JP2655583B2 - 新規な百日咳毒素変異体、このような変異体を生産し得るボルデテラ菌株及び抗百日咳菌ワクチンの開発に於けるそれらの使用 - Google Patents

新規な百日咳毒素変異体、このような変異体を生産し得るボルデテラ菌株及び抗百日咳菌ワクチンの開発に於けるそれらの使用

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JP2655583B2 JP2111865A JP11186590A JP2655583B2 JP 2655583 B2 JP2655583 B2 JP 2655583B2 JP 2111865 A JP2111865 A JP 2111865A JP 11186590 A JP11186590 A JP 11186590A JP 2655583 B2 JP2655583 B2 JP 2655583B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の産業上の利用分野) 本発明は、百日咳毒素変異体を生産し分泌し得る、減
少された毒性を有するかまたは毒性をもたない新規な免
疫学的に活性な百日咳毒素菌株、それらの調製のための
手段及び方法、並びに有効な抗百日咳菌ワクチンを開発
するためのそれらの使用に関する。
また、本発明は、活性成分として少なくとも一種の免
疫学的に活性な百日咳毒素変異体を含み、しかも減少さ
れた毒性を有するかまたは毒性をもたない抗百日咳菌ワ
クチンとして好適な免疫原性製剤(これはホルムアルデ
ヒドにより処理されていてもよい)、または上記の変異
体を生産し分泌し得るボルデテラ菌株もしくは百日咳菌
ワクチンを生産し得ないtoxボルデテラ菌株に関する。
(従来の技術) 百日咳、即ち痙攣性せき及び重い呼吸シンソマトロジ
ィ(sinthomatology)の発作を特徴とするバクテリア源
の感染症は、全年齢の個人を冒し、幼年期の場合には、
患者の0.5%で致命的である。
百日咳菌(これは百日咳の病因学的因子である)は、
病原性段階(段階I)中に一連の毒性成分を生産し、そ
の中で百日咳毒素(PT)がその疾患の主な病原性因子に
相当するだけでなく、重大な免疫原に相当する。
PT(これは5つの異なるサブユニット(S1,S2,S3,S4,
及びS5)からなるアンヘキサマー(anhexamer)の構造
を有する)は、実際に、百日咳に対して保護を与えるの
に充分な量の抗体を実験動物に誘導し得る。
感染の発生率は、好適なワクチンによる個人の免疫化
により制御し得る。
現在、細胞ワクチンが使用され、これはメルチオレー
ト(merthiolate)により処理され56℃で殺された病原
性百日咳菌の全細胞からなるワクチンである。
しかしながら、上記のワクチンは、保護免疫を与える
が、単なる水泡、紅斑及び発熱から痙攣及び脳損傷に至
る範囲の望ましくない副作用を生じることがある。これ
らの動機に関し、上記のワクチンの使用は最近数年間で
著しく減少されてきており、その患者の新しい大発生を
もたらした。
それ故、無細胞ワクチンが、ホルムアルデヒド(サト
ウ(Sato)ら著、Infect.Immun.41巻、313〜320頁(198
3年))、グルタルアルデヒド(クエンチン−ミレット
(Quentin−Millet)ら著、J.Bio.Stand.16巻、99〜108
頁(1988年))、テトラニトロメタン(シバー(Sibe
r)ら、1988年;ウィンドベリィ(Windberry)ら、1988
年、International Workshop of Bordetell pertussi
s、ハミルトン(Hamilton)、MO)、トリニトロベンゼ
ンスルホン酸(フィッシュ(Fisch)ら著、Infect.Immu
n.44巻、1〜16頁(1984年))、過酸化水素(セクラ
(Sekura)ら著、Infect.Immun.113巻、806〜813頁(19
83年))の如き種々の化学試薬により解毒された病原性
百日咳により生産され分泌された一種以上の抗原毒性タ
ンパク質からなる技術に於いて提案された。
しかしながら、上記の解毒方法は、下記の欠点を呈す
る。
−タンパク質毒性の復帰。実際に、ホルムアルデヒドで
解毒されたPTまたはPT及び糸状血球凝集素(両方ととも
にホルムアルデヒドにより処理されている)のみからな
る無細胞ワクチン(サトウY.ら著(Lancet i、122〜126
頁、1984年))は、子供の80%をその疾患から保護し、
50〜60%を感染から保護する(Ad hoc Group for the S
tudy of Pertussis Vaccines、Lancet 1巻、959〜960
頁、1988年)が、毒性の復帰を示す(ソートサエター
(Sortsaeter)J.ら著、Pediatr.Infect.Dis.J.,7巻、6
37〜645頁、1988年); −解毒段階に必要とされる苛酷な条件によりひき起こさ
れる抗原タンパク質の減少された免疫原性; −解毒生産物の再現性の欠如; −夫々の調製に関して復帰を評価する試験(これらの試
験を長時間を要する)の必要なこと、及び最後に、 −このような抗原タンパク質の調製に使用される人々に
関して、多量の毒性物質を取扱うことに於ける危険性。
知られているように、百日咳毒素の毒性は、そのS1サ
ブユニットのADP−リボシル−トランスフェラーゼ活性
により媒介される。上記欠点のない百日咳ワクチンの調
製に適した、野生型百日咳毒素(PT)に関して変化され
た毒性を有する分子を得る目的のため、S1のN−末端部
分及び/またはC−末端部分の一連の欠失変異体、並び
にイタリア特許出願第22481号A(1987年1月21日出
願)に開示されているような、一つ以上のアミノ酸置換
を配列中に含む、S1に類似性の一連のペプチドが、構成
され、大腸菌で形質発現された。
実際に、百日咳毒素のサブユニットS1をコードするDN
Aフラグメントは、部位特異性の突然変異誘発により修
飾されて、特異性部位中に、PT中に存在するアミノ酸残
基と異なるアミノ酸残基を含むサブユニットをコードし
た。上記の処理された大腸菌株の培養により得られたペ
プチドは、百日咳毒素の一つに関連して変化された大腸
菌株の培養により得られたペプチドは、百日咳毒素の一
つに関して変化された毒性を示した。しかしながら、上
記のペプチドは、MS2バクテリオファージのポリメラー
ゼの98個のアミノ酸のアミノ末端配列に融合されたタン
パク質として形質発現された。
更に、生体内(マウス)中で試験された場合、上記の
ペプチドは、おそらく、それらがそのままでは、それら
が天然分子中で呈するのと同じ立体配座構造を示し得な
いという理由のため、保護抗百日咳抗体の生成を誘導し
得なかった。それ故、異種タンパク質(即ち、宿主微生
物菌株により自然に生産されないタンパク質)を得るた
めに、DNA組換え技術により処理された大腸菌の如き宿
主微生物を用いる方法は、所望の免疫原性を有する生産
物の調製に適さないようである。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、従来技術の欠点のない、抗体百日咳
ワクチンの調製に適する免疫原を得ることである。これ
は、本発明によれば、減少された毒性を有するかまたは
毒性をもたない百日咳毒素変異体を形質発現し分泌し得
る新規なボルデテラ菌株を提供することにより得られ
る。
それ故、本発明の別の目的は、サブユニットのS1アミ
ノ酸配列の特異性部位中に、一つ以上の欠失残基または
異なるアミノ酸残基により置換された残基を含むことを
特徴とする、減少された毒性を有するかまたは毒性をも
たない免疫活性な変異体を得ることである。
本発明は、0.035%〜0.420%の重量/容量%のホルム
アルデヒドによる処理により得られる、熱安定性及び減
少された、もしくは不在の、分裂促進性(mitoge−nene
tic property)及び血球凝集性を特徴とする、毒性のな
い、もしくは減少された毒性を有する免疫活性な百日咳
毒素変異体である。
本発明の更に別の目的は、減少された毒性を示すかま
たは毒性を示さない免疫活性な百日咳毒素変異体を生産
し分泌し得るボルデテラ菌株である。
本発明の別の目的は、このようなホルデテラ菌株を調
製する方法である。
本発明の更に別の目的は、好適な条件中でこのような
突然変異ボルデテラ菌株を培養することを含む、減少さ
れた毒性を有するかまたは毒性をもたない免疫活性な百
日咳毒素変異体の調製方法である。
本発明の別の目的は、抗百日咳の有効な細胞ワクチン
の調製のために、減少された毒性を示すかまたは毒性を
示さない百日咳毒素の免疫活性変異体を生産し分泌し得
るボルデテラ菌株、及び/または百日咳毒素を生産し得
ないΔtoxボルデテラ菌株を使用することである。
本発明の別の目的は、有効な抗百日咳無細胞ワクチン
の調製のために、必要によりホルムアルデヒドにより処
理された、減少された毒性を有するかまたは毒性をもた
ない免疫活性な百日咳毒素変異体を使用することであ
る。
更に、本発明は、目的として、免疫有効量の上記のボ
ルデテラ菌株を含む、病原性百日咳菌から誘導する感染
に対して有効な保護応答を人に誘導し得る無細胞ワクチ
ンとして適する免疫原性製剤を有する。
本発明の更に別の目的は、免疫有効量の、減少された
毒性を有するかまたは毒性をもたない免疫活性な百日咳
毒素変異体(上記の変異体は必要によりホルムアルデヒ
ドで処理される)を含む、病原性百日咳菌から誘導する
感染に対して有効な保護応答を人に生し得る無細胞ワク
チンとして好適な免疫原性製剤である。
本発明の別の目的は、以下の説明及び実施例を読むこ
とにより明らかにされる。
(課題を解決するための手段) 特に、本発明の減少された毒性を有するかまたは毒性
をまたない免疫活性な百日咳毒素変異体は、サブユニッ
ト1のアミノ酸配列のアミノ酸残基Glu 129,Asp 11,Trp
26,Arg 9,Phe 50,Asp 1,Arg 13,Tyr 130,Gly 86,Ile 8
8,Try 89,Tyr 8,Gly 44,Thr 53及びGly 80の少なくとも
一つが欠失されるか、または天然アミノ酸の群から選ば
れた異なるアミノ酸により置換されるという事実を特徴
とする。
本発明の好ましい百日咳毒素変異体は、アミノ酸残基
Glu 129とアミノ酸残基Arg9,Asp 11,Asp 13及びTrp 26
の少なくとも一つが、欠失されるか、または天然アミノ
酸の群から選ばれた異なるアミノ酸残基により置換され
るという事実を特徴とする、百日咳毒素変異体である。
本発明の実施態様によれば、百日咳毒素変異体は、表
II、欄1に示されたアミノ酸置換を含む。この表中、第
一行には突然変異タンパク質の名称が示され、第二行に
は、行われた突然変異の型が示され、第三行には、突然
変異に利用されたヌクレオチド配列が示される。
これらの中で、下記の百日咳毒素変異体が、特に好ま
しい。PT 28G(PT−129G)、L9/28G(PT−9K/129G)、L
