JP3375833B2 - 皮膚洗浄剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、泡立ちに優れ、す
すぎ時に皮膚のぬるつきがなく、洗浄後の皮膚のつっぱ
り感もない皮膚洗浄剤に関するものである。 【０００２】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】高級脂
肪酸塩である石鹸は、泡立ちが良く、洗浄後さっぱりと
した感触が得られる為、皮膚洗浄剤として多用されてい
る。しかし、石鹸の強い脱脂力によって皮膚のうるおい
成分が過度に取り除かれる為、洗浄後に皮膚のつっぱり
感等の障害を引き起こすことがある。このため、石鹸に
保湿剤としてプロピレングリコールやグリセリン等の多
価アルコールを配合することや、他の界面活性剤を添加
したりすることが知られている（特開平７−３０９７４
２号公報）。しかし、これら成分の配合は、泡立ちの低
下やすすぎ時の皮膚のぬるつき感を生じさせる等の欠点
をもたらす。 【０００３】そこで、本発明は泡立ちに優れ、すすぎ時
に皮膚のぬるつきがなく、洗浄後の皮膚のつっぱり感も
ない皮膚洗浄剤を提供することを目的とする。 【０００４】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、鋭意研究した結果、高級脂肪酸塩とア
セロラの果実より抽出したエキスとを含有する皮膚洗浄
剤が、泡立ちに優れ、すすぎ時の皮膚のぬるつきがな
く、洗浄後の皮膚のつっぱり感もない優れた効果を有し
ていることを見出し、本発明に至った。 【０００５】すなわち、本発明の請求項１の発明は、高
級脂肪酸塩とアセロラの果実より抽出したエキスとを含
有することを特徴とする皮膚洗浄剤である。 【０００６】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳述
する。本発明に用いられるアセロラ（Malpighia glabra
Linne）は、西インド諸島原産の高さ３〜５メートルの
常緑の灌木で、開花後、直径１〜３センチメートルの小
さなサクランボに似た赤い実をつける。このアセロラの
果実は多量のアスコルビン酸を含むことから、加工され
て食品素材として利用されている。一方、この抽出エキ
スを化粧品に配合することはよく知られている（特開平
２−第２００６１０号公報）。しかし、皮膚洗浄剤にお
ける効果については現在のところ知られていない。 【０００７】アセロラの果実よりエキスを抽出する製造
例を示す。すなわち、アセロラの果実（１０キログラ
ム）を圧搾し、圧搾汁を得る。これを濃縮し、オリをろ
過し、ろ液（約２キログラム）を得る。これにプロピレ
ングリコール３０重量％水溶液（１８キログラム）を加
え、冷所に７〜１０日間放置して熟成させ、ろ過してエ
キス（約２０キログラム）を得る。このようにして得た
エキスには、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸などの
有機酸やグルコース、フルクトースの糖類及びタンパク
質などが含まれている。アセロラの果実より抽出したエ
キスは皮膚洗浄剤の全組成中に０．０１〜５重量％が好
ましい。０．０１重量％未満では充分な官能特性が発現
しない場合が、５重量％を超えても配合量に相当する充
分な官能特性が発現しない場合がそれぞれある。 【０００８】本発明で用いられる高級脂肪酸塩として
は、飽和又は不飽和のいずれであってもよく、炭素数８
〜２２の高級脂肪酸塩が好ましい。具体例としては、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイ
ン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、
ヤシ油脂肪酸、パーム核脂肪酸などがある。また、塩を
構成する対イオンには、ナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、２−アミノ−２−メチル
プロパノールなどのアルカノールアミン塩、リジン、ア
ルギニンなどの塩基性アミノ酸塩などが挙げられる。ま
た、高級脂肪酸塩は、必ずしも脂肪酸塩として配合する
必要はなく、遊離の高級脂肪酸を含んでもよい。 【０００９】これらの高級脂肪酸塩は、１種又は２種以
上を組合せて用いることができ、全組成中に５〜３０重
量％が好ましい。５重量％未満では充分な泡立ち、洗浄
力が得られず、３０重量％を越えると系の安定性が悪く
なり好ましくない場合がある。 【００１０】本発明の皮膚洗浄剤には、前記高級脂肪酸
塩以外に、通常洗浄剤に用いられる、その他のアニオン
性、両性、ノニオン性界面活性剤を、本発明の効果を損
なわない範囲で配合してもよい。例えば、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂
肪酸アミドエーテル硫酸塩、ヤシ油脂肪酸メチルタウリ
ンナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢
酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタ
ノールアミド酢酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸エチルエス
テルスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩、ラウリルス
ルホコハク酸塩、ラウリルイミノジ酢酸塩、ラウロイル
メチル−β−アラニン塩、ラウロイル−Ｌ−グルタミン
