JP2648413B2 - エチレン性不飽和環式オルトエステルの重合体 - Google Patents
エチレン性不飽和環式オルトエステルの重合体Info
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Description
の重合体、特に環式オルトエステル官能基を含む重合体
に関するものである。
する重合体組成物の開発に多大の関心がもたれるように
なってきた。かゝる組成物の例はポリ(エチレンテレフ
タレート)及びポリ(ブチレンテレフタレート)のよう
な線状ポリエステルをオレフィン及びオレフィン−ジエ
ン重合体とともに含んでなる組成物である。
引張強さ、引張伸び及び衝撃強さをオレフィン又はオレ
フィン−ジエン重合体の添加によって改良し得るであろ
うことは予測可能であった。しかしながら、得られる重
合体配合物は物理的性質が改善されるという利点より
も、むしろ著しい相分離及びしばしば崩壊によって認め
られるごとき不相溶性を示すという欠点をもつ。
化させるための一方法は該配合物中にこれら不相溶性重
合体の共重合体、典型的にはブロック共重合体を配合す
ることである。この型の共重合体は一方の重合体中に他
方の重合体と化学的に反応し得る構造単位を結合するこ
とによって形成し得る。したがって、たとえば、末端カ
ルボン酸基をもつ線状ポリエステル又はポリアミドは重
合体鎖上の置換基として又はグラフト化単位としてエポ
キシ基を含むオレフィン重合体又はオレフィン−ジエン
共重合体と反応し得る。この点については、たとえば米
国特許第4,965,111号明細書を参照されたい。
同様に、アミン末端ポリアミドは一体化又はグラフト化
無水マレイン酸分子部分を含むオレフィン重合体又はオ
レフィン−ジエン重合体と反応し得る。得られるブロッ
ク共重合体は単なる配合物の場合に認められるごとき不
相溶性を示さない。さらに、かゝるブロック共重合体は
通常不相溶性である二種の重合体の配合物のための相溶
化剤としてしばしば有用である。
置換基又はグラフト化単位を含む重合体は既知のもので
あるが、それらの多くは広範囲の商業的な適格性に合致
しないものであった。その考え得る理由の一つはかゝる
重合体が化学的に比較的不活性であり、そのために共重
合体形成反応を実質的な程度に促進することは困難であ
るということである。
の広範囲の重合体、特に共重合体を提供するにある。こ
れらの重合体は置換基としてきわめて高い反応性をもつ
環式オルトエステル基を含む。この環式オルトエステル
基は多くの他の重合体と反応して優れた性質をもつ共重
合体含有組成物を形成し得る。
ラルキル基又はC6-10芳香族基であり、そしてR2 はC
1-10第1級又は第2級アルキル又はアラルキル基又はC
6-10芳香族基であり; R 3 は水素又はC1-4 第1級又は
第2級アルキル基であり;R4 は非置換又は置換C1-6
アルキレン基又はC6-10アリーレン基であり;R5 は水
素又はメチル基であり;R6 は水素、C1-6 アルキル基
又はC 6-10 芳香族基であり;Xは実質的に不活性な連結
基であり;mは0又は1であり;nは1ないし2−mで
あり;そしてpは0又は1である)の構造単位を含んで
なる重合体を包含する。
エステル分子部分が存在することである。式(I)中の
R1 基はC1-4 第1級又は第2級アルキル基、たとえば
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル又は第2級ブチル基又は前記定義され
るごときアラルキル基又は芳香族基であり得る。すべて
の置換基は本発明の条件下で非反応性であるべきであ
る。かゝる置換基の例はハロ、ニトロ及びアルコキシ基
である。非置換第1級基、特にメチル基が一般に好まし
い。
C1-4 第1級又は第2級アルキル基、アラルキル基又は
芳香族基であり得る。
ルキル基であり得る。基R3 は好ましくは水素である。
基であり、その場合存在し得るすべての置換基はオルト
エステルの形成及び塩化アリールとの反応に不活性な
基、たとえばアルコキシ基である。R4 は好ましくはメ
チレン基である。
キル又はアリール基であり得る。R6 は好ましくは水素
