオールと二塩基酸からの
ポリエステル、ポリカーボネートジオール等が挙げられ
る。
【0013】本発明においては、植物成分を溶解させる
2又は3価のポリオールとして、液状のポリオール化合
物を好ましく用いることができる。植物成分とポリオー
ル化合物の使用割合は、植物成分100重量部に対し、
ポリオール化合物10〜5000重量部、好ましくは5
0〜3000重量部の割合である。
【0014】ポリイソシアネートの使用割合は、植物成
分とポリオール化合物との合計量100重量部に対し、
10〜1,000重量部、好ましくは10〜900重量
部の割合である。発泡体を得る場合には、植物成分、ポ
リオール化合物及びジイソシアネートの合計量100重
量部に対し、水は0.1〜20重量部、好ましくは0.
5〜10重量部、発泡剤は0.001〜0.5重量部、
好ましくは0.02〜0.25重量部の割合で用いられ
る。
【0015】本発明によれば、植物成分:5〜90重量
%、好ましくは10〜70重量%、ポリオール化合物:
5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%、ポリイ
ソシアネート5〜90重量%、好ましくは10〜70重
量%からなるポリウレタンを得ることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明のポリウレタンは、そのセグメン
トとして植物成分由来の微生物分解性セグメントを含有
することから、生分解性を有するものである。本発明の
ポリウレタンは、フィルム、成形体、繊維、発泡体、接
着剤、エラストマー等の各種形態において用いられる。
また、本発明のポリウレタンは、安値な植物成分を用い
て製造されることから、その製造コストも安価であると
いう利点を有する。
【0017】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、以下において示す部は重量部である。
【0018】実施例1 でんぷん(コーンスターチ)1部とポリエチレングリコ
ール(分子量400)1部を加熱して溶液を得た。この
溶液1gにポリエチレングリコールを4g加え、得られ
た溶液に室温でラウリン酸ジメチルスズ5滴、水0.2
5g及びシリコン系整泡剤0.25gを加えてよく攪拌
した。さらにクルードMDIを5g加えて攪拌し、発泡
が始まった時点で攪拌を停止した。発泡が充分進行した
後、さらに生成物を一夜放置した。次にこのようにして
得たポリウレタンフォームについて、その試験片を作成
し、これを森林から採取した土壌中で28℃、湿度80
%の恒温恒湿室中で放置した。表1に放置期間及びその
時点での試料の重量減少率を示す。なお、比較のため
に、ポリエチレングリコールとMDIから同一条件で調
製したポリウレタンを用いて同種の試験を行った。表1
にその結果も合わせて記載する。
【表1】
【0019】実施例2 糖みつ100部をポリエチレングリコール400部に溶
解して溶液を得た。この溶液5gを実施例1で示したの
と同一の条件で反応させポリウレタンフォームを得た。
得られたフォームについて、実施例1と同様にしてその
生分解性試験を行った。その結果を表2に示す。
【表2】
【0020】実施例3 実施例2において、糖みつの代りに植物性天ぷら油の廃
油(天ぷらをあげた後、得られたもの)を用いた以外は
同様にしてポリウレタンフォームを作り、そのフォーム
の生分解性を調べた。その結果を表3に示す。
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 邦雄 埼玉県入間郡日高町武蔵台7−10−6 (56)参考文献 特開 昭51−73598(JP,A) 特開 昭53−74596(JP,A) 特開 昭46−14070(JP,A) 特開 平1−289823(JP,A) 特開 昭63−69817(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)でんぷん又はその変性体、(i
    i)糖みつ、(iii)多糖類としてでんぷんを主とし
    て含む農産廃棄物及び(iV)植物油の廃油の中から選
    ばれる少なくとも一種の植物成分を2又は3価のポリオ
    ールに溶解し、次いでポリイソシアネートを添加し、触
    媒の存在下、反応させることを特徴とする生分解性ポリ
    ウレタンの製造方法。
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