JP5869161B1 - 鋳型用粘結剤含有砂の製造方法 - Google Patents

鋳型用粘結剤含有砂の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5869161B1
JP5869161B1 JP2015029942A JP2015029942A JP5869161B1 JP 5869161 B1 JP5869161 B1 JP 5869161B1 JP 2015029942 A JP2015029942 A JP 2015029942A JP 2015029942 A JP2015029942 A JP 2015029942A JP 5869161 B1 JP5869161 B1 JP 5869161B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sand
binder
mold
aggregate
lubricant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015029942A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016150368A (ja
Inventor
竜也 小楠
竜也 小楠
叔且 西田
叔且 西田
大輔 友松
大輔 友松
Original Assignee
山川産業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 山川産業株式会社 filed Critical 山川産業株式会社
Priority to JP2015029942A priority Critical patent/JP5869161B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5869161B1 publication Critical patent/JP5869161B1/ja
Publication of JP2016150368A publication Critical patent/JP2016150368A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Mold Materials And Core Materials (AREA)

Abstract

【課題】鋳造に繰り返し使用しても鋳型強度の低減が抑制された鋳型用粘結剤含有砂を提供することを課題とする。【解決手段】人工砂及び/又は天然砂を含む骨材と、粘結剤と、滑剤とを含み、前記滑剤が、炭素数10〜24の高級脂肪酸と一価の金属との塩であることを特徴とする鋳型用粘結剤含有砂により上記課題を解決する。【選択図】図7

Description

本発明は、鋳型用粘結剤含有砂製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、鋳造に繰り返し使用しても鋳型強度の低減が抑制された鋳型用粘結剤含有砂製造方法に関する。
鋳物工業において鋳型を作る造形法の一つとして、例えばシェルモールド法がある。この方法は、樹脂を被覆した砂(レジンコーテッドサンド:RCS、鋳型用粘結剤含有砂)を予熱した金型に充填し、焼成して鋳型を作る方法である。
現在、シェルモールド法のような造型法に使用されている鋳型用粘結剤含有砂の原料砂には、用途によってけい砂を始め様々なものがある。鋳型用粘結剤含有砂は、人工砂又は天然砂に由来する骨材と、粘結剤と、滑剤とを含んでいる。ここで、粘結剤には、例えば、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂)を硬化剤(例えば、ヘキサメチレンテトラミン)で硬化させた樹脂が使用されている。
また、滑剤は、鋳型用粘結剤含有砂を所望の鋳型の形状に成形しやすく(流動性の向上)又は、製品のブロッキング(団粒子化)防止のために用いられ、鋳物工業の分野ではステアリン酸カルシウムが一般的に使用されている。例えば、滑剤としてステアリン酸カルシウムを用いることが、特開2006−334612号公報(特許文献1)及び特開2013−158810号公報(特許文献2)に記載されている。
特開2006−334612号公報 特開2013−158810号公報
鋳物工業の分野においても、資源枯渇や産廃物規制の問題から、一旦鋳造に使用された鋳型廃砂を再生して、再度、鋳造に使用することで、廃棄される鋳型廃砂量を減少させることが検討されている。
鋳型廃砂には、鋳造時に鋳型用粘結剤含有砂を所定の形状に成型するために使用される滑剤や粘結剤成分に由来する炭化物が含まれている。鋳型廃砂を再生するには、炭化物を除去することが必要となるが、炭化物が除去された鋳型用粘結剤含有砂を用いて再度鋳型を製造しても、十分な鋳型強度が得られなかった。そのため、再生しても十分な鋳型強度を示し得る鋳型用粘結剤含有砂を提供することが望まれていた。
本発明の発明者等は、再生された鋳型用粘結剤含有砂により鋳型強度が低下する原因を検討したところ、炭化物が除去されかつ粘結剤と混合前の鋳型用原料砂から水に溶出するカルシウムイオン溶出濃度と鋳型強度との間に一定の関係が存在することを見い出した。具体的には、カルシウムイオン溶出濃度が大きいほど、鋳型強度が低下することが確認された。カルシウムイオンは、滑剤として使用されるステアリン酸カルシウムに由来するとの観点から、滑剤種を検討することで鋳型強度の低下が抑制可能であることを見い出し、発明者等は本発明に至った。
かくして本発明によれば、人工砂及び/又は天然砂に由来する骨材と、粘結剤と、滑剤とを含み、前記滑剤が、炭素数10〜24の高級脂肪酸と一価の金属との塩である鋳型用粘結剤含有砂の製造方法であって、
