JP2648387B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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JP2648387B2 JP20730490A JP20730490A JP2648387B2 JP 2648387 B2 JP2648387 B2 JP 2648387B2 JP 20730490 A JP20730490 A JP 20730490A JP 20730490 A JP20730490 A JP 20730490A JP 2648387 B2 JP2648387 B2 JP 2648387B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
さらに詳しくは、可撓化剤としてエポキシ樹脂および
(または)硬化剤などと反応可能な官能基を有する変性
環状シリコーンオイルと、その変性環状シリコーンオイ
ル中の官能基などと反応可能な官能基を有する変性シリ
コーンオイルとの新規な共重合体(シリコーン)を用い
た半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ
樹脂本来の耐湿性および耐熱性を保持し、かつ低弾性率
で低膨張率、高ガラス転移温度、高靭性の硬化物を提供
する半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題] 近年、半導体素子は、高集積化に伴ってチップ面積が
大型化され、樹脂が薄肉化されており、従来のエポキシ
樹脂組成物で封止して半導体部品を製造すると、チップ
にクラックが生じたり、ボンディング線の切断、アルミ
配線のスライド、封止樹脂のクラックなどが生じたりし
やすいという問題がある。これらは半導体部品に致命的
な故障である。これは、従来の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物が、おもに耐熱性、耐湿性を良好にするという
観点から開発されており、その硬化物が可撓性に乏し
く、素子に加わる応力が大きいためである。
一般に半導体封止用エポキシ樹脂組成物の応力を低減
させる方法には、樹脂の熱膨張率を小さくして熱歪を小
さくする方法と、弾性率を小さくして熱歪による応力を
小さくする方法とが知られている。また、耐熱性、耐湿
性を保持しながら、熱歪の小さい温度領域を広げるため
には、ガラス転移温度を高くする必要がある。
前記低応力化の方法としては、可撓化剤を添加する方
法があるが、従来から使用されている可撓化剤(たとえ
ば長鎖アルキレンポリアミン、ポリオキシアルキレング
リコール、長鎖状アルキレンオキサイドを有するビスフ
ェノールA型ジグリシジルエール)を配合して弾性率を
低下させる方法には、硬化物のガラス転移温度が大きく
低下し、耐熱性、耐湿性が低下するという欠点がある
(特公昭59−8718号公報、特開昭59−30820号公報、特
開昭59−226066号公報など参照)。
一方、耐湿性およびガラス転移温度の低下が小さい可
撓化剤としては、耐末端にエポキシ樹脂と反応しうる官
能基を有するポリブタジエンや、ブタジエンとアクリロ
ニトリルとの共重合体などからえられるエラストマ変性
可撓化剤も考察されている(特開昭58−174416号公報、
特公昭58−108220号公報、特開昭58−184204号公報、特
公昭62−9248号公報、特開昭59−113021号公報、特開昭
59−58024号公報など参照)。しかしながら、前記エラ
ストマ変性可撓化剤には、高温時においてエラストマ中
の不飽和結合が酸化され劣化するために、可撓性効果が
消失するという問題がある。
また、高温下の電気特性、熱安定性において優れた可
撓化剤である低弾性率のシリコーン樹脂やシリコーンゴ
ムを分散させるという方法も知られている(特開昭62−
84147号公報、特開昭56−4647号公報、特開昭64−29450
号公報など参照)。しかし、シリコーン樹脂は金属との
接着性が乏しく、シリコーンゴムはエポキシマトリクス
との界面強度が弱いため硬化物の透湿性が大きくなり、
耐湿性がわるく、機械強度も弱いという点で信頼性にか
けるという問題点がある。
本発明者らは、可撓化剤としてエポキシ基を有する変
性シリコーンオイルとフェノールノボラック樹脂との予
備反応物を用いたエポキシ樹脂組成物が、耐熱性および
耐湿性を有し、かつ低弾性率の硬化物を与えうることを
すでに見出している(特願昭62−83158号明細書参
照)。また、ヒドロキシフェニル基を有する変性シリコ
ーンオイルとエポキシ樹脂との予備反応物が、耐熱性、
耐湿性を有し、かつ低弾性率、低熱膨張率、高ガラス転
移温度の硬化物を与えることをすでに見出している(特
