JP2656970B2 - イムノアッセイのための方法及びキット - Google Patents

イムノアッセイのための方法及びキット

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、リガンド及びリガンド受容体のごとき免疫
反応性分析対象の決定及び/又は検出のための方法に関
する。さらに詳しくは、本発明は生理的状態を示す療法
剤、毒性物質、乱用又は誤用の薬物並びにホルモン等の
ごとき分析対象の閾値レベルでの存在を決定及び/又は
検出するために価値がある方法に関する。この後者に関
し、1つの特定の観点において、本発明はヒト尿試料中
の黄体形成ホルホン(LH)並びにプロゲスチン及びエス
トロゲン誘導体のごときホルモンの閾値レベルでの存在
を検出するための方法に関する。本発明はまた、この様
な測定法の実施において使用するための材料のキットに
関する。
〔従来の技術〕
高度の感度及び特異性をもって物質を測定することが
長い間必要とされている。特に、臨床医学、法医学、環
境試験、食品々質保証、薬物試験及び他の関連分野にお
いて、試験試料中の痕跡物質の存在及び/又は量がしば
しば非常に重要である。この様な分野においては、ppm
未満のオーダーの非常に低濃度の測定がしばしば必要で
ある。さらに、このような試験及び測定は一般に、類似
するがしかし異る構造を有する他の分子を感知すること
なく特定の分子を同定することが必要である。
感受性で且つ特異的な試験の必要性は過去において、
抗原と該抗原に対する抗体との間に高度に特異的で且つ
鋭敏な相互作用に基く多数のイムノアッセイ法の開発に
より取り組まれた。抗原及び抗体は最初動物の免疫過程
に関与するものとして認識された。すなわち、抗原であ
る外来物質が動物に注射された場合、該動物はやがて、
侵入する抗原を認識しそしてそれと密接に結合し、これ
によって抗原の除去又は破壊を促進する蛋白質分子であ
る抗体を生産することにより応答する。免疫過程は高度
に特異的であり、そして特定の物質の同定のためのイム
ノアッセイ法の使用は大きな成功を収めている。これら
の方法は、いわゆるモノクローナル抗体の調製に関する
Nature256:495−497,1975に報告されたMilstein及びKoh
lerの重要な発見によりさらに促進された。この研究の
詳細はよく知られており、同じことをここで繰り返す必
要はないが、しかしながらMilstein及びKohlerの研究の
結果として、高度に鋭敏で特異的な試薬の開発が特に促
進された。
既知のアッセイ法にはラジオイムノアッセイ(RIA)
法、酵素イムノアッセイ(EIA)、エンザイム・リンク
ド・イムノソルバント・アッセイ(ELISA)、蛍光アッ
セイ、ケモルミネッセンスアッセイ、及び金のゾル粒子
のごとき金属粒子が標識として使用されるアッセイが含
まれる。これらの従来の方法は、1987年10月7日出願の
本出願人の係属中の米国特許出願No.105,285に記載され
ており、この記載内容を引用によりこの明細書に組み入
れる。
既知のアッセイ法の幾つかは競争的免疫反応に基いて
機能する。競争的イムノアッセイの実施においては、
(1)第一免疫反応性物質(未知試料中に含まれる)、
(2)該第一免疫反応性物質に特異的に反応する第二免
疫反応性物質、及び(3)該第一免疫反応性物質の免疫
反応特性と免疫特異的に同一な免疫反応特性を有する第
三免疫反応性物質の一定量を混合する。第三物質は検出
可能な標識を担持する。免疫反応の間に、第一物質及び
第三物質が第二物質上の結合部位に関して相互に競争す
る。免疫反応の所定の時間の後、第二物質を分離し、そ
してそれに結合した第三物質の量を決定する。第一物質
が最初に低濃度で存在する場合、第三物質の量、そして
それ故に該第三物質を介して第二物質に結合する検出可
能な標識の量が上昇するであろう。他方、第一物質の量
が上昇すれは、第三物質を介して第二物質に結合する検
出可能な標識の量が低下するであろう。従って、すべて
のレベルにおいて、第二物質に結合する検出可能な標識
の量は試料中の第一免疫反応性物質の量に逆比例するで
あろう。中間レベルにおいて、第二物質に結合する検出
可能な標識の量は試料中の第一免疫反応性物質のレベル
に単調逆比例するであろう。
競争的イムノアッセイは臨床的実験室において広く普
及した用途を有し、多数の臨床的分析対象の正確な測定
をもたらす。しかしながら、複雑な臨床実験室装置のほ
かにあまり好ましくない特徴が競争アッセイ方式には存
在する。第一に、前に検討したごとく、生ずるシグナル
は検出されるべき物質の量に逆比例する。しかし理想的
な場合においては、分析対象の上昇したレベルはシグナ
ルの上昇したレベルを生成すべきである。すなわち、非
装置的な、例えば視覚的な試験において、生成するシグ
ナルの量は検出される分析対象の量に直接的に比例する
であろう。第二に、前記の競争的免疫測定方式において
は、検出可能なシグナルの量は試料中の分析対象の量の
単純に低下する関数として変化する。従って、相互に非
常に接近している分析対象レベルについて、シグナル強
度のわずかなシフトのみが生ずる。この様なわずかなシ
フトは、近代的な装置を使用すれば容易に検出可能であ
るが、直接視覚試験目的のためのヒトの目による確実な
検出のためには微細過ぎる。
毒性の及び/又は環境的に不都合な物質に関する場
合、非−災害閾値レベルを基準として選択した後、閾値
よりわずかに低いレベルにおいて完全に負の結果をもた
らし、そしてそのレベルが選択された閾値レベルを超え
る場合に明瞭な陽性指示を提供する試験を用いるのが有
利である。
さらに特定の意味において、月経サイクルの間のヒト
の妊娠可能期間、すなわち生存卵子及び生存精子の両者
が女性の生殖管中に存在する期間を決定するための簡単
でしかも確実な方法の必要性が長い間存在した。種々の
理由により避妊具及び避妊薬は使用のために入手でき
ず、そしてそれ故に月経サイクルの妊娠可能期間を確か
める技法が望ましいものとなった。明らかに、月経サイ
クルの妊娠可能期間を確かめる技法は妊娠を意図的に回
避するためにも、妊娠が望ましい場合に受胎を促進する
ためにも価値がある。
月経サイクルは女性の腺又は器官からのホルモンの放
出により支配される。このような放出は予測可能であり
そして排卵と特異的に関連しており、これにより卵巣か
ら卵子が放出されそして子宮壁が妊娠のために用意さ
れ、そしてホルモン及び/又はその代謝物が尿に出現す
る。特異的な生物学的現象は、ヨーロッパ特許庁公報83
/33に、1983年8月17日に公表されたヨーロッパ特許公
開No.0086095に詳細且つ明確に記載されている。そし
て、正常な月経サイクルの間、女性の尿中のエストロン
−3−グルクロニド(E13G)のレベルは排卵の約6日前
に上昇を始め、そして排卵の約1日前にそのピークに達
し、そして排卵中及び排卵後に急速に下降することは確
