JP2648146B2 - 消失模型 - Google Patents
消失模型Info
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- JP2648146B2 JP2648146B2 JP62132966A JP13296687A JP2648146B2 JP 2648146 B2 JP2648146 B2 JP 2648146B2 JP 62132966 A JP62132966 A JP 62132966A JP 13296687 A JP13296687 A JP 13296687A JP 2648146 B2 JP2648146 B2 JP 2648146B2
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22C—FOUNDRY MOULDING
- B22C7/00—Patterns; Manufacture thereof so far as not provided for in other classes
- B22C7/02—Lost patterns
- B22C7/023—Patterns made from expanded plastic materials
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
- Mold Materials And Core Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、消失模型鋳造法に用いられる消失模型及び
その製造方法に関するものである。
その製造方法に関するものである。
[従来の技術] キャビティーレス鋳造法の一つとしてフルモールド法
とも称される消失模型鋳造法が従来から知られている。
この消失模型鋳造法は、目的とする鋳物形状に発泡スチ
レンなどの発泡樹脂で模型を作成し、この模型を鋳型枠
内に設置すると共に鋳型枠に乾燥して鋳物砂を充填する
ことによって模型を鋳物砂内に埋没させて鋳型を形成
し、そしてこの鋳型の模型の部分に溶湯を注湯すること
によって鋳造をおこなうようにした方法である。このも
のでは溶湯を注湯する際に溶湯の高温で発泡樹脂の模型
が、分解消失されることになり、この模型の消失で生じ
る鋳型砂の空洞内に溶湯が満たされることによって、模
型の形状と同じ形状に鋳物を製造することができるもの
であり、発泡樹脂の模型が加熱分解されることによって
発生するガスは鋳物砂間の隙間を通して外部に逃がされ
る。そしてこの消失模型鋳造法は、鋳型が割り型ではな
く一体型であるために形状的な制限が少なく、複雑な形
状をしたものや中空部分を有するものなどを高い寸法精
度で鋳造することができる等の優れた特徴を有する。
とも称される消失模型鋳造法が従来から知られている。
この消失模型鋳造法は、目的とする鋳物形状に発泡スチ
レンなどの発泡樹脂で模型を作成し、この模型を鋳型枠
内に設置すると共に鋳型枠に乾燥して鋳物砂を充填する
ことによって模型を鋳物砂内に埋没させて鋳型を形成
し、そしてこの鋳型の模型の部分に溶湯を注湯すること
によって鋳造をおこなうようにした方法である。このも
のでは溶湯を注湯する際に溶湯の高温で発泡樹脂の模型
が、分解消失されることになり、この模型の消失で生じ
る鋳型砂の空洞内に溶湯が満たされることによって、模
型の形状と同じ形状に鋳物を製造することができるもの
であり、発泡樹脂の模型が加熱分解されることによって
発生するガスは鋳物砂間の隙間を通して外部に逃がされ
る。そしてこの消失模型鋳造法は、鋳型が割り型ではな
く一体型であるために形状的な制限が少なく、複雑な形
状をしたものや中空部分を有するものなどを高い寸法精
度で鋳造することができる等の優れた特徴を有する。
この消失模型鋳造法において用いる鋳型は上記のよう
に、発泡樹脂によって形成される模型を鋳物砂に埋入さ
せることによって作成されるものであり、模型が溶湯を
注湯する際に消失されるために消失模型鋳型と称される
が、模型はその表面に塗型剤を塗布して消失模型と称し
て使用に供される。塗型剤は一般の鋳型の場合と同様に
溶湯の鋳型砂への浸透防止や鋳型砂の焼き付き防止など
の目的で用いられるものであり、塗型が容易であるこ
と、乾燥による割れがないこと、鋳型砂の投入によ
る割れがないこと、中湯に際して溶湯の熱衝撃と圧力
に十分に耐えること、溶湯による洗われや飛ばされが
ないこと、溶湯の浸み込みが発生しないこと、溶湯の
凝固時に塗型割れしないこと、鋳物の塗型離れが良い
こと、等の一般的な塗型特性の他に、消失模型鋳造法に
おいては次の二点の特性が特に要求される。すなわち、
模型を鋳型枠内に設置して鋳型枠に鋳物砂を充填するこ
とによって模型を鋳物砂内に埋没させるにあたっては、
模型と鋳物砂との間に隙間が生じないように鋳物砂を充
填する必要があり、このために鋳物砂を充填する際に鋳
物砂を突き固めるようにしたりして模型の周囲に鋳物砂
をしっかり固定させるようにしているが、鋳物砂を突き
固めたりする際にその応力が模型を押圧する力として作
用し、発泡スチロールなど発泡樹脂で形成されている模
型はこの押圧力で変形され易く、特に模型に複雑な形状
の部分があるときにはこの複雑な形状の部分に大きな変
形が発生し易い。このために塗型剤としては押圧力から
模型の表面を補強して模型が変形されるのを防止するの
に十分な機械的強度を有することが第一点として要求さ
れる。また溶湯を注湯する際に発泡樹脂の模型が加熱分
解されて発生するガスは鋳型砂を通して排出されるもの
であり、塗型剤でこのガスの流通が遮断されると鋳造物
中にガスが残留してガス欠陥が発生するおそれがある。
このために塗型剤としては適度な通気性を有して模型の
熱分解ガスを良好に通過させることができるものである
ことが第二点として要求される。
に、発泡樹脂によって形成される模型を鋳物砂に埋入さ
せることによって作成されるものであり、模型が溶湯を
注湯する際に消失されるために消失模型鋳型と称される
