JPH10182947A - 封止材用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents

封止材用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置

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JPH10182947A
JPH10182947A JP34376696A JP34376696A JPH10182947A JP H10182947 A JPH10182947 A JP H10182947A JP 34376696 A JP34376696 A JP 34376696A JP 34376696 A JP34376696 A JP 34376696A JP H10182947 A JPH10182947 A JP H10182947A
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epoxy resin
inorganic filler
resin composition
powder
filler powder
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JP34376696A
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English (en)
Inventor
Yasuhisa Kishigami
泰久 岸上
Hiroyuki Shiraki
啓之 白木
Tatsuyoshi Wada
辰佳 和田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮成形前の平均粒子径が圧縮成形後も保持
される圧力で無機充填材粉末のみを圧縮成形して得られ
る成形体における、無機充填材粉末の体積分率が78〜
95%である無機充填材粉末を、エポキシ樹脂組成物の
全体積に対して真比重換算で75〜92体積%含有する
エポキシ樹脂組成物であって、成形性が優れた封止がで
きる封止材用エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 全無機充填材粉末中の粒子径が50μm
以上の粉末の体積分率が、30%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置及びそ
の封止に使用されるエポキシ樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】半導体装置などの電子部品の封止方法と
して、セラミックや熱硬化性樹脂を用いる方法が従来よ
り行われている。なかでも、エポキシ樹脂組成物による
封止が、経済性及び性能のバランスより好ましく、広く
実施されている。このエポキシ樹脂組成物により封止さ
れた半導体装置は、例えばリードフレーム用金属上に半
導体素子を搭載し、その半導体素子とリードフレームを
ボンディングワイヤー等を用いて電気的に接続し、半導
体素子の全体及びリードフレームの一部を、封止材用エ
ポキシ樹脂組成物(以下封止樹脂と記す)で封止して製
造されている。
【0003】この封止樹脂で封止する方法としては、一
般にトランスファー成形が行われている。そして、トラ
ンスファー成形する際には、室温で固形状の封止樹脂を
トランスファー成形機に取り付けられた金型に備えたポ
ットに装填し、加熱して溶融させた後、プランジャーで
加圧して、前記金型が備えるランナー及びゲートを経由
して、半導体素子等が配置された樹脂成形用のキャビテ
ィーに封止樹脂を送り、更に加熱することにより硬化さ
せて封止する方法が行われている。
【0004】なお、この封止樹脂で封止した半導体装置
は、封止樹脂の硬化物(以下樹脂硬化物と記す)が吸湿
すると、半導体装置を実装する時のハンダ付け等の熱衝
撃により樹脂硬化物の内部にクラックが発生し、信頼性
が低下するという問題が発生する場合があった。そのた
め吸湿耐熱性の改良として、封止樹脂中に無機充填材粉
末を高い比率で配合することにより、封止樹脂中の吸湿
しやすい成分であるエポキシ樹脂の割合を減らして樹脂
硬化物の吸湿量を減らすと共に、熱膨張率を低減させて
改良する方法等が検討されている。
【0005】しかし、無機充填材粉末を高い比率配合し
た封止樹脂を用いてトランスファー成形を行った場合、
封止樹脂の粘度が上昇して、樹脂硬化物の内部や表面に
気泡が残る等の成形性の問題が発生する場合があった。
【0006】そのため、無機充填材粉末として、例え
ば、特開平5−230279号に記載されているよう
な、圧縮成形前の平均粒子径が圧縮成形後も保持される
圧力で無機充填材粉末のみを圧縮成形して得られる成形
体における、無機充填材粉末の体積分率(以下粒子径保
持加圧体積分率と記す)が、78%以上の無機充填材粉
