JP2658245B2 - 印字装置の印字状態検査方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この発明は、例えば定期券自動発行機のように、券面
上に所定事項を印字して発券する印字装置に関し、さら
に詳しくは、該印字装置による券面印字が印字位置、印
字濃度、印字品質等の点で満足すべきものかどうかをチ
ェックするための印字状態検査方法に関する。

（ロ）従来の技術 上述例の定期券自動発行機における印字状態検出方法
は、第５図のように券面21に市松模様にテストパターン
を印字したり、第６図のように固定券面をテストパター
ンとして印字して行なっていた。

（ハ）発明が解決しようとする問題点 しかし乍ら、上記従来方法においては、印字状態の検
査項目が限定され、印字装置全体の検査のためには多種
類の券面印字を行なう必要があった。

たとえば第５図の市松模様テストパターンでは印字位
置、印字濃度の良否については検査ができるが、実際に
発券される定期券の印字品質（ドット太さの良否、ドッ
ト切れの有無）までは検査不能であり、また発券方向が
分かりにくい問題がある。

また第６図の固定券面テストパターンでは印字品質に
ついては或る程度検査できるが、細部までは困難である
と共に、その品質判定基準の設定も難しかった。

この発明はかかる問題を解決する印字装置の印字状態
検査方法の提供を目的とする。

（ニ）問題点を解決するための手段 この発明の第１発明は、発行券の券面四隅近傍に印字
濃度チェック用の四角状模様を、隣接する模様同士の外
辺が一直線上位置にくるように揃えて印字し、これら四
角状模様の間に、発券方向に向いた略くの字状斜線模様
を多数平行に印字すると共に、各斜線模様に文字または
記号を付して印字する印字装置の印字状態検査方法を特
徴とする。

この発明の第２発明は、上記第１発明の斜線模様に文
字または記号の太さを段階的に異ならしめて印字する印
字装置の印字状態検査方法を特徴とする。

（ホ）作用 この発明の印字状態検査方法は上記のような検査印字
フォーマットを用いてテストパターンを描くので、 略くの字状斜線模様が発券方向に向いていることから
容易に発券方向を知ることができ、発券方向の発行券の
端から四角状模様までの距離によって印字開始位置を検
査できる。

発券方向に並ぶ四角状模様の間の距離によって印字長
さを検査できる。

隣接する四角状模様同士の外辺が同一直線上にあるか
否かによって、縦横のスキューを検査できる。

ベタ部分である四角状模様によって印字濃度の検査が
できる。

略くの字状斜線模様によってドット切れが検査できる
と共に、この斜線模様および文字または記号の太さを段
階的に異ならしめておくことで、ドット太さの良否を検
査でき、しかもこの検査が段階的に異なる太さの文字ま
たは記号を用いることで相互の良否判定基準とすること
ができる。

（ヘ）発明の効果 従って、この発明によれば、１枚の券面テストパター
ンを用いて印字位置、印字濃度、印字品質等の全てが検
査可能になり、印字状態検査が正確に迅速に行なえる。

（ト）実施例 以下、この発明の一実施例を図面を用いて説明する。

第１図は印字状態検査のための券面テストパターンを
示し、印字装置によって発券される券１に対し、その券
面四隅近傍に計４個の四角状模様A,B,C,Dが印字され、
これら四角状模様A,B,C,Dの間に発券方向（図面左方）
に向いた略くの字状斜線模様Ｅ…が多数平行して印字さ
れると共に、各斜線模様に数字（文字または記号）Ｆ…
が付して印字される。

四角状模様のうち発券方向側の上下のものA,Bはその
縦外辺a1,b1が印字開始位置にあり、他の上下のものC,D
が縦外辺c1,d1が印字終了位置にくるように揃えられ
る。また上下の四角状模様ＡとＢ、ＣとＤはそれぞれの
縦外辺a1とb1、c1とd1が上下方向の一直線上位置にくる
ように揃えられると共に、同様にして左右の四角状模様
ＡとＣ、ＢとＤはそれぞれ横外辺a2とc2、b2とd2が左右
方向の一直線上位置にくるように揃えられる。

