JP2657946B2 - 遊技機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、遊技結果に基づい
て所定数の賞遊技媒体を排出するとともに、カード状記
憶媒体に有価価値についての有価価値情報が記憶されて
いることを条件に、所定数の貸出遊技媒体の排出が可能
な遊技機にに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】コインや硬貨を投入して、遊技に供する
ための遊技媒体たるパチンコ球を排出する球貸機能部
と、遊技においてパチンコ球が所定の入賞状態になる等
の賞が発生することにより賞球を排出する賞球排出機能
部とを、１台のパチンコ球排出装置を用いて実現するよ
うにしたパチンコ遊技装置が、例えば特開昭５３−５９
５４９号公報によって本願出願人により既に提案されて
いる。斯かるパチンコ遊技機によれば、遊技機からパチ
ンコ球を直接借り受けることができるので、遊技機とは
別途に設けられた球貸機で借り受けたパチンコ球を遊技
機まで運ぶといった煩雑さを解消できる点から、遊技者
にとって利便性の良いものとなる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の上記し
たパチンコ遊技装置においては、賞球の排出と貸球の排
出が重なって行われる場合の制御について詳細な技術手
段が明示されておらず、遊技者にとって望ましくない事
態も想定される点についての配慮が為されていないので
ある。

【０００４】例えば、遊技者は発射したパチンコ球が全
て回収（アウト穴やセーフ穴へ入賞）される前や、弾発
するパチンコ球が全てなくなる前に所有するパチンコ球
が少なくなると、遊技を継続したまま貸球動作を行っ
て、遊技が中断（発射が途切れない）しないようにして
いる場合があり、球貸要求に基づく貸球排出動作中に賞
が発生することも稀ではない。

【０００５】さらに、今日の遊技機は、予め定めた特別
の遊技状態である特別遊技態様の発生により多量の賞球
が得られるような遊技内容を採る遊技機が多く、斯かる
遊技機では特別遊技態様における獲得賞球が多い反面、
通常状態においてはパチンコ球の消費が早いので、１回
の球貸し操作で最小貸出単位（例えば、１００円分）の
自然数倍よりなる所定貸出単位（例えば、３００円分や
５００円分）の球貸要求を行うことが一般的に行われて
いる。このため、貸出要求に基づく貸球排出動作に比較
的長時間を要することとなって、その間に賞球排出の対
象である賞が発生する可能性も高くなる。

【０００６】このように、貸球排出中に賞球排出が割り
込んでくると、この賞球排出処理を如何に行わせるかに
よっては、遊技者に不信感を与えたり、遊技店との間に
無用のトラブルを引き起こしたりする可能性がある。す
なわち、貸球排出と賞球排出とが単一の球排出装置で行
われて同じ球皿に排出されるような遊技機においては、
遊技客が要求した所定量の貸球排出動作が行われたこと
を遊技者に分かり易く認識させたり、賞の発生に基づく
賞球と遊技者が要求した貸球とを明確に区分できるよう
な配慮が必要なのである。

