JP2648148B2 - 消失模型 - Google Patents
消失模型Info
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- JP2648148B2 JP2648148B2 JP62160558A JP16055887A JP2648148B2 JP 2648148 B2 JP2648148 B2 JP 2648148B2 JP 62160558 A JP62160558 A JP 62160558A JP 16055887 A JP16055887 A JP 16055887A JP 2648148 B2 JP2648148 B2 JP 2648148B2
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22C—FOUNDRY MOULDING
- B22C7/00—Patterns; Manufacture thereof so far as not provided for in other classes
- B22C7/02—Lost patterns
- B22C7/023—Patterns made from expanded plastic materials
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Mold Materials And Core Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、消失模型鋳造法に用いられる消失模型に関
するものである。
するものである。
キャビティーレス鋳造法の一つとしてフルモールド法
とも称される消失模型鋳造法が従来から知られている。
この消失模型鋳造法は、目的とする鋳物形状に発泡ポリ
スチレンなど発泡樹脂で模型1を作成し、この模型1を
鋳型枠10内に設置すると共に鋳型枠10に乾燥した鋳型砂
11を充填することによって模型1を鋳型砂11内に埋没さ
せて第3図に示すような鋳型12を形成し、そしてこの鋳
型12の模型1の部分を溶湯を注湯することによって鋳造
をおこなうようにした方法である。このものでは溶湯を
注湯する際に溶湯の高温で発泡樹脂の模型1が分解消失
されることになり、この模型1の消失で生じる鋳型砂11
の空洞内に溶湯が満たされることによって、模型1の形
状と同じ形状に鋳物を製造することができるものであ
り、発泡樹脂の模型1が加熱分解されることによって発
生するガスは鋳型砂11間の隙間を通して外部に逃がされ
る。そしてこの消失模型鋳造法は、鋳型12が割り型では
なく一体型であるために形状的な制限が少なく、複雑な
形状をしたものや中空部分を有するものなどを高い寸法
精度で鋳造することができる等の優れた特徴を有する。
とも称される消失模型鋳造法が従来から知られている。
この消失模型鋳造法は、目的とする鋳物形状に発泡ポリ
スチレンなど発泡樹脂で模型1を作成し、この模型1を
鋳型枠10内に設置すると共に鋳型枠10に乾燥した鋳型砂
11を充填することによって模型1を鋳型砂11内に埋没さ
せて第3図に示すような鋳型12を形成し、そしてこの鋳
型12の模型1の部分を溶湯を注湯することによって鋳造
をおこなうようにした方法である。このものでは溶湯を
注湯する際に溶湯の高温で発泡樹脂の模型1が分解消失
されることになり、この模型1の消失で生じる鋳型砂11
の空洞内に溶湯が満たされることによって、模型1の形
状と同じ形状に鋳物を製造することができるものであ
り、発泡樹脂の模型1が加熱分解されることによって発
生するガスは鋳型砂11間の隙間を通して外部に逃がされ
る。そしてこの消失模型鋳造法は、鋳型12が割り型では
なく一体型であるために形状的な制限が少なく、複雑な
形状をしたものや中空部分を有するものなどを高い寸法
精度で鋳造することができる等の優れた特徴を有する。
この消失模型鋳造法において用いる鋳型は上記のよう
に、発泡樹脂によって形成される模型を鋳型砂に埋入さ
せることによって作成されるものであり、模型が溶湯に
注湯する際に消失されるために消失模型鋳型と称される
が、模型はその表面に塗型剤を塗布して消失模型と称し
て使用に供される。塗型剤は一般の鋳型の場合と同様に
溶湯の鋳型砂への浸透防止や鋳型砂の焼き付き防止など
の目的で用いられるものであり、一般的な塗型特性の他
に、消失模型鋳造法においては塗型剤によって模型の表
面を補強するという作用も期待される。すなわち、模型
を鋳型枠内に設置して鋳型枠に鋳型砂を充填することに
よって模型を鋳型砂内に埋没させるにあたっては、模型
と鋳型砂との間に隙間が生じないように鋳型砂を充填す
る必要があり、このために鋳型砂を充填する際に鋳型砂
を突き固めるようにしたりして模型の周囲に鋳型砂をし
っかり固定させるようにしているが、鋳型砂を突き固め
たする際にその応力が模型を押圧する力として作用し、
発泡ポリスチレンなど発泡樹脂で形成されている模型は
この押圧力で変形され易くなるために、塗型剤で模型の
表面を補強して模型を変形されるのを防止する作用も期
待されるのである。
に、発泡樹脂によって形成される模型を鋳型砂に埋入さ
せることによって作成されるものであり、模型が溶湯に
注湯する際に消失されるために消失模型鋳型と称される
が、模型はその表面に塗型剤を塗布して消失模型と称し
て使用に供される。塗型剤は一般の鋳型の場合と同様に
溶湯の鋳型砂への浸透防止や鋳型砂の焼き付き防止など
の目的で用いられるものであり、一般的な塗型特性の他
に、消失模型鋳造法においては塗型剤によって模型の表
面を補強するという作用も期待される。すなわち、模型
を鋳型枠内に設置して鋳型枠に鋳型砂を充填することに
よって模型を鋳型砂内に埋没させるにあたっては、模型
と鋳型砂との間に隙間が生じないように鋳型砂を充填す
る必要があり、このために鋳型砂を充填する際に鋳型砂
を突き固めるようにしたりして模型の周囲に鋳型砂をし
っかり固定させるようにしているが、鋳型砂を突き固め
たする際にその応力が模型を押圧する力として作用し、
発泡ポリスチレンなど発泡樹脂で形成されている模型は
