JPH06106543A - 塩化ビニル系樹脂成形用金型 - Google Patents
塩化ビニル系樹脂成形用金型Info
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- JPH06106543A JPH06106543A JP25972992A JP25972992A JPH06106543A JP H06106543 A JPH06106543 A JP H06106543A JP 25972992 A JP25972992 A JP 25972992A JP 25972992 A JP25972992 A JP 25972992A JP H06106543 A JPH06106543 A JP H06106543A
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- Japan
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- vinyl chloride
- mold
- base material
- diamond
- chloride resin
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C33/00—Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
- B29C33/56—Coatings, e.g. enameled or galvanised; Releasing, lubricating or separating agents
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/26—Moulds
- B29C45/37—Mould cavity walls, i.e. the inner surface forming the mould cavity, e.g. linings
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2907/00—Use of elements other than metals as mould material
- B29K2907/04—Carbon
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】塩化ビニル系樹脂を成形するための金型。該金
型基材表面の少なくとも溶融した塩化ビニル系樹脂と接
触する面にダイヤモンド状炭素被膜がイオンプレ−ティ
ング法またはプラズマCVD法によって設けられてい
る。 【効果】設けられたダイヤモンド状炭素被膜が表面硬
度、金型基材との密着性、金型基材の凹凸表面部での膜
厚均一性等に優れているから、本発明の塩化ビニル系樹
脂成形用金型はメンテナンス時のバフ研磨によるキズ防
止、酸性ガスによる腐食防止等が可能となり、その結
果、上記塩化ビニル系樹脂成形用金型を用いて得られる
塩化ビニル系樹脂成形品の表面には、長期ランニング時
においても、筋、かすれ等の外観不良が発生しなくな
る。
型基材表面の少なくとも溶融した塩化ビニル系樹脂と接
触する面にダイヤモンド状炭素被膜がイオンプレ−ティ
ング法またはプラズマCVD法によって設けられてい
る。 【効果】設けられたダイヤモンド状炭素被膜が表面硬
度、金型基材との密着性、金型基材の凹凸表面部での膜
厚均一性等に優れているから、本発明の塩化ビニル系樹
脂成形用金型はメンテナンス時のバフ研磨によるキズ防
止、酸性ガスによる腐食防止等が可能となり、その結
果、上記塩化ビニル系樹脂成形用金型を用いて得られる
塩化ビニル系樹脂成形品の表面には、長期ランニング時
においても、筋、かすれ等の外観不良が発生しなくな
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂成形
用金型に関する。
用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックの成形用金型表面に
耐磨耗性を付与したり、溶融樹脂との摩擦力を低減して
成形性をよくするために硬質クロムめっきやニッケルめ
っきを施すことが行われている。しかしながら、上記め
っきには、長期使用によるめっき面の磨耗、メンテナン
ス時のバフ研磨によるめっき面のキズ、樹脂の熱分解時
に発生する酸性ガス(例えば、塩酸)によるめっき面の
腐食等が原因でめっき面の平滑性が損なわれ、その結
果、成形品の表面にキズが発生して良品が得られないと
いう欠点を有していた。
耐磨耗性を付与したり、溶融樹脂との摩擦力を低減して
成形性をよくするために硬質クロムめっきやニッケルめ
っきを施すことが行われている。しかしながら、上記め
っきには、長期使用によるめっき面の磨耗、メンテナン
ス時のバフ研磨によるめっき面のキズ、樹脂の熱分解時
に発生する酸性ガス(例えば、塩酸)によるめっき面の
腐食等が原因でめっき面の平滑性が損なわれ、その結
果、成形品の表面にキズが発生して良品が得られないと
いう欠点を有していた。
【0003】一方、金型表面に耐磨耗性、耐食性等を付
与するためにセラミックス被膜を形成することが提案さ
れており、例えば、特開昭63−27223号公報に、
射出成形用金型の射出成形表面の一部または全部にセラ
ミックス被膜を真空蒸着法もしくはCVD法により形成
した射出成形用金型が記載されている。しかしながら、
上記射出成形用金型においては、真空蒸着法によってセ
ラミックス被膜を形成した場合、セラミックス被膜と金
型基材との密着性、金型基材の凹凸表面部でのセラミッ
