JP2720424B2 - セリシン含有生分解性ウレタン系発泡体及びその製造方法 - Google Patents

セリシン含有生分解性ウレタン系発泡体及びその製造方法

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JP2720424B2
JP2720424B2 JP6152472A JP15247294A JP2720424B2 JP 2720424 B2 JP2720424 B2 JP 2720424B2 JP 6152472 A JP6152472 A JP 6152472A JP 15247294 A JP15247294 A JP 15247294A JP 2720424 B2 JP2720424 B2 JP 2720424B2
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sericin
urethane foam
polyol compound
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兵衛 畠山
重雄 廣瀬
邦雄 中村
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Agency of Industrial Science and Technology
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性を有するウレタ
ン系発泡体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでに生産されてきた合成高分子
は、古くから存在する天然高分子とは異なり、自然の循
環システムには組み入れにくいため、廃棄プラスチック
は地球環境の劣化を引き起こし大きな問題となってい
る。
【0003】本発明者らは、合成高分子に生分解性を付
与する方法を鋭意研究中のところ、セリシンを分子中に
組み込んだウレタン系発泡体が微生物によって分解され
ることを見出すとともに、すぐれた機械的物性および熱
的性質を有することを見出した。
【0004】
【発明の課題】そこで、本発明は、生分解性及びすぐれ
た物性を有する新規なウレタン系発泡体及びその製造方
法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、セリシ
ンからなるセグメント1重量部及びポリオールからなる
セグメント2〜50重量部を含有することを特徴とする
生分解性ウレタン系発泡体が提供される。
【0005】本発明によれば、セリシン1重量部とポリ
オール化合物2〜50重量部を含む有機溶媒溶液に、ポ
リイソシアネートを発泡条件下で反応させることを特徴
とする生分解性ウレタン系発泡体の製造方法が提供され
る。本発明によれば、セリシン1重量部と液状ポリオー
ル化合物2〜50重量部との混合物に、ポリイソシアネ
ートを反応させることを特徴とする生分解性ウレタン系
発泡体の製造方法が提供される。
【0006】本発明において用いるセリシンは、生糸の
精錬に際して副生する廃棄物であり、生糸の精錬廃水か
ら分離回収することができる。
【0007】本発明のウレタン系発泡体は、セリシンか
らなるセグメントとポリオール化合物からなるセグメン
トを含有するものであり、セリシンとポリオール化合物
を有機溶媒に溶解するか又はセリシンを液状ポリオール
化合物に溶解し、得られた溶液にポリイソシアネートを
添加し、重合反応させ、ついで得られた重合生成物に
水、発泡剤及び触媒を加えて反応させる。このような反
応方法は従来良く知られており、従来公知の方法により
実施される。
【0008】ポリイソシアネートとしては、脂肪族系ポ
リイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネートおよび
芳香族系ポリイソシアネートの他、それらの変性体が包
含される。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられ、脂環
族系ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロン
ジイソシアネートが挙げられる。芳香族系ポリイソシア
ネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシア
ネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリ
ス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙
げられる。ポリイソシアネート変性体としては、例え
ば、ウレタンプレポリマー、ヘキサメチレンジイソシア
ネートビューレット、ヘキサメチレンジィソシアネー
ト、トリマー、イソホロンジイソシアネートトリマー等
が挙げられる。
【0009】セリシン及びポリオール化合物を溶解させ
る有機溶媒としては、テトラヒドロフランや、ジオキサ
ン等のセリシン及びポリオール化合物を溶解するもので
あればよい。また、この場合のポリオール化合物として
は、従来一般に用いられているポリエーテル系やポリエ
ステル系のポリオール化合物を用いることができる。こ
のポリオール化合物もポリイソシアネートと反応する。
【0010】ポリイソシアネートに反応させるポリオー
ル化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン、トリエタノールアミン、
ソルビトール等の低分子量ポリオール;ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシ
ド共重合体等のポリエーテルポリオール;ポリカプロラ