【０００７】そこで、本発明は、貸出遊技媒体排出動作
と賞遊技媒体排出動作とを単一の遊技媒体排出装置を用
いて行った場合であっても、排出されているのが貸出遊
技媒体であるか賞遊技媒体であるのかを容易に区分でき
ると共に、遊技者自らの意志で行った貸出操作に基づく
所定量の貸出遊技媒体が適正に排出されていないかのよ
うな印象を遊技者が持つことを極力防止し、遊技者が安
心して遊技媒体の貸出を受けることができる遊技機の提
供を目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、遊技結果（例えば、打球が入賞口へ入る
等）に基づいて所定数の賞遊技媒体を排出するととも
に、カード状記憶媒体（カード２７）に有価価値につい
ての有価価値情報（例えば、金額又や金額と等価の球数
等）が記憶されていることを条件に、所定数の貸出遊技
媒体の排出が可能な遊技機（例えば、パチンコ機１）に
おいて、所定数の遊技媒体を排出可能な単一の遊技媒体
排出装置（球排出装置５）と、遊技において賞が発生し
た際に上記遊技媒体排出装置から当該賞に対応して所定
数の賞遊技媒体の排出を行わせるとともに、遊技媒体と
の交換が可能な最小単位として予め設定した最小有価価
値（例えば、１００円など）に対して最小単位数（例え
ば、２５個）の貸出遊技媒体を排出するように設定され
て、所定の貸出操作に基づいて最小有価価値の所定倍数
である特定有価価値に相当する貸出要求を受け付け、最
小単位数の貸出遊技媒体の排出を上記遊技媒体排出装置
に上記所定倍数に等しい回数繰り返させることにより、
特定有価価値分の貸出遊技媒体の排出を行わせる遊技媒
体排出制御手段（例えば、球貸用電気的制御装置９や遊
技用電気的制御装置１１等）と、を備え、上記遊技媒体
排出制御手段は、遊技媒体排出装置による特定有価価値
分の貸出遊技媒体排出動作中に、遊技における賞が発生
した際には、特定有価価値分の貸出遊技媒体の排出が完
了するまで賞遊技媒体の排出動作を開始させないように
したものである。

【０００９】従って、遊技者の貸出操作によって遊技媒
体排出制御手段が受け付ける貸出要求は、最小有価価値
の所定倍数である特定有価価値に相当するものとなり、
当該貸出要求に対する貸出遊技媒体排出動作は、最小有
価価値に相当する最小単位数の貸出遊技媒体排出動作を
上記所定倍数（貸出要求操作に基づいて定まる最小有価
価値の倍数）に等しい回数行うことで実現するので、貸
出要求に相当する貸出遊技媒体の排出動作が為されたか
否かは、遊技媒体排出動作の実行回数で概ね判断するこ
とが可能となる。

【００１０】また、貸出要求に基づく特定有価価値分の
貸出遊技媒体の排出動作を遊技媒体排出装置が行ってい
る間に、遊技における賞が発生した場合、遊技媒体排出
装置の制御を行う遊技媒体排出制御手段は、特定有価価
値分の貸出遊技媒体の排出が完了するまで賞遊技媒体の
排出動作を開始させないので、特定有価価値に相当する
一連の貸出遊技媒体排出動作が完了した後に賞遊技媒体
排出動作が実行されることとなり、遊技媒体排出装置の
動作状態が貸出遊技媒体排出に起因するものか、賞遊技
媒体排出に起因するものかを容易に認識することが可能
となる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を添付図
面にもとづいて説明する。

【００１２】図１に示す第１の実施の形態はパチンコ球
を遊技媒体として用いる遊技機に適用した場合であっ
て、従来の球貸機と同様に、パチンコ機１ａとパチンコ
機１ｂとの間にパチンコ機１ａ用の球貸機能部２ａとパ
チンコ機１ｂ用の球貸機能部２ｂを隣り合せにして設
け、球貸機能部２ａと球貸機能部２ｂとの境界部分に誤
操作防止板３を突設してある。そして、パチンコ機１…
を設置するパチンコ機列４には各パチンコ機１に対応さ
せて遊技媒体排出装置としての球排出装置５を設置し、
各球排出装置５から延設した球流下路６を対応するパチ
ンコ機１前面の受皿７に連通する。

【００１３】なお、球流下路６は、パチンコ機列４側の
部分６ａとパチンコ機１側の部分６ｂとに分離可能に構
成されており、パチンコ機１の前面枠８を開放したとき
にパチンコ機側の部分６ｂがパチンコ機列４側の部分６
ａから簡単に離脱し、前面枠８を閉じるとパチンコ機側
部分６ｂの入口がパチンコ機列側部分６ａの出口に確実
に連通するようにしてある。上記した各球貸機能部２の
球貸用電気的制御装置９は、対応する球排出装置５に電
気的に接続するとともに、伝送路１０を介して管理室内
に設置してある中央管理装置（図示せず）に電気的に接
続する。また、各パチンコ機１の遊技用電気的制御装置
１１は、対応する球貸機能部２の裏側に設置してある球
排出装置５と電気的に接続してある。