鋳造後に生じる鋳型廃砂を400〜1000℃の温度範囲で焙焼して焙焼砂を得、前記焙焼砂を磨鉱して鋳型用原料砂として再生する工程と、
前記鋳型用原料砂を骨材として粘結剤と混合する工程と、
前記粘結剤と骨材との混合物を滑剤と混合する工程とを含み、
前記鋳型廃砂が、前記滑剤を使用した鋳型用粘結剤含有砂に由来することを特徴とする鋳型用粘結剤含有砂の製造方法が提供される。
本発明の再生方法によれば、再生しても十分な鋳型強度を示し得る鋳型用粘結剤含有砂を提供できる。なお、発明者等は、鋳物工業の分野において、カルシウムイオンが鋳型強度の低減と関係していることが意外なことであり、高級脂肪酸の一価の金属塩の滑剤としての使用も、この分野では通常行われていなかったと認識している。
また、以下のいずれかの場合、再生しても十分な鋳型強度をより示し得る鋳型用粘結剤含有砂を提供できる。
(1)高級脂肪酸の一価の金属塩が、ステアリン酸ナトリウム又はステアリン酸カリウムである。
(2)高級脂肪酸の一価の金属塩が、骨材と粘結剤の合計100重量部あたり、0.01〜0.2重量部含まれる。
(3)粘結剤が、フラン樹脂、フェノール樹脂、オイルウレタン樹脂、フェノールウレタン樹脂、アルカリフェノール樹脂、ケイ酸ソーダー及びベントナイトから選択される。
(4)骨材が、30〜1180μmの粒度分布を有し、かつ6万/d〜180万/d(dは球状物の平均粒子径(μm))の範囲の単位体積あたりの表面積(cm2/cm3)を有する。
(5)骨材が、鋳造後に生じる鋳型廃砂を400〜1000℃の温度範囲の焙焼工程に付して焙焼砂を得、焙焼砂を乾式磨鉱工程に付して再生された骨材である。
実施例に使用した焙焼炉の概略説明図である。 実施例に使用したロータリーリクレマーの概略説明図である。 実施例1の鋳型用粘結剤含有砂の再生繰り返し数と、曲げ強度及びイオン溶出濃度との関係を示すグラフである。 実施例1の鋳型用粘結剤含有砂の再生繰り返し数と、曲げ強度及びイオン溶出濃度との関係を示すグラフである。 実施例1の鋳型用粘結剤含有砂の再生繰り返し数と、曲げ強度及びイオン溶出濃度との関係を示すグラフである。 実施例1の鋳型用粘結剤含有砂の再生繰り返し数と、曲げ強度及びイオン溶出濃度との関係を示すグラフである。 実施例1の鋳型用粘結剤含有砂の新砂使用時の曲げ強度と5回目の再生時の曲げ強度との関係を示すグラフである。 実施例2の鋳型用粘結剤含有砂の再生繰り返し数と、曲げ強度との関係を示すグラフである。 実施例2の鋳型用粘結剤含有砂の再生繰り返し数と、曲げ強度との関係を示すグラフである。 実施例2の鋳型用粘結剤含有砂の新砂使用時の曲げ強度と5回目の再生時の曲げ強度との関係を示すグラフである。
(鋳型用粘結剤含有砂)
鋳型用粘結剤含有砂は、骨材と、粘結剤と、滑剤とを含む。
(1)滑剤
滑剤は、炭素数10〜24の高級脂肪酸と一価の金属との塩である。
炭素数10〜24の高級脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。これら脂肪酸は、複数種混合されていてもよい。この内、飽和脂肪酸が好ましい。炭素数は12〜22が好ましく、14〜21がより好ましい。
一価の金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。これら金属は複数種混合されていてもよい。
滑剤は、ステアリン酸ナトリウム及び/又はステアリン酸カリウムを主成分(例えば、50重量%以上、70重量%以上又は90重量%以上)として含むことが好ましい。
上記高級脂肪酸と一価の金属との塩は、粘結剤上に存在することが好ましい。
上記高級脂肪酸と一価の金属との塩は、骨材と粘結剤の合計100重量部あたり、0.01〜0.2重量部含まれていることが好ましい。含有量が0.01重量部未満の場合、鋳型製造の際の鋳型用粘結剤含有砂の流動性が十分でないため、鋳型の製造に時間がかかったり、鋳物の表面に荒れが生じたりすることがある。また、鋳型用粘結剤含有砂が、製品を保存するフレコンバッグ等の内部でブロッキングしてしまう可能性が高くなる。含有量が0.2重量部より多い場合、鋳型強度の低下が生じたり、鋳型廃砂から鋳型用粘結剤含有砂の再生に時間がかかったりすることがある。より好ましい含有量は0.02〜0.16重量部、更に好ましい含有量は0.03〜0.12重量部、特に好ましい含有量は0.06〜0.10重量部である。
なお、鋳型用粘結剤含有砂を構成する滑剤量は、適当な溶剤を用いて滑剤を単離し、単離物を、赤外分光分析法、ガスクロマトグラフィ法、液体クロマトグラフィ法、NMR法等の公知の方法で分析することで測定することができる。
(2)骨材
骨材は、人工砂及び/又は天然砂に由来する。人工砂及び天然砂は、特に限定されず、アルミナ砂、ケイ砂、ジルコン砂、クロマイト砂、MgO・SiO2系砂及びこれら砂の混合砂等が挙げられる。
アルミナ砂には、Al23以外にSiO2、Fe23、Cr23、CrO2、MgO、CaO、K2O、TiO2等の他の成分が含まれていてもよい。また、アルミナ砂は、Al23とSiO2とを含む合成ムライト及び/又は合成コランダムを含む人工砂であってもよい。
合成ムライト及び合成コランダムは、アルミナ(Al23)40〜90重量%、シリカ(SiO2)60〜10重量%から構成されていてもよい。またアルミナとシリカの割合は、それぞれ60〜90重量%と40〜10重量%であってもよい。合成ムライト及び合成コランダムには、アルミナ及びシリカ以外に、Fe23、Cr23、CrO2、MgO、CaO、K2O、TiO2等の他の成分が含まれていてもよい。人工砂に占める合成ムライト及び/又は合成コランダムの割合は、50重量%以上とすることができる。
