JP2649486B2 - 内挿回路 - Google Patents

内挿回路

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JP2649486B2
JP2649486B2 JP4380694A JP4380694A JP2649486B2 JP 2649486 B2 JP2649486 B2 JP 2649486B2 JP 4380694 A JP4380694 A JP 4380694A JP 4380694 A JP4380694 A JP 4380694A JP 2649486 B2 JP2649486 B2 JP 2649486B2
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直線変位量、回転変位
量等の計測に用いられるリニアエンコーダ(スケー
ル)、ロータリーエンコーダ等において、検出器から得
られる位置信号を内挿化して出力する内挿回路に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図12に、従来のインクリメンタル型ス
ケール装置に用いられている内挿回路の一実施例の構成
略図を示す。この内挿回路は、本願と同一発明者且つ同
一出願人による特願昭60−283265号(昭和60
年12月17日出願)(特開昭62−142220号)
「デコーダを用いる内挿回路」に記載したもので、これ
を簡単に説明すると、インクリメンタルスケール1と検
出ヘッド2の相対移動により得られる互いに電気角90
度の位相差を有して変化するアナログsin成分信号
(a)及びcos成分信号(b)を持つ変位信号を入力
とし、この入力変位信号をアナログ・ディジタル変換器
3a,3bでディジタルなsin及びcos信号
(c),(d)に変換してROM等のデコーダ4に供給
する。
【0003】このデコーダ4のアドレス入力にディジタ
ルsin及びcos信号(c),(d)が供給され、デ
コーダ4にはディジタルsin及びcos信号(c),
(d)によって選択されるアドレス点の軌跡であるリサ
ージュパターンに基づいて形成される内挿数「V」で分
割された2値信号パターンがデータとして書き込まれて
おり、デコーダ4に供給されるディジタルsin及びc
os信号(c),(d)をアドレス信号として、このデ
コーダ4から2値信号パターンに基づいて内挿化された
sin及びcos矩形波信号(e),(f)であるA・
B相パルス信号が出力される。
【0004】ここで図13に、ROM等に内蔵された2
値信号パターンの一例を示す。この2値信号パターン
は、第1のビットパターン(sin矩形波信号用)と第
2のビットパターン(cos矩形波信号用)があり、そ
れぞれsin成分,cos成分を軸とする直交座標平面
を想定し、デコーダ4に供給されるディジタルsin及
びcos信号(c),(d)により定まるリサージュの
円軌跡を描き、原点を中心に円周を内挿数V(図13で
はV=8)で放射状に均等に分割して、順次1,0,
1,0,……と2値信号を割り付けしたパターンであ
る。
【0005】両パターンはP/4ピッチだけ原点を中心
に角度変位した関係にあり、sin及びcos信号
(c),(d)により定まるリサージュの円軌跡上の座
標点に対応して、第1のビットパターンと第2のビット
パターンから、内挿化されたsin及びcos矩形波信
号(e),(f)がそれぞれ出力される。
【0006】なお、この内挿作業は、制御タイミング信
号である単一のサンプリングクロック信号CLK(g)
に対応して測定され出力される。また、内挿回路6では
入力変位信号(a),(b)と、出力パルス信号
(e),(f)がROM等のデコーダ4を挟んで一対一
に対応した構造を持つことから、サンプリングクロック
CLK(g)が十分に早ければ、ほぼリアルタイムとし
ての出力パルス信号が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近、一般産業用機械
などでは24時間稼動等の長時間にわたって電源を切る
ことができない用途とともに、同じく一般産業用機械で
の制御系の高速化、高精度化に伴い、高速高分解能で信
頼性の高いスケール装置が求められている。
【0008】しかし、上述のような従来のインクリメン
タル型スケール装置に用いられている内挿回路6(図1
2)では、1サンプリングに±1カウント以下までの変
位速度追従性しか得られず、変位信号に加わる電気的ノ
イズ、スケール・検出ヘッド間のスリック運動、衝撃、
振動、瞬時的速度超過等の過度的で高速な変位変化によ
って、±1カウント以上の変位変化が生じた場合には出
力信号にパルス抜けが発生し、このカウントパルス出力
信号の供給先であるカウンタ等では正しい計測値が得ら
れなくなる。
【0009】そこで、本願発明者は、現時点では未だ出
願公開されていないが、特願平5ー84350号(平成
5年4月12日出願)(特開平6−317433号)「擬
似絶対値型スケール装置」により、内挿回路の計測部の
諸信号(具体的には、同出願の明細書・図面中の1波長
区間絶対位置信号(e),増減変位量(g)及び累積位
置信号(i))を、夫々複数ビットで構成して並列的な
計数処理をし、高速での計測を可能とすることを提案し
た。
【0010】一方、計測の高速化のためにサンプリング
時間(g)を早くしてリアルタイム化を実施すると高速
化は実現できるものの、内挿器出力の周期及びパルス幅
は必然的に早く且つ狭くなる。
【0011】上記出願においても、供給先であるカウン
タ側の高速化に伴い、外来ノイズ等の影響を受けやすく
なり、カウンタ側でのミスカウントの危険性が高くなる
ことから、スケールシステム全体の信頼性は低くなる。
逆に、出力パルス幅を広げて信頼性を高くすれば、内挿
の高速化が犠牲となり、高速化と高信頼性とが相反して
しまう。
【0012】この高速化と高信頼性の相反は、内挿回路
の内挿数Vである分解能が高くなればなるほど大きな課
題となる。上述の内容から、出力パルス幅を十分に広く
確保したままで、内挿の高速化とともに高分解能が実現
できれば、高速高分解能で信頼性の高い理想的な内挿回
路が得られる。
【0013】
【課題を解決する手段】本発明にかかる内挿回路(請求
項1)は、被検出手段との相対的な移動により得られる
互いに電気角90度の位相差をもつアナログsin成分
信号及びcos成分信号からなる変位信号をそれぞれ入
力され、該変位信号を内挿化してディジタルカウントパ
ルスとして出力する。
【0014】ここで、内挿回路は、高速な第1のクロッ
ク信号CLK1のタイミングに対応して、複数ビットの
並列処理により、デコード手段(3)が、該変位信号か
ら一波長内の絶対値を表わすディジタル信号(e)を出
力し、加算手段(5)が、前回と今回のサンプリング間
の信号(e)の変位量(g)を累積加算した信号(j)
を一時的に記憶し、第1のクロック信号のタイミングよ
り低速の第2のクロック信号CLK2のタイミングに対
応して、出力パルス生成手段(6)が、該累積加算の変
位量(j)の正又は負に応じて累積変位量(j)をゼロ
にする迄、増パルス又は減パルス(u)を出力する。
【0015】更に、本発明にかかる内挿回路(請求項
2)は、被検出手段(1)に対向して移動可能に配置さ
れた変位検出手段(2)の相対的移動により得られる互
いに電気角90度の位相差をもつアナログsin成分信
号(a)及びcos成分信号(b)からなる変位信号を
それぞれ入力され、変位信号を内挿化してディジタルカ
ウントパルス(u)として出力する。ここで、この内挿
回路は、変位信号をディジタル値にそれぞれ変換するア
ナログ・ディジタル変換手段(3a,3b)、このディ
ジタル化変位信号の一波長λを周期とする内挿数Vに分
割された一波長区間内での絶対位置であるディジタルな
一波長絶対位置信号(e)を得るデコード手段(3
c)、一波長絶対位置信号(e)の各測定サンプリング
での差分演算で得られる各サンプリング間の増減変位量
(g)を算出する差分演算手段(4)、該増減変位量を
累積加算して一時的な累積変位量(j)を算出する累積
加算手段(5a)、及び該一時的な累積変位量(j)を
記憶する記憶手段(5b)を有する入力部と、記憶手段
(5b)内の一時的な累積変位量(j)の正負判定で直
列な増減カウントパルス(u)を生成し外部に出力する
パルス生成手段(6)、及び増減カウントパルス出力の
度に一時的な累積変位量(j)の値を1カウントずつ取
り崩してこの値を常に”0”(ゼロ)とする減算手段
(7)を有する出力部とを備え、入力部と出力部との間
に配置された一時的な累積変位量(j)を記憶する記憶
手段(5b)が緩衝器作用をなして入力部と出力部間の
相互の影響を無くしている。
【0016】
【作用】本発明の内挿回路(請求項1)によれば、入力
部(計測部)は高速の第1のクロック信号CLK1のタ