【００１４】球貸機能部２は、前面に上から球貸出中表
示器１２、カード挿排口１３、金額表示器１４、アラー
ム表示器１５、金額選択操作部１６を設け、内部にはカ
ード読取装置１７と球貸用電気的制御装置９を設け、該
球貸用電気的制御装置９にカード読取装置１７及び上記
した球貸出中表示器１２、金額表示器１４、アラーム表
示器１５、金額選択操作部１６を夫々電気的に接続して
ある。カード読取装置１７は、図４に示すように、搬送
モータ１８の駆動により作動するベルトコンベア等の搬
送手段１９の一端をカード挿排口１３に、搬送手段１９
の他端をカードタンク２０に臨ませ、搬送手段１９の途
中に情報読取部として磁気ヘッド２１を設けるととも
に、パンチ装置２２、第１カード検出器２３、第２カー
ド検出器２４、第３カード検出器２５、第４カード検出
器２６等を配置し、上記搬送モータ１８、磁気ヘッド２
１、第１カード検出器２３、第２カード検出器２４、第
３カード検出器２５、第４カード検出器２６、パンチ装
置２２を球貸用電気的制御装置９に電気的に接続して成
る。

【００１５】カード状記憶媒体としてのカード２７は、
図５に示すように、紙、又は合成樹脂等からなる薄い板
状であり、表面には長手方向のほぼ中央に磁気面等から
なる情報書込部２８を有し、該情報書込部２８の上方に
はカード発行年月日、発行時の金額を、情報書込部２８
の下方にはカードの挿入方向を示す矢印と、減額目盛２
９を夫々表示してある。そして、このカード２７の情報
書込部２８には、カード発行機（図示せず）において発
行される際に、中央管理装置から送られたカード識別情
報、発行年月日、遊技店識別情報等がカード発行機の磁
気作用により書き込まれる。

【００１６】なお、遊技者がカード発行機に投入した貨
幣の金額は、本実施の形態ではカードに書き込んだカー
ド識別情報に対応させて中央管理装置の記憶部内に記憶
されるように構成してある。したがって、遊技者がカー
ド発行機に貨幣を投入し、所望する金額を選択釦等によ
り選択すると、中央管理装置の記憶装置内に当該選択し
た金額がカード識別情報とともに記憶され、カード発行
機からは上記カード識別情報が書き込まれたカード２７
が排出される。

【００１７】遊技者はこのカード２７を取得して自分の
好みのパチンコ機１を選択し、当該パチンコ機１の球貸
機能部２のカード挿排口１３にカード２７を挿入する。
カード挿排口１３にカード２７が挿入されると、第１カ
ード検出器２３がカード２７の先端を検出して信号を球
貸用電気的制御装置９に送る。この信号を受信した球貸
用電気的制御装置９は、搬送モータ１８を作動してカー
ド２７を取り入れる。

【００１８】そして、第２カード検出器２４がカード２
７の先端を検出してカード２７が正常に搬送されている
ことを確認すると、磁気ヘッド２１がカード２７の情報
書込部２８内の情報、即ちカード識別情報、発行年月
日、遊技店識別情報等を読み取り、球貸用電気的制御装
置９に送り、第３カード検出器２５がカード２７の先端
を検出すると搬送モータ１８が停止する。

【００１９】そして、読み取った発行年月日、遊技店識
別情報が不適当な場合は、球貸用電気的制御装置９がア
ラーム表示器１５を点灯して遊技者に注意を促すととも
に、搬送モータ１８を逆転してカード２７を遊技者に戻
す。なおこの場合、搬送モータ１８を正転してカード２
７をカードタンク２０に没収してもよく、この場合第４
カード検出器２６がカード２７の後端を検出すると、搬
送モータ１８が停止する。

【００２０】一方、発行年月日、遊技店識別情報が適正
である場合、球貸用電気的制御装置９は、中央管理装置
からのデータ要求信号が当該パチンコ機１の自局アドレ
スと一致すると、自局アドレスにカード２７のカード識
別情報を付加して中央管理装置に送る。