更に、骨材は、6万/d〜180万/d(dは球状物の平均粒子径(μm))の範囲の単位体積あたりの表面積(cm2/cm3)を有することが好ましい。例えば、300〜425μmの範囲の骨材を例として説明する。この骨材の平均粒子径は300μmと425μmの中間の362.5μmであると仮定すると、表面積は165.5〜4965.5cm2/cm3の範囲となる。ここで、表面積が180万/d(cm2/cm3)以上の場合、骨材表面の凹凸が大きくなり、骨材相互の接触により骨材が破砕することによる廃棄物の発生量が増えるため好ましくない。この表面積は、比表面積測定器(BELSORP 28SA AUTOMATIC GAS ADSORPTION APPARATUS:日本ベル社製)を用いて単位gあたりの比表面積を測定し、その比表面積に真密度を積算することで得られた値である。単位体積あたりの表面積は、160万/d以下が好ましく、145万/d以下がより好ましく、130万/d以下が更に好ましく、110万/d以下が特に好ましい。
また、骨材は、丸い粒形を有することが好ましい。具体的には、丸さの指標である粒形係数が1.2以下であることが好ましく、1.1以下であることがより好ましい。1.2以下の場合、骨材の鋳型への充填率が向上し、かつ鋳型の通気性が向上する。更に、球に近い形状のため、骨材相互の接触により生じる廃棄物の発生量を減らすことができる。
なお、上記粒形係数は、砂表面積測定器(ジョージ・フィッシャー社製)を用いて算出した値を意味する。すなわち、粒形係数とは1g当たりの実際の骨材の表面積を理論表面積で割った値を意味する。理論表面積とは、骨材がすべて球であると仮定した場合の表面積をいう。従って、粒形係数が1に近いほど球に近い形状であることを表している。
骨材は、30〜1180μmの粒度分布を有していることが好ましい。30μmより小さい場合、鋳型の通気性が低下することがある。1180μmより大きい場合、鋳物の表面が荒れることがある。より好ましい粒度分布は、212〜1180μm(JIS10と14号相当)、150〜820μm(JIS20と28号相当)、106〜600μm(JIS35と48号相当)、75〜425μm(JIS65と100号相当)、53〜300μm(JIS150と200号相当)が挙げられる。これら粒度分布は、例えば鋳鉄又は鋳鋼品の種類(鋳鉄品、普通鋳鋼品、ステンレス鋳鋼品、高Mn鋼品、アルミ合金品、銅合金品等)、鋳物の大きさ、鋳物の肉厚等の鋳造条件に応じて適宜選択できる。骨材は、30μm未満の微小骨材を発明の効果が阻害されない範囲(例えば、25重量%以下)で含んでいてもよい。
粒度分布は、JISの鋳物砂の粒度試験方法(Z2601)に準じて測定した値をいう。この方法を概略説明すると、例えば、ふるいの呼び寸法が30μmのふるいの上に1180μmのふるいを重ね、1180μmのふるいの上に原料を載せ、ロータップ型ふるい機のようなふるい分け機械を使用し、2つのふるい間に残ったものを、粒度分布30〜1180μmの骨材と称する。
なお、骨材と鋳型用粘結剤含有砂の単位体積あたりの表面積、粒形係数及び粒度分布は、ほぼ同じである。
上記表面積を有する合成ムライト及び/又は合成コランダムを含む骨材は、アルミナとシリカを含む合成ムライト及び/又は合成コランダムの原料を溶融させ、溶融物にエアーを吹き付けることで得ることができる。つまり、溶融物はエアーを吹き付けられることで所定の粒度分布の粒子に溶融状態で風砕され、風砕後、溶融粒子自体の表面張力によって、所定の表面積の骨材となる。溶融方法は特に限定されず、アーク炉、るつぼ炉、誘導電気炉(高周波炉、低周波炉等)、抵抗式電気炉、反射炉、回転炉、真空溶解炉、キュポラ炉等が挙げられる。この内、操作が比較的簡便なアーク炉が好ましい。
合成ムライト及び/又は合成コランダムを含む骨材の粒度分布、外観等は、合成ムライト及び合成コランダムの原料の組成、溶融温度、エアー吹き付け時のエアー速度、溶融物とエアーとの接触角度で調整できる。ここで、溶融温度は、1600〜2200℃の範囲であることが好ましく、エアー速度は、80〜120m/secであることが好ましく、接触角度は、60〜90°であることが好ましい。
なお、エアー吹き付け後、水冷することが好ましい。
(3)粘結剤
粘結剤は、特に限定されず、フラン樹脂、フェノール樹脂、オイルウレタン樹脂、フェノールウレタン樹脂、アルカリフェノール樹脂、ケイ酸ソーダー、ベントナイト等が挙げられる。粘結剤は、その種類に応じた硬化剤で硬化できる。フラン樹脂用の硬化剤としては、硫酸、リン酸、リン酸エステル、ピロリン酸等の無機酸、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸等が挙げられる。アルカリフェノール樹脂用の硬化剤としては、ラクトン類(例えば、プロピオンラクトン)、ギ酸エチル、ギ酸メチル、トリアセチン等の有機エステル等が挙げられる。フェノール樹脂用の硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。フェノールウレタン樹脂用の硬化剤としては、トリエチルアミン、ピリジン系化合物等が挙げられる。ケイ酸ソーダー用の硬化剤としては、炭酸ガス、ダイカルシウムシリケート、有機エステル等が挙げられる。
粘結剤は、骨材100重量部あたり、0.4〜3重量部含まれていることが好ましい。含有量が0.4重量部未満の場合、骨材間の結合が十分でないため、鋳型強度が低下することがある。含有量が3重量部より多い場合、鋳物の表面に粘結剤由来成分が付着したり、廃棄骨材から鋳型用粘結剤含有砂の再生に時間がかかったりすることがある。より好ましい含有量は0.4〜2重量部である。
上記表面積を有する骨材は、粘結剤量を0.4〜1.5重量部より少なくすることができる。粘結剤量が少ない場合、カルシウムイオンが鋳型強度を低下させる影響がより大きくなるため、特に本発明の適用が有効である。
(4)鋳型用粘結剤含有砂の製造方法
