JP2659096B2 - 延伸ポリプロピレンフィルム - Google Patents

延伸ポリプロピレンフィルム

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JP2659096B2 JP63193406A JP19340688A JP2659096B2 JP 2659096 B2 JP2659096 B2 JP 2659096B2 JP 63193406 A JP63193406 A JP 63193406A JP 19340688 A JP19340688 A JP 19340688A JP 2659096 B2 JP2659096 B2 JP 2659096B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は延伸ポリプロピレンフィルムに関し、更に詳
しくは透視感の改良された延伸ポリプロピレンフィルム
に関する。
〔従来の技術〕
ポリプロピレン延伸フィルムは、剛性、引張強度等の
機械的性質、透明性、光沢等の光学的性質および防湿性
等が良好である事から二軸延伸フィルムを主体に食品包
装、繊維包装その他広範囲な用途に使用されている。し
かしながら用途によっては、これら性質は十分満足され
ているわけではなく、特にポリプロピン延伸フィルム特
有の光学的ムラにより透視感の不良が問題となってお
り、また透明性に関しても、用途によって更に改良が望
まれており、使用分野が大巾に制限される原因となって
いる。
この様な状況からポリプロピレン延伸フィルムの透明
性、透視感を改良する試みが種々なされている。
特開昭58−134711号公報にはビスアマイド化合物を特
定量配合してなる延伸フィルムが透視感の優れた光学的
ムラのないものであることが示されている。
しかしながら、この方法で得られた延伸フィルムはビ
スアマイド化合物を0.5〜5重量部とかなり大量に添加
することが必要であるため、成膜時に発煙が大きい、押
出しムラを発生し易い、臭気があるなどの欠点があり、
また透視感は改善されるが透明性の改良は不十分であ
る。
また特公昭41−7958号公報、特公昭46−1279号公報お
よび特公昭54−15779号公報等には、ポリプロピレンに
特定の水素化した炭化水素ポリマー類、脂肪族系炭化水
素樹脂やテルペン系樹脂を配合することによって、二軸
延伸フィルムの透明性、表面光沢等が改良されることが
示されている。しかしながら、この方法で得られた二軸
延伸フィルムは、透視感すなわち光学的ムラの改良は不
十分であり、さらに溶剤可溶の炭化水素ポリマーを多量
に含有するために、フィルムの耐溶剤性が著しく損われ
たり、成膜時の発煙やロール汚れが大きい、フィルムの
寸法安定性が低下する等の問題があり、用途が極めて限
定されるものであった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、前記従来法の欠点を解消し、ポリプ
ロピレン本来の特性を損うことなく、透明感および透視
感の優れた延伸ポリプロピレンフィルムを提供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意研究を行っ
た結果、特定の4位枝鎖オレフィン重合体を含有する結
晶性プロピレン重合体に特定の環状芳香族燐化合物の金
属塩を特定量添加した組成物を溶融成膜した後、少なく
とも一軸方法に延伸することによって目的とする優れた
延伸フィルムが得られることを見出し、本発明を完成し
た。
すなわち本発明は、4位枝鎖オレフィン重合体を含有
する結晶性プロピレン重合体100重量部に対し、下記一
般式で示される化合物を0.005〜0.15重量部を添加して
なる組成物を少なくとも一軸方向に延伸してなる延伸ポ
リプロピレンフィルムである。
(式中、Rは直接結合またはアルキリデン基を示し、R1
およびR2は各々水素原子、アルキル基またはシクロアル
キル基を示し、Mは1価の金属原子を示す。) 以下その構成について更に詳述する。
本発明で言う結晶性プロピレン重合体とは、プロピレ