【００２１】中央管理装置は、当該パチンコ機１からの
信号を受信すると、記憶装置内のカード識別情報を検索
し、一致した場合にはそのカード識別情報に対応した記
憶内容、即ちそのカード２７の残高を読み出して上記球
貸用電気的制御に送る。

【００２２】中央管理装置からそのカード２７の残高を
受信すると、該球貸用電気的制御装置９が金額表示器１
４にその金額を表示する。遊技者が金額表示器１４の表
示を確認し、金額選択操作部１６を操作することにより
所望する金額を選択すると、球貸用電気的制御装置９が
当該球貸機能部の裏側に設置してある球排出装置５を作
動して、遊技者が選択した金額に対応した数量の貸出遊
技媒体としての球を流下する。

【００２３】この様にして球排出装置５から流下した球
は、パチンコ機列側の球流下路６ａからパチンコ機側の
球流下路６ｂを通って該パチンコ機１前面の受皿７に排
出される。

【００２４】なお、図１に示す実施の形態では、金額選
択操作部１６を金額別の押釦で構成し、遊技者が操作し
た押釦の金額に相当する数量の球が排出されるようにし
たが、金額選択操作部１６を１つの押釦で構成し、１回
操作する毎に予め設定された例えば２００円分の球が排
出され、この押釦を繰り返し操作することにより所望の
金額分だけ球を貸し出すようにしてもよい。また、金額
選択操作部１６を別設せずに、カード２７を１回挿入す
る毎に例えば２００円分の球が排出され、この操作を繰
り返すことにより所望する金額分だけ球を貸し出すよう
にしてもよい。

【００２５】この様にして遊技者の所望する金額分の球
がパチンコ機列側の球排出装置５からパチンコ機１前面
の受皿７に排出されると、これに伴って球貸用電気的制
御装置９の演算手段が作動し、排出した球に相当する金
額を減算し、残高を金額表示器１４に表示する。また、
この残高は、中央管理装置に送られ、当該カード２７の
カード識別情報とともに記憶装置内に記憶される。

【００２６】球排出装置５は、図３に示すように、球貸
機能部２の上方に配設した貯留タンク３０に接続した樋
３１の途中に設けられており、図６，７で示すように、
ソレノイド３２の駆動により樋３１内に出没して球の流
下を規制する球ストッパ部３３と、通過する球を一個宛
検出する球通過検出部３４等を備え、上記ソレノイド３
２及び球通過検出部３４を球貸用電気的制御装置９に接
続してある。

【００２７】この球貸用電気的制御装置９からの信号に
よりソレノイド３２が励磁すると、球ストッパ部３３が
樋３１内の球流路から退いて樋３１内の球が流下すると
ともに、球通過検出部３４が通過する球を検出して球貸
用電気的制御装置９に信号を送る。球貸用電気的制御装
置９は、球通過検出部３４からの信号を計数し、所定数
の球が通過したことを検出するとソレノイド３２を消磁
して球の流下を停止する。

【００２８】したがって、遊技者が球貸機能部２の金額
選択操作部１６を操作すると、選択した金額（最小有価
価値の所定倍数である特定有価価値）に対応する数の球
が流下し、これらの球がパチンコ機１前面の受皿７に排
出される。例えば、最小有価価値としての１００円に対
して球排出装置５が１回作動することにより、最小単位
数の貸出遊技媒体として２５個の球を貸し出すと予め設
定した場合、遊技者が２００円分の金額選択操作部１６
を操作すると、球排出装置５が最小単位数の貸出遊技媒
体の排出を２回行い、遊技者が行った所定の貸出操作に
対応する特定数（特定有価価値に相当する数）として５
０個の球を流下し、受皿７に排出する。

【００２９】また、上記した球排出装置５は、遊技中に
打球が入賞口に入る等して入賞態様が形成されると、遊
技用電気的制御装置１１からの信号を受けて作動し、入
賞態様に対応する数、本実施の形態においては例えば１
３個の賞遊技媒体としての球を流下し、受皿７に賞球と
して排出する。なお、賞遊技媒体としての賞球数は１３
個に限定されるものではない。