末を用いることにより、封止樹脂の流動性を向上させ、
成形性を改良する方法が検討されている。
【0007】近年の高度情報化社会の進展と半導体素子
の進歩により、半導体装置に付与する機能が増え、集積
度や動作速度が年々高まっており、半導体装置の大型化
と発生する熱の増加を招いている。このような大型化し
た半導体装置や、放熱性改良のためにアルミナ等の熱伝
導率の高い無機充填材粉末を配合した封止樹脂を用いた
半導体装置の場合、上記のような粒子径保持加圧体積分
率が78%以上の無機充填材粉末を用いた場合であって
も、樹脂硬化物の内部や表面に気泡が残ったり、金型内
の狭部等に封止樹脂が充填されないという成形性の問題
が発生する場合があり、改良の余地があった。そのた
め、封止樹脂中に無機充填材を高い比率で含有させて
も、成形性が優れた封止ができる封止樹脂が求められて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、粒子径保持加圧体積分率(圧縮成形前の平均粒子
径が圧縮成形後も保持される圧力で無機充填材粉末のみ
を圧縮成形して得られる成形体における、無機充填材粉
末の体積分率)が78〜95%である無機充填材粉末
を、封止樹脂(封止材用エポキシ樹脂組成物)の全体積
に対して真比重換算で75〜92体積%含有する封止樹
脂であって、成形性が優れた封止ができる封止樹脂を提
供することにある。また、成形性が優れた半導体装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
封止樹脂は、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材粉末
を含有する封止樹脂であって、粒子径保持加圧体積分率
が78〜95%である無機充填材粉末を、封止樹脂の全
体積に対して真比重換算で75〜92体積%含有する封
止樹脂において、全無機充填材粉末中の粒子径が50μ
m以上の粉末の体積分率が、30%以下であることを特
徴とする。
【0010】本発明の請求項2に係る封止樹脂は、請求
項1記載の封止樹脂において、全無機充填材粉末中の粒
子径が50μm以上の粉末の体積分率が、15%以下で
あることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項3に係る封止樹脂は、請求
項1又は請求項2記載の封止樹脂において、無機充填材
粉末として、非晶質シリカを含有することを特徴とす
る。
【0012】本発明の請求項4に係る封止樹脂は、請求
項1から請求項3のいずれかに記載の封止樹脂におい
て、無機充填材粉末として、結晶シリカ及びアルミナの
少なくとも1種を含有することを特徴とする。
【0013】本発明の請求項5に係る封止樹脂は、請求
項1から請求項4のいずれかに記載の封止樹脂におい
て、エポキシ樹脂及び硬化剤が、エポキシ樹脂及び硬化
剤のみを配合して測定する150℃における粘度が2ポ
イズ以下のエポキシ樹脂及び硬化剤であることを特徴と
する。
【0014】本発明の請求項6に係る封止樹脂は、請求
項1から請求項5のいずれかに記載の封止樹脂におい
て、エポキシ樹脂として下記(a)の化合物を含有し、
硬化剤として下記(b)の化合物を含有することを特徴
とする。
【0015】(a)ビフェニル骨格を有するエポキシ樹
脂及びジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂
からなる群の中から選ばれた少なくとも1種。
【0016】(b)ナフタレン骨格を有するフェノール
樹脂、p−キシリレン骨格を有するフェノール樹脂及び
フェノールノボラック樹脂からなる群の中から選ばれた
少なくとも1種。
【0017】本発明の請求項7に係る半導体装置は、請
求項1から請求項6のいずれかに記載の封止樹脂を用い
て、半導体素子を封止してなる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る封止樹脂は、少なく
ともエポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材粉末を含有す
る。なお、無機充填材粉末を、封止樹脂の全体積に対し
て、真比重換算で75〜92体積%含有することが重要
である。無機充填材粉末が75体積%未満の場合、樹脂
硬化物の吸湿量が増加し、吸湿耐熱性が低下する場合が
ある。また、92体積%を越える場合、封止樹脂の粘度
が高くなり、封止する際の成形性が低下する場合があ
る。
【0019】無機充填材粉末は一般に粒度分布を持つた
め、容器への充填の仕方や、異なる粒度分布を持つ無機
充填材粉末の混合物ではその混合の程度によって見かけ
上の体積が異なる。そのため、上記封止樹脂の全体積に
対する無機充填材粉末の体積比率は、無機充填材粉末の
重量を真比重で割った値、すなわち真比重換算の体積を
用いて求める値である。
【0020】また、無機充填材粉末の粒子径保持加圧体
積分率が78〜95%であることが重要である。78%