イミングで計測されデータも複数ビットの並列処理で処
理される。出力部は、これより遅い第2のクロック信号
CLK2のタイミングで処理され出力される。入力部か
らのデータは、加算手段に一時的に溜められ、第2のク
ロック信号のタイミングで順次出力される。
【0017】更に本発明の内挿回路(請求項2)によれ
ば、入力部での増減変位量(g)にて1サンプリングに
0〜±λ/2未満の複数カウントの変位数量が得られる
ことから、この増減変位量(g)を累積加算することで
高速な変位計測ができるとともに、高速な変位計測で得
られた一時累積変位量(j)を(請求項4の)複数周期
にわたる記憶容量をもつ緩衝メモリ5bに一時的に蓄え
ることで累積な変位量を確保し、さらに、一時累積変位
量(j)を取り崩して一定の出力タイミングで増又は減
計数パルス(u)として出力し消化することで、上述ス
リック運動、衝撃、振動、瞬時的速度超過などの過度的
で高速な変位変化に対して緩衝メモリ5bが緩衝器バッ
ファとして作用し、一時的に多少の遅れが発生するもの
の上述高速な変位変化に対して十分に追従が可能となる
ことからミスカウントの発生を防ぐことができる。
【0018】また、本発明によれば、入力部の計測タイ
ミングである第1のクロックCLK1と、出力部の出力
タイミングである第2のクロックCLK2のそれぞれ独
立して設定できる2つのクロックを設け、さらにこの第
1、第2のクロック間の緩衝器として緩衝メモリ5bを
設けることで、入力部の高速な計測サンプリング時間に
影響されることなく、任意設定速度並びにパルス幅且
つ、一定の出力タイミングで出力することが可能とな
る。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の内挿回路を図面を参照しな
がら詳細に説明する。 [実施例の説明の順序]最初に、本発明の内挿回路の基
本構成(図1)を説明する。次に説明する、第1の実施
例(図2)は、この内挿回路の基本構成(図1)に対し
て単一のクロック発振器を有する場合の実施例である。
第2の実施例(図3)は、この内挿回路の基本構成(図
1)を具体化したものであり、以下に説明する実施例の
基となっている。即ち、第3の実施例(図4),第4の
実施例(図5)及び第5の実施例(図6)はいずれも、
第2の実施例(図3)の変形例であり、その差異部分の
みを図示して説明する。従って、図示していない部分
は、第2の実施例(図3)に同じである。第6の実施例
(図7)は、第2の実施例(図3)に対する追加例であ
り、その追加部分のみを図示して説明する。従って、図
示していない部分は、第2の実施例(図3)に同じであ
る。
【0020】[本発明にかかる内挿回路の基本構成……
図1]図1に、本発明の内挿回路(デテクタ)11の実
施例の基本構成を示す。内挿回路11は、機能ブロック
として、一波長絶対位置内挿回路3と、増減変位量演算
回路4と、一時累積加算回路5と、増減パルス生成回路
6と、一時累積変位量減算器7とを備えている。また、
第1のクロック信号CLK1を出力するクロック発信部
(1)8と、第2のクロック信号CLK2を出力するク
ロック発信部(2)9とを備えている。
【0021】内挿回路11に対して、インクリメンタル
スケール(被検出手段)1とこれに対向して移動可能に
配置された検出ヘッド(変位検出器)2との相対移動に
より得られる互いに電気角90度の位相差を有して変化
するアナログsin成分信号(a)及びcos成分信号
(b)を持つ変位信号が入力される。
【0022】内挿回路11の入力部にある一波長絶対位
置内挿回路3は、これらsin成分信号(a)及びco
s成分信号(b)をディジタル値に変換するアナログ・
ディジタル変換手段(A/D)3a,3bと、ディジタ
ル値に変換されたsin成分信号及びcos成分信号の
一波長λを周期とする内挿数に分割された一波長区間内
の絶対値であるディジタル一波長絶対位置信号(e)を
発生するデコーダ部(デコード手段)3cとを有してい
る。
【0023】この一波長絶対位置信号(e)を供給され
た増減変位量演算回路4は、一波長絶対位置信号(e)
の各測定サンプリング値の前回と今回のサンプリングで
の差分演算で得られる各サンプリング間に移動した0〜
±λ/2未満の増減変位量(g)を算出する差分演算手
段である。
【0024】この増減変位量(g)を供給された一時累
積加算回路5は、サンプリング間毎の増減変位量(g)
を累積加算して一時的な累積変位量である一時累積変位
量(j)を算出する加算手段である累積加算器5a並び
にこの一時累積変位量(j)を記憶する記憶手段である
緩衝メモリ5bからなる。この緩衝メモリ5bが入力変
位信号の複数周期にわたる記憶容量を持つと共に、この
記憶容量を任意に設定できる。
【0025】内挿回路11の出力部にある増減パルス生
成回路6は、この一時累積変位量(j)の値が正(j>
0)の場合は増パルス、負(j<0)の場合は減パルス
とする増減計数パルス(u)(「UP・DOWMパル
ス」又は「A・B相パルス」ともいう。)を生成し出力
する増減パルス生成手段である。
【0026】さらに増減計数パルス(u)は一時累積変
位量減算器7にも供給され、この一時累積変位量減算器
7は、増減計数パルス出力(u)の増パルス、減パルス
の発生毎に一時累積変位量(j)を”−1”および”+
1”カウントずつ取り崩し、この値の残量が常に”0”
(ゼロ)となるように制御された減算手段である。
【0027】この発明の内挿回路11は、入力部である
計測部と出力部であるパルス生成部との間に、緩衝機能
(パルスを溜める作用)として上述の緩衝メモリ5bを
挿入することを特徴とする。
【0028】また、本発明の内挿回路11は、例えば図
1に示す如く2つのクロック発振部(1)及び(2)
8,9を備える。内挿回路11の入力部である一時累積
変位量(j)を得るための計測タイミングである第1の
クロック信号CLK1を出力するクロック発信部(1)
8と、同じく内挿回路11出力部である出力パルスを生
成し出力する出力タイミングである第2のクロック信号
CLK2を出力するクロック発信部(2)9の2つのク
ロック信号を供え、これら2個のクロック信号CLK
1,CLK2は同じもしくは異なった周期を用いて構成
されるものである。なお、第2のクロック信号CLK2
は、第1のクロック信号CLK1を分周して用いてもよ
い。
【0029】(作用)上述の内挿回路11によれば、入
力部での増減変位量(g)にて1サンプリングに0〜±
λ/2未満の複数カウントの変位数量が得られることか
ら、この増減変位量(g)を累積加算することで高速な
変位計測ができるとともに、高速な変位計測で得られた
一時累積変位量(j)を緩衝メモリ5bに一時的に蓄え
ることで累積な変位量を確保し、さらに、一時累積変位
量(j)を取り崩して一定の出力タイミングで増又は減
計数パルス(u)として出力し消化することで、上述の
スリック運動、衝撃、振動、瞬時的速度超過などの過度
的で高速な変位変化に対して緩衝メモリ5bが緩衝器バ
ッファとして作用し、一時的に多少の遅れが発生するも
のの上述の高速な変位変化に対して十分に追従が可能と
なることからミスカウントの発生を防ぐことができる。
【0030】また、この内挿回路11によれば、入力部
の計測タイミングである第1のクロックCLK1と、出
力部の出力タイミングである第2のクロックCLK2の
それぞれ独立して設定できる2つのクロック発振部
(1)及び(2)8,9を設け、さらに第1、第2のク
ロック間の緩衝器として緩衝メモリ5bを設けること
で、入力部の高速な計測サンプリング時間に影響される
ことなく、任意に設定可能な速度並びにパルス幅且つ、
一定の出力タイミングで出力することが可能となる。
【0031】[内挿回路の第1の実施例……図2]図2
を参照して本発明の内挿回路の第1の実施例を説明す
る。図1の実施例の基本構成において使用したものに対
応するものには同一の符号を付す。
【0032】図2の第1の実施例を図1の基本構成と比
較すると、図1の基本構成では2つのクロック発振部
(1)及び(2)8,9を備えて第1及び第2のクロッ
ク信号CLK1,CLK2を出力しているのに対し、図
2の第1の実施例では単一のクロック発振器(1)8a
と(バッファとして作用する)反転器8bとによりCL
K1と/CLK1(ここで、符号「/」は反転を示
す。)を得て、図1の基本構成と同様の効果を得てい
る。
【0033】図2に示す第1の実施例の内挿回路(ディ
テクタ)11では、クロック発信器(1)8aから得ら
れる第1のクロック信号CLK1並びに、このクロック
信号を反転器8bで反転させた(第2のクロック信号C
LK2に相当する)第1のクロック反転信号/CLK1
の単一クロック信号を用いる。
【0034】図2に示すように、インクリメンタル磁気
スケール1にはスケール目盛り着磁波長λを周期とする