13/28G(PT−13L/129G)、I26/28G(PT−26I/129G)、L
13/I26/28G(PT−13L/26I/129G)、PT−88E/89S及びE88
/S89/28G(PT−88E/89S/129G)。
上記の特徴を有するPT変異体は、本発明によれば、部
位特異性の突然変異誘発により突然変異された百日咳菌
から単離されたPTをコードする染色体遺伝子を含むボル
デテラ菌株の培養により,あるいはS1サブユニットをコ
ードするヌクレオチド配列の一つ以上の特異性部位中の
ヌクレオチド塩基の欠失により、得られる。
本発明によれば、上記のボルデテラ菌株は、 a)少なくとも一種の抗生物質に耐性な野生型ボルデテ
ラ菌株を選択し、 b)(a)で得られた菌株中の相同組換えにより、百日
咳毒素をコードする染色体遺伝子を異なるタンパク質を
コードする遺伝子で置換し、 c)(b)で得られたPT(Δtox)遺伝子を含まないボ
ルデテラ菌株を選択し、 d)百日咳菌から単離された百日咳毒素遺伝子を突然変
異誘発し、 e)ボルデテラを複製し得ない適当に変性されたプラス
ミド中で上記の突然変異遺伝子を導入し、 f)(c)で選択されたボルデテラ菌株(Δtox)中の
上記のプラスミドを導入し、ついで最後に g)突然変異百日咳毒素遺伝子による相同組換えが行わ
れたボルデテラ菌株を単離することを含む方法により得
られる。
本発明のボルデテラ野生型菌株は、百日菌株、パラ百
日咳菌及び気管支敗血症菌の種の中から選ばれる。最後
の二つは、百日咳毒素オペロンを有しているが、その内
部に官能プロモーターの不在のため、通常それを生産し
ない。
本発明の方法の段階a)に於いて、ボルデテラ菌株
は、突然変異体の選択を容易にするために、一種以上の
抗生物質に対して耐性にされる。
本発明の実施態様によれば、上記のボルデテラ菌株
は、ナリジクス酸(nal)及びストレプトマイシン(st
r)に対して耐性にされる。
本発明の方法の段階b)に於いて、置換は、PTと異な
るタンパク質をコードする遺伝子、例えばカナマイシン
(Kan)による、a)で得られた菌株中に含まれるPTを
コードする染色体遺伝子の相同組換えにより、行なわれ
る。その組換えは、一般に知られる技術を用いて、ボル
デテラ中で複製し得ないプラスミドを用いて行なわれて
もよい。プラスミドpRTP1が使用されることが好まし
く、その構成はスティビッツ(Stibitz)Sら、(GEN
E、50巻、133〜140頁、1986年)により記載された。
上記のプラスミドは、大腸菌株を用いて二成分で、あ
るいは云わゆるヘルパープラスミドを含む大腸菌を用い
て三成分で接合によりボルデテラ細胞中に導入されても
よい。本発明によれば、pRTP1プラスミドはEcoR I制限
酵素により消化され、ついでPTと異なるタンパク質をコ
ードする遺伝子を含み、且つヌクレオチドの中に、PT10
1 ATCC67854プラスミド中に含まれる百日咳菌PTの遺伝
子の領域1〜420及び3625〜4696に相当する配列を含むD
NA EcoR Iフラグメントとつながれる。ついで、大腸菌
細胞は、得られたプラスミドにより形質転換され、形質
転換体が通常の技術を用いて選択される。
ついで、このようにして選択された陽性のクローン
が、ボルデット−ゲンゴウ(Bordet−Gengou)(BGと称
する)培地で37℃で約48時間予め培養された、a)で得
られたボルデテラ菌株と接合される。その接合は、通常
の技術に従って、10mMのMgCl2が添加されたBG培地で37
℃で3〜6時間行なわれる。
本発明の方法の段階c)に於いて、染色体レベルで相
同組換えが行なわれたボルデテラ菌株は、好適な抗生物
質の添加により選択的にされたGB培地で選択される。na
l及びstrに耐性のボルデテラ菌株が使用され、PTと異な
る遺伝子がカナマイシンの一種である場合、培地に添加
される抗生物質はnal,str及びKanである。
この培地で増殖する菌株(三つの抗生物質に対して耐
性である)は、カナマイシン遺伝子によるPT遺伝子の完
全な置換が行なわれ、且つストレプトマイシンに対する
感受性を付与するpRTP1プラスミドを失なった菌株であ
る。
このような置換を確かめる目的で、以下にΔtoxとし
て示される上記の菌株が、サザンブロット(E.サザン
(E.Souther)著、J.Mol;Biol;98巻、503〜517頁、(19
75年))、ELISA分析(ウオン(Wong),K.H.及びスケル
トン(Skelton)S.K.J.著、Clinical Microbiol.26巻、
1316〜1320頁、1988年)及びCHO細胞に関する毒性試験
(ヒュウレット(Hewlett),E.L.ら著、Infect.Immun.4
0巻、1198〜1230頁(1983年))により、特性決定され
た。
これらの結果は、以下のことを示した。
a)PT遺伝子の分子量よりも低い分子量を有するヌクレ
オチドフラグメントのΔtox菌株染色体のDNA中の存在、
これは上記の遺伝子及びその置換体(カナマイシン遺伝
子)の両方と雑種をつくる; b)Δtox菌株のいずれもが、ELISA分析により検出可能
な量で百日咳毒素を生産、分泌し得ない; c)1/10に希釈されたボルデテラΔtoxの上澄液を用い
て測定されたCHO細胞に関する毒性は、それらの増殖を
変更し得ない。上澄液をそのまま用いて、わずかに非特
異的な毒性が観察される。
上記のΔtox菌株が病原性百日咳菌に対して保護を与
える能力を確かめる目的のため、“21/PAR7620.4 CODE
OF FEDERAL REGULATIONS、Potency test of pertussis
vaccine(百日咳ワクチンの効能試験)”に記載されて
いるように“大脳内抗原投与”分析が、行なわれる。実
施例1に示された得られた結果は上記の菌株がPTをコー
ドする遺伝子を最早有していないが、病原性百日咳菌に
よる大脳内感染に対して優れた保護を依然として誘起し
得ることを示す。
本発明の方法の段階d)に於いて、突然変異PT遺伝子
の構成はPT101 ATCC 67854プラスミド中に含まれる百日
咳菌PTをコードする遺伝子のS1サブユニットをコードす
るヌクレオチド配列の決定された部分の1種以上のヌク
レオチドを部位特異的な突然変異誘発作用によって欠失
または置換することにより行なわれる。
本発明の一つの実施態様によれば、PT遺伝子は表II中
に示された突然変異を含み、第一欄の3行に示されたヌ
クレオチド配列を用いて、構成される。
本発明の方法の段階e)に於いて、段階d)で得られ
た突然変異遺伝子がボルデテラ中で複製し得ないプラス
ミド中でクローン化される。
その目的のために、プラスミドpRTP1が利用され、ゲ
ンタマイシン(市販されている)に対する耐性をコード
する遺伝子またはテトラサイクリン(市販されている)
に対する耐性をコードする遺伝子をその制限部位BamH I
中に挿入することにより、それを変性する。このような
遺伝子のクローン化は遺伝子工学に一般に使用される既
知の技術の一つに従って行なわれる。かくして、夫々pH
TPG1及びpRTPT1として示される新規なベクターが使用さ
れて、突然変異PT遺伝子をボルデテラΔtox菌株染色体
中に挿入する。
特に、突然変異遺伝子はプラスミドpRTPG1及びpRTPT1
中でクローン化され、得られる組換えプラスミドが大腸
菌細胞中に形質転換により導入される。形質転換体は上
記のような操作により、Δtoxボルデテラ菌株と接合さ
れる。
本発明の目的に適した大腸菌細胞はサイモン(Simo
n)R、ら著、Biotech 1巻、784〜791頁、1983年に記載
された大腸菌SM10である。
最後に、本発明の方法の段階g)に於いて、ボルデテ
ラ菌株の選択が行なわれ、それらの染色体中に突然変異
PT遺伝子を含む。
特に、最初に、染色体中に組込まれた組換えプラスミ
ドを含むボルデテラ菌株の選択がnal及びゲンタマイシ
ンまたはnal及びテトラサイクリンを添加したBG培地に
よる培養によって行なわれ、ついで上記のプラスミドを
失った菌株の選択がstrを含むBG培地による培養により
行なわれる。最後に、この培地で増殖し得るコロニーが
単離され、nal,str及びKanまたはnal及びstrを含むBG培
地で培養される。この最後の培地により、この様に操作
して、Kan遺伝子の突然変異PT遺伝子により置換のため
に、カナマイシン耐性フェノタイプを失ったボルデテラ
コロニーが選択される。
上記のボルデテラ菌株が突然変異染色体遺伝子により
コードされたPT変異体の形質を発現し、分泌する能力を
確かめるために、これらの菌株の幾つかが好適な培地、
例えば実施例1に示された組成を有する培地中で培養さ
れる。生産データは下記のことを示す。
−百日咳菌株は同じ野生型菌株を培養することにより得
られる量に匹敵する量でPT変異体を生産する。
−PT毒素を通常生産しない気管支敗血症菌株及びパラ百
日咳菌株は驚くべきことに培地中でPT毒素生産、分泌し
得る。
−パラ百日咳菌株は百日咳菌株よりも多量にPT毒素を生
産する。
上記の結果は例えば、百日咳菌PTの一つの如き有効な
プロモーターによる、上記の野生型ボルデテラ中に存在
する不活性なプロモーターの置換が上記の菌株にPTまた
はPTの変異体の形質を発現することを可能にすることを
示す。
4 本発明によれば、上記のようにして得られたPT変異
体が例えばセクラ(Sekura)R.D.ら著、J.Biol.Chem.25
8巻、14647〜14651頁(1983年)に記載された精製技術
の如き、当業者に知られた精製技術の中から選ばれた精
製技術により、無細胞培地から純粋な形で取出される。
本発明によれば、或種のPT変異体の物理化学的性質、
生物学的性質及び免疫学的性質が試験管内及び生体内で
測定された。
物理化学的性質に関する限り、ポリアクリルアミドゲ
ルによるSDS中の電気泳動(SDS−PAGE)による分析は混
在タンパク質の不在及びPTの一つと同じパターンを示
し、一方、アミノ酸分析は既知のアミノ酸配列に基づい
て予想される値と一致するアミノ酸組成を示す。
更に、ジメチル(2,6−0−)β−シクロデキストリ
ンの不在がベレイ(Beley)J.G(1985年)により記載さ
れた方法(“Laboratory techniques in biochemistry
and molecular biology(生化学及び分子生物学に於け
る実験室技術)”、バードン(Burdon)R.H.及びバン・
クニッペンベルグ(Van Knippennberg)P.H.(編集)El
sevier 16巻)を用いて確認され、また、無細胞抗百日
咳ワクチンの可能な混在物質である、フェチュイン、タ
ンパク質69KD及び糸状血球凝集素の何れもの不在がこの
ようなタンパク質に特異的な抗体を利用するウエスタン
ブロッティング分析[トウビン(Towbin)H.T.ら著(19
76年、P.N.A,S.、USA,73巻、361〜365頁]により確認さ
れる。最後に、皮膚壊死性毒素の不在がキム(Kime)K.