鋳型用粘結剤含有砂は、公知の方法で製造できる。例えば、骨材となる鋳型用原料砂をミキサー中で加温及び混合しつつ、ミキサー内に粘結剤を投入することにより、粘結剤と骨材との混合物を得る。ここで、粘結剤が硬化性樹脂を硬化剤で硬化させることで得られる場合、最初に硬化性樹脂をミキサー内に投入し、その後、硬化剤を投入して硬化性樹脂を硬化させることで粘結剤を得ることができる。次いで、ミキサー内に滑剤を投入することにより、粘結剤と骨材との混合物を滑剤と混合できる。なお、粘結剤は、骨材の全表面又は一部表面を被覆していると考えられる。また、滑剤は、粘結剤で被覆された骨材の全表面又は一部表面を被覆していると考えられる。
鋳造後に生じる鋳型廃砂由来の骨材を使用する場合は、例えば以下の焙焼工程と磨鉱工程を経ることで、鋳型廃砂を骨材に変えることができる。
(i)焙焼工程
焙焼工程は、400〜1000℃の範囲の温度下で行うことができる。鋳型廃砂を焙焼工程に付すことで、鋳型廃砂に含まれる滑剤及び粘結剤に由来する成分が炭化すると共に一部焼失する。有機物を炭化させることで、次の磨鉱工程で、炭化物を容易に除去して鋳型用原料砂を得ることができる。
焙焼工程の温度が400℃より低い場合、十分に炭化できないことがあり、その結果、再生された鋳型用粘結剤含有砂(再生砂)による鋳型強度が低下することがある。また、1000℃より高い場合、炭化は十分行えるが、再生砂を構成する無機成分の種類によっては、再生砂の表面が溶融することで砂同士が凝集することがある。より好ましい温度範囲は400〜800℃、更に好ましい温度範囲は500〜800℃である。
焙焼時間は、例えば、0.5〜2.5時間とすることができる。焙焼時間が、0.5時間未満の場合、十分に炭化できないことがあり、その結果、再生砂による鋳型強度が低下することがある。ここで、焙焼時間の上限を2.5時間とした理由は、それ以上の長時間鋳型廃砂を焙焼しても、焙焼による効果を期待できず、燃料の消費により再生コストが掛かることがあるからである。より好ましい焙焼時間は1.5〜2.5時間であり、更に好ましい焙焼時間は1.75〜2.25時間である。
焙焼工程の雰囲気は、鋳型廃砂に含まれる粘結剤を炭化できさえすれば、特に限定されず、通常、酸素を含有する雰囲気中(例えば、空気中)で行われる。
焙焼装置は、鋳型廃砂を焙焼できさえすれば、その構成は特に限定されない。焙焼装置内の鋳型廃砂は、流動していてもしていなくてもよいが、均一に焙焼された焙焼砂を得るために、流動していることが好ましい。焙焼装置は、バッチ式でも、連続式でもよい。処理効率を考慮すると、連続式の流動焙焼装置を使用することが好ましい。
連続式の流動焙焼装置には、種々の構成の装置が知られている。例えば、砂が流れる方向と砂を流動させるための空気が流れる方向とが交差する構成の装置、両方向が対向しかつ平行な構成の装置が挙げられる。この内、熱効率を考慮すると後者の装置が好ましい。特に、砂が流れる方向が重力の方向と同じであり、空気が流れる方向が重力の方向と逆方向である構成の装置は、熱効率が高く、焙焼用の燃料を低減できるため好ましい。
砂が流れる方向が重力の方向と同じである上記の装置では、装置上部から鋳型廃砂が投入され、装置内部を落下する。落下した砂は、装置下部から吹き上げる空気により一定位置に流動層として一定時間保持される。一定位置に保持された砂は、バーナーのような加熱手段により一定時間焙焼される。流動層の下部に位置する砂は、流動層の上部に供給される砂により、徐々に位置が下がり、装置底部に焙焼砂として落下することになる。この装置では、流動層内で、既に焙焼された砂の熱を、新たに投入される鋳型廃砂の加熱に使用できるので、熱効率が高いという特徴を有する。
(ii)磨鉱工程
焙焼工程で得られた焙焼砂は、磨鉱工程に付される。磨鉱工程により、焙焼砂の表面に存在する炭化物を除去することで鋳型廃砂を鋳型用原料砂に再生できる。
磨鉱は、乾式磨鉱でも、湿式磨鉱でも、両磨鉱を組み合わせてもよい。
乾式法には、砂を高速気流により装置内で上昇させ、衝突板に衝突させることによって、砂粒相互の衝突と摩擦により磨鉱処理するサンドリクレマー、高速回転するロータ上に砂を投入し、その遠心力で生ずる投射砂と落下する投入砂との間で起こる衝突と摩擦によって磨鉱処理する高速回転するロータリーリクレマー、砂粒同士の摩擦を利用して磨鉱処理するアジテーターミル等を用いた方法が挙げられる。
一方、湿式法には、例えば、羽を回転させたトラフ内の砂粒相互の摩擦によって磨鉱処理するトラフ磨鉱機を用いた方法が挙げられる。
磨鉱は乾式であることが好ましい。乾式であることで、水資源の乏しい場所においても鋳型用粘結剤含有砂を製造することが可能となる。更に、排水の処理を行う必要がないため、環境への影響を抑制できる。
ところで、滑剤としてステアリン酸カルシウムを使用した従来の鋳型用粘結剤含有砂では、乾式で磨鉱する場合、鋳型廃砂から鋳型用粘結剤含有砂への再生を繰り返すと、鋳型強度が低下するという課題があった。発明者等は、再生を繰り返した鋳型用原料砂のカルシウム量を測定したところ、再生を繰り返すごとに、カルシウム量が増加しており、カルシウム量と鋳型強度との間に一定の関係が存在することを見い出した。そこで、発明者等は、滑剤としてカルシウムを含まないものを使用すれば、磨鉱を乾式で行っても、鋳型用原料砂へのカルシウムの蓄積を抑制できるので、鋳型強度の低下を防止できることを見い出している。
乾式磨鉱は、焙焼砂の表面に存在する炭化物を除去できさえすれば、その条件は特に限定されない。例えば、焙焼砂の表面に存在する炭化物は黒色を呈しているので、目視で、黒色がほぼ見られない程度に除去される条件であればよい。
(iii)その他
(1)焙焼工程に付す前に鋳型廃砂を粉砕機にかけてもよい。粉砕機にかけることで、鋳型廃砂の凝集体を解砕できるので、鋳型廃砂から再生砂を取り出す収量を増やすことができる。
(2)焙焼工程に付す前に鋳型廃砂を磁気選別機(マグネットセパレータ)にかけてもよい。磁気選別機にかけることで、鋳型廃砂に含まれる鋳造残渣を除去できるので、鋳型廃砂から再生砂を取り出す収量を増やすことができる。