【００３０】上記のように本発明では、貸球排出と賞球
排出とを遊技媒体排出制御手段として機能する球貸用電
気的制御装置９及び遊技用電気的制御装置１１からの信
号に基づき夫々球排出数を可変して排出可能な単一の球
排出装置５で処理し、パチンコ機１前面の受皿７に直接
排出する。

【００３１】しかも本発明では、図８，９で示すよう
に、球排出装置５が貸球を排出作動中に、遊技における
賞が発生した際には、遊技媒体排出制御手段により最小
単位数の貸出遊技媒体としての球の排出が終了した場合
であっても、遊技者の操作に基づく特定数の貸出遊技媒
体としての球の排出が完了するまで賞遊技媒体としての
球の排出を行わせないように遊技媒体排出制御手段のプ
ログラムを設定してある。

【００３２】すなわち、本発明に係る遊技機によれば、
遊技者の貸出操作による球貸要求として、最小貸出単位
の所定倍数として受け付けると共に、最小貸出単位分の
貸球排出動作を所定倍数に等しい回数行うことで、要求
分の貸球排出を行うようにする（例えば、２００円分の
球貸要求に対して１００円分の貸球排出動作を２回行
う）と、遊技客が要求した所定量に対応する回数の貸球
排出動作が行われたか否かの判断が容易となり、遊技者
に不信感を与えるようなことを極力防止できる。

【００３３】また、特定有価価値分の貸出遊技媒体排出
動作を最小単位数毎に複数回行うものとした場合、貸出
遊技媒体の排出動作中に賞遊技媒体排出の対象となる賞
が発生し、この賞に対する賞球排出動作を速やかに行わ
せるように最小単位数分の遊技媒体排出動作が終了した
時点で割り込ませると、遊技の流れに限って見れば、賞
の発生と当該賞に対する賞遊技媒体排出とを関連付けて
容易に認識できる反面、適正な貸出遊技媒体の排出動作
が行われたか否かを認識し難くなってしまう。

【００３４】すなわち、賞遊技媒体排出の割込が発生す
ると、最小貸出単位分の遊技媒体数（例えば２５個）に
比して少量である賞遊技媒体（例えば、７個や１３個）
が排出されたときに、これも貸出遊技媒体排出動作の一
部であると遊技客が勘違いした場合には、最小貸出単位
である規定量に満たない貸球排出が行われたような錯覚
を起こし、遊技店との間に無用のトラブルを生じさせる
ことにもなりかねないのである。或いは、貸出遊技媒体
排出動作中に既に賞遊技媒体排出動作が完了したことに
気付かなかった遊技客は、貸出遊技媒体排出動作完了後
に賞遊技媒体排出動作が行われないことを不審に思い、
遊技店とのトラブルに至るような事態も想定できるので
ある。

【００３５】従って、本発明の如く、貸出要求に基づく
特定有価価値分の貸出遊技媒体の排出動作を遊技媒体排
出装置が行っている間に遊技における賞が発生しても、
特定有価価値分の貸出遊技媒体の排出が完了するまで遊
技媒体排出制御手段が賞遊技媒体の排出動作を開始させ
ないものとすれば、特定有価価値に相当する一連の貸出
遊技媒体排出動作が完了した後に賞遊技媒体排出動作が
実行されることとなり、遊技媒体排出装置の動作状態が
貸出遊技媒体排出に起因するものか、賞遊技媒体排出に
起因するものかを容易に認識することができ、遊技店と
遊技客との間にトラブルが生ずることを防ぐためには効
果的なのである。

【００３６】また、カード挿排口１３に挿入したカード
２７の残額が零になった場合、パンチ装置２２によりカ
ード２７の情報書込部２８にパンチ穴を明け、情報書込
部２８の解読を不能にして不正行為の防止を図ることが
望ましい。