願昭63−115269号明細書、特願昭63−161849号明細書お
よび特願平2−75128号明細書参照)。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前記樹脂組成物が有する特性、すなわち耐
熱性、耐湿性、低弾性率、低熱膨張率、高ガラス転移温
度に加えて、高靭性を有する硬化物を与える半導体封止
用エポキシ樹脂組成物をうることを目的とする。
すなわち本発明は、一般式(I): (式中、Xはエポキシ樹脂および(または)硬化剤と反
応可能であり、一般式(II)中のY1〜Y3と反応可能な官
能基、R1〜R3はそれぞれアルキル基、フェニル基、フェ
ニル置換アルキル基、アルキル置換フェニル基、フッ素
置換アルキル基またはポリアルキレンオキシド、aは2
〜10の整数、bは0〜10の整数を示す)で示される変性
環状シリコーンオイルと、一般式(II): (式中、Y1〜Y3はエポキシ樹脂および(または)硬化剤
と反応可能であり、前記Xと反応可能な官能基、R4〜R
10はそれぞれアルキル基、フェニル基、フェニル置換ア
ルキル基、アルキル置換フェニル基、フッ素置換アルキ
ル基またはポリアルキレンオキシド、cは5〜300の整
数、dは0〜10の整数、ただし0≦[d/(c+d)]≦
0.32)で示される変性シリコーンオイルとの共集合体で
あって、環状シリコーン部を有し、エポキシ樹脂および
(または)硬化剤と反応可能な官能基を有するシリコー
ンと、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、離
型剤、着色剤および表面処理剤とを含有してなる半導体
封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
[作 用] 本発明に用いられる可撓化剤は、変性環状シリコーン
オイルに含まれるエポキシ樹脂および(または)硬化剤
などと反応可能な官能基と、別の変性シリコーンオイル
に含まれるエポキシ樹脂および(または)硬化剤と反応
可能で前記変性環状シリコーンオイル中の官能基と反応
可能な官能基とを反応させたブロックまたはグラフト共
重合体であるため、可撓化成分であるシリコーンと主剤
であるエポキシ樹脂や硬化剤との相溶性をあげることが
でき、強靭性が可能になる。また、可撓化剤はエポキシ
樹脂や硬化剤と反応可能な官能基を有するために成形中
に反応し、耐熱性、耐湿性が保持され、さらに成形時の
しみだしや離型性が改善される。
[実施例] 本発明の組成物の主剤として用いられるエポキシ樹脂
の具体例としては、たとえばクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ア
ルキルベンゼン変性フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリス
(グリシドキシフェニル)メタンなどの多官能型エポキ
シ樹脂などがあげられる。また、ノボラック型エポキシ
樹脂、多官能性エポキシ樹脂に限らず2官能エポキシ樹
脂を用いてもよく、該2官能エポキシ樹脂の具体例とし
ては、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス
フェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレンなど
の複素環骨格エポキシ樹脂など、また両末端にエポキシ
基を有するエピビス型のあらゆるエポキシ樹脂があげら
る。さらには前記エポキシ樹脂に種々の置換基を持たせ
た構造のエポキシ樹脂などがあげられるが、これらに限
定されるものではない。
これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種類
以上を併用してもよい。
本発明に用いられる硬化剤の具体例としては、たとえ
ばフェノールノボラック樹脂、クレーゾルノボラック樹
脂、アルキル変性フェノール樹脂、ビスフェノールAノ
ボラック樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタンな
どの多官能型フェノール樹脂などのフェノール硬化剤
や、酸無水物、多官能型アミノ化合物があげられるが、
これらに限定されるものではない。これらは単独で用い
てもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に可撓化剤として用いられるシリコーンは、マ
トリクスとなるエポキシ樹脂やフェノール樹脂などの硬
化剤との相溶性をあげ、さらに硬化物に靭性をもたせる
ための成分である一般式(I) で示されるX(エポキシ樹脂および(または)硬化剤と
反応可能であり、一般式(II)中のY1〜Y3の反応可能な
官能基)を有する変性環状シリコーンオイル(以下、変