T.ら著(1986年)(Infect、Immun、52巻、370〜377
頁)に記載されるようなモルモットに関して行なわれる
分析により確認され、一方、培地に一般に用いられる成
分であるシクロデキストリンの不在が薄膜クロマトグラ
フィーにより示される。
本発明によるPT変異体毒性の不在または減少は試験管
内及び生体内の種々の実験系で測定される。
CHO(チャイニーズハムスター卵巣細胞)細胞分析で
得られた結果は生来のPT毒性に関して10倍〜1,000,000
倍の毒性の消失までの減少を示す。特に、PT−129G,PT
−9K/129G,PT−13L/129G,PT−26I/129G,PT−13L/26I/12
9G,PT−88E/89S及びPT/88E/89S/129Gの変異体を用い
て、最良の結果が得られる。
更に、その他の分析のいずれに於いても、生産物の毒
性はここで用いた最高の投与量でも観察されなかった。
このような結果は毒性のPT活性がそのS1サブユニット
のADP−リボシルトランスフェラーゼ活性によるもので
あることを裏付ける。
S1サブユニットの遺伝子操作によっては変更されない
唯一のPT変異体活性は細胞に対する分裂促進性(mitoge
neticity)及び血球凝集能力であり、これらは、知られ
ているように、Bオリゴマーの存在により分子に付与さ
れる。実際に、分裂促進活性の存在に関して試験管内で
分析される上記のオリゴマー(表II中Bで示される)の
みを分泌する本発明のボルデテラ菌株は上記した既知の
技術の教示を裏付ける。
上記の生体内の活性の役割は未だ明らかでないが、試
験管内で確められる分裂促進効果をもつためには、高濃
度(0.3〜1.0μg/ml)が必要であることから、それは最
小または存在しなくなるべきであることが、予知し得
る。このような濃度はワクチン接種の部位にのみ存在す
る。しかしながら、本発明によれば、本発明を限定しな
いが、PT−9K/129G変異体の免疫原性が以下の実施例に
示されるように生体内で試験される。その結果は上記の
変異体が高い抗体力価を有する抗PT抗体の生成を誘起し
得ること及び上記の抗体がCHO細胞に関するPT毒性作用
を中和し得ることを示す。
それ故、突然変異PT遺伝子の構成に関して行なわれた
遺伝子操作が百日咳毒素の典型的な免疫原性を変更しな
いこと及び既知の技術に報告されたことと異なって、上
記の性質がPT S1サブユニットの酵素活性とは無関係で
あることを結論し得る。
よって、本発明により得られたボルデテラ菌株及び酵
素的に不活性なPT変異体(減少された毒性を有するかま
たは毒性をもたない)は有効な百日咳ワクチンの開発の
ための優れた候補である。
本発明に従って、抗百日咳ワクチンとして適する免疫
原性処方は上記の菌株またはそれらにより生産された変
異体を、患者に於いて免疫原性物質のためのビヒクルと
して一般に使用される担体の中から選ばれた製薬的に許
容し得る担体に添加することにより調製じ得る。このよ
うな担体の例は食塩水である。抗原生産物は溶液または
懸濁液の形で担体中に存在してもよい。また、上記の処
方は免疫応答を刺激し、それ故、ワクチン有効性を改良
するために、補助薬(アジュバント)を含んでも良い。
本発明の目的のため、好適な補助薬は例えば、リン酸ア
ルミニウム、水酸化アルミニウム、1−インターロイキ
ンもしくは2−インターロイキンまたはそれらのペプチ
ドフラグメントを含む。
抗百日咳ワクチンとして好適な免疫原性処方は一般
に、百日咳に対して有効な免疫を与えるために選ばれた
最終濃度の菌株及びそれらにより生産された突然変異体
を含む。処方後に、ワクチンは無菌容器中に導入され、
種々の温度、例えば4℃、20℃、もしくは37℃で保たれ
てもよく、または凍結乾燥されてもよい。百日咳に対し
て有効な免疫を誘起するため、都合よく処方されたワク
チンを1以上の投薬量で投与してもよい。本発明のワク
チンは通常の方法により投与し得る。その処置は一つの
投薬量またはそれより多い投薬量を継続的に投与するこ
とからなってもよい。本発明のワクチンは例えば、破傷
風トキソイドもしくはジフテリアトキソイドまたはその
他のボルデテラ抗原の如き、一種以上の抗原成分を含ん
でもよい。
最後の処方が抗百日咳ワクチン中に含まれることを確
かめるために、0.035%〜0.420%の重量/容量で表わさ
れる量(即ち、0.300〜0.025のPT変異体/ホルムアルデ
ヒド重量比に相当する)のホルムアルデヒドで安定化し
得る。
このような濃度で使用されるホルムアルデヒドは変異
体安定化を可能にすることの他に、免疫学的性質を変え
ないで、使用される濃度に応じて、分裂促進性及び血球
凝集活性の減少及び/または消失を誘起する。
ジフテリア毒素のCRM197に関する文献に記載されたこ
と(その分子のホルムアルデヒド処理が保護免疫を得る
のに必要であった)と異なって、本発明者らはホルムア
ルデヒドで安定化されたPT変異体及びホルムアルデヒド
で安定化されなかったPT変異体の両方が同じ免疫学的活
性(抗体中和の誘起及び病原性百日咳菌による大脳感染
に対する保護)を示すことを驚くべきことに見い出し
た。
両方の処方(安定化変異体を含み、または含まない)
は20℃または4℃で保たれる場合、同じ安定性を示す
が、一方、37℃では、ホルムアルデヒドで処理された変
異体に関して、一層高い安定性が観察される。
本発明の抗百日咳ワクチンは活性成分として、化学試
薬により解毒されたPTを含む既知の技術のワクチンに対
してかなりの利点を示す。本発明の遺伝子操作により得
られたPT変異体は実際に、不可逆性の毒性変更及び未変
化の免疫原性を示す。
本発明のPT変異体の安定性は人体に予想される投薬量
の1000倍である1500μg/体重1kgによる生体内試験が局
所もしくは全身の毒性反応をもたらさないという証拠に
より更に確かめられる。
要するに、本発明により突然変異されたボルデテラ菌
株及び好ましくは、それらにより生産される突然変異PT
毒素は高い免疫原性及び毒性を有しないために、所望の
特性を有する合成の細胞及び無細胞の抗百日咳ワクチン
の開発に特に適する抗原である。
本発明に従って、百日咳菌(W28)PTL9/28G(PT−9K/
129G)、パラ百日咳菌PT28G(PT−129G)及びパラ百日
咳菌PTI26/28G(PT−26I/129G)がATCC 53894,ATCC 538
92及びATCC 53893として、1989年4月5日に、ザ・アメ
リカン・タイプ・カルチャー・センター(the American
Type Culture Center)に寄託された。
以下の実施例は例示であり、本発明の限定ではない。
実施例1 百日咳毒素遺伝子を含まないボルデテラ(Δtox)変異
体の構成 百日咳菌株BP 165、BP Tohama及びBPW 28(SCLAVO S.