ンの単独重合体、プロピレンと炭素数2〜8のα−オレ
フィンとの共重合体または、それらの混合物を意味する
ものであり、このうちn−ヘプタンに不溶性の部分を70
重量%以上含有するプロピレン単独重合体または炭素数
2〜8のα−オレフィンとのランダム共重合体が望まし
く、n−ヘプタンに不溶性の部分を85重量%以上、更に
望ましくは95重量%以上含有するプロピレン単独重合体
または炭素数2〜8のα−オレフィンを1.0重量%以下
共重合された結晶性共重合体が特に望ましい。
本発明で用いられる4位枝鎖オレフィン重合体は、4
−メチルペンテン−1、4−エチルヘキセン−1、4,4
−ジメチルペンテン−1、4,4−ジメチルヘキセン−1
等からなる重合体であり、該4位枝鎖オレフィンの重合
体を結晶性プロピレン重合体に含有させる方法は (1)チーグラー・ナッタ系触媒を用いて、4位枝鎖オ
レフィンを重合させて得られた4位枝鎖オレフィン重合
体を、通常公知の方法で得られた結晶性プロピレン重合
体にブレンドする方法。
(2)チーグラー・ナッタ系触媒を用いて、第一段階で
4位枝鎖オレフィンを重合し、引続いて、第二段階でプ
ロピレンまたはプロピレンとプロピレン以外のα−オレ
フィンを重合する方法。
(3)第一段階でプロピレンの単独重合を行い、第二段
階で4位枝鎖オレフィンの重合を行い、第三段階で再び
プロピレンの単独重合を行う方法。
(4)(2)(3)で得られた4位枝鎖オレフィンの重
合体を含有する結晶性プロピレン重合体を更に通常の結
晶性プロピレン重合体にブレンドする方法。
(5)4位枝鎖オレフィンの重合体を含有するオレフィ
ン重合体触媒を用いてプロピレン、またはプロピレンと
プロピレン以外のα−オレフィンを重合する方法。
(6)(5)で得られた4位枝鎖オレフィンの重合体を
含有する結晶性プロピレン重合体を更に通常の結晶性プ
ロピレン重合体にブレンドする方法。
等があるが、具体的には特開昭62−275109号公報、特開
昭62−275111号公報、特開昭63−68648号公報、特開昭6
3−69809号公報に示される方法等で容易に得ることがで
きる。
本発明で用いられる4位枝鎖オレフィン重合体は、前
記の4−メチルペンテン−1、4−エチルヘキセン−
1、4,4−ジメチルペンテン−1、4,4−ジメチルヘキセ
ン−1重合体等が挙げられるが、なかでも4,4−ジメチ
ルペンテン−1および/または4,4−ジメチルヘキセン
−1が好ましく用いられる。
本発明の結晶性プロピレン重合体中の該4位枝鎖オレ
フィン重合体の含有量は、0.1重量ppm〜20,000重量ppm
の範囲が好ましく、更に1〜1,000重量ppmの範囲が、結
晶性プロピレン重合体本来の物性を変化させることな
く、優れた改善効果を発揮させ得る点で特に好ましい。
本発明で、前記の4位枝鎖オレフィン重合体を含有す
る結晶性プロピレン重合体に添加する前記の一般構造式
に示した環状芳香族燐化合物の金属塩は、それ自体公知
の化合物であるが、そのうち本発明においては前記の置
換基の限定を付した一般式の範囲の化合物が有効であ
る。
該一般式で示される化合物について詳しく説明する
と、式中Rで示されるアルキリデン基としては、メチリ
デン、エチリデン、イソプロピリデン、ブチリデン、ヘ
キシリデン、オクチリデン、ノニリデン、シクロベンジ
リデン、シクロヘキシリデン、シクロオクチリデン等が
挙げられる。
R1およびR2で示されるアルキル基としては、メチル、
エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第2
ブチル、第3ブチル、n−アミン、第3アミン、ヘキシ
ル、ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、第
3オクチルノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ト
リデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシ
ル、ヘプタデシル、オクタデシル基等が挙げられる。ま