クス被膜の膜厚均一性、表面硬度等が劣るという欠点が
あり、CVD法によってセラミックス被膜を形成した場
合、被膜形成温度が高いために金型基材が熱により寸法
変化を起こし、所定形状の成形体が得られないという欠
点があった。
与するためにセラミックス被膜を形成することが提案さ
れており、例えば、特開昭63−27223号公報に、
射出成形用金型の射出成形表面の一部または全部にセラ
ミックス被膜を真空蒸着法もしくはCVD法により形成
した射出成形用金型が記載されている。しかしながら、
上記射出成形用金型においては、真空蒸着法によってセ
ラミックス被膜を形成した場合、セラミックス被膜と金
型基材との密着性、金型基材の凹凸表面部でのセラミッ
クス被膜の膜厚均一性、表面硬度等が劣るという欠点が
あり、CVD法によってセラミックス被膜を形成した場
合、被膜形成温度が高いために金型基材が熱により寸法
変化を起こし、所定形状の成形体が得られないという欠
点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、金型基材との
密着性、金型基材の凹凸表面部での膜厚均一性等に優れ
たセラミックス被膜が、金型表面の溶融樹脂と接触する
面に形成された表面硬度が大きく、しかも耐食性に優れ
た塩化ビニル系樹脂成形用金型を提供することにある。
鑑みてなされたものであり、その目的は、金型基材との
密着性、金型基材の凹凸表面部での膜厚均一性等に優れ
たセラミックス被膜が、金型表面の溶融樹脂と接触する
面に形成された表面硬度が大きく、しかも耐食性に優れ
た塩化ビニル系樹脂成形用金型を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化ビニル系樹
脂成形用金型は、金型基材の表面にイオンプレ−ティン
グ法またはプラズマCVD法を用いてダイヤモンド状炭
素被膜を形成することによって得られ、上記被膜は、金
型基材表面の少なくとも溶融した塩化ビニル系樹脂が接
触する面に形成されている。上記成形用金型としては特
に限定されるものではなく、例えば、射出成形用金型、
押出成形用金型等があげられる。上記金型基材の材質と
しては特に限定されるものではなく、プラスチック金型
用として従来公知のものが使用でき、例えば、炭素鋼
系、ステンレス鋼系、クロムモリブデン鋼、ニッケルク
ロムモリブデン鋼、熱間ダイス鋼、時効硬化型合金鋼等
の合金鋼系等があげられる。
脂成形用金型は、金型基材の表面にイオンプレ−ティン
グ法またはプラズマCVD法を用いてダイヤモンド状炭
素被膜を形成することによって得られ、上記被膜は、金
型基材表面の少なくとも溶融した塩化ビニル系樹脂が接
触する面に形成されている。上記成形用金型としては特
に限定されるものではなく、例えば、射出成形用金型、
押出成形用金型等があげられる。上記金型基材の材質と
しては特に限定されるものではなく、プラスチック金型
用として従来公知のものが使用でき、例えば、炭素鋼
系、ステンレス鋼系、クロムモリブデン鋼、ニッケルク
ロムモリブデン鋼、熱間ダイス鋼、時効硬化型合金鋼等
の合金鋼系等があげられる。
【0006】上記ダイヤモンド状炭素被膜の膜厚は、薄
くなると被覆面の表面硬度が低下したり、被膜にピンホ
−ルが発生して耐食性が低下し、厚くなると被膜の残留
応力が増加して金型基材との密着性が低下するので、
0.5〜5μmが好ましく、より好ましくは1〜2μm
である。上記ダイヤモンド状炭素被膜をイオンプレ−テ
ィング法により形成するには、ダイヤモンド状炭素被膜
を構成するグラファイトを蒸発させ、同時にアルゴンと
水素の混合ガスを導入し、電界を設けることによってプ
ラズマを発生させて炭素粒子のイオン化を行う。そして
金型基材に直流電圧を印加して、金型基材上に目的とす
るダイヤモンド状炭素被膜を形成させればよい。
くなると被覆面の表面硬度が低下したり、被膜にピンホ
−ルが発生して耐食性が低下し、厚くなると被膜の残留
応力が増加して金型基材との密着性が低下するので、
0.5〜5μmが好ましく、より好ましくは1〜2μm
である。上記ダイヤモンド状炭素被膜をイオンプレ−テ
ィング法により形成するには、ダイヤモンド状炭素被膜
を構成するグラファイトを蒸発させ、同時にアルゴンと
水素の混合ガスを導入し、電界を設けることによってプ
ラズマを発生させて炭素粒子のイオン化を行う。そして
金型基材に直流電圧を印加して、金型基材上に目的とす
るダイヤモンド状炭素被膜を形成させればよい。
【0007】上記イオンプレ−ティング法としては特に
限定されるものではなく、従来公知の方法が使用でき、
例えば、中空陰極放電法(以下、HCD法という)、イ
オン化蒸着法、直流放電法、高周波励起法等の方式があ
げられる。なお、これら各方式の相違点は、グラファイ
トの蒸発方法および蒸発粒子のイオン化方法が異なって
いる点にある。
限定されるものではなく、従来公知の方法が使用でき、
例えば、中空陰極放電法(以下、HCD法という)、イ
オン化蒸着法、直流放電法、高周波励起法等の方式があ
げられる。なお、これら各方式の相違点は、グラファイ
トの蒸発方法および蒸発粒子のイオン化方法が異なって
いる点にある。
【0008】上記各方式を用いてダイヤモンド状炭素被
膜を金型基材上に形成するプロセスとしては、例えば、
金型基材を真空容器内に供給し、金型基材を加熱すると
ともに真空容器内を所定の真空度に減圧し、その後、グ
ラファイトを蒸発させ、同時にアルゴンと水素の混合ガ
スを導入し、電界を設けることによってプラズマを発生
させて炭素粒子のイオン化を行う。そして金型基材に直
流電圧を印加して、金型基材上に目的とするダイヤモン
ド状炭素被膜を形成するプロセスがあげられる。