p.A.)、パラ百日咳菌の株BP 14(SCLAVO S.p.A.)及び
気管支敗血症菌BP 7865(SCLAVO S.p.A.)をストレプト
マイシン(str)及びナリジクス酸(nal)に耐性にす
る。
実際に、夫々の菌株の約1010個の細菌を800μg/mlのs
trまたは200μg/mlのnalを含み、15%のフィブリンが除
去した無菌血液を補充したボルデット−ゲンゴウ(BG)
寒天[ジフコ(DIFCO)]上に塗布し、37℃で約100時間
培養する。
上記のプレート上で増殖した自然変異体を単離し、そ
れらの染色体中に含まれる百日咳毒素をコードする遺伝
子を第1図に示された方式に従って操作して、カナマイ
シン構造遺伝子で置換する。
この目的のためにプラスミドpRTP1(スチビッツ(sti
biz))ら著、Gene、50巻、133〜140頁、1986年)を使
用した。これはボルデテラ中で複製しないが、接合によ
りそれらの中に導入し得る。
実際に、プラスミドpRTR1(10μg)を、供給業者に
より示唆された方法に従って、50ユニットの制限酵素Ec
oR I(BRL)で切断する。ついでプラスミドDNAを1ユニ
ットT4 DNAリガーゼの存在下でリガーゼの混合物[66mM
のトリス(Tris)−HCl pH7.6、1mMのATP、10mMのMgC
l2、15mMのジチオスレイトール(dithiothreitol)]10
μl中でカナマイシン(Kan)[ファーマシア(Pharmac
ia)、ウプサラ(Uppsala)]に対する耐性をコードす
る構造遺伝子を含み、側面に位置する領域1〜420及び3
626〜4692に相当するヌクレオチド配列の中に構造百日
咳毒素遺伝子を含むDNA EcoR Iフラグメント0.2μgと1
4℃で一夜にわたって接合する。上記のフラグメントは
まずプラスミドDNA PT101 ATCC 67854を制限酵素BstE I
I(これは421及び3625という制限部位のみで切断する)
で切断し、配列421〜3625を排除し、ついでクレノー酵
素により、末端部位の切断力を失わせたBstE IIをつく
ることにより得られる。最後に、Kan遺伝子を含むフラ
グメントHinc IIをT4DNAリガーゼの存在下のリガーゼ混
合物中で、上記の文献に記載された線状化プラスミドDN
Aと接合する。14℃で約18時間後に、リガーゼ混合物を
使用して受容大腸菌細胞を形質転換し、該形質転換体を
50μg/mlのカナマイシンを添加したLB寒天培地上で35℃
で一夜にわたって選別する。最後に、陽性クローンの1
から、期待される特性を有するプラスミドを単離し、続
いて、EcoR I制限酵素で切断する。カナマイシン遺伝子
を含むDNAフラグメントを、マニアチス(Maniatis)ら
著(1983年)“Methods in Enzymology(酵素学に於け
る方法)”に記載されるようにアガロースゲル上で単離
する。
ついで、上記のEcoR IフラグメントをEcoR Iで先に切
断されたpRTP1プラスミドと接合し、得られるリガーゼ
混合物を使用して、“Methods in Enzymology1"101巻、
20〜78頁、1983年に於いてメシング(Messing)により
記載されるようにして、サイモン(Simon)R.ら著[Bio
technol,1巻、784〜791頁(1983年)]により記載され
た大腸菌SM10細胞を受容性に形質転換する。
形質転換体を50μg/mlのアンピシリン及び50μg/mlの
カナマイシンを含むLB寒天プレート(ジフコ、Lab.)上
で37℃で24時間選別する。
陽性クローンの一つから、期待される特性を有する、
pRTP1−ΔPT−KANと称されるプラスミドを抽出する。続
いて、上記のプラスミドで形質転換されLB寒天上で37℃
で約18時間培養された大腸菌SM10細胞をボルデット−ゲ
ンコウ培地で48時間にわたり、予め培養されたボルデテ
ラのstrまたはnalに耐性の菌株と接合する。その接合は
10mMのMgCl2を添加したBG培地で37℃で3〜6時間行な
われる。ついで、得られるコロニーを回収し、30μg/ml
のナリジクス酸及び50μg/mlのカナマイシンを含むBG培
地に塗布する。このような抗生物質に耐性の菌株を選別
する目的で、それらのプレートを37℃に保つ。3日後
(気管支敗血症菌の場合)及び5〜6日後(百日咳菌及
びパラ百日咳菌の場合)に、nal及びKANに耐性の多数の
単一の溶血性コロニーが観察され、これらはそれらの染
色体中に、百日咳毒素遺伝子の側面領域の1つとの相同
組換えにより組込まれたpRTP1−ΔPT−KANを含む。ま
た、同様に第二領域の組換えを容易にし、それ故にカナ
マイシンの遺伝子によるPT染色体遺伝子の置換を容易に
するために、コロニーを400μg/mlのストレプトマイシ
ンを含むBG培地上に再度塗布する。上記の文献に記載さ
れたように操作して、染色体ボルデテラ耐性に優性形質
として有し、ストレプトマイシンに対する感受性を与え
るpRTP1プラスミドを失なった菌株を選択する。
こうして、二つの型のコロニー、即ち次のものが得ら
れる。
1)完全にプラスミドを欠き、及び組換えも行なわれて
おらず、str及びnalに耐性で、かつKANに感受性のコロ
ニー及び 2)二重組換え(Δtox)により、カナマイシン遺伝子
のPT遺伝子への置換が行なわれた、str,nal及びKanに耐
性のコロニー。
このような染色体の置換を確かめる目的で、菌株Δto
x W2,Δtox Tohama,Δtox 165,Δtox P14及びΔtox 786
5の特性をサザンブロット、ELISA分析及びCHO細胞に関
する毒性により、既知の技術に従って検定する。実際
に、マームル(Marmur),J.の方法[J.Mol.Biol.3巻、2
08〜216頁(1961年)]により上記のボルデテラ菌株か
ら単離された染色体DNAを好適な制限酵素で切断し、電
気泳動にかけ、ニトロセルロース膜上に移し、ついでプ
ローブとして4696を用い、BRLニックー翻訳キットを用
いてPT遺伝子を含むbpEcoR Iフラグメントと放射性同位
元素でラベル付けしたKAN遺伝子を含むDNAフラグメント
とをハイブリダイズする。
そのハイブリダイゼーション反応はE.サザンの方法
[J.Mol.Biol.,98巻、503〜517頁(1975年)に従って操
作して行なわれる。
その結果は両プローブとハイブリダイズするPT遺伝子
の分子量よりも低い分子量をもつDNAフラグメントのボ
ルデテラΔtox菌株染色体DNA中の存在を示す。
ボルデテラΔtox菌株をSS変性培地中で37℃で72時間
培養する。その培地の組成(g/lで示す)は以下のとお
りである。
L−グルタミン酸ナトリウム10.7;L−プロリン0.24;N
aCl2.5;KH2PO40.5;KCl0.2;MgCl2・6H2O0.1;CaCl20.02;
トリス6.1;L−システイン0.04;FeSO4・7H2O0.001
ナイアシン0.004;グルタチオン0.10;アスコルビ
ン酸0.02;レスミン酸(resumin acids)10.0;2,6−
O−ジメチル−β−シクロデキストリン1.0、pH7.6。
この培地を20分間滅菌し、一方、*が符された成分を
濾過により別々に滅菌する。規則的な間隔で、培地試料
を採取し、12000r.p.m.t.p.m.で4℃で4分間遠心分離
する。続いて、無細胞上澄液の分取液を百日咳毒素が存
在するか否か、及びその毒性を確かめるために、ELISA
試験及びCHO細胞に関する毒性により分析する。
ウォング(Wong),K.H.及びスケルトン(Skelton),
S.K.著[J.of Clinical Microbiol.,26巻、1316〜1320
頁(1988年)]に記載されたようにして行なわれたELIS
A分析はΔtox菌株のいずれもが検出可能な量のPTを生産
し得ないことを示す。
更に、1/10に希釈された上澄液はCHO細胞[ヒュウレ
ット(Hewlett),E.L.ら著、Infect.Immun,40巻、1198
〜1230頁(1983年)]を変性しない。未希釈上澄液を用
いれば、非特異的な毒性が観察される。
上記の菌株がPTを生産しないにせよ、病原性百日咳菌
に対する保護を依然として与え得るか否かを確かめる目
的で、CODE OF FEDERAL REGULATION、potency test of
pertussis vaccine(百日咳ワクチンの効能試験)、21/
par 7620に記載された技術に従って、大脳内抗原投与試
験が行なわれる。実際に、Δtox W28菌株及びTohama菌
株並びに抗百日咳ワクチンの調製に一般に使用される同
じ野生型菌株を590nmで測定した光学密度0.7まで、300m
lの変性SS培地中で37℃で培養する。ついで、培養菌を1
0000t.p.m.で10分間遠心分離し[J10ローターを備えた
ベックマン(Beckman)J21遠心分離器]、ついで上澄液
から分離された細胞を50mlの食塩水中に再度懸濁し、56
℃に30分間保つ。続いて、得られる懸濁液をCODE OF FE
DERAL REGULATIONに記載されたようにして適当に希釈し
て、異なる投薬量用の通常のワクチンとして使用する。
その結果を、下記の表Iに示す。
表から観察し得るように、Δtox菌株に関してわずか
な保護の減少が観察されるが、それらは依然として極め
て良好な保護を与え、それ故、抗百日咳ワクチンとして
特に適するようである。*は細胞懸濁液の容量を示す。
実施例2 変化された毒性を有するPT形態を生産するボルデテラ変
異体の構成 実施例1に示されたようにして得られたΔtox菌株の
染色体中に突然変異形態の百日咳毒素遺伝子を導入する
目的で、部位BamH I中に、ゲンタマイシン(ファーマシ
ア、ウプサラ)に対する耐性をコードする遺伝子及びテ
トラサイクリン(ファーマシア、ウプサラ)に対する耐
性をコードする遺伝子を導入して、pRTP1プラスミドを
変性する。上記の遺伝子のクローン化はマニアチスらに
より記載された組換えDNAの既知の技術を用いて行なわ
れる。ついで、ボルデテラ染色体中に百日咳毒素の突然
変異体を導入するために、夫々pRTPG1及びpRTPT1と称さ
れるこれらの新規ベクターを使用する。特に、上記の遺
伝子は異なるアミノ酸をコードするその他の遺伝子によ
る、ヌクレオチド配列のPT101 ATCC 67854プラスミド中
に含まれるPTをコードする遺伝子に於ける、欠失または
置換により、部位特異的な突然変異誘発技術により得ら
れる。更に詳細には、下記の表IIの第一欄に示される突
然変異をS1ヌクレオチド配列中に含むPT遺伝子が構成さ
れる。
pRTPG1プラスミド及びpRTPT1プラスミド中に上記の突
然変異を含むEcoR Iフラグメントをクローン化した後
に、SM10大腸菌細胞を形質転換するために、これらを使
用し、こうして得られた形質転換体をΔtoxボルデテラ
菌株と接合する。ついで、染色体中にこのようなプラス
ミドの組込みを示すコロニーを、夫々、30μg/mlのnal
及び20μg/mlのゲンタマイシンまたは30μg/mlのnal及
び12.5μg/mlのテトラサイクリンを含むBG培地プレート
で選別する。こうして選別されたコロニーは全て、それ
ら自体の染色体中に組込まれたプラスミドを示す。続い
て、プラスミドを失ったコロニーを選別する目的で、報
告されているようにして得られたコロニーを400μg/ml
のストレプトマイシンを含むBG培地に塗布する。つい
で、上記の培地上に増殖し得るコロニーを、夫々次のも
のを含有するBGプレート上で同時に培養する。
a)nal 30μg/ml、str 400μg/ml及び50μg/mlのカナ
マイシン b)nal 30μg/ml、str 400μg/ml a)中に得られたコロニーはプラスミドを失ったコロ
ニーであり、それ故、カナマイシンに耐性である元のΔ
toxコロニーと同じである。
一方、培地b)で増殖されたコロニーはカナマイシン
に対する耐性を失ったものであり、その遺伝子は突然変
異を生じた遺伝子により、置換された。
b)で得られたコロニーがPT変異体を生産、分泌する
能力の例として、百日咳菌W28/PT−129G、パラ百日咳菌
P14/PT−129G及び気管支敗血症菌7865/PT−129Gの菌株
をまずBGプレート上に塗布し、ついで15mlの変性SS培地
中で37℃で72時間培養する。ELISA分析による監視によ
り評価されたPT変異体生産のデータが第2図に示され、
以下のことを示す。
−試験した全てのボルデテラ菌株がPT変異体を生産し、
パラ百日咳菌がその他のボルデテラ菌の2倍の量のPT変
異体を生産する。
表IIの第一欄に示された突然変異の主因となるPT遺伝
子を含有する百日咳菌W28株及びBP165株並びにパラ百日
咳菌P14株を上記の文献に示されたように培養すること
により得られたPT変異体の生産に関するデータが同表の
第三欄に示され、以下のことを示す。
−試験した全ての菌株はPT変異体の形質を発現し分泌し
得る。
−上記のPT変異体の幾つかが野生型PT(++++)に関
して得られた量に匹敵する量で生産され、且つ −パラ百日咳菌P14は百日咳菌の2倍の量のPT変異体を
生産する。
上記の菌株の幾つか(Bで示される)は百日咳毒素の
オリゴマーB(サブユニットS2,S3,S4及びS5により構成
される)のみを分泌する。
更に、大脳内抗原投与試験後に得られた結果は上記の
ボルデテラ菌株が抗百日咳細胞ワクチンの開発に適する
ことを示す。
実施例3 PT変異体の生産及び精製 パラ百日咳菌P14/PT−129G株、百日咳菌W289k/129G
株、百日咳菌W28 13L/129G株及び百日咳菌W28 26I/129G
株を20LのSS変性培地(pH7.4)を含む30Lの容量のケマ
ップ(Chemap)発酵容器中で、0.1v/v/mの空気流量で培
養する。毎分の回転数を最小の200から最大の700まで変
えて、溶解酸素量を20%に保つ。温度を35℃に調節し、
pHを1.5Nのグルタミン酸、1.5Nの塩酸、0.15Nのプロリ
ンを含む溶液を使用することにより中性の値に保つ。約
36〜48時間後、即ち培養菌が590nmで測定した光学密度1
4〜18に達した時に、相棒を発酵培地の遠心分離[ベッ
クマン(Beckman)JCF−7遠心分離器、600ml/分の流量
で、19000pm.4℃、3分間]により除去し、突然変異タ
ンパク質を無細胞上澄液から精製し、無菌条件[デュラ
ポア(Durapore、商標)カートリッジ〈ミリポア(Mill
ipore)〉odo.22mμによる]中アフィ−ゲル・ブルー
(Affi−Gel Blue)による吸着及びセクラ(Sekura)R.