たシクロアルキル基としてはシクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等が挙げら
れる。
またMで表した1価の金属原子としては、リチウム
(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)などの周期
表1a族金属である。
本発明で用いる上記一般式で示される範囲の環状芳香
族化合物の望ましい具体例を、以下の第1表に示す。
上記、一般式で示される化合物は、不純物が少なく粒
径、形状が均一で凝集等のない粉末状が望ましく、この
うち〔第1表〕のNo.1で示したメチレンビス(2,4−ジ
−t−ブチルフェノール)アシッドホスフェートNa塩か
らなり、その平均粒径が10μ以下の微粉末化したもの
が、本発明の目的とする透視性の改良効果が最も良好で
あり、かつ、この化合物を核としたボイド(空隙)やフ
イッシュ・アイの発生も制御出来るので特に望ましい。
本発明における上記一般式の環状芳香族燐化合物の金
属塩の添加量は、4位枝鎖オレフィンの重合体を含有す
る結晶性プロピレン重合体100重量部に対して、0.005〜
0.15重量部、好ましくは0.01〜0.05重量部である。この
範囲に満たないと効果が不足し、この範囲を越えると該
重合体への分散が極端に悪化し延伸によってこの化合物
を核としたボイド(空隙)が多数発生し、かつ、ボイド
の径も大きく、かえってフィルムの外観を著しく低下さ
せるので好ましくない。
本発明の結晶性プロピレン重合体と該4位枝鎖オレフ
ィンの重合体と環状芳香族燐化合物の金属塩との混合、
または、4位枝鎖オレフィンの重合体を含有する結晶性
プロピレン重合体と環状芳香族燐化合物の金属塩との混
合の方法は、これらのが均一に分散する方法であればい
ずれでも良いが、該環状芳香族燐化合物の金属塩粉末を
凝集させる事なくより微細な粒子のまま均一に分散させ
る事が望ましく、粉末状の該結晶性プロピレン重合体を
主成分として、各々粉末状のままリボンブレンダー、ヘ
ンシェルミキサー等で良く混合して均一分散させ、その
後、押出機等を用いて溶融混練した後冷却、カットしペ
レット状の組成物として用いるのが特に望ましい。ま
た、該組成物中には必要に応じて酸化防止剤、スリップ
剤、ブロッキング防止剤及び帯電防止剤等の種々の添加
剤を適宜配合する事ができる。尚、粉末状でヘンシェル
ミキサー等で混合する場合、ステアリン酸カルシウム等
の脂肪酸の金属塩、グリセリンモノステアレート等の多
価アルコールの脂肪酸エステルを0.01〜0.5重量部併用
するとより均一な分散が得られ望ましい。
本発明における延伸は、通常工業的に延伸フィルムの
製造に用いられる方法、例えば、ロール延伸、テンター
延伸、チューブラー延伸等の公知の延伸方法等により少
なくとも一軸方向に延伸する事によって得る事が出来
る。なお、一軸延伸の場合は、タテ方向のみ、ヨコ方向
のみの何れでも良いが通常3倍以上の倍率に延伸するの
が好ましく、二軸延伸の場合は二方向に同時に延伸して
も良いし、タテ/ヨコ、タテ/ヨコ/タテ等逐次延伸し
ても良い。又、一軸・二軸共延伸を多段階に分けて行う
事も出来る。又、延伸後に、空気中または不活性ガス中
等でコロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理をして
も良い。
尚、本発明の応用として、共押出積層法、延伸前(ま
たはタテ延伸後)に押出しラミネート法等で積層した
後、一軸または二軸共延伸(またはヨコ延伸)して本発
明の延伸ポリプロピレンフィルムを含有する積層延伸フ
ィルムとする事もでき、本発明は、この積層延伸フィル
ムも含有するものである。むろん、この積層延伸フィル
ムは、2層以上であり、本発明の延伸フィルムが表面層
にあっても良いし、3層以上においては、内部(芯層)
にあっても良い。
(特性の測定方法、評価基準) 本発明における特性の測定は、下記の評価基準で行っ
た。
(1)メルトフローレート(MFR):JIS K6758ポリプロ
ピレン試験方法のメルトフローレート(条件:230℃、2.