膜を金型基材上に形成するプロセスとしては、例えば、
金型基材を真空容器内に供給し、金型基材を加熱すると
ともに真空容器内を所定の真空度に減圧し、その後、グ
ラファイトを蒸発させ、同時にアルゴンと水素の混合ガ
スを導入し、電界を設けることによってプラズマを発生
させて炭素粒子のイオン化を行う。そして金型基材に直
流電圧を印加して、金型基材上に目的とするダイヤモン
ド状炭素被膜を形成するプロセスがあげられる。
【0009】上記プロセスにおいて、金型基材の加熱温
度は、低くなると得られるダイヤモンド状炭素被膜と金
型基材との密着性が低下し、高くなると金型基材が変形
し、金型の寸法精度が悪くなるので、200〜800℃
が好ましく、より好ましくは200〜600℃であり、
真空容器内の真空度は、低くなると得られるダイヤモン
ド状炭素被膜に不純物が混入して被膜の硬度が低下する
ので、5×10-5Torr以下が好ましく、より好ましくは
1×10-2〜1×10-3Torrである。また、金型基材に
印加する直流電圧は、用いるイオンプレ−ティングの方
式によって異なり、金型基材に印加する直流電圧が大き
すぎても小さすぎても得られる被膜の硬度が低下するの
で、その好適範囲が、イオンプレ−ティングの方式およ
び被膜の種類に応じて適宜決定される。例えば、−10
〜−1000V好ましくは−100〜−500Vであ
る。
度は、低くなると得られるダイヤモンド状炭素被膜と金
型基材との密着性が低下し、高くなると金型基材が変形
し、金型の寸法精度が悪くなるので、200〜800℃
が好ましく、より好ましくは200〜600℃であり、
真空容器内の真空度は、低くなると得られるダイヤモン
ド状炭素被膜に不純物が混入して被膜の硬度が低下する
ので、5×10-5Torr以下が好ましく、より好ましくは
1×10-2〜1×10-3Torrである。また、金型基材に
印加する直流電圧は、用いるイオンプレ−ティングの方
式によって異なり、金型基材に印加する直流電圧が大き
すぎても小さすぎても得られる被膜の硬度が低下するの
で、その好適範囲が、イオンプレ−ティングの方式およ
び被膜の種類に応じて適宜決定される。例えば、−10
〜−1000V好ましくは−100〜−500Vであ
る。
【0010】上記ダイヤモンド状炭素被膜をプラズマC
VD法により形成するには、真空容器内に金型基材を供
給し、金型基材を加熱するとともに反応ガス(例えば、
メタンと水素)を導入し所定の圧力とする。次に、高周
波等の電源を入れてプラズマを発生させてガスの分解を
起こし、金型基材上に目的とするダイヤモンド状炭素被
膜を形成させればよい。上記プラズマCVD法におい
て、プラズマを発生させる方法としては特に限定される
ものではなく、従来公知の方法が使用でき、例えば、高
周波励起法、マイクロ波法、直流放電法等の方式があげ
られる。
VD法により形成するには、真空容器内に金型基材を供
給し、金型基材を加熱するとともに反応ガス(例えば、
メタンと水素)を導入し所定の圧力とする。次に、高周
波等の電源を入れてプラズマを発生させてガスの分解を
起こし、金型基材上に目的とするダイヤモンド状炭素被
膜を形成させればよい。上記プラズマCVD法におい
て、プラズマを発生させる方法としては特に限定される
ものではなく、従来公知の方法が使用でき、例えば、高
周波励起法、マイクロ波法、直流放電法等の方式があげ
られる。
【0011】上記各方式を用いてダイヤモンド状炭素被
膜を金型基材上に形成するプロセスとしては、例えば、
金型基材を真空容器内に供給し、金型基材を加熱すると
ともに真空容器内を所定の真空度に減圧し、その後、反
応ガス(例えば、メタンと水素)を導入し所定の圧力と
する。次に、高周波等の電源を入れてプラズマを発生さ
せてガスの分解を起こし、金型基材上にダイヤモンド状
炭素被膜を形成するプロセスがあげられる。
膜を金型基材上に形成するプロセスとしては、例えば、
金型基材を真空容器内に供給し、金型基材を加熱すると
ともに真空容器内を所定の真空度に減圧し、その後、反
応ガス(例えば、メタンと水素)を導入し所定の圧力と
する。次に、高周波等の電源を入れてプラズマを発生さ
せてガスの分解を起こし、金型基材上にダイヤモンド状
炭素被膜を形成するプロセスがあげられる。
【0012】上記プロセスにおいて、金型基材の加熱温
度は、低くなると得られる被膜がグラファイト状炭素被
膜になりやすく、高くなると金型基材の変形または金型
基材とダイヤモンド状炭素被膜との熱膨張率の差が大き
くなって被膜の剥離が生じやすくなるので、200〜8
00℃が好ましい。真空容器内の真空度は、低く過ぎて
も高すぎてもグラファイト状炭素被膜が生成しやすくな
るので、0.01〜0.5Torrが好ましく、より好まし
くは0.05〜0.2Torrである。プラズマ化のための
電源出力は例えば高周波の場合は、低すぎると炭素源の
励起が不十分のためグラファイト化し易く、高すぎると
被膜の成長速度が早すぎてグラファイト化が進行するの
で、500〜800W程度が好ましい。反応ガスとして
は、炭素と水素を含有するガスであり、例えば、メタ
ン、エタン、プロパン等のアルカン系ガス類;エチレ
ン、プロピレン等のアルケン系ガス類;ぺンタジエン、
ブタジエン等のアルカジエン系ガス類;アセチレン等の
アルキン系ガス類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素系ガス類;メタノール、エタノール等のアルコール
系ガス類等のガス類が挙げられる。これらのガスは、単
独で使用されてもよいし、二種以上併用されてもよい。
また、反応ガスとしては、上記ガスと水素ガスとの混合
ガスも好適に使用される。例えばメタンと水素ガスとの