この押圧力で変形され易くなるために、塗型剤で模型の
表面を補強して模型を変形されるのを防止する作用も期
待されるのである。
ここで、模型1は発泡ポリスチレンなどの発泡樹脂で
形成されており、特に発泡ポリスチレンは発泡剤を含有
するスチレンビーズを発泡させることによって形成され
るものであるために、発泡樹脂で形成される模型1はビ
ーズを発泡させた多数の発泡粒子14,14……が集合した
ものとして形成されることになり、模型1の表面には発
泡粒子14,14……の境界部分が凹凸として現れることに
なる。そして第4図(a)のように模型1の表面に塗型
剤15を塗布してこれを鋳型砂11内に埋入し、この模型1
に溶湯16を注湯して模型1を消失させると共に模型1の
消失で生じる空洞内に第4図(b)のように溶湯16を満
たして鋳造をおこなうと、一般的に無機質材料で形成さ
れており消失しない塗型剤15に溶湯16は接することにな
って、こと塗型剤15を介して転写された状態で第4図
(c)のように鋳造物17の表面には模型1の表面と同様
な凹凸が亀甲状に生じることになる。
形成されており、特に発泡ポリスチレンは発泡剤を含有
するスチレンビーズを発泡させることによって形成され
るものであるために、発泡樹脂で形成される模型1はビ
ーズを発泡させた多数の発泡粒子14,14……が集合した
ものとして形成されることになり、模型1の表面には発
泡粒子14,14……の境界部分が凹凸として現れることに
なる。そして第4図(a)のように模型1の表面に塗型
剤15を塗布してこれを鋳型砂11内に埋入し、この模型1
に溶湯16を注湯して模型1を消失させると共に模型1の
消失で生じる空洞内に第4図(b)のように溶湯16を満
たして鋳造をおこなうと、一般的に無機質材料で形成さ
れており消失しない塗型剤15に溶湯16は接することにな
って、こと塗型剤15を介して転写された状態で第4図
(c)のように鋳造物17の表面には模型1の表面と同様
な凹凸が亀甲状に生じることになる。
このように鋳造物17の表面に転写された凹凸は通常の
使用ではほとんど問題にはならないが、しかしこの凹凸
においては断面V字型に食い込むような形状で凹部18が
形成されているものであり、自動車の足回り部品など応
力が繰り返して加わる部品などにあっては、この凹部18
のV字型に食い込む底から鋳造物17にクラック19が入る
おそれがあり、強度の面で問題があって思わぬ破損につ
ながる危険性を有するものであった。
使用ではほとんど問題にはならないが、しかしこの凹凸
においては断面V字型に食い込むような形状で凹部18が
形成されているものであり、自動車の足回り部品など応
力が繰り返して加わる部品などにあっては、この凹部18
のV字型に食い込む底から鋳造物17にクラック19が入る
おそれがあり、強度の面で問題があって思わぬ破損につ
ながる危険性を有するものであった。
本発明はこの点に鑑みて為されたものであって、強度
が低下するおそれなく鋳造をおこなうことができる消失
模型を提供することを目的とするものである。
が低下するおそれなく鋳造をおこなうことができる消失
模型を提供することを目的とするものである。
本発明は、発泡樹脂で作成される模型の外面に可燃性
有機物のみからなり溶湯の熱で消失させる塗型剤を塗着
すると共にさらにその外面に溶湯の熱で消失されない無
機系の塗型剤を塗着して成ることを特徴とする消失模型
を第一の発明とし、発泡樹脂で作成される模型の外面に
可燃性有機物からなり溶湯の熱で消失される塗型剤を塗
着すると共にその外面に溶湯の熱で消失されない無機系
の塗型剤を塗着し、さらにこの消失されない塗型剤が乾
燥しないうちに耐火物の粒子をふりかけてその表層に耐
火物の粒子を層状に付着させて成ることを特徴とする消
失模型を第二の発明とするものである。
有機物のみからなり溶湯の熱で消失させる塗型剤を塗着
すると共にさらにその外面に溶湯の熱で消失されない無
機系の塗型剤を塗着して成ることを特徴とする消失模型
を第一の発明とし、発泡樹脂で作成される模型の外面に
可燃性有機物からなり溶湯の熱で消失される塗型剤を塗
着すると共にその外面に溶湯の熱で消失されない無機系
の塗型剤を塗着し、さらにこの消失されない塗型剤が乾
燥しないうちに耐火物の粒子をふりかけてその表層に耐
火物の粒子を層状に付着させて成ることを特徴とする消
失模型を第二の発明とするものである。
以下本発明をまず第一の発明について詳細に説明す
る。
る。
模型1は発泡ポリスチレンなど発泡樹脂によって形成
されるものであり、ビーズを発泡させることによってビ
ーズの発泡粒子14,14……が多数集合した形態のものと
して形成される。そしてこの模型1の外面に溶湯16の熱
で消失される塗型剤2を塗着し、この塗型剤2の層の外
面にさらに溶湯16の熱で消失されない塗型剤3を塗着す
ることによって消失模型を作成することができるもので
あり、模型1に塗型剤2,3を塗布した状態で目的とする
鋳造物の形状や寸法に適合するように設計するのがよ
い。
されるものであり、ビーズを発泡させることによってビ
ーズの発泡粒子14,14……が多数集合した形態のものと
して形成される。そしてこの模型1の外面に溶湯16の熱
で消失される塗型剤2を塗着し、この塗型剤2の層の外
面にさらに溶湯16の熱で消失されない塗型剤3を塗着す
ることによって消失模型を作成することができるもので
あり、模型1に塗型剤2,3を塗布した状態で目的とする
鋳造物の形状や寸法に適合するように設計するのがよ
い。
上記の溶湯の熱で燃焼して消失する塗型剤2として
は、可燃性有機物からなるものを用いる。この有機物と
いては燃焼する際に残留する炭化物が少ないもの、すな
わち炭化収率の低いものが適しており、可能であれば発
泡させたりしてさらに炭化収率を下げた状態で使用する
のがよい。炭化収率の低い有機物としては、例えば発泡
ポリスチレン、架橋ポリスチレン、多孔性架橋ポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアル
コール、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン/アクリ
ロニトリルコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、スチレンと他のビニルモノマーのコポリマー、ポリ
酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ビニルブチラールのホモ
ポリマーあるいはコポリマー、ポリブタジエン、ブタジ
エン/スチレンコポリマー、ブタジエン/アクリロニト
リルコポリマー、アクリル樹脂、p−ビニルフェノール
−ジビニルベンゼンコポリマー、エポキシ樹脂バルー
ン、フェノール樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、メラ
ミン樹脂バルーンなどの樹脂や、その他天然物として
米、麦、アワ、ヒエ、及びこれらの発泡体等を用いるこ
とができる。これらは粉状や粒状で使用されるものであ
り、これらを水等に分散することによってペースト状の
塗型剤2を調製することができる。このとき塗型剤2に
はバインダーを配合しておくのがよい。バインダーとし
ては溶湯の熱で燃焼されて消失する有機物がよく、例え
ばポリビニルアルコールやアクリルエマルジョンなどを
用いることができる。そしてこの塗型剤2を模型1には
け塗りなどで塗布したり、塗型剤2に模型1を浸漬した
り、あるいは模型1に塗型剤2にかけ塗りしたりしたの
ちに、これを乾燥し、次いでこの表面に溶湯16の熱で消
失されない塗型剤3を塗着する。
は、可燃性有機物からなるものを用いる。この有機物と
いては燃焼する際に残留する炭化物が少ないもの、すな
わち炭化収率の低いものが適しており、可能であれば発
泡させたりしてさらに炭化収率を下げた状態で使用する
のがよい。炭化収率の低い有機物としては、例えば発泡
ポリスチレン、架橋ポリスチレン、多孔性架橋ポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアル
コール、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン/アクリ
ロニトリルコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、スチレンと他のビニルモノマーのコポリマー、ポリ
酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ビニルブチラールのホモ
ポリマーあるいはコポリマー、ポリブタジエン、ブタジ
エン/スチレンコポリマー、ブタジエン/アクリロニト
リルコポリマー、アクリル樹脂、p−ビニルフェノール
−ジビニルベンゼンコポリマー、エポキシ樹脂バルー
ン、フェノール樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、メラ
ミン樹脂バルーンなどの樹脂や、その他天然物として
米、麦、アワ、ヒエ、及びこれらの発泡体等を用いるこ
とができる。これらは粉状や粒状で使用されるものであ
り、これらを水等に分散することによってペースト状の
塗型剤2を調製することができる。このとき塗型剤2に
はバインダーを配合しておくのがよい。バインダーとし
ては溶湯の熱で燃焼されて消失する有機物がよく、例え
ばポリビニルアルコールやアクリルエマルジョンなどを
用いることができる。そしてこの塗型剤2を模型1には
け塗りなどで塗布したり、塗型剤2に模型1を浸漬した
り、あるいは模型1に塗型剤2にかけ塗りしたりしたの
ちに、これを乾燥し、次いでこの表面に溶湯16の熱で消
失されない塗型剤3を塗着する。
溶湯16の熱で消失されない塗型剤3としては、無機系
の塗型剤3を用いることができるものであり、この無機
系の塗型剤3としては従来から一般に使用されているも
の、例えば珪砂等の無機質骨材とベントナイトなど無機
質バインダーとを水あるいはアルコールなどに分散して
調製されるものを用いることができる。そして、鋳型1
の外面に溶湯16の熱で消失される塗型剤2を塗着乾燥し
たのちに、この無機系の塗型剤3を塗布などして乾燥さ
せることによって、第1図(a)に示すように模型1の
外面を二種類の塗型剤2,3で被覆した消失模型Aを得る
ことができる。
の塗型剤3を用いることができるものであり、この無機
系の塗型剤3としては従来から一般に使用されているも
の、例えば珪砂等の無機質骨材とベントナイトなど無機
質バインダーとを水あるいはアルコールなどに分散して
調製されるものを用いることができる。そして、鋳型1
の外面に溶湯16の熱で消失される塗型剤2を塗着乾燥し
たのちに、この無機系の塗型剤3を塗布などして乾燥さ
せることによって、第1図(a)に示すように模型1の
外面を二種類の塗型剤2,3で被覆した消失模型Aを得る
ことができる。
次に、このようにして作成した消失模型Aを鋳型枠10
内に設置して珪砂などバインダーを含まない乾いた鋳型
砂11を鋳型枠10に充填することによって、第3図のよう
に消失模型Aを鋳型砂11内に埋入された消失模型鋳型12
を作成することができる(第1図(a)に消失模型Aと
鋳型砂11との境界部分の拡大図を示す)。そしてこのよ
うに形成される消失模型鋳型12の模型1の部分に溶湯16
を注湯し、溶湯16の高温で発泡樹脂の模型1を燃焼させ
ることによって分解させて消失させると共に、この模型
1の消失で生じる鋳型砂11の空洞内に溶湯16を満たすこ
とによって、模型1の形状と同じ形状に鋳物を製造する
ことができる。このとき、模型1の外面に塗着した塗型
剤2も溶湯16の高温で燃焼されて分解消失されるが、無
機系の塗型剤3は燃焼されず分解消失されずに残るため
に、注湯された溶湯16は塗型剤3の層に接触することに
なって鋳型砂11には直接接触せず、しかもこの塗型剤3
は塗型剤2の外面に設けられていて模型1の表面に凹凸
は塗型剤3に転写されず塗型剤3の内面側は平滑面とな
っており、従って第1図(c)に示すように鋳造物17の
表面は平滑な面に形成されることになる。このようにし
て第4図(c)のような断面V字型の凹部を形成させる
ことなく鋳造物17を作成することができ、強度低下のお
それなく鋳造をおこなうことができる。