【００３７】また、上記した球排出装置５から延出した
球流下路６のパチンコ機列側部分６ａに、図１０で示す
ようにソレノイドの駆動により作動する切換ゲート３５
を設け、閉店後に該切換ゲート３５により流路を球抜樋
３６に切換可能に構成すると、球抜作業を容易に行うこ
とができる。

【００３８】図１１に示す第２の実施の形態は、球貸機
能部２を係員呼出ランプと一体化し、各パチンコ機１上
方の幕板３７に配設したものであり、図１２に示すよう
に、ケース３８の上端部に台番号表示部３９を設け、ケ
ース３８の前面左側に呼出ランプ４０とアラーム表示器
１５を、右側にカード挿排口１３と金額選択操作部１６
を、そして中央に呼出スイッチ４１と金額表示器１４を
夫々配設し、ケース３８の内部にカード読取装置１７を
設けて成る。

【００３９】なお、この実施の形態では、各パチンコ機
１後方のパチンコ機列４の内部に遊技媒体排出装置とし
ての球排出装置５が設置されている。したがって、遊技
者がカード挿排口１３にカード状記憶媒体としてのカー
ド２７を挿入すると、金額表示器１４に当該カード２７
の残高が表示され、この金額の範囲内で金額選択操作部
１６を操作すると、パチンコ機列側に設置してある球排
出装置５が作動して、選択した金額に対応する数の貸出
遊技媒体としての球がパチンコ機１の受皿７に排出され
る。そして、遊技中に係員を呼び出す場合には、呼出ス
イッチ４１を操作すると、呼出ランプ４０が点灯する。

【００４０】この様に、球貸機能部２を呼出ランプ４０
と一体化するなどしてパチンコ機１の上方に配置する
と、遊技者が誤って隣りのパチンコ機１の球貸機能部２
を操作することを確実に防止することができる。また、
遊技者が腕を上方に伸ばして球貸操作することとなり、
この操作が係員から良く見えるので、不正行為が行われ
た場合には容易に発見することができる。

【００４１】図１３に示す第３の実施の形態は、パチン
コ機１の前面枠８の表面左側に球貸機能部２を配設した
ものであり、遊技媒体排出装置としての球排出装置５
は、各パチンコ機１後方のパチンコ機列４の内部に設置
されている。この様に、球貸機能部２をパチンコ機１自
体に設けると、パチンコ機１とパチンコ機１との間隔を
従来よりも縮小することができるので、パチンコ店のス
ペースを有効に利用することができる。さらに、球貸機
能部２は、遊技者が遊技途中であっても操作が可能な位
置（例えば、受皿７等）に設けることが望ましい。

【００４２】なお、上記した実施の形態では、カード２
７に金額情報（有価価値）を記憶させないで中央管理装
置にカード識別情報とともに記憶させ、カード２７に記
憶させた各種情報よりなる有価価値情報を媒介として中
央管理装置から有価価値を読み出すように構成すること
で、カード２７には間接的に有価価値を記憶させるもの
として、不正行為の発生の防止を図ったが、本発明は、
これに限定されるものではなく、カード２７の情報書込
部２８に、発行時に投入された金額、又は投入された金
額と等価値の球数とを書き込み記憶するようにしてもよ
く、この場合には、中央管理装置に対しては排出した球
数、又は排出した球数に対応する金額の情報を送るよう
にする。

【００４３】また、本発明における金額選択操作部１６
は、図１４で示すように、左右の遊技者が共用するよう
に構成してもよい。

【００４４】また、上記した実施の形態は、１つの貯留
タンク２８の底部に２本の樋３１，３１の各上端入口を
接続し、これら樋３１，３１毎に球排出装置５，５を設
けたが、球排出装置５毎に貯留タンク２８を別個独立さ
せて設けてもよい。この様に貯留タンク２８を個別に設
けると、パチンコ機列４の上方に配設した球補給樋４２
から補給する球をパチンコ機毎に管理することができ、
打止め管理等の管理業務が容易となる。

