JP2650420B2 - 放射能汚染測定装置 - Google Patents

放射能汚染測定装置

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JP2650420B2 JP1146990A JP14699089A JP2650420B2 JP 2650420 B2 JP2650420 B2 JP 2650420B2 JP 1146990 A JP1146990 A JP 1146990A JP 14699089 A JP14699089 A JP 14699089A JP 2650420 B2 JP2650420 B2 JP 2650420B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、帯状のシンチレータを用いて放射能表面汚
染の一次元的分布状態を該シンチレータと汚染測定対象
物とを相対的に移動させることなく測定することができ
る放射能汚染測定装置、特に、シンチレータの構成が簡
単であり、かつ放射能汚染の検出が不可能な該測定装置
における不感領域を生じることが少なく、かつシンチレ
ーシヨン光を検出する光電変換素子の個数を従来装置に
比べて大幅に少なくすることができる装置に関する。
〔従来の技術〕
板状のプラスチックシンチレータを用いた放射能汚染
測定装置は、大面積のシンチレータを得ることが容易で
あるから広い面積を有する表面部分における放射能汚染
をシンチレータと前記表面部分とを相対的に異動させる
ことなく一度に測定することができて、このため、従
来、人体や広い表面積を有する物品の放射能表面汚染を
測定するために用いられているが、この測定装置では、
一枚のシンチレータに放射線が入射することによってこ
のシンチレータ内に生じるシンチレーシヨン光を光ガイ
ドによって光電子増倍管やホトダイオード等の光電変換
素子に導いてこの光電変換素子が出力する光電信号にも
とづいて前記放射線の検出を行うようにしているので、
放射線のシンチレータにおける入射位置を特定すること
が不可能である。つまり、上記のような測定装置には放
射能表面汚染の強度は測定できるが汚染位置の測定は不
可能であるという欠点がある。
このため、従来、第2図及び第3図に示した測定装置
を用いて放射能表面汚染の一次元的分布状態を測定する
ことが行われている。すなわち、第2図において、1は
一面1aのほぼ全面にわたって放射線入射窓2が設けられ
た板状のプラスチックシンチレータ、3は入射窓2から
放射線4がシンチレータ1内に入射することによって該
シンチレータ内に発生するシンチレーシヨン光5をシン
チレータの他面1bを介して光出射窓3aに導くようにした
光ガイドで、この場合、放射線入射窓2は放射線4は入
射させるが外来光は入射させることがないように構成さ
れ、またシンチレータ1の面1aはシンチレーシヨン光5
を反射してこの光5を透過させないように構成されてい
る。6はシンチレータ1の側面を固定的に被うようにし
た、放射線4及び外来光のいずれをも透過させることが
なくかつシンチレーシヨン光5を反射するようにした遮
蔽部材、3bはシンチレータ1に当接する部分と光出射窓
3aとを除く光ガイド3の外面を構成する、遮蔽部材6と
同様な機能を有する遮蔽部材で、光ガイド3はこの部材
3bと部材3bによってとり囲まれたシンチレーシヨン光伝
達媒体3cと光射出窓3aとで構成され、この光ガイド3と
シンチレータ1とは図示していない手段で固定的に結合
されている。7は光出射窓3aに導かれたシンチレーシヨ
ン光5を受光するように該窓3aにとりつけた光電子増倍
管、8は増倍管7が出力する光電信号7aについて所定の
波形整形処理を行って計数可能なパルス状の係数信号8a
を出力するようにした波形整形手段、9は上述の各部か
らなる単位測定装置で、第2図においては複数個の単位
測定装置9が隣接する装置9,9間を固定部材10で固定す
ることによって一次元状に配置されて、これらの装置9
と部材10とで放射線汚染測定装置11が構成されている。
第3図は第2図とは異なる従来の放射能汚染測定装置
12の構成図で、本図の第2図と異なる主な所は、隣接す
る両シンチレータ1,1の各側面が放射線4は通過させる
がシンチレーシヨン光5は通過させない薄い遮蔽層13を