16kg f)に基づく。(単位:g/10min) (2)ヘイズ(Haze) ASTM D1003により、フィルムを4枚重ねて測定した
値(単位:%)を4枚ヘイズとして示す。
この値が小さい程透明性が良い事を意味する。
(3)透視感;東洋精機製作所製“視覚透明度試験機”
を用いて測定したLS値(狭角拡散透過値)で示す。この
LS値が小さい程透視感に優れている事を意味する。
(4)有核ボイド数;試料フィルムを偏光顕微鏡を用い
て50倍率で写真撮影し、その写真から中央部に核を有す
るフィルム中のボイド(空隙)の数(単位:個/cm2)で
示した。数えたボイドの直径は、写真上で約0.3mm(フ
ィルム中換算約60μ)以上のものである。ボイドの数が
多い程フィルムの外観が悪く、フィルム中にキラキラと
光を乱反射する粒子状物が多数目視されるようになり透
視感が著しく低下する。
(5)赤外線吸収スペクトル法によるタクティシティ−
(IR−τ); 試料を200℃の加圧成型機にて余熱1分−加圧1分で
フィルム状に成形した後、直ちに20℃に水冷し、厚さ約
40μのフィルムを得た。ついで該フィルムをアニール管
に入れ、真空に吸引後135℃のオイルバス中で一時間、
アニーリングを行う。アニーリング後の該フィルムから
3枚の小フィルムを切り出し、これらの小フィルムのそ
れぞれを測定試料として、997cm-1と973cm-1との吸光度
比(Å997/Å973)を測定し、その平均値をIR−τ値と
する。このIR−τ値は、パーキンエルマー783型の赤外
分光光度計にて行った。
〔実施例、比較例〕
以下、実施例、比較例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜5) MFR 1.8g/10min、IR−τ 0.940のプロピレン単独重
合体単体または下記の方法で合成した4,4−ジメチルペ
ンテン−1含有の結晶性プロピレン重合体との配合物の
100重量部に対して酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾール0.2重量部、テトラキス〔メチレン
−3(3′5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン0.08重量部、ステアリン
酸カルシウム0.1重量部を加え更に〔第1表〕に示した
本発明で用いる化合物を配合し、ヘンシェルミキサーを
用いて充分混合した後、押出機を用いて溶融混練して冷
却・カットしペレット状の組成物とした。この組成物を
樹脂温度260℃で溶融押出し45℃の冷却ロールで急冷
し、得られたシートをパンタグラフ型延伸機を用いて先
ずシートのタテ方向に153℃で5.2倍延伸した後、直ちに
同温度でシートのヨコ方向に7.2倍延伸して、160℃の20
秒間熱処理して厚さ約50μの二軸延伸フィルムとした。
得られた結果を〔第2表〕に示した。
(4,4−ジメチルペンテン−1含有の結晶性プロピレン
単独重合体の合成) 窒素ガスで置換した内容積5の撹拌機付きステンレ
ス製反応器に、脱水精製されたn−ヘキサン2、ジエ
チルアルミニウムモノクロライド105g及び公知のプロピ
レン重合用の三塩化チタン触媒10gを加え、反応器内温
度を40℃に保ち4,4−ジメチルペンテン−1を36gに加え
同温度で2時間反応させた。次に内容積500の撹拌機
付きステンレス製反応器を窒素ガスで置換し、室温下で
n−ヘキサン200、上記の4,4−ジメチルペンテン−1
を含有する反応生成物(触媒スラリー)の全量及び水素
を50Nl加えた。続いて、重合温度75℃、プロピレン分圧
10.5kg/cm2Gで2時間半プロピレンの重合を行い、反応
終了後メタノール1000gを入れ、75℃で40分揮発し、触
媒失活反応を行った後室温まで冷却し、別・乾燥して
52kgのポリマーを得た。
尚、この乾燥ポリマー中の塊状物は粉砕機にかけポリ
マー全量を粉末化して4,4−ジメチルペンテン−1の重
合体を240重量ppm含有する結晶性プロピレン重合体を得
た。
(実施例8) MFR 2.8g/10min、IR−τ 0.920、エチレンの共重合
割合が0.3重量%の結晶性エチレン・プロピレン共重合
体100重量部に対し、実施例1と同一・同量の酸化防止
剤と下記の方法で重合した4,4−ジメチルヘキセン−1
