JP2655972B2 - ゴム成形用金型 - Google Patents

ゴム成形用金型

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JP2655972B2 JP4184209A JP18420992A JP2655972B2 JP 2655972 B2 JP2655972 B2 JP 2655972B2 JP 4184209 A JP4184209 A JP 4184209A JP 18420992 A JP18420992 A JP 18420992A JP 2655972 B2 JP2655972 B2 JP 2655972B2
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邦夫 柏田
孝徳 児玉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレン・プロピレン・
ジエン類の共重合によって造られる、エチレン・プロピ
レン・ジエンメチレンゴム(以下EPDMという)、イ
ソブチレンイソプレン共重合ゴム(以下IIRとい
う)、ポリイソプレンゴム、天然ゴム等のゴムの耐食
性、離型性に優れたゴム成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム類は、主として自動車を対象とした
ホース類、ウエザーストリップ、シール材、ベローズ等
の車両部品、一般のベルト、タイヤ、チューブ等の分野
で広く使用されている。
【0003】これらの各種用途における部品を成形する
金型は、鉄、ステンレス等によって造られており、内面
には通常TiN,NiP,クロムメッキ等が施されてい
る。
【0004】上記表面処理方法は、鉄、ステンレス等の
表面の耐摩耗性、耐食性、耐熱性、離型性等を改良する
ために施されているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゴムを
成形する場合、金型の内面にTiN,NiP,クロムメ
ッキ等を施したのみでは耐久性が不充分である。特にE
PDMを成形する場合、耐食性、離型性等の面で十分な
性能が得られない。
【0006】耐食性が低いと腐食によるさびや、かすが
発生し、また配合薬品、重合体中の非ゴム成分などの堆
積による汚染が原因となって離型性の点で不満足とな
る。これらは製品の良し悪し、および生産性に直接影響
を与える因子であるので、その解決が強く望まれてい
る。
【0007】従来行われている金型汚染に対する解決方
法としては、一定成形回数毎に、金型内面に付着した薬
剤や重合物中の非ゴム成分等の付着堆積物を溶剤洗浄或
いは機械的に除去したりする煩雑な方法で対処してい
る。
【0008】また離型性については、離型剤の使用によ
って対処しているが、手間がかかって生産性が低下した
り、型冷しや不良品の発生などの問題があった。
【0009】本発明者らは、生産性の低下、不良率の上
昇などから見て、ゴムの成形用金型は金型の耐食性、離
型性の面で改良しなければならないと考え鋭意研究した
結果、窒化クロム(CrN)層が金型の母材に、Ni
P,ハードクロムメッキ,またはNiPWの層を介して
形成されるとき、ゴムに対する耐食性、離型性の点で極
めてすぐれていることを知見した。
【0010】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
ので、耐食性、離型性等が優れたゴム成形用金型を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るゴム成形用金型においては、鉄,ステ
ンレス,アルミニウム等の金型母材に先ずNiP,ハー
ドクロムメッキ,またはNiPWからなる下地層を形成
し、ゴムが接触する部分の表面にCrN層を形成したこ
とを問題解決の手段とした。
【0012】
【作用】本発明に係るNiP,ハードクロムメッキ,ま
たはNiPWの層上に形成されたCrN層は、ゴム成形
に用いられる各種配合薬品に対して耐食性を有し、又金
型が損耗し易いEPDM等各種ゴムに対してもすぐれた
離型性と耐食性を示す。
【0013】
【実施例】CrNの薄膜は、ホローカソード(Holl
ow Cathode Discharge)型イオンプ
レーティング装置を使用して作製する。金型素材に無電
解NiPメッキを厚さ17μmに施工した後、イオンプ
レーティングの前処理として、10-5〜10-6Torr
に排気した後、アルゴンガスを約10-2Torr導入
し、金型を陰極として−300Vのバイアス電圧を印加
して金型のメッキ表面のイオンクリーニングを実施す
る。
【0014】CrNをイオンプレーティングする場合、
金型表面の汚れや酸化層等があるとイオンクリーニング
では充分除去できずCrNの剥離、密着不良現象をまね
く惧れがあるので、必要なら湿式の前処理として、アル
カリ脱脂、電解脱脂、酸洗浄等を実施した後でイオンク
リーニングを実施することが好ましい。その際CrNの