N極,S極交番磁気パターンが記録され、静止磁界読取
り可能な磁気検出ヘッド2のsin成分検出部2a及び
cos成分検出部2bにより記録波長λを周期とする9
0度位相差があるsin成分信号(a)及びcos成分
信号(b)のアナログ信号を内挿回路11であるディテ
クタに入力する。
【0035】このアナログ信号は、一波長絶対位置内挿
回路3に入力され、アナログ・ディジタル変換器(A/
D)3a及び3bでそれぞれ「n」ビットのディジタル
数値信号(c),(d)に変換され、ROM等を用いた
デコーダ3cに入力される。デコーダ3cは、ディジタ
ル化されたsin成分信号(c)及びcos成分信号
(d)を基にしてインクリメンタル磁気スケールの着磁
波長λを周期とし、内挿数(分割数)「V」で分割し、
「0」〜「V−1」までの値をとる「m」ビットの一波
長内の絶対位置信号(以下、「一波長絶対位置信号」と
いう。)(e)を出力し、増減変位量演算回路4のラッ
チ4a及び符号付き差分演算回路4bに入力する。
【0036】符号付き差分演算回路4bでは、現在サン
プリング時の一波長絶対位置信号(e)とラッチ4aを
通して出力される前回サンプリング時の一波長絶対位置
信号(f)との差分演算「(g)=(e)−(f)」か
ら、サンプリング間毎の「m」ビット増減変位量
(「g」=「−λ/2」〜「+λ/2」以内)を算出
し、一時累積変位量減算回路7の減算加算回路7bに入
力する。なお、差分演算については後述する。
【0037】減算加算回路7bでは、1サンプリング間
毎の増減変位量(g)と後で述べるところの減算数値信
号(n)とを加算し、一時累積加算回路5の累積加算器
5aに入力する。
【0038】累積加算器5aでは、1サンプリング間の
増減変位量(g)に減算数値信号(n)を加算したもの
(h)と、前回サンプリングまで累積加算したきた一時
的な累積変位残量信号である一時累積変位量(j)と加
算し、次回のサンプリングで緩衝メモリであるラッチ5
bに保持し、kビットの一時累積変位量(j)として増
減パルス生成回路6のゼロを除く正負判定器6aに入力
する。
【0039】ゼロを除く正負判定器6aでは、緩衝メモ
リ5bの残量値である一時累積変位量(j)の値が正
(j>0)の場合は正残量信号(k)を、負(j<0)
の場合は負残量信号(m)を出力(論理=「1」)し、
出力パルスANDゲート6b6cに各々入力する。
【0040】出力パルスANDゲート6b,6cでは、
第1のクロック反転信号/CLK1を出力パルスとし、
正残量信号(k)及び負残量信号(m)をゲート信号と
して、正残量信号(k)が論理「1」の場合はUPパル
ス信号(o)を、負残量信号(m)が論理「1」の場合
はDOWMパルス信号(p)を出力するとともに、これ
ら信号(o),(p)を一時累積変位量減算回路7の減
算数生成デコーダ7aに入力する。
【0041】減算数生成デコーダ7aでは、UP又はD
OWMパルス信号(o),(p)が出力される度に、U
Pパルスで「−1」、DOWMパルスで「+1」、パル
ス無しで「0」の減算数値(n)を生成し、減算加算回
路7bで増減変位量(g)に加算し、さらに緩衝メモリ
であるラッチ5bの残量値である一時累積変位量(j)
が常に「j=0」となるまで、このUPまたはDOWM
パルス信号を出力するとともに、一時累積変位量(j)
の減算を繰り返す。
【0042】なお、アナログ・ディジタル変換器3a,
3bの変換並びに、ラッチ4a、ラッチ5bのラッチの
タイミングは、第1のクロック信号CLK1の立ち上が
り点にて実行される。
【0043】(第1の実施例の作用)上述の内挿回路1
1では、以下のような作用をする。インクリメンタル磁
気スケール1から得られる記録波長λを周期とする90
度位相差があるsin成分信号(a)及びcos成分信
号(b)のアナログ信号を一波長絶対位置内挿回路3内
でインクリメンタル磁気スケール1の記録波長λを周期
とする一波長内の絶対位置信号(e)に変換する。
【0044】この一波長絶対位置信号(e)をサンプリ
ング毎の増減変位量演算回路4で各サンプリング毎の増
減変位量(g)を算出し、一時累積加算回路5内の累積
加算器5aで一時的な累積変位である一時累積変位量
(j)を算出し、この値を緩衝メモリ5b内に一時的に
確保する。
【0045】さらに、増減パルス生成回路6内のゼロを
除く正負判定器6aにより緩衝メモリ5b内の一時累積
変位量(j)の残量値が正ならばUPパルスを、負なら
ばDOWMパルスを出力するとともに、一時累積変位量
減算回路7通じて緩衝メモリ5bの残量である一時累積
変位量(j)を減算し、緩衝メモリ5bの残量値が常に
「0」となるように制御することで、検出ヘッド2から
入力される変位信号(a),(b)の変位量と同数の内
挿化されたUP・DOWM出力パルスが得られる。
【0046】また、緩衝メモリ5bが緩衝器(バッフ
ァ)として作用することで、内挿回路11の入力部と出
力部とが緩衝メモリ5bを境にしてお互いに影響される
ことなく独立した構成を持つことができる。
【0047】これにより、上述のスリック運動、衝撃、
振動、瞬時的速度超過などの過度的で高速な変位変化に
対して、入力部は出力部の出力タイミングに合わせるこ
となく常時高速での計測が可能となり、また出力部は一
時的に多少の出力パルスの遅れが発生する場合があるも
のの、入力部のサンプリングに影響されずに一定のタイ
ミングで出力をすることができる。
【0048】この作用により、高速な変位変化に対して
ミスカウントの発生を防ぎ信頼性の高い計測が可能とな
る。
【0049】なお、一波長絶対位置内挿回路3及び増減
変位量演算回路4は、本願と同一出願人による特願平5
−84350号(平成5年4月12日出願)(特開平6
−317433号)「疑似絶対値型スケール装置」に記
載したものを応用したものである。
【0050】ここで、上述した増減変位量演算回路4の
符号付き差分演算回路4bにおける差分演算「(g)=
(e)−(f)」について、簡単に説明を加える。符号
付き差分演算器4bは、図14に示すように、ステップ
(イ)で、現在のサンプリング時の一波長区間絶対位置
信号(e)から、前回のサンプリング時の一波長区間絶
対位置信号(f)を減算し、これを仮の変数(s)とす
る。ステップ(ロ)では、仮の変数(s)の絶対値がV
/2未満の場合は、そのまま1サンプリング間の増減変
位量(g)として出力し、仮の変数(s)の絶対値がV
/2以上の場合は、ステップ(ハ)に進み、仮の変数
(s)が正の場合は、ステップ(ホ)で、仮の変数
(s)から内挿数(V)を減算して、これを増減変位量
(g)として出力する。仮の変数(s)が負の場合は、
ステップ(ニ)で、仮の変数(s)に内挿数(V)を加
算して、これを増減変位量(g)として出力する。
【0051】このようにすることにより、前回のサンプ
リング時の一波長区間絶対位置信号(f)に対する現在
のサンプリング時の一波長区間絶対位置信号(e)の変
位方向(符号)及び増減絶対量(変位量)、即ち、1サ
ンプリング間の増減変位量(g)を算出することができ
る。
【0052】次に、図8は、各信号のタイムチャートを
示している。図8中、「CLK1(n)信号」は、第1
のクロック発信器8aのサンプリング周期(T1)、サ
ンプリング点(矢印S1)を示す第1のクロック信号C
LK1を、「/CLK1信号」は、第1のクロック信号
を反転した反転クロック信号/CLK1を、「A
(a),B(b)信号」は、検出ヘッド2から記録波長
λを周期とする90度位相差があるsin成分信号
(a)及びcos成分信号(b)を、「C(c),D
(d)信号」は、アナログ・ディジタル変換器3a,3
bでディジタル化されたsin成分信号(c)及びco
s成分信号(d)を、「E(e)信号」は、現在のサン
プリング時の一波長絶対位置信号(e)を、「F(f)
信号」は、前回のサンプリング時の一波長絶対位置信号
(f)を、「G(g)信号」は、1サンプリング間の増
減変位量(g)を、「H(h)信号」は、サンプリング
間の増減変位量gと減算数値信号nとの加算信号(h)
を、「I(i)信号」は、1サンプリング間の増減変位
量gと減算数値信号nを含む加算信号hと一時累積変位
量jとの加算信号(i)を、「J(j)信号」は、一時
累積変位量(j)を、「K(k)信号」は、判定器6a
による正残量信号(k)を、「M(m)信号」は、判定
器6aによる負残量信号(m)を、「O(o)信号」
は、UPパルス出力(o)を、「P(p)信号」は、D
OWMパルス出力(p)を、及び「N(n)信号」は、
減算数値信号(n)を、それぞれ表している。
【0053】なお、各信号について簡単に説明する。A
(a),B(b)信号の周期は一層長いが、図示の関係
上相対的に縮めて表記している。E(e)信号の例えば
E(n−1)は、C(n−1)とD(n−1)とによっ