が、模型はその表面に塗型剤を塗布して消失模型と称し
て使用に供される。塗型剤は一般の鋳型の場合と同様に
溶湯の鋳型砂への浸透防止や鋳型砂の焼き付き防止など
の目的で用いられるものであり、塗型が容易であるこ
と、乾燥による割れがないこと、鋳型砂の投入によ
る割れがないこと、中湯に際して溶湯の熱衝撃と圧力
に十分に耐えること、溶湯による洗われや飛ばされが
ないこと、溶湯の浸み込みが発生しないこと、溶湯の
凝固時に塗型割れしないこと、鋳物の塗型離れが良い
こと、等の一般的な塗型特性の他に、消失模型鋳造法に
おいては次の二点の特性が特に要求される。すなわち、
模型を鋳型枠内に設置して鋳型枠に鋳物砂を充填するこ
とによって模型を鋳物砂内に埋没させるにあたっては、
模型と鋳物砂との間に隙間が生じないように鋳物砂を充
填する必要があり、このために鋳物砂を充填する際に鋳
物砂を突き固めるようにしたりして模型の周囲に鋳物砂
をしっかり固定させるようにしているが、鋳物砂を突き
固めたりする際にその応力が模型を押圧する力として作
用し、発泡スチロールなど発泡樹脂で形成されている模
型はこの押圧力で変形され易く、特に模型に複雑な形状
の部分があるときにはこの複雑な形状の部分に大きな変
形が発生し易い。このために塗型剤としては押圧力から
模型の表面を補強して模型が変形されるのを防止するの
に十分な機械的強度を有することが第一点として要求さ
れる。また溶湯を注湯する際に発泡樹脂の模型が加熱分
解されて発生するガスは鋳型砂を通して排出されるもの
であり、塗型剤でこのガスの流通が遮断されると鋳造物
中にガスが残留してガス欠陥が発生するおそれがある。
このために塗型剤としては適度な通気性を有して模型の
熱分解ガスを良好に通過させることができるものである
ことが第二点として要求される。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、塗型剤による模型の補強効果を十分に得るた
めには、例えば塗型剤の塗布厚みを厚くして塗型剤の機
械的強度を高めることが考えられるが、このように塗型
剤を厚くすると塗型剤の通気性を低下して模型の熱分解
ガスが溶湯内に残留し、ガス欠陥の発生が増大すること
になる。従って、この二点の特性を同時に満足させるこ
とは非常に困難である。
めには、例えば塗型剤の塗布厚みを厚くして塗型剤の機
械的強度を高めることが考えられるが、このように塗型
剤を厚くすると塗型剤の通気性を低下して模型の熱分解
ガスが溶湯内に残留し、ガス欠陥の発生が増大すること
になる。従って、この二点の特性を同時に満足させるこ
とは非常に困難である。
本発明は、この点に鑑みて為されたものであり、塗型
剤の通気性を低下させることなく模型の補強効果を高め
ることができるようにすることを目的とするものであ
る。
剤の通気性を低下させることなく模型の補強効果を高め
ることができるようにすることを目的とするものであ
る。
[発明の構成] 本発明に係る消失模型は、発泡樹脂で形成される模型
の外面に塗型剤を塗着形成し、外周に硬化可能なバイン
ダー樹脂が被覆されたレジンコーテッドサンドで形成さ
れる耐火物の粒子を塗型剤の表層に層状に付着させると
共に各耐火物の粒子のバインダー樹脂を硬化結合させて
成ることを特徴とするものであり、以下本発明を詳細に
説明する。
の外面に塗型剤を塗着形成し、外周に硬化可能なバイン
ダー樹脂が被覆されたレジンコーテッドサンドで形成さ
れる耐火物の粒子を塗型剤の表層に層状に付着させると
共に各耐火物の粒子のバインダー樹脂を硬化結合させて
成ることを特徴とするものであり、以下本発明を詳細に
説明する。
塗型剤は珪砂等の骨材とバインダーとを水あるいはア
ルコールなどに分散して調整されるものであり、消失模
型鋳型用の塗型剤としては水分散系のものが主流であ
る。バインダーとしては、溶湯の注湯の際に熱分解成分
が発生することを抑えるために無機質系のものを少量使
用するのが一般的であるが、本発明においては後述する
ようにバインダー量を増量して配合したり、またフェノ
ール樹脂等の有機質系のバインダーを配合したりするこ
とが可能である。模型は発泡スチロールなど発泡樹脂を
鋳造物の形状に発泡成形させることによって形成される
ものであり、この模型の全外面に塗型剤を塗布するにあ
たっては、塗型剤中に模型を浸漬したり、模型の外面に
塗型剤をはけ塗りしたり、模型の外面に塗型剤をかけ塗
りしたりしておこなうことができる。
ルコールなどに分散して調整されるものであり、消失模
型鋳型用の塗型剤としては水分散系のものが主流であ
る。バインダーとしては、溶湯の注湯の際に熱分解成分
が発生することを抑えるために無機質系のものを少量使
用するのが一般的であるが、本発明においては後述する
ようにバインダー量を増量して配合したり、またフェノ
ール樹脂等の有機質系のバインダーを配合したりするこ
とが可能である。模型は発泡スチロールなど発泡樹脂を
鋳造物の形状に発泡成形させることによって形成される
ものであり、この模型の全外面に塗型剤を塗布するにあ
たっては、塗型剤中に模型を浸漬したり、模型の外面に
塗型剤をはけ塗りしたり、模型の外面に塗型剤をかけ塗
りしたりしておこなうことができる。
このように模型の外面に塗型剤を塗布したのちに、塗
型剤が乾燥しないうちに耐火物粒子をふりかけて付着さ
せる。耐火物粒子は模型の全面にふりかけてもはや新た
に付着しなくなるまで密に付着させるようにするのがよ
く、各耐火物粒子はその一部が塗型剤の表層に食い込ん
だ状態で付着される。また耐火物粒子の粒径は300μ〜8
00μ程度の範囲のものが望ましい。このようにして塗型
剤に耐火物粒子を付着させたのちに塗型剤を乾燥させ、
模型の外面を塗型剤の層で被覆させると共に塗型剤の層
の表層部分を耐火物粒子の層で覆わせることによって本
発明に係る消失模型を得ることができるものである。
型剤が乾燥しないうちに耐火物粒子をふりかけて付着さ
せる。耐火物粒子は模型の全面にふりかけてもはや新た