である。
及び重合反応の条件下及びそれらの重合体からの共重合
体の形成反応の条件下で実質的に不活性である任意の連
結基であり得る。広範囲の基がこの条件に合致すること
は当業者には明らかであり、したがって本発明はこの点
で何等限定されるものではない。適当なX基は非置換及
び置換二価脂肪族、脂環族及び芳香族基及びそれらの組
合せを包含し、その場合、存在し得る置換基は前記した
型のものである。該基は他の二価基、たとえばカルボニ
ル、スルホン、カルバモイル、ジ置換珪素、アルキルホ
スホリル及びアリールホスホリル基に結合し得る。好ま
しいX基は式: 及び
リル酸及びメタクリル酸のエステル及びXが式(III )
であるビニルベンジルエーテルから製造され得る型の重
合体を包含する。ビニル型(R5 が水素である場合)及
びイソプロペニル型(R5 がメチル基である場合)重合
体の両者、たとえばアクリル酸エステル及びメタクリル
酸エステルの重合体が包含される。多くの場合、Xが式
(III )の基である場合にはR5は水素であることが好
ましい。
分が5員環であるか6員環であるかによって決まる。一
般に、5員環、すなわちmが0でnが1である場合が好
ましい。しかしながら、本発明は6員環が存在する場
合、すなわちm及びnがともに1であるか又はmが0で
nが2である場合、の重合体も包含する。
まない化合物も包含される。多くの場合、オルトエステ
ル環が6員環である場合にはpは0であろう。
不飽和環式オルトエステルの多くのものは本出願人自身
の1991年1月24日付米国特許出願第645,17
9号明細書に記載されている。この型のエステルは式:
の意義を有する)のヒドロキシ置換オルトエステルとア
クリロイルクロライド、メタクリロイルクロライド又は
ビニルベンジルクロライドのような適当な試薬との反応
によって製造し得る。アクリロイルクロライド又はメタ
クリロイルクロライドの場合には、反応は典型的には酸
受容体としての第3級アミンの存在下かつ比較的非極性
の有機溶剤の溶液中で行なわれる。ヒドロキシ置換オル
トエステル及びアクリロイル又はメタクリロイルクロラ
イドはほゞ等モル割合で使用することができ、あるいは
アクリロイル又はメタクリロイルクロライドを幾分過剰
に使用することができる。アミンは一般に形成される酸
性副生物の全量を確実に中和するために過剰に存在させ
る。
ンジルクロライドとの反応も慣用の条件下で典型的には
水酸化ナトリウムのようなアルカリ性試薬の存在下で、
行なわれる。この場合にも、ヒドロキシ置換オルトエス
テル及びビニルベンジルクロライドはほゞ等モル割合で
使用することができ、あるいはこの場合にはオルトエス
テルの過剰を使用し得る。塩基のモル割合は一般にオル
トエステルのモル割合とほゞ同一である。溶剤は通常不
必要であるが、所望ならば溶剤を使用し得る。
造をつぎの実施例によって説明する。実施例1−4にお
ける全生成物の分子構造はプロトン及び13C核磁気共鳴
スペクトル分析によって確認された。実施例1 機械的撹拌機、均圧式添加ロート及び窒素導入口を備え
た容量5lの三つ首フラスコに4−ヒドロキシメチル−
2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラン30
1g(2.03モル)、トリエチルアミン514g
(5.08モル)及び塩化メチレン2lを裝入した。こ
のフラスコを氷水浴中に浸漬しそして窒素雰囲気下に攪
拌しつつアクリロイルクロライド193.1g(2.1
3モル)を5分間かかって添加した。この混合物を室温
で一晩攪拌しそして濾液を水2lで2回洗滌し、硫酸マ
グネシウム上で乾燥し、濾過しそして真空ストリッピン
グした。この残渣に、3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニルスルフイドを遊離基抑制剤として
200ppm の割合で添加し、ついで真空下で蒸留した。
所望の4−アクリロイルメチル−2−メトキシ−2−メ
チル−1,3−ジオキソランが80−85℃/0.5−
1.0トルで留出した。実施例2 4−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−2−メチル−
