JP2651588B2 - 洗浄剤組生物 - Google Patents

洗浄剤組生物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは、
チユーベローズ(polianthes tuberosa L.)等のポリア
ンテス属(polianthes L.)に属する植物より組織培養
法によつて得られる酸性ヘテロ多糖類を配合し、洗浄剤
本来の機能になんら影響を与えることなく、使用時およ
び使用後の感触を改善した優れた洗浄剤組成物に関す
る。
〔従来の技術およびその課題〕
洗浄剤組成物、特に洗顔料、シヤンプー等の人体用洗
浄剤は洗浄剤本来の機能である洗浄の他に、使用時およ
び使用後の好ましい使用感が必要とされる。このため、
使用時や使用後の感触を改善する目的で、油分、保湿
剤、水溶性高分子等を単独又は組合わて配合して用いて
いる。しかしながら、これらの物質を洗浄剤に配合する
と、洗浄力、すすぎ性、泡立ち性等が極端に低下すると
いう欠点があつた。
一方、ポリアンテス属に属する植物、特にチユーベロ
ーズは、その油性成分が香料として利用されているが、
組織培養法によつて得られる水溶性成分については報告
されておらず、洗浄剤に応用された例もない。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実状において、本発明者らは鋭意研究を行つた
結果、チユーベローズ由来の成分、就中、組織培養法に
より得られる、水溶性成分である酸性ヘテロ多糖類を配
合した洗浄剤は、洗浄機能の低下なしに、使用時および
使用後の感触を改善することを見出し、本発明を完成し
た。
すなわち、本発明は、ポリアンテス属(polianthes
L.)に属する植物より得られる、アラビノース、マンノ
ース、ガラクトース、キシロースおよびグルクロン酸を
構成成分とする酸性ヘテロ多糖類および界面活性剤を含
有することを特徴とする洗浄剤組成物を提供するもので
ある。
本発明において用いるチユーベローズ由来の酸性ヘテ
ロ多糖類は、例えば以下の方法により得ることができ
る。
組織培養法: チユーベローズの花等の一部を外植片とし、基本培地
に植物ホルモンと炭素源としての糖を加えた培地を用い
てカルスを誘導する。このカルスをさらに液体培地にう
つして振とう培養し、この培養物から、細胞を遠沈また
はろ過によつて除去したのち、濃縮し、濃縮液にエタノ
ールを加えて沈澱させ、沈澱物を凍結乾燥することによ
り酸性ヘテロ多糖類を得る。
本方法の外植片として、チユーベローズはその花、
茎、葉、鱗茎、根等の器官又は組織の一部が使用される
が、就中特に花の一部が好ましい。
カルス誘導用の基本培地としては、植物組織培養に通
常用いられるMurasige−Skoogの培地、Linsmaier−Skoo
gの培地、Gamborgの培地、Whiteの培地、Tuleckeの培
地、Nitsch & Nitschの培地などが用いられうる。
この基本培地には植物ホルモンを添加する必要があ
り、植物ホルモンとしては、2,4−ジクロロフエノキシ
酢酸(2,4−D)、α−ナフタレン酢酸(NAA)、インド
ール酢酸(IAA)、インドール酢酸(IBA)等のオーキシ
ン類;フルフリルアミノプリン(カイネチン)、ベンジ
ルアデニン(BA)、ジメチルアミノプリン(2iP)等の
サイトカイニン類が挙げられる。その中でも、2,4−D
単独、もしくはNAAとBAと組合わせ、またはNAAとカイネ
チンの組合わせが良好な結果を与える。カルス誘導に必
要な植物ホルモン濃度は、2,4−D単独の場合は5×10
-4Mから1×10-7M、NAAとBAまたはNAAとカイネチンの組
合わせの場合は、NAAの濃度は5×10-4Mから1×10
-7M、BAまたはカイネチンの濃度は1×10-4Mから1×10
-7Mである。
カルス誘導培地には上記の基本培地と植物ホルモンの
ほかに炭素源として糖が加えられる。糖としては、グル
コース、フラクトース、マンノース、キシロース、サツ
カロース、ラムノース、フコース、デンプンなどが挙げ
られるが、通常はサツカロースが用いらる。
カルス誘導は固体培地でも液体培地でも可能である
が、通常は固体培地が用いられる。
誘導されたカルスは上記のカルス誘導培地で同じ形態