介して接着固定されることによって複数個のシンチレー
タ1が一次元状に配置されて、これらのシンチレータ1
で帯状のシンチレータ14が形成されていることである。
そうして、この場合、シンチレータ14の側面が遮蔽部材
6で被われており、シンチレータ1の他面1bから出射し
たシンチレーシヨン光5を光射出窓3aに導く複数個の光
ガイド3が図示していない手段で固定的に結合されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
第2図及び第3図においては測定装置11,12がそれぞ
れ上述のように構成されているので、測定装置11または
12と汚染測定の対象物とを相対的に異動させなくても該
対象物における放射能表面汚染のおおよその一次元的分
布状態を装置11または12における計数信号8によって測
定し得ることが明らかであるが、一般に光に対して感度
のよい光電子増倍管7には光電信号7a中に雑音が出力さ
れ易い性質があるので、測定装置11及び12には放射線測
定結果の信頼度が低いという難点がある。そこで、一個
のシンチレータ1ごとに増倍管7と波形整形手段8との
組を二組設けて、この場合の両手段8,8が出力する計数
信号8a,8aが同時に入力されると所定時間幅の一個のパ
ルスを出力する同時計数回路の出力パルスを計数するこ
とによって(以後、このような計数動作を信号8a,8aに
対する同時計数動作ということがある。)放射線測定を
行うようにすると、光電信号7aにおける雑音の影響が除
かれて信頼度の高い放射線測定結果が得られることが明
らかであるが、この場合、上述したように、一個のシン
チレータ1ごとに二個の増倍管7と二個の波形整形手段
8とを必要とするので、汚染測定装置の構成が複雑にな
るという欠点が生じる。つまり、上述した測定装置11及
び12には放射線測定結果の信頼度を上げようとすると装
置構成が複雑になるという問題点がある。
そうして、さらに、測定装置11には隣接する単位測定
装置9,9間に結合部材10が存在していて、この部材10に
は放射線4を検出する機能はないので、このため、装置
11には放射線4を検出できないかなり大きい不感領域が
存在するためこの不感領域の面からも放射線測定結果の
信頼度が低いという問題があり、また測定装置12におい
ては、シンチレータ14が上述のように構成されているの
で上述した不感領域は殆ど存在しないものの、シンチレ
ータ14の構成が複雑なので該シンチレータの製作が面倒
であるという問題点がある。
本発明の目的は、一列に配置した複数の光電子増感倍
のような光電変換素子に対して共通に一枚の板状シンチ
レータを設けかつ隣接する両光電変換素子の各々が出力
する光電信号について等価的な同時計数動作を行うよう
にして、上述した光電増倍管7と波形整形手段8とで構
成されるような光電検出部の個数を増やさなくても簡単
な装置構成で放射能表面汚染の一次元的分布状態を高い
信頼度で測定することができ、かつシンチレータの製作
が容易で、かつ不感領域を生じることのない放射能汚染
測定装置を得ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明によれば、帯状の
一枚のシンチレータと、前記シンチレータに放射線が入
射することによって前記シンチレータ内に発生したシン
チレーション光を前記シンチレータの一面を介して前記
シンチレータの長手方向に沿って一列に分散配置された
複数個の光出射窓のすべてに導く光ガイドと、前記シン
チレーション光を受光するように前記光出射窓のそれぞ
れにとりつけた光電変換素子と、前記光電変換素子のそ
れぞれが出力する光電信号が入力されかつ前記光電信号
が入力されかつ前記光電信号が同時に二個入力されると
これら両入力信号の大きさを比較して比率を求め、大き
い方の前記光電信号を出力した前記光電変換素子側の前
記比率に応じた位置に対応する位置信号を出力する光電
信号処理部とを備え、前記位置信号に基づき前記シンチ
レータの他面が対向させられた測定対象物の表面におけ
る放射能汚染の一次元的分布状態を測定するように放射
能汚染測定装置を構成する。
〔作用〕
上記のように構成すると、すべての光電変換素子に対
してシンチレータが共通に一個設けられているだけであ