1,3−ジオキソラン281g(1.9モル)、トリエ
チルアミン481g(4.76モル)及びメタクリロイ
ルクロライド199g(1.9モル)を用いて実施例1
の方法を反復した。生成物、4−メタクリロイルオキシ
メチル−2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソ
ラン、を80℃/0.4トルで補集した。実施例3 4−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−2−フェニル−
1,3−ジオキソラン21g(100ミリモル)、トリ
エチルアミン25.3g(250ミリモル)、アクリロ
イルクロライド9.5g(105ミリモル)及び塩化メ
チレン150mlを用いて実施例1の方法を反復した。粗
生成物を塩基性アルミナ上で、ヘキサン中の15容量%
酢酸エチルを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフ
ィーによって精製して所望の4−アクリロイルオキシメ
チル−2−メトキシ−2−フェニル−1,3−ジオキソ
ランを得た。実施例4 機械的撹拌機、均圧式添加ロート、冷却器及び温度計を
備えた容量250mlの4つ首丸底フラスコに4−ヒドロ
キシメチル−2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオ
キソラン51.9g(350ミリモル)及び粉末状水酸
化ナトリウム14.01g(350ミリモル)を裝入し
た。このスラリーを窒素雰囲気下で15分間攪拌し、そ
の後にビニルベンジルクロライド(異性体混合物)4
1.1g(270ミリモル)を10分間かかって滴加し
た。混合物を80℃まで加熱すると発熱反応が生起して
温度が140℃まで上昇した。この混合物を窒素雰囲気
下で一晩攪拌し、塩化メチレン400ml及びトリエチル
アミン5mlで稀釈しそして塩化ナトリウム水溶液250
mlで2回洗滌した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥
し、濾過しそして真空ストリッピングして得られた残渣
を塩基性アルミナ上で、ヘキサン及び塩化メチレンの
2:1(容量)混合物を溶離剤として用いるカラムクロ
マトグラフィーによって精製した。かくして所望の4−
(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニ
ル)メチルビニルベンジルエーテルの異性体混合物を得
た。
ルトエステルを単独又は他の単量体の存在下で、遊離基
条件下で重合することによって製造し得る。本明細書に
おいて、用語“重合体”は単独付加重合体及び特に一又
はそれ以上の他の単量体との共重合体を包含する。重合
体のゲル透過クロマトフラフィーにより測定した重量平
均分子量は2,000ないし300,00の範囲であ
る。
単量体を稀釈剤の存在又は不存在で約0℃−200℃の
温度で重合開始剤と接触させることによって塊状、溶
液、懸濁又は乳化重合方式で行なうことができる。適当
な重合開始剤は過酸化ベンゾイル、過酸化水素、アゾビ
スイソブチロニトリル、過硫酸塩−亜硫酸水素塩、過硫
酸塩−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、
塩素酸塩−亜硫酸塩等を包含する。別法によれば、重合
は照射技術によって、たとえば紫外線、電子ビーム又は
プラズマ照射によって行なうことができる。
明の共重合体を製造し得る。かかる重合性化合物の例は
つぎのものを包含する。得られる共重合体は、オルソエ
ステル基を0.5ないし20モル%含み、その重量平均
分子量は20,000ないし200,000の範囲であ
る。
ル:アリル、メタリル、クロチル、1−クロルアリル、
2−クロルアリル、シンナミル、ビニル、メチルビニ
ル、1−フェナリル及びブテニルアルコール及びかゝる
アルコールと飽和酸、たとえば酢酸、フェニル酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸及びステアリン
