JP2653171B2 - フィルム状液晶表示素子 - Google Patents

フィルム状液晶表示素子

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、従来のガラス基板の代わりにフィルム基板
を用いることによって一層薄型,軽量化を図るフィルム
状液晶表示素子に関するものである。
従来の技術 一般に液晶表示素子は、第3図にその構成断面を示す
ように、所要の表示パターンの透明電極2,2′を有する
ガラスまたはフィルムなどの基板1,1′を相対向させ、
シール剤3で周辺部を固着し、そして第4図に示すよう
にシール剤3の一部に開口部を設けて注入口5とし、そ
の注入口5より液晶4を注入した後、封止剤8で封止し
両外側に偏光板7,7′を貼合せて構成している。6は注
入口5を塞ぐ封止剤8が基板1,1′間内部に必要以上に
入らないようにするための封止剤流入防止部である。
発明が解決しようとする課題 従来のガラス基板を用いる場合、第4図に示すように
液晶4を注入口5より注入するには、液晶セルを真空の
雰囲気で注入口5を下にし、液晶の入った容器に浸し真
空状態を開放することによって行なっている。しかしフ
ィルム状液晶表示素子においては、注入口5が小さい場
合にはフィルム基板自体が柔軟であるために、真空雰囲
気中ではフィルムセル内部で膨張した空気がセルを膨ら
ませるのみで、パネル内部の空気を排気するのに必要な
内部気圧が発生しないので基板の固いガラスセルに比べ
て注入口5からの排気が難かしくできても長時間を要す
る。さらに真空状態を開放した時、外気圧によって注入
口5が狭められて液晶注入が困難になり、できても長時
間を要するという難点があった。
本発明は、このような従来の問題を解決し、液晶注入
を容易にかつ効率的に行なえるようにすることを目的と
するものである。
課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明は、一対のフィルム
基板の周辺部を固着するシール剤の一部に設けた液晶注
入用の開口部に封止剤流入防止部を設け、少なくとも前
記開口部と前記封止剤流入防止部の間隙に、前記封止剤
流入防止部と独立した複数のスペーサを、前記フィルム
基板の少なくとも何れか一方に点在させて固着したもの
である。また、フィルム基板の液晶注入用の開口部と封
止剤流入防止部との間隙の内、少なくともスペーサを配
置する部分以外の間隙部には、封止剤の接着力を低下さ
せる配向膜を形成しないように配置したものである。
作用 この構成により、真空引き時の排気が効率的にでき、
さらに真空開放時には柔軟なフィルム基板が外気圧によ
って曲がって注入口を狭めることを防止し液晶注入を効
率的に行なえるものである。
このように液晶注入用の開口部の構造を一部変更する
のみで、フィルム基板を用いた液晶表示素子でも従来と
全く同一方法でガラス基板を用いた場合と同様に液晶注
入が容易にでき、しかも十分な封口強度が得られるもの
である。
実施例 以下、本発明の一実施例を第1図および第2図を用い
て説明する。図において、11,11′は厚さ200μmの偏光
板一体型PES(ポリエーテルサルフォン)のフィルム基
板であり、このフィルム基板11,11′の相対する面には
所要のパターン形状の透明電極12,12′が形成されてい
る。このフィルム基板11,11′は、透明電極12,12′が内
側になるように所定の間隔をあけて相対向して配置され
るとともに周辺部をシール剤13により環状に固着し、そ
の間隔内には、液晶14を注入する。この場合、シール剤
13の一部には液晶14を注入するための注入口15が設けら
れ、その内側に封止剤が必要以上に内部に流入するのを
防止するために島状に封止剤流入防止部16が設けられて
いる。さらに注入口15と封止剤流入防止部16の間隙にフ
ィルム基板11,11′の間隔と同じ粒径のスペーサー19を
配置する。ただしこのスペーサー19が液晶14を注入する
際に位置がずれないように配向膜としてあらかじめポリ
イミド20を塗布したフィルム基板11,11′にスペーサー1
9を散布しポリイミド20を硬化させることによりスペー
サー19を固着させておく。この場合、ポリイミド20は、
液晶14を注入した後注入口15を塞ぐ封止剤18とフィルム
基板11,11′の内側との接着力を低下させるため、第1
図に示すように注入口15と封止剤流入防止部16との間隙
の少なくともスペーサーを点在させる部分17のみに塗布
し、それ以外の一部流入させた封止剤18により封止する
のに必要な部分はポリイミドが塗布されないようにする
ことが必要である。
すなわち本発明は、第1図に示すように液晶注入のた
めに設けた注入口15と封止剤流入防止部16との間隙に必
要なスペーサー19を固着しておくことによって真空引き
の時には排気を効率的にし、また真空開放時には外気圧
によって柔軟なフィルム基板11,11′が曲がって注入口1
5を狭めることを防止することができる。しかも点在さ
せたスペーサー19の粒径はフィルム基板11,11′の間隔
と同じで十分小さいため液晶14の注入を妨げることなく
ガラス基板の場合と同様に液晶注入を効率的に行なうこ
とができる。
発明の効果 このように本発明は、液晶注入口の構造を一部変更す
ることのみでフィルム状液晶表示素子の場合でも液晶注
入をガラス基板の場合と同様、容易に行なえるようにし
たもので、大幅な生産効率の向上が可能になり、工業的
効果は大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例によるフィルム状液晶表示素
子の要部構成を示す平面図、第2図は同素子の断面図、
第3図は一般の液晶表示素子の断面図、第4図は同素子
の要部を示す平面図である。 11,11′……フィルム基板、12,12′……透明電極、13…
…シール剤、14……液晶、15……注入口、16……液晶流
入防止部、17……スペーサー点在部、18……封止剤、19
……スペーサー、20……配向膜。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対のフィルム基板の周辺部を固着するシ
    ール剤の一部に設けた液晶注入用の開口部に封止剤流入
    防止部を設け、少なくとも前記開口部と前記封止剤流入
    防止部の間隙にスペーサーを前記フィルム基板の少なく
    とも何れか一方に点在させて固着したことを特徴とする
    フィルム状液晶表示素子。
  2. 【請求項2】液晶注入用の開口部と封止剤流入防止部と
    の間隙の内、少なくともスペーサーを配置する部分以外
    の間隙部には、配向膜を形成しないようにした請求項1
    記載のフィルム状液晶表示素子。
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