(3)焙焼工程から得られた焙焼砂は、磨鉱工程に付す前に、冷却工程に付すことが好ましい。冷却工程に付すことで、急激な温度変化により、焙焼砂の割れを防ぐことができるので、鋳型廃砂から再生砂を取り出す収量を増やすことができる。冷却工程は、焙焼砂を流動させつつ行うことで、焙焼砂の冷却を均一に行うことができる。
(4)磨鉱工程に付された砂を、分級工程に付すことで、所望の粒度分布の再生砂に分級してもよい。
実施例1
滑剤として、ステアリン酸カルシウム(St−Ca)、ステアリン酸亜鉛(St−Zn)、ステアリン酸ナトリウム(St−Na)及びステアリン酸カリウム(St−K)をそれぞれ使用して、鋳型用粘結剤含有砂を以下の手順で作製し、曲げ強度及びイオン溶出濃度を測定した。滑剤は、川村化成工業社から入手したものであり、ステアリン酸と対応する金属との塩を95重量%以上含んでいた。
(1)鋳型用粘結剤含有砂の製造
骨材となる鋳型用原料砂として、エスパール#60(山川産業社製:単位体積当たりの表面積3300cm2/cm3、粒度分布53〜600μm、粒形係数1.03、アルミナとシリカを合計で94重量%(アルミナ77重量%及びシリカ23重量%)含み、合成ムライトを40重量%、合成コランダムを10重量%含む)を使用した。この再生に付されていない鋳型用原料砂を新砂と称する。鋳型用原料砂を160℃に加熱した後、ミキサー(遠州鉄工社製NSC−1型)に入れ、鋳型用原料砂の温度を150℃に保持した。鋳型用原料砂100重量部に対して0.8重量部の樹脂(日立化成社製ノボラック系フェノール樹脂)を添加しつつ鋳型用原料砂を攪拌することで、樹脂と骨材の混合物を得た。次に、混合物を攪拌しつつ、樹脂100重量部に対して15重量部のヘキサメチレンテトラミン(硬化剤)と、骨材100重量部に対して1.3重量部の水(硬化剤の分散媒)とを添加することで、樹脂を硬化させて粘結剤と骨材との混合物を得た。硬化剤の添加約20秒後、冷却を開始し、冷却を約20秒行った。次いで、粘結剤と骨材との混合物を攪拌しつつ、粘結剤と骨材との混合物100重量部に対して0.06重量部の滑剤を添加して、約15秒間攪拌することで、鋳型用粘結剤含有砂(RCS)を得た。なお、得られた鋳型用粘結剤含有砂は、目開き1180μmのふるいを使ってダマを除去した。
得られた鋳型用粘結剤含有砂を用いて、以下の手順で曲げ強度を測定した。曲げ強度は、鋳型強度を示す指標とした。
(2)曲げ強度の測定
(a)測定用テストピースの作製
JACT試験法SM−1曲げ強さ試験法(JIS K 6910対応)に準じて、テストピースの曲げ強度を測定した。具体的な測定条件を下記する。
深さ10mm、幅10mm及び長さ60mmの凹部を5つ有する下金型と、その蓋としての上金型を用意した。下金型と上金型とを250℃±3℃に加熱した後、凹部を約50gの鋳型用粘結剤含有砂で満たした。凹部を満たした鋳型用粘結剤含有砂の上面は、平になるように試料かきとり板で均した。この後、下金型と上金型とを合わせて、60秒間焼成した。焼成後、上金型を取り、下金型の上面に焼成物の上面が合うように、平やすりで焼成物を削った。この後、焼成物を下金型から取り出すことによりテストピースを得た。なお、上金型を開いて、下金型からテストピースを取り出すまでの時間を30秒とした。
得られたテストピースは、デシケーター内で室温(約25℃)まで温度を下げ、曲げ強度の測定時までそのままにした。
上記テストピースの作製を3回行ない、1種類の鋳型用粘結剤含有砂につき計15本のテストピースを得た。
(b)曲げ強度測定
60°の先端角度、1.5Rの最先端の曲率、長さ10mm以上の1対の凸部を、長さ方向が平行であり、間隔が50mmになるように配置したテストピース載置台に、テストピースを載置した。なお、テストピースは、載置台側及びその対向面(上面)側に、平やすりで削った面が位置しないように載置した。
テストピースの上面の中央に、60°の先端角度及び1.5Rの最先端の曲率を有する加圧クサビを用いて荷重を加えた。荷重を加えることで、テストピースが折れた時点の荷重値を記録した。この荷重試験を15本のテストピース毎に行った。
得られた荷重値から、以下の式により曲げ荷重を算出した。
σfb=3×l×P/2×W×h2
(式中、σfbは曲げ荷重(kgf/cm2)、lはテストピース載置台の1対の凸部の間隔(5cm)、Pは荷重値(kgf)、Wはテストピースの幅(1cm)、hはテストピースの高さ(1cm)である)
曲げ強度(kgf/cm2)は、15本の曲げ荷重の平均値とした。
(3)鋳型用粘結剤含有砂の再生
上記曲げ強度を測定したテストピースを粉砕した後、粉砕物を焙焼工程及び乾式磨鉱工程に付すことで鋳型用原料砂に再生した。但し、焙焼工程前に10重量%の新砂を追加した。
なお、焙焼工程は、図1に示すJFE継手焙焼炉(JFE継手社製JTR−G−1型)を使用し、焙焼温度を600℃、焙焼炉内流動差圧を4.5MPa、砂投入量を2.5t/時間の条件で行った。なお、この条件では、鋳型廃砂の実処理時間は約1時間であった。図1中、1は焙焼炉、2は粉砕物投入口、3はバーナー、4は流動床、5は熱交換器、6は砂流動用空気入口、7は冷却用空気入口、8は流動クーラー、9は砂排出バルブ、10は空気ノズル、11は流動差圧計、12は排ガス出口を意味する。
乾式磨鉱は、図2に示すS型ロータリーリクレマー(日本鋳造社製)を使用し、電流負荷を20〜40A、砂投入量を2〜3t/時間とする条件で連続で行った。図2中、21はオリフィス、22はシェルフ、23はシェルフリング、24はロータリードラム、25はファン、26はモーター、27はキャップを意味する。
(4)再生された鋳型用粘結剤含有砂からの曲げ強度の測定