の単独重合体を純分として0.02重量部及び〔第1表〕N
o.1に示す化合物0.02重量部を配合し粉末状のまま、ヘ
ンシェルミキサーを用いて混合した後、押出機を用いて
溶融混練して冷却・カットしペレット状の組成物とし
た。この組成物を樹脂温度250℃で溶融押出し45℃の鏡
面冷却ロールで急冷し、得られたシートをロール間延伸
でタテ方向に延伸した後、テンター内でヨコ方向に延伸
するテンター方式の二軸延伸装置を用いて、タテ方向に
140℃で4倍延伸した後引続きヨコ方向に158℃で10倍延
伸を行い、155℃でヨコ方向に3%弛緩しつつ熱処理し
て厚さ約25μの二軸延伸フィルムを得た。得られた延伸
フィルムは、4枚ヘイズ3.2%、LS値2.6、有核ボイド13
と非常に透明性・透視感の優れた物であった。
(4,4−ジメチルヘキセン−1含有の結晶性プロピレン
単独重合体の合成) 窒素ガスで置換した内容積5の撹拌機付きステンレ
ス製反応器に、脱水精製されたn−ヘキサン2、ジエ
チルアルミニウムモノクロライド105g及び公知のプロピ
レン重合用の三塩化チタン触媒10gを加え、反応器内温
度を40℃に保ち4,4−ジメチルヘキセン−1を62g加え同
温度で2時間反応させた。次に内容積500の撹拌機付
きステンレス製反応器を窒素ガスで置換し、室温下でn
−ヘキセン200、上記の4,4−ジメチルヘキセン−1を
含有する反応生成物(触媒スラリー)の全量及び水素を
50Nl加えた。続いて、重合温度75℃、プロピレン分圧1
0.5kg/cm2Gで2時間半プロピレンの重合を行い、反応終
了後メタノール1000gを入れ、75℃で40分揮発し、触媒
失活反応を行った後室温まで冷却し、別・乾燥して52
kgのポリマーを得た。
尚、この乾燥ポリマー中の塊状物は粉砕機にかけポリ
マー全量を粉末化して4,4−ジメチルヘキセン−1の重
合体を240重量ppm含有する結晶性プロピレン重合体を得
た。
(比較例6) 実施例8で用いた結晶性エチレン・プロピレン共重合
体と同一・同量体の酸化防止剤とを同様にペレット化し
た後、逐次二軸延伸し、厚み25μのフィルムを得た。
得られた延伸フィルムは、4枚ヘイズ7.2%、LS値9.
3、有核ボイド6と透明性・透視感とも極めて劣る物で
あった。
実施例で明らかなように、本発明の延伸ポリプロピレ
ンフィルムはASTM D1003による4枚ヘイズで表わされ
る透明性において、何れも3.6以下であり、LS値(狭角
拡散透過値)で表わされる透視感において、何れも2.8
以下であり、透視感に影響する有核ボイド数も、結晶性
プロピレンに本発明の配合物を何も配合しない比較例−
1の値の2〜4倍以内で許容できる範囲である。
これに対し、結晶性プロピレンに4位枝鎖オレフィン
重合体(A)も環状芳香族燐化合物の金属塩(B)も配
合しない比較例−1、(B)のみ配合した比較例−2、
(A)のみ配合した比較例−3、両者を配合したが
(B)の量が限界値0.15重量部を超える比較例−4、比
較例−5では、4枚ヘイズ値、LS値共に高い値を示し、
透明性、透視感共に本発明より劣ることが明らかであ
る。
(B)が限界値を超える比較例−4、比較例−5では
有核ボイド数も極めて多く、透視感が低下することが明
らかである。
〔発明の効果〕
実施例、比較例より明らかなように、本発明の4位枝
鎖オレフィン重合体を含有し、本発明の環状芳香族燐化
合物の金属塩を特定量含有する延伸ポリプロピレンフィ
ルムは非常に透明性、透視感に優れており、また結晶性
プロピレン本来の特性を損うことがない優れたポリプロ
ピレンフィルムであり、食品包装、繊維包装その他の広
範囲な用途に有利に使用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4位枝鎖オレフィン重合体を含有する結晶
    性プロピレン重合体100重量部に対し、下記一般式で示
    される化合物を0.005〜0.15重量部を添加してなる組成
    物を少なくとも一軸方向に延伸してなる延伸ポリプロピ
    レンフィルム。 (式中、Rは直接結合またはアルキリデン基を示し、R1
    およびR2は各々水素原子、アルキル基またはシクロアル
    キル基を示し、Mは1価の金属原子を示す。)
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