JP2659995C - - Google Patents

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JP2659995C
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【発明の詳細な説明】 本発明は防曇性塩化ビニル系樹脂フィルムに関し、さらに詳しくは、ベタツキ
やブロッキング性が改善され、且つ農業用フィルムとして用いた場合の展張時の
ハウスバントとの接触によるこすれ破れが改善された防曇性塩化ビニル系樹脂フ
ィルムに関する。 塩化ビニル系樹脂フィルム、特に軟質塩化ビニル系樹脂フィルムは食品包装分
野、農業分野において多く使用されているが、これらの用途分野においては包装
食品のフィルム内表面の曇り或いは農業用フィルムとしてトンネルやハウスに展
張した時のトンネルやハウス内表面の曇りを防ぐために、フィルムに防曇剤と称
される(防滴剤と称されることもあるが、本明細書では防曇剤に統一して記載す
る)界面活性剤が一般に配合される。そのような防曇剤としてはソルタビタン系
界面活性剤が屡々使用されている。 農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに使用されるソルタビタン系界面活性剤とし
ては、ソルビタン1モルに対し高級脂肪酸1.2〜1.3モルを反応させた、通
常「ソルビタンモノエステル」と称されるものが多く用いられている。このソル
ビタンモノエステルの製造に用いられる高級脂肪酸は工業的に入手容易なパルミ
チン酸又はステアリン酸が一般的であるが、工業的に入手可能はパルミチン酸及
びステアリン酸はこれらの酸をそれぞれ約7:3及び約3:7の比率で含む両者
の酸の混合物である。 このような工業的組成の高級脂肪酸を原料に用いたソルビタン高級脂肪酸エス
テル系の防滴剤は、塩化ビニル系樹脂フィルムに配合した場合、フィルム表面が
ベタつき、フィルムのブロッキング性が低下し、また農業用フィルムとしてハウ スに展張した場合にハウスバンドとのこすれ破れが生じやすい等の欠点があった
。従来はこの欠点をフィルムに滑剤を塗布又は配合することによりカバーしてい
たが、この場合フィルムの透明性が低下し或いは防曇性が阻害される等の問題が
あった。 本発明者は、工業的組成の高級脂肪酸を原料に用いたソルビタン高級脂肪酸エ
ステルを防曇剤に用いた場合にみられる上記の如き欠点が生ずる原因を究明すべ
く鋭意検討した結果、フィルムのベタツキ、ブロッキング及びこすれ破れは、ソ
ルビタン高級脂肪酸エステル中のジエステル及びトリエステルが関係しており、
そしてこれらジエステル及びトリエステルを形成する脂肪酸が同一でないことが
防曇剤のフィルム表面への吐出に大きく影響していると推定し、ソルビタンエス
テルの製造に用いる高級脂肪酸として純度の高いものを用いると、上記の如き欠
点が解消できることを見い出し本発明を完成するに至った。 かくして、本発明によれば、ソルビタン系多価アルコールと1種の高級脂肪酸
の純度が少なくとも90%である高級脂肪酸とのエステルのアルキレンオキサイ
ド付加物が防曇剤として配合されていることを特徴とする防曇性塩化ビニル系樹
脂フィルムが提供される。 本発明のフィルムに防曇剤として配合されるソルビタン高級脂肪酸エステルの
製造に使用される高級脂肪酸としては、一般に炭素原子数が8〜22個、好まし
くは16〜22個のもの、例えばオレイン酸、ベヘニン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸等が挙げられ、中でもパルミチン酸及びステアリン酸が好適である。本
発明においては、これらの高級脂肪酸は少なくとも90%以上、さらに好ましく
は95%以上の高純度のものが使用される。このような高純度の脂肪酸は例えば
、工業的に入手しうる高級脂肪酸を減圧蒸留することにより調製することができ
る。 一方、上記高級脂肪酸でエステル化されるソルビタン系多価アルコールとして
は、従来よりソルビタン系界面活性剤の製造に際して使用されているものが同様
に使用可能であり、例えば純粋なソルビタンのほか、ソルビタン、ソルビトール
、マンニット等或いはソルビタンとこれらの1種もしくは2種以上との混合物も
また使用することができる。 これらのソルビタン系多価アルコールと前記高級脂肪酸とのエステル化反応は それ自体既知の方法に従い、例えば、ソルビタン系多価アルコール1モルに対し
て前記高級脂肪酸を1〜1.5モルの比率で反応器に仕込み、150〜250℃
の温度で数時間加熱撹拌することにより行なうことができる。 かくして得られるソルビタン高級脂肪酸エステルにアルキレンオキサイドを付