酸とのエステル;かゝるアルコールと不飽和酸、たとえ
ばアクリル酸、α−置換アクリル酸(アルキルアクリル
酸、たとえばメタクリル酸、エチルアクリル酸、プロピ
ルアクリル酸等及びアリールアクリル酸、たとえばフェ
ニルアクリル酸を包含する)、クロトン酸、オレイン
酸、リノレン酸及びリノール酸とのエステル;かゝるア
ルコールと多塩基酸、たとえばシュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸及びセバシン酸とのエステル;かゝ
るアルコールと不飽和多塩基酸、たとえばマレイン酸、
フマル酸シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、メチ
レンマロン酸、アセチレンジカルボン酸及びアコニチン
酸とのエステル;及びかゝるアルコールと芳香族酸、た
とえば安息香酸、フタル酸、テレフタル酸及びベンゾイ
ルフタル酸とのエステル; (2)不飽和酸(その例は前記したごときものである)
及びかゝる酸と低級飽和アルコール、たとえばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、第2級ブチル、第3級ブチル、2−エチルヘキシル
及びシクロヘキシルアルコールとのエステル;及びかゝ
る酸と飽和低級多価アルコール、たとえばエチレングリ
コール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール及びトリメチロールプロ
パンとのエステル; (3)不飽和低級多価アルコール、たとえばブテンジオ
ール、及びかゝるアルコールと飽和及び不飽和脂肪族及
び芳香族−塩基酸及び多塩基酸(それらの例は前記した
ごときものである)とのエステル; (4)前記した不飽和酸、特にアクリル酸及びメタクリ
ル酸とより高分子量のモノヒドロキシ及びポリヒドロキ
シ化合物、たとえばデシルアルコール、イソデシルアル
コール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、
エポキシ樹脂及びポリブタジエンから誘導されたポリオ
ールとのエステル; (5)ビニル環式化合物、たとえばスチレン、0−,m
−,p−クロルスチレン、ブロムスチレン、フルオルス
チレン、メチルスチレン、エチルスチレン及びシアノス
チレン;ジ−、トリ−及びテトラ−クロルスチレン、ブ
ロムスチレン、フルオルスチレン、メチルスチレン、エ
チルスチレン、シアノスチレン;ビニルナフタリン、ビ
ニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン、トリビニルベ
ンゼン、アリルベンゼン;及びビニルフラン、ビニルピ
リジン、ビニルベンゾフラン、N−ビニルカルバゾー
ル、N−ビニルピロリドン及びN=ビニルオキサゾリド
ンのようなビニル複素環化合物; (6)不飽和エーテル、たとえばメチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエー
テル、オクチルビニルエーテル、ジアリルエーテル、エ
チルメタリルエーテル及びアリルエチルエーテル; (7)不飽和ケトン、たとえばメチルビニルケトン及び
エチルビニルケトン; (8)不飽和アミド、たとえばアクリルアミド、メタク
リルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−アリル
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−
アリルカプロラクタム及びジアセトンアクリルアミド; (9)不飽和脂肪族炭化水素、たとえばエチレン、プロ
ピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、2−クロル
ブタジエン及び一般的にα−オレフィン; (10)不飽和アルキルハライド、たとえばフッ化ビニ
ル、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビ
ニリデン、塩化アリル及び臭化アリル; (11)不飽和酸無水物、たとえば無水マレイン酸、無
