JP2657350B2 - 脱水式流し台用排水トラップ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は流し台に取付ける強制脱
水式の排水用トラップに関するものであり、特に脱水カ
ゴから遠心脱水された水が、脱水カゴを回転させるモー
ターハウジングの取付け部位を経由しないで外部に排出
できるよう構成した極めて電気的安全性に優れた脱水式
流し台用排水トラップに関するものである。

【０００２】

【従来技術】流し台に取り付ける排水用のトラップは、
流し台シンクに取付けた円筒状の排水筐体内に脱水カゴ
を着脱自在に収容し、流し台上で発生した調理屑（生ゴ
ミ）を水と共に脱水カゴ内に収容したのち水分だけを脱
水カゴから除去するよう構成したものが一般的である。

【０００３】しかしながら、上記の排水トラップは脱水
カゴに収容された調理屑（生ゴミ）に含まれる水分が強
制的に脱水されず、表面的に付着した水分だけが脱水さ
れる構造であるため、調理屑に含有される多くの水分は
殆ど脱水されないまま廃棄されている。

【０００４】このため公共の焼却場で調理屑を焼却廃棄
する際に多くの熱エネルギーを必要として焼却コストが
高騰する欠点がある他、焼却設備が長時間、高熱に曝さ
れるため短期間のうちに焼却設備が消耗してしまう欠点
があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような欠点を解決
するものとして、排水筐体内に電動機を取付け、脱水カ
ゴを上記電動機で回転させ脱水カゴに収容された調理屑
の水分を強制的に遠心脱水するよう構成したものが提案
されたが、提案された遠心脱水機構は、モーター或いは
モーターを収容したモーターハウジングが脱水カゴの下
面に直接的に取付けられ、しかも脱水された水分がモー
ターハウジングの周囲を経由しながら外部に排水される
構造であるため、調理屑から脱水された水分がモーター
或いはモーターハウジングを濡らして、漏電事故を惹起
する危険が指摘されていた。

【０００６】また上記構造では、モーター或いはモータ
ーハウジング等の回転駆動機構が脱水された水分が流れ
る排水筐体内に取付けられているため、メンテナンス時
のモーター等の回転駆動機構の取り外し作業が煩雑にな
るという欠点があった。

【０００７】更にまた上記構造では、モータを回転作動
させるためのスイッチが流し台の周囲等に別に設けら
れ、脱水操作を行う際にこのスイッチを水に濡れた手で
操作する必要があったため、濡れ手でスイッチ操作を行
うことが原因となる感電事故等の危険も指摘されてい
る。

【０００８】

【発明の目的】本発明は上記の事情に鑑みこれに対応し
ようとするものであり、排水筒体とモーターハウジング
及び防臭排水部とを分離した構造とするとともに、排水
筒体から排出される水は、直接に防臭排水部に流出さ
れ、モーターハウジング部は完全に防水性能を付与され
た脱水式流し台用排水トラップを提供することを目的と
している。

【０００９】また本発明の他の目的は、排水筒体とモー
ターハウジング及び防臭排水部とが分離できる構造とす
ることにより、排水用トラップ機構全体の組立て及び分
解が簡単に行え、極めてメンテナンス性に優れた脱水式
流し台用排水トラップを提供しようとするものである。

【００１０】

【発明の要点】本発明は、上端部を開口した円筒体から
なり、内側に脱水カゴを回転自在に収容した排水筒体の
底板下面に、内部にモーターを取付け、上端部に突出さ
せた回転軸を排水筒体の底板上面に突出させたモーター
ハウジングを着脱自在に取付け前記回転軸の突出先端部
に取付けたカプラーを、脱水カゴの下端部に取付けたカ
プラーに着脱自在に嵌合させ、排水筒体の下端側面に形
成した排水口を防臭排水部の排水流入口に接続させてな
り、上部排水筒体のフランジ部近くに、ホール素子から
なるモーター駆動用スイッチを取付け、排水筒体の開口
部を閉止する閉止蓋の一部に前記モーター駆動用スイッ
チを駆動させるマグネットを取付けてなる脱水式流し台
用排水トラップの構造を発明の要点としている。