性シリコーンオイルAともいう)と、弾性率を効果的に
低下させるための成分である一般式(II): で示されるY1〜Y3(エポキシ樹脂および(または)硬化
剤と反応可能であり、一般式(I)中のXと反応可能な
官能基)を有する変性シリコーンオイル(以下、変性シ
リコーンオイルBともいう)との共重合体からなる。な
お、一般式(I)または一般式(II)中の繰返し単位の
並び方に限定はなく、ランダム共重合であってもよく、
ブロック共重合であってもよい。
前記一般式(I)中のXは、エポキシ樹脂および(ま
たは)硬化剤と反応可能であり、一般式(II)中のY1
Y3と反応可能な官能基であればとくに限定されず、その
具体例としては、たとえばビニル基、H2C=CH(CH2)n
−などのビニルアルキル基、ヒドロキシ基、HOCH2(C
H2)n−、(HO)2CH(CH)2n−などのヒドロキシアル
キル基、カルビノール基(HO(CH2CH2)n−)、ヒドロ
キシフェニル基、HOC6H4(CH2)n−などのヒドロキシ
フェニル置換アルキル基、H2N−、RNH−、R2N−などの
アミノ基、H2N(CH2)n−、RNH(CH2)n−、R2N(C
H2)n−などのアミノアルキル基、カルボキシル基、HO
CO(CH2)n−などのカルボキシアルキル基、CH3COO
−、CH3COO(CH2)n−、C17H35COO−などのエステル
基、エポキシ基、 などのグリシドキシアルキル基、メタクリロキシ基(CH
2=C(CH3)COO−)、CH2=C(CH3)COO(CH2)n−
などのメタクリロキシアルキル基、メルカプト基、HS
(CH2)n−などのメルカプトアルキル基、アルコキシ
基、シアノ基、CN(CH2)n−などのシアノアルキル
基、官能基とシリコン原子との間に−C3H6OC3H6−など
のエーテル構造、複素環構造、ビシクロ骨格、ビフェニ
ル骨格などが介在した有機基などがあげられるが、これ
らに限定されるものではない。なお、a個のXは同種で
もよく、異種でもよい。
R1〜R3は、それぞれ、たとえばメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル
基、ペンチル基、イソペンチル基などの好ましくは炭素
数1〜20のアルキル基、フェニル基、たとえばC6H5(CH
2−などのフェニル置換アルキル基、たとえばCH3C6
H4−などのアルキル置換フェニル基、たとえばCF3(C
H2)n−、CF3(CF2(CH2)n−などの好ましくは
炭素数1〜20のフッ素置換アルキル基または、たとえば
CH2CH2On、 などのポリアルキレンオキシドである。なお、a個の
R1、b個のR2、b個のR3は、それぞれ同種でもよく、異
種でもよい。
aは2〜10、好ましくは2〜6の整数である。aが2
未満では反応が停止してしまい、エポキシマトリクスと
化学結合できなくなり、10をこえると共重合体の合成時
にゲル化してしまうため好ましくない。
bは0〜10、好ましくは4〜6の整数である。bが10
をこえるとエポキシマトリクスとの相溶性が小さくな
る。
変性シリコーンオイルAの好ましい例としては、たと
えば (前記各式中の繰返し単位の並び方はランダムであって
もよく、ブロックであってもよい)などがあげられる。
変性シリコーンオイルBを示す前記一般式(II)中の
Y1〜Y3は、それぞれエポキシ樹脂および(または)硬化
剤と反応可能であり、変性シリコーンオイルAに含まれ
る官能基Xと反応可能な官能基であればとくに限定はな
く、その具体例としては、Xがたとえばヒドロキシ基含
有基のばあいエポキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ
基、エステル基、アミノアルキル基など、エポキシ基含
有基のばあいアミノ基、メルカプト基、ヒドロキシフェ
ニル基、エポキシ樹脂、カルボキシル基など、アミノ基
含有基のばあいカルボキシル基、エポキシ基などがあげ
られる。なお、d個のY2は同種でもよく、異種でもよ
い。
R4〜R10は、それぞれ前記R1〜R3と同様の好ましくは
炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、フェニル置換
アルキル基、アルキル置換フェニル基、好ましくは炭素
数1〜20のフッ素置換アルキル基およびポリアルキレン
オキシドである。なお、c個のR6、c個のR7、d個のR8
は、それぞれ同種でもよく、異種でもよい。
cは5〜300、好ましくは7〜250の整数である。cが
5未満では可撓化剤としての効果がなく、耐熱性も低下
し、300をこえると強度が極端に低下する。
また、dは0〜10、好ましくは0〜7の整数である。
dが10をこえると共重合体の合成時にゲル化物を生成し
やすく、さらに硬化物の弾性率の低下効果が低くなる。
さらに、d/(c+d)は0〜0.32、好ましくは0〜0.