D.ら著、J.Biol.Chem.,258巻、14647−14561頁(1983
年)により記載されたセファロース−フェツイン(Seph
arose−fetuin、商標)による逐次アフィニティ(succe
ssive affinity)クロマトグラフィーにより濾過する。
B)精製PT変異体の物理化学的性質の測定 上記の文献に示されたようにして精製された幾つかの
PT変異体の物理化学的性質をリームリ(Leammli)N.K.
著、Nature,227巻、680〜685頁(1970年)により記載さ
れたように操作して、コマシー(Coomassie)ブルーで
着色されたポリアクリルアミド・ドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)でゲル電気泳動により測定する。
第3図に示された結果は混在タンパク質の不在及び野
生型PTのパターンと同じパターンを示す。その他の混在
物質、特に変異体の調製のための発酵方法に使用された
物質が存在しているか否かを確かめるための別の対照実
現によれば以下のことが確かめられた。
−ビーレイ(Beeley),J.G.著、“loboratory techniqu
es in biochemistry and molecular biology(生化学及
び分子生物学に於ける実験技術)”バードン(Burdo
n),R.H.及びバン ニッペンベルグ(Van Knippennber
g),P.H.(編集),Elsevier 16巻(1985年)に記載され
た方法に従って測定された。ジメチル(2,6−O)β−
シクロデキストリンの不在; −69KDタンパク質に対して特異的な抗体を利用するウェ
スタンブロッティング分析(トウビン(Towlbin),H.T.
ら著、P.N.A.S.,USA,73巻、361〜365頁、1976年)によ
り測定された、69KDタンパク質のフェテュイン及び糸状
血球凝集素(これらは無細胞抗百日咳ワクチンの潜在的
な混在物質である)の不在: −クメ(Kume),K.T.ら著、Infect.Immu.52巻、370〜37
7頁、1986年に記載されたようにして、モルモットに対
して行なわれた試験により測定された、熱壊死生毒素の
不在: −薄膜クロマトグラフィーにより測定された、シクロデ
キストリン(これは培地の主成分である)の不在。PT変
異体(収率80%)は純度99%を示す。
実施例4 A)CHO細胞に関する毒性 この試験は、DMEN培地[Flow lab.,マクレーン(Mcle
an),Va]中1/10に希釈された、表IIの第一欄に示され
た突然変異を含む幾つかのボルデテラ菌株の培養の粗上
澄液及び精製上澄液を使用して行なわれる。
先の表IIに示された結果は野生型PTに関して百日咳毒
素変異体の毒性の減少を示す。最良の結果が変異体PT−
26I/129G,PT−9K/129G及びPT−13L/129Gに関して得ら
れ、これらについて毒性の不在が観察される。更に、解
毒されなかったPT−129G変異体は野生型百日咳毒素に関
して、1.5〜10%の残留毒素を示し、一方、ムノツ(Mun
oz),J.J.ら著、Infect.Immun.,32巻、243〜250頁(198
1年)により記載されたようにグルタルアルデヒドで解
毒された同じ変異体はCHO細胞に関して認められる程の
毒性を示さない。
B)RIA試験による親和性定数の測定 この試験により、ポリクローナル抗体(抗PTヤギγ−
グロブリン、SCLAVO S.p.A.)及びモノクローナル抗S1
抗体[H.サトウ(Sato)ら著、Infect.Immu.,46巻、422
〜428頁(1984年)に記載された1B7]に関する幾つかの
PT変異体の親和性定数か測定される。
96個のウエルのポリスチレンの平底マイクロプレート
[ダイナテク・ラボラトリィズ・インコーポレーテッド
(Dynatech Laboratories Inc.),アレキサンドリア
(Alexandria),Va]の夫々のウエル中に、10μg/mlの
抗体を含む200μlのグリシン緩衝液5mM,pH9.2を導入す
る。4℃で一夜後、プレートを食塩水・リン酸塩緩衝液
(PBS)pH8.0中の2.5%(重量/容量)のウシアルブミ
ン血清(BSA)で飽和し、0.125ml/lのトゥイーン(Twee
n)−20を含む100μlのPBSで洗浄する。ついで、プレ
ートを異なる濃度(0.01−0.025−0.05−0.1−0.25−0.
5−1.0μg/ml)のPT及びPT変異体の存在下で、125I(ヨ
ード125)でラベル付けされた百日咳毒素の夫々のウエ
ル中で105cpm(カウント/分)で、保温する。室温(20
〜25℃)で3時間後、プレートをPPSで徹底的に洗浄
し、含まれる放射能をγ−カウンタ−(パッカード(Pa
ckard)Inst.USA)で測定する。各試料を2回分析す
る。百日咳毒素を供給業者の指示に従って操作して、通
常のクロラミンT法(BDH Chem.,英国)により放射性ヨ
ウ素でラベル付けする。
下記の表IIIに示された結果は全てのPT変異体がモノ
クローナル1B7抗体の認識されたエピトープを維持し、
それらが百日咳抗毒素ヤギγ−グロブリンから高い親和
性を有するものとして認識され、それ故PT毒素を中和し
得ることを示す。
実施例5 PT変異体の生体内特性決定 幾つかのPT変異体の生物学的性質及び抗百日咳ワクチ
ンに於けるそれらの使用の可能性を下記の方法により試
験した。
a)大脳内抗原投与 この試験は通常の細胞ワクチン(対照)並びに、PT−
129G変異体そのもの及びグルタルアルデヒドで解毒され
たPT−129G変異体(PT−129G Det)及びPT−26I/129Gを
用いて行なわれる。結果が表IVに示される。
PT−129Gを用いて得られた低い生存率(*)はPT毒素
の毒性の約1〜2%である変異体残留毒性による。
b)白血球増加(LEUCOCYTOSIS) 体重約20gの年令7〜8週の4匹の雌のBalb/Cマウス
の群を0日目に、0.2mlの生理(食塩水)無菌アピロー
ゲン(apyrogen)溶液そのもの(対照)または(0.004
−0.02−0.04−0.1−0.5及び1.0μg/マウス)のPT;(0.
1−0.5−2.5−μg/マウス)のPT−13L;(0.1−0.5−2.5
−12.5−25.0及び50.0μg/マウス)のPT−9K、PT−129
G、解毒されたPT−129G、PT−26I−129G、PT−13L/129G
及びPT−9K/129Gを含む0.2mlの生理(食塩水)無菌アピ
ローゲン溶液で、静脈内注射により処置する。
3日後に、マウスから採血し、合計の単核細胞数(PB
MC)/ml−末梢血をチュルク液(0.01%ゲンチアナバイ
オレット及び3%酢酸)中で個々に数える。ついで、赤
血球の溶液ライサント(lisant)で予め処理された、夫
々のマウスの末梢血の一部をFACS(螢光励起細胞分離捕
集装置)で使用して、対照に対して、各種の毒素で処置
されたマウス中のリンパ球の増加率及び多形核細胞の増
加率を測定する。
第4図に示された結果は一般にPTに対してPT変異体毒
性の減少を示し、これは変異体PT−26I/129G,PT−9K/12
9G及びPT−13L/129Gに関して0.01%よりも低い値に達す
る。
同じ試験が0.5mlの生理無菌溶液そのものまたは上記
と同じ濃度のPTまたはPT−9K/129G変異体を含む0.5mlの
生理無菌溶液の0日目の腹腔内注射により、Balb/Cマウ
スの群に対して行なわれる。
投与の3日後に、血液試料を動物の眼窩神経叢から採
取し、上記のように試験する。個々に試験された5匹の
動物からの白血球のカウントの平均+/−標準偏差とし
て表された結果が夫々PT及びPT−9K/129Gに関して、第
4図及び表Vに示される。
c)ヒスタミン感受性 体重約20gの年令7〜8週の5匹の雌のBalb/Cマウス
の群に、0日目に、0.5mlの生理食塩水無菌アピローゲ
ン溶液そのもの(対照)または各種の投薬量のPT、PT−
129Gそのもの、またはグルタルアルデヒドで解毒された
PT−129G(PT−129G Det.)、PT−9K及びPT−9K/129Gを
含む0.5mlの生理食塩水無菌アピローゲン溶液で腹腔内
接種する。投与6日後に、マウスを4mg/マウスのヒスタ
ミン・二塩酸塩(シグマ・ケミカル・カンパニイ(Sigm
a Chemical Company)、セントルイス、MO)を含む0.5m
lの生理無菌アピローゲン溶液で腹腔内接種する。ヒス
タミン投与の24時間後に、死亡を記録する。結果を、下
記の表VI及び表VIIに示す。
d)アナフィラキシー アナフィラキシー感受性の強化をステインマン(Stei
nman)Lらに記載された方法[P.N.A.S.USA、82巻、873
3〜8736頁(1985年)]に従って測定する。
体重約20gの年令7〜8週の5匹の雌のBalb/Cマウス
(H−2d)の群を−1日目、+1日目、+6日目に、0.