加して本発明の防曇剤として使用することができる。アルキレンオキサイドの付
加は、上記エステル化反応前のソルビタン系多価アルコールに対して行なっても
よく、或いはエステル化反応後に得られるエステルに対して行なってもよい。用
いうるアルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられる。これらのアルキレンオキサイ
ドの付加モル数は厳密に制限されるものではないが、一般には、平均値で0.1
〜20モル、好ましくは0.5〜5モルの範囲内が適当である。 以上に述べた本発明に従うソルビタン高級脂肪酸エステルのアルキレンオキサ
イド付加物は防曇剤として塩化ビニル系樹脂に配合することができる。その配合
量は塩化ビニル系樹脂100重量部当り0.7〜5重量部、好ましくは1〜3重
量部の範囲内とすることができる。 上記防曇剤が配合される塩化ビニル系樹脂としては、食品包装の分野、農業分
野等において通常使用されている塩化ビニル系樹脂、殊に軟質塩化ビニル系樹脂
が好適に使用される。そのような軟質塩化ビニル系樹脂の代表的組成について説
明すれば以下のとおりである。 その基本組成は、塩化ビニル系樹脂、例えば、数平均重合度が約800〜約2
500、好ましくは約1000〜約1800のポリ塩化ビニル、又は塩化ビニル
を主体とする共重合体(例:エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化
ビニル共重合体、塩化ビニル−ハロゲン化オレフィン共重合体)、或いはこれら
ポリ塩化ビニル又は塩化ビニル共重合体を主体とする他の相溶性の樹脂(例:ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン樹
脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、部分エン化ポリビ
ニルアルコール等)とのブレンド物に、これら塩化ビニル系樹脂100重量部当
り、30〜70重量部、好ましくは40〜60重量部の可塑剤;0.5〜7重量
部、好ましくは1.0〜5.0重量部の滑剤及び/又は熱安定剤;0〜 3.0重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部の紫外線吸収剤;0〜5.0重
量部、好ましくは0.1〜1.0重量部の粘着防止剤等を配合したものから成る
ことができ、さらに抗酸化剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤、等の他の通常の樹
脂添加物を必要に応じて含ませることもできる。 配合しうる可塑剤としては、例えば、ジ‐n‐オクチルフタレート、ジ‐2‐
エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体;ジイ
ソオクチルイソフタレート等のイソフタル酸誘導体;ジオクチルアジペート等の
アジピン酸誘導体;その他トリクレジルフオスフェート、トリキシレニルフオス
フェート、エポキシ化大豆油等が包含され、中でも、ジオクチルフタレート、ト
リクレジルフオスフェート、ジオクチルアジペート及びエポキシ化大豆油が適し
ている。 また、該塩化ビニル系樹脂に含ませうる滑剤又は熱安定剤としては、例えばポ
リエチレンワックス、脂肪酸アマイド、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、リシノール酸バリウム、有機亜リ
ン酸エステルの如きキレーター、エポキシ樹脂等が挙げられる。 一方、紫外線吸収剤として使用可能な化合物としては、例えば次のようなもの
があげられる。 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′,5′‐
ジ‐tert‐ブチルフエニル)‐5−クロロベンゾトリアゾール、2‐(2′
‐ヒドロキシ‐3′‐tert‐ブチル‐5′‐メチルフエニル)‐5‐クロロ
ベンゾトリアゾール、2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′‐tert‐アミル‐5′
‐イソブチルフエニル)‐5‐クロロベンゾトリアゾール、2‐(2′‐ヒドロ
キシ‐3′‐イソブチル‐5′‐メチルフエニル)‐5‐クロロベンゾトリアゾ
ール、2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′‐イソブチル‐5′‐プロピルフエニル)
‐5‐クロロベンゾトリアゾール、2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′,5′‐ジ‐
