JP2658714B2 - エポキシ樹脂封止材 - Google Patents

エポキシ樹脂封止材

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JP2658714B2
JP2658714B2 JP3319592A JP3319592A JP2658714B2 JP 2658714 B2 JP2658714 B2 JP 2658714B2 JP 3319592 A JP3319592 A JP 3319592A JP 3319592 A JP3319592 A JP 3319592A JP 2658714 B2 JP2658714 B2 JP 2658714B2
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真治 橋本
泰久 岸上
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子を保護する
ために用いられるエポキシ樹脂封止材に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子を保護するために用いられる
エポキシ樹脂封止材には、スポット封止用の常温で液状
のタイプとトランスファー成型用の固形タイプがある
が、どちらも無機粉末充填材、エポキシ化合物及び硬化
剤を主成分として含有している。この無機粉末充填材は
エポキシ樹脂封止材の硬化物の熱膨張率低減、吸湿率低
減、熱伝導率向上、強度向上などの目的で使用されてい
る。そして、これらのエポキシ樹脂封止材の硬化物の物
性をさらに向上するためには無機粉末充填材の含有率を
上げること、すなわち、高充填化することが有効である
が、無機粉末充填材の含有率を上げると封止材の粘度が
上昇し、封止材の流動性が低下するという問題が生じる
ため高充填化には限度があるのが現状である。この問題
を改善するための技術としては、球状の充填材を使用し
たり、連続粒度分布で最密充填状態を与えるフューラー
(Fuller)やアンドレーゼン(Andreasen )などの経験
式を基本に粒度分布関数のパラメーターに着目して粒度
分布の幅を広くしたり、無機粉末充填材のタッピング充
填特性を利用したものがあるが、いまだ、エポキシ樹脂
封止材の無機粉末充填材の含有率を高くし、且つ、封止
材の粘度を低く保持して、流動性を低下させないように
することは達成できていないのが現状である。
【0003】そして、半導体素子を保護するために用い
られるエポキシ樹脂封止材では、耐湿信頼性、耐半田耐
熱性、耐ヒートショック性等の性能を向上させることが
重要であり、このための方策としてエポキシ樹脂封止材
の硬化物の吸湿率を低減させる方法や硬化物の強度を向
上させる方法が種々検討されている。この吸湿率の低減
には吸湿性の低い樹脂を用いることも有効であるが、樹
脂の低吸湿化だけでは不十分であり、前記の無機粉末充
填材の含有率を高くすることにより硬化物の吸湿率を低
減させる技術の実用化が望まれている。また、硬化物の
強度向上には前記の無機粉末充填材の含有率を高くする
こと以外に破砕状の充填材を用いることが有効であると
知られているが、いずれも封止材の流動性とトレードオ
フの関係にあり、いまだ、硬化物の強度が充分に高く、
且つ、高流動性を有するエポキシ樹脂封止材は得られて
いないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の事情に鑑み、本
願発明が解決しようとする課題は次の二つの課題であ
る。第1の課題はエポキシ樹脂封止材の硬化物の吸湿率
の低減をしようとすると、封止材の粘度を低く保持し
て、流動性を良好に保つことが困難であるという問題点
を解決することである。すなわち、流動性が良好であっ
て、且つ、吸湿率が低い硬化物を得ることのできるエポ
キシ樹脂封止材を提供することが第1の発明の目的であ
る。
【0005】第2の課題はエポキシ樹脂封止材の硬化物
の強度を向上しようとすると、封止材の粘度を低く保持
して、流動性を良好に保つことが困難であるという問題
点を解決することである。すなわち、流動性が良好であ
って、且つ、強度の強い硬化物を得ることのできるエポ
キシ樹脂封止材を提供することが第2の発明の目的であ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は無機
粉末充填材の含有率が65重量%以上であるエポキシ樹
脂封止材において、無機粉末充填材が、圧縮成形前の無
機粉末充填材の平均粒子径が圧縮成形後も保持される圧
力で無機粉末充填材のみを圧縮成形して得られる成形体