未満の場合、封止樹脂の粘度が高くなり、封止する際の
成形性が低下する場合がある。また、95%を越える無
機充填材粉末は入手が困難なため経済的でない。
【0021】更に、全無機充填材粉末中の粒子径が50
μm以上の粉末の体積分率が30%以下、より好ましく
は15%以下の無機充填材粉末であることが重要であ
る。30%を越える場合、樹脂硬化物の内部や表面に気
泡が残ったり、金型内の狭部等に封止樹脂が充填されな
いという成形性の問題が発生する場合がある。なお15
%以下の無機充填材粉末であると、特に薄型の半導体装
置や、特に大型の半導体装置を封止する場合であって
も、成形性が優れた封止が可能となる。
【0022】これは、無機充填材粉末を高充填すると、
トランスファー成形の金型内に備えるランナーやゲート
等の狭い部分から広いキャビティに封止樹脂が流入する
際、封止樹脂が乱流状態となり、キャビティに均一に充
填されにくくなるため、樹脂硬化物の内部や表面に気泡
が残ったり、狭部等に封止樹脂が充填されないという問
題が発生すると考えられる。この乱流発生の起点として
は無機充填材粉末が考えられ、その粒子径が大きいほど
発生しやすくなると考えられる。そして粒子径が50μ
m以上の粉末の体積分率が、30%以下であると乱流の
発生を抑制でき、成形性が優れた封止が可能となると考
えられる。
【0023】なお、樹脂硬化物の内部等に気泡が残る
と、その内部に水分が凝集して、半導体素子の表面に形
成されたアルミニウム配線の腐食を引き起こし、半導体
装置の耐湿信頼性を低下させる問題が生じる場合があ
る。しかし、本発明に係る封止樹脂を用いると、このよ
うな問題が生じにくく、耐湿信頼性の優れた半導体装置
を得ることができるという効果も得られる。
【0024】本発明で用いる無機充填材粉末としては、
例えば結晶シリカ、非晶質シリカ、アルミナ、窒化ケイ
素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、マグネシア、酸化
チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、
ケイ酸カルシウム等が挙げられ、これらは、単独で用い
ても、2種類以上を併用してもよい。
【0025】なお、無機充填材粉末として非晶質シリカ
を含有する場合、樹脂硬化物の熱膨張率が小さくなり、
半導体素子の熱膨張率に近づくため好ましい。また、無
機充填材粉末として結晶シリカ及びアルミナの少なくと
も1種を含有する場合、樹脂硬化物の熱伝導率が高くな
り、伝熱性が優れ好ましい。なお、無機充填材粉末は、
ウラン含有比率0.5ppb以下の無機充填材粉末を用
いると好ましい。0.5ppbを越えると、半導体素子
等がソフトエラーを起こす場合があり、半導体装置の信
頼性が低下する。
【0026】本発明で用いるエポキシ樹脂としては、分
子中にエポキシ基を2個以上有するものであれば特に限
定するものではなく、例えばオルソクレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、ジシクロペンタ
ジエン骨格を有するエポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ
樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂や、
これらのエポキシ樹脂構造体中の水素原子の一部をハロ
ゲン化することにより難燃化したエポキシ樹脂等が挙げ
られ、これらを単独で用いても、2種類以上を併用して
もよい。
【0027】なお、エポキシ樹脂として、ビフェニル骨
格を有するエポキシ樹脂及びジシクロペンタジエン骨格
を有するエポキシ樹脂からなる群の中から選ばれた少な
くとも1種の化合物を含有すると、吸湿率の低い樹脂硬
化物となり好ましい。なお、ビフェニル骨格を有するエ
ポキシ樹脂とジシクロペンタジエン骨格を有するエポキ
シ樹脂の合計を、全エポキシ樹脂100重量部中に50
重量部以上含有させると、特に吸湿率の低い樹脂硬化物
となる。
【0028】本発明で用いる硬化剤としては、エポキシ
樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定するも
のではなく、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾ
ールノボラック樹脂、モノまたはジヒドロキシナフタレ
ンノボラック樹脂等のナフタレン骨格を有するフェノー
ル樹脂、フェノール類やナフトール類とp−キシレンを
縮合した化合物等のp−キシリレン骨格を有するフェノ
ール樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノールの共重合
体等のフェノール系硬化剤や、アミン系硬化剤や、酸無
水物等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いて