実である。プレグナンジオール−3−グルクロニド(P3
G)は排卵の日に上昇を始め、そして排卵の2〜3日後
にピークに達し、そして黄体期にわたり上昇したままで
ある。同様に、P3GレベルとE13Gレベルとの間の関係が
よく知られており、そして前記のヨーロッパ特許公開N
o.0086095から、尿中のエストロゲン対プロゲスチン代
謝物の比は月経サイクルの進行をモニターするために有
用であることが見出されている。
ホルモンの活性を測定することにより月経サイクルを
追跡する上で特に重要なことは、およそ排卵中、尿中の
P3Gのレベルが4μg/mlより高いレベルに揺らぐことで
ある。従って、尿中のP3Gのこのような閾値量以上の存
在を決定及び/又は検出することができる簡単で且つ確
実な測定法が、排卵が起ったか否かを決定する上で非常
に価値があるであろう。
〔発明の概要〕
本発明の陽性段階(positive step)イムノアッセイ
法は従来技術の競争的イムノアッセイに内在する欠点の
それぞれに対応している。第一に、反応が陽性であるか
ら、上昇した分析対象レベルの存在下で上昇したシグナ
ルが現われる。さらに、本発明のイムノアッセイの陽性
段階関数に従えば、分析対象の濃度の関係としてシグナ
ルの単調な減少(又は増加)が観察されるのではなく、
むしろ、シグナルのレベルは予め選択された閾値におい
て非常にシャープに突然に上昇する。すなわち、選択さ
れた閾値よりわずかに低い分析対象レベルが、低いか又
はほとんど検出できないシグナルレベルをもたらし、他
方閾値よりわずかに高い分析対象レベルは、使用される
特定の標識をもって到達できるシグナルの最高レベルを
もたらす。
本発明は、一般にイムノアッセイに関して有用な方法
及び材料のキットを提供する。特に、本発明は免疫反応
性物質の閾値レベルでの存在下でシグナルを生成する陽
性段階測定法を提供する。常用の測定法はその方式に依
存して、標識された免疫反応性物質と非標識免疫反応性
物質との間の競争に基き、本発明の陽性段階測定法はシ
グナルを逆転せしめ、この結果使用者は試料中の免疫反
応性物質の存在を容易に確かめることができる。従っ
て、本発明の使用により、尿中のP3G,E13G及びLHのごと
きホルモン類のレベルの動揺の検出が容易になる。
本発明の陽性段階イムノアッセイ方式は妊娠試験以外
の分野において重要な用途を有する。これに関して、試
料中に存在する物質の実際のレベルの決定が、ある閾値
レベルより高又は下の量で物質が存在するか否かよりも
重要でない種々の状況が存在する。明らかな1つの例は
制御された又は乱用もしくは誤用された薬物についての
法医学試験の分野にある。例えば、0.1%より高いアル
コールレベルは中毒の証拠であると考えられるから、血
液中のアルコールレベルの試験において0.1%の閾値は
重要である。同様に、マリワナ又はTHCについては、10n
g/ml、又は他の場合には100ng/mlの尿レベルが物質の乱
用又は誤用の証拠であると考えられる。明らかに、本発
明の陽性段階イムノアッセイ方式は閾値より低い分析対
象レベルにおいては発色せず、そして閾値より高い分析
対象レベルにおいて発色が達成され、このような意味に
おいて利用可能である。
本発明の陽性段階イムノアッセイはまた、療法剤モニ
ターの分野においても有用である。療法的ウインドウ
(therapeutic window)により特徴付けられる多数の非
常に有用な療法剤、例えば少数挙げれば、セオフィリン
(theophylline)(抗喘息剤)、ジゴキシン(digoxin
(心臓調整剤)、及びアミノグリコシド抗生物質が存在
する。療法的ウインドウは、特定の薬物の療法的に有効
であるための最低レベルから不所望の又は毒性の反応が
生ずるレベルまでの濃度範囲である。明らかに、最低療
法閾値を検出するように調整された1つの測定及び毒性
閾値を検出するように調整された他の測定から成る二重
陽性段階イムノアッセイが非常に価値があろう。
本発明に従えば、液体試料中の第一免疫反応性物質の
予め特定された(すなわち、閾値)量以上の最初の存在
を決定するためのイムノアッセイ法が提供される。この
方法は、まず、最初未知量の第一免疫反応性物質を、
(1)該第一物質に対して特異的に免疫反応性である第
二免疫反応性物質の既知量、及び(2)該第一免疫反応
性物質の免疫反応特性と免疫反応特異的に同一な免疫反
応特性を有する第三免疫反応性物質の一定量と混合する
ことにより免疫化学的反応相を確立する段階を含んで成
る。この発明に従えば、前記第二物質の前記既知量は、
第一物質の前記予め特定された閾値量と第三免疫反応性
物質の前記の量との合計と免疫化学的に当量(すなわ
ち、免疫特異的に結合するのにちょうど十分)であるべ
きである。従って、液体試料溶液中の第一免疫反応性物
質の量がその予め特定された閾値量を超える場合、未反
応の第三物質が前記反応相における更なる免疫特異的反
応のために利用可能であろう。次に、こうして確立され
た反応相を、前記第二物質の免疫反応特性と免疫特異的
に同一な免疫反応特性を有する第四免疫反応性物質の一
定量と反応せしめる。そして、該第四免疫反応性物質は
検出可能な標識を担持する。従って、試料中の第一物質
の予め特定された閾値を超える最初の存在が、前記検出
可能な標識を含有する特異的免疫反応生成物の存在を検
出することにより決定され得る。
好ましくは、第三免疫反応性物質は、固体支持体に結
合され、これによって第三免疫反応性物質が固定化され
(例えば、該固体支持体が透過性膜である場合)、ある
いは収集可能にされる(例えば、該固体支持体が分散性
の粒状の収集可能な固体材料である場合)。
本発明の好ましい態様において、第一免疫反応性物質
を含有する液体試料を該第一免疫反応性物質に対して免
疫特異的に反応性である第二免疫反応性物質の既知量と
混合し、これにより第一反応相を生成せしめる。次に、
この第一反応相を第三免疫反応性物質の一定量と接触せ
しめることにより第二反応相を生成せしめる。この形質
において、本発明はP3G及びE13Gのごときハプテン及び
薬物を包含する小分子において測定するために特に有用
である。
液体試料中の第一免疫反応性物質の量を決定するため
の本発明の好ましい実際的な形態において、本発明のイ
ムノアッセイ法は、最初未知量の第一免疫反応性物質を
含有する液体試料を用意し、そして該試料を複数のアリ
コート部分に分割する段階を含んで成る。該第一免疫反
応性物質に対して特異的に免疫反応性である第二免疫反
応性物質のそれぞれ異る量を前記複数のアリコート部分
に導入することにより複数の第一反応性相を生成せし
め、この各反応相がそれぞれ異る既知量の第二物質を含
有する。次に、該第一反応相を、前記第一免疫反応性物
質の免疫反応特性と免疫特異的に同一な免疫反応特性を
有する第三免疫反応性物質の一定量と接触せしめる。こ
うして複数の第二反応相が生成され、各反応相は同一量
の第三物質及びそれぞれ異る量の第二物質を含有する。