における無機粉末充填材の体積分率が75%以上であ
り、且つ、比表面積が7m2 /g以下である無機粉末充
填材であることを特徴とするエポキシ樹脂封止材であ
る。
【0007】本願の第2の発明は、無機粉末充填材の含
有率が65重量%以上であるエポキシ樹脂封止材におい
て、無機粉末充填材が、圧縮成形前の無機粉末充填材の
平均粒径が圧縮成形後も保持される圧力で無機粉末充填
材のみを圧縮成形して得られる成形体における無機粉末
充填材の体積分率が75体積%以上であり、且つ、破砕
状の粒子が無機粉末充填材の20〜80体積%を占める
無機粉末充填材であることを特徴とするエポキシ樹脂封
止材である。
【0008】以下、本願の発明をさらに詳しく説明す
る。本願発明で用いる無機粉末充填材の材質としては、
結晶性シリカ、非晶質シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒
化アルミニウム、窒化ホウ素等が例示できるが、上記の
例示材質に限定されるものではない。そして、本願発明
の目的である吸湿率が低い硬化物又は強度の強い硬化物
を得ることのできるエポキシ樹脂封止材とするにはエポ
キシ樹脂封止材中の無機粉末充填材の含有率は65重量
%以上と高充填化されていることが重要である。
【0009】また、本願発明におけるエポキシ樹脂封止
材は主成分として、上記の無機粉末充填材の他にエポキ
シ化合物、硬化剤を含有し、これらの主成分の他に、必
要に応じて硬化促進剤、難燃剤、離型剤、顔料等が添加
されている組成物である。
【0010】そして、本願発明で用いるエポキシ化合物
としては1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物
であって、例えばフェノールノボラックエポキシ樹脂、
クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
フェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、
脂環式エポキシ樹脂などがある。
【0011】また、本願発明で用いる硬化剤としては、
フェノール系硬化剤やアミン系硬化剤等があるが、硬化
物の吸湿率低減に有効なフェノール系硬化剤を使用する
ことが好ましい。このフェノール系硬化剤とはSP2タ
イプの電子軌道を持つ、炭素原子6個から形成される6
員環に水酸基が1個以上結合した原子団を持つ化合物で
あり、例えばフェノールノボラック樹脂及びその誘導
体、クレゾールノボラック樹脂及びその誘導体、フェノ
ールとジシクロペンタジエンの共重合体、ヒドロキシス
チレン及びその誘導体の重合体、モノ又はジヒドロキシ
ナフタレン及びその誘導体のモノマー又は重合体などで
ある。
【0012】また、本願発明で用いる硬化促進剤として
は、例えばトリフェニルフォスフィン及びその誘導体、
ジアザビシクロウンデセン及びその誘導体、イミダゾー
ル及びその誘導体等が挙げられる。
【0013】次に、本願発明で使用する無機粉末充填材
の性質として取り上げている「圧縮成形して得られる成
形体における無機粉末充填材の体積分率」について説明
する。無機粉末充填材として使用するn種(nは1以上
の整数)の無機粉末のそれぞれの真比重をdi 、各無機
粉末のそれぞれの配合重量をwi (i は1〜nの中の整
数)とした場合の無機粉末充填材全体の真比重dは下記
の式(A)で算出される値となる。 d=Σwi /Σ(wi /di ) −−−−(A) そして、圧縮成形して得られる成形体における無機粉末
充填材の体積分率をPとしたときに、この体積分率Pは
無機粉末充填材Wグラムを圧縮して得られる成型体の体
積Vccから下記の式(B)で算出される値となる。 P=100(W/d)/V −−−−(B) そして、本願発明では、体積分率Pを測定するために行
う無機粉末充填材の圧縮成形の成形圧力は、圧縮成形前
の平均粒子径が圧縮成形後も保持される圧力であること
が重要である。この成形圧力が高すぎると、無機粉末充
填材の粒子が破壊され、圧縮成形後の平均粒子径は圧縮
成形前の平均粒子径とは異なるものになり、測定される
体積分率Pはエポキシ樹脂封止材中の無機粉末充填材の
性質を示さなくなる不都合が生じる。なぜなら、どのよ
うな無機粉末充填材でも、圧縮成形の時の成形圧力を極
端に高くすると、粒子が破壊されて、得られる成形体中
には空隙が含まれない状態に近づき、測定される体積分
率Pは100%に漸近するようになるからである。従っ
て、本願発明ではエポキシ樹脂封止材中に含有させる無
機粉末充填材と同じ状態で、圧縮成形して得られる成形
体中に無機粉末充填材が存在するように、圧縮成形の時