を維持したまま10代以上にわたつて継代培養することが
できる。継代培養用の培地としては、通常基本培地とし
てLinsmaier−Skoogの培地、Murasige−Skoogの培地、
植物ホルモンとして1×10-4〜1×10-7Mの2,4−Dまた
は1×10-4〜1×10-7MのNAAと1×10-4〜1×10-7MのB
A、炭素源としては、グルコース、フラクトース、マン
ノース、キシロース、サツカロース、ラムノース、フコ
ース、デンプン等が用いられるが、就中サツカロースが
好ましくは、その添加量は1〜6%が好ましい。
カルスから多糖類を製造するには、カルスを寒天培地
等の固体培地、液体培地で培養するが、就中液体培地で
培養するのが好ましい。
基本培地としてはカルス誘導培地と同じもの、例えば
Murasige−Skoogの培地、Linsmaier−Skoogの培地、Gam
borgの培地、Whiteの培地、Tulecke培地、Nitsch & Ni
tschの培地などが用いられうるが、就中Murasige−Skoo
gの培地、Linsmaier−Skoogの培地が好ましい。
植物ホルモンの種類及び濃度は多糖類の生産性に関係
があり、例えば2,4−D、NAA、IAA、IBA等のオーキシン
類;カイネチン、BA、2iP等のサイトカイニン類;ジベ
レリンA3(GA3)等のジベレリン類等が使用される。こ
の中で、2,4−D、NAAを単独で、またはNAAとBAもしく
はカイネチンを組合わせて用いるのが好ましい。その濃
度は、2,4−D又はNAAを単独で用いる場合は5×10-4M
から1×10-7M、特に5×10-5Mから5×10-6Mが;NAAとB
AまたはNAAとカイネチンを組合わせて用いる場合には、
NAAの濃度は1×10-4Mから1×10-7M、特に1×10-4Mか
ら5×10-6M、BAまたはカイネチンの濃度は5×10-5Mか
ら1×10-9M、特に1×10-5Mから1×10-7Mが好まし
い。
炭素源としては、グルコース、フラクトース、マンノ
ース、キシロース、サツカロース、ラムノース、フコー
ス、デンプンなどが用いられる。多糖類の生産は添加す
る炭素源の種類にはあまり強く影響されるものではな
く、通常サツカロースが用いられる。炭素源の濃度の多
糖類の生産量との間にもあまり深い関係はないが、一般
には1〜6%が好ましい。
培養法は特に制限されないが、通常、20〜30℃の温度
で15〜30日間行うのが好ましく、また振とう培養が好ま
しい。
このようにして得られた培養物から多糖類を採取する
には、例えば培養物から細胞を遠沈又はろ過等によつて
除去したのち、培養液をロータリーエバポレーター等を
用いて濃縮し、濃縮液にエタノールを加えて沈澱させ、
沈澱物を凍結乾燥することによつて行われる。
本発明に用いる他の成分である界面活性剤は、洗浄剤
に通常用いられる成分であり、例えば、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸
塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、α−オレフインス
ルフオン酸塩、高級脂肪酸塩(石鹸)、アルキル又はア
ルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又
はエステル、アミノ酸系界面活性剤、リン酸エステル系
界面活性剤等のアニオン界面活性剤;ベタイン、アミド
ベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイ
ン、アミドアミノ酸もしくはイミダゾリン系界面活性剤
等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリグリ
センの高級アルコールエーテル、ポリグリセリンの高級
脂肪酸エステル、アルキルポリサツカライド、アミンオ
キシド、脂肪酸アルキロールアミド等の非イオン界面活
性剤;その他モノアルキル4級アンモニウム塩等のカチ
オン界面活性剤が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物中の界面活性剤配合量は、固型
洗浄剤においては50〜99重量%、液体もしくはクリーム