本発明に従えば、第二反応相中の第二物質のそれぞれの
既知量は、第三物質の前記の量と前記第一物質の対応す
るそれぞれ予め選択された量との合計と免疫特異的に当
量(すなわち、それらと免疫特異的に反応しそしてそれ
らをブロックするためにちょうど十分)であるように予
め決定され、これによって、試料中の第一物質の未知量
がその対応するそれぞれの予め選択された量より少いか
又はそれと同じである場合には第二反応相において更な
る免疫特異的反応のために利用可能な未反応の第三物質
は存在しない。そして、試料中の第一物質の未知量がそ
の対応するそれぞれの予め選択された量より多い場合、
未反応の第三物質が対応する第二反応相における更なる
免疫特異的反応のために利用可能である。次に、これら
の第二反応相を、前記第二物質の免疫反応特性と免疫特
異的に同一の免疫反応特性を有する標識された第四免疫
反応性物質の一定量と接触せしめる。こうして、第二反
応相にそれぞれ対応する複数のそれぞれの検出相が生成
れ、これによって、試料中の第一物質の量がその前記の
対応するそれぞれの予め選択された(閾値)量を超える
第二相に対応する各反応相において、未反応の第三物質
と標識された第四物質との間の特異的免疫反応により標
識された免疫反応生成物が生成するであろう。次に、標
識された免疫反応生成物の存在又は不存在を各反応相に
おいて、試料中の第一物質の対応するそれぞれの予め選
択された量以上の最初の存在の示すものとして検出する
ことができる。
今記載した方法を用いて、液体試料中の第一免疫反応
性物質の量が、種々の反応相に導入される第二免疫反応
性物質のそれぞれの調整された量に依存する特定の狭い
範囲内にあることを決定することができる。すなわち、
第一反応系は、試料中の第一免疫反応性物質の量が1μ
g/mlより多い場合に対応する反応相が標識された免疫反
応生成物を含有するように調整され;第二反応系は、試
料中の第一免疫反応性物質のレベルが2μg/mlより多い
場合に対応する反応相が標識された免疫反応生成物を含
有する様に調整され;第三反応系は、液体試料中の第一
免疫反応性物質の量が3μg/mlを超える場合に対応する
反応相が標識された免疫反応生成物を含有するように調
製される;等々である。そしてこのようにして、検出相
中の標識された免疫反応生成物の存在が色を生成するよ
うにこの方法が設計されれば、第一免疫反応性物質の決
定された量より低いレベルを検出するように予め調整さ
れた系の検出相は着色され、他方、第一免疫反応性物質
の決定された量より高いレベルを検出するように予め調
整された系の検出相は着色されないであろう。
本発明の他の重要な観点において、液体試料中の第一
免疫反応性物質の所定量以上の存在を検出するためのイ
ムノアッセイ法の実施のための材料のキットが提供され
る。このキットは、該第一免疫反応性物質に対して特異
的に免疫反応性である第二免疫反応性物質の既知量、該
第一免疫反応性物質の免疫反応特性と免疫特異的に同一
な免疫反応特性を有する第三免疫反応性物質の既知量、
及び前記第二物質の免疫反応特性と免疫特異的に同一な
免疫反応特性を有する標識された第四免疫反応性物質の
或る量、を含んで成る。第三免疫反応性物質は好ましく
は固体支持体に結合され、そしてこの発明の特に好まし
い観点においては該固体支持体は分散性で粒状で収集可
能な固体材料を含んで成る。本発明の他の好ましい観点
において、第四免疫反応性物質は金のゾル粒子標識を用
いて標識され、この金のゾル粒子標識は該標識を含有す
る材料がフィルター要素上に収集された場合に該フィル
ター要素上に赤色を生じさせることができる。
本発明はあらゆる免疫反応性物質、すななち特異的結
合蛋白質及び対応する結合性物質に関して有用である
が、本発明は、月経サイクルの間に女性によって産生さ
れるP3G及びE13G並びに関連する物質を包含するホルモ
ン類及びホルモン代謝物類であるハプテン類及び薬物類
のごとき小さい単エピトープ性分子と関連して特別な有
用性を有する。
〔発明の具体的な記載〕
上記の本発明のすべての観点において、第一免疫反応
性物質の免疫反応特性と免疫特異的に同一な免疫反応特
性を有する第三免疫反応物質は一般に、基本的には第一
免疫反応性物質と同一の物質である。すなわち、その方
法及び/又はキットが液体試料中のP3Gの最初の存在を
決定うるためのものであれば、第三免疫反応性物質は最
も一般的にはP3Gを含んでなる。同様に、第四免疫反応
性物質は最も一般的には第二免疫反応性物質と同一であ
り、それぞれ前記ホルモンに対する同一の抗体である。
これに関して、第一免疫反応性物質が免疫反応に利用可
能な多数の免疫反応部位を有する場合、第二及び第四免
疫反応性物質は一又は複数の同一部位に対して特異的に
免疫反応性であるべきである。
本発明に従えば、陽性段階アッセイ方式は、液体試料
中のハプテン又は他の免疫反応性物質の増加するレベル
の存在下で、逆転して競争シグナルを陽性段階(positi
ve step)に変化せしめる。さらに、このアッセイ方式
は、液体試料中の免疫反応性物質の所定のレベル(例え
ば、排卵が起ったことを示すP3Gの閾値レベル)におい
て陽性シグナルを与え、さらに低いレベルにおいてシグ
ナルを与えないように設計することができる。尿試料中
2.5μg/mlと5μg/mlとの間のP3Gの検出が生理的に重要
であるから、2.5μg/mlのP3Gにおいてシグナルを与えず
しかし5μg/mlのP3Gにおいて最大シグナルを与えるよ
うにアッセイを構成することができる。
本発明は、水性試料中のリガンド及びリガンド受容体
のごとき種々の免疫反応性物質対象を決定及び/又は検
出するための測定方法及びキットを提供する。分析対象
は免疫反応性物質、例えばモノ−又はポリ−エピトープ
性リガンド、例えば抗原及びハプテンの両者であるが、
本発明は特に、モノエピトープ性ハプテン、例えばホル
モン、及び特に、E13G及びP3Gのごときエストロゲン及
びプロゲスチン化合物の代謝物に関連して特に有用であ
る。本発明が関与する免疫反応性物質の特徴は、それが
他方の免疫反応性物質と免疫特異的に結合することがで
きることである。ある免疫反応性物質が他方の免疫反応
性物質に対して特異的に免疫反応性である場合、それら
の物質又は分子の一方をリガンドと称し、他方を受容体
又はアンチ−リガンドと称する。これらの分子は異り、
そして一方は他方の特定の空間的及び/又は極性構造に
特異的に結合する領域を表面上又はキャビティー中に有
する。
免疫反応性物質が、それに対して特異的に免疫反応性
である免疫反応物質と混合される場合、両者が免疫化学
的反応相を提供し、この相は十分なインキュベーション
時間が与えられれば、これらの2つの物質間の特異的免
疫反応を生じさせ、その結果免疫反応生成物を生じさせ
るであろう。
抗原性免疫反応物質は、免疫特異的反応に入ることが
できる一個又は複数個のエピトープを有することができ