内に設置して珪砂などバインダーを含まない乾いた鋳型
砂11を鋳型枠10に充填することによって、第3図のよう
に消失模型Aを鋳型砂11内に埋入された消失模型鋳型12
を作成することができる(第1図(a)に消失模型Aと
鋳型砂11との境界部分の拡大図を示す)。そしてこのよ
うに形成される消失模型鋳型12の模型1の部分に溶湯16
を注湯し、溶湯16の高温で発泡樹脂の模型1を燃焼させ
ることによって分解させて消失させると共に、この模型
1の消失で生じる鋳型砂11の空洞内に溶湯16を満たすこ
とによって、模型1の形状と同じ形状に鋳物を製造する
ことができる。このとき、模型1の外面に塗着した塗型
剤2も溶湯16の高温で燃焼されて分解消失されるが、無
機系の塗型剤3は燃焼されず分解消失されずに残るため
に、注湯された溶湯16は塗型剤3の層に接触することに
なって鋳型砂11には直接接触せず、しかもこの塗型剤3
は塗型剤2の外面に設けられていて模型1の表面に凹凸
は塗型剤3に転写されず塗型剤3の内面側は平滑面とな
っており、従って第1図(c)に示すように鋳造物17の
表面は平滑な面に形成されることになる。このようにし
て第4図(c)のような断面V字型の凹部を形成させる
ことなく鋳造物17を作成することができ、強度低下のお
それなく鋳造をおこなうことができる。
次に本発明の第二の発明を説明する。
第二の発明では、上記第一の発明において模型1に溶
湯16の熱で消失される塗型剤2を塗着してその上にさら
に消失されない無機系の塗型剤3を塗布したのちに、こ
の塗型剤3が乾燥しないうちに耐火物粒子4,4…をふり
かけて層状に付着させることによって消失模型Aを形成
するようにしてある。耐火物粒子4は模型1の全面にふ
りかけてもはや新たに付着しなくなるまで密に付着させ
るようにするのがよく、各耐火物粒子4はその一部が塗
型剤3で表層に食い込んだ状態で付着される。耐火物粒
子4としては溶湯16の熱で分解されない珪砂など無機質
粒状物を用いることができるものであり、その粒径は30
0μ〜800μ程度の範囲のものが望ましい。このようにし
て塗型剤3に耐火物粒子4に付着させたのちに塗型剤3
を乾燥させ、模型1の外面を塗型剤2,3の層で被覆させ
ると共に塗型剤3の層の表層部分を耐火物粒子4の層で
覆わせることによって、第2図(a)のような消失模型
Aを得ることができる。
湯16の熱で消失される塗型剤2を塗着してその上にさら
に消失されない無機系の塗型剤3を塗布したのちに、こ
の塗型剤3が乾燥しないうちに耐火物粒子4,4…をふり
かけて層状に付着させることによって消失模型Aを形成
するようにしてある。耐火物粒子4は模型1の全面にふ
りかけてもはや新たに付着しなくなるまで密に付着させ
るようにするのがよく、各耐火物粒子4はその一部が塗
型剤3で表層に食い込んだ状態で付着される。耐火物粒
子4としては溶湯16の熱で分解されない珪砂など無機質
粒状物を用いることができるものであり、その粒径は30
0μ〜800μ程度の範囲のものが望ましい。このようにし
て塗型剤3に耐火物粒子4に付着させたのちに塗型剤3
を乾燥させ、模型1の外面を塗型剤2,3の層で被覆させ
ると共に塗型剤3の層の表層部分を耐火物粒子4の層で
覆わせることによって、第2図(a)のような消失模型
Aを得ることができる。
次にこのように形成した消失模型Aを鋳型枠内に設置
して鋳型砂11を鋳型枠に充填することによって、消失模
型Aを鋳型砂内に埋入させて消失模型鋳型を作成するこ
とができる。このとき、消失模型Aと鋳型砂11との間に
隙間が生じないように鋳型砂11を突き固めて充填する際
にその応力が模型を押圧する力として作用しても、塗型
剤2,3の層は耐火物粒子4の層で補強された状態にあっ
て塗型剤2,3による模型1の表面の強化作用が高く、模
型1に変形が生じることを防ぐことができるものであ
る。耐火物粒子4の層による塗型剤2,3の補強効果は予
想される以上に高いものであり、これは耐火物粒子4が
石垣のような作用をなして塗型剤2,3を効果的に補強し
ているからであると考えられる。そして溶湯16を注湯す
ると塗型剤2は模型1とともに消失されるが第2図
(b)のように無機系の塗型剤3は燃焼されず分解消失
されずに残るために、注湯された溶湯16は塗型剤3の層
に接触することになって耐火物粒子4には直接接触せ
ず、従って第2図(c)に示すように鋳造物17の表面は
平滑な面に形成されることになる。このようにして第4
図(c)のような断面V字型の凹部を形成させることな
く鋳造物17を作成することができ、強度低下のおそれな
く鋳造をおこなうことができる。
して鋳型砂11を鋳型枠に充填することによって、消失模
型Aを鋳型砂内に埋入させて消失模型鋳型を作成するこ
とができる。このとき、消失模型Aと鋳型砂11との間に
隙間が生じないように鋳型砂11を突き固めて充填する際
にその応力が模型を押圧する力として作用しても、塗型
剤2,3の層は耐火物粒子4の層で補強された状態にあっ
て塗型剤2,3による模型1の表面の強化作用が高く、模
型1に変形が生じることを防ぐことができるものであ
る。耐火物粒子4の層による塗型剤2,3の補強効果は予
想される以上に高いものであり、これは耐火物粒子4が
石垣のような作用をなして塗型剤2,3を効果的に補強し
ているからであると考えられる。そして溶湯16を注湯す
ると塗型剤2は模型1とともに消失されるが第2図
(b)のように無機系の塗型剤3は燃焼されず分解消失
されずに残るために、注湯された溶湯16は塗型剤3の層
に接触することになって耐火物粒子4には直接接触せ
ず、従って第2図(c)に示すように鋳造物17の表面は
平滑な面に形成されることになる。このようにして第4
図(c)のような断面V字型の凹部を形成させることな
く鋳造物17を作成することができ、強度低下のおそれな
く鋳造をおこなうことができる。
ここで上記のように、塗型剤3に付着させる耐火物粒
子は石垣構造を形成して補強効果を発揮するものである
が、この耐火物粒子として外周に硬化性のバインダー樹
脂を被覆したもの、例えばレジンコーテッドサンドを用
いることもできる。レジンコーテッドサンドは珪砂など