2mlの生理食塩水無菌アピローゲン溶液そのもの(対
照)またはウシ血清アルブミン(BSA)(シグマ・ケミ
カル・カンパニィ・セントルイス、MO)を含む0.2mlの
上記の溶液を腹腔内接種する。ついで、同じ群の複数の
マウスを0日目、+2日目に、0.4mlのアピローゲン無
菌食塩水そのもの、または40,100及び500ng/マウスのP
T、100,500及び2500ng/マウスのPT−129Gそのものもし
くはグルタルアルデヒドで解毒されたPT−129G(PT−12
9G Det)または500,2500及び7500ng/マウスのPT−9K/12
9Gを含む0.4mlの上記の食塩水で静脈内接種する。最後
のBSA投与の2時間後に死亡を記録する。結果を表VIII
に示す。
e)IAP(膵島活性化タンパク質) PTまたはPT−9K/129Gによる膵島の活性化を、クレー
フテンベルグ(Kreeftenberg),J.Gら(J.Biol.Stand.,
12巻、151〜157頁、1984年)により記載されたように測
定する。
体重約20gの年令5〜7週の5匹の雌のBalb/Cマウス
の群を0.2mlのアピローゲン無菌食塩水そのもの(対
照)または25μg/mlのPT−9K/129Gもしくは1μg/mlのP
Tを含む0.2mlの上記の食塩水を腹腔内接種する。4日後
に、マウス血清中のインシュリンの量(mU/l)で表わさ
れる)を測定する。
結果は予想されるように、PTにより誘発されるインシ
ュリン分泌の著しい増加(19.6mU/l)を示し、一方PT−
9K/129G変異体により誘起される分泌物の値(5mU/l)は
対照により得られた値(8mU/l)に匹敵する。
実施例6 PT−9K/129G変異体のホルムアルデヒド処理 a)変異体PT−9K/129Gの分裂促進性、血球凝集活性及
び親和性定数に及ぼす、その処理の効果の研究 実施例3に記載されたようにして精製された変異体を
0.025%のリジン(味の素、日本)及び0.01%のメルチ
オレート[エランコ(ELANCO)、米国]を含むPBS、pH
7.4に対して4℃で4時間透析し、ついでPBS中に再度懸
濁する。タンパク質含量の測定[ロウリィ(Lowry),O.
H.ら著、J.Biol.Chem.,193巻、265〜275頁(1951年)を
参照のこと]の後に、混合物の分取物に各種の濃度[0.
035%〜0.420%(W/V)]のホルムアルデヒド(PBS中の
4%溶液、pH7.4)を添加して、変異体対ホルムアルデ
ヒドの最終比(重量/重量)0.300〜0.025を得る。得ら
れた混合物を0.025Mのリジンの不在下及び存在下で37℃
で48時間保温し、ついでPBSに対して繰返し透析する。
ついで、混合物を試験して、それらの遊離のホルムアル
デヒド含量を測定し、これが0.01%(重量/容量)より
も低いことが判明する。更に、SDS−PAGEで分析された
混合物はPTと同じ電気泳動パターン及び幾つかの特別の
帯域[そのうちの1つはサブユニットS2及びS3と共に移
行し、それよりも高い分子量をもつその他のものはサブ
ユニットS1と共に移行する(第5図、レーン3を参照の
こと)]の存在を示す。
ついで、異なる濃度のホルムアルデヒドで処理された
PT−9K/129G変異体(PTF−9K/129Gと称される)の分裂
促進活性を正常の成人から単離されたヒトの末梢血単核
細胞(PBMC)の増殖応答として測定し、PT並びに同じ変
異体そのものの分裂促進活性と比較する(第6図を参照
のこと)。実際に、PBMC細胞を2mMのL−グルタミン、
1%の非必須アミノ酸、10×10-5Mの2−メルカプトエ
タノール及び10%のヒトアルブミン血清で補充された0.
2mlのRPMI 1640[ジブコ・ラボラトリィズ(Gibco Labo
ratories)、パイスレイ(Paisley)]中の105個/ウエ
ルの濃度で、96個の平底ウエルマイクロプレート[コス
ター(costar)、ケンブリッジ、MA]のウエルに入れ
る。
ついで、PT及びPTF−9K/129G変異体並びにPT/9K/129G
変異体を0.1,0.3,1.0及び3.0並びに6.0μg/mlの濃度で
各ウエル中に添加する。37℃で96時間保温した後、各ウ
エル中に1μCiの(3H)チミジン(sp.act.185 GBq/ミ
リモル;アメーシャム・インターナショナル(Amersham
International)、アメーシャム英国)を導入する。室
温で16時間後に、細胞を細胞コレクター(スカトロン
(Skatron)、リアー(Lier)、ノルウェー)でガラス
ウールフィルター上に集め、含まれる放射能を液体シン
チレーションにより測定する。第6図(PT、PT−9K/129
G)及び表IX(PT−9K/129G及びPTF−9K/129G)に示され
た結果は以下のことを示す。
−PT−9K/129G変異体はPTタンパク質のTヒトリンパ球
に対する分裂促進活性に匹敵するTヒトリパ球に対する
分裂促進活性を維持する。これは上記の分裂促進活性が
Bオリゴマーの存在によるという観察と一致する。
−ホルムアルデヒド濃度を増加すると、分裂促進活性を
消失まで減少する。
変異体PTF−9K/129Gの血球凝集活性をサトウ(Sato)
ら著、Infect.Immun.41巻、313頁〜320頁、1983年に記
載されたようにして、標的細胞として、グルタルアルデ
ヒドで固定されたニワトリの赤血球を用いて測定する。
表IX中に示された結果は増加するホルムアルデヒドによ
る処理が変異体の血球凝集活性を次第に減少することを
示す。
親和性定数を先の実施例4に記載されたようにして測
定する。結果を表IXに示す。
表IX中、 a)結果は2回試験された夫々の培養菌に関して平均の
カウント/分(cpm×10-3)として表わされる。
b)結果はグルタルアルデヒドで固定されたニワトリの
赤血球の完全な凝集を生じるタンパク質投与量として表
わされる。
c)親水性定数はRIA試験により測定される。
d)試料中のホルムアルデヒドの%(重量/容量)が記
載される。
e)は試料中の変異体/ホルムアルデヒド比(重量/重
量)を示す。
B)PT−9K/129Gの安定性に関するホルムアルデヒド処
理の研究 PT、変異体PT−9K/129Gそのもの及び0.035%(W/V)
のホルムアルデヒドで処理された同変異体(PTF−9K/12
9G)を4℃、20℃及び37℃に保つ。
ついで、タンパク質を120日後(4℃及び20℃の場
合)及び30日後(37℃の場合)に処理して、電気泳動プ
ロフィール並びにポリクローナル(抗PTγ−グロブリ
ン)(A)抗体及びモノクローナル(1B7)(B)抗体
に対する親和性定数を測定する。
結果(表X及び第5図)は4℃及び20℃で120日の期
間にわたって保たれた分子がそれらの電気泳動パターン
またはそれらの親和定数の変化を受けないことを示す。
37℃で30日間保たれた同分子はその代わりに、PT及び
PT−9K/129G変異体に関して、S1サブユニットに相当す
る帯の強度の次第の減少を示し(第5図、レーン4及び
5)、これはPTK−9K/129G変異体に関して観察されない
(第5図、レーン6)。
表中、 a)非線形回帰分析により評価されたデータがKa(L/モ
ル)として表され、3回試験された試料に関して得られ
た値の幾何平均を表わす。標準偏差値は15%より高くな
い。
b)N.D.=測定されず C)アミノ酸組成の分析 変異体PT−9K/129Gのアミノ酸残基の分析は0.035%の
ホルムアルデヒドの処理の前及び後に、スパックマン
(Spackman)D.Hら著、Anal.Chem,30巻、1190〜1206頁
に記載されたようにして、行なわれる。PT変異体の酸加
水分解は減圧下でシールされたバイアル中110℃で24時
間6NのHCl中で行なわれる。その後、アミノ酸分析は、
アミノ酸分析装置(コントロン(Kontron)、チューリ
ッヒ、スイス)を用いて行なわれる。
酸加水分解中、トリプトファンアミノ酸残基が分解さ
れ、それ故、それを測定することができなかった。更
に、酸加水分解中の脱アミド化のため、アスパラギン及
びグルタミンがアスパラギン酸及びグルタミン酸中で夫
々変換される。アスパラギン+アスパラギン酸の合計
(Asx)及びグルタミン+グルタミン酸の合計(Glx)に
相当する値が表XIに示される。
結果を表XIに示す。
表XI中、 a)一次タンパク質構造から推定される理論値がアミノ
酸/タンパク質の比として表わされる。
b)N.D.=測定されず c)下線が符された値は0.025MのリシンGeの存在下のホ
ルムアルデヒド処理後のリシン増加量を示す。
実施例7 CHO細胞に対するPTF−9K/129G変異体の毒性 1×104個のCHO細胞を異なるPTF−9K/129G投与量(0.