工程(1)と同様にした鋳型用粘結剤含有砂の製造、工程(2)と同様にした曲げ強度の測定、工程(3)と同様にした鋳型用粘結剤含有砂の再生を5回繰り返した。得られた曲げ強度を表1に示す。
また、表1には、新砂及び再生された鋳型用原料砂のイオン溶出濃度を併せて示す。測定対象のイオンは、Ca2+、K+、Na+、Zn2+とした。イオン溶出濃度の測定は、以下の手順で行った。
(イオン溶出濃度)
(1)内標準溶液及び標準溶液の作製
・内標準溶液(Y:50mg/L)
関東化学社製イットリウム標準原液(Y:1000mg/L、原子吸光分析用)25mLを全量フラスコ500mLにとり、精製水を標線まで加えた。
・標準溶液(Ca、K、Na、Zn:100mg/L)
関東化学社製ICP発光分光分析用標準溶液IV(Ca、K、Na、Zn:1000mg/L)10mLを全量フラスコ100mLにとり、精製水を標線まで加えた。
・標準溶液(Ca、K、Na、Zn:10mg/L)
標準溶液(Ca、K、Na、Zn:100mg/L)10mLを全量フラスコ100mLにとり、精製水を標線まで加えた。
・標準溶液(Ca、K、Na、Zn:1mg/L)
標準溶液(Ca、K、Na、Zn:10mg/L)10mLを全量フラスコ100mLにとり、精製水を標線まで加えた。
・標準溶液(Ca、K、Na、Zn:0.1mg/L)
標準溶液(Ca、K、Na、Zn:1mg/L)10mLを全量フラスコ100mLにとり、精製水を標線まで加えた。
・標準溶液(Ca、K、Na、Zn:0.01mg/L)
標準溶液(Ca、K、Na、Zn:0.1mg/L)10mLを全量フラスコ100mLにとり、精製水を標線まで加えた。
(2)検量線の作成(測定範囲Ca、K、Na、Zn:0〜10mg/L)
内標準溶液(Y:50mg/L)20mLを全量フラスコ100mLにとり、標準溶液(Ca、K、Na、Zn:10mg/L)、標準溶液(Ca、K、Na、Zn:1mg/L)、標準溶液(Ca、K、Na、Zn:0.1mg/L)、標準溶液(Ca、K、Na、Zn:0.01mg/L)をそれぞれ標線まで加えた。併せて、別に空試験として内標準溶液(Y:50mg/L)20mLを全量フラスコ100mLにとり、精製水を標線まで加えた標準溶液を調整した。これらを島津製作所社製ICP発光分析装置(ICPS−8100)にて測定し、各測定項目(Ca、K、Na、Zn)の濃度と指示値との関係線(検量線)を作成した。
(3)試料溶液の調整
供試砂50gを300mLポリエチレン製ビーカーにとり、精製水50mL及び0.1mol/L塩酸溶液50mLを加えマグネチックスターラーにて1時間攪拌する。攪拌後、JIS P 3801ろ紙(化学分析用)に規定されたガラス繊維ろ紙によりろ過した。ろ過後、溶液を再度、ADVANTEC社製メンブランフィルター(孔径0.45μm)にて吸引ろ過し、試料溶液(原液)とした。併せて、別に空試験として300mLポリエチレン製ビーカーに精製水50mL及び0.1mol/L塩酸溶液50mLをとり、同様の操作を行った。
(4)試料溶液の測定
内標準溶液(Y:50mg/L)10mLを全量フラスコ50mLにとり、試料溶液(原液)を標線まで加え、島津製作所社製ICP発光分析装置(ICPS−8100)にて測定した。得られた各測定項目(Ca、K、Na、Zn)の濃度と空試験の濃度の差を各測定項目(Ca、K、Na、Zn)のイオン溶出濃度とした。なお、各測定項目(Ca、K、Na、Zn)の濃度が検量線の測定範囲を超える場合には、測定範囲内となるように試料溶液(原液)を精製水にて希釈、調整し、試料溶液(希釈液)を得、内標準溶液(Y:50mg/L)10mLを全量フラスコ50mLにとり、試料溶液(希釈液)を標線まで加え、再度、島津製作所社製ICP発光分析装置(ICPS−8100)にて測定し、各測定項目(Ca、K、Na、Zn)の濃度を得た。試料溶液(希釈液)を測定した場合には、得られた各測定項目(Ca、K、Na、Zn)の濃度と希釈率の積より空試験の濃度を差し引いた値を各測定項目(Ca、K、Na、Zn)のイオン溶出濃度とした。
表1に基づいて、再生繰り返し数(横軸)と、曲げ強度及びイオン溶出濃度(縦軸)との関係を、各滑剤種毎に図3〜6に示す。図3はステアリン酸カルシウム、図4はステアリン酸亜鉛、図5はステアリン酸ナトリウム、図6はステアリン酸カリウムを滑剤とした結果である。また、各滑剤の新砂使用時の曲げ強度と5回目の再生時の曲げ強度との関係を抜き出して図7にまとめた。
表1及び図3〜6から、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸亜鉛は、再生を繰り返すたびに、曲げ強度が低下しているのに対して、ステアリン酸ナトリウム及びステアリン酸カリウムは、ほとんど変化していないことが判る。図3及び4から、曲げ強度は、骨材に付着する二価のイオンであるカルシウムイオン及び亜鉛イオンの増加と共に低下している傾向がみられる。そのため、カルシウムイオン及び亜鉛イオンは、粘結剤製造時の樹脂の硬化に何らかの悪影響(例えば、硬化剤のこれらイオンでの消費、樹脂の硬化部位へのこれらイオンのキレート反応による樹脂の高分子量化)を与えていることが推察される。これに対して、図5及び6から、一価のイオンであるナトリウムイオン及びカリウムイオンは、そのような悪影響を与えないことが推察される。
各滑剤の曲げ強度の低下に与える影響を示す図7から明らかなように、ステアリン酸ナトリウム及びステアリン酸カリウムを滑剤として使用する優位性は、顕著であることが理解できる。
実施例2
滑剤として、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸ナトリウムをそれぞれ使用し、鋳型用原料砂としてシリカ砂(山川産業社製フラタリーサンド、粒度分布75〜600μm、粒形係数1.43)を使用し、樹脂使用量を1.0重量部/骨材100重量部とすること以外は、実施例1と同様にして曲げ強度を測定した。測定結果を各滑剤種毎に図8及び9に示す。図8はステアリン酸カルシウム、図9はステアリン酸ナトリウムを滑剤とした結果である。また、各滑剤の新砂使用時の曲げ強度と5回目の再生時の曲げ強度とを抜き出して図10にまとめた。