に付着しなくなるまで密に付着させるようにするのがよ
く、各耐火物粒子はその一部が塗型剤の表層に食い込ん
だ状態で付着される。また耐火物粒子の粒径は300μ〜8
00μ程度の範囲のものが望ましい。このようにして塗型
剤に耐火物粒子を付着させたのちに塗型剤を乾燥させ、
模型の外面を塗型剤の層で被覆させると共に塗型剤の層
の表層部分を耐火物粒子の層で覆わせることによって本
発明に係る消失模型を得ることができるものである。
次にこのように形成した消失模型を鋳型枠内に設置し
て珪砂などバインダーを含まない乾いた鋳型砂を鋳型枠
に充填することによって、消失模型を鋳型砂内に埋入さ
せて消失模型鋳型を作成することができる。このとき、
消失模型と鋳物砂との間に隙間が生じないように鋳物砂
を突き固めて充填する際にその応力が模型を押圧する力
として作用しても、塗型剤の層は耐火物粒子の層で補強
された状態にあって塗型剤による模型の表面の強化作用
が高く、模型に変形が生じることを防ぐことができるも
のである。耐火物粒子の層による塗型剤の補強効果は予
想される以上に高いものであり、これは耐火物粒子が石
垣のような作用をなして塗型剤を効果的に補強している
からであると考えられる。そしてこのように形成される
消失模型鋳型の模型の部分に溶湯を注湯し、溶湯の高温
で発泡樹脂の模型を加熱分解させて消失させると共に、
この模型の消失で生じる鋳型砂の空洞内に溶湯を満たす
ことによって、模型の形状と同じ形状に鋳物を製造する
ことができる。このとき、発泡樹脂の模型が加熱分解さ
れることによって発生する熱分解ガスは、塗型剤の層を
通過しさらに鋳物砂間の隙間を通して外部に逃がされ
る。ここで塗型剤の表層部分には耐火物粒子の層が付着
しているが、各耐火物粒子間には隙間があるために熱分
解ガスは耐火物粒子によって妨げられることなく塗型剤
の層を通過することができるものである。また上記のよ
うに塗型剤の層は付着する耐火物粒子によって補強され
た状態にあって、塗型剤は塗着厚みを薄く設定しても十
分な強度で模型の表面を保護することができるものであ
り、従って塗型剤の層での熱分解ガスの通気性を良好に
して、熱分解ガスが溶湯中に残留することによって発生
するガス欠陥を低減するこができることになる。
て珪砂などバインダーを含まない乾いた鋳型砂を鋳型枠
に充填することによって、消失模型を鋳型砂内に埋入さ
せて消失模型鋳型を作成することができる。このとき、
消失模型と鋳物砂との間に隙間が生じないように鋳物砂
を突き固めて充填する際にその応力が模型を押圧する力
として作用しても、塗型剤の層は耐火物粒子の層で補強
された状態にあって塗型剤による模型の表面の強化作用
が高く、模型に変形が生じることを防ぐことができるも
のである。耐火物粒子の層による塗型剤の補強効果は予
想される以上に高いものであり、これは耐火物粒子が石
垣のような作用をなして塗型剤を効果的に補強している
からであると考えられる。そしてこのように形成される
消失模型鋳型の模型の部分に溶湯を注湯し、溶湯の高温
で発泡樹脂の模型を加熱分解させて消失させると共に、
この模型の消失で生じる鋳型砂の空洞内に溶湯を満たす
ことによって、模型の形状と同じ形状に鋳物を製造する
ことができる。このとき、発泡樹脂の模型が加熱分解さ
れることによって発生する熱分解ガスは、塗型剤の層を
通過しさらに鋳物砂間の隙間を通して外部に逃がされ
る。ここで塗型剤の表層部分には耐火物粒子の層が付着
しているが、各耐火物粒子間には隙間があるために熱分
解ガスは耐火物粒子によって妨げられることなく塗型剤
の層を通過することができるものである。また上記のよ
うに塗型剤の層は付着する耐火物粒子によって補強され
た状態にあって、塗型剤は塗着厚みを薄く設定しても十
分な強度で模型の表面を保護することができるものであ
り、従って塗型剤の層での熱分解ガスの通気性を良好に
して、熱分解ガスが溶湯中に残留することによって発生
するガス欠陥を低減するこができることになる。
尚、塗型剤自体からの熱分解ガスの発生を極力抑える
ために、塗型剤へのバインダー配合量をごく少量に設定
し、しかも無機質系のものを主として使用するのが消失
模型鋳型用の塗型剤においては従来より一般的である
が、このものでは塗型剤の層の強度を高く得ることがで
きないために模型の表面の保護効果を確保するうえで塗
着厚みを厚くする必要があって、模型の熱分解ガスの通
気性が低下してしまうおそれがある。これに対して本発
明においては、塗型剤の表層に食い込むように耐火物粒
子が付着しているために、乾燥時に塗型剤の収縮によっ
て耐火物粒子の食い込み部分から塗型剤の層に微細なヘ
アーラックが発生することになり、塗型剤の層の通気性
が向上されることになる。また耐火性粒子による補強作
用で塗型剤の塗着厚みを従来よりも薄く設定することが
できるために、塗型剤は濃度を高くして厚塗りをする必
要がなく水やアルコールなど溶剤の配合量を多くした塗
型剤を用いることができ、溶剤の揮散によって塗型剤の
層に生じる気孔を増加させることができることになり、
この点においても塗型剤の層の通気性が向上されること
になる。従って塗型剤に配合するバインダーの量を増量
したり、バインダーとして結合能力の高いフェノール樹
脂等の硬化性樹脂など有機質系のものを配合するように
して、熱分解ガスが塗型剤から発生してもこの熱分解ガ
スは塗型剤内から良好に発散させて鋳造物にガス欠陥が
発生することを防止できるものであって、本発明のもの
ではこのようにバインダーを増量したり有機質系のバイ
ンダーを使用したりして塗型剤の層の強度を高く形成す
ることが可能になり、この結果塗型剤の層の塗着厚みを
薄くすることが可能になって模型の熱分解ガスの通気性
を高めることができることになる。上記有機質系のバイ
ンダーはその固化状態で結合作用を発揮させるようにす
る他、硬化反応させることによってさらに結合作用を高
めるようにすることもできる。模型を発泡スチロールで
形成する場合、発泡スチロールは50℃以上の温度で三次