25である。d/(c+d)が0.32をこえると官能基が多す
ぎるため、ゲル化が起こったり、エラストマとしての効
果が低下したりする。
変性シリコーンオイルBの官能基の当量(官能基当
量)は100〜13000が好ましく、250〜8000がさらに好ま
しい。また、1分子当りの官能基は2〜12個が好まし
い。前記当量や1分子当りの官能基の数が前記の範囲を
外れると、官能基が少ないばあいは変性シリコーンオイ
ルAとの反応時に反応が充分に進行しなくなる傾向があ
り、また官能基が多いばあいには、反応時にゲル化した
りする傾向がある。
変性シリコーンオイルBの好ましい例としては、たと
えば (前記各式中の繰返し単位の並び方はランダムであって
もよく、ブロックであってもよい)などがあげられる。
本発明に用いる可撓化剤は、前記変性シリコーンオイ
ルAの1種以上と変性シリコーンオイルBの1種以上と
を、変性シリコーンオイルAの官能基と変性シリコーン
オイルBの官能基との当量比が30/1〜1/30となるような
割合で反応させたものが好ましく、とくに分子の内部に
官能基を有する変性シリコーンオイルBを用いるばあい
は、ゲル化を防ぐという点から30/5〜5/30となるような
割合が好ましい。また、可撓化剤合成の際、変性シリコ
ーンAおよびBのうち、官能基数の少ない方の変性シリ
コーンオイルの官能基の70%以上、さらには90%以上が
官能基数の多い方の変性シリコーンオイルの官能基と反
応したものが好ましい。官能基の少ない方のシリコーン
オイルの未反応の官能基が多くなると、相溶性が低下し
たり、熱劣化の原因となる。
可撓化在中の環状シリコーン部は、分子のいずれの位
置にあってもよく、分子末端にあってもよく、分子内部
・側鎖にあってもよい。
また、可撓化剤の数平均分子量にもとくに限定はない
が、通常ポリスチレン換算で数千〜数十万程度のオーダ
ーになる。
前記変性シリコーンオイルAと変性シリコーンオイル
Bとの反応(予備反応)は、通常、触媒としてアミン系
化合物、イミダゾール系化合物、リン系化合物、オクチ
ル酸亜鉛、オクチル酸スズ、などを用い、チッ素雰囲気
下で行なわれる。
触媒として用いられるアミノ系化合物の具体例として
は、トリメチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒド
ロキサイドなど、イミダゾール系化合物の具体例として
は、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチル
イミダゾールなど、リン系化合物の具体例としては、ト
リフェニルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、ま
たその有機塩類などがあげられる。
本発明の組成物中の可撓化剤の使用割合は、変性シリ
コーンオイルAと変性シリコーンオイルBの合計重量を
Mとし、エポキシ樹脂、硬化剤などの可撓化剤を除く有
機成分の重量をNとするとき、M/(M+N)が、0.03〜
0.4、さらには0.05〜0.2となるような割合であるのが好
ましい。この値が0.03未満ではえられる成形物の弾性率
を低下させる効果およびガラス転移温度の向上が小さい
ばかりでなく、熱膨張率の低下も小さくなりがちにな
る。逆に0.4をこえると機械的強度が低下する。
本発明の組成物では、主剤として用いられるエポキシ
樹脂のエポキシ基の合計と、硬化剤やエポキシ基との反
応に関与する有機基の当量の合計との比(エポキシ基/
エポキシ基との反応に関与する有機基)が、0.7〜1.3の
範囲にあるのが本発明の目的にとって好ましい。
本発明に用いられる硬化促進剤としては、通常の触媒
である限りとくに限定されるものではなく、その具体例
としては、たとえばトリフェニルホスフィンなどのホス
フィン類で代表されるリン系化合物、2−メチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイ
ミダゾール類、3級アミン類、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7、その有機塩類などがあげら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用
してもよい。
硬化促進剤の添加量は本発明の組成物中0.03〜2%
(重量%、以下同様)が好ましく、0.05〜1%がさらに
好ましい。該添加量が2%をこえるとゲル化が速すぎて
成形が困難になる傾向があり、0.03%未満では硬化が遅
いため硬化物の機械強度が不充分になる傾向がある。
本発明に用いられる充填剤にはとくに限定はなく、そ
の具体例としては、たとえば天然シリカや合成シリカか