耐火物粒子の表面をフェノールのノボラックやレゾール
など固形の硬化可能な樹脂層で被覆することによって形
成されるものである。そして模型の外面に塗型剤を塗布
したのち塗型剤が乾燥しない間にこのレジンコーテッド
サンドをふりかけることによって、レジンコーテッドサ
ンドを塗型剤の表層に付着させることができ、そしてこ
ののちに塗型剤を乾燥することによって模型の外面と塗
型剤の層で被覆すると共に塗型剤の層の表面部分をレジ
ンコーテッドサンドの層で覆わせることができる。この
レジンコーテッドサンドは表面の樹脂層同士が塗型剤の
水分の影響で付着し合って結合された状態にあり、レジ
ンコーテッドサンドは石垣構造を形成する他に粒子が連
続した一枚の層を形成することになり、石垣構造による
他のレジンコーテッドサンドの層による裏打ち効果でも
塗型剤を補強することができ、塗型剤に対する補強効果
を高めることができる。もちろんレジンコーテッドサン
ドによる補強効果をさらに高めるにはレジンコーテッド
サンドの被覆樹脂に硬化反応させて、表面の樹脂層同士
を硬化結合させるようにするのがよい。この硬化反応
は、塗型剤に触媒や硬化剤を配合しておいてレジンコー
テッドサンドがこれと接触することによって進行させる
ようにしたり、あるいは触媒や硬化剤を気化させたガス
をレジンコーテッドサンドに作用させて進行させるよう
にしたり、液状の触媒や硬化剤をレジンコーテッドサン
ドに噴霧して進行させるようにしたりすることができ
る。また場合によっては溶湯を注湯する際の高温で瞬時
の硬化させて強度を表現させるようにすることもでき
る。ここで、レジンコーテッドサンド間の結合は各粒子
の接触部分の間で生じるものであるために、レジンコー
テッドサンドの各粒子間には隙間があり、この隙間によ
って模型の熱分解ガスの流通性は確保される。
子は石垣構造を形成して補強効果を発揮するものである
が、この耐火物粒子として外周に硬化性のバインダー樹
脂を被覆したもの、例えばレジンコーテッドサンドを用
いることもできる。レジンコーテッドサンドは珪砂など
耐火物粒子の表面をフェノールのノボラックやレゾール
など固形の硬化可能な樹脂層で被覆することによって形
成されるものである。そして模型の外面に塗型剤を塗布
したのち塗型剤が乾燥しない間にこのレジンコーテッド
サンドをふりかけることによって、レジンコーテッドサ
ンドを塗型剤の表層に付着させることができ、そしてこ
ののちに塗型剤を乾燥することによって模型の外面と塗
型剤の層で被覆すると共に塗型剤の層の表面部分をレジ
ンコーテッドサンドの層で覆わせることができる。この
レジンコーテッドサンドは表面の樹脂層同士が塗型剤の
水分の影響で付着し合って結合された状態にあり、レジ
ンコーテッドサンドは石垣構造を形成する他に粒子が連
続した一枚の層を形成することになり、石垣構造による
他のレジンコーテッドサンドの層による裏打ち効果でも
塗型剤を補強することができ、塗型剤に対する補強効果
を高めることができる。もちろんレジンコーテッドサン
ドによる補強効果をさらに高めるにはレジンコーテッド
サンドの被覆樹脂に硬化反応させて、表面の樹脂層同士
を硬化結合させるようにするのがよい。この硬化反応
は、塗型剤に触媒や硬化剤を配合しておいてレジンコー
テッドサンドがこれと接触することによって進行させる
ようにしたり、あるいは触媒や硬化剤を気化させたガス
をレジンコーテッドサンドに作用させて進行させるよう
にしたり、液状の触媒や硬化剤をレジンコーテッドサン
ドに噴霧して進行させるようにしたりすることができ
る。また場合によっては溶湯を注湯する際の高温で瞬時
の硬化させて強度を表現させるようにすることもでき
る。ここで、レジンコーテッドサンド間の結合は各粒子
の接触部分の間で生じるものであるために、レジンコー
テッドサンドの各粒子間には隙間があり、この隙間によ
って模型の熱分解ガスの流通性は確保される。
尚、耐火物粒子としては上記レジンコーテッドサンド
の他に、珪砂など耐火物粒子の外周に水ガラス系の無機
バインダーを被覆したコーテッドサンドを用いることも
できる。このコーテッドサンドとしては例えば特公昭54
−35974号公報で提供されているものを用いることがで
きる。すなわち、水ガラスにリン酸ソーダ、リン酸カリ
ウム、ピロリン酸ソーダ等の結晶水を含むアルカリ塩を
水ガラスに対して重量比で0.5〜2.0倍程度添加し、これ
を加熱溶解することによって70〜100℃で非常に粘性の
小さい液体を得ることができ、そしてこの混合溶融液体
をバインダーとして耐火物粒子の表面に耐火物粒子100
重量部に対して水ガラス量が3〜10重量部となるように
被覆することによって、水ガラス系の無機バインダーを
被覆したコーテッドサンドを得ることができる。
の他に、珪砂など耐火物粒子の外周に水ガラス系の無機
バインダーを被覆したコーテッドサンドを用いることも
できる。このコーテッドサンドとしては例えば特公昭54
−35974号公報で提供されているものを用いることがで
きる。すなわち、水ガラスにリン酸ソーダ、リン酸カリ
ウム、ピロリン酸ソーダ等の結晶水を含むアルカリ塩を
水ガラスに対して重量比で0.5〜2.0倍程度添加し、これ
を加熱溶解することによって70〜100℃で非常に粘性の
小さい液体を得ることができ、そしてこの混合溶融液体
をバインダーとして耐火物粒子の表面に耐火物粒子100
重量部に対して水ガラス量が3〜10重量部となるように
被覆することによって、水ガラス系の無機バインダーを
被覆したコーテッドサンドを得ることができる。
次に本発明を実施例によってさらに説明する。
(塗型剤の調製) ・有機系塗型剤No1 アクリルエマルジョン(新中村化学工業株式会社製DA
−640)30重量部と、塩化ビニリデン/アクリロニトリ
ルコポリマーの嵩比重0.02のバルーン(平均粒径50μ)
15重量部を水55重量部に混合して均一に分散させること
によって、有機系の塗型剤を調製した。
−640)30重量部と、塩化ビニリデン/アクリロニトリ
ルコポリマーの嵩比重0.02のバルーン(平均粒径50μ)
15重量部を水55重量部に混合して均一に分散させること
によって、有機系の塗型剤を調製した。