の成形圧力は圧縮成形前の無機粉末充填材の平均粒子径
が圧縮成形後も保持される圧力で行うように限定してい
る。
【0014】なお、圧縮成形前の無機粉末充填材の平均
粒子径が圧縮成形後も保持される圧力の範囲内の最高圧
力(以降Fmaxと略す)で成型した成型体により得ら
れる体積分率Pは、Fmax未満で成型した成型体によ
り得られる体積分率Pより必ず大きい値となる。すなわ
ち、Fmax未満で成型した成型体の無機粉末充填材の
体積分率Pが75%以上となる場合には、その無機粉末
充填材の体積分率PはFmaxで成型した時には必ず7
5%以上となる。
【0015】また、本願発明では、上記の圧力及び計算
式を用いて得られる体積分率Pが75%以上である無機
粉末充填材を使用していることが重要であり、体積分率
Pが75%未満の無機粉末充填材を使用した場合には、
無機粉末充填材の含有率が65重量%以上であるエポキ
シ樹脂封止材の流動状態の粘度を低く保持し、流動性を
良好に保つことが困難になるという問題を生じる。
【0016】さらに、本願の第1の発明の目的である硬
化物の吸湿率が低いエポキシ樹脂封止材を得るために、
本願の第1の発明では窒素吸着のBET法による比表面
積が7m2 /g以下の無機粉末充填材を使用するように
限定している。硬化物の吸湿には、樹脂自身の吸湿と樹
脂−充填材粒子界面での吸湿の2種類がある。樹脂−充
填材粒子界面での吸湿については、界面が全面にわたり
化学的に密着していれば吸湿は少ないはずであるが、充
填材表面を化学処理したとしても界面を全面にわたり樹
脂と完全に化学的に密着させることは困難である。その
ため、充填材の添加量が同一であっても、充填材の比表
面積が大きいと、充填材粒子と樹脂の界面が増えること
になり、硬化物の吸湿が増えることになる。そこで、充
填材の比表面積について検討したところ、比表面積が7
2 /g以下の無機粉末充填材を使用すれば硬化物の吸
湿率を低く抑えることができることを見出したものであ
る。
【0017】また、本願の第2の発明の目的である硬化
物の強度が強いエポキシ樹脂封止材を得るために、本願
の第2の発明では破砕状の粒子が無機粉末充填材の20
〜80体積%を占める無機粉末充填材を使用するように
限定している。このように限定している理由は、破砕状
の粒子の含有率が20体積%未満の無機粉末充填材を使
用した場合には破砕状の粒子を加えて強度を向上させる
効果が顕著に見られず、破砕状の粒子の含有率が80体
積%を越える無機粉末充填材では、前記の体積分率Pが
75%以上である無機粉末充填材とすることが困難だか
らである。
【0018】なお、本願発明の無機粉末充填材と他の原
料とを混合する方法については特に限定はなく、ロー
ル、ニーダー、バンバリーミキサー等を用いて行うこと
ができる。
【0019】
【作用】無機粉末充填材を圧縮成形して得られる成形体
における無機粉末充填材の密な充填状態は、流動可能な
状態にある封止材中の無機粉末充填材の充填状態に近似
している。そして、成形体における無機粉末充填材の体
積分率Pが大きいということは、成形体中の粉末粒子間
に残っている空隙が小さいことを意味している。この空
隙部分を液状成分で埋めた複合材を考えると、液状成分
の体積が空隙部分の体積と等しいか又は小さい場合に
は、粒子同士の接触により複合材全体の変形が妨げら
れ、全く流動しないものとなり、一方、液状成分の体積
が空隙部分の体積よりも大きい場合には、粒子は液状成
分により隔てられるので、粒子はある程度自由に動くこ
とが可能であり、複合材全体としては変形可能、つまり
流動可能な状態となる。従って、無機粉末充填材含有率
の同じ封止材では、体積分率Pが大きい無機粉末充填材
を使用することは、封止材の流動性を良くし、流動状態
の粘度を低くする働きをする。そして、無機粉末充填材
含有率が65重量%を越えるような高充填化されたエポ
キシ樹脂封止材では、上記の無機粉末充填材の体積分率
Pが75%以上であることがエポキシ樹脂封止材の粘度
を低く保持して、流動性を良好に保つのに有効である。
【0020】また、充填材の添加量が同一の場合には、
充填材の比表面積が大きいものの方が充填材粒子と樹脂
の界面が増えることになり、従って、硬化物の吸湿が増
えることになる。そこで、使用する充填材の比表面積を
7m2 /g以下に抑えることは、充填材粒子と樹脂の界
面の面積を一定範囲内に抑える作用をするので、硬化物
の吸湿率を低く抑えるのに有効である。
【0021】また、エポキシ樹脂封止材の硬化物の強度
は、樹脂の強度、樹脂−充填材粒子界面の強度及び充填
材の強度に依存している。そして、破砕状の充填材は球
状の充填材に比べアンカー効果や表面活性が強いので、