る。これらのエピトープは同一である場合もあり又異る
場合もある。しかしながら、同一であるエピトープのみ
が所与する結合パートナーとの特異的免疫反応に入るこ
とができる。免疫化学的反応相が十分な時間にわたりイ
ンキュベートされれば、反応は平衡に達し、免疫特異的
に反応性の物質の量が免疫化学的に当量である場合、更
なる部位は免疫特異的反応のために利用されない。この
状態が達成される場合、反応相中に免疫特異的反応のた
めに利用可能な未反応免疫反応性物質が存在しないと言
われる。そして、特異的免疫反応性物質の一方又は他方
が免疫化学的当量より多く存在すれば、他の免疫反応性
物質はいずれも該反応相において更なる免疫特異的反応
のために利用されないであろう。従って、このような他
の免疫反応性物質はブロックされていると言われる。
明らかに、ある所与の免疫反応性物質の特異的免疫化
学的当量は正確な数学的に算出し得る数値ではない。む
しろ、ある所与の免疫反応性物質の、該物質に対して特
異的に免疫反応性である他の免疫反応性に対する特異的
免疫化学的当量関係は一般的に実験的に決定される。本
発明の場合、これは単に、未知物質の異る量を含有する
多数の標準を用意し、そして第一の物質をブロックする
他の物質の量を実験的に決定することにより行うことが
できる。例えば、この様な決定は、よく知られた方法に
従ってタイトレーション(titration)により行うこと
ができる。
本発明によれば、2種類の物質が同一の特異的免疫化
学的反応に入ることができる場合、一方の免疫反応性物
質が他方の物質の免疫反応特性と免疫特異的に同一な免
疫反応特性を有すると言われる。すなわち、これらの物
質は類似の態様で免疫特異的に反応することができる。
この現象は例えば、これらの物質の一方が他方の物質の
一部分でありそして同一の特異的エピトープを担持する
場合に生ずる。この現象はまた、これらの物質は基本的
に同一であるが、一方が反応相中を自由に動くことがで
きそして他方が収集を促進する固相に固定化されそして
/又は接合している場合に生ずる。この現象はまた、こ
れらの物質の一方がその基本的な且つ未反応の形態で存
在し、そして他方が、測定法の一部として同定及び/又
は定量を促進する検出可能な標識により標識されてい
る。一般的に言って、本発明の場合、反応相中で遊離し
ているハプテン及び固体支持体に接合している同一のハ
プテンが免疫特異的に同一な免疫反応特性を有する。さ
らに、検出可能な標識により標識された抗−ハプテン抗
体は、標識されていない同一の抗−ハプテン抗体の免疫
反応特性と免疫特異的に同一な免疫反応特性を有する。
これらの物質は類似の免疫反応特性を有すると言われ
る。
本発明によれば、液体試料中の免疫反応性物質の未知
量の予め特定された量又は閾値量を超えれば、その結果
標識された免疫反応生成物が生ずる。標識された免疫反
応生成物は、膜のごとき固体支持体に結合されることに
よって固定化されているか、又は最初分散している分散
性の粒状の収集可能な固体材料であって例えばフィルタ
ー要素上に収集されたものに結合している免疫反応生成
物(又は複合体)の形であることができる。いずれの場
合にも、免疫反応生成物は、それ自体着色する標識、例
えば金のゾル粒子、又は酵素的発色の場合のように発色
反応を促進する標識を担持する。酵素的発色系において
は、色生成材料が、免疫反応生成物の形成による発色条
件に置かれる。この様な方法及び材料はよく知られてお
り、そしてここでさらに詳細に検討する必要はない。金
のゾル粒子標識の結果としての検出可能な色の生成は、
前記の係属中の米国特許出願No.105,285に開示されてお
りそしてクレームされている発明の部分である。金のゾ
ル粒子は免疫反応生成物の形成により集められそして濃
縮され、そしてその集合により視覚的に観察可能な色が
生成される。
以上、要約すれば、生物学的流体中の分析対象リガン
ドの閾値レベルの存在を検出及び/又は決定するために
特に価値ある測定法が提供される。1つの特定の観点に
おいて、本発明は人尿中のプレグナンジオール−3−グ
ルクロニド(P3G)及びエストロン−3−グルクロニド
(E13G)のごときホルモン代謝物の閾値レベルを検出及
び/又は決定する方法に向けられる。この測定法は、分
析対象を含有する試料を該分析対象に対する抗体の既知
量、及び固体支持体に接合された調整された量の分析対
象自体と接触せしめることを含んで成る。試料中の分析
対象のレベルが閾値、例えばP3Gについて5μg/mlを超
える場合、抗体は前記固体支持体上の対応する分析対象
のすべてをブロックするには十分でない。従って、この
測定系への標識された抗体の添加の際、検出可能な免疫
反応生成物が該支持体に付着し、試料中の分析対象の量
が塩基閾値を超えることが示される。他方、試料中の分
析対象のレベルが閾値量より低い場合、遊離抗体は固体
支持体上の対応する分析対象のすべてをブロックするの
に十分であり、標識された抗体が支持体上に検出可能な
免疫反応生成物を生成するのが防止され、そしてそれ故
にシグナルが生じないであろう。
次に、例により本発明をさらに具体的に説明する。
例1.陽性段階法を用いるプレートELISAアッセイゼラチ
ン−P3Gの調製 Erlanger等、J.Biol.Chem.228,713−727(1957)によ
り詳細に記載されているようにして、遊離酸形のプレグ
ナンジオール−3−グルクロニド(P3G)(シグマ)を
混合無水物法によりゼラチン(シグマ)に共有結合で連
結した。この方法により、該ステロイドがペプチド結合
としてグルクロニドのカルボン酸を介して該蛋白質のポ
リペプチド鎖中のリジン残基のE−アミノ基に連結され
る。
固体支持体へのゼラチン−P3Gの付加 前記のようにして調製されたゼラチン−P3GはPVC96ウ
エル−ミクロタイタープレートに受動的に吸着された。
10mM KPO4及び0.145M NaClを含有する溶液(pH7.4)(P
BS)中0.250μg/mlのステロイドを含有するゼラチン−P
3G溶液50μを各ウエルに添加し、そしてこの溶液をプ
レート上ウエル中に室温(22℃)にて1時間放置した。
次に、この溶液をウエルからデカントし、そして1%ゼ
ラチンを含有するPBS/0.02%NaAzide溶液(pH7.2)とプ
レートとを室温にて1時間接触せしめることにより、非
特異的結合を防止するためにプレートをブロックした。
処理されたウエルを再びデカントし、そして0.1%トゥ
イーン20(v/v)を含有するPBS溶液(pH7.4)により2
回洗浄した。
プレートELISAアッセイ PBS中に抗−P3G抗体を含有する標準溶液を8種類の異
る濃度、すなわち1.0,2.0,4.0,8.0,16.0,32.0,64.0及び
128.0μg/mlで調製し、そしてPBS中にP3Gを含有する試
料溶液を6種類の異る濃度、すなわち、2.5,1.25,0.62
5,0.3125,0.156、及び0μg/mlで調製した。150μの