状洗浄剤においては2〜50重量%の範囲である。
また、酸性ヘテロ多糖類の配合量は、界面活性剤100
重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5
重量部である。0.001重量部未満では好ましい使用感を
付与することが困難であり、また相溶性の点から、10重
量部を超えて配合することは困難である。
本発明の洗浄剤組成物は、固型、液体及びクリーム状
等の種々の形状とすることができ、また、例えばシヤン
プー、クレンジングフオーム、ボデイーシヤンプー、固
型石鹸等、任意の剤型をとることができる。
本発明の洗浄剤組成物には、前記必須成分の他に、そ
れらの剤型に応じて一般の洗浄剤に用いられる各種成
分、例えば水、低級アルコール等の溶剤類、粉末成分、
油分、保湿剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘
剤、色素、香料、薬剤等を必要に応じて配合することが
できる。これらは本発明の効果を損なわない範囲内で用
いることができる。
〔発明の効果〕
本発明の洗浄剤組成物は、チユーベローズ由来の酸性
ヘテロ多糖類を配合することにより、洗浄機能を損なわ
ずに使用時および使用後の感触が優れたものである。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 酸性ヘテロ多糖類の製造: (a) カルスの誘導: チユーベローズは、開花2〜7日前の蕾を切り取り、
70%エタノール溶液で1分間減菌し、さらに1%次亜塩
素酸ナトリウム溶液で10分間滅菌した後、滅菌水で洗浄
した。滅菌処理された外植片を適当な大きさにきり、カ
ルス誘導用培地に接種した。
カルス誘導用培地には、基本培地として0.8%の寒天
を含むLinsmaier−Skoogの培地を用いた。植物ホルモン
としてはオーキシンとして10-5M、NAAとサイトカイニン
として10-6M BAを添加した。炭素源としては3%サツカ
ロースを添加した。この培地を0.1N KOHでpH5.7に調整
したのち、オートクレープにより120℃、12気圧で15分
間滅菌した。培養は電照下25±1℃で行われた。30〜60
日間の培養の後それぞれの外植片からはカルスが誘導さ
れた。
(b) カルスの継代: (a)において誘導されたそれぞれのカルスは、誘導
培地と同一の培地を用いて同一条件下で培養され、30日
おきに新しい培地に移植された。
(e) 振とう培養: (b)において10代以上継代培養されたカルスについ
て、上記カルス培養培地と同様の成分からなる液体培地
を用いて振とう培養を行つた。培地の量は、200ml容の
三角フラスコ当り80mlとした。カルスは新鮮重で2gを接
種し、25±1℃、120rpmで30日間振とう培養した。
(d) 多糖類の採取方法: (c)の培養液から遠心分離またはろ過により細胞を
除き、培養液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮
した。この濃縮培養液に約3倍量のエタノールを加え、
5℃で24時間静置し沈澱を得た。この沈澱を遠心分離に
より回収し、70%エタノールで洗浄した後凍結乾燥によ
り水分を除去した。
上記の方法により、チユーベローズカルスから1.91g/
/30日の細胞外多糖類が得られた。この多糖類は次の
ような物性を有していた。
外観:白色〜灰白色粉末 糖含量(フエノール硫酸法及びカルバゾール法によ
る):80%〔うちウロン酸(グルクロン酸)含量25%〕 構成糖:アラビノース:ガラクトース:マンノース:キ
シロース=10:5:4:1 タンパク含量:2% 水分含量:5% 分子量:10,000〜20,000,000 実施例2 洗顔料: 下記の処方、製法により洗顔料を調製し、その使用感
について調べた。結果を第1表に示す。
(製法) (2)(5)(9)の加熱混合溶液に(4)を加え、
次いで(1)(3)(6)(7)(8)を加え、加熱混
合溶解する。これを冷却して液状の洗顔料を得た。
(使用テスト方法) 20〜35才の女性20名に対し、洗浄性、泡立ち、すすぎ
性、および使用中の肌の感じ(滑かさ)、使用後の肌の
感じ(しつとり感)の5項目について、本発明品と比較
品の使用テスト(コンペア評価)を行つた。