混合ガスが使用される場合は、メタンが多すぎると被膜
の内部応力が増加し剥離し易くなり、少なすぎると炭素
源が不足して被膜が形成されにくくなるので、メタン混
合比としては10〜60vol%が好ましい。
度は、低くなると得られる被膜がグラファイト状炭素被
膜になりやすく、高くなると金型基材の変形または金型
基材とダイヤモンド状炭素被膜との熱膨張率の差が大き
くなって被膜の剥離が生じやすくなるので、200〜8
00℃が好ましい。真空容器内の真空度は、低く過ぎて
も高すぎてもグラファイト状炭素被膜が生成しやすくな
るので、0.01〜0.5Torrが好ましく、より好まし
くは0.05〜0.2Torrである。プラズマ化のための
電源出力は例えば高周波の場合は、低すぎると炭素源の
励起が不十分のためグラファイト化し易く、高すぎると
被膜の成長速度が早すぎてグラファイト化が進行するの
で、500〜800W程度が好ましい。反応ガスとして
は、炭素と水素を含有するガスであり、例えば、メタ
ン、エタン、プロパン等のアルカン系ガス類;エチレ
ン、プロピレン等のアルケン系ガス類;ぺンタジエン、
ブタジエン等のアルカジエン系ガス類;アセチレン等の
アルキン系ガス類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素系ガス類;メタノール、エタノール等のアルコール
系ガス類等のガス類が挙げられる。これらのガスは、単
独で使用されてもよいし、二種以上併用されてもよい。
また、反応ガスとしては、上記ガスと水素ガスとの混合
ガスも好適に使用される。例えばメタンと水素ガスとの
混合ガスが使用される場合は、メタンが多すぎると被膜
の内部応力が増加し剥離し易くなり、少なすぎると炭素
源が不足して被膜が形成されにくくなるので、メタン混
合比としては10〜60vol%が好ましい。
【0013】本発明の塩化ビニル系樹脂成形用金型は、
上述した方法で得られるが、得られるダイヤモンド状炭
素被膜と金型基材との密着性を向上させるために、ダイ
ヤモンド状炭素被膜を形成する前に予め金型基材の被膜
形成予定面を有機溶剤で洗浄し、さらに減圧下でArガ
ス等の不活性ガスでイオンボンバ−ド処理して金型基材
の被膜形成予定面を清浄にしておくのが好ましい。
上述した方法で得られるが、得られるダイヤモンド状炭
素被膜と金型基材との密着性を向上させるために、ダイ
ヤモンド状炭素被膜を形成する前に予め金型基材の被膜
形成予定面を有機溶剤で洗浄し、さらに減圧下でArガ
ス等の不活性ガスでイオンボンバ−ド処理して金型基材
の被膜形成予定面を清浄にしておくのが好ましい。
【0014】本発明の塩化ビニル系樹脂成形用金型を用
いて成形される塩化ビニル系樹脂としては、成形体とし
て使用されている従来公知のものが用いられてよく、塩
化ビニルの単独重合体の他に、塩化ビニルと塩化ビニル
以外の重合性単量体が共重合された共重合体、塩化ビニ
ル以外の重合体に塩化ビニルをグラフトさせたグラフト
共重合体等が使用できる。上記重合性単量体としては、
例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレ
フィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル類などがあげられる。これらは、単独で使用さ
れてもよいし2種以上併用されてもよい。上記塩化ビニ
ル以外の重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等があげら
れる。
いて成形される塩化ビニル系樹脂としては、成形体とし
て使用されている従来公知のものが用いられてよく、塩
化ビニルの単独重合体の他に、塩化ビニルと塩化ビニル
以外の重合性単量体が共重合された共重合体、塩化ビニ
ル以外の重合体に塩化ビニルをグラフトさせたグラフト
共重合体等が使用できる。上記重合性単量体としては、
例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレ
フィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル類などがあげられる。これらは、単独で使用さ
れてもよいし2種以上併用されてもよい。上記塩化ビニ
ル以外の重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等があげら
れる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0016】実施例1 図1は、本実施例に使用した塩化ビニル系樹脂射出成形
用金型(45×30×3mmの平板状のテストピ−ス製造
用金型)の中心断面模式図である。図1において、1は
移動型、2は固定型、3はキャビティである。4はラン
ナーであり、図示しない射出成形機のノズルに接続さ
れ、ここから溶融された塩化ビニル系樹脂がキャビティ
3に入る。5は、溶融した塩化ビニル系樹脂との接触面
である。図1に示した移動型1および固定型2(金型基
材材質は、S45C炭素鋼)をトリクレンを用いて超音
波洗浄を行い、表面の油分を除去した後、HCD法イオ
ンプレ−ティング装置(日本真空技術社製、型式;IP
B60/60)に供給し、下記成膜条件にて接触面5に
ダイヤモンド状炭素被膜を形成した。 (成膜条件) (1)初期真空度:2×10-5Torr (2)金型基材加熱温
度:500℃ (3)Arボンバ−ド処理時のArガス圧力
および電圧:0.1Torrおよび500V (4)蒸発源:グ
ラファイト(純度99.8%) (5)導入ガス:H2 ガス
(Arガス併用) (6)成膜時の混合ガス圧力:8×10