発泡するおそれがあるので、バインダーを硬化させるに
あたってはこの温度以下の温度で硬化するものを用いる
ようにするのがよい。
ために、塗型剤へのバインダー配合量をごく少量に設定
し、しかも無機質系のものを主として使用するのが消失
模型鋳型用の塗型剤においては従来より一般的である
が、このものでは塗型剤の層の強度を高く得ることがで
きないために模型の表面の保護効果を確保するうえで塗
着厚みを厚くする必要があって、模型の熱分解ガスの通
気性が低下してしまうおそれがある。これに対して本発
明においては、塗型剤の表層に食い込むように耐火物粒
子が付着しているために、乾燥時に塗型剤の収縮によっ
て耐火物粒子の食い込み部分から塗型剤の層に微細なヘ
アーラックが発生することになり、塗型剤の層の通気性
が向上されることになる。また耐火性粒子による補強作
用で塗型剤の塗着厚みを従来よりも薄く設定することが
できるために、塗型剤は濃度を高くして厚塗りをする必
要がなく水やアルコールなど溶剤の配合量を多くした塗
型剤を用いることができ、溶剤の揮散によって塗型剤の
層に生じる気孔を増加させることができることになり、
この点においても塗型剤の層の通気性が向上されること
になる。従って塗型剤に配合するバインダーの量を増量
したり、バインダーとして結合能力の高いフェノール樹
脂等の硬化性樹脂など有機質系のものを配合するように
して、熱分解ガスが塗型剤から発生してもこの熱分解ガ
スは塗型剤内から良好に発散させて鋳造物にガス欠陥が
発生することを防止できるものであって、本発明のもの
ではこのようにバインダーを増量したり有機質系のバイ
ンダーを使用したりして塗型剤の層の強度を高く形成す
ることが可能になり、この結果塗型剤の層の塗着厚みを
薄くすることが可能になって模型の熱分解ガスの通気性
を高めることができることになる。上記有機質系のバイ
ンダーはその固化状態で結合作用を発揮させるようにす
る他、硬化反応させることによってさらに結合作用を高
めるようにすることもできる。模型を発泡スチロールで
形成する場合、発泡スチロールは50℃以上の温度で三次
発泡するおそれがあるので、バインダーを硬化させるに
あたってはこの温度以下の温度で硬化するものを用いる
ようにするのがよい。
また、塗型剤に付着させる耐火物粒子は石垣構造を形
成して補強効果を発揮するものであるが、この耐火物粒
子として外周に硬化性のバインダー樹脂を被覆したも
の、例えばレジンコーテッドサンドを用いることができ
る。レジンコーテッドサンドは珪砂など耐火物粒子の表
面をフェノールのノボラックやレゾールなど固形の硬化
可能な樹脂層で被覆することによって形成されるもので
ある。そして模型の外面に塗型剤を塗布したのち塗型剤
が乾燥しない間にこのレジンコーテッドサンドをふりか
けることによって、レジンコーテッドサンドを塗型剤の
表層に付着させることができ、そしてこののちに塗型剤
を乾燥することによって模型の外面を塗型剤の層で被覆
すると共に塗型剤の層の表層部分をレジンコーテッドサ
ンドの層で覆わせることができる。ここで、このレジン
コーテッドサンドの被覆樹脂を硬化反応させて、表面の
樹脂層同士を硬化結合させるようにしてある。従って、
レジンコーテッドサンドは石垣楕連を形成する他に粒子
が連続した一枚の層を形成することになり、石垣構造に
よる他にレジンコーテッドサンドの層による裏打ち効果
でも塗型剤を補強することができ、塗型剤に対する補強
効果を高く得ることができるものである。この硬化反応
は、塗型剤に触媒や硬化剤を配合しておいてレジンコー
テッドサンドがこれと接触することによって進行させる
ようにしたり、あるいは触媒や硬化剤を気化させたガス
をレジンコーテッドサンドに作用させて進行させるよう
にしたり、液状の触媒や硬化剤をレジンコーテッドサン
ドに噴霧して進行させるようにしたりすることができ
る。また場合によっては溶湯を注湯する際の高温で瞬時
に硬化させて硬度を発現させるようにすることもでき
る。ここで、レジンコーテッドサンド間の結合は各粒子
の接触部分の間で生じるものであるために、レジンコー
テッドサンドの各粒子間には隙間があり、この隙間によ
って模型の熱分解ガスの流通性は確保される。
成して補強効果を発揮するものであるが、この耐火物粒
子として外周に硬化性のバインダー樹脂を被覆したも
の、例えばレジンコーテッドサンドを用いることができ
る。レジンコーテッドサンドは珪砂など耐火物粒子の表
面をフェノールのノボラックやレゾールなど固形の硬化
可能な樹脂層で被覆することによって形成されるもので
ある。そして模型の外面に塗型剤を塗布したのち塗型剤
が乾燥しない間にこのレジンコーテッドサンドをふりか
けることによって、レジンコーテッドサンドを塗型剤の
表層に付着させることができ、そしてこののちに塗型剤
を乾燥することによって模型の外面を塗型剤の層で被覆
すると共に塗型剤の層の表層部分をレジンコーテッドサ
ンドの層で覆わせることができる。ここで、このレジン
コーテッドサンドの被覆樹脂を硬化反応させて、表面の
樹脂層同士を硬化結合させるようにしてある。従って、
レジンコーテッドサンドは石垣楕連を形成する他に粒子
が連続した一枚の層を形成することになり、石垣構造に
よる他にレジンコーテッドサンドの層による裏打ち効果
でも塗型剤を補強することができ、塗型剤に対する補強
効果を高く得ることができるものである。この硬化反応
は、塗型剤に触媒や硬化剤を配合しておいてレジンコー
テッドサンドがこれと接触することによって進行させる
ようにしたり、あるいは触媒や硬化剤を気化させたガス
をレジンコーテッドサンドに作用させて進行させるよう
にしたり、液状の触媒や硬化剤をレジンコーテッドサン
ドに噴霧して進行させるようにしたりすることができ
る。また場合によっては溶湯を注湯する際の高温で瞬時
に硬化させて硬度を発現させるようにすることもでき
る。ここで、レジンコーテッドサンド間の結合は各粒子
の接触部分の間で生じるものであるために、レジンコー