樹脂−充填材粒子界面の強度を向上させる作用をするの
で、硬化物の強度向上に有効である。ただし、充填材中
に破砕状の充填材を多量に含有させることは、充填材の
体積分率Pを下げる方向に作用するので充填材中の破砕
状の充填材の含有量については、ある限度までの含有量
に止めることが必要である。
【0022】
【実施例】以下、本願発明を実施例に基づき説明する。
勿論、本願発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。そして、以下に述べる実施例及び比較例では無機粉
末充填材として表1に示すシリカ粉末を使用した。
【0023】
【表1】
【0024】まず、第1の発明に関する、実施例1〜4
及び比較例1〜3について説明する。
【0025】前記の表1に示したシリカ粉末の中の5種
類のシリカ粉末を表2に示す配合で混合し、得られた混
合シリカ粉末の比表面積と、圧縮成型して得られる成型
体における混合シリカ粉末の体積分率Pを測定し、その
結果を表2に示した。(但し、比較例1のみは単一のシ
リカ粉末を使用した。)なお、混合シリカ粉末の圧縮成
型は300kg/cm2 の圧力で単軸加圧により行い、
円筒状の成形体を得るようにした。得られた成型体を解
砕して圧縮成型後の粉末の平均粒径を測定した結果、成
型に供した粉末の平均粒径の測定結果と同じであったの
で、この圧力では圧縮成型による粒子の破壊は生じてい
ないといえる。また、圧縮成型して得られる成型体にお
ける混合シリカ粉末の体積分率Pは成型体の直径と厚み
から算出される成型体の体積Vと重量W及び無機粉末充
填材の真比重dからすでに述べた式(B)で算出した。
【0026】次いで、混合シリカ粉末、エポキシ樹脂、
フェノール系硬化剤、硬化促進剤及び離型剤をそれぞれ
表2に示す配合量(重量部)で配合し、混合してエポキ
シ樹脂封止材を作製した。なお、エポキシ樹脂としては
ビフェニル型エポキシ樹脂である油化シェル(株)製の
エポキシ樹脂YX−4000Hを、フェノール系硬化剤
としては日本化薬(株)製のナフタレンノボラック樹脂
OCN7000を、硬化促進剤しては北興化学(株)製
のトリフェニルフォスフィンを、離型剤としては天然カ
ルナバワックスをそれぞれ使用し、また、エポキシ樹脂
封止材の作製は、各原料を配合したものを90℃のミキ
シングロールで10分間混練後、室温まで冷却し、粉砕
する方法を取った。
【0027】得られたエポキシ樹脂封止材の溶融粘度を
島津製作所(株)製のフローテスターを用いて、温度1
75℃、荷重10kgの条件で測定し、その結果を表2
に示す。また、前記のエポキシ樹脂封止材を成型温度1
70℃でトランスファー成型した後、175℃で6時間
のアフターキュアーを行い硬化物である成形品を得て、
この成形品の50〜100℃の範囲での線膨張係数をT
MA装置により求めた。得られた線膨張係数の測定結果
を表2に示す。また、前記の成形品と同様にして作製し
た成形品を温度85℃、相対湿度85%の雰囲気下に7
2時間放置して、吸湿率を測定した。得られた吸湿率の
測定結果を同じく表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2の測定結果の比較から明らかなよう
に、成型体における無機粉末充填材の体積分率Pが75
%以上の混合シリカ粉末を用いた実施例1、3、4及び
比較例3の溶融粘度は、同一シリカ含有率(77重量
%)であって体積分率Pが75%未満の混合シリカ粉末
を用いた比較例1、2の溶融粘度より低くなっている。
また、実施例2では、エポキシ封止材中のシリカ含有率
を79重量%と増し、高充填化して、硬化物(成形品)
の吸湿率及び線膨張係数を低減することを達成し、且
つ、溶融粘度は比較例1、2よりも低く抑えることも達
成している。従って、本願発明の特徴である体積分率P
が75%以上の無機粉末充填材を使用することの効果を
確認できた。
【0030】また、本願の第1の発明の特徴である体積
分率Pが75%以上であって、比表面積が7m2 /g以
下で混合シリカ粉末を用いたものは、硬化物(成形品)
の吸湿率を低く抑えることができることが、表2に示す
実施例1、3、4と比較例2、3の吸湿率の結果から確
認できた。
【0031】次に、第2の発明に関する、実施例5〜8
及び比較例4〜6について説明する。
【0032】前記の表1に示したシリカ粉末の中の6種
類のシリカ粉末を表3に示す配合で混合し、得られた混
合シリカ粉末の成型体における体積分率Pを測定し、そ
の結果を表3に示した。なお、混合シリカ粉末の圧縮成
型は300kg/cm2 の圧力で単軸加圧により行い、
円筒状の成形体を得るようにした。得られた成型体を解