【００１１】

【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
るが、図１及び図２は本発明の第１の実施例を示し、図
６は本発明の第２の実施例を示している。

【００１２】本発明の流し台用排水用トラップは、上端
を開口した円筒状の筐体からなり、内部に脱水カゴ２を
回転自在に収容するとともに、筐体の下端部側面に排水
口11を形成した排水筒体１と、この排水筒体１の下端部
に着脱自在に接続するとともに、内部にモーター３を収
容し、上端部には排水筒体の下端部に達する長さを持つ
回転軸31を突出したモーターハウジング４、及び上端部
を排水筒体１の下端側面の排水口11に接続した防臭排水
部５とによって構成している。

【００１３】排水筒体１は、上端を開口した円筒状の筐
体として形成しており、上端外周のフランジ部12を、締
め付けリング13を介して流し台シンク６に穿設した嵌合
孔に取付けている。

【００１４】なお、排水筒体１のフランジ部12に形成さ
れる締め付けリング13、排水筒体１の開口部に嵌装する
ゴム蓋14（中央部に向かって放射状の切り込みを多数形
成したもの）、ゴム蓋14の上方に着脱自在に嵌着し、シ
ンク６内の水が排水筒体１に流入するのを防止する閉止
蓋７（貯水蓋）の構造は、排水用トラップの開口部に形
成される機構として公知であるのでこれに関する詳細な
説明は省略する。

【００１５】15はホール素子を用いて形成したモーター
駆動用のスイッチであり、排水筒体１の上端フランジ部
12近くに埋設している。

【００１６】ホール素子からなるモーター駆動用スイッ
チ15は、閉止蓋７の周縁部に取付けたマグネット71の磁
力によりホール素子内に形成したセンサー16を駆動して
スイッチング作動を行わせるものである。

【００１７】モーター駆動用のスイッチ15を駆動させる
場合は、駆動用スイッチ15を埋設した位置の上方部位に
表示したスイッチ表示17と、マグネット71を取付けた閉
止蓋７の上方部位に表示したスイッチ表示72とを合致さ
せれば自動的にスイッチの入力が行われる。（図３参
照）

【００１８】モーター駆動用スイッチ15を構成するホー
ル素子から引出された電線（図示しない）は、排水筒体
１の周胴部に形成した案内溝（図示しない）を通じて排
水筒体１の下端部から外部に引き出されたのち、モータ
ーハウジング４内に案内される。

【００１９】モーターハウジング４と排水筒体１とは、
排水筒体１の底板下面に突出形成した短い嵌合胴部18
を、モーターハウジング４の上端開口部に水密的に嵌合
させたのち止めネジ19…19により緊締することで着脱自
在に接続している。（図１・図６参照）

【００２０】モーターハウジング４の内部には、モータ
ー３、トランス32、電源回路の制御機構33等が収容され
ている。

【００２１】モーター３の回転力は減速機構34を介して
回転軸31に伝えられる。

【００２２】回転軸31の先端は、排水筒体１の底板を貫
通して排水筒体１の内部に突出しており、その突出先端
部には脱水カゴ２の下面に取付けたカプラー21に着脱自
在に嵌合するカプラー35を取付けている。

【００２３】上記のカプラー21及び35は、排水筒体１内
に脱水カゴ２を収容すれば脱水カゴ２の下面に取付けた
カプラー21が、回転軸31の先端に形成したカプラー35に
自動的に嵌合し、かつ、回転軸31の回転を正確に伝えら
れるよう構成している。（図４参照）

【００２４】防臭排水部５は、外径の異なる内外二つの
トラップ筒体を組み合わせ、内外二つのトラップ筒体の
間を水が通過しながら排出されるサイホンの原理を応用
した公知の防臭排水機構として構成している。