テッドサンドの各粒子間には隙間があり、この隙間によ
って模型の熱分解ガスの流通性は確保される。
[実施例] 次に本発明を実施例によってさらに説明する。
(塗型剤の調整) ・塗型剤No1 8号珪砂(AMERICAN FOUNDRYMENS SOCIETY:A.F.S13
0)900重量部と、ベントナイト50重量部、及び有機質バ
インダーとして作用する平均粒径50μの微小球状のフェ
ノールレゾール粉50重量部を500重量部の水に配合して
均一に分散させることによって塗型剤を調整した。
0)900重量部と、ベントナイト50重量部、及び有機質バ
インダーとして作用する平均粒径50μの微小球状のフェ
ノールレゾール粉50重量部を500重量部の水に配合して
均一に分散させることによって塗型剤を調整した。
・塗型剤No2 8号珪砂(A.F.S130)900重量部と、ベントナイト100
重量部を500重量部の水に配合して均一に分散させ、さ
らにパラトルエンスルホン酸を50重量部配合することに
よって塗型剤を調整した。
重量部を500重量部の水に配合して均一に分散させ、さ
らにパラトルエンスルホン酸を50重量部配合することに
よって塗型剤を調整した。
・塗型剤No3 8号珪砂(A.F.S130)900重量部と、ベントナイト50
重量部、及び有機質バインダーとして作用する予めヘキ
サメトレンテトラミン10%を内含させた平均粒径50μの
ワックス被覆フェノールノボラック粉50重量部、パラト
ルエンスルホン酸50重量部を500重量部の水に配合して
均一に分散させることによって塗型剤を調薬した。
重量部、及び有機質バインダーとして作用する予めヘキ
サメトレンテトラミン10%を内含させた平均粒径50μの
ワックス被覆フェノールノボラック粉50重量部、パラト
ルエンスルホン酸50重量部を500重量部の水に配合して
均一に分散させることによって塗型剤を調薬した。
(レジンコーテッドサンドの調製) ワールミックスタイプのミキサーに135℃に加熱した
パール珪砂(A.F.S36)100重量部を入れ、これに固形の
レゾール型フェノール樹脂を3重量部加えて混練するこ
とによって珪砂の表面にレゾール樹脂を良く被覆させた
後に、1.5重量部の水を加え、ミキサー内の混練砂を冷
却する。水分が蒸発して珪砂に被覆したレゾール樹脂に
粘りがなくなったのちに、0.1重量部のステアリン酸カ
ルシウムを加えて表面に付着させ、ミキサーから払い出
した。得られたレジンコーテッドサンドは珪砂の各粒子
がそれぞれ独立した状態で固化したレゾール樹脂の皮膜
によって被覆されており、常温でさらさらと流動性があ
って水との親和性が高いものであった。
パール珪砂(A.F.S36)100重量部を入れ、これに固形の
レゾール型フェノール樹脂を3重量部加えて混練するこ
とによって珪砂の表面にレゾール樹脂を良く被覆させた
後に、1.5重量部の水を加え、ミキサー内の混練砂を冷
却する。水分が蒸発して珪砂に被覆したレゾール樹脂に
粘りがなくなったのちに、0.1重量部のステアリン酸カ
ルシウムを加えて表面に付着させ、ミキサーから払い出
した。得られたレジンコーテッドサンドは珪砂の各粒子
がそれぞれ独立した状態で固化したレゾール樹脂の皮膜
によって被覆されており、常温でさらさらと流動性があ
って水との親和性が高いものであった。
(通気度の試験) No1の塗型剤について通気度を測定した。試験はJIS Z
2603(1976年)に規定される通気度試験機を用い、塗
型剤をそれぞれ1mm、0.5mmの塗膜厚になるように塗布し
て40℃で4時間乾燥させることで形成した膜についてお
こない、塗型剤の膜のみの通気度と、塗型剤にレジンコ
ーテッドサンドを表層に0.5mmに厚みで付着させた膜の
通気度とをそれぞれ測定した。結果を第1表に示す。第
1表に見られるように、レジンコーテッドサンドを付着
させることによって塗型剤の膜の通気度が高くなり、通
気性が向上していることが確認される。これは、塗型剤
が乾燥時に収縮する際にレジンコーテッドサンド(耐火
物粒子)が付着している部分から塗型剤の層に微細なヘ
アークラックが発生して気孔率が高まるためである。
2603(1976年)に規定される通気度試験機を用い、塗
型剤をそれぞれ1mm、0.5mmの塗膜厚になるように塗布し
て40℃で4時間乾燥させることで形成した膜についてお
こない、塗型剤の膜のみの通気度と、塗型剤にレジンコ
ーテッドサンドを表層に0.5mmに厚みで付着させた膜の
通気度とをそれぞれ測定した。結果を第1表に示す。第
1表に見られるように、レジンコーテッドサンドを付着
させることによって塗型剤の膜の通気度が高くなり、通
気性が向上していることが確認される。これは、塗型剤
が乾燥時に収縮する際にレジンコーテッドサンド(耐火
物粒子)が付着している部分から塗型剤の層に微細なヘ
アークラックが発生して気孔率が高まるためである。
実施例1 ポリスチレンビーズを50倍発泡させて作成した模型を
No2の塗型剤にどぶ浸けして引き上げることによって模
型の全面にこの塗型剤を付着させ、付いで耐火物粒子と
してレジンコーテッドサンドを用いて塗型剤に全面に亘
ってふりかけ、これ以上付着するものがないまでふりか
けることによって、塗型剤の表層に耐火物粒子を付着さ
せた。こののちに室温で24時間風乾させることによって
模型の表面の塗型剤を固化させた。塗型剤の層の膜厚は
1mmであり、耐火物粒子の層を含めた厚みは1.5mmであっ
た。尚、このものは塗型剤No2に含有されるパラトルエ
ンスルホン酸が触媒となってレジンコーテッドサンドの
被覆レゾール樹脂は硬化反応が進行している。
No2の塗型剤にどぶ浸けして引き上げることによって模
型の全面にこの塗型剤を付着させ、付いで耐火物粒子と
してレジンコーテッドサンドを用いて塗型剤に全面に亘
ってふりかけ、これ以上付着するものがないまでふりか
けることによって、塗型剤の表層に耐火物粒子を付着さ
せた。こののちに室温で24時間風乾させることによって
模型の表面の塗型剤を固化させた。塗型剤の層の膜厚は