るから、この場合、シンチレータの製作が容易でかつ不
感領域を生じることのない放射能汚染測定装置が得られ
ることは明らかであり、また、シンチレータから出射し
たシンチレーシヨン光はその出射位置と光出射窓との間
の距離が近い程短い時間でかつ強い光強度で光電変換素
子に入射するので、光電信号処理部で行われる信号処理
動作によって、シンチレータにおけるシンチレーション
光の出射位置に近い隣接する両光電変換素子のそれぞれ
が出力する光電信号について信号の大きさが比較される
とともにその比率が求められ、大きい方の前記光電信号
を出力した光電変換素子に近い方の前記比率に応じた位
置に対応した位置信号が出力されることになり、この時
光電信号処理部では位置信号を出力することによって等
価的な同時計数動作が行われていることは明らかである
から、光電変換素子の個数を増やすことなく、またシン
チレータと測定対象物とを相対的に移動させることな
く、簡単な構成で放射能表面汚染の一次元的分布状態を
高い信頼度で測定することができる放射能汚染測定装置
が得られることになる。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例の構成図で、本図において
は第2図及び第3図におけるものと同じものにはこれら
両図の場合と同じ符号が付してある。
第1図において、15はシンチレータ1と同様に構成さ
れているが放射線入射窓2が設けられたシンチレータ本
体部が細長い帯状に形成された一枚のプラスチックシン
チレータ、16は窓2を透して放射線4がシンチレータ15
に入射することによってこのシンチレータ内に発生した
シンチレータ光5をシンチレータ15の一面15aを介して
シンチレータ15の長手方向に沿って一列に配置された複
数個の光出射窓16aのすべてに導くようにした、前述の
光ガイド3に対応した光ガイドで、この場合、光出射窓
16aの各々に前述した光電子増倍管7がとりつけられて
いる。17は、すべての光電子増倍管7が出力する光電信
号7aが入力されるように構成され、かつ信号7aが同時に
二個入力されると直ちにこれら両信号7a,7aの大きさを
比較して大きい方の信号7aを出力した増倍管7に対応し
た位置信号17aを出力するようにした光電信号処理部、1
8はシンチレータ15の他面15bに対向させられた測定対象
物で、19は測定対象物18を除く図示の各部からなる放射
能汚染測定装置である。
測定装置19は上述のように構成されているので、シン
チレータ15で発生したシンチレーシヨン光5の殆んどが
光ガイド16を介してすべての増倍管7に入射するが、こ
の場合、シンチレータ15に発生したシンチレーシヨン光
5はシンチレータ15におけるシンチレーシヨン光5の出
射位置に最も近い光出射窓16aに最初にしかも最も強い
光強度で到達し、このシンチレーシヨン光5の出射位置
に最短の距離にある窓16a以外の窓16aには、前記のシン
チレーシヨン光出射位置からの距離Dに応じた遅れ時間
でかつ該距離Dに応じた弱い光強度で到達する。そうし
て、測定装置19においては信号処理部17が上述のように
構成されていて、この処理部17は最初に光電信号7aが先
発信号として入力された後この先発信号7aが消滅しない
うちに後発の信号7aが入力されると両信号7a,7aについ
て大小比較動作を行うので、この動作は隣接する両増倍
管7,7の各々が出力する信号7a,7aについて行われること
になって、この時隣接する両増倍管7,7のうちの信号7a
の大きさが大きい方の増倍管7の側に前述したシンチレ
ーシヨン光5の出射位置が存在することは明らかであ
る。
したがって、この場合、位置信号17aがシンチレータ1
5におけるシンチレーシヨン光5のおおよその出射位置
を表していることになるので、この位置信号17aにもと
づいてシンチレータ15の他面15bが対向させられた測定
対象物18の表面における放射能汚染の一次元分布状態
を、シンチレータ15と測定対象物18とを相対的に移動さ
せることなく、かつ前述した放射能汚染測定装置12にお
けると同程度の位置分解能で測定できることになるが、
この時処理部17においては両信号7a,7aについて大小比
較演算が行われてこの結果位置信号17aが出力されてい