・有機系塗型剤No2 ポリビニルアルコール10重量部を予め水75重量部に混
合して溶解させ、これに嵩比重0.03のエポキシ樹脂バル
ーン(平均粒径40μ)15重量部を混合して均一に分散さ
せることによって、有機系の塗型剤を調製した。
合して溶解させ、これに嵩比重0.03のエポキシ樹脂バル
ーン(平均粒径40μ)15重量部を混合して均一に分散さ
せることによって、有機系の塗型剤を調製した。
・無機系塗型剤No3 8号珪砂(American Foundrymens Society:A.F.S13
0)90重量部と、ベントナイト10重量部を50重量部の水
に配合して均一に分散させることによって無機系の塗型
剤を調製した。
0)90重量部と、ベントナイト10重量部を50重量部の水
に配合して均一に分散させることによって無機系の塗型
剤を調製した。
(コーテッドサンドの調製) ・レジンコーテッドサンド ワールミックスタイプのミキサーに135℃に加熱した
パール珪砂(A.F.S36)100重量部を入れ、これに固形の
レゾール型フェノール樹脂を3重量部加えて混練するこ
とによって珪砂の表面にレゾール樹脂を良く被覆させた
後に、1.5重量部の水を加え、ミキサー内の混練砂を冷
却する。水分が蒸発して珪砂に被覆したレゾール樹脂に
粘りがなくなったのちに、0.1重量部のステアリン酸カ
リウムを加えて表面に付着させ、ミキサーから払い出し
た。得られたレジンコーテッドサンドは珪砂の各粒子が
それぞれ独立した状態で固化したレゾール樹脂の皮膜に
よって被覆されており、常温でさらさらと流動性があっ
て水との親和性が高いものであった。
パール珪砂(A.F.S36)100重量部を入れ、これに固形の
レゾール型フェノール樹脂を3重量部加えて混練するこ
とによって珪砂の表面にレゾール樹脂を良く被覆させた
後に、1.5重量部の水を加え、ミキサー内の混練砂を冷
却する。水分が蒸発して珪砂に被覆したレゾール樹脂に
粘りがなくなったのちに、0.1重量部のステアリン酸カ
リウムを加えて表面に付着させ、ミキサーから払い出し
た。得られたレジンコーテッドサンドは珪砂の各粒子が
それぞれ独立した状態で固化したレゾール樹脂の皮膜に
よって被覆されており、常温でさらさらと流動性があっ
て水との親和性が高いものであった。
・無機バインダーコーテッドサンド 珪酸ソーダ(JIS1号:水ガラス)にリン酸ソーダを重
量比1.1で添加混合して80〜90℃に加熱溶解することに
よって溶融液体の無機バインダーを調製し、このバイン
ダーを40〜50℃に加熱した6号珪砂100重量部に12重量
部添加してシンプソンタイプサンドミルで混練し、砂温
が40℃以下になるまで混練したのちに払い出すことによ
って、珪砂の表面が無機バインダーの固化した層に被覆
され常温でさらさらと流動性のある無機バインダーコー
テッドサンドを得た。
量比1.1で添加混合して80〜90℃に加熱溶解することに
よって溶融液体の無機バインダーを調製し、このバイン
ダーを40〜50℃に加熱した6号珪砂100重量部に12重量
部添加してシンプソンタイプサンドミルで混練し、砂温
が40℃以下になるまで混練したのちに払い出すことによ
って、珪砂の表面が無機バインダーの固化した層に被覆
され常温でさらさらと流動性のある無機バインダーコー
テッドサンドを得た。
実施例1,2 ポリスチレンビーズを50倍発泡させて作成した模型を
No1を塗型剤(実施例1)、No2の塗型剤(実施例2)に
どぶ侵けして40℃で4時間乾燥させることによってこの
有機系塗型剤を固化させ、次いでさらにNo3の塗型剤に
どぶ侵けして40℃で4時間乾燥させることによってこの
無機系塗型剤を固化させた。各塗型剤の層の膜厚は1mm
であった。
No1を塗型剤(実施例1)、No2の塗型剤(実施例2)に
どぶ侵けして40℃で4時間乾燥させることによってこの
有機系塗型剤を固化させ、次いでさらにNo3の塗型剤に
どぶ侵けして40℃で4時間乾燥させることによってこの
無機系塗型剤を固化させた。各塗型剤の層の膜厚は1mm
であった。
比較例1 ポリスチレンビーズを50倍発泡させて作成した模型を
No3を塗型剤にどぶ侵けして引き上げることによって模
型の全面に塗型剤を付着させ、こののちに40℃で4時間
乾燥させることによって模型の表面と塗型剤を固化させ
た。塗型剤の層の膜厚は1mmであった。
No3を塗型剤にどぶ侵けして引き上げることによって模
型の全面に塗型剤を付着させ、こののちに40℃で4時間
乾燥させることによって模型の表面と塗型剤を固化させ
た。塗型剤の層の膜厚は1mmであった。
実施例3,4 ポリスチレンビーズを50倍発泡させて作成した模型を
No1を塗型剤(実施例3)、No2の塗型剤(実施例4)に
どぶ侵けして40℃で4時間乾燥させることによってこの
有機系塗型剤を固化させ、次いでさらにNo3の塗型剤に
どぶ浸けしたのちに耐火物粒子としてレジンコーテッド
サンドを用いてこのNo3の無機系塗型剤にふりかけて無
機系塗型剤の表層に耐火物粒子を付着させ、こののちに
40℃で4時間乾燥させることによってこの無機系塗型剤
を固化させた。各塗型剤の層の膜厚は1mmであり、耐火
物粒子の層を含めた厚みは2.5mmであった。
No1を塗型剤(実施例3)、No2の塗型剤(実施例4)に
どぶ侵けして40℃で4時間乾燥させることによってこの
有機系塗型剤を固化させ、次いでさらにNo3の塗型剤に
どぶ浸けしたのちに耐火物粒子としてレジンコーテッド
サンドを用いてこのNo3の無機系塗型剤にふりかけて無
機系塗型剤の表層に耐火物粒子を付着させ、こののちに
40℃で4時間乾燥させることによってこの無機系塗型剤
を固化させた。各塗型剤の層の膜厚は1mmであり、耐火
物粒子の層を含めた厚みは2.5mmであった。
実施例5,6 耐火物粒子としてレジンコーテッドサンドの替わりに
無機バインダーコーテッドサンドを用いるようにした他
は「実施例3,4」に同様した。
無機バインダーコーテッドサンドを用いるようにした他
は「実施例3,4」に同様した。
比較例2 ポリスチレンビーズを50倍発泡させて作成した模型を
No3の塗型剤にとぶ浸けして引き上げることによって模