各抗−P3G抗体標準溶液を30μの各P3G試験溶液と混合
して48個の個別の反応相を調製した。各反応相の2個ず
つの別々の60μ部分をウエルに入れた。
これらの溶液をウエル中で室温にて15分間インキュベ
ートした。次に、溶液をウエルからデカントし、そして
プレートをPBS中に0.1%のトゥイーン20を含有する洗浄
溶液により2回洗浄した。0.1M Trsi−アセテート(pH
7.0)中62.5ng/mlの抗−P3G抗体/西洋ワサビパーオキ
シダーゼ(HRP)抗合体(Nakane等のよく知られた方法
により調製したもの)を含有する溶液50μを各プレー
トに添加し、そして室温にて15分間インキュベートし
た。次に、ウエルを前記PBS/トゥイーン洗浄液により5
回洗浄して、すべての非特異的に結合したHRPを完全に
除去した。メタノール中0.125%のテトラメチルベンジ
ジン3mlと、0.1Mホスフェート及び50mMクテン酸水溶液
(pH5.0)中0.03%過酸化水素7mlとの新鮮な混合物から
成る発色基質溶液50μを各プレートに加え、そして室
温にて5分間反応せしめた。発色の強度をダイナテック
(Dynatech)プレートリーダー(ダイナテックバージニ
ア)上で640nmにて、490nmの参照波長を用いて読み取っ
た。この結果を次の第1表に示す。
例1のこの試験は、試料溶液中のP3G検出及び決定、
並びに所与の試料溶液中のP3Gの量が具体的に知られた
予め選択された量を超えるか否かの検出及び決定のため
の計画された。試料溶液中のP3Gを第一免疫反応性物質
と称することができ、そして標準溶液中の抗−P3G抗体
を第二免疫反応性物質と称することができる。この第一
免疫反応性物質及び第二免疫反応性物質は相互に特異的
に免疫反応性である。ゼラチン連結によりプレート(固
体支持体)に結合したP3Gは、該第一免疫反応性物質に
類似する第三免疫反応性物質であり、そしてそれ故に、
第二免疫反応性物質であるP3Gの免疫反応特性と免疫特
異的に同一な免疫反応特性を有する。HRPと接合した抗
−P3G抗体は該第二免疫反応性物質と類似する第四免疫
反応性物質であり、そしてそれ故に該第二物質の免疫反
応特性と免疫特異的に同一な免疫反応特性を有する。抗
−P3G抗体に接合したHRPは、既知の手段及び手順により
検出することができる酵素性標識である。すなわち、抗
−P3G抗体/HRP接合体は標識された第四免疫反応性物質
である。
例1の例示において、既知量の抗−P3G抗体(第二免
疫反応性物質)が予め選択された量のP3G(第一免疫反
応性物質)と接触せしめられる。P3Gは通常は検出又は
決定されるべき分析対象であろうが、この例の目的のた
めには、P3Gは既知量で存在する。こうして、一連の第
一反応相が与えられ、それぞれの反応相は異る既知量の
抗−P3G抗体を含有する。次に、第一反応相を、マイク
ロタイタープレートの各ウエルに結合したP3G(第三免
疫反応性物質)と接触せしめることによりマイクロタイ
タープレートの各ウエル中に第二反応相を生成せしめ
る。プレートのウエルは同一条件下で同一のP3G−ゼラ
チン溶液と接触したものであり、そしてそれ故に第二反
応相はプレートに結合した同じ量のP3G及びそれぞれの
異る既知量の抗−P3G抗体を含有する。
各第二反応相において、抗−P3G抗体の合計既知量が
試料中のP3Gのすべて及び結合したP3Gのすべてと免疫特
異的に反応するのに十分であれば、結合したP3Gは抗体
によりブロックされると言われ、そして更なる免疫反応
が防止される。しかしながら、抗−P3G抗体の合計量が
第二反応相中のP3Gの合計と反応するのに十分でなけれ
ば、結合したP3Gはブロックされないままであり、そし
て更なる免疫特異的反応のために利用可能である。従っ
て、第二反応相が洗浄しそして抗−P3G抗体/HRP接合体
溶液と接触せしめた場合、ブロックされていない結合し
たP3Gが存在する(試料中のP3Gが調整された量を超え
る)ウエル中で免疫特異的反応が起こり、そしてブロッ
クされていないP3Gと抗体/HRP接合体との間の免疫反応
を介してHRP酵素性発色剤がプレートに結合するであろ
う。明らかに、試料中のP3Gの量が増加するに従って、
結合したP3Gをブロックする所与量の抗体の能力は低下
する。実験的に決定し得る点において、試料中のP3Gの
さらなる増加がプレート上のブロックされていないP3G
の存在をもたらし、そしてそれに続き、標識された抗体
の導入の際にプレートへのHRPの結合をもたらす。HRPが
プレートに結合する場合、TMB溶液の添加により色が形
成される。
第1表において、試料中にP3Gが存在しなかったセル
中で色が生成されなかったことがわかる(右側の列)。
(色の増加と共に第1表中の数値が直接増加し、そして
非常に小さい数値はほとんど色が存在しないことを示
し、そして比較的大きな数値は明確な発色を示す。)さ
らに、抗−P3G抗体の既知濃度が128μg/mlである第1表
の最下行において、どのセルにおいても色が生成されな
い。この量の抗体は、試料中のP3Gの濃度が2.5μg/mlで
あった場合でさえすべてのP3Gをブロックするのに十分
だったからである。しかしながら、抗体濃度が64μg/ml
である場合、試料中のP3Gの濃度が2.5μg/mlに達した時
にプレートの十分な発色が起こり;抗体濃度が32μg/ml
である場合、1,25μg/mlのP3G濃度において十分な発色
が起こり;抗体濃度が16μg/mlである場合、0.625μg/m
lのP3G濃度において十分な発色が起こり;8μg/mlの抗体
濃度においては、0.3125μg/mlのP3Gにおいて飛躍が起
こり;そして抗体濃度が1μg/ml又は2μg/mlである場
合、0.156μg/mlのP3Gにおいて飛躍が起こる。明らか
に、無色から十分な色への飛躍点は非常に鋭敏であり、
そして標準溶液中の抗−P3G抗体の量及び/又は支持体
に結合したP3Gの量を単に変えることによって実験的に
調整することができる。
例2.陽性段階法を用いる流過ELISAアッセイ膜の調製 この例において、固相固定化反応体を支持するために
キクロポーラス状流過膜を用いた。使用した膜は、米国
特許No.4,066,512明細書に記載されている種類のPallイ
ムノアフィニティー膜であった。PBS中に100μg/mlのグ
ルコースオキシダーゼ及び前記例1に記載したようにし
て調製したゼラチン−P3Gを含有する溶液3μを膜に
スポットすることにより膜を調製した。ゼラチン−P3G
の異る濃度、すなわち10,1,0.1,0.01、及び0.001μg/ml
を用いて、5セットのスポットされた膜を調製した。非
特異的結合を防止するため、スポットされた膜を、PBS
(pH7.4)中に0.5%カーネーション(Carnation)ミル
ク及び0.02%トゥイーンを含有する溶液2mlを用いてブ
ロックした。次に、これらの膜を、1987年10月13日に出