-3Torr (7)金型基材への直流印加電圧:−300V (8)
成膜時間:30分 得られた被膜は、透光性の膜であり結晶物質と思われる
組織は観察されないこと、明瞭な電子回折像を示さない
こと、ラマン分光分析すると1520cm-1付近を中心に
かなりブロードなピークが存在すること、等からダイヤ
モンド状炭素被膜であった。
用金型(45×30×3mmの平板状のテストピ−ス製造
用金型)の中心断面模式図である。図1において、1は
移動型、2は固定型、3はキャビティである。4はラン
ナーであり、図示しない射出成形機のノズルに接続さ
れ、ここから溶融された塩化ビニル系樹脂がキャビティ
3に入る。5は、溶融した塩化ビニル系樹脂との接触面
である。図1に示した移動型1および固定型2(金型基
材材質は、S45C炭素鋼)をトリクレンを用いて超音
波洗浄を行い、表面の油分を除去した後、HCD法イオ
ンプレ−ティング装置(日本真空技術社製、型式;IP
B60/60)に供給し、下記成膜条件にて接触面5に
ダイヤモンド状炭素被膜を形成した。 (成膜条件) (1)初期真空度:2×10-5Torr (2)金型基材加熱温
度:500℃ (3)Arボンバ−ド処理時のArガス圧力
および電圧:0.1Torrおよび500V (4)蒸発源:グ
ラファイト(純度99.8%) (5)導入ガス:H2 ガス
(Arガス併用) (6)成膜時の混合ガス圧力:8×10
-3Torr (7)金型基材への直流印加電圧:−300V (8)
成膜時間:30分 得られた被膜は、透光性の膜であり結晶物質と思われる
組織は観察されないこと、明瞭な電子回折像を示さない
こと、ラマン分光分析すると1520cm-1付近を中心に
かなりブロードなピークが存在すること、等からダイヤ
モンド状炭素被膜であった。
【0017】得られたダイヤモンド状炭素被膜の膜厚、
表面硬度および密着性は、下記評価基準に基づいて評価
し、結果を表1に示した。 (評価基準)上記金型と同材質の50×50×2mmのテ
ストピ−スを金型のダイヤモンド状炭素被膜形成予定面
とほぼ同じ位置になるように5個配置し、金型と同時に
ダイヤモンド状炭素被膜を形成して評価試料とし、下記
測定方法で測定した評価試料の膜厚、表面硬度および密
着性をもって金型基材上に形成されたダイヤモンド状炭
素被膜の評価とした。
表面硬度および密着性は、下記評価基準に基づいて評価
し、結果を表1に示した。 (評価基準)上記金型と同材質の50×50×2mmのテ
ストピ−スを金型のダイヤモンド状炭素被膜形成予定面
とほぼ同じ位置になるように5個配置し、金型と同時に
ダイヤモンド状炭素被膜を形成して評価試料とし、下記
測定方法で測定した評価試料の膜厚、表面硬度および密
着性をもって金型基材上に形成されたダイヤモンド状炭
素被膜の評価とした。
【0018】(測定方法) (1)膜厚 評価試料の一部にマスキングし膜との段差を表面形状測
定器(スローン社製、型式:DEKTAK3030)に
て測定した。 (2)表面硬度 評価試料をビッカ−ス微小硬度計(明石製作所社製、型
式:マイクロハ−ドネステスタ−MVK−E)に供し、
1個の評価試料について3ヶ所(5個で15ヶ所)表面
硬度を測定し、その平均値を算出した。 (3)密着性 評価試料をアコースティック・エミッションセンサー付
自動スクラッチ試験機(CSEM社製)に供し、1個の
評価試料について3ヶ所(5個で15ヶ所)の密着性を
測定し、その平均値を算出した。なお、この測定原理
は、評価試料をダイヤモンドコーンで徐々に荷重を増や
しながら(1〜200N)スクラッチし、被膜内部また
はインタフェイス部で起きる破壊をアコースティック・
エミッションセンサーにて検知し、アコースティック・
エミッション信号が急激に立ち上がる荷重をクリティカ
ル・ロードとし密着強さとするものである。
定器(スローン社製、型式:DEKTAK3030)に
て測定した。 (2)表面硬度 評価試料をビッカ−ス微小硬度計(明石製作所社製、型
式:マイクロハ−ドネステスタ−MVK−E)に供し、
1個の評価試料について3ヶ所(5個で15ヶ所)表面
硬度を測定し、その平均値を算出した。 (3)密着性 評価試料をアコースティック・エミッションセンサー付
自動スクラッチ試験機(CSEM社製)に供し、1個の
評価試料について3ヶ所(5個で15ヶ所)の密着性を
測定し、その平均値を算出した。なお、この測定原理
は、評価試料をダイヤモンドコーンで徐々に荷重を増や
しながら(1〜200N)スクラッチし、被膜内部また
はインタフェイス部で起きる破壊をアコースティック・
エミッションセンサーにて検知し、アコースティック・
エミッション信号が急激に立ち上がる荷重をクリティカ
ル・ロードとし密着強さとするものである。
【0019】次に、ダイヤモンド状炭素被膜が形成され
た塩化ビニル系樹脂成形用金型(移動型および固定型)
を射出成形機(日本製鋼所社製、型式:JC75SA)
にセットし、スクリュ−内で樹脂温が200℃となるよ
うに設定して溶融し、溶融した塩化ビニル樹脂(重合度
1000)を金型内に射出成形し、金型内で20分間滞
留させながら、金型を冷却した。上記冷却後の金型を分
解し、ダイヤモンド状炭素被膜が形成された金型表面を
バフ研磨した後、ダイヤモンド状炭素被膜が形成された
金型表面の状態を観察し、下記評価基準に基づいて耐食
性を評価し、結果を表1に示した。 (評価基準) ○:金型基材表面の腐食なし △:金型基材表面の腐食一部に発生 ×:金型基材表面の腐食全面に発生 さらに、上記耐食性評価後の金型を再び射出成形機(日
本製鋼所社製、型式:JC75SA)にセットし、18
0℃で塩化ビニル樹脂(重合度1000)を射出成形
し、得られた成形品の表面性を下記評価基準に基づいて