て、この信号処理部17の動作は前述した同時計数動作と
等価であることは明らかであるから、測定装置19によれ
ば上述した放射能汚染の一次元的分布状態の測定を高い
信頼度で行うことができることになる。つまり、測定装
置19では、増倍管7で発生する雑音の測定結果に及ぼす
影響を除くのに隣接する増倍管7の出力信号7aを利用し
ていて、前述した放射能汚染測定装置11,12において増
倍管7を倍加して測定結果の信頼度を向上させるように
増倍管7の個数を増やす必要はないから、増倍管7の個
数が従来装置11,12に比べて大幅に少ない簡単な装置構
成で信頼度の高い測定結果が得られることになる。
なお、測定装置10ではすべての増倍管7に対して一個
のシンチレータ15が共通に設けられているので、この測
定装置19がシンチレータ15の製作が容易でかつ不感領域
を生じることのない装置であることは説明するまでもな
く明らかである。
また、上述の実施例においては光電信号7aを得るため
に光電子増倍管7を用いたが、本発明では増倍管7のか
わりにホトダイオードのような光電変換動作を行う半導
体を採用してもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、すべての光電変換素子に対してシン
チレータが共通に一個設けられているだけであるから、
本発明にはシンチレータの製作が容易でかつ不感領域を
生じることのない放射能汚染測定装置が得られる効果が
あることは明らかであり、また、シンチレータから出射
したシンチレーシヨン光はその出射位置と光出射窓との
間の距離が近い程短い時間でかつ強い光強度で光電変換
素子に入射するので、光電信号処理部で行われる信号処
理動作によって、シンチレータにおけるシンチレーショ
ン光の出射位置に近い隣接する両光電変換素子のそれぞ
れが出力する光電信号について信号の大きさが比較され
るとともにその比率が求められ、大きい方の前記光電信
号を出力した光電変換素子に近い方の前記比率に応じた
位置に対応した位置信号が出力されることになり、この
時光電信号処理部では位置信号を出力することによって
等価的な同時計数動作が行われていることは明らかであ
るから、本発明には光電変換素子の個数を増やすことな
く、またシンチレータと測定対象物とを相対的に移動さ
せることなく、簡単な構成で放射能表面汚染の一次元的
分布状態を高い信頼度で測定することができる放射能汚
染測定装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成図、 第2図及び第3図はそれぞれ異なる従来の放射能汚染測
定装置の構成図である。 1,14,15……シンチレータ、3,16……光ガイド、3a,16a
……光出射窓、4……放射線、5……シンチレーシヨン
光、7……光電子増倍管、7a……光電信号、11,12,19…
…放射能汚染測定装置、17……光電信号処理部、17a…
…位置信号、18……測定対象物。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状の一枚のシンチレータと、前記シンチ
    レータに放射線が入射することによって前記シンチレー
    タ内に発生したシンチレーション光を前記シンチレータ
    の一面を介して前記シンチレータの長手方向に沿って一
    列に分散配置された複数個の光出射窓のすべてに導く光
    ガイドと、前記シンチレーション光を受光するように前
    記光出射窓のそれぞれにとりつけた光電変換素子と、前
    記光電変換素子のそれぞれが出力する光電信号が入力さ
    れかつ前記光電信号が入力されかつ前記光電信号が同時
    に二個入力されるとこれら両入力信号の大きさを比較し
    て比率を求め、大きい方の前記光電信号を出力した前記
    光電変換素子側の前記比率に応じた位置に対応する位置
    信号を出力する光電信号処理部とを備え、前記位置信号
    に基づき前記シンチレータの他面が対向させられた測定
    対象物の表面における放射能汚染の一次元的分布状態を
    測定することを特徴とする放射能汚染測定装置。
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