クトン、ポリβ−メチル−δ−ブチロラクトン、ジオー
ルと二塩基酸からのポリエステル等が挙げられる。その
他、水酸基含有液状ポリブタジエン、ポリカーボネート
ジオール、アクリルポリオール等が挙げられる。
【0011】本発明においては、反応原料として、セリ
シンを溶解させた液状のポリオール化合物を好ましく用
いることができる。セリシンとポリオール化合物の使用
割合は、セリシン1重量部に対し、ポリオール化合物2
〜50重量部、好ましくは2〜30重量部の割合であ
る。
【0012】ポリイソシアネートの使用割合は、セリシ
ンとポリオール化合物との合計量100重量部に対し、
10〜1,000重量部、好ましくは10〜900重量
部の割合である。発泡体を得る場合には、セリシン、ポ
リオール化合物及びジイソシアネートの合計量100重
量部に対し、発泡剤としての水は0.1〜20重量部、
好ましくは0.5〜10重量部の割合で用いられる。
【0013】本発明によれば、セリシンを溶解したポリ
オール化合物を用いた場合には、セリシン:5〜90重
量%、好ましくは10〜70重量%、ポリオール化合
物:5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%、ポ
リイソシアネート5〜90重量%、好ましくは10〜7
0重量%からなるポリウレタンを得ることができる。ま
た、セリシンとポリオール化合物を溶解させた有機溶媒
溶液を用いる場合には、セリシン:5〜90重量%、好
ましくは10〜70重量%、ポリオール化合物:0〜9
0重量%、好ましくは10〜70重量%、ポリイソシア
ネート5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%か
らなるポリウレタンを得ることができる。一般的には、
ポリウレタン中のポリオール化合物/セリシンの重量比
は2〜50、好ましくは2〜30、より好ましくは2〜
10の範囲にするのが良い。
【0014】
【発明の効果】本発明のウレタン系発泡体は、そのセグ
メント中に微生物分解性のセリシンを含有することか
ら、生分解性を有するものであり、しかも機械的物性及
び熱的性質にすぐれている。また、本発明のウレタン系
発泡体は、廃棄物であるセリシンを用いて製造されるこ
とから、その製造コストも安価であるという利点を有す
る。
【0015】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、以下において示す部は重量部である。
【0016】実施例1 屑生糸を蒸留水の沸騰水中で約3時間煮沸した後、フィ
ブロイン部等を除去し、ついで脱水乾燥して200メッ
シュのフィルターにかけて粒度を揃え、セリシンを単離
した。次に、このセリシンを分子量400のポリプロピ
レングリコール(PPG)に溶解させ、この溶液1重量
部に、シリコン系整泡剤0.01重量部、発泡剤として
の水0.01重量部、触媒としてのラウリン酸ジブチル
スズ0.01重量部を加え、さらにMDI 1.5重量
部を加え、25℃において、ホモジナイザーで良く撹拌
して5分間叉応させた。その後、室温で一夜放置した。
【0017】このようにして得られたポリウレタンフォ
ームについて、その機械的物性値を表1に示し、その熱
的性質を表2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】なお、前記引張試験及び圧縮試験はオリエ
ンテック(株)製のテンシロンRTA−500を用い、
熱分析はセイコー電子工業(株)製の示差走査熱量計D
SC220C及び粘弾性測定装置DMS200を用いて
行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−62296(JP,A) 特開 昭51−73097(JP,A) 特開 平3−284337(JP,A) 特開 平1−236059(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セリシンからなるセグメント1重量部及
    びポリオールからなるセグメント2〜50重量部を含有
    することを特徴とする生分解性ウレタン系発泡体。
  2. 【請求項2】 セリシン1重量部とポリオール化合物2
    〜50重量部を含む有機溶媒溶液に、ポリイソシアネー
    トを発泡条件下で反応させることを特徴とする生分解性
    ウレタン系発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 セリシン1重量部と液状ポリオール化合
    物2〜50重量部との混合物に、ポリイソシアネートを
    反応させることを特徴とする生分解性ウレタン系発泡体
    の製造方法。
JP6152472A 1994-07-04 1994-07-04 セリシン含有生分解性ウレタン系発泡体及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2720424B2 (ja)

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CZ302255B6 (cs) * 2009-01-23 2011-01-12 Biologické centrum AV CR v. v. i. Prírodní lepivá látka

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JPS5462296A (en) * 1977-10-26 1979-05-19 Nitto Electric Ind Co Ltd Preparation of modified protein resin

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