図8〜10から、シリカ砂を骨材とした場合でも、ステアリン酸カルシウムは、再生を繰り返すたびに、曲げ強度が低下しているのに対して、ステアリン酸ナトリウムは、ほとんど変化していないことが判る。
実施例3
骨材となる鋳型用原料砂として、サンパール#60(山川産業社製:単位体積当たりの表面積3400cm2/cm3、粒度分布53〜600μm、粒形係数1.04、シリカを50〜54重量%、MgOを32〜36重量%、Fe23を3〜5重量%、アルミナ1〜2重量%、CaOを1重量%未満含む)を使用し、滑剤として、ステアリン酸ナトリウムを使用すること以外は、実施例1と同様にすれば鋳型用粘結剤含有砂を得ることができる。
実施例4
実施例1における新砂を用いて製造した鋳型用粘結剤含有砂に含まれるステアリン酸塩中の陽イオン量及びステアリン酸量を、以下の方法で測定した。
(ステアリン酸塩中の陽イオン分析)
(a)標準溶液、硝酸(2+3)
・標準溶液(Na、K、Ca、Zn:50mg/L)
全量フラスコ100mLにナトリウム標準溶液(Na:1000mg/L)、カリウム標準溶液(K:1000mg/L)、カルシウム標準溶液(Ca:1000mg/L)、亜鉛標準溶液(Zn:1000mg/L)それぞれ5mLを合わせとり、精製水を標線まで加える。
・標準溶液(Na、K、Ca、Zn:10mg/L)
全量フラスコ50mLに標準溶液(Na、K、Ca、Zn:50mg/L)を10mLとり、精製水を標線まで加える。
・硝酸(2+3)
精密分析用硝酸を用いてHNO3:水=2:3(体積比)になるように調整する。
(b)検量線用標準溶液
・検量線用標準溶液(Na、K、Ca、Zn:25mg/L)
全量フラスコ10mLに標準溶液(Na、K、Ca、Zn:50mg/L)を5mLとり、硝酸(2+3)を標線まで加える。
・検量線用標準溶液(Na、K、Ca、Zn:12.5mg/L)
全量フラスコ10mLに標準溶液(Na、K、Ca、Zn:50mg/L)を2.5mLとり、硝酸(2+3)5mLを加えた後、精製水を標線まで加える。
・検量線用標準溶液(Na、K、Ca、Zn:5mg/L)
全量フラスコ10mLに標準溶液(Na、K、Ca、Zn:50mg/L)を1mLとり、硝酸(2+3)5mLを加えた後、精製水を標線まで加える。
・検量線用標準溶液(Na、K、Ca、Zn:1mg/L)
全量フラスコ10mLに標準溶液(Na、K、Ca、Zn:10mg/L)を1mLとり、硝酸(2+3)5mLを加えた後、精製水を標線まで加える。
(c)検量線の作成
検量線用標準溶液(Na、K、Ca、Zn:25mg/L)、検量線用標準溶液(Na、K、Ca、Zn:12.5mg/L)、検量線用標準溶液(Na、K、Ca、Zn:5mg/L)、検量線用標準溶液(Na、K、Ca、Zn:1mg/L)と併せて、別に空試験として全量フラスコ10mLに硝酸(2+3)をとり、精製水を標線まで加えた溶液を調整する。これら溶液のNa、K、Ca、Znの濃度を島津製作所社製ICP発光分析装置(ICPS−8000)にて測定し、Na、K、Ca、Znの指示値との関係線を作成する。
(d)試料の測定
供試砂5gを200mLトールビーカーにとり、精密分析用硝酸を5mL加えてサンドバスで30分間加熱する。再度、精密分析用硝酸5mLを添加し、サンドバスで15分間加熱し、褐色ガスの発生がなくなることを確認した後取出し、冷却する。冷却後、供試砂も含め全量を全量フラスコ50mLに移しとり、精製水を加える。これの水溶液部のNa、K、Ca、Znそれぞれの濃度D(mg/L)を島津製作所社製ICP発光分析装置(ICPS−8000)にて測定する。なお、供試砂に含まれたステアリン酸塩中の陽イオンの割合(重量%)は下記計算式により求める。
(ステアリン酸塩中のステアリン酸分析)
(a)検量線の作成
JIS K 8585ステアリン酸(試薬)に規定されたステアリン酸5mgを50mLナス型フラスコにとり、10%(v/v)メタノール硫酸2mLを添加し、混合する。混合後、マグネチックスターラー上のオイルバスにて60℃で30分間攪拌、加熱し、ステアリン酸メチルエステルを生成する。加熱後、室温まで冷却し、飽和炭酸ナトリウム水溶液を発泡がなくなるまで添加する。その後、脱水したヘキサンを3mL加え、振とう、混合する。混合後、試験管に移しとり、ピペットにて抽出したヘキサン層を島津製作所製社熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS−QP2010 Plus)にて測定し、ステアリン酸メチルエステルのピーク面積を得る。得られたステアリン酸メチルエステルのピーク面積とステアリン酸の重量(mg)をそれぞれ加えたヘキサン量(mL)で除した値から原点を通る関係線を作成する。
なお、下記試料の測定時に溶液が乳化し、ヘキサン層の抽出が困難な場合には、JIS K 8585ステアリン酸(試薬)に規定されたステアリン酸5mgを別の50mLナス型フラスコにとり、10%(v/v)メタノール硫酸2mLを添加し、混合する。混合後、マグネチックスターラー上のオイルバスにて60℃で30分間攪拌、加熱し、ステアリン酸メチルエステルを生成する。加熱後、室温まで冷却し、飽和炭酸ナトリウム水溶液を発泡がなくなるまで添加する。その後、脱水したヘキサンを30mL加え、振とう、混合する。混合後、試験管に移しとり、ピペットにて抽出したヘキサン層を島津製作所社製熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS−QP2010 Plus)にて測定し、再度、ステアリン酸メチルエステルのピーク面積を得る。得られたステアリン酸メチルエステルのピーク面積とステアリン酸の重量(mg)をそれぞれ加えたヘキサン量(mL)で除した値から原点を通る関係線を作成する。