てデコードされて得られる。F(f)信号の例えばF
(n)は、CLK1を用い4aでラッチしているので、
1周期(T1)前のE(e)信号E(n−1)がくる
(矢印で示す)。G(g)信号の例えばG(n−1)
は、eとfとの差分演算であり、[E(n−1),F
(n−1)]と表記している。H(h)信号の例えばH
(n−1)は、gとnとの減算であり、[G(n−1)
+N(n−1)]と表記している。I(i)信号の例え
ばI(n−1)は、hとjとの加算であり、[H(n−
1)+J(n−1)]と表記している。J(j)信号の
例えばJ(n)は、CLK1を用い5bでラッチしてい
るので、1周期(T1)前のI(i)信号I(n−1)
がくる(矢印で示す)。K(k)信号及びM(m)信号
はそれぞれ1ビットであり、J(j)>0ならK(k)
=1であり、J(j)<0ならM(m)=1である。O
(o)信号の例えばO(n−1)は、kと反転クロック
信号/CLK1のANDであり、K(n−1)・/CL
K1と表記している。P(p)信号の例えばP(n−
1)は、mと反転クロック信号/CLK1のANDであ
り、M(n−1)・/CLK1と表記している。N
(n)信号の例えばN(n−1)は、O(n−1)=1
の時にN(n−1)=−1となり、P(n−1)=1の
時にN(n−1)=1となり、O(n−1)とP(n−
1)がいずれも1でないときにN(n−1)=0とな
る。
【0054】この第1の実施例では、サンプリングクロ
ック発信器(1)8aの第1のクロック信号CLK1の
サンプリング周期(T1)は2[μsec]、インクリ
メンタル磁気スケール1のスケール着磁波長λ=20
[mm](S極10[mm]、N極10[mm])、ア
ナログ・ディジタル変換器3a,3bの分解能n=8ビ
ット、ROMを用いたデコーダ3cの内挿数(分割数)
V=40(最小カウント値=λ/V=20[mm]/4
0=0.5[mm])、現在のサンプリング時の一波長
絶対位置信号(e),前回のサンプリング時の一波長絶
対位置信号(f),増減変位量(g),一時累積変位量
減算加算機7bの加算信号(h)及び減算数値信号
(n)の各信号はそれぞれmビット=6ビット、累積加
算機5aの加算信号(i),一時累積変位信号(j)の
各信号はそれぞれk=12ビット、緩衝メモリであるラ
ッチ5bのバッファサイズ=12ビット=±2048カ
ウント、出力UP・DOWMパルス幅1[μsec]、
の条件で実施した場合、この内挿回路の短時間での過度
的な理論最大応答速度はλ/(2・T1)=5000
[m/sec]、連続的な理論最大応答速度はλ/(V
・T1)=250[m/sec]となる。
【0055】また、サンプリングクロック発信器1(8
a)の第1のクロック信号(CLK1)のサンプリング
周期(T1)は2[μsec]、インクリメンタル磁気
スケール1のスケール着時波長λ=4[mm](S極2
[mm]、N極2[mm])、アナログ・ディジタル変
換器3a,3bの分解能n=10ビット、ROMを用い
たデコーダ3cの内挿数(分割数)V=400(最小カ
ウント値=λ/V=4[mm]/400=10[μ
m])、現在のサンプリング時の一波長絶対位置信号
(e),前回のサンプリング時の一波長絶対位置信号
(f),増減変位量(g),一時累積変位量減算加算機
7bの加算信号(h),減算数値信号(n)の各信号は
それぞれmビット=9ビット、累積加算機5aの加算信
号(i),一時累積変位信号(j)の各信号はそれぞれ
k=12ビット、緩衝メモリであるラッチ5bのバッフ
ァサイズ=12ビット=±2048カウント、出力UP
・DOWMパルス幅1[μsec]、の条件で実施した
場合、この内挿回路の短時間での過度的な理論最大応答
速度はλ/(2・T1)=1000[m/sec]、連
続的な理論最大応答速度はλ/(V・T1)=5[m/
sec]となる。
【0056】(第1の実施例の効果)第1の実施例によ
れば、検出ヘッド2からの変位信号に加わる電気的ノイ
ズ、スケール・検出ヘッド間のスリック運動並びにクリ
アランス,トラックずれ等の変動によるsin,cos
アナログ波形の乱れ、衝撃、振動、瞬時的速度超過等の
過度的な速度超過に対して、内挿回路では1サンプリン
グに±λ/2まで追従する高速応答性を持つ入力部と共
に、内蔵緩衝メモリ5bを通すことで、どのような場合
でも常に一定のタイミングで増減カウントパルスを出力
することができる。
【0057】これにより内挿回路での誤計測(パルス抜
け)を防ぐとともに、カウンタ側でのミスカウントを無
くすことで累積誤差の発生を防ぐことが可能となる。
【0058】さらに、緩衝メモリが入力変位信号の複数
周期にわたる記憶容量を持つと共に、この記憶容量を任
意に設定できることで、上述多様にわたる速度超過原因
に対して柔軟かつ、適正に対応することが可能となり、
より信頼性の高いスケールシステムが得られる。
【0059】[内挿回路の第2の実施例……図3]図3
を参照して本発明の内挿回路11の第2の実施例を説明
する。図1乃至図2において説明したものに対応するも
のには同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】図3に示す第2の実施例の内挿回路11で
は、図1に示す基本構成と同様に、2つのクロック発振
器(1),(2)8a,9aを用いている。こうして、
内挿回路11の入力部の計測作業で用いられ、クロック
発信器(1)8aから得られる第1のクロック信号CL
K1と、出力部の出力タイミングとして用いられ、クロ
ック発信器(2)9aから得られる第2のクロック信号
CLK2とを用い、両クロック信号は相互に独立した周
期等が異なるクロック信号である。
【0061】また、第2のクロック信号CLK2を立ち
上がり同期微分回路9bに入力し、このクロック信号の
立ち上がりの同期微分信号を得て、後で述べるところの
一時累積変位量減算回路7の加算タイミング信号(O
E)として用いる。
【0062】増減パルス生成回路6のゼロを除く正負判
定器(出力ラッチ付き)6a’では、緩衝メモリ5bの
残量値である一時累積変位量(j)の値が正(j>0)
の場合は正残量信号(k)を、負(j<0)の場合は負
残量信号(m)を、第2のクロック信号CLK2の立ち
上がりタイミングでラッチ出力(論理=「1」)し、出
力パルスANDゲート6b,6cに各々入力する。
【0063】出力パルスANDゲート6b,6cでは、
第2のクロック信号CLK2を出力パルスとし、正残量
信号(k)及び負残量信号(m)をゲート信号として、
正残量信号(k)が論理「1」の場合はUPパルス信号
(o)を、負残量信号(m)が論理「1」の場合はDO
WMパルス信号(p)を出力するとともに、この信号を
一時累積変位量減算回路7の減算数生成デコーダ7a’
に入力する。
【0064】減算数生成デコーダ(出力ゲート付き)7
a’では、加算タイミング信号(OE)を出力ゲート信
号とし、UP又はDOWMパルス信号(o),(p)が
出力される度に、UPパルスで「−1」、DOWMパル
スで「+1」、パルス無しで「0」の減算数値信号
(n)を生成し、加算タイミング信号(OE)に同期さ
せて出力し、減算加算回路7bでUPパルス発生で「−
1」カウント、DOWMパルス発生で「+1」カウント
を増減変位量(g)に加算することで、緩衝メモリであ
るラッチ5bの残量値である一時累積変位量(j)が
「j=0」となるまで、UPまたはDOWMパルス信号
の出力及び一時累積変位量(j)の減算を繰り返す。
【0065】なお、デコーダ出力タイミング信号(O
E)が論理「0」の場合の減算数値信号(n)は常に数
値「0」とする。
【0066】(第2の実施例の作用)第2の実施例の内
挿回路11では、以下のような作用をする。一時累積加
算回路5の緩衝メモリ5b内に一時的に確保された一時
累積変位量(j)は、増減パルス生成回路6内のゼロを
除く正負判定器6a′より緩衝メモリ5bの残量が正な
らばUPパルスを、負ならばDOWMパルスを第1のク
ロック信号CLK1と独立した第2のクロック信号CL
K2を出力パルスタイミングとして出力するとともに、
このUP・DOWMパルスが出力される度に一時累積変
位量減算回路7通じて緩衝メモリ5bの残量である一時
累積変位量(j)を減算し、緩衝メモリ5bの残量が常
に「0」となるように制御することで、検出ヘッド2か
ら入力される変位信号(a),(b)の変位量に比例し
た同じ変位数量分のUP・DOWM出力パルスを得られ
る。
【0067】これにより第1の実施例の機能に合わせ、
入力部の計測タイミングである第1のクロック信号CL
K1と独立した出力部の出力タイミングである第2のク
ロック信号CLK2を用いることで、入力部の(第1の
クロック信号CLK1による)計測速度を落とさずに、
(第2のクロック信号CLK2による)任意の出力パル
ス速度を自由に設定することが可能となる。