(結果) チユーベローズ由来多糖類を配合した本発明の洗顔料
は、洗浄性、泡立ち、すすぎ性という洗浄本来の機能の
低下がなく、使用中および使用後の肌の感じに優れたせ
洗顔料であつた。
実施例3 クレンジングフオーム: (処方) (1) ラウリルリン酸 30.0(重量%) (2) ラウリン酸 2.0 (3) プロピレングリコール 10.0 (4) ジステアリン酸エチレングリコール 3.0 (5) 防腐剤 0.3 (6) 香料 0.5 (7) 水酸化ナトリウム 11.0 (8) 酸性ヘテロ多糖類(実施例1) 1.0 (9) 精製水 42.2 (製法) (1)(3)(9)の加熱混合溶液に(7)を加え、
次いで(2)(4)(5)(6)(8)を加え、加熱混
合溶解する。これを冷却してクレンジングフオームを得
た。
このクレンジングフオームは使用中の滑かさがあり、
洗浄性にも優れ、使用後も、つつばり、かさつきのない
優れた使用感のものであつた。
実施例4 シヤンプー: (処方) (1) ポリオキシエチレンラウリルエーテル 16.0(重量%) (2) ラウリン酸ジエタノールアミド 4.0 (3) プロピレングリコール 2.0 (4) 酸性ヘテロ多糖類(実施例1) 2.0 (5) 香料 0.5 (6) 精製水 75.5 (製法) (6)に(4)を溶解し、ついで(1)(2)(3)
(5)を加え加熱溶解後、冷却してシヤンプーを得た。
このシヤンプーは、使用時の髪のすべりが良く泡立
ち、すすぎ性の良い使用感のすぐれたものであつた。
実施例5 固形石鹸: (処方) (1) 石鹸素地 97.0(重量%) (2) 二酸化チタン 1.0 (3) 酸性ヘテロ多糖類(実施例1) 1.0 (4) 香料 1.0 (製法) (1)に(2)(3)(4)を加え、混練し、プロツ
ターで棒状に押し出し、型打ちして固形石鹸を得た。
この石鹸は、使用感が滑らかで、泡立ち、洗浄性の良
いものであつた。
実施例6 ボデイーシヤンプー: (処方) (1) ラウリルリン酸 10.0(重量%) (2) ヤシ油カリ石鹸 5.0 (3) ラウリン酸 5.0 (4) トリエタノールアミン 15.0 (5) 1,3−ブチレングリコール 5.0 (6) ジステアリン酸エチレングリコール 2.0 (7) エタノール 5.0 (8) 香料 0.5 (9) 酸性ヘテロ多糖類(実施例1) 1.5 (10) 精製水 51.0 (製法) (1)(5)(10)の加熱混合溶液に(4)を加え、
次いで(2)(3)(6)(9)を加え加熱混合溶解す
る。これを冷却し(7)(8)を加え混合溶解して、液
状のボデイーシヤンプーを得た。
このボデイーシヤンプーは、使用時の滑りがあり、使
用後の肌のしつとりするという優れた使用感のものであ
つた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A01H 4/00 A01H 4/00 A61K 7/00 A61K 7/00 J C08B 37/00 C08B 37/00 Q (56)参考文献 特開 平1−10997(JP,A) 特開 平1−213213(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアンテス属(polianthes L.)に属す
    る植物より得られる、アラビノース、マンノース、ガラ
    クトース、キシロースおよびグルクロン酸を構成成分と
    する酸性ヘテロ多糖類および界面活性剤を含有すること
    を特徴とする洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】ポリアンテス属に属する植物がチユーベロ
    ーズ(polianthes tuberosa L.)である第1項記載の洗
    浄剤組成物。
  3. 【請求項3】酸性ヘテロ多糖類が組織培養法によつて得
    られたものである第1項もしくは第2項記載の洗浄剤組
    成物。
  4. 【請求項4】酸性ヘテロ多糖類の含有量が、界面活性剤
    100重量部に対し0.001〜10重量部である第3項記載の洗
    浄剤組成物。
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