tert‐ブチルフエニル)ベンゾトリアゾール、2‐(2′‐ヒドロキシ‐5
′‐メチルフエニル)ベンゾトリアゾール、2‐[2′‐ヒドロキシ‐5′‐(
1,1,3,3,‐テトラメチルブチル)フエニル]ベンゾトリアゾールなど。 ベンゾフエノン系紫外線吸収剤:2,2′‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベン ゾフエノン、2,2′‐ジヒドロキシ‐4,4′‐ジメトキシベンゾフエノン、
2,2′,4,4′‐テトラヒドロキシベンゾフエノン、2‐ヒドロキシ‐4‐
メトキシベンゾフエノン、2,4‐ジヒドロキシベンゾフエノン、2‐ヒドロキ
シ‐4‐オクトキシベンゾフエノンなど。 サリチル酸系紫外線吸収剤:フエニルサリシレート、パラオクチルフエニルサ
リシレートなど。 これら紫外線吸収剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ
る。上に例示したものの中では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びベンゾ
フエノン系紫外線吸収剤が特に好ましい。 上記塩化ビニル系樹脂に各樹脂添加剤を配合するには、それぞれ必要量秤量し
、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサーその他従来から知
られている配合機、混合機に仕込み混練すればよい。 このようにして得られる樹脂組成物はそれ自体既知の方法、例えばカレンダー
法、押出成形法、溶液流延法等によりフィルム状に成形することができる。 フィルムの厚さは、あまり薄いと強度が不十分となるので好ましくなく、逆に
厚すぎるとフィルム化作業その他に不便をきたすので、一般的には0.05〜0
.3mmの範囲好ましくは0.05〜0.2mmの範囲内とするのが適当である
。 以上述べた本発明の防曇性塩化ビニル系樹脂フィルムはベタツキが少なく耐ブ
ロッキング性に優れており取扱いが容易であり、しかも農業用フィルムとしてト
ンネルやハウスに展張した場合のハウスバンドとの接触によるこすれ破れに対し
ても優れた抵抗性を有しており、殊に農業用フィルムとして極めて有用である。 次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。 実施例において、フィルムの特性は以下の方法で測定した。 (1)透明性:製造後1週間放置したフィルムをスガ試験機「ヘーズコンピュー
ター」でヘーズ値(%)を測定した。 (2)ベタツキ:25℃における手による感触を以下の基準で評価した。 A…非常に良好 B…良好 C…ややべたつく D…かなりべたつく (3)ブロッキング性:5cm幅のフィルムをガラス管に巻きつけた後、50℃
のオープン中で24時間保存し、その後25℃環境下でハクリ強度を測定した。 (4)防曇持続性:間口4m×奥行15mのパイプハウスに展張(10月5日)
し、翌年の3月7日にフィルム表面の水滴の流れ状態を以下の基準で評価した。 A…水が薄膜状に付着し、水滴が認められない状態。 B…水が薄膜状に付着し、わずかに一部水が認められる状態。 C…部分的に水滴の付着が認められる状態。 (5)耐こすれ破れ:(4)と同様3月7日、上記パイプハウスにてハウスバン
ドと接触する30スパン中のやぶれ箇所の数で評価した。 実施例1〜3、比較例1〜3 配合組成(基本配合) 塩化ビニル樹脂(重合体1300) 100 重量部 DOP 45 重量部 TCP 5 重量部 エポキシ樹脂 2 重量部 Ba−Zn系安定剤 2.5重量部 メチレンビスアマイド 0.3重量部 上記基本配合組成に、下記表−1に示す純度93%又は純度70%(工業組成
)の脂肪酸を原料に使用して製造した各種ソルビタン脂肪酸エステル系防曇剤あ
るいは滑剤を規定部数添加し、4本カレンダーロールにて0.1mmのフィルム
に成形した後、各試験を行った。 各防曇剤はソルビタン1モルに対して脂肪酸1.3モルを反応させたものであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ソルビタン系多価アルコールと1種の高級脂肪酸の純度が少なくとも90
    %である高級脂肪酸とのエステルのアルキレンオキサイド付加物が防曇剤として
    塩化ビニル系樹脂100重量部当り0.7〜5重量部の割合で配合されているこ
    とを特徴とする防曇性塩化ビニル系樹脂フィルム。

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