【0068】また、図9には、各信号のタイムチャート
を示している。図9中、「CLK1(n)信号」は、第
1のクロック発信器8aのサンプリング周期(T1)、
サンプリング点(S1)を示す第1のクロック信号CL
K1(n)を、「CLK2(m)信号」は、第2のクロ
ック発信器9aのサンプリング周期(T2)、サンプリ
ング点(S2)を示す第2のクロック信号CLK2
(m)を、「OE信号」は、第2のクロック信号CLK
2の立ち上がり微分であるデコーダ出力タイミング信号
(OE)を、「G(g)信号」は、1サンプリング間の
増減変位量(g)を、「H(h)信号」は、1サンプリ
ング間の増減変位量(g)と減算数値信号(n)との加
算信号(h)を、「I(i)信号」は、1サンプリング
間の増減変位量(g)と減算数値信号(n)を含む加算
信号(h)と一時累積変位量(j)との加算信号(i)
を、「J(j)信号」は、一時累積変位量(j)を、
「K(k)信号」は、判定器6a′による正残量信号
(k)を、「M(m)信号」は、判定器6a′による負
残量信号(m)を、「O(o)信号」は、UPパルス出
力(o)を、「P(p)信号」は、DOWMパルス出力
(p)を、及び「N(n)信号」は、減算数値信号
(n)を、それぞれ表す。
【0069】各信号について簡単に説明する。CLK1
(n)に対して、CLK2(m)は独立しており、ここ
では、その周期(T2)はCLK1(n)の周期(T
1)に比較して、例えば約4倍の関係になっている。O
E信号は、CLK2(n)信号の立ち上がりの同期微分
であり、CLK2が立ち上がった時点をとらえて、CL
K1の立ち上がり(S1)で立ち上げ、次の立ち上がり
(S1)で立ち下げている。G(g)信号乃至G(g)
信号は、図8に示すこれらの信号と同様であり、図中の
表記及び説明を省略する。G(g)信号乃至J(j)信
号の説明は、図8に示すこれらの信号の説明と同様であ
り、説明を省略する。K(k)信号及びM(m)信号
は、判定器6a′が出力ラッチ付きなので、CLK2で
ラッチをかけて、CLK2の立ち上がり(S2)でjの
正負を判定して、j>0ならK(k)=1をO(o)信
号として、j<0ならM(m)=1をP(p)信号とし
て、次のCLK2の立ち上がり(S2)まで保持する。
N(n)信号は、図中、N(n−1)=〔‥‥〕・OE
又はN(n+2)=〔‥‥〕・OEと表しているが、こ
れはO(o)信号またはP(p)信号を、OE信号がハ
イレベル「1」の期間のみデータを出力し、且つ減算加
算回路7bで減算を繰り返す。
【0070】この第2の実施例では、インクリメンタル
磁気スケール1のスケール着磁波長λ=20[mm]
(S極10[mm]、N極10[mm])、アナログ・
ディジタル変換器3a,3bの分解能n=8ビット、R
OMを用いたデコーダ3cの内挿数(分割数)V=40
(最小カウント値=λ/V=20[mm]/40=0.
5[mm])、現在のサンプリング時の一波長絶対位置
信号(e),前回のサンプリング時の一波長絶対位置信
号(f),増減変位量(g),一時累積変位量減算加算
機7bの加算信号(h),減算数値信号(n)の各信号
はそれぞれmビット=6ビット、累積加算機5aの加算
信号(i),一時累積変位信号(j)の各信号はそれぞ
れk=12ビット、緩衝メモリであるラッチ5bのバッ
ファサイズ=12ビット=±2048カウント、サンプ
リングクロック発信器(1)8aの第1のクロック信号
CLK1のサンプリング周期(T1)は2[μse
c]、サンプリングクロック発信器(2)9aの第2の
クロック信号CLK2のサンプリング周期(T2)を4
[μsec]、8[μsec]、16[μsec]、3
2[μsec]、64[μsec]、128[μse
c]、512[μsec]の条件で実施した場合、出力
UP・DOWMパルス幅は各々T2/2=2[μse
c]、4[μsec]、8[μsec]、16[μse
c]、32[μsec]、64[μsec]、256
[μsec]となり、この内挿回路の連続的な理論最大
応答速度も各々λ/(V・T1)となるが、短時間での
過度的な理論最大応答速度はλ/(2・T1)=500
0[m/sec]一定となり、出力UP・DOWMパル
ス幅に影響されない。
【0071】(第2の実施例の効果)第2の実施例によ
れば、入力部の計測タイミングである第1のクロック信
号CLK1と、出力部の出力タイミングである第2のク
ロック信号CLK2の2つのクロック信号を用いるとと
もに、その両クロックの間に緩衝メモリ5bを挿入する
ことで、この緩衝メモリが緩衝器となることで両クロッ
クCLK1,CLK2はお互いに影響されずに独立して
用いることが可能となる。
【0072】これにより出力部の出力パルス幅を自由に
変化させても、入力部の(瞬時的な)計測速度は影響さ
れず変化しない。このことから、出力パルス幅を十分に
広く確保したままで、内挿の高速化とともに高分解能が
実現でき、理想的な内挿回路が得られる。
【0073】[内挿回路の第3の実施例……図4]以下
に、図4を参照して本発明の内挿回路の第3の実施例を
説明する。図4に示す第3の実施例の構成は、図3の第
2の実施例の変形例であり、具体的には第2の実施例
(図3)の増減パルス生成回路6がUP・DOWパルス
を出力しているのに対し、この第3の実施例(図4)で
はA相・B相パルスを出力している。
【0074】即ち、図4に示す第3の実施例の構成は、
図3の第2の実施例を基にすることからその差異部分の
みを示し、図示していないその他の部分は図3の第2の
実施例に同じである。従って、図3の第2の実施例にお
いて説明したものに対応するものには同一の符号を付す
とともに、その詳細な説明を省略する。
【0075】また、図4の第3の実施例で使用するデー
タロード付き両方向シフトレジスタ(以下、「シフトレ
ジスタ」と呼ぶ。)6d,6eでは、電源投入時に前も
って設定されたA相及びB相コード(P1),(P2)
がデータ入力DA〜DDを通してシフト出力QA〜QD
にセットされ、シフト方向選択入力である右シフト選択
SR並びに左シフト選択SLで選択されたシフト方向
に、クロック入力CKの立ち上がりタイミングでシフト
するとともに、右シフト時はシフト出力QDは右シフト
入力IRを通してシフト出力QAに、左シフト時はシフ
ト出力QAは左シフト入力ILを通してにシフト出力Q
Dにセットされ、A相及びB相コード(P1),(P
2)がシフト出力QA〜QDを循環シフトする機能を用
いる。
【0076】本発明の内挿回路の第3の実施例では、増
減パルス生成回路6のゼロを除く正負判定器(出力ラッ
チ付き)6a’で、緩衝メモリ5bの残量値である一時
累積変位量(j)の値が正(j>0)の場合は正残量信
号(k)を、負(j<0)の場合は負残量信号(m)を
第2のクロック信号CLK2の立ち上がりタイミングで
ラッチ出力(論理=「1」)し、シフトレジスタ6d,
6eのシフト方向選択入力である右シフト選択SR並び
に左シフト選択SLの各々に入力するととも に、AN
Dゲート6b,6cに入力する。
【0077】シフトレジスタ6d,6eでは、正残量信
号(k),負残量信号(m)の発生と同時に第2のクロ
ック信号CLK2の立ち上がりタイミングで選択された
方向にシフト出力QA〜QDであるA相及びB相コード
(P1),(P2)を循環シフトさせることで、この各
々のシフトレジスタ6d,6eのシフト出力QAからは
A・B相パルス信号(q),(r)が出力される。
【0078】また、ANDゲート6b,6cでは、正残
量信号(k),負残量信号(m)と第2のクロック信号
CLK2のANDにより、UPパルス信号(o)並びに
DOWMパルス信号(p)を生成し一時累積変位量減算
回路7のデコーダ7a’に入力することで、一時累積変
位量(j)の値を減算する。
【0079】(第3の実施例の作用)第3の実施例の内
挿回路11では、以下のような作用をする。一時累積加
算回路5の緩衝メモリ5b内に一時的に確保された一時
累積変位量(j)は、増減パルス生成回路6内のゼロを
除く正負判定器6a′により、緩衝メモリ5bの残量が
正ならば右シフトを、負ならば左シフトとし、第2のク
ロック信号CLK2をシフトタイミングとしてA・B相
パルス信号を出力するとともに、このA・B相パルス信
号がシフトされる度に一時累積変位量減算回路7通じて
緩衝メモリの残量である一時累積変位量(j)を減算
し、緩衝メモリ5bの残量が常に「0」となるように制
御することで、検出ヘッド2から入力される変位量
(a),(b)と同数のUP・DOWM出力パルスが得
られる。
【0080】これにより第3の実施例の機能に合わせ
て、A・B相パルス信号のカウントパルス出力が得られ
る。
【0081】(第3の実施例の効果)第3の実施例によ
れば、第2の実施例の増減パルス生成回路6部分をこの
実施例の増減パルス生成回路6に置き換えることで、A
・B相パルス信号のカウントパルス出力が得られる。A