評価し、結果を表1に示した。 (評価基準) ○:表面にキズなし ×:表面にキズあり
た塩化ビニル系樹脂成形用金型(移動型および固定型)
を射出成形機(日本製鋼所社製、型式:JC75SA)
にセットし、スクリュ−内で樹脂温が200℃となるよ
うに設定して溶融し、溶融した塩化ビニル樹脂(重合度
1000)を金型内に射出成形し、金型内で20分間滞
留させながら、金型を冷却した。上記冷却後の金型を分
解し、ダイヤモンド状炭素被膜が形成された金型表面を
バフ研磨した後、ダイヤモンド状炭素被膜が形成された
金型表面の状態を観察し、下記評価基準に基づいて耐食
性を評価し、結果を表1に示した。 (評価基準) ○:金型基材表面の腐食なし △:金型基材表面の腐食一部に発生 ×:金型基材表面の腐食全面に発生 さらに、上記耐食性評価後の金型を再び射出成形機(日
本製鋼所社製、型式:JC75SA)にセットし、18
0℃で塩化ビニル樹脂(重合度1000)を射出成形
し、得られた成形品の表面性を下記評価基準に基づいて
評価し、結果を表1に示した。 (評価基準) ○:表面にキズなし ×:表面にキズあり
【0020】実施例2 実施例1において、成膜時間を60分に変えた以外は実
施例1と同様にしてダイヤモンド状炭素被膜が形成され
た金型を得た。得られた金型の膜厚、表面硬度、密着
性、耐食性およびその金型を用いて得られた成形品の表
面性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示し
た。
施例1と同様にしてダイヤモンド状炭素被膜が形成され
た金型を得た。得られた金型の膜厚、表面硬度、密着
性、耐食性およびその金型を用いて得られた成形品の表
面性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示し
た。
【0021】実施例3 イオンプレ−ティングの別手法としてイオン化蒸着法を
用い、下記成膜条件にて金型の塩化ビニル樹脂との接触
面5にダイヤモンド状炭素被膜を形成した。 (成膜条件) (1)初期真空度:2×10-5Torr (2)金型基材加熱温
度:500℃ (3)Arボンバ−ド処理時のArガス圧力
および電圧:0.1Torrおよび500V (4)蒸発源:グ
ラファイト(純度99.8%) (5)導入ガス:H2 ガス
(Arガス併用) (6)成膜時の混合ガス圧力:7.5×
10-3Torr (7)金型基材への直流印加電圧:−300V
(8)成膜時間:30分。 得られた金型の膜厚、表面硬度、密着性、耐食性および
その金型を用いて得られた成形品の表面性を実施例1と
同様にして評価し、結果を表1に示した。
用い、下記成膜条件にて金型の塩化ビニル樹脂との接触
面5にダイヤモンド状炭素被膜を形成した。 (成膜条件) (1)初期真空度:2×10-5Torr (2)金型基材加熱温
度:500℃ (3)Arボンバ−ド処理時のArガス圧力
および電圧:0.1Torrおよび500V (4)蒸発源:グ
ラファイト(純度99.8%) (5)導入ガス:H2 ガス
(Arガス併用) (6)成膜時の混合ガス圧力:7.5×
10-3Torr (7)金型基材への直流印加電圧:−300V
(8)成膜時間:30分。 得られた金型の膜厚、表面硬度、密着性、耐食性および
その金型を用いて得られた成形品の表面性を実施例1と
同様にして評価し、結果を表1に示した。
【0022】実施例4 実施例3において、成膜時間を60分に変えた以外は実
施例3と同様にしてダイヤモンド状炭素被膜が形成され
た金型を得た。得られた金型の膜厚、表面硬度、密着
性、耐食性およびその金型を用いて得られた成形品の表
面性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示し
た。
施例3と同様にしてダイヤモンド状炭素被膜が形成され
た金型を得た。得られた金型の膜厚、表面硬度、密着
性、耐食性およびその金型を用いて得られた成形品の表
面性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示し
た。
【0023】実施例5 図1に示した移動型1および固定型2(金型基材材質
は、S45C炭素鋼)をトリクレンを用いて超音波洗浄
を行い、表面の油分を除去した後、高周波プラズマCV
D装置に供給し、下記成膜条件にて接触面5にダイヤモ
ンド状炭素被膜を形成した。 (成膜条件) (1)反応ガス:メタンおよび水素(メタン混合比:40
vol%) (2)ガス圧力:0.1Torr(3) 高周波出力:
700W (4)金型基材加熱温度:700℃ (4)成膜時
間:60分 得られた被膜は、透光性の膜であり結晶物質と思われる
組織は観察されないこと、明瞭な電子回折像を示さない
こと、ラマン分光分析すると1520cm-1付近を中心に
かなりブロードなピークが存在すること、等からダイヤ
モンド状炭素被膜であった。得られたダイヤモンド状炭
素被膜の膜厚、表面硬度、密着性、耐食性およびその金
型を用いて得られた射出成形品の表面性を実施例1と同
様にして評価し、結果を表1に示した。
は、S45C炭素鋼)をトリクレンを用いて超音波洗浄
を行い、表面の油分を除去した後、高周波プラズマCV
D装置に供給し、下記成膜条件にて接触面5にダイヤモ
ンド状炭素被膜を形成した。 (成膜条件) (1)反応ガス:メタンおよび水素(メタン混合比:40
vol%) (2)ガス圧力:0.1Torr(3) 高周波出力:
700W (4)金型基材加熱温度:700℃ (4)成膜時
間:60分 得られた被膜は、透光性の膜であり結晶物質と思われる
組織は観察されないこと、明瞭な電子回折像を示さない
こと、ラマン分光分析すると1520cm-1付近を中心に