成膜に用いる金属クロムの純度は99.9%、窒素ガス
は99.999%のものを用いることが好ましい。
【0015】CrNの製膜においてイオン化率を上昇さ
せ、均一な膜を容易に形成させるために、金属クロムの
溶解蒸発は、多ガン式のホローカソードガンが用いられ
る。表面処理する素材の金型のホルダーは回転式でかつ
予熱ヒータで250℃まで加熱するが、密着性をより強
くするには400℃まで金型温度を上げる方が望まし
い。しかし、金型素材材質のなかには低温焼き入れの素
材が使用されているケースがあり、熱による膨張が発生
し寸法変形する危険性があるため通常250℃にてめっ
きする。
【0016】このようにしてバイアス電圧を−70Vか
け、クロム、窒素のイオン種を金型表面の方へ加速させ
密着性のあるCrNの薄膜を形成した。膜厚は5μm近
くまで製膜できるが、CrNは硬いため膜の内部応力が
おおきくなり割れ、膨れ現象が発生するので、ゴム金型
でのゴムの離型性、耐久性を考慮にいれると膜厚は3μ
m程度が望ましい。
【0017】次に実施例,比較例を示し、本発明を具体
的に説明する。使用した試料は、軟鉄テストピース(3
0mm×50mm×2mm厚さ)を用いこれに本発明の
表面処理、その他の表面処理を施して試料とし、硬度,
EPDMゴムに対する離形性,加硫剤による変色を調べ
た。
【0018】硬度はマイクロビッカース硬度計を用いて
測定したが表面に形成されている膜が薄いため荷重:1
5gf、荷重保持時間:20秒で、それぞれ5点測定
し、その単純平均値を比較した。
【0019】EPDMゴムに対する離型性は、図1の測
定具を用いて測定した。図中1は、無電解NiPメッキ
を施した固定板で、この上に配合ずみEPDMゴムの約
15mmφの球2を上記固定板1と表面処理を施した試
料3で挟み、1サイクル(180℃、30分乾燥炉加熱
融解保持)した後、バネばかり4でEPDMゴム2と試
料3が分離する強さを調べた。なお、無電解NiPメッ
キは、EPDMゴムが融解すると強く接着し約0.86
kg/cm2の接着強度を持つので、これを固定板1と
して使用し、これより接着力の弱い試料3とEPDMゴ
ムとの接着強度を測定した。また測定は20サイクルの
処理をくり返した後の測定値によって示した。
【0020】また変色層は20サイクル前後の各試料の
表面処理膜の変色度をカラーメータ(スガ試験機株式会
社製)で測定し色差を求めた。色差△E*はL*,a*
*表色系より以下の色で求めた。 △E*=√(△L*2+(△a*2+(△b*2 但し、下表は△Eが下記の場合の評価判定、 0〜0.5 きわめて僅が異なる 0.5〜1.5 わずか異なる 1.5〜3.0 感知し得る程度に異なる 3.0〜6.0 著しく異なる 6.0〜12.0 きわめて著しく異なる 12.0以上 別の色系統 実施例1,比較例1〜3 各試料の表面処理法、表面処理した試料の硬度,各試料
のEPDM接着強度、20サイクルした場合の色差を表
1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1より明かなように実施例1は硬度が高
く離型性がよく、色差も小さく本発明の金型が優れてい
ることを示している。比較例1は硬度が低いので以下の
測定は省略した。比較例2は硬度,接着力,色差はいず
れも充分ではない。比較例3は硬度は高いが、接着力は
やや高く、特に色差は劣り、耐触性の低いことがわか
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るゴム
成形用金型は、ゴムの接触面に、NiP,ハードクロム
メッキ,またはNiPWの層を介してCrN層が形成さ
れているので、金型が損耗し安いEPDMゴム等に対し
ても、離形性がよく耐食性に優れ着色しない等の性能を
有し、不良品が発生しない等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゴム成形用金型の接着性を測定す
る測定具の図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化クロム層が金型の母材に、NiP,
    ハードクロムメッキ,またはNiPWの層を介して形成
    されてなるゴム成形用金型。
JP4184209A 1992-07-10 1992-07-10 ゴム成形用金型 Expired - Fee Related JP2655972B2 (ja)

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US5861114A (en) * 1994-06-10 1999-01-19 Johnson&Johnson Vision Products, Inc. Method of manufacturing complex optical designs in soft contact lenses
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