1mmであり、耐火物粒子の層を含めた厚みは1.5mmであっ
た。尚、このものは塗型剤No2に含有されるパラトルエ
ンスルホン酸が触媒となってレジンコーテッドサンドの
被覆レゾール樹脂は硬化反応が進行している。
比較例1 ポリスチレンビーズを50倍発泡させて作成した模型を
No2の塗型剤にどぶ浸けして引き上げることによって模
型の全面にこの塗型剤を付着させ、付いで耐火物粒子を
付着させることなく室温で24時間風乾させることによっ
て模型の表面の塗型剤を固化させた。塗型剤の層の膜厚
は1mmであった。
No2の塗型剤にどぶ浸けして引き上げることによって模
型の全面にこの塗型剤を付着させ、付いで耐火物粒子を
付着させることなく室温で24時間風乾させることによっ
て模型の表面の塗型剤を固化させた。塗型剤の層の膜厚
は1mmであった。
実施例2 No3の塗型剤を用いるようにした他は、実施例1,2と同
様にして耐火物粒子を付着させた塗型剤の層を模型の全
面に塗着させた。尚、このものは塗型剤No3に含有され
るパラトルエンスルホン酸が触媒となってレジンコーテ
ッドサンドの被覆レゾール樹脂は硬化反応が進行してお
り、また塗型剤No3に含有されるノボラック樹脂はレジ
ンコーテッドサンドのレゾール樹脂の硬化剤作用で一部
に硬化反応が進行している。
様にして耐火物粒子を付着させた塗型剤の層を模型の全
面に塗着させた。尚、このものは塗型剤No3に含有され
るパラトルエンスルホン酸が触媒となってレジンコーテ
ッドサンドの被覆レゾール樹脂は硬化反応が進行してお
り、また塗型剤No3に含有されるノボラック樹脂はレジ
ンコーテッドサンドのレゾール樹脂の硬化剤作用で一部
に硬化反応が進行している。
比較例2 No3の塗型剤を用いるようにした他は、比較例1と同
様にして耐火物を付着させることなく模型の全面に塗型
剤の層を塗着させた。
様にして耐火物を付着させることなく模型の全面に塗型
剤の層を塗着させた。
実施例3 ポリスチレンビーズを50倍発泡させて作成した模型を
No1の塗型剤にどぶ浸けして引き上げることによって模
型の全面にこの塗型剤を付着させ、付いで耐火物粒子と
してレジンコーテッドサンドを用いて塗型剤に全面に亘
ってふりかけ、これ以上付着するものがないまでふりか
けることによって、塗型剤の表層に耐火物粒子を付着さ
せた。これを亜硫酸ガスを充満した箱の中で60分間養生
して塗型剤No1中のレゾールとレジンコーテッドサンド
中のレゾールをそれぞれ硬化されるようにしたのちに、
室温で24時間風乾させることによって模型の表面の塗型
剤を固化させた。塗型剤の層の膜厚は1mmであり、耐火
物粒子の層を含めた厚みは1.5mmであった。
No1の塗型剤にどぶ浸けして引き上げることによって模
型の全面にこの塗型剤を付着させ、付いで耐火物粒子と
してレジンコーテッドサンドを用いて塗型剤に全面に亘
ってふりかけ、これ以上付着するものがないまでふりか
けることによって、塗型剤の表層に耐火物粒子を付着さ
せた。これを亜硫酸ガスを充満した箱の中で60分間養生
して塗型剤No1中のレゾールとレジンコーテッドサンド
中のレゾールをそれぞれ硬化されるようにしたのちに、
室温で24時間風乾させることによって模型の表面の塗型
剤を固化させた。塗型剤の層の膜厚は1mmであり、耐火
物粒子の層を含めた厚みは1.5mmであった。
実施例4 実施例3と同様にして模型に塗型剤No1を付着させる
共にレジンコーテッドサンドを付着させたのちに、これ
にパラトルエンスルホン酸の50%メタノール溶液を霧吹
きで全面にと吹き付けることによって塗型剤No1中のレ
ゾールとレジンコーテッドサンド中のレゾールをそれぞ
れ硬化させるようにし、あとは実施例3と同様にした。
共にレジンコーテッドサンドを付着させたのちに、これ
にパラトルエンスルホン酸の50%メタノール溶液を霧吹
きで全面にと吹き付けることによって塗型剤No1中のレ
ゾールとレジンコーテッドサンド中のレゾールをそれぞ
れ硬化させるようにし、あとは実施例3と同様にした。
上記実記例及び各比較例で得た消失模型について、模
型への塗型剤層の付着性、模型のたわみ変形性、塗型剤
層の通気性、塗型剤層のガス発生量をそれぞれ測定し
た。
型への塗型剤層の付着性、模型のたわみ変形性、塗型剤
層の通気性、塗型剤層のガス発生量をそれぞれ測定し
た。
塗型剤の付着性は、各実施例及び各比較例の塗型剤を
塗着した模型をたわませた際に塗型剤が模型から剥離す
るかどうかを目視で観察して評価した。
塗着した模型をたわませた際に塗型剤が模型から剥離す
るかどうかを目視で観察して評価した。
模型のたわみ変形性は、各実施例及び各比較例の塗型
剤を塗着した模型(模型の寸法:18φ×320mm)を試験片
として用い、この試験片の一端部をクランプして水平に
片持ち固定すると共にクランプ位置から250mmの場所に
おいて試験片に50gの分銅をぶら下げ、このときの分銅
をぶら下げた部分の下方へのたわみ寸法を測定すること
によって試験をおこなった。このたわみ変形性によって
模型に対する塗型剤の表面補強効果を評価することがで
きる。
剤を塗着した模型(模型の寸法:18φ×320mm)を試験片
として用い、この試験片の一端部をクランプして水平に
片持ち固定すると共にクランプ位置から250mmの場所に
おいて試験片に50gの分銅をぶら下げ、このときの分銅
をぶら下げた部分の下方へのたわみ寸法を測定すること
によって試験をおこなった。このたわみ変形性によって
模型に対する塗型剤の表面補強効果を評価することがで
きる。
塗型剤層の通気性は、各実施例及び各比較例において
形成した塗型剤の層(耐火物粒子を含む)の通気度を既
述したJIS Z 2603に基づいて測定することによって試験
をおこなった。
形成した塗型剤の層(耐火物粒子を含む)の通気度を既
述したJIS Z 2603に基づいて測定することによって試験
をおこなった。
ガス発生量は、各実施例及び各比較例の模型から塗型
剤の層(耐火物粒子を含む)を剥がし、これを良く空焼