らの破砕シリカ、球状シリカなどの石英粉砕物や、タル
ク、マイカ、チッ化ケイ素、アルミナなどがあげられ
る。これらは単独で用いてもよく2種類以上を併用して
もよい。
無機充填剤の使用量は、本発明の組成物に使用される
エポキシ樹脂の合計量100部(重量部、以下同様)に対
して250〜2000部が好ましく、400〜1700部がさらに好ま
しい。該使用量が250部未満ではえられる硬化物の強
度、耐熱性、耐衝撃性が低下し、2000部をこえると組成
物の流動性が低下して成形しにくくなる傾向がある。
本発明に用いられる離型剤(内部離型剤)にはとくに
限定はなく、その具体例としては、たとえば脂肪酸やそ
の金属塩、天然ワックス、合成ワックスなどがあげられ
る。離型内の使用量はエポキシ樹脂の合計量100部に対
して0.5〜3部が好ましく、1.5〜2.2部がさらに好まし
い。
本発明に用いられる着色剤にとくに限定はなく、その
具体例としては、たとえばカーボンブラックなどの顔料
が用いられる。着色剤の使用量はエポキシ樹脂の合計量
100部に対して0.3〜3.0部が好ましく、0.7〜1.8部がさ
らに好ましい。
本発明に用いられる表面処理剤にはとくに限定はな
く、その具体例としては、たとえばビニルトリメトキシ
シラン、グリシジルトリメトキシシランなどがあげられ
る。表面処理剤の使用量は、エポキシ樹脂の合計量100
部に対して0.5〜20部が好ましく、1.2〜16部がさらに好
ましい。
さらに、本発明の組成物には、三酸化アンチモンなど
の難熱剤、酸化防止剤などの所望の添加剤が適宜配合さ
れていてもよい。
本発明の組成物は、前記エポキシ樹脂、硬化剤、可撓
化剤、硬化促進剤、充填剤、離型剤、着色剤、表面処理
剤および要すれば使用される成分を通常の方法(加熱ロ
ールなど)を用いて混練することにより調製することが
でき、通常の方法により成形することができる。なお、
可撓化剤は単純に添加してもよく、また、エポキシ樹脂
や硬化剤、または可撓化剤中の官能基と反応可能な官能
基を有するその他のエポキシ樹脂組成物と予備反応させ
て用いてもよい。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、前記官
能基Xを有する変性シリコーンオイルAと、前記官能基
Y1〜Y3を有する変性シリコーンオイルBとの共重合体で
あって、分子末端および(または)分子内部・側鎖に環
状シリコーン部を有し、エポキシ樹脂および(または)
硬化剤と反応可能な官能基を有する新規なシリコーンを
可撓剤として用いることにより、マトリクス中における
シリコーン成分の分散性を改良したものであり、硬化物
は強靭で耐熱性、耐湿性が向上する。
つぎに、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明
するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 一般式: で示され、平均分子量600でフェノール性水酸基当量280
の変性シリコーンオイル(a1)100部と、一般式: で示され、平均分子量1200でエポキシ当量620の変性シ
リコーンオイル(b1)70部と、トリフェニルホスフィン
0.5部とを、チッ素をふきこみながら150℃で20時間反応
させ、予備反応物(可撓化剤A)をえた(エポキシ基反
応率97%)。
主剤であるエポキシ樹脂(日本化薬(株)製のEOCN10
20、WPE200)、臭素化フェノールノボラックエポキシ樹
脂(日本化薬(株)製のBREN−S、WPE280)、硬化剤で
あるフェノールノボラック樹脂(群栄化学(株)製のPS
F4261、水酸基当量106)、硬化促進剤(トリフェニルホ
スフィン)、可撓化剤、無機充填剤(溶融シリカ(龍森
社製のRD−8))、三酸化アンチモン(三國製練(株)
製)、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製の
KBM403)、内部離型剤(カルナバワックス)および着色
剤(カーボンブラック)を第1表に示す割合で混合した
のち、加熱ロールにより混練して、半導体封止用エポキ
シ樹脂組成物をえた。
えらえた組成物をトランスファ成形して(175℃、2
分間)、硬化試験片を作製した。
えられた試験片を用いて、曲げ弾性率(JIS K691
1)、曲げ強度(JIS K6911)、熱機械分析(TMA測定)
によるガラス転移温度、熱膨張率およびヒートサイクル
(−196℃×30秒〜260℃×30秒)100回後のパッケージ
クラック特性(20個)を測定した。結果を第1表に示
す。
実施例2〜4 変性シリコーンオイル(a1)50部と、変性シリコーン