酸塩、ラウロイル−Ｌ−アスパラギン酸塩などのアニオ
ン性界面活性剤。両性活性剤としては、ラウリルジメチ
ルアミノ酢酸ナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベ
タイン、２−アルキル−Ｎ−ヒドロキシエチル−Ｎ−カ
ルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒ
ドロキシスルホベタインなどがある。また、ノニオン性
活性剤は脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸モノエタノ
ールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド、ラウリル
ジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、アルキルグルコシドなどがある。 【００１１】また、本発明の皮膚洗浄剤には、通常皮膚
洗浄剤に配合される他の成分、例えば保湿剤、油分、水
溶性高分子、色素、キレート剤、殺菌剤、紫外線吸収
剤、香料などが配合できる。 【００１２】 【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
る。なお、効果の測定は以下の評価法によった。 【００１３】泡立ち ロスマイルス試験法に準じて泡立ちを測定した。ただ
し、試料は２重量％水溶液（ＣａＣＯ3 、５０ｐｐｍ人
工硬水使用）、温度は４０℃である。 ◎… 泡立ちが極めて良好、泡立ち２５０ｍｍ以上 ○… 泡立ちが良好、泡立ち２００ｍｍ以上、２５０ｍ
ｍ未満 △… 泡立ちが普通、泡立ち１５０ｍｍ以上、２００ｍ
ｍ未満 ×… 泡立ちが不良、泡立ち１５０ｍｍ未満 【００１４】ぬるつき感、つっぱり感 官能試験による評価法である。試料約１ｇを手のひらに
採って３５〜４０℃の温水による洗顔試験を行い、すす
ぎ時のぬるつき感を官能評価した。また、洗顔後タオル
ドライし、５分後のつっぱり感を評価した。試験対象者
として女性パネラー２０名を選んだ。 ぬるつき感の評点 ◎… ぬるつき感がなく良いと答えた人が１６名以上の
場合 ○… ぬるつき感がなく良いと答えた人が１２〜１５名
の場合 △… ぬるつき感がなく良いと答えた人が７〜１１名の
場合 ×… ぬるつき感がなく良いと答えた人が６名以下の場
合 つっぱり感の評点 ◎… つっぱり感がなく良いと答えた人が１６名以上の
場合 ○… つっぱり感がなく良いと答えた人が１２〜１５名
の場合 △… つっぱり感がなく良いと答えた人が７〜１１名の
場合 ×… つっぱり感がなく良いと答えた人が６名以下の場
合 【００１５】実施例１，２、比較例１〜３ 表１に示す配合組成の皮膚洗浄剤を通常の方法で調製
し、各必須成分の効果を調べ、その結果を表１に示す。
なお、配合量は重量％である。 【００１６】 【表１】 【００１７】この結果から明らかなように本発明の成分
を用いた皮膚洗浄剤（実施例１，２）は泡立ち、ぬるつ
き感及びつっぱり感のいずれも優れた性能を示した。一
方、必須成分のどちらかを欠いた場合（比較例１，２，
３）はいずれも充分な性能を示さなかった。 【００１８】実施例３ 次に示す洗顔剤を調製し、前記の方法にて評価した。い
ずれの項目も優れた評価であった。 （重量％） １．ミリスチン酸カリウム １２．０ ２．ミリスチン酸リジン ４．０ ３．ラウリン酸アミドプロピルベタイン ３．０ ４．ラウリン酸ジエタノールアミド ３．０ ５．ジステアリン酸エチレングリコール ２．０ ６．ソルビトール液 ５．０ ７．ヒドロキシプロピルメチルセルロース ０．３ ８．アセロラ抽出エキス ３．０ ９．エデト酸四ナトリウム ０．１ 10. 香料 適量 11. 精製水 残余 【００１９】実施例４ 次に示すボディシャンプーを調製し、前記の方法にて評
価した。泡立ちが良く、ぬるつき感がなく、つっぱり感
のない感触を示した。 （重量％） １．ラウリン酸トリエタノールアミン １８．０ ２．パルミチン酸トリエタノールアミン ２．０ ３．ラウリルヒドロキシスルホベタイン ２．０ ４．ラウリルイミノジ酢酸ナトリウム ３．０ ５．ジステアリン酸エチレングリコール ２．５ ６．パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド ４．０ ７．ヒドロキシエタンジホスホン酸 ０．１ ８．アセロラ抽出エキス ４．０ ９．香料 適量 10. 精製水 残余 【００２０】実施例５ 次に示すハンドソープを調製し、前記の方法で評価し
た。泡立ちが良く、めるつき感がなく優れた使用感であ
った。 （重量％） １．ヤシ油脂肪酸カリウム １５．０ ２．ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド ２．０ ３．ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン ４．０ ４．プロピレングリコール ８．０ ５．トリクロサン ０．３ ６．アセロラ抽出エキス ２．０ ７．ビタミンＥアセテート ０．２ ８．エデト酸二ナトリウム ０．０５ ９．香料 適量 １０．精製水 残余 【００２１】 【発明の効果】以上記載のように、本発明が泡立ちに優
れ、すすぎ時に皮膚のぬるつきがなく、洗浄後も皮膚の
つっぱり感がない優れた皮膚洗浄剤を提供することは明
らかである。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 高級脂肪酸塩とアセロラの果実より抽出
   したエキスとを含有することを特徴とする皮膚洗浄剤。