願された本出願人の米国特許出願No.107,240に記載され
ているタイプの流過装置に装着した。
流過アッセイ PBS中32μg/mlの抗体を含有する抗−P3G抗体標準溶
液、並びにPBS中にそれぞれ2.5,1.25、及び0μg/mlのP
3Gを含有する試料溶液を調製した。40μの各試料溶液
を400μの抗体標準溶液と混合し、そしてこの混合物
を別々に、上記のように調製されたそれぞれの流過装置
の膜上に注ぎ、そしてそれを流過せしめた。次に、例1
に記載したように調製した抗−P3G抗体/HRP接合体溶液4
00μを各膜に注いで通し、そしてPBS中3%イゲパー
ル(Igepal)及び1%ドデシル硫酸ナトリウムを含有す
る洗浄液1mlにより膜を洗浄した。次に、0.034Mクエン
酸塩及び0.071Mリン酸ナトリウム中7.0%のデキストロ
ース及び0.01%のTMBを含有する溶液7部と3部のメタ
ノールとの混合物から成る基質溶液0.4mlに前記膜を接
触せしめた。3〜5分間後に視覚的に評価した結果はス
ポット溶液の濃度により変化せず、次の通りであった。
例3.陽性段階法を用いるゾル捕捉アッセイ固相粒子の調
製 前記(例1)に記載したようにしてP3Gをゼラチンに
連結し、そして上記米国特許出願No.105,285の例II
(a)に記載されている方法と正確に同一の方法を用い
てこのゼラチン−P3G成分をポリビース(Polybead)カ
ルボキシレート単分散マイクロスフェアーに連結するこ
とによりラテックス−ゲル−P3G分散体を調製した。PBS
中に0.625,1.25,2.5,5.0,10、及び20μg/mlのP3Gをそれ
ぞれ含有する一連の試料溶液を、前記例2に記載した抗
体標準溶液300μと混合し、次に各前混合した相に20
μのラテックス−ゲル−P3G分散体を添加した。次
に、反応混合物を再生セルロース(1ミクロン)から作
られたフィルターを通して注いでラテックス粒子を捕捉
しそして収集した。前記係属中の米国特許出願No.105,2
85の例II(b)に記載されているようにして金のゾル粒
子で標識された抗−P3G抗体を調製し、そしてこの金標
識抗体を40mM MgSO4,1%BSA、及び0.02%Naアジドを含
有する溶液に懸濁した。前記ラテックス粒子が集められ
ているフィルターに該混合物を注いで通し、そしてこの
フィルターを、PBS(pH7.2)中に1.234mMチメロサール
(Thimerosal)、3%イゲパール(Igepal)CA720及び
1%ドデシル硫酸ナトリウムを含有する洗浄溶液で洗浄
した。視覚結果は次の通りであった。
すなわち、試料中のP3Gが2.5μg/mlを超えた場合、ブ
ロッキング抗体が消費されそしてP3Gの少なくとも一部
分がブロックされないままのラテックスにカップリング
した。ラテックスビーズをフィルター上に収集した後、
フィルター上のブロックされていないP3Gラテックスは
金のゾル粒子で標識された抗−P3G抗体と反応すること
ができ、そして収集されたラテックス−P3G−抗−P3G−
金免疫複合体が形成された。フィルター上のこの収集さ
れた複合体視覚的に観察可能なピンク色を呈した。他
方、試料中のP3Gが2.5μg/ml以下の場合、ブロック抗体
はすべてのP3G−ラテックスをブロックするのに利用さ
れ、そして金でラベルされた抗体は分散体としてそして
容易にフィルターを流過する形で複合体を形成しないま
まであった。
ラテックス粒子の代りに固相としてガラス粒子を用い
て例3の前記の方法を反復し、そして本質的に同じ結果
を得た。
例4. 例1〜3の方法と実質的に同じ方法をエストロン−3
−グルクロニド(E13G)の測定のために行った。これら
の測定において、ハプテンを固体支持体に連結するため
にゼラチンではなくウシ血清アルブミン(BSA)(画分
5)を用いた。BSA連結法はErlanger等(前掲)に記載
されている。得られた測定結果は例1〜3において得ら
れる結果と本質的に同一であった。
実際的環境において、本発明のP3G及びE13Gの測定は
将来の排卵を予測し、排卵を確認し、黄体機能を評価
し、妊娠可能期間の始め及び終りを検出して、胞状期を
評価しそして妊娠を診断することができる。測定は一般
に、朝の第一尿(FMU)を用いて行われる。
排卵の間及び黄体期の間のFMU中のP3Gの増加を測定P3
G測定を用いることができ、そしてP3Gが約4μg/mlの閾
値レベルより高く上昇した場合に陽性の色標示をもたら
すように調整することができる。色(4μg/mlより高い
P3Gレベルを示す)は黄体期を通して残り、排卵過程の
長さ及び適切さが示される。

Claims (42)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体試料中の第一免疫反応性物質の予め特
    定された量以上の存在を決定するためのイムノアッセイ
    法であって、 最初未知量の該第一免疫反応性物質を含有する液体試料
    を、(1)該第一物質に対して特異的に免疫反応性であ
    る第二免疫反応性物質の既知量及び(2)該第一免疫反
    応性物質の免疫反応特性と免疫反応特異的に同一な免疫
    反応特性を有する第三免疫反応性物質の一定量と混合す
    ることにより免疫化学的反応相を確立し、ここで、前記
    第三物質は、反応混合物から分離可能な免疫複合体を形
    成することができるものであり; 前記第二物質の前記既知量は第一物質の前記予め特定さ
    れた量と第三免疫反応性物質の前記一定の量との合計と
    免疫化学的に当量であり、これにより、前記液体試料溶
    液中の前記第一免疫反応性物質の量が前記予め特定され
    た量を超える場合に、未反応の第三物質が前記反応相に
    おける更なる免疫特異的反応のために利用可能であり; こうして確立された反応相を、前記第二物質の免疫反応
    特性と免疫特異的に同一な免疫反応特性を有する第四免
    疫反応性物質の一定量と接触せしめ、ここで該第四物質
    は検出可能な標識を有しており;そして 前記検出可能な標識を含有する特異的免疫反応生成物の
    存在を検出することにより前記試料中の第一物質の予め
    特定された量を超える量の最初に存在を決定する; 段階を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】前記第三物質が固体支持体に結合される、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記固体支持体が分散性の粒状の収集可能
    な固体材料を含んで成り、そして前記決定が該収集可能
    な材料を収集しそして該収集可能な材料中の前記検出可
    能な標識の存在を検出する段階を含む、請求項2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】前記収集が、前記収集可能な材料をフィル