略くの字状斜線模様Ｅ…および数字Ｆ…はそれぞれ段
階的に異なる太さで印字される。

第２図は第１図の印字フォーマットで印字するための
制御回路で、この図は１チップCPU2でサーマルヘッドを
制御しており、１チップCPU2はROM3に格納されているプ
ログラムに従って、メインCPU4からDP・RAM5を介し受取
った券面データをサーマルヘッド制御回路６用に編集
し、モータ駆動制御回路７によって券１を搬送しつつ券
面印字を行ない、またRAM8に情報を記録する。

第３図は券面印字の動作フローチャートであって、メ
インCPU4からDP・RAM5に券面データが書き込まれると、
１チップCPU2はそれを読出して第１図の印字フォーマッ
トを作成するためにデータ編集を行なう（ステップn1,n
2,n3）。

そして搬送モータをモータ駆動制御回路で駆動して券
１を搬送しつつサーマルヘッド制御回路６を制御し、第
１図印字フォーマット通りにテストパターンを印字作成
する。この間、搬送エラーや印字エラーがあればそれぞ
れエラー処理する（ステップn4,n5,n6,n7,n8）。

印字が正常に終了すればDP・RAM5を介しメインCPU4へ
送信する（ステップn9,n10,n11）。

第１図のような印字フォーマットでテストパターンが
作成された券１では、略くの字状斜線模様Ｅ…が発券方
向に向いているので、簡単に発券方向を把握できる。

従って、発券方向の端から最初の四角状模様Ａ（また
はＢ）の縦外辺a1（またはb1）までの距離l1を測り、こ
の距離l1をチェックすることで、印字が正しい位置から
開始されているか否かを検査できる（印字開始位置チェ
ック）。

左右の四角状模様、たとえばＡとＣの縦外辺a1とc1の
距離l2を測ってチェックすることで、印字長さが正しい
か否かを検査できる（印字長さチェック）。

上下の四角状模様、たとえばＡとＢの縦外辺a1とb1が
同一直線状にあるか否か、ずれている時はそのずれてい
る量t1の測定によって縦のスキュー検査ができ同様に左
右の四角状模様、たとえばＢとＤの横外辺b2とd2が同一
直線状にあるか否か、ずれている時はそのずれている量
t2の測定によって横のスキュー検査ができる（スキュー
チェック）。

また、四角状模様A,B,C,Dは一定の面積を有するベタ
の部分であるから、濃度の検査ができる（印字濃度チェ
ック）。

略くの字状斜線模様Ｅ…ではその線がとぎれていない
かどうかを段階的に太さの異なる多数の線で検査できる
（ドット切れチェック）。

また、太さの異なる多数の数字Ｆ…によって、ドット
太さの検査が行なえ、この検査に各数字の段階的に異な
る太さを目安（判断基準）とすることで正確を決するこ
とができる（印字品質チェック）。

従って、一枚の券面に作成された印字テストパターン
により印字位置、印字濃度、印字品質などの全ての検査
ができることになる。

この発明の構成と、上述の実施例との対応において、 この発明の発行券は、実施例の券１に対応し、 以下同様にして、 印字濃度チェック用四角状模様は、四角状模様A,B,C,
Dに対応し、 外辺は、縦外辺a1,b1,c1,d1および横外辺a2,b2,c2,d2
に対応し、 略くの字状斜線模様は、略くの字状斜線模様Ｅ…に対
応し、 文字または記号は、数字Ｆ…に対応するも、 この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるも
のではない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、 第１図は券面のテストパターン図、 第２図は検査方法の説明図、 第３図は印字装置の制御回路図、 第４図は印字動作のフローチャート図、 第５図および第６図は従来の券面テストパターン図であ
る。 １……券 A,B,C,D……四角状模様 a1,b1,c1,d1……縦外辺 a2,b2,c2,d2……横外辺 Ｅ……略くの字状斜線模様 Ｆ……数字

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】発行券の券面四隅近傍に印字濃度チェック
   用の四角状模様を、隣接する模様同士の外辺が一直線上
   位置にくるように揃えて印字し、これら四角状模様の間
   に、発券方向に向いた略くの字状斜線模様を多数平行に
   印字すると共に、各斜線模様に文字または記号を付して
   印字する 印字装置の印字状態検査方法。
2. 【請求項２】前記斜線模様および文字または記号の太さ
   を段階的に異ならしめて印字する請求項１に記載の 印字装置の印字状態検査方法。