かなりブロードなピークが存在すること、等からダイヤ
モンド状炭素被膜であった。得られたダイヤモンド状炭
素被膜の膜厚、表面硬度、密着性、耐食性およびその金
型を用いて得られた射出成形品の表面性を実施例1と同
様にして評価し、結果を表1に示した。
【0024】比較例1 実施例1において、イオンプレ−ティング装置の代わり
に真空蒸着装置(昭和真空社製、型式:SGC−22W
A)を用い、成膜条件を下記の条件とした以外は実施例
1と同様にしてTiN被膜が形成された金型を得た。 (成膜条件) (1)初期真空度:1×10-5Torr (2)金型基材加熱温
度:500℃ (3)Arボンバ−ド処理時のArガス圧力
および電圧:0.1Torrおよび500V (4)蒸発源とな
る金属:Ti(純度99.7%) (5)反応性ガス:N2
ガス (6)成膜時のN 2 ガス圧力:0.4×10-3Torr
(7)成膜時間:40分 得られた金型の膜厚、表面硬度、密着性、耐食性および
その金型を用いて得られた射出成形品の表面性を実施例
1と同様にして評価し、結果を表1に示した。
に真空蒸着装置(昭和真空社製、型式:SGC−22W
A)を用い、成膜条件を下記の条件とした以外は実施例
1と同様にしてTiN被膜が形成された金型を得た。 (成膜条件) (1)初期真空度:1×10-5Torr (2)金型基材加熱温
度:500℃ (3)Arボンバ−ド処理時のArガス圧力
および電圧:0.1Torrおよび500V (4)蒸発源とな
る金属:Ti(純度99.7%) (5)反応性ガス:N2
ガス (6)成膜時のN 2 ガス圧力:0.4×10-3Torr
(7)成膜時間:40分 得られた金型の膜厚、表面硬度、密着性、耐食性および
その金型を用いて得られた射出成形品の表面性を実施例
1と同様にして評価し、結果を表1に示した。
【0025】比較例2 イオンプレ−ティングの代わりに熱CVD装置を用い、
下記成膜条件にて接触面5にダイヤモンド状炭素被膜を
形成した。 (成膜条件) (1)反応ガス:メタンおよび水素(メタン混合比:10
vol%) (2)ガス圧力:1Torr (3)金型基材加熱温
度:1000℃ (4)成膜時間:120分 得られた金型の膜厚、表面硬度、密着性、耐食性および
その金型を用いて得られた射出成形品の表面性を実施例
1と同様にして評価し、結果を表1に示した。
下記成膜条件にて接触面5にダイヤモンド状炭素被膜を
形成した。 (成膜条件) (1)反応ガス:メタンおよび水素(メタン混合比:10
vol%) (2)ガス圧力:1Torr (3)金型基材加熱温
度:1000℃ (4)成膜時間:120分 得られた金型の膜厚、表面硬度、密着性、耐食性および
その金型を用いて得られた射出成形品の表面性を実施例
1と同様にして評価し、結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂成形用金型の
構成は前記した通りであり、イオンプレ−ティング法ま
たはプラズマCVD法によって、ダイヤモンド状炭素被
膜が金型基材表面の少なくとも溶融した塩化ビニル系樹
脂と接触する面に形成され、形成されたダイヤモンド状
炭素被膜が表面硬度、金型基材との密着性、金型基材の
凹凸表面部での膜厚均一性等に優れているから、上記塩
化ビニル系樹脂成形用金型はメンテナンス時のバフ研磨
によるキズ防止、酸性ガスによる腐食防止等が可能とな
る。その結果、上記塩化ビニル系樹脂成形用金型を用い
て得られる塩化ビニル系樹脂成形品の表面には、長期ラ
ンニング時においても、筋、かすれ等の外観不良が発生
しなくなる。
構成は前記した通りであり、イオンプレ−ティング法ま
たはプラズマCVD法によって、ダイヤモンド状炭素被
膜が金型基材表面の少なくとも溶融した塩化ビニル系樹
脂と接触する面に形成され、形成されたダイヤモンド状
炭素被膜が表面硬度、金型基材との密着性、金型基材の
凹凸表面部での膜厚均一性等に優れているから、上記塩
化ビニル系樹脂成形用金型はメンテナンス時のバフ研磨
によるキズ防止、酸性ガスによる腐食防止等が可能とな
る。その結果、上記塩化ビニル系樹脂成形用金型を用い
て得られる塩化ビニル系樹脂成形品の表面には、長期ラ
ンニング時においても、筋、かすれ等の外観不良が発生
しなくなる。
【0028】
【図1】図1は、塩化ビニル系樹脂射出成形用金型の中
心断面模式図である。
心断面模式図である。
1 移動型 2 固定型 3 キャビティ 4 ランナー 5 溶融した塩化ビニル系樹脂との接触面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 27:06
Claims (1)
- 【請求項1】塩化ビニル系樹脂を成形するための金型で
あって、金型基材表面の少なくとも溶融した塩化ビニル
系樹脂と接触する面に、イオンプレーティング法または
プラズマCVD法によりダイヤモンド状炭素被膜が形成
されていることを特徴とする塩化ビニル系樹脂成形用金