きしたボードに5g載せて1000℃の炉に入れ、このときの
ガスの発生量を測定し、cc/gの単位で表した。塗型剤の
層(耐火物粒子を含む)からの熱分解性ガスの発生量を
評価することができる。
剤の層(耐火物粒子を含む)を剥がし、これを良く空焼
きしたボードに5g載せて1000℃の炉に入れ、このときの
ガスの発生量を測定し、cc/gの単位で表した。塗型剤の
層(耐火物粒子を含む)からの熱分解性ガスの発生量を
評価することができる。
次ぎに、上記各実施例及び各比較例で得た消失模型を
鋳型砂に埋め込むことによって消失模型鋳型を作成し
た。そしてこの消失模型鋳型の模型の部分に溶湯(1400
℃の鋳鋼)を流し込んで冷却することによって鋳造をお
こなった。このようにして鋳造した鋳造物の外観を観察
し、フカレ(熱分解ガスの残留による鋳造物の表面のへ
こみ)、ベーニング(鋳型のひび割れ部分への溶湯の浸
入跡)の有無を評価した。また鋳造物を中央部より切断
し、カラーチェック法で目視により観察し、内部欠陥
(熱分解ガスの残留による鋳造物中のガス欠陥)の有無
を評価した。
鋳型砂に埋め込むことによって消失模型鋳型を作成し
た。そしてこの消失模型鋳型の模型の部分に溶湯(1400
℃の鋳鋼)を流し込んで冷却することによって鋳造をお
こなった。このようにして鋳造した鋳造物の外観を観察
し、フカレ(熱分解ガスの残留による鋳造物の表面のへ
こみ)、ベーニング(鋳型のひび割れ部分への溶湯の浸
入跡)の有無を評価した。また鋳造物を中央部より切断
し、カラーチェック法で目視により観察し、内部欠陥
(熱分解ガスの残留による鋳造物中のガス欠陥)の有無
を評価した。
以上の結果を第2表に示す。
第2表の模型のたわみ変形量の項目にみられるよう
に、各実施例のものは各比較例のものよりもたわみ変形
量が小さく、耐火物粒子によって塗型剤の層が補強され
て塗型による模型の表面の強化効果が高められているこ
とが確認される。また塗型剤の通気度の項目にみられる
ように、各実施例のものは各比較例のものよりも通気度
が大きく、耐火物粒子を付着させることによって塗型剤
の通気性が高められていることが確認される。
に、各実施例のものは各比較例のものよりもたわみ変形
量が小さく、耐火物粒子によって塗型剤の層が補強され
て塗型による模型の表面の強化効果が高められているこ
とが確認される。また塗型剤の通気度の項目にみられる
ように、各実施例のものは各比較例のものよりも通気度
が大きく、耐火物粒子を付着させることによって塗型剤
の通気性が高められていることが確認される。
(模型のたわみ変形性の試験) 塗型剤による模型の強化効果をさらに詳細に検討する
ために、塗型剤を塗着していない模型(試料No1)、8
号珪砂(A.F.S130)900重量部とベントナイト100重量部
を500重量部の水に配合して均一に分散させることによ
って調製した塗型剤のみ塗着させ耐火物粒子を付着させ
ていない模型(試料No2)塗型剤No1を塗着させると共に
耐火物粒子としてレジンコーテッドサンドを付着させた
模型(試料No3)、塗型剤を塗着させると共に耐火物粒
子としてレジンコーテッドサンドを付着させさらにパラ
トルエンスホン酸を吹き付けてバインダー成分を完全硬
化させた実施例4の模型(試料No4)をそれぞれ用い、
分銅の重さを5g、10g、20g、30g、40g、50gに変えて測
定をおこなう他は前記の模型のたわみ変形性の試験と同
様にしてたわみ量を測定した。結果を第3表及び第1図
に示す。
ために、塗型剤を塗着していない模型(試料No1)、8
号珪砂(A.F.S130)900重量部とベントナイト100重量部
を500重量部の水に配合して均一に分散させることによ
って調製した塗型剤のみ塗着させ耐火物粒子を付着させ
ていない模型(試料No2)塗型剤No1を塗着させると共に
耐火物粒子としてレジンコーテッドサンドを付着させた
模型(試料No3)、塗型剤を塗着させると共に耐火物粒
子としてレジンコーテッドサンドを付着させさらにパラ
トルエンスホン酸を吹き付けてバインダー成分を完全硬
化させた実施例4の模型(試料No4)をそれぞれ用い、
分銅の重さを5g、10g、20g、30g、40g、50gに変えて測
定をおこなう他は前記の模型のたわみ変形性の試験と同
様にしてたわみ量を測定した。結果を第3表及び第1図
に示す。
第3表及び第1図のNo1、No2、No3の比較から明らか
なように、模型に塗型剤を塗着させることによって塗型
剤で模型を強化させることができると共に、塗型剤に耐
火物粒子を付着させることで塗型剤の強度を高めて模型
の強化の効果を高めることができることが確認される。
そしてNo4にみられるように塗型剤や耐火物粒子として
のレジンコーテッドサンドのバインダーを硬化させるこ
とによって、模型の強化の効果をさらに高めることがで
きることが確認される。
なように、模型に塗型剤を塗着させることによって塗型
剤で模型を強化させることができると共に、塗型剤に耐
火物粒子を付着させることで塗型剤の強度を高めて模型
の強化の効果を高めることができることが確認される。
そしてNo4にみられるように塗型剤や耐火物粒子として
のレジンコーテッドサンドのバインダーを硬化させるこ
とによって、模型の強化の効果をさらに高めることがで
きることが確認される。
[発明の効果] 上述のように本発明にあっては、発泡樹脂で形成され
る模型の外面に塗型剤を塗着形成し、外周に硬化可能な
バインダー樹脂が被覆されたレジンコーテッドサンドで
形成される耐火物の粒子を塗型剤の表層に層状に付着さ
せることによって消失模型を作成するようにしたので、
この消失模型を鋳物砂に埋め込むに際して模型に押圧力
が作用しても、塗型剤の層は耐火物粒子の層による石垣
作用で補強された状態にあって塗型剤による模型の表面
の保護効果が高く、模型に変形が生じることを塗型剤に
よって有効に防ぐことができるものであり、しかも各耐
火物の粒子のバインダー樹脂を硬化結合させるようにし
たので、各耐火物の粒子は表面に被覆したバインダー樹