01〜5μg/ml)及びPT投与量(0.3pg〜90ng/ml)と共に
48時間保温する。細胞の形態変化を生じ得る最小投与量
を測定する。結果は、PTF−9K/129G変異体が最大の試験
投与量(5μg/ml)で毒性がなく、PT(5pg/ml)よりも
少なくとも105倍毒性でないことを示す。
実施例8 PTF−9K/129G変異体の生物学的性質の生体内特性決定 A)アナフィラキシー強化 アナフィラキシー感受性の導入がステアンマン,Lらに
より記載された方法(P.N.A.S.USA,82巻,8733〜8736
頁、1985年)に従って測定される。
体重約20gの5〜7週の5匹の雌のBalb/Cマウスの群
を0.2mlの生理無菌アピローゲン食塩水そのもの、また
は1mg/マウスのBSA(シグマ・ケミカル・カンパニイ、
セントルイス、MO)を含むその0.2mlの食塩水で、−1
日目、+1日目及び+6日目に腹腔内接種した。つい
で、マウスの同じ群を0.2mlのアピローゲン無菌食塩水
そのもの、または0.04,0.1及び0.5μg/マウスのPTまた
は2.5及び7.5μg/マウスのPTF/9K/129Gを含む0.2mlのそ
の食塩水で0日目及び+2日目に静脈内処置した。最後
のBSA投与の2時間後に、死亡を記録した。
結果を表XIIに示す。
B)ヒスタミン感受性 体重約20gの5〜7週の雌のBalb/Cマウスの群を0.5ml
の食塩水アピローゲン無菌生理液そのもの、または0.00
4,0.02,0.04,0.1,0.5及び1.0μgのPTもしくは2.5,12.
5,25.0,50.0μgのPTF−9K/129Gを含む0.5mlのその生理
液で0日目に腹腔内接種する。
+6日目に、マウスを、ヒスタミン=塩酸塩4mgを含
む0.5mlのアピローゲン無菌食塩水で腹腔内接種した。
ヒスタミン投与の24時間後に、死亡を記録した。
結果を表XIIに示す。
C)白血球増加 体重約20gの5〜7週の5匹の雌のBalb/Cマウスの群
を0.5mlのアピローゲン無菌溶液そのもの、または0.00
4,0.02,0.1,0.5及び1.0μg PTもしくは2.5,12.5,25.0及
び50.0μgのPTF−9K/129Gを含む0.5mlのその溶液で0
日目に腹腔内接種した。
投与の3日後に、動物の眼窩集網から血液試料を採取
し、試験して白血球増加を測定した。個々に試験された
5匹の動物からの白血球カウントの平均+/−標準偏差
として表わされる結果を表XIIに示す。
表からわかるように、腹腔内接種されたマウスは3日
後に投与量に依存する白血球増加を示す。末梢血単核細
胞(BPMC)の増加は0.020μgの精製PT毒素でもって統
計上有意であり、一方、PTF−9K/129Gは50μg/マウスの
投与量で白血球増加を全く促進し得ない。
上記と同じ投与量で腹腔内接種された上記の変異体は
ヒスタミン投与後にマウスに致死効果を誘起しない。一
方、0.5μg/マウスの投与量で接種されたPTは100%の死
亡率を生じる。
百日咳毒素がBSAアナフィラキシーを強化する能力、
即ち細胞抗百日咳ワクチンによりひき起こされる脳障害
と関連した現象はPTF−9K/129G変異体に関する限り、存
在しない。
0.04μgのPTで接種されたマウスに80%の死亡率を生
じるアナフィラキシー強化は7.5μgのPTF−9K/129Gで
処置されたマウスに観察されない。
D)急性毒性 毒性の腹腔内もしくは皮下研究がOMSの指示[WHO Tec
h.Rep.Ser.638巻、60〜80頁(1979年)]に従って行な
われる。
5匹のマウス及び5匹のラットの群を、PT−9K/129G
変異体及びPTF−9K/129G変異体(体重1kg当り1500μ
g)で腹腔内接種し、皮下接種した。ついで、動物を制
御下に14時間保ったが、その間に局所反応または全身反
応を示すような体重変化またはその他の徴候が記録され
なかった。
実施例9 抗百日咳無細胞ワクチンの開発 A)PTF−9K/129G変異体の免疫原性の分析 PTF/9K/129G変異体の免疫原性を調べる目的のため、
体重350gの4週の年令の6匹のモルモットを0.001mgの
ナトリウムエチル水銀チオサリチレート及びAl(OH3
(1mg/ml)に吸着された3,10,25及び50μgのPTF−9K−
129G並びに0.75ml(ヒトの投薬量の1.5倍に相当する)
の古典的な三種DPTワクチン(抗ジフテリア、抗百日咳
及び抗破傷風)(SCLAVO,S.p.A.)(百日咳成分は死滅
百日咳菌からなる)を含む0.5mlの生理アピローゲン無
菌食塩水で皮下接種する。
最初の接種から4週間後に、血液試料を採取し、動物
を同じ投薬量のPTF−9K/129G及びDPTワクチンで再度皮
下接種する。第二の接種から2週間後に、別の血液試料
を採取する。ついで、試料から得られた血清をELISA分
析で処理して抗体及び抗PT力価を測定し、CHO試験で処
理してPTを中和する抗体能力を測定する。ELISA分析
〔これはエングバル(Engvall)及びペールマン(Perlm
ann)により記載されたELISA分析:J.Immunol.,109巻、1
29〜135頁(1972年)の改良法である〕は以下のように
して行なわれる。
ポリスチレンの平底マイクロプレート(ダイナテク・
ラボラトリイズInc.,アレキサンドリア、VA)の各ウエ
ル中に、1μgの精製PT(抗原)を含む200μl PBS(pH
7.4)を導入する。固相上の抗原吸着は37℃で3時間、
ついで4℃で一夜、保湿室中で行なわれる。プラスチッ
ク材料上の血清タンパク質の非特異的吸着をPBS中の1
%のBSAでもって最小にした後、モルモットから得ら
れ、0.05%のトウイーン−20を添加したPBSで1:91:20に
連続希釈された血清試料を各マイクロプレートウエルに
導入し、37℃で2時間保温する。終了時に、0.05トウイ
ーン−20を含むPBS中1:3000に希釈されたアルカリホス
ファターゼ〔マイルス(Miles)、イエダ(Yeda)、イ
スラエル〕で接合されたIgGヤギ抗体抗モルモットを各
ウエルに導入し、プレートを37℃で2時間保温する。全
ての工程で、保温間にプレートを洗浄するため、100μ
l容量を使用する。洗浄は0.05%のトウイーン−20およ
び0.02%のNaN3を含むPBSを用いて3回行なわれる。特
異的基質(p−ニトロフェニルホスフェート、1mg/ml)
を添加した30分後に室温で生じる比色反応をタイターテ
ク・マルチスカン(Titertek Multiskan)(フロー・ラ
ボラトリィズ(Flow Laboratories)、マクリーン(McL
ean)、VA)中で405nmで読み取る。
各プレートに関する対照は抗原を含まない血清試料及
びその逆のものを含むウエルを含む。抗原力価を評価
し、グラフ中に、重複して試験された血清の希釈(横
軸)対夫々の吸光度の平均(縦軸)を示す。変曲点と吸
光度軸との交差が未希釈血清吸光度(ABS−MAX)の値を
示す。PPT及び異なる投薬量のPTF−9K/129Gで免疫化さ
れた各群の動物に関して得られたABS−MAX値が夫々のサ
ンプリング後に、夫々の免疫前の血清と比較される(第
7図)。ABS−MAX増加はそれがワクチン投与前の血清に
関して得られた値よりも少なくとも4倍高い場合に、統
計上有意と考えられる。
第7図から観察し得るように、最初の接種の4週間後
に採取された未希釈血清は405nmで吸光度値(ABS−MA
X、1回投与)を示し、この値は免疫化前に測定された
値よりも32〜40倍高い。第二の接種から2週間後に採取
された血清に関して、更に50%の増加が観察される(AB
S−MAX、2回投与)。
PTF−9K/129G免疫化後に観察される抗体力価の増加は
CHO試験で測定される中和活性と相関関係がある。事
実、3,10,25及び50μgのPTF−9K/129Gの1回の注射後
に得られた血清は120pgPTにより誘起されるCHO細胞に対
する凝集効果を中和でき、夫々1/20,1/20,1/20及び1/80
の希釈である。毒素を中和する能力は第二の免疫化後
に、かなり増大する。事実、3μgのPTF−9K/129Gによ
り免疫化された動物から得られた抗体は1/1,280の希釈
で毒素活性を中和できる(第7図を参照のこと)。
B)マウスに於ける細胞抗百日咳ワクチンの効能の分析 体重約16gの3〜4週の16CDl(チャールズ・リバー
(Charles River)、カルコ(Calco)、イタリア)雄の
マウスの群をOMS規準に従って、0.24,1.20,1.92,4.80.1
2.00及び30.00μgの液体(非吸着)PT−9K/129G並びに
Al(OH)(1mg/ml)に吸着された0.035%のホルムア
ルデヒドで安定化された0.24,1.20,6.00及び30.00μg
の同変異体(PTF−9K/129G)を含む0.5mlの無菌食塩水
で腹腔内接種する。陽性の対照として、マウスの群を0.