オイル(b1)と同様の構造で分子鎖の両末端にエポキシ
基を有し、平均分子量5300で水酸基当量2700の変性シリ
コーンオイル(b2)150部と、トリフェニルホスフィン
0.5部とを、チッ素をふきこみながら150℃で20時間反応
させ、予備反応物(可撓化剤B)をえた(エポキシ基反
応率90%)。
変性シリコーンオイル(a1)50部と、一般式: で示され、平均分子量12000でエポキシ当量2500で分子
鎖の内部にエポキシ基を有する変性シリコーンオイル
(b3)150部と、トリフェニルホスフィン0.4部とを、チ
ッ素をふきこみながら150℃で20時間反応させ、予備反
応物(可撓化剤C)をえた(エポキシ基反応率85%)。
可撓化剤B50部とEOCN1020 100部とトリフェニルホス
フィン0.3部とを、チッ素をふきこみながら150℃で20時
間予備反応させ、主剤のエポキシ樹脂の一部と反応した
可撓化剤Dをえた(ヒドロキシフェニル基反応率89
%)。
第1表に示すように可撓化剤B〜Dを使用し、その他
の成分を配合したほかは実施例1と同様にして、半導体
封止用エポキシ樹脂組成物をえた。
ついで実施例と同様にして硬化試験片を作製し、特性
を調べた。結果を第1表に示す。
比較例1〜2 可撓化剤としてチバガイギー社製のアラルダイトGY29
8(比較例1)またはダウケミカル社製のDER736(比較
例2)を用いて、実施例1と同様にして第1表に示す配
合組成のエポキシ樹脂組成物をえた。
ついで実施例1と同様にして試験片を作製し、特性を
調べた。結果を第1表に示す。
比較例3 可撓化剤を用いないで、実施例1と同様にして第1表
に示す配合組成のエポキシ樹脂組成物をえた。
ついで、実施例1と同様にして試験片を作製し、特性
を調べた。結果を第1表に示す。
第1表に示される結果から明らかなように、本発明の
半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物は、耐熱性が
高く、低熱膨張率であり、さらに従来のものと同程度ま
たはそれ以上の高ガラス転移温度を達成したものであ
り、半導体封止用として好適に使用しうることがわか
る。
[発明の効果] 以上説明したとおり、本発明の半導体封止用エポキシ
樹脂組成物は、可撓化剤としてエポキシ樹脂および(ま
たは)硬化剤などと反応可能な官能基を有する一般式
(I)で示される変性環状シリコーンオイルと、その変
性環状シリコーンオイルに含まれる官能基などと反応可
能な官能基を有する一般式(II)で示される変性シリコ
ーンオイルとの共重合体であって、分子末端および(ま
たは)分子内部・側鎖に環状シリコーンオイル部を有
し、エポキシ樹脂および(または)硬化剤と反応可能な
官能基を有する新規なシリコーンを用いることにより、
マトリクス中におけるシリコーン成分の分散性がより向
上し、その硬化物は耐熱性、耐湿性を保持し、低熱膨張
で低弾性率であり、従来と同程度かそれ以上の高ガラス
転移温度で、高靭性の硬化物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83:04)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): (式中、Xはエポキシ樹脂および(または)硬化剤と反
    応可能であり、一般式(II)中のY1〜Y3と反応可能な官
    能基、R1〜R3はそれぞれアルキル基、フェニル基、フェ
    ニル置換アルキル基、アルキル置換フェニル基、フッ素
    置換アルキル基またはポリアルキレンオキシド、aは2
    〜10の整数、bは0〜10の整数を示す)で示される変性
    環状シリコーンオイルと、一般式(II): (式中、Y1〜Y3はエポキシ樹脂および(または)硬化剤
    と反応可能であり、前記Xと反応可能な官能基、R4〜R
    10はそれぞれアルキル基、フェニル基、フェニル置換ア
    ルキル基、アルキル置換フェニル基、フッ素置換アルキ
    ル基またはポリアルキレンオキシド、cは5〜300の整
    数、dは0〜10の整数、ただし0≦[d/(c+d)]≦
    0.32)で示される変性シリコーンオイルとの共集合体で
    あって、環状シリコーン部を有し、エポキシ樹脂および
    (または)硬化剤と反応可能な官能基を有するシリコー
    ンと、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、離
    型剤、着色剤および表面処理剤とを含有してなる半導体
    封止用エポキシ樹脂組成物。
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