水シトラコン酸、無水イタコン酸、ビス−4−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸無水物及びビシクロ
(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸
無水物; (12)不飽和ニトリル、たとえばアクリロニトリル、
メタクリロニトリル及びその他の置換アクリロニトリ
ル。
あり、スチレンのようなビニル芳香族化合物との共重合
体が好ましい。予め形成された重合体上にエチレン性不
飽和環式オルトエステルをグラフト結合することによっ
て製造されたグラフト共重合体も好ましい。より好まし
くは、該グラフト共重合体はエチレン構造単位及びプロ
ピレン構造単位を含んでなる共重合体であり、さらによ
り好ましくはさらに少なくとも一種の非共役ジエンから
誘導される構造単位をも含む共重合体である。最後に述
べた共重合体を以下便宜上“EPDM共重合体”と表示
する。かゝるグラフト共重合体はEPDM共重合体上に
エチレン性不飽和オルトエステル及び遊離基重合触媒を
吸収させ、ついでしばしば約150−300℃の範囲の
温度で押出によって行なわれるグラフト化反応に供する
ことによって好都合に製造し得る。
よって説明する。これらの実施例中に示される分子量は
重量平均分子量であり、ポリスチレンに対するゲル透過
クロマトグラフィーによって測定したものである。実施例5−9 種々のエチレン性不飽和オルトエステルを2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン1
gと予め混合しそして得られる混合物をエチレン単位約
83モル%及びノルボルネン単位約5.4モル%を含む
商業的に入手し得るEPDM共重合体1kgと混合した。
これらの配合物を20℃で約16時間貯蔵して該オルト
エステル及び重合開始剤をEPDM共重合体ペレットに
完全に吸収させ、ついで120℃−205℃の範囲の温
度にセットされた帯域をもつ二軸スクリュー押出機上で
押出処理した。押出体を水浴中で冷却し、ペレットに形
成しそして真空乾燥した。
エチレン性不飽和オルトエステルの割合を、該グラフト
共重合体の試料をキシレン中に約130℃で溶解し、得
られる溶液をアセトン中に注入し、濾過しそして精製さ
れた共重合体を乾燥し、ついでフーリエ変換赤外分光分
析によって分析するという方法で測定した。ゲル含量は
熱キシレンで48時間連続抽出し、ついで乾燥しそして
不溶性残渣を秤量することによって測定した。結果を表
1に示す。表中、すべての%表示は重量によるものであ
る。
計を備えた容量5lの三つ首フラスコにスチレン936
g(9モル)、メチルエチルケトン960ml、アゾビス
イソブチロニトリル960mg及び実施例1の生成物31
g(150ミリモル)を裝入した。この溶液を窒素で3
0分間パージした後、窒素雰囲気下で70℃に15時間
加熱した。メチルエチルケトンの別量600ml及びアゾ
ビスイソブチロニトリル500mgを添加しそして攪拌及
び加熱を70℃で4時間続けた。この溶液を室温まで冷
却しそしてその容量の2倍量のメタノール中に激しく攪
拌しつつ注入した。沈澱した生成物を濾過し、メタノー
ル中に数回スラリー化させかつ再濾過しそして60℃で
48時間真空乾燥した。この生成物は核磁気共鳴スペク
トル分析及びフーリエ変換赤外スペクトル分析の結果、
2.2モル%のオルトエステル基を含むスチレン及びオ
ルトエステルアクリレートの所望の共重合体であること
が認められた。その分子量は102,000であった。実施例11 実施例10の方法に従って、スチレン498g(4.7
9モル)及び実施例1の生成物21.8g(108ミリ
モル)をトルエン346ml中でアゾビスイソブチロニト
リル5.2gを使用して反応させることによってオルト
エステル基約2.5モル%を含む重合体を製造した。こ
の反応混合物をトルエンの別量500mlで稀釈した後、
所望の生成物を単離した。該生成物は約50,000の
分子量を有していた。実施例12 実施例11の方法に従って、スチレン359g(3.4
5モル)、実施例4の生成物20g(76ミリモル)、
トルエン252ml及びアゾビスイソブチロニトリル3.