砕して圧縮成型後の粉末の平均粒径を測定した結果、成
型に供した粉末の平均粒径の測定結果と同じであったの
で、この圧力では圧縮成型による粒子の破壊は生じてい
ないといえる。また、圧縮成型して得られる成型体にお
ける混合シリカ粉末の体積分率Pは成型体の直径と厚み
から算出される成型体の体積Vと重量W及び無機粉末充
填材の真比重dからすでに述べた式(B)で算出した。
【0033】次いで、混合シリカ粉末、エポキシ樹脂、
フェノール系硬化剤、硬化促進剤及び離型剤をそれぞれ
表3に示す配合量(重量部)で配合し、混合してエポキ
シ樹脂封止材を作製した。なお、エポキシ樹脂としては
ビフェニル型エポキシ樹脂である油化シェル(株)製の
エポキシ樹脂YX−4000Hを、フェノール系硬化剤
としては日本化薬(株)製のナフタレンノボラック樹脂
OCN7000を、硬化促進剤しては北興化学(株)製
のトリフェニルフォスフィンを、離型剤としては天然カ
ルナバワックスをそれぞれ使用し、また、エポキシ樹脂
封止材の作製、及び得られたエポキシ樹脂封止材の溶融
粘度の測定は前記の実施例1〜4と同様にして行った。
また、得られたエポキシ樹脂封止材を用いて前記の実施
例1〜4と同様にして成型及びアフターキュアーを行い
硬化物である成形品を得、この成形品の常温での曲げ強
度を,曲げ強度試験機を用いて測定した。得られた溶融
粘度及び曲げ強度の測定結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3の測定結果の比較から明らかなよう
に、体積分率Pが75%以上の混合シリカ粉末を用いた
実施例5〜8及び比較例5の溶融粘度は、同一シリカ含
有率(77重量%)であって体積分率Pが75%未満の
混合シリカ粉末を用いた比較例4、6の溶融粘度より低
くなっている。そして、体積分率Pが75%以上であっ
て、破砕状のシリカ粉末を20〜80体積%含有してい
る無機粉末充填材(混合シリカ粉末)を用いた実施例5
〜8の曲げ強度は、破砕状のシリカ粉末を10体積%し
か含有していない無機粉末充填材(混合シリカ粉末)を
用いた比較例5の曲げ強度より高い値となっている。従
って、本願の第2の発明の特徴である体積分率Pが75
%以上であって、破砕状のシリカ粉末を20〜80体積
%含有している無機粉末充填材を使用することがエポキ
シ樹脂封止材の流動性を保持して、硬化物の強度を向上
させるのに有効であると確認できた。
【0036】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、エポキシ樹
脂封止材の硬化物の吸湿率の低減をしようとすると、封
止材の粘度を低く保持して、流動性を良好に保つことが
困難であるという問題点を解決することができ、流動性
が良好であって、且つ、吸湿率が低い硬化物を得ること
のできるエポキシ樹脂封止材を提供することができる。
【0037】本願の第2の発明によれば、エポキシ樹脂
封止材の硬化物の強度を向上しようとすると、封止材の
粘度を低く保持して、流動性を良好に保つことが困難で
あるという問題点を解決することができ、流動性が良好
であって、且つ、強度の強い硬化物を得ることのできる
エポキシ樹脂封止材を提供することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機粉末充填材の含有率が65重量%以
    上であるエポキシ樹脂封止材において、無機粉末充填材
    が、圧縮成形前の無機粉末充填材の平均粒子径が圧縮成
    形後も保持される圧力で無機粉末充填材のみを圧縮成形
    して得られる成形体における無機粉末充填材の体積分率
    が75%以上であり、且つ、比表面積が7m2 /g以下
    である無機粉末充填材であることを特徴とするエポキシ
    樹脂封止材。
  2. 【請求項2】 無機粉末充填材の含有率が65重量%以
    上であるエポキシ樹脂封止材において、無機粉末充填材
    が、圧縮成形前の無機粉末充填材の平均粒径が圧縮成形
    後も保持される圧力で無機粉末充填材のみを圧縮成形し
    て得られる成形体における無機粉末充填材の体積分率が
    75体積%以上であり、且つ、破砕状の粒子が無機粉末
    充填材の20〜80体積%を占める無機粉末充填材であ
    ることを特徴とするエポキシ樹脂封止材。
JP3319592A 1992-01-21 1992-02-20 エポキシ樹脂封止材 Expired - Lifetime JP2658714B2 (ja)

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