も、2種類以上を併用してもよい。配合量としては、通
常エポキシ樹脂に対して、当量比で0.1〜10、好ま
しくは0.7〜1.3の範囲で配合される。
【0029】なお、硬化剤として、ナフタレン骨格を有
するフェノール樹脂、p−キシリレン骨格を有するフェ
ノール樹脂及びフェノールノボラック樹脂からなる群の
中から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有すると、
吸湿率の低い樹脂硬化物となり好ましい。なお、ナフタ
レン骨格を有するフェノール樹脂とp−キシリレン骨格
を有するフェノール樹脂とフェノールノボラック樹脂の
合計を、全硬化剤100重量部中に50重量部以上含有
させると、特に吸湿率の低い樹脂硬化物となる。
【0030】なお、用いるエポキシ樹脂及び硬化剤は、
エポキシ樹脂及び硬化剤のみを配合して測定する150
℃における粘度が、2ポイズ以下のものを用いると、特
に成形性が優れた封止ができ好ましい。
【0031】本発明の封止樹脂には、必要に応じて、硬
化促進剤、離型剤、着色剤、シランカップリング剤及び
難燃剤等を配合させることもできる。硬化促進剤として
は例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチ
ルアミン等の三級アミン化合物、2−メチルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾー
ル等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン、
トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン化合物、二環
式アミジン化合物等が挙げられる。
【0032】離型剤としては例えば、カルナバワック
ス、ステアリン酸、モンタン酸、カルボキシル基含有ポ
リオレフィン等が挙げられる。着色剤としては例えば、
カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。シラン
カップリング剤としては例えば、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン等のエポキシシランや、N−フ
ェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のア
ミノシラン等が挙げられる。難燃剤としては例えば、三
酸化アンチモン、ハロゲン化合物、リン化合物等が挙げ
られる。これらの硬化促進剤等は2種類以上を併用する
こともできる。
【0033】本発明の封止樹脂は、均一に混合され、混
練されていることが好ましい。混練の方法としては例え
ば、ロール、ニーダー、ミキサー等を用いて加熱して行
われ、その後冷却、粉砕するなどの方法で封止樹脂は製
造される。
【0034】そして、上記で得られた封止樹脂を用いて
トランスファー成形等を行って、半導体素子やリードフ
レーム等を封止すると、成形性が優れた半導体装置が得
られる。なお成形する方法としては上記封止樹脂を用い
ること以外は特に限定するものではなく、一般の方法で
成形が可能である。
【0035】
【実施例】
(実施例1〜7、比較例1、参考例1,2)封止樹脂の
原料として、下記のエポキシ樹脂3種類、硬化剤2種
類、硬化促進剤、無機充填材粉末5種類、シランカップ
リング剤、離型剤、難燃剤及び着色剤を用いた。
【0036】・エポキシ樹脂1:ビフェニル骨格を有す
る2官能エポキシ樹脂[油化シェルエポキシ(株)製、
商品名YX4000H](エポキシ当量195、150
℃における粘度が0.1ポイズ) ・エポキシ樹脂2:ジシクロペンタジエン骨格を有する
3官能エポキシ樹脂[大日本インキ(株)製、商品名H
P7200](エポキシ当量264、150℃における
粘度が0.8ポイズ) ・エポキシ樹脂3:テトラブロモビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量400) ・硬化剤1:アラルキル型フェノール樹脂[三井東圧化
学(株)製、商品名ミレックスXL−225−3L]
(水酸基当量175、150℃における粘度が3ポイ
ズ) ・硬化剤2:ナフタレン骨格を有するフェノール樹脂
[新日鉄化学(株)製、商品名SN180](水酸基当
量210、150℃における粘度が1.6ポイズ) ・硬化促進剤:トリフェニルホスフィン[北興化学
(株)製] ・無機充填剤粉末1:非晶質シリカ[(株)トクヤマ
製](真比重2.2、平均粒径15μm、比表面積0.
8m2/g) ・無機充填剤粉末2:非晶質シリカ[(株)トクヤマ
製](真比重2.2、平均粒径8μm、比表面積1.5
m2/g) ・無機充填剤粉末3:非晶質シリカ[(株)トクヤマ
製](真比重2.2、平均粒径0.3μm、比表面積1
5m2/g) ・無機充填剤粉末4:非晶質シリカ[(株)トクヤマ
製](真比重2.2、平均粒径40μm、比表面積0.