・B相パルス信号を用いるいることで、A相またはB相
どちらが先行するかで、方向も分かる。
【0082】この業界では、出力にUP・DOWNパル
スに変換したものを用いるより、A・B相パルスを直接
受けつける機器(出力パルスの行き先)を使用している
場合が多いため(例えば、一般的なカウンタ、NC工作
機械等)、スケール装置利用者にとり便利な場合が多
い。
【0083】[内挿回路の第4の実施例……図5]図5
を参照して本発明の内挿回路11の第4の実施例を説明
する。図5に示す第4の実施例の構成は、図3の第2の
実施例の変形例であり、具体的には図3の一時累積加算
回路5を図5の一時累積加算回路5に置き換えて、可逆
カウンタとしている。
【0084】第4の実施例(図5)の基本構成は、第2
の実施例(図3)を基にすることからその差異部分のみ
を示し、図示していないその他の部分は第2の実施例
(図3)に同じである。従って、図3の第2の実施例に
おいて使用したものに対応するものには同一の符号を付
すとともに、その説明を省略する。
【0085】また、図5の第4の実施例で使用するデー
タロード付UP・DOWMカウンタ(ローダブル可逆カ
ウンタ。以下、「UP・DOWMカウンタ」と呼ぶ。)
5cでは、ロード入力Loadの立ち上がりタイミング
で、データ入力D1〜Dkはカウント出力Q1〜Qkに
セットされるとともに、UP入力Up,DOWM入力D
ownの立ち上がりでそれぞれ「+1」カウント及び
「−1」カウントする機能を用いる。
【0086】この第4の実施例では、増減変位量演算回
路4の符号付き差分演算回路4bから得られるサンプリ
ング間毎の増減変位量(g)は、一時累積加算回路5の
累積加算機5aに入力し、前回サンプリングまで累積加
算した一時累積変位量(j)と加算し、次回のサンプリ
ングで緩衝メモリであるUP・DOWMカウンタ5cに
保持し、kビットの一時累積変位量(j)として増減パ
ルス生成回路6の判定器6a′に供給する。
【0087】また、増減パルス生成回路6のANDゲー
ト6b,6cから得られるUPパルス信号(o)並びに
DOWMパルス信号(p)はANDゲート5d,5eに
それぞれ入力され、第2のクロック信号CLK2の立ち
上がり微分で得られる演算タイミング信号(OE)をゲ
ート信号として、UPパルス信号(o)はUP・DOW
Mカウンタ5cのDOWM入力Downへ、DOWMパ
ルス信号(p)はUP入力Upにそれぞれ入力される。
【0088】これにより、UPパルス信号(o)発生時
にはDOWMカウントを、DOWMパルス信号(p)発
生時にはUPカウントすることで、緩衝メモリ5cの一
時累積変位量(j)を減算する。
【0089】(第4の実施例の作用)上述の内挿回路1
1では、以下のような作用をする。増減変位量演算回路
4の符号付き差分演算回路4bから得られるサンプリン
グ間毎の増減変位量(g)は、一時累積加算回路5の累
積加算器5aで累積加算され一時累積変位量(j)とし
て増減パルス生成回路6に入力されるとともに、増減パ
ルス生成回路6で生成されるUPパルス信号並びにDO
WMパルス信号によりUP・DOWMカウンタ5cを減
算し、一時累積変位量(j)が常に「0」ゼロとなるよ
うに制御することで、検出ヘッド2から入力される変位
信号(a),(b)の変位量と同数の内挿化されたUP
・DOWM出力パルスが得られる。
【0090】このことから一時累積加算回路5内の構成
要素にUP・DOWMカウンタ5cを用いても、第3の
実施例(図4)と同じ機能が得られる。
【0091】(第4の実施例の効果)第4の実施例によ
れば、この一時累積加算回路において、緩衝メモリであ
るラッチ5bの変わりにUP・DOWMカウンタ(可逆
カウンタ)5cを用いることで、第2の実施例(図3)
で必要とした一時累積変位量減算加算機7bを省略する
ことが可能となる。
【0092】[内挿回路の第5の実施例……図6]図6
を参照して本発明の内挿回路の第5の実施例を説明す
る。第5の実施例(図6)の構成は、第2の実施例(図
3)の変形例であり、第2の実施例(図3)の一波長絶
対位置内挿回路3を図6の一波長絶対位置内挿回路3に
置き換えたものである。
【0093】図6に示す第5の実施例の構成は、図3の
第2の実施例を基にすることからその差異部分のみを示
し、図示していないその他の部分は図3の第2の実施例
に同じである。従って、図3の第2の実施例を基にする
ことからその差異部分のみを示し、図3の第2の実施例
において使用したものに対応するものには同一の符号を
付すとともに、その説明を省略する。
【0094】また、図6に示す第5の実施例では内挿数
(分割数)「V」=16とした例を用いて説明する。
【0095】本発明内挿回路の第5の実施例では、検出
ヘッド2から記録波長λを周期とするsin成分信号
(a)及びcos成分信号(b)のアナログ変位信号を
一波長絶対位置内挿回路3に入力し、cos成分信号
(b)はアナログ反転器3dで反転cos成分信号
(x)を得るとともに、sin成分信号(a)とcos
成分信号(b)との間の電位差及び、sin成分信号
(a)と反転cos成分信号(b)との間の電位差を、
2組の必要内挿数(分割数)「V」の1/2個の位相シ
フト分割抵抗Rのラダーで分圧(内挿)し、各々の比較
器(ゼロクロスコンパレータ)3eでディジタル値D1
〜D8にディジタル化してデコーダ3c’に供給する。
【0096】デコーダ3c’では「0」〜「V−1」ま
での値をとる「m」ビットの一波長区間内の絶対位置信
号(非同期)(e’)に変換し、ラッチ3fで第1のク
ロック信号CLK1に同期させた後、一波長絶対位置信
号(e)として、増減変位量演算回路4のラッチ4a及
び差分演算器4bに供給する。
【0097】(第5の実施例の作用)上述の内挿回路1
1では、以下のような作用をする。検出ヘッド2から得
られるsin成分信号(a)及びcos成分信号(b)
のアナログ変位信号は、位相シフト分割抵抗Rのラダー
で分圧(内挿)され、比較器3eでディジタル値D1〜
D8にディジタル化される。
【0098】これらディジタル値は入力一波長区間内で
同じコードが発生しないことから(図10のD1〜D8
の16進表示参照)、このディジタル値をデコーダ3
c’で(整列化又はデコードし)「0」〜「V−1」ま
での値をとる「m」ビットの一波長内の絶対位置信号
(e’)を出力し、ラッチ3fで第1のクロック信号C
LK1に同期させ増減変位量演算回路4のラッチ4a及
び差分演算回路4bに供給することで、検出ヘッド2か
ら入力される変位量(a),(b)と同数のUP・DO
WM出力パルスが得られる。
【0099】このことから、図3に示す一波長絶対位置
内挿回路3に、図6の構成を持つ一波長絶対位置内挿回
路3を用いても、第2の実施例と同じ機能が得られる。
【0100】また、図10には、各信号のタイミングチ
ャートを示している。図10中、「sin」及び「co
s」は、夫々検出ヘッド2から記録波長λを周期とする
sin成分信号(a)及びcos成分信号(b)を、
「/cos」は、cos成分信号bの反転信号である反
転cos成分信号(x)を、「D1」乃至「D8」は、
夫々比較器3eでディジタル化されたディジタル値D1
〜D8を、「D1〜D8の16進表示」は、これらD1
〜D8を16進表示したもの(16内挿)を、「e,
e′:一波長絶対位置信号」は、デコーダ3cでデコー
ドした一波長絶対位置信号(e),(e′)を、「e,
e′:一波長絶対位置信号のレベル表示」は、一波長絶
対位置信号(e)(e′)をレベル表示したものを、そ
れぞれ表している。
【0101】(第5の実施例の効果)第5の実施例によ
れば、この一波長絶対位置内挿回路3において、入力s
in成分信号(a)及び、cos成分信号(b)を位相
シフト抵抗ラダーRで直接内挿化する。こうして、第2
の実施例の一波長絶対位置内挿回路3で用いられている
比較的高価なアナログ・ディジタル変換器(A/D)3
a,3bを使用せず、位相シフト抵抗ラダーRで直接に
一波長間の絶対位置を求めており、回路が簡単となると
同時にコストダウンが可能となる。
【0102】[内挿回路の第6の実施例……図7]図7
を参照して本発明の内挿回路の第6の実施例を説明す
る。図7の第6の実施例は、第2の実施例(図3)に対
する追加の回路例の関係にある。
【0103】図7の第6の実施例は、図3の第2の実施
例を基にすることからその追加部分のみを示し、図示し
ていないその他の部分は図3の第2の実施例に同じであ
る。従って、図3の第2の実施例を基にすることからそ
の追加部分のみを示し、また図3の第2の実施例におい
て説明したものに対応するものは、その説明を省略す
る。
【0104】内挿回路11の第6の実施例では、一波長
絶対位置内挿回路3のアナログ・ディジタル変換器3
a,3bから得られるディジタル化sin信号(c)、