    ター要素上に捕捉することを含んで成る、請求項3に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】前記標識が金のゾル粒子を含んで成る、請
    求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記固体支持体が透過性膜を含んで成り、
    前記確立された反応相を接触せしめる段階が前記第四物
    質を該膜を通して流過せしめる段階を含み、そして前記
    決定の段階が該膜上の前記標識の存在を検出する段階を
    含んで成る、請求項2に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記標識が金のゾル粒子を含んで成る、請
    求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記標識が第一酵素性発色成分を含んで成
    り、前記第三物質に隣接する前記膜に結合する対応する
    第二酵素性発色成分が存在し、そして第四物質が該膜上
    の第三物質に免疫特異的に結合する場合はいつでも該第
    一酵素性成分と該第二酵素性成分との間の相互作用が該
    膜上での検出可能な色の生成を惹起する、請求項6に記
    載の方法。
  9. 【請求項9】前記第一免疫反応性物質が療法的に有効で
    あるための最低レベルから不所望の又は毒性の反応が生
    ずるレベルまでの濃度範囲により特徴付けられる療法剤
    である、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記第一免疫反応性物質が乱用又は誤用
    のおそれのある物質である、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記第一免疫反応性物質が閾値レベルに
    よって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】液体試料溶液中の第一免疫反応性物質の
    予め特定された量以上の存在を決定するためのイムノア
    ッセイ法であって、 最初未知量の該第一免疫反応性物資を含有する液体試料
    を用意し; 該試料に既知量の第二免疫反応性物資を添加することに
    より第一反応相を生成せしめ、該第二免疫反応性物質は
    前記第一免疫反応性物質に対して免疫特異的に反応性で
    あり; 前記第一反応相を一定量の第三免疫反応性物質と接触せ
    しめることにより第二反応相を生成せしめ、該第三免疫
    反応性物質は、前記第一物質の免疫反応特性と免疫特異
    的に同一な免疫反応特性を有し、ここで、前記第三物質
    は、反応混合物から分離可能な免疫複合体を形成するこ
    とができるものであり; 前記第二物質の前記既知量は、第一物質の前記予め特定
    された量と第三物質の前記の量との合計と免疫化学的に
    当量であり、これにより、前記試料溶液中の第一物質の
    量が前記予め特定された量より大である場合に、未反応
    の第三免疫反応性物質が前記第二反応相での更なる免疫
    特異的反応のために利用可能であり; 前記第二反応相を或る量の標識された第四免疫反応性物
    質と接触せしめることにより検出相を生成せしめ、該第
    四免疫反応性物質は前記第二物質の免疫反応特性と免疫
    特異的に同一の免疫反応特性を有し、これによって、未
    反応の第三免疫反応性物質が前記第二反応相において免
    疫特異的反応のために利用可能な場合にはいつでも第三
    免疫反応性物質と第四免疫反応性物質との反応により前
    記検出相中に標識された免疫反応生成物が生成し; そして 前記試料中の第一免疫反応性物質の前記予め特定された
    量を超える最初の存在を示すものとして、前記検出相中
    の標識された免疫反応生成物の存在を検出する; 段階を含んで成る方法。
  13. 【請求項13】前記第三物質が固体支持体に結合され
    る、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記固体支持体が分散性の収集可能な粒
    状担体材料を含んで成り、前記第四物質が金のゾル粒子
    標識により標識されており、そして前記検出段階が前記
    金のゾル標識により標識された免疫反応生成物をフィル
    ター要素上に収集しそして該フィルター要素上の金のゾ
    ル粒子の集合により生ずる該要素の着色を観察する段階
    を含んで成る、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】前記第一物質及び第三物質がそれぞれハ
    プテンであり、そして前記第二物質及び第四物質がそれ
    ぞれ該ハプテンに対して特異的に免疫反応性である抗−
    ハプテン抗体である、請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記各ハプテンがプレグナンジオール−
    3−グルクロニドである、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】前記各ハプテンがエストロン−3−グル
    クロニドである、請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】前記第一物質及び第三物質のそれぞれが
    ハプテンであり、そして前記第二物質及び第四物質のそ
    れぞれが該ハプテンに対して特異的に結合する抗体であ
    る、請求項14に記載の方法。
  19. 【請求項19】前記各ハプテンがプレグナンジオール−
    3−グルクロニドである、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】前記各ハプテンがエストロン−3−グル
    クロニドである、請求項18に記載の方法。
  21. 【請求項21】前記第一免疫反応性物質が療法的に有効
    であるための最低レベルから不所望の又は毒性の反応が
    生ずるレベルまでの濃度範囲により特徴付けられる療法
    剤である、請求項12に記載の方法。
  22. 【請求項22】前記第一免疫反応性物質が乱用又は誤用
    のおそれのある物質である、請求項12に記載の方法。
  23. 【請求項23】前記第一免疫反応性物質が閾値レベルに
    より特徴付けられる、請求項12に記載の方法。
  24. 【請求項24】前記第一免疫反応性物質が療法的に有効
    であるための最低レベルから不所望の又は毒性の反応が
    生ずるレベルまでの濃度範囲により特徴付けられる療法
    剤である、請求項14に記載の方法。