79gを用いて反応を行ない、オルトエステル基1.6
モル%を含む生成物を製造した。この生成物の分子量は
58,000であった。
に求核的に置換し得る基、たとえばアミン、ヒドロキ
シ、チオ及び、カルボキシ基及びそれらの官能性誘導体
基、を含む他の重合体と反応して共重合体含有組成物を
形成する。かゝる共重合体含有組成物の例はたとえば線
状ポリエステル及びポリアミドを包含するそれ自体では
EPDM共重合体と不相溶性である重合体との共重合体
含有組成物を包含する。
あり、優れた物理的性質をもつ製品に成形し得る。これ
らの組成物はまた二種類の重合体の配合物をさらに相溶
化させて同様の優れた性質をもつ成形用組成物を製造す
るためにも有用である。
ステルは式: (式中、R6 は二価脂肪族、脂環族又は芳香族炭化水素
基又はポリオキシアルキレン基であり;そしてA1 は二
価芳香族基である)の構造単位を含んでなるポリエステ
ルを包含する。かゝるポリエステルは熱可塑性ポリエス
テル、たとえばポリ(アルキレンジカルボキシレー
ト)、エラストマー状ポリエステル、ポリアリーレート
及びポリエステル共重合体、たとえば共ポリエステルカ
ーボネートを包含する。オルトエステル基との間で生起
する主反応はポリエステルのカルボン酸基が関与するも
のであるので、該ポリエステルは比較的高いカルボン酸
末端基濃度をもつことがきわめて望ましい。約5−25
0マイクロ当量/gの範囲の濃度が一般に適当であり、
20−150マイクロ当量/gが好ましく、20−80
マイクロ当量/gが特に望ましい。
ルキレン基であり;そしてA2 は三価芳香族基である)
の構造単位を含み得る。式(V)中のA1 基は多くの場
合p−又はm−フェニレン基又はそれらの混合物であ
り、そして式(VI)中のA2 基は通常トリメリト酸から
誘導されかつつぎの構造:
6-10脂環族基、C6-20芳香族基又はアルキレン基中に約
2−6個、多くの場合4個の炭素原子を含むポリオキシ
アルキレン基であり得る。さきに述べたとおり、この一
群のポリエステルはポリ(アルキレンテレフタレート)
及びポリアリーレートを包含する。ポリ(アルキレンテ
レフタレート)がしばしば好ましく、ポリ(エチレンテ
レフタレート)及びポリ(ブチレンテレフタレート)が
もっとも好ましい。
量%及び1,1,2,2−テトラクロルエタン40重量
%の混合物中で30℃で測定した固有粘度(IV)に基づ
いて計算して一般に約20,000−70,000の範
囲の数平均分子量をもつポリ(エチレンテレフタレー
ト)及びポリ(ブチレンテレフタレート)である。
造のために使用し得る。かゝるポリアミドはアミノ基と
カルボン酸基との間に少なくとも2個の炭素原子をもつ
モノアミノ−モノカルボン酸又はそのラクタムの重合、
2つのアミノ基の間に少なくとも2個の炭素原子を含む
ジアミンとジカルボン酸との実質的に等モル割合での重
合、又は前記定義したごときモノアミノモノカルボン酸
又はそのラクタムと実質的に等モル割合のジアミン及び
ジカルボン酸との重合によって製造されたポリアミドを
包含する。こゝで用語“実質的に等モル”割合とは厳密
に等モルの割合及び得られるポリアミドの粘度の安定化
のための慣用の技術において生ずるような等モル割合か
ら若干はずれた割合をともに包含するものとする。ジカ
ルボン酸はその官能性誘導体、たとえばエステル又は酸
クロライドの形で使用することもできる。
ミノ−モノカルボン酸の例はアミノ基とカルボン酸基と
の間に2−16個の炭素原子を含む(ラクタムの場合に
は該炭素原子は−CO−NH−基を含む環を形成する)
かゝる化合物を包含する。モノアミノモノカルボン酸及
びそのラクタムの特定の例としては、ε−アミノカプロ
ン酸、ブチロラクタム、ピバロラクタム、ε−カプロラ
クタム、カプリルラクタム、エナントラクタム、ウンデ
カノラクタム、ドデカノラクタム及び3−及び4−アミ