型の全面にこの塗型剤を付着させ、次いで耐火物粒子と
してレジンコーテッドサンドを用いて塗型剤にふりか
け、これ以上付着しなくなるまでふりかけることによっ
て、塗型剤の表層に耐火物粒子を付着させた。こののち
に40℃で4時間乾燥させることによって模型の表面の塗
型剤を固化させた。塗型剤の層の膜厚は1mmであり、耐
火物粒子の層を含めた厚みは1.5mmであった。
No3の塗型剤にとぶ浸けして引き上げることによって模
型の全面にこの塗型剤を付着させ、次いで耐火物粒子と
してレジンコーテッドサンドを用いて塗型剤にふりか
け、これ以上付着しなくなるまでふりかけることによっ
て、塗型剤の表層に耐火物粒子を付着させた。こののち
に40℃で4時間乾燥させることによって模型の表面の塗
型剤を固化させた。塗型剤の層の膜厚は1mmであり、耐
火物粒子の層を含めた厚みは1.5mmであった。
上記各実施例及び各比較例で得た消失模型について、
模型への塗型剤の付着性を測定した。塗型剤の付着性
は、各実施例及び各比較例の塗型剤を塗着した模型をた
わませた際に塗型剤が模型から剥離するかどうかを目視
で観察して評価した。結果を次表に示す。次ぎに、上記
各実施例及び各比較例で得た消失模型を鋳型砂に埋め込
むことによって消失模型鋳型を作成した。そしてこの消
失模擬型鋳型の模型の部分にFC25相当品(引張強さ27〜
29kgf/mm2)を流し込んで冷却することによって鋳造を
おこなった。このようにして鋳造した鋳造物の外観を観
察し、フカレ(熱分解ガスの残留による鋳造物の表面の
へこみ)、ベーニング(鋳型のひび割れ部分への溶湯の
浸入跡)の有無を評価した。また鋳造物の表面の凹凸状
態を顕微鏡で観察し、第1図(c)、第2図(c)、第
4図(c)に図示するものに対応してその形態を分類し
た。各結果を次表に示す。さらに上記のようにして得た
鋳造品について回転曲げ疲れ強さを測定した。試験は鋳
造品を107回繰り返して回転曲げ応力を加えたのちの回
転曲げ疲れ強さを測定することによっておこなった。結
果を次表に示す。
模型への塗型剤の付着性を測定した。塗型剤の付着性
は、各実施例及び各比較例の塗型剤を塗着した模型をた
わませた際に塗型剤が模型から剥離するかどうかを目視
で観察して評価した。結果を次表に示す。次ぎに、上記
各実施例及び各比較例で得た消失模型を鋳型砂に埋め込
むことによって消失模型鋳型を作成した。そしてこの消
失模擬型鋳型の模型の部分にFC25相当品(引張強さ27〜
29kgf/mm2)を流し込んで冷却することによって鋳造を
おこなった。このようにして鋳造した鋳造物の外観を観
察し、フカレ(熱分解ガスの残留による鋳造物の表面の
へこみ)、ベーニング(鋳型のひび割れ部分への溶湯の
浸入跡)の有無を評価した。また鋳造物の表面の凹凸状
態を顕微鏡で観察し、第1図(c)、第2図(c)、第
4図(c)に図示するものに対応してその形態を分類し
た。各結果を次表に示す。さらに上記のようにして得た
鋳造品について回転曲げ疲れ強さを測定した。試験は鋳
造品を107回繰り返して回転曲げ応力を加えたのちの回
転曲げ疲れ強さを測定することによっておこなった。結
果を次表に示す。
表の結果、溶湯の熱によって消失される塗型剤を用い
ない比較例1,2のものでは鋳造物の表面の凹凸が第4図
(c)の状態になり、クラックが発生し易くて強度の劣
化が大きいが、溶湯の熱によって消失される塗型剤を用
いた各実施例のものでは鋳造物の表面の凹凸は第1図
(c)や第2図(c)のような平滑状態になり、クラッ
クの発生を低減して強度劣化を抑えることができること
が確認される。
ない比較例1,2のものでは鋳造物の表面の凹凸が第4図
(c)の状態になり、クラックが発生し易くて強度の劣
化が大きいが、溶湯の熱によって消失される塗型剤を用
いた各実施例のものでは鋳造物の表面の凹凸は第1図
(c)や第2図(c)のような平滑状態になり、クラッ
クの発生を低減して強度劣化を抑えることができること
が確認される。
上述のように本発明にあっては、発泡樹脂で作成され
る模型の外面に可燃性有機物のみからなり溶湯の熱で消
失される第一の塗型剤を塗着すると共にさらにその外面
の溶湯の熱で消失されない無機系の第二の塗型剤を塗着
するようにしたので、溶湯の熱で模型とその外面の可燃
性有機物のみからなる第一の塗型剤は消失すると共に無
機系の第二の塗型剤は消失せず残り、溶湯はこの第二の
塗型剤に接触した状態で鋳造がされることになり、第二
の塗型剤によって鋳造物の表面を平滑に仕上げることが
でき、鋳造物の表面に断面V字型に凹部が生じてクラッ
クが発生し易くなるようなことなく鋳造をおこなうこと
ができるものである。また本発明の第二発明では、塗型
剤が乾燥しないうちに耐火物の粒子をふりかけてその表
層に耐火物粒子を層状に付着させるようにしたので、消
失模型を鋳物砂に埋め込むに際して模型に押圧力が作用
しても、塗型剤の層は耐火物粒子の層による石垣作用で
補強された状態にあって塗型剤による模型の表面の保護
効果が高く、模型に変形が生じることを塗型剤によって
有効に防ぐことができるものである。
る模型の外面に可燃性有機物のみからなり溶湯の熱で消
失される第一の塗型剤を塗着すると共にさらにその外面
の溶湯の熱で消失されない無機系の第二の塗型剤を塗着
するようにしたので、溶湯の熱で模型とその外面の可燃
性有機物のみからなる第一の塗型剤は消失すると共に無
機系の第二の塗型剤は消失せず残り、溶湯はこの第二の
塗型剤に接触した状態で鋳造がされることになり、第二
の塗型剤によって鋳造物の表面を平滑に仕上げることが
でき、鋳造物の表面に断面V字型に凹部が生じてクラッ
クが発生し易くなるようなことなく鋳造をおこなうこと
ができるものである。また本発明の第二発明では、塗型
剤が乾燥しないうちに耐火物の粒子をふりかけてその表
層に耐火物粒子を層状に付着させるようにしたので、消
失模型を鋳物砂に埋め込むに際して模型に押圧力が作用
しても、塗型剤の層は耐火物粒子の層による石垣作用で
補強された状態にあって塗型剤による模型の表面の保護
効果が高く、模型に変形が生じることを塗型剤によって
有効に防ぐことができるものである。