  25. 【請求項25】前記第一免疫反応性物質が乱用又は誤用
    のおそれのある物質である、請求項14に記載の方法。
  26. 【請求項26】前記第一免疫反応性物質が閾値レベルに
    より特徴付けられる、請求項14に記載の方法。
  27. 【請求項27】液体試料中の第一免疫反応性物質の量を
    決定するためのイムノアッセイ法であって、 最初未知量の該第一免疫反応性物資を含有する液体試料
    を用意し; 該試料を複数のアリコート部分に分割し; 前記第一免疫反応性物質に対して特異的に免疫反応性で
    ある第二免疫反応性物質のそれぞれの異る量を前記複数
    のアリコート部分に導入することにより複数の第一反応
    相を生成せしめ、これらの各々が前記第二物質のそれぞ
    れ異る既知量を含有しており; 前記各第一反応相を、前記第一免疫反応性物質の免疫反
    応特性と免疫特異的に同一な免疫反応特性を有する第三
    免疫反応性物質の一定量と接触せしめ、これにより複数
    の第二反応相を生成せしめ、ここで、前記第三物質は、
    反応混合物から分離可能な免疫複合体を形成することが
    できるものでありこれらの各々が同一量の前記第三物質
    及びそれぞれ異る量の前記第二物質を含有しており; 前記各第二反応相中の前記第二物質のそれぞれの既知量
    が、第三物質の前記の量と第一物質の対応するそれぞれ
    の予め選択された量との合計と免疫化学的に当量である
    ように予め決定され、これにより、前記試料中の未知量
    がその前記のそれぞれ予め決定された量より少ないか又
    は同じである場合には対応する第二反応相における更な
    る免疫特異的反応のために利用できる未反応の第三物質
    が存在せず、そして前記試料中の前記第一物質の未知量
    がその前記のそれぞれ予め決定された量より多い場合に
    は未反応の第三物質が対応する第二反応相における更な
    る免疫特異的反応のために利用可能であり; 前記各第二反応相を、前記第二物質の免疫反応特性と免
    疫特異的に同一な免疫反応特性を有する標識された第四
    免疫反応性物質の一定量と接触せしめ、これにより前記
    第二反応相にそれぞれ対応する複数のそれぞれの検出相
    を生成せしめ、これにより、前記試料中の第一物質の量
    が前記対応するそれぞれの予め選択されたその量を超え
    る第二相に対応する各反応相において、未反応第三物質
    と標識された第四物質との間の特異的免疫反応により標
    識された免疫反応生成物が形成され;そして 前記試料中の第一物質の対応するそれぞれの予め選択さ
    れた量以上の最初の存在を示すものとして、各反応相中
    の標識された免疫反応生成物の存在又は不存在を検出す
    る; 段階を含んで成る方法。
  28. 【請求項28】前記第一免疫反応性物質が療法的に有効
    であるための最低レベルから不所望の又は毒性の反応が
    生ずるレベルまでの濃度範囲により特徴付けられる療法
    剤である、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】前記第一免疫反応性物質が乱用又は誤用
    のおそれのある物質である、請求項27に記載の方法。
  30. 【請求項30】前記第一免疫反応性物質が閾値レベルに
    より特徴付けられる、請求項27に記載の方法。
  31. 【請求項31】液体試料中の第一免疫反応性物質の予め
    決定された量以上の存在を検出するイムノアッセイ法を
    実施するためのキットであって、 該第一物質に対して特異的に免疫反応性である第二免疫
    反応性物質の既知量; 前記第一免疫反応性物質の免疫反応特性と免疫特異的に
    同一な免疫反応特性を有する第三免疫反応性物資の既知
    量;及び 前記第二物質の免疫反応特性と免疫特異的に同一な免疫
    反応特性を有する、標識された第四免疫反応性物質の或
    る量; を含んで成るキット。
  32. 【請求項32】前記第三免疫反応性物質が固体支持体に
    結合している、請求項31に記載のキット。
  33. 【請求項33】前記固体支持体が分散性の粒状の収集可
    能な固体材料を含んで成る、請求項32に記載のキット。
  34. 【請求項34】前記第四免疫反応性物質が銀のゾル粒子
    標識を用いて標識されている、請求項31に記載のキッ
    ト。
  35. 【請求項35】前記試料中のハプテンの存在を検出する
    ためのものであり、前記第二免疫反応性物質及び前記第
    四免疫反応性物質が抗−ハプテン抗体を含んで成り、そ
    して前記第三免疫反応性物質が該ハプテンである、請求
    項31に記載のキット。
  36. 【請求項36】液体試料中のプレグナンジオール−3−
    グルクロニドの存在を検出するためのものであり、前記
    第三免疫反応性物質がプレグナンジオール−3−グルク
    ロニドを含んで成り、そして前記第二免疫反応性物質及
    び第四免疫反応性物質がそれぞれ抗−プレグナンジオー
    ル−3−グルクロニド抗体を含んで成る、請求項35に記
    載のキット。
  37. 【請求項37】液体試料中のエストロン−3−グルクロ
    ニドの存在を検出するためのものであり、前記第三免疫
    反応性物質がエストロン−3−グルクロニドを含んで成
    り、そして前記第二免疫反応性物質及び第四免疫反応性
    物質が抗−エストロン−3−グルクロニド抗体を含んで
    成る、請求項35に記載のキット。
  38. 【請求項38】既知量の前記試料を収容しそして存在す
    る免疫反応性物質間の免疫反応を容易にするための容器
    手段を有する、請求項31に記載のキット。
  39. 【請求項39】前記容器手段中で形成された免疫反応生
    成物を収集する手段を有する、請求項38に記載のキッ
    ト。
  40. 【請求項40】前記収集手段がフィルター要素を含んで
    成る、請求項39に記載のキット。
  41. 【請求項41】療法剤の存在を検出するためのものであ
    り、前記第二免疫反応性物質及び第四免疫反応性物質の
    それぞれが該薬剤に対する抗体を含んで成り、そして前
    記第三免疫反応性物質が前記薬剤を含んで成る、請求項
    31に記載のキット。
  42. 【請求項42】乱用又は誤用のおそれのある物質の存在
    を検出するためのものであり、前記第二免疫反応性物質
    及び第四免疫反応性物質のそれぞれが該乱用又は誤用の
    物質に対する抗体を含んで成り、そして前記第三免疫反
    応性物質が該乱用又は誤用の物質を含んで成る、請求項
    31に記載のキット。
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