【００２５】なお、防臭排水部５の取付け手段は、図１
に示す第１の実施例のように、モーターハウジング４の
下端部に防臭排水部５を着脱自在に取付けたのち、排水
筒体１の下端側面に形成した排水口11と、防臭排水部５
の上端側面に形成した排水流入部51とをパイプ８で接続
するよう構成する場合の他、図６に示す第２の実施例の
ように排水筒体１の下端側面に形成した排水口11に防臭
排水部５の排水流入部51を直接的に接続させ、防臭排水
部５を排水筒体１の側面に取付けるよう構成することも
できる。

【００２６】

【発明の効果】上記のように構成した本発明の効果は以
下のとおりである。

【００２７】（１） 脱水カゴ２内の調理屑（生ごみ）
の脱水をしたい時は、排水筒体１の上部開口部に閉止蓋
７を嵌合し、閉止蓋７に取付けたマグネット71と排水筒
体１の開口周縁部に埋設したモーター駆動用スイッチ15
とを対向させるだけでマグネット71の磁力にホール素子
のセンサー16が反応し、瞬時にモーター３を駆動させて
脱水カゴ２を回転させ、遠心脱水を正確に行うことがで
きる。

【００２８】（2 ） 排水筒体１と防臭排水部５とが直
接的に接続され、脱水カゴ２を回転させるモーターハウ
ジング４は、排水筒体１から脱水排出される水の流路と
関係のない位置に取付けているので、モーターハウジン
グ４内に水分が侵入する虞れが絶無となり、水の侵入が
原因となる漏電、感電の虞れ等がなく安心して使用でき
る。

【００２９】（３） モーター駆動用スイッチ15は排水
筒体１内に埋設した構成とし、このスイッチ15の埋設部
に、閉止蓋７に設けたマグネット71の取付け位置を合わ
せるだけでスイッチ駆動されるよう構成したので、通常
のスイッチ機構のように外部に露出した駆動用スイッチ
15部分を水に濡れた手で触れることによる感電事故が絶
無である。

【００３０】（４） 排水筒体１とモーター３を内装し
たモーターハウジング４及び防臭排水部５を分離できる
よう構成したので、排水トラップ各部のメンテナンスや
モーター機構のメンテナンスが極めて簡単かつ安全に行
える。

【００３１】また万一モーター３に故障が発生した場合
は、モーターハウジング４をアッセンブリーで交換する
ことが可能であり、修理作業が簡単に行える利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１の実施例を示す排水トラップの縦断面図

【図２】 同上図の分解正面図

【図３】 駆動用スイッチと閉止蓋に設けたマグネット
との関係を示す要部の拡大断面図

【図４】 モーター駆動用スイッチの正面図

【図５】 閉止蓋の使用方法を示す平面図

【図６】 第２の実施例を示す排水トラップの縦断側面
図

【符号の説明】

１ 排水筒体 11 排水口 12 フランジ部 13 締め付けリング 14 ゴム蓋 15 モーター駆動用スイッチ 16 センサー 17 スイッチ表示 18 嵌合胴部 19 止めネジ ２ 脱水カゴ 21 カプラー ３ モーター 31 回転軸 34 減速機構 ４ モーターハウジング ５ 防臭排水部 51 排水流入部 ６ シンク ７ 閉止蓋 71 マグネット 72 スイッチ表示

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上端部を開口した円筒体からなり、内側に
   脱水カゴを回転自在に収容した排水筒体の底板下面に、
   内部にモーターを取付け、上端部に突出させた回転軸を
   排水筒体の底板上面に突出させたモーターハウジングを
   着脱自在に取付け、前記回転軸の突出先端部に取付けた
   カプラーを、脱水カゴの下端部に取付けたカプラーに着
   脱自在に嵌合させ、排水筒体の下端側面に形成した排水
   口を防臭排水部の排水流入部に接続させてなり、上部排
   水筒体のフランジ部近くに、ホール素子からなるモータ
   ー駆動用スイッチを取付け、排水筒体の開口部を閉止す
   る閉止蓋の一部に前記モーター駆動用スイッチを駆動さ
   せるマグネットを取付けてなる脱水式流し台用排水トラ
   ップ。