及びディジタル化cos信号(d)をエラー検出回路1
0のROM等を用いた振幅エラーデコーダ10aにそれ
ぞれ入力する。
【0105】振幅エラーデコーダ10aではディジタル
sin・cos信号(3a),(3b)から得られるリ
サージュベクトルの絶対値であるところの振幅値が、前
もってデコーダ10aに設定された計測限界しきい値を
越えて小さくなった場合又は、設定された計測限界振幅
幅を越えた場合には、デコード出力として振幅エラー信
号(z)を出力し、ORゲート10fに入力する。
【0106】また、一時累積加算回路5の累積加算器5
aの入力である加算器7bの出力信号(h)と一時累積
変位量(j)との最上位ビット(以下、「MSB」と呼
ぶ。)はエラー検出回路10のゲート10b,10dに
それぞれ入力され、負論理ANDゲート10bで負論理
の論理積を、正論理ANDゲート10dで正論理の論理
積をそれぞれ行うことで、累積加算器5aでの正符号ど
うし加算信号(v’)及び、負符号どうし加算信号
(y’)を得てANDゲート10c及びANDゲート1
0eへ入力する。
【0107】さらに累積加算器5a出力のMSBをエラ
ー検出回路10のゲート10c,10eに入力し、AN
Dゲート10cでは正符号どうし加算信号(v’)と累
積加算器5a出力のMSBとの論理積により正オーバー
フローエラー信号(v)を検出してORゲート10fに
入力し、また、ANDゲート10eでは負符号どうし加
算信号(y’)とこの累積加算器5a出力(i)のMS
Bの反転信号との論理積により負オーバーフローエラー
信号(y)を検出して同じくORゲート10fに入力す
る。
【0108】ORゲート10fでは上述の振幅エラー信
号(z)、正オーバーフローエラー信号(v)、負オー
バーフローエラー信号(y)の論理和を得て保持回路1
0gに入力し、ラッチされた後エラー出力(s)として
出力する。
【0109】また、保持回路10gはエラーリセット入
力(t)によりラッチを解除してエラー出力(s)を解
除する。
【0110】
【0111】(第6の実施例の作用)上述の内挿回路1
1では、以下のような作用をする。入力sin・cos
信号(3a),(3b)の振幅値が測定に必要な振幅を
越えて小さくなった場合(例えば、0.5Vpp以下)
又は、計測に必要な設定振幅幅を越えた場合(例えば、
8Vpp以上)には、計測エラーの危険性が増大する。
【0112】このことから振幅値が振幅エラーデコーダ
10aに設定された計測限界を越えた場合には振幅エラ
ー信号(z)を得る。例えば、前掲特開昭62ー142
220号に示すROMを用いた内挿回路で、ベクトルの
先が或る設定領域を越えたとき、エラー出力が出るよう
に1ビット設けている。
【0113】また、長時間にわたる速度超過が発生した
場合には、累積加算器5aでの累積加算でオーバーフロ
ーが発生し、計測誤差が発生する。このオーバーフロー
を検出するために、累積加算器5aの入力信号である加
算器7bの出力信号(h)及び、一時累積変位量(j)
のMSBと、この累積加算器5a出力(i)のMSBと
の論理演算から、上述正オーバーフローエラー信号
(v)及び、負オーバーフローエラー信号(y)を得て
速度超過によるエラーを検出する。
【0114】具体的には、ゲート10bは、入力する
h,jのMSBがゼロ,ゼロの時(即ち、h,jがいず
れも正の時)、出力に「1」が立ち、一方ゲート10d
は、入力するh,jのMSBが1,1の時(即ち、h,
jがいずれも負の時)、出力に「1」が立つ。ここで、
計算結果のiは正と正の加算では本来正であるがオーバ
フローが生じると、反対に回り負になってMSBに1が
立ち、ゲート10cが「1」を出力する。計算結果iは
負と負の加算では本来負であるがオーバフローが生じる
と、反対に回り正になってMSBに0が立ち、ゲート1
0eが「1」を出力する。なお、異符号間のの正と負の
加算では、オーバフローは生じない。
【0115】上述振幅エラー信号(z)及び速度超過に
よるエラー信号(v),(y)は保持回路10gでラッ
チされエラー出力(s)として出力する。このエラー出
力は、カウンタパルスの行き先の機器(シーケンサ等)
に供給され、作業が中止される。
【0116】さらに、エラーリセット入力(t)が入力
されるまでエラー出力(s)が出力されることから、計
測誤差の発生を確実に検知することが可能となる。
【0117】振幅エラー及び速度超過によるエラー検出
により、計測誤差発生原因の大部分を検出することがで
きる。
【0118】なお、このROM等を用いた振幅エラーデ
コーダ10aによる振幅エラー信号検出回路は、図12
を用いて説明した前掲特開昭62−142220号「デ
コーダを用いる内挿回路」に記載したものを応用したも
のである。
【0119】第6の実施例では、上述の内挿数(分割
数)V=40の場合には、入力ディジタル化sin信号
(c)、及びディジタル化cos信号(d)のビット数
(nビット)は8ビット、振幅エラーデコーダ10a内
の計測限界しきい値(振幅値)は=20「アナログ入力
時で0.5[Vpp]以下」(デコーダ出力全幅=nビ
ット=8ビット=256)で振幅エラー出力、加算器7
bの出力信号(h)mビット=6ビット、一時累積変位
量(j),累積加算器5a出力(i)の各信号( kビ
ット)は12ビット=±2048カウント(緩衝メモリ
サイズ)の条件で実 施している。
【0120】また、上述の内挿数(分割数)V=400
の場合には、入力ディジタル化sin信号(c)、及び
ディジタル化cos信号(d)のビット数(nビット)
は10ビット、振幅エラーデコーダ10a内の計測限界
しきい値(振幅値)は=77「アナログ入力時で0.5
[Vpp]以下」(デコーダ出力全幅=nビット=10
ビット=1024)で振幅エラー出力、加算器7bの出
力信号(h)mビット =9ビット、一時累積変位量
(j),累積加算器5a出力(i)の各信号(kビ ッ
ト)は同じく12ビット=±2048カウント(緩衝メ
モリサイズ)の条件で 実施している。
【0121】(第6の実施例の効果)第6の実施例によ
れば、スケール・検出ヘッド間の離れ過ぎや、トラック
ずれによる出力低下による累積誤差の発生、もしくはこ
の累積誤差発生の危険性に関し、振幅エラー信号を出力
し異常状態を外部に知らせる。
【0122】[従来の内挿回路と本発明のバッファ内蔵
内挿回路の出力パルス波形の比較実測データ……図1
1]図11に、従来の内挿回路の出力パルス波形
(a)、(b)と本発明のバッファ内蔵内挿回路の出力
パルス波形(c)、(d)との、比較実測データの一例
を示す。
【0123】入力される信号は、(a)と(c)の場合
は3サイクルの正弦波を、(b)と(d)の場合は3サ
イクルの矩形波を、それぞれ入力している。いずれの入
力も、(λ=4[mm]ピッチスケールで40[m/s
ec]の計測速度に相当する)10kHz、5Vppで
ある。これに対し出力信号は、使用されているデコーダ
は内挿数V=40であるので、40パルス×3サイクル
=120カウントが設計値である。
【0124】図11の実測データをみると、従来の内挿
回路の出力波形(A・B相出力パルス)をみると、正弦
波入力の(a)では28カウント、矩形波入力の(b)
では24カウントしかカウントできなかった。一方、本
発明のバッファ内蔵内挿回路の出力パルス波形(A・B
相出力パルス)をみると、正弦波入力の(c),矩形波
入力の(d)とも確実に設計値の120カウントがカウ
ントされている。
【0125】
【発明の効果】本発明の内挿回路によれば、計測側と出
力側の間にバッファ作用のメモリを介在させることよ
り、このメモリが緩衝器として作用し、計測側は高速サ
ンプリングでの計測が可能となり、また出力側は計測サ
ンプリングに影響されることなく一定のタイミングで出
力できる。これにより、計測の高速化と信頼性の向上
(例えば、ミスカウントの発生防止)が達成できる。
【0126】本発明の内挿回路によれば、検出ヘッドか
らの変位信号に加わる電気的ノイズ、スケール・検出ヘ
ッド間のスリック運動並びにクリアランス,トラックず
れ等の変動によるsin,cosアナログ波形の乱れ、
衝撃、振動、瞬時的速度超過等の過度的な速度超過に対
して、内挿回路では1サンプリングに±λ/2まで追従
する高速応答性を持つ入力部と共に、内蔵緩衝メモリを
通すことで、どのような場合でも常に一定のタイミング
で増減カウントパルスを出力することができる。
【0127】これにより内挿回路での誤計測(パルス抜
け)を防ぐとともに、カウンタ側でのミスカウントを無
くすことで累積誤差の発生を防ぐことが可能となる。
【0128】さらに、緩衝メモリが入力変位信号の複数
周期にわたる記憶容量を持つと共に、この記憶容量を任
意に設定できることで、上述多様にわたる速度超過原因
に対して柔軟かつ、適正に対応することが可能となり、