【００４５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、遊
技媒体排出制御手段が機能することにより、最小有価価
値の所定倍数である特定有価価値に相当するものとして
貸出要求を受け付け、この貸出要求に対する貸出遊技媒
体の排出動作制御は、最小有価価値に相当する最小単位
数の貸出遊技媒体排出動作を所定倍数に等しい回数だけ
繰り返して行うことで実現すると共に、貸出遊技媒体を
排出する最小単位数の排出の区切りにおいても賞遊技媒
体の排出を行わせないので、貸出要求に相当する貸出遊
技媒体の排出動作が為されたか否かは、遊技媒体排出動
作の実行回数で概ね判断することが可能となり、所定の
貸出操作に基づいて遊技者が選択した特定有価価値に相
当する貸出遊技媒体が排出されたか否かについて遊技者
に不信感を与えることを極力防止できる。

【００４６】しかも、貸出要求に基づく特定有価価値分
の貸出遊技媒体の排出動作を遊技媒体排出装置が行って
いる間に、遊技における賞が発生した場合、遊技媒体排
出装置の制御を行う遊技媒体排出制御手段は、特定有価
価値分の貸出遊技媒体の排出が完了するまで賞遊技媒体
の排出動作を開始させないので、特定有価価値に相当す
る一連の貸出遊技媒体排出動作が完了した後に賞遊技媒
体排出動作が実行されることとなり、遊技媒体排出装置
の動作状態が貸出遊技媒体排出に起因するものか、賞遊
技媒体排出に起因するものかを容易に認識することがで
き、遊技店との間に無用のトラブルを生じさせることを
効果的に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パチンコ機間に球貸機能部を設置した第１の実
施の形態の正面図である。

【図２】パチンコ機列の一部欠截正面図である。

【図３】パチンコ機及び球排出装置の裏側からの斜視図
である。

【図４】カード読取装置の構成を示す側面図である。

【図５】カードの平面図である。

【図６】球排出装置の斜視図である。

【図７】球排出装置の断面図である。

【図８】メイン処理のフローチャートである。

【図９】割込処理のフローチャートである。

【図１０】切換ゲートを設けた球流下路の断面図であ
る。

【図１１】球貸機能部を各パチンコ機の上方に呼出ラン
プと一体的に設けた第２の実施の形態の正面図である。

【図１２】図１１に示す球貸機能部の斜視図である。

【図１３】球貸機能部をパチンコ機の前面枠の左側表面
に設けた第３の実施の形態の正面図である。

【図１４】金額選択操作部を左右の遊技者が共用するよ
うにした球貸機能部の他の例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ パチンコ機 ５ 球排出装置 ９ 球貸用電気的制御装置 １１ 遊技用電気的制御装置 ２７ カード

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遊技結果に基づいて所定数の賞遊技媒体
   を排出するとともに、カード状記憶媒体に有価価値につ
   いての有価価値情報が記憶されていることを条件に、所
   定数の貸出遊技媒体の排出が可能な遊技機において、 所定数の遊技媒体を排出可能な単一の遊技媒体排出装置
   と、 遊技において賞が発生した際に上記遊技媒体排出装置か
   ら当該賞に対応して所定数の賞遊技媒体の排出を行わせ
   るとともに、遊技媒体との交換が可能な最小単位として
   予め設定した最小有価価値に対して最小単位数の貸出遊
   技媒体を排出するように設定されて、所定の貸出操作に
   基づいて最小有価価値の所定倍数である特定有価価値に
   相当する貸出要求を受け付け、最小単位数の貸出遊技媒
   体の排出を上記遊技媒体排出装置に上記所定倍数に等し
   い回数繰り返させることにより、特定有価価値分の貸出
   遊技媒体の排出を行わせる遊技媒体排出制御手段と、を
   備え、 上記遊技媒体排出制御手段は、遊技媒体排出装置による
   特定有価価値分の貸出遊技媒体排出動作中に、遊技にお
   ける賞が発生した際には、特定有価価値分の貸出遊技媒
   体の排出が完了するまで賞遊技媒体の排出動作を開始さ
   せないようにしたことを特徴とする遊技機。