ノ安息香酸をあげることができる。
ミンは直鎖状及び分枝鎖状アルキル、アリール及びアラ
ルキルジアミンを包含する。代表的なジアミンの例はト
リメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタ
メチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン(このジアミンがしばしば好ましい)、
トリメチルヘキサメチレンジアミン、m−フェニレンジ
アミン及びm−キシリレンジアミンを包含する。
族又は芳香族基である)によって表わすことができる。
脂肪族ジカルボン酸の例はセバシン酸、オクタデカンジ
カルボン酸、スベリン酸、グルタル酸、ピメリン酸及び
アジピン酸である。
し得るが、結晶質ポリアミドが耐溶剤性であるという理
由でしばしば好ましい。ポリアミド、別名ナイロン、の
代表的な例はポリアミド−6(ポリカプロラクタム)、
66(ポリヘキサメチレンアジポアミド)、11,1
2,63,64,6/10及び6/12ならびにテレフ
タル酸及び/又はイソフタル酸とトリメチルヘキサメチ
レンジアミンとから誘導されたポリアミド;アジピン酸
とm−キシリレンジアミンとから誘導されたポリアミ
ド、アジピン酸、アゼライン酸及び2,2−ビス(p−
アミノフェニル)プロパン又は2,2−ビス−(p−ア
ミノシクロヘキシル)プロパンから誘導されたポリアミ
ド及びテレフタル酸と4,4′−ジアミノジシクロヘキ
シルメタンとから誘導されたポリアミドを包含する。前
述したポリアミド又はそれらの予備重合体の二種又はそ
れ以上の混合物及び/又は共重合体も本発明の範囲内で
ある。好ましいポリアミドはポリアミド6,46,6
6,11及び12であり、もっとも好ましくはポリアミ
ド66である。
質な配合物を形成し得る配合法を用いることが好まし
い。適当な配合法は溶液配合法を包含するが、かゝる方
法は多くのポリエステル及びポリアミドに対してその使
用が制限される。これはポリエステル及びポリアミドが
大部分の通常の溶剤に不溶性であるためである。この理
由で及び商業的規模の重合体加工工場では溶融配合装置
の利用で容易であるという理由で、溶融配合法が一般に
好ましい。慣用の溶融配合法及び装置を使用することが
でき、とりわけ押出法が比較的便利かつ特に適切である
という理由でしばしば好ましい。典型的な反応温度は約
175−350℃の範囲である。
配合し得る配合方法及び装置は当業者には明らかであろ
う。かゝる配合装置の例はディスクパックプロセッサー
及び種々の型の押出装置である。押出装置の例は連続式
ミキサー;一軸スクリュー混練式押出機;前進ねじ付き
コンパウンダー、円筒状プッシュ及び/又は左ねじスク
リュー要素を包含するスクリューをもつ逆回転式、非噛
合型二軸スクリュー押出機;同方向回転式噛合型二軸ス
クリュー押出機;及び少なくとも1セクション、好まし
くは少なくとも2セクションの混練ブロック要素を包含
するスクリューをもつ押出機である。
さらに未反応のポリエステル、ポリアミド等を含有し得
る。いずれにせよ、該共重合体含有組成物から製造され
た成形品は一般に延性であり、これらの成形品は単なる
配合物、すなわち不相溶性である配合物から製造された
しばしば脆性であり又は表層剥離を示す成形品よりも高
い衝撃強さ、引張強さ及び引張伸び有する。
成分、たとえば充填剤、難燃化剤、顔料、染料、安定化
剤、帯電防止剤、結晶化助剤、離型剤等、ならびにさき
に述べた以外の樹脂質成分、たとえば補助的耐衝撃性改
良用重合体を存在せしめ得る。
の樹脂質物質の割合は臨界的ではなく、これらの使用割
合は所望の性質をもつ組成物を提供するためには広範囲
に変動し得る。多くの場合、オルトエステル重合体は組
成物の約5−95重量%、好ましくは約5−65重量%
の範囲の量で使用される。
重合体含有組成物を形成するほかに、本発明の種々の共