脂の硬化結合によって相互に連結されて一枚の一体化し
た層が形成され、この一体化した層による裏打ち効果に
よっても塗型剤を補強することができ、塗型剤による模
型の表面の保護効果を一層高く得ることができるもので
ある。このように本発明は、塗型剤の表層に層状に付着
する耐火物粒子の層による石垣作用と、バインダー樹脂
の硬化結合によって一体に連結された耐火物粒子の層に
よる裏打ち効果を併用して、塗型剤を補強することがで
きるものである。またこのように塗型剤の層は付着する
耐火物粒子によって補強された状態にあって厚みを薄く
設定しても十分な強度で模型の表面を保護することがで
き、従って塗型剤の層での熱分解ガスの通気性を良好に
して鋳造物にガス欠陥が発生することを低減することが
できるものである。
る模型の外面に塗型剤を塗着形成し、外周に硬化可能な
バインダー樹脂が被覆されたレジンコーテッドサンドで
形成される耐火物の粒子を塗型剤の表層に層状に付着さ
せることによって消失模型を作成するようにしたので、
この消失模型を鋳物砂に埋め込むに際して模型に押圧力
が作用しても、塗型剤の層は耐火物粒子の層による石垣
作用で補強された状態にあって塗型剤による模型の表面
の保護効果が高く、模型に変形が生じることを塗型剤に
よって有効に防ぐことができるものであり、しかも各耐
火物の粒子のバインダー樹脂を硬化結合させるようにし
たので、各耐火物の粒子は表面に被覆したバインダー樹
脂の硬化結合によって相互に連結されて一枚の一体化し
た層が形成され、この一体化した層による裏打ち効果に
よっても塗型剤を補強することができ、塗型剤による模
型の表面の保護効果を一層高く得ることができるもので
ある。このように本発明は、塗型剤の表層に層状に付着
する耐火物粒子の層による石垣作用と、バインダー樹脂
の硬化結合によって一体に連結された耐火物粒子の層に
よる裏打ち効果を併用して、塗型剤を補強することがで
きるものである。またこのように塗型剤の層は付着する
耐火物粒子によって補強された状態にあって厚みを薄く
設定しても十分な強度で模型の表面を保護することがで
き、従って塗型剤の層での熱分解ガスの通気性を良好に
して鋳造物にガス欠陥が発生することを低減することが
できるものである。
第1図は模型のたわみ変形量と荷重との関係を示すグラ
フである。
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 綏 川西市多田院字小寺前4−21 (72)発明者 井出 勇 堺市金岡町1648−15 (72)発明者 後藤 哲郎 堺市西野341−5 (56)参考文献 特開 昭51−130628(JP,A) 特開 昭63−188444(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】発泡樹脂で形成される模型の外面に塗型剤
を塗着形成し、外周に硬化可能なバインダー樹脂が被覆
されたレジンコーテッドサンドで形成される耐火物の粒
子を塗型剤の表層に層状に付着させると共に各耐火物の
粒子のバインダー樹脂を硬化結合させて成ることを特徴
とする消失模型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62132966A JP2648146B2 (ja) | 1987-05-28 | 1987-05-28 | 消失模型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62132966A JP2648146B2 (ja) | 1987-05-28 | 1987-05-28 | 消失模型 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63295040A JPS63295040A (ja) | 1988-12-01 |
JP2648146B2 true JP2648146B2 (ja) | 1997-08-27 |
Family
ID=15093665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62132966A Expired - Fee Related JP2648146B2 (ja) | 1987-05-28 | 1987-05-28 | 消失模型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2648146B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2648148B2 (ja) * | 1987-06-26 | 1997-08-27 | 本田技研工業株式会社 | 消失模型 |
JP6387966B2 (ja) * | 2013-09-30 | 2018-09-12 | 日立金属株式会社 | 生型鋳型及びその製造方法、並びに鉄系鋳物の製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51130628A (en) * | 1975-05-08 | 1976-11-13 | Kubota Ltd | Method of making mold for full molding process |
JPS63188444A (ja) * | 1987-02-02 | 1988-08-04 | Takeshi Ito | 消失模型鋳造法 |
-
1987
- 1987-05-28 JP JP62132966A patent/JP2648146B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63295040A (ja) | 1988-12-01 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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