より信頼性の高いスケールシステムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内挿回路の実施例の基本構成を示す図
である。
【図2】本発明の内挿回路の第1の実施例を示す図であ
る。
【図3】本発明の内挿回路の第2の実施例を示す図であ
り、図1の基本構成を一層具体化したものである。
【図4】本発明の内挿回路の第3の実施例の一部分を示
す図であり、図3の第2の実施例の変形例である。
【図5】本発明の内挿回路の第4の実施例の一部分を示
す図であり、図3の第2の実施例の変形例である。
【図6】本発明の内挿回路の第5の実施例の一部分を示
す図であり、図3の第2の実施例の変形例である。
【図7】本発明の内挿回路の第6の実施例の一部分を示
す図であり、図3の第2の実施例の追加例である。
【図8】本発明の内挿回路の第1の実施例(図2)に関
連するタイムチャートを表す図である。
【図9】本発明の内挿回路の第2の実施例(図3)に関
連するタイムチャートを表す図である。
【図10】本発明の内挿回路の第5の実施例(図6)に
関連するタイムチャートを表す図である。
【図11】従来の内挿回路と本発明の内挿回路との実測
データを表す図である。
【図12】従来の内挿回路を説明する図である。
【図13】従来の内挿回路(図11)のデコーダのRO
M内のビットパターンを説明する図である。
【図14】符号付き差分演算器の演算ステップを説明す
る図である。
【符号の説明】
(図1に関連して) 1 インクリメンタル磁気スケール、 2 検出ヘッド、2a sin成分検出部、2b co
s成分検出部、 3 一波長絶対位置内挿回路、3a,3b アナログ・
ディジタル変換部、3c デコーダ部、 4 増減変位量演算回路、 5 一時累積加算回路、5a 累積加算器、5b 緩衝
メモリ、 6 増減パルス生成回路、 7 一時累積変位量減算器、 8 第1のクロック発振部、 9 第2のクロック発振部、 11 内挿回路(ディテクタ) a アナログsin成分信号、 b アナログcos成分信号、 e 一波長絶対位置信号、 g 1サンプリング間の増減変位量、 j 一時累積変位量、 u UP・DOWM又はA・B相等の増減計数パルス出
力、 n 減算数値信号、 CLK1 第1のクロック信号、 CLK2 第2のクロック信号 (更に、図2に関連して) 3a,3b アナログ・ディジタル変換器、3c デコ
ーダ(ROM)、 4a ラッチ、4b 符号付き差分演算回路、 5a 累積加算器、5b 緩衝メモリ(ラッチ)、 6a ゼロを除く正負判定器、6b,6c 出力パルス
ANDゲート、 7a 減算数生成デコーダ、7b 一時累積変位量減算
加算器、 8a 第1のクロック発信器、8b 反転器 c ディジタル化sin信号、 d ディジタル化cos信号、 f 1サンプリング前の一波長絶対位置信号、 h 加算信号(h=g+n)、 i 加算信号(i=h+j)、 k 正残量信号(j>0=論理”1”)、 m 負残量信号(j<0=論理”1”)、 o UPパルス出力、 p DOWMパルス出力、 /CLK1 第1のクロック信号の反転クロック信号 (更に、図3に関連して) 6a’ ゼロを除く正負判定器(出力ラッチ付)、 7a’ 減算数生成デコーダ(出力ゲート付)、 9a 第2のクロック発信器、9b 立ち上がり同期微
分回路 OE 加算タイミング信号 (更に、図4に関連して) 6d,6e シフトレジスタ o UPパルス信号、 p DOWMパルス信号、 q A相パルス出力、 r B相パルス出力、 P1 A相コード、P2 B相コード (更に、図5に関連して) 5d,5e ANDゲート、 5c Up・Downカウンタ、 (更に、図6に関連して) 3c’ デコーダ(ROM)、3d アナログ反転器、
3e 比較器、3f ラッチ, R 位相シフト分割抵抗 e’ 一波長絶対位置信号(非同期)、 x 反転cos成分信号 (更に、図7に関連して) 10 エラー検出回路、10a 振幅エラーデコーダ、
10b,10c,10d,10e ANDゲート、10
f ORゲート、10g 保持回路 s エラー出力、 t エラーリセット入力、 v’ 正どうし加算信号、 y’ 負どうし加算信号、 v 正オーバーフローエラー信号、 y 負オーバーフローエラー信号、 z 振幅エラー信号 (更に、図8に関連して) T1 第1のクロック信号のサンプリング周期、 S1 第1のクロック信号のサンプリング点 (更に、図9に関連して) T2 第2のクロック信号のサンプリング周期、 S2 第2のクロック信号のサンプリング点 (更に、図11に関連して) 1 インクリメンタルスケール、 2 検出ヘッド、2a sin成分検出部、 2b cos成分検出部、 3a,3b アナログ・ディジタル変換部(nビッ
ト)、 4 デコーダ、 5 クロック発振器、 6 内挿回路(ディテクタ)、 a アナログsin成分信号、 b アナログcos成分信号、 c ディジタル化sin信号、 d ディジタル化cos信号、 e 内挿化sin矩形波信号(A相パルス出力)、 f 内挿化cos矩形波信号(B相パルス出力)、 g クロック信号、 λ スケール目盛記録波長、 V 内挿数(分割数)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検出手段との相対的な移動により得ら
    れる互いに電気角90度の位相差をもつアナログsin
    成分信号及びcos成分信号からなる変位信号をそれぞ
    れ入力され、該変位信号を内挿化してディジタルカウン
    トパルスとして出力する内挿回路において、 高速な第1のクロック信号のタイミングに対応して、複
    数ビットの並列処理により、デコード手段が、該変位信
    号から一波長内の絶対値を表わすディジタル信号(e)
    を出力し、加算手段が、前回と今回のサンプリング間の
    信号(e)の変位量(g)を累積加算した信号(j)を
    一時的に記憶し、 上記第1のクロック信号のタイミングより低速の第2の
    クロック信号のタイミングに対応して、出力パルス生成
    手段が、該累積加算の変位量(j)の正又は負に応じて
    累積変位量(j)をゼロにする迄、増パルス又は減パル
    ス(u)を出力する内挿回路。
  2. 【請求項2】 被検出手段に対向して移動可能に配置さ
    れた変位検出手段の相対的移動により得られる互いに電
    気角90度の位相差をもつアナログsin成分信号及び
    cos成分信号からなる変位信号をそれぞれ入力され、
    変位信号を内挿化してディジタルカウントパルスとして
    出力する内挿回路において、該内挿回路が、 変位信号をディジタル値にそれぞれ変換するアナログ・
    ディジタル変換手段、このディジタル化変位信号の一波
    長λを周期とする内挿数Vに分割された一波長区間内で
    の絶対位置であるディジタルな一波長絶対位置信号を得
    るデコード手段、一波長絶対位置信号の各測定サンプリ
    ングでの差分演算で得られる各サンプリング間の増減変
    位量を算出する差分演算手段、該増減変位量を累積加算
    して一時的な累積変位量を算出する累積加算手段、及び
    該一時的な累積変位量を記憶する記憶手段を有する入力
    部と、 上記記憶手段内の一時的な累積変位量の正負判定で直列
    な増減カウントパルスを生成し外部に出力するパルス変
    換手段、及び増減カウントパルス出力の度に上記一時的
    な累積変位量の値を1カウントずつ取り崩してこの値を
    常に”0”(ゼロ)とする減算手段を有する出力部とを
    備え、 上記入力部と上記出力部との間に配置された上記一時的
    な累積変位量を記憶する記憶手段が緩衝器作用をなして
    入力部と出力部間の相互の影響を無くしている内挿回
    路。
  3. 【請求項3】 上記入力部の一波長絶対位置信号
    (e)、増減変位量(g)及び上記一時的な累積変位量
    (j)は、それぞれ複数ビットで構成されている請求項
    2記載の内挿回路。
  4. 【請求項4】 上記入力部と出力部の間に上記一時的な
    累積変位量を記憶する記憶手段は、入力変位信号の複数
    周期にわたる記憶容量をもつと共に、この記憶容量を任
    意に設定できる請求項2乃至請求項3のいずれか一項記
    載の内挿回路。
  5. 【請求項5】 上記入力部における一時的な累積変位量
    を算出する計測タイミングである第1のクロック信号
    と、上記出力部における出力パルスを生成・出力する出
    力タイミングである第2のクロック信号とを有し、両ク
    ロック信号は互いに独立している請求項2乃至請求項4
    のいずれか一項記載の内挿回路。
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