重合体、特にスチレンとランダム共重合体は、配合する
ことによって互いに著しく異なる他の重合体の配合物を
相溶化し得る。
の製造をつぎの実施例によって説明する。実施例中、す
べての%は重量による。実施例13−20 オルトエステルをグラフト結合したEPDM共重合体及
びポリ(ブチレンテレフタレート)を含有してなる乾燥
配合物を製造しそして250℃程度の温度で押出した。
押出体は所望の共重合体含有組成物であった。これをペ
レットに形成し、乾燥しそして試験片に成形して引張強
さ及び引張伸び(ASTM試験法D638)及びノッチ
付きアイゾット衝撃強さ(ASTM試験法D256)に
ついて試験した。
して表II及び表III に示す。5種類の対照試験は(A−
D)官能基をもたないEPDM共重合体から製造された
配合物及び(E)グリシジルメタクリレート3%を同様
にグラフト結合したEPDM共重合体から製造された配
合物を使用して行なった。
重合体含有組成物は官能基をもたないEPDM共重合体
を使用した対照例よりも実質的に高い引張強さ及び引張
伸びをもつことが明らかに認められる。本発明のEPD
M共重合体から製造された共重合体含有組成物はまたグ
リシジルメタクリレートを実質的により高割合でグラフ
ト結合させたEPDM共重合体を用いた対照例の組成物
に匹敵するか又はより大きい引張強さ及び引張伸びを有
する。表III からは、本発明の重合体から製造された組
成物の各々は対照例の組成物よりも高い衝撃強さをも
ち、特に実施例17−20の生成物は対照例のものより
も実質的に高い衝撃強さを有することが明らかに認めら
れる。実施例21 実施例14の方法に従って、たゞしポリ(ブチレンテレ
フタレート)の代りに1,4−ブタンジオール及びジメ
チルテレフタレートとトリメリト酸及び平均分子量約2
00をもつポリオキシプロピレンジアミンとのジイミド
−ジ酸反応生成物との0.91:1(重量比)混合物か
ら製造された共ポリエステルを用いて同様の配合物を製
造した。この配合物は10.5MPa の引張強さ及び43
5%の引張伸びを有していた。オルトエステル−グラフ
ト化EPDM共重合体の代りにグリシジルメタクリレー
ト3%をグラフト結合させたEPDM共重合体を用いた
対照試験例は7.7MPa の引張強さ及び505%の引張
伸びを有していた。この場合にも、本発明のグラフト共
重合体は同程度の性質をもつ製品を取得するために対応
するグリシジルメタクリレートグラフト共重合体よりも
実質的に低度の官能化度において使用し得ることが明ら
かに認められる。
Claims (5)
- 【請求項1】 次に示す式(I)の構造単位からなり、
ゲル透過クロマトグラフィーにより測定した重量平均分
子量が2,000ないし300,000の範囲である重
合体。 【化1】 (式中、R1 はC1-10第1級又は第2級アルキル又はア
ラルキル基又はC6-10芳香族基であり、そしてR2 はC
1-10第1級又は第2級アルキル又はアラルキル基又はC
6-10芳香族基であり;R3 は水素又はC1-4 第1級又は
第2級アルキル基であり;R4 は非置換又は置換C1-6
アルキレン基又はC6-10アリーレン基であり;R5 は水
素又はメチル基であり;R6 は水素、C1-6 アルキル基
又はC6-10芳香族基であり;Xは実質的に不活性な連結
基であり;mは0又は1であり;nは1ないし2−mで
あり;そしてpは0又は1である) - 【請求項2】 R1 及びR2 がともにアルキル基である
請求項1記載の重合体。 - 【請求項3】 mが0でありそしてnが1である請求項
2記載の重合体。 - 【請求項4】 R3 及びR6 がともに水素である請求項
3記載の重合体。 - 【請求項5】 pが1である請求項4記載の重合体。
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