5m2/g) ・無機充填剤粉末5:アルミナ[昭和電工(株)製]
(真比重3.9、平均粒径10μm、比表面積2m2/g) ・シランカップリング剤:エポキシシランカップリング
剤[日本ユニカー(株)製、商品名A−187] ・離型剤:天然カルナバワックス ・難燃剤:三酸化二アンチモン[三菱マテリアル(株)
製] ・着色剤:カーボンブラック[三菱マテリアル(株)
製、商品名750−B]。
【0037】上記の原料のうち、無機充填材粉末のみを
表1及び表2に示す体積比(真比重換算)で配合し混合
した後、下記の測定方法で、全無機充填材粉末中の粒子
径が50μm以上の粉末の体積分率及び粒子径保持加圧
体積分率を求めた。また、上記の原料のうち、エポキシ
樹脂及び硬化剤のみを表1及び表2に示す重量比で配合
し混合した後、150℃における粘度を測定した。その
結果を表1及び表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】全無機充填材粉末中の粒子径が50μm以
上の粉末の体積分率の測定方法は、レーザー散乱粒度分
布計[セイシン企業製、SKレーザーTRO−7000
S]を用いて粒子径を測定し、そのときの重量累積曲線
から50μm以上の割合を求めた。
【0041】粒子径保持加圧体積分率の測定方法は、圧
縮圧力100MPaの単軸加圧により無機充填材粉末を
圧縮成形して円筒状の成形体を形成し、得られた成形体
を解砕して圧縮成形後の無機充填材粉末の平均粒径を測
定した結果、成形前の無機充填材粉末の平均粒径と同じ
であったので、この圧力では圧縮成形による粒子の破壊
が生じておらず、この圧力は圧縮成形前の平均粒子径が
圧縮成形後も保持される圧力であることを確認した。
【0042】次いで上記圧縮圧力での成形体における無
機充填材粉末の粒子径保持加圧体積分率(φ)を、成形
体の直径と厚みから算出される成形体の体積(V)と、
成形体の重量(W)と、無機充填材粉末の真比重(D)
から、下記式(ア)で算出した。なお、無機充填材粉末
の真比重(D)は、混合する前の各無機充填材粉末の真
比重(di)と、配合した各無機充填材粉末の重量
(wi)から、下記式(イ)で算出した値を用いた。
【0043】 φ=W/(D・V)×100 ・・(ア) D=Σwi/Σ(wi/di) ・・(イ)
【0044】次いで、上記の各原料を表1及び表2に示
す重量比で配合し混合した後、加熱ロールを用いて、温
度85℃で5分間混練し、次いで冷却した。その後、粉
砕して封止樹脂を得た。
【0045】(評価)実施例1〜7、比較例1及び参考
例1,2で得られた封止樹脂の、溶融粘度及びゲルタイ
ムを測定した。また、得られた封止樹脂を用いて、評価
用サンプルを下記の方法で作製し、その評価用サンプル
の、成形性、吸湿率、吸湿耐熱性、耐湿信頼性、熱膨張
率及び熱伝導率を下記の方法で測定した。
【0046】溶融粘度は、フローテスター[(株)島津
製作所製、CFT500A]を用いて、175℃、荷重
10kgf、ノズルサイズφ1mm×10mmの条件で
測定して最低溶融粘度を求めた。
【0047】ゲルタイムは、キュラストメーター
[(株)オリエンテック製、V型]を用いて、175℃
の条件でトルクが0.1kgfになるまでの時間を測定
した。
【0048】成形性は、400mil、厚み2.7mm
の28SOP型評価用サンプルと、400mil、厚み
1mmの28TSOP型評価用サンプルを、トランスフ
ァー成形機を用いて、温度175℃、注入時間12秒、
加圧時間90秒、注入圧力70kg/cm2の条件で成
形した後、175℃で6時間、後硬化して作製した。次
いで28SOP型評価用サンプルの内部の気泡残留を、
超音波探査装置[(株)キャノン製、M−700II]
を用いて観察し、直径1mm以上の気泡の数を求めた。
また、28TSOP型評価用サンプルの表面の未充填部
を目視により観測し、直径0.1mm以上の未充填部の
数を求めた。そして、気泡の数と未充填部の数の合計を
成形性の評価結果とした。
【0049】吸湿率は、直径50mm厚み3mmの円盤
型評価用サンプルを、成形性の評価用サンプルと同様に
して成形及び後硬化して作製した後、125℃の温度で
16時間乾燥し、次いで85℃/85%RHの条件で7
2時間処理した後、125℃の温度で16時間乾燥した
直後の重量との差を測定して増加率を計算して求めた。
【0050】吸湿耐熱性は、半導体素子を搭載した42
アロイリードフレームを間に挟んで、400mil、厚
み2.7mmの28SOP型評価用サンプルと、400
mil、厚み1mmの28TSOP型評価用サンプルを
各4つ、成形性の評価用サンプルと同様に成形及び後硬
化して作製した。次いで、28SOP型評価用サンプル
は、85℃/85%RHの条件で168時間処理した
後、また、28TSOP型評価用サンプルは、85℃/
85%RHの条件で72時間処理した後、260℃のハ
ンダに10秒浸漬した。次いで評価用サンプルを半分に
切断し、切断面を研磨した後、顕微鏡で樹脂硬化物と半
導体素子、リードフレーム等との間のクラックの発生及
び樹脂硬化物内部のクラックの発生を観察し、クラック
の発生した評価用サンプル数を求めた。
【0051】耐湿信頼性は、3μmのアルミニウム配線
を形成したテスト素子を封止した26SOP型評価用サ
ンプルを、成形性の評価用サンプルと同様に成形及び後
硬化して各10個作製した。次いで、130℃/85%
RH/30Vの条件で処理して、アルミニウム配線の5
0%断線不良発生時間を求めた。
【0052】熱膨張率は、直径5mm厚み20mmの円
柱型評価用サンプルを、成形性の評価用サンプルと同様