00032,0.001,0.008及び0.04mlの通常の抗百日咳細胞ワ
クチン〔ナショナル・インスティテュート・オブ・ヘル
ス(National Institute of Health)、ベセスダ(Beth
esda)、MD〕で腹腔内接種する。投与14日後、マウスを
平均致死量の300倍を含む病原性百日咳菌(菌株18323;S
CLAVO S.p.A.)の懸濁液で大脳内(IC)感染させる。つ
いで、マウスを制御下に14日間保った。
結果を表XIIIに示す。
a)ワクチンは8つの保護国際単位/mlを含む b)値は試験された合計16匹のマウスに対する生存マウ
スの数として表わされる。
c)N.D.:測定されず。
d)病原性百日咳菌18323による大脳内感染から50%の
マウスを保護する投薬量。
表から観察されるように、Al(OH)に吸着されたPT
F−9K/129Gは1.2μg/マウス(PD50)の投薬量で50%の
マウスに麻痺または死亡からの保護を誘起する。
ホルムアルデヒドで処理されない液体PT−9K/129Gに
より、一層良好な結果が得られる。
事実、毎回PT−9K/129Gを免疫原として使用して、IC
抗原投与直後に100%の保護に達する。しかしながら、P
D50(1.1μg/マウス)は有意に変化しない。
実施例11 成人ボランティアに於ける無細胞抗百日咳ワクチンの臨
床試験 この研究の目的はボランティア集団に於いて、活性成
分としてPT−9K/129Gを含む無細胞抗百日咳ワクチンの
寛容性及び免疫原性(特異的な中和抗体を誘導する能
力)を評価することである。
この目的のため、20ELISA単位(EU)/mlより低い抗PT
抗体力価を有する29人の成人、即ち男女の健康な個人を
選んだ。患者をそれらの病歴(百日咳に関して未知/陰
性、疾患に関して陽性、ワクチン化に関して陽性)に応
じて、分ける。
各群の中で随時選択した後、患者を以下のように連続
に処置する。
1)PT−9K/129G変異体を含む抗百日咳無細胞ワクチン
(18人のボランティア)。夫々の0.5mlの投薬量は15μ
gのPTF−9K/129G(活性成分)、0.001mgのナトリウム
エチル水銀チオサリチレート及び0.5mgの水酸化アルミ
ニウム(賦形剤)を含む。あるいは、 2)ワクチンに関して未分化(indifferentiated)の特
性の水酸化ナトリウムからなる偽薬(11人のボランティ
ア)。随時選択に基づいて、各患者は2回の投与の間に
6週間の間隔で、左三角筋の部位で、2回投与の抗百日
咳ワクチンまたは2回投与の偽薬を筋肉内投与される。
患者を試験の開始後3ケ月間、制御下に保ち、局所及
び/または全身の副作用の全てを調べる。
全血漿及び/またはγヒトグロブリンの投与が実験の
開始前3ケ月以降及びその全期間中に避けられる。
同じ期間中に、またコルチゾン化合物及び/または抗
高血圧症薬の投与が避けられる。
患者をワクチン投与後30分間、厳しい観察下に置く。
毎日、ワクチン投与に続く5日間にわたって、アセラー
(ascellar)測定による体温の値を調べ、投与部位及び
サテライト・スーパーフィシャル・リンパグランジュラ
ー・ステーション(Satellite superficial lymphoglan
dular station)の検査及び触診を行なう。
抗百日咳ワクチン投与の4日後に、血液学的試験、血
液化学試験、免疫学的試験(CD3,CD4,CD19,CD25,CD23,C
D14及びCD57としてリンパ系細胞の活性化マーカー;PT,P
T−9K/129G及び破傷風トキソイド抗原に関する試験管内
増殖)を行なう目的で静脈末梢血の試料を採取する。
ワクチン投与の30日後に、抗体滴定の他に、細胞媒介
免疫評価及びIgE滴定がまた行なわれる。
2回目のワクチンまたは偽薬の投与後に、上記の方法
に従って、同じ分析が行なわれる。
1回目及び2回目のワクチン投与の後に副作用が現わ
れないことはPTF−9K/129G変異体に対して完全に耐性で
あることを示す。
各ボランティアに関して、抗百日咳抗体力価(ELISA
分析)及び中和力価(CHO細胞)が測定される。
結果を表XIVに示す。
抗体抗PT力価は標準参照血清[US Reference Human P
ertussis Antiserum,ロット番号3、FDA、ベセスダ、米
国、J.メンクラーク(Menclark)博士から供給された]
の幾何平均として表わされ、一方、中和力価はCMO細胞
に対する天然毒素の凝集効果を抑制し得る最大血清希釈
として表わされる。( )内の値はスチューデント“t"
検定で測定された95%の信頼限界を表わす。先の表に、
ワクチン及び偽薬の投与の前及び後に測定された抗体力
価及び中和力価の増加率(後/前)が示される。
【図面の簡単な説明】
第1図はボルデテラ菌株染色体から百日咳毒素遺伝子を
除去し、突然変異毒素をコードする遺伝子またはカナマ
イシンで置換するために使用される方法の略図である。 第2図は縦軸に、百日咳菌W28/PT129G(X)、気管支敗
血症菌7865/PT−129G(■)及びパラ百日咳菌P14/PT−1
29G(□)の菌株の培養により得られるPT−129Gの光学
密度(O.D.)及び生産を示し、横軸に時間を示す。 第3図はPT野生型(A)毒素及びに精製変異体PT−9K
(B),PT−129G(C),PT−26I/129G(D),PT−13L/1
29G(E),PT−9K/129G(F)のポリアクリルアミド15
%ゲルを示す。 第4図は横軸にPT及びPT変異体の投薬量(μm/マウスで
表わされる)を示し、縦軸に白血球の数(×106ml)を
示す。 第5図は野生型PT(レーン1,4)、PT−9K/129G非安定化
変異体(レーン2,5)、ホルムアルデヒドで同定化され
た同変異体(PT−9K/129G)(レーン3及び6)の0日
目(レーン1,2,3)及び37℃で1ケ月後(レーン4,5,6)
の電気泳動パターンを示す。 第6図は野生型PT及びPT−9K/129G変異体に対するPBMC
分裂促進応答を示す。この試験に使用されたPBMCは、熱
失活PTに対して著しい抗原特異的応答を示さない。標準
偏差は15%未満であった。 第7図はPTまたは異なる投薬量のAl(OH)に吸着され
たPT−9K/129Gの1回もしくは2回の皮下注射後にモル
モット中に得られる抗体の抗体力価(ELISA分析)及び
中和能力を示す。抗体の抗毒素レベルは、未希釈血清の
最大吸光度(ABS−MAX)の値として表わされる。中和力
価(NT)は、3回分析された、120pg PTにより誘導され
たCHO細胞に関する凝集効果の100%の抑制を誘導し得る
最高血清希釈の回帰として表わされる。 第8図は異なる濃度(%)のホルムアルデヒド(0.035,
0.042,0.052,0.070,0.105,0.140,0.210及び0.420%)で
処理されたPT−9K/129G試験体のポリアクリルアミドSDS
ゲルにより電気泳動を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リノ ラップオーリ イタリア国、シエナ、ケルチェ グロッ サ 53035 モンテリッジョーニ、ヴィ ア カラマンドレイ 39 (72)発明者 ルチアーノ ネンチォーニ イタリア国、シエナ、ポッジボンジ 53036、ヴィア エス カテリーナ 13 (56)参考文献 欧州公開306318(EP,A1) Science,242[4875]P.72 −74(1988) Intection and Imm unity,56[8]P.1934−1941 Proc,Natl.Acad.Sc i,USA 85 P.7521−7525 (1988)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サブユニット1のアミノ酸配列のアミノ酸
    残基Glu 129及びArg 9が、アミノ酸残基Gly及びLysによ
    り夫々置換されることを特徴とする、減少された毒性を
    有するかまたは毒性をもたない免疫活性PT−9K/129G百
    日咳毒素変異体。
  2. 【請求項2】0.035%〜0.420%の重量/容量%の量のホ
    ルムアルデヒドによる処理により得られる、減少された
    分裂促進性もしくは血球凝集活性を有するか、またはそ
    れらの活性をもたないことを特徴とする、請求項1に記
    載の百日咳毒素変異体。
  3. 【請求項3】0.035%〜0.420%の重量/容量%の量のホ
    ルムアルデヒドによる処理により得られる、37℃に等し
    いか、またはほぼ等しい温度に於ける安定性を特徴とす
    る、請求項1に記載の百日咳毒素変異体。
  4. 【請求項4】ホルムアルデヒドの量が0.035%である、
    請求項3記載の百日咳毒素変異体。
  5. 【請求項5】ボルデテラ菌株であって、 該菌株の染色体中に百日咳毒素及びその形質発現をコー
    ドする遺伝子及び分泌調節配列を含み、該百日咳毒素の
    S1サブユニットをコードする遺伝子が、請求項1に記載
    の百日咳毒素変異体をコードするように突然変異誘発さ
    れることを特徴とする、ボルデテラ菌株。
  6. 【請求項6】ボルテデラが百日咳菌、パラ百日咳菌また
    は気管支敗血症菌である、請求項5記載のボルデテラ菌
    株。
  7. 【請求項7】百日咳菌(W28)PT−9K/129G ATCC 5389
    4。
  8. 【請求項8】a) 少なくとも一種の抗生物質に耐性な
    野生型ボルデテラ菌株を選択し、 b) (a)で得られた菌株中の相同組換えにより、百
    日咳毒素をコードする染色体遺伝子を異なるタンパク質
    をコードする遺伝子で置換し、 c) (b)で得られたPT遺伝子を含まないボルデテラ
    菌株(Δtox)を選択し、 d) 百日咳菌から単離された百日咳毒素遺伝子を突然
    変異誘発し、 e) ボルデテラを複製し得ない適当に変性されたプラ
    スミド中で上記の突然変異遺伝子を挿入し f) (c)で選択されたボルデテラ菌株(Δtox)中
    で上記のプラスミドを挿入し、ついで最後に g) 突然変異百日咳毒素遺伝子による相同組換えが行
    われたボルデテラ菌株を単離することを含む方法により
    得られる、請求項5〜7のいずれか一項に記載のボルデ
    テラ菌株。
  9. 【請求項9】段階d)に於いて、百日咳毒素遺伝子がプ
    ラスミドPT−101 ATCC 67854から単離される、請求項8
    記載のボルデテラ菌株。
  10. 【請求項10】百日咳菌、パラ百日咳菌または気管支敗
    血症菌の種の中から選択される、請求項8記載のボルデ
    テラ菌株。
  11. 【請求項11】炭素源、窒素源及び無機塩の存在下で液
    体培地中で、請求項5〜7のいずれか一項に記載のボル
    デテラ菌株を培養し、こうして得られた百日咳毒素変異
    体の培地から単離し、精製することを含む方法により得
    られる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の百日咳毒
    素変異体。
  12. 【請求項12】病原性の百日咳菌によりひき起こされる
    感染に対して有効な保護免疫を人に与え得る抗百日咳菌
    無細胞ワクチンの調製のための組成物であって、活性成
    分として、請求項1〜4のいずれか一項に記載の百日咳
    菌変異体を含む、組成物。
  13. 【請求項13】病原性の百日咳菌によりひき起こされる
    感染に対して有効な保護免疫を人に与え得る細胞抗百日
    咳菌ワクチンの調製のための組成物であって、活性成分
    として、請求項5〜7のいずれか一項に記載のボルデテ
    ラ菌株を含む、組成物。
  14. 【請求項14】免疫学的に有効量の請求項1〜4のいず
    れか一項に記載の百日咳毒素変異体を含む、病原性の百
    日咳菌によりひき起こされる感染に対して保護免疫を人
    に誘導し得る無細胞抗百日咳菌ワクチンとして好適な免
    疫原性製剤。
  15. 【請求項15】免疫学的に有効量の請求項5〜7のいず
    れか一項に記載のボルデテラ菌株を含む、百日咳菌によ
    りひき起こされる感染に対して保護免疫を人に誘導し得
    る、細胞抗百日咳菌ワクチンとして好適な免疫原性製
    剤。
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