第1図(a)(b)(c)は本発明の一実施例の一部の
断面図、第2図(a)(b)(c)は本発明の他の実施
例の一部の断面図、第3図は消失模型鋳型を示す断面
図、第4図(a)(b)(c)は従来例の断面図であ
る。 1は模型、2は消失される塗型剤、3は消失されない塗
型剤、4は耐火物粒子である。
断面図、第2図(a)(b)(c)は本発明の他の実施
例の一部の断面図、第3図は消失模型鋳型を示す断面
図、第4図(a)(b)(c)は従来例の断面図であ
る。 1は模型、2は消失される塗型剤、3は消失されない塗
型剤、4は耐火物粒子である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 綏 川西市多田院字小寺前4−21 (72)発明者 井出 勇 堺市金岡町1648−15 (72)発明者 後藤 哲郎 堺市西野341−5 (56)参考文献 特開 昭62−24851(JP,A) 特開 昭51−130628(JP,A) 特開 昭53−17523(JP,A) 特開 昭63−286245(JP,A) 特開 昭63−295040(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】発泡樹脂で作成される模型の外面に可燃性
有機物のみからなり溶湯の熱で消失される塗型剤を塗着
すると共にさらにその外面に溶湯の熱で消失されない無
機系の塗型剤を塗着して成ることを特徴とする消失模
型。 - 【請求項2】発泡樹脂で作成される模型の外面に可燃性
有機物のみからなり溶湯の熱で消失される塗型剤を塗着
すると共にその外面に溶湯の熱で消失されない無機系の
塗型剤で塗着し、さらにこの消失されない塗型剤が乾燥
しないうちに耐火物の粒子をふりかけてその表層に耐火
物の粒子を層状に付着させて成ることを特徴とする消失
模型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62160558A JP2648148B2 (ja) | 1987-06-26 | 1987-06-26 | 消失模型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62160558A JP2648148B2 (ja) | 1987-06-26 | 1987-06-26 | 消失模型 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS645641A JPS645641A (en) | 1989-01-10 |
JP2648148B2 true JP2648148B2 (ja) | 1997-08-27 |
Family
ID=15717587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62160558A Expired - Fee Related JP2648148B2 (ja) | 1987-06-26 | 1987-06-26 | 消失模型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2648148B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5869161B1 (ja) * | 2015-02-18 | 2016-02-24 | 山川産業株式会社 | 鋳型用粘結剤含有砂の製造方法 |
CN106825392A (zh) * | 2017-03-10 | 2017-06-13 | 江苏钜源机械有限公司 | 激冷涂料在负压消失模铸造上防铸件缩松的应用 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114309461A (zh) * | 2021-12-21 | 2022-04-12 | 江苏紫金动力股份有限公司 | 一种发动机缸套的消失模生产方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51130628A (en) * | 1975-05-08 | 1976-11-13 | Kubota Ltd | Method of making mold for full molding process |
JPS5317523A (en) * | 1976-08-02 | 1978-02-17 | Toyota Motor Co Ltd | Method to manufacture casting mould by using |
JPS6224851A (ja) * | 1985-07-25 | 1987-02-02 | Tsuneo Yamashita | 消失性の模型を用いる減圧鋳造方法 |
JPS63286245A (ja) * | 1987-05-19 | 1988-11-22 | Aisin Seiki Co Ltd | 消失性鋳造模型用アクリル系塗布剤 |
JP2648146B2 (ja) * | 1987-05-28 | 1997-08-27 | 本田技研工業株式会社 | 消失模型 |
-
1987
- 1987-06-26 JP JP62160558A patent/JP2648148B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5869161B1 (ja) * | 2015-02-18 | 2016-02-24 | 山川産業株式会社 | 鋳型用粘結剤含有砂の製造方法 |
CN106825392A (zh) * | 2017-03-10 | 2017-06-13 | 江苏钜源机械有限公司 | 激冷涂料在负压消失模铸造上防铸件缩松的应用 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS645641A (en) | 1989-01-10 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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