にして成形及び後硬化して作製した後、熱機械分析(T
MA)[理学(株)製、TAS100システム]を用い
て、圧縮荷重1g、昇温速度5℃/分の条件で測定し、
50〜100℃の温度域の熱膨張率を求めた。
【0053】熱伝導率は、50×100×10mmの評
価用サンプルを、成形性の評価用サンプルと同様にして
成形及び後硬化して作製した後、京都電子(株)製、Q
TM−D3を用いて、非定常プローブ法で測定した。
【0054】(結果)結果は表1及び表2に示したよう
に、各実施例は比較例1と比べて、成形性及び耐湿信頼
性が良好であることが確認された。特に無機充填材粉末
の配合比率を高めて封止樹脂の溶融粘度が比較例1と比
べて高くなった実施例2〜6の場合であっても、比較例
1と比べて成形性が良好であることが確認された。
【0055】なお、全無機充填材粉末中の粒子径が50
μm以上の粉末の体積分率が15%以下である実施例1
〜3は、15%を越え且つ同じ硬化剤を用いた実施例
4,5と比べて、特に成形性が良好であることが確認さ
れた。また、エポキシ樹脂及び硬化剤のみを配合して測
定する150℃における粘度が2ポイズ以下のエポキシ
樹脂及び硬化剤を用いた実施例1〜6は実施例7と比べ
て、特に成形性が良好であることが確認された。
【0056】また、無機充填材粉末としてアルミナを含
有する実施例4は、他の実施例と比べて熱伝導率が高い
ことが確認された。
【0057】
【発明の効果】本発明の請求項1から請求項6に係る封
止樹脂(封止材用エポキシ樹脂組成物)は、全無機充填
材粉末中の粒子径が50μm以上の粉末の体積分率が3
0%以下であるため、成形性が優れた封止が可能とな
る。
【0058】本発明の請求項4に係る封止樹脂は、上記
の効果に加え、熱伝導率が高い樹脂硬化物が得られる。
【0059】本発明の請求項7に係る半導体装置は、全
無機充填材粉末中の粒子径が50μm以上の粉末の体積
分率が30%以下である封止樹脂を用いて封止をしてい
るため、成形性が優れた半導体装置となる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材粉
    末を含有する封止材用エポキシ樹脂組成物であって、 圧縮成形前の平均粒子径が圧縮成形後も保持される圧力
    で無機充填材粉末のみを圧縮成形して得られる成形体に
    おける、無機充填材粉末の体積分率が78〜95%であ
    る無機充填材粉末を、封止材用エポキシ樹脂組成物の全
    体積に対して真比重換算で75〜92体積%含有する封
    止材用エポキシ樹脂組成物において、 全無機充填材粉末中の粒子径が50μm以上の粉末の体
    積分率が、30%以下であることを特徴とする封止材用
    エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 全無機充填材粉末中の粒子径が50μm
    以上の粉末の体積分率が、15%以下であることを特徴
    とする請求項1記載の封止材用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 無機充填材粉末として、非晶質シリカを
    含有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    封止材用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 無機充填材粉末として、結晶シリカ及び
    アルミナの少なくとも1種を含有することを特徴とする
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の封止材用エポ
    キシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂及び硬化剤が、エポキシ樹
    脂及び硬化剤のみを配合して測定する150℃における
    粘度が2ポイズ以下のエポキシ樹脂及び硬化剤であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の封止材用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂として下記(a)の化合物
    を含有し、硬化剤として下記(b)の化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記
    載の封止材用エポキシ樹脂組成物。 (a)ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂及びジシク
    ロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂からなる群の
    中から選ばれた少なくとも1種。 (b)ナフタレン骨格を有するフェノール樹脂、p−キ
    シリレン骨格を有するフェノール樹脂及びフェノールノ
    ボラック樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1
    種。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    の封止材用エポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子を
    封止してなる半導体装置。
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