型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25972992A JPH06106543A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 塩化ビニル系樹脂成形用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25972992A JPH06106543A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 塩化ビニル系樹脂成形用金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06106543A true JPH06106543A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=17338136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25972992A Pending JPH06106543A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 塩化ビニル系樹脂成形用金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06106543A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1048432A1 (en) * | 1999-04-28 | 2000-11-02 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Mold and method for producing molded fluoroelastomer parts |
US6733682B1 (en) * | 1999-09-10 | 2004-05-11 | Amic Ab | Method for the manufacturing of a matrix and a matrix manufactured according to the method |
WO2013166175A3 (en) * | 2012-05-03 | 2013-12-27 | Us Synthetic Corporation | Superhard components for injection molds |
US8678801B2 (en) | 2011-01-12 | 2014-03-25 | Us Synthetic Corporation | Injection mold assembly including an injection mold cavity at least partially defined by a polycrystalline diamond material |
US8702412B2 (en) | 2011-01-12 | 2014-04-22 | Us Synthetic Corporation | Superhard components for injection molds |
-
1992
- 1992-09-29 JP JP25972992A patent/JPH06106543A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1048432A1 (en) * | 1999-04-28 | 2000-11-02 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Mold and method for producing molded fluoroelastomer parts |
US6468463B1 (en) | 1999-04-28 | 2002-10-22 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Method for producing molded fluoroelastomer parts |
US6733682B1 (en) * | 1999-09-10 | 2004-05-11 | Amic Ab | Method for the manufacturing of a matrix and a matrix manufactured according to the method |
US8678801B2 (en) | 2011-01-12 | 2014-03-25 | Us Synthetic Corporation | Injection mold assembly including an injection mold cavity at least partially defined by a polycrystalline diamond material |
US8702412B2 (en) | 2011-01-12 | 2014-04-22 | Us Synthetic Corporation | Superhard components for injection molds |
US9193103B2 (en) | 2011-01-12 | 2015-11-24 | Us Synthetic Corporation | Methods of injection molding |
US9199400B2 (en) | 2011-01-12 | 2015-12-01 | Us Synthetic Corporation | Methods of injection molding an article |
US9868229B2 (en) | 2011-01-12 | 2018-01-16 | Us Synthetic Corporation | Methods of injection molding an article |
WO2013166175A3 (en) * | 2012-05-03 | 2013-12-27 | Us Synthetic Corporation | Superhard components for injection molds |
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