(b)試料の測定
供試砂10gを50mLナス型フラスコにとり、10%(v/v)メタノール硫酸5mLを添加し、混合する。混合後、マグネチックスターラー上のオイルバスにて60℃で30分間攪拌、加熱し、ステアリン酸メチルエステルを生成する。加熱後、室温まで冷却し、飽和炭酸ナトリウム水溶液を発泡がなくなるまで添加する。その後、脱水したヘキサンを3mL加え、振とう、混合する。混合後、試験管に移しとり、ピペットにて抽出したヘキサン層を島津製作所社製熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS−QP2010 Plus)にて測定し、得られたステアリン酸メチルエステルのピーク面積を加えたヘキサン量(mL)で除した値からヘキサン1mL当りに抽出されたステアリン酸の重量(mg/mL)を求める。
なお、試験管に移しとり、ピペットにてヘキサン層を抽出する際に溶液が乳化し、抽出が困難な場合には、供試砂1gを再度、別の50mLナス型フラスコにとり、10%(v/v)メタノール硫酸2mLを添加し、混合する。混合後、マグネチックスターラー上のオイルバスにて60℃で30分間攪拌、加熱し、ステアリン酸メチルエステルを生成する。加熱後、室温まで冷却し、飽和炭酸ナトリウム水溶液を発泡がなくなるまで添加する。その後、脱水したヘキサンを3mL加え、振とう、混合する。混合後、試験管に移しとり、ピペットにて抽出したヘキサン層を島津製作所製熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS−QP2010 Plus)にて測定し、得られたステアリン酸メチルエステルのピーク面積を加えたヘキサン量(mL)で除した値からヘキサン1mL当りに抽出されたステアリン酸の重量(mg/mL)を求める。
これらの結果より、ヘキサン1mL当りに抽出されたステアリン酸の重量(mg/mL)と加えたヘキサン量(mL)の積を供試砂重量(mg)で除した値の百分率から、供試砂に含まれたステアリン酸塩中のステアリン酸の割合(重量%)求める。
上記測定法により得られた供試砂に含まれるステアリン酸塩中の陽イオン量及びステアリン酸量は、
(1)滑剤としてステアリン酸カルシウムを使用した場合、ステアリン酸量が0.043%、カルシウム量が0.010%
(2)滑剤としてステアリン酸亜鉛を使用した場合、ステアリン酸量が0.050%、亜鉛量が0.013%、カルシウム量が0.009%
(3)滑剤としてステアリン酸ナトリウムを使用した場合、ステアリン酸量が0.055%、ナトリウム量が0.005%、カルシウム量が0.008%
(4)滑剤としてステアリン酸カリウムを使用した場合、ステアリン酸量が0.054%、カルシウム量が0.007%、カリウム量が0.008%
であった。
供試砂は、粘結剤と骨材との混合物100重量部に対して0.06重量部のステアリン酸塩(滑剤)を添加して製造されている。上記ステアリン酸量は、滑剤の添加量にほぼ対応している。
また、供試砂全てにカルシウムが含まれている。カルシウムは滑剤以外にも粘結剤中に微量含まれており、表2のカルシウム量には粘結剤由来のカルシウム量も含まれていると解される。供試砂に含まれる滑剤中の陽イオンは、カルシウム以外に含まれる成分の内、カルシウム量の半分以上の量で含まれ、かつ最も量が多いものであると推測できる。具体的には、St−ZnではZn量が、St−NaではNa量が、St−KではK量が最も多く含まれている。そのような条件に当てはまらない場合は、陽イオンはカルシウムであると推測できる。
要するに、上記測定法の内、カルシウム以外に含まれる成分の内、カルシウム量の半分以上の量で含まれ、かつ最も量が多い陽イオンにより、ステアリン酸塩中の金属の種類が特定でき、ステアリン酸量により供試砂中の滑剤量を特定できる。なお、陽イオンの測定値が、そのような条件に当てはまらない場合は、陽イオンはカルシウムであると推測できる。
1 焙焼炉、2 粉砕物投入口、3 バーナー、4 流動床、5 熱交換器、6 砂流動用空気入口、7 冷却用空気入口、8 流動クーラー、9 砂排出バルブ、10 空気ノズル、11 流動差圧計、12 排ガス出口、21 オリフィス、22 シェルフ、23 シェルフリング、24 ロータリードラム、25 ファン、26 モーター、27 キャップ

Claims (5)

  1. 人工砂及び/又は天然砂に由来する骨材と、粘結剤と、滑剤とを含み、前記滑剤が、炭素数10〜24の高級脂肪酸と一価の金属との塩である鋳型用粘結剤含有砂の製造方法であって、
    鋳造後に生じる鋳型廃砂を400〜1000℃の温度範囲で焙焼して焙焼砂を得、前記焙焼砂を磨鉱して鋳型用原料砂として再生する工程と、
    前記鋳型用原料砂を骨材として粘結剤と混合する工程と、
    前記粘結剤と骨材との混合物を滑剤と混合する工程とを含み、
    前記鋳型廃砂が、前記滑剤を使用した鋳型用粘結剤含有砂に由来することを特徴とする鋳型用粘結剤含有砂の製造方法。
  2. 前記高級脂肪酸の一価の金属塩が、ステアリン酸ナトリウム又はステアリン酸カリウムである請求項1に記載の鋳型用粘結剤含有砂の製造方法
  3. 前記高級脂肪酸の一価の金属塩が、前記骨材と粘結剤の合計100重量部あたり、0.01〜0.2重量部含まれる請求項1又は2に記載の鋳型用粘結剤含有砂の製造方法
  4. 前記粘結剤が、フラン樹脂、フェノール樹脂、オイルウレタン樹脂、フェノールウレタン樹脂、アルカリフェノール樹脂、ケイ酸ソーダー及びベントナイトから選択され、前記鋳型用粘結剤含有砂が、シェルモールド法に用いられる請求項1〜3のいずれか1つに記載の鋳型用粘結剤含有砂の製造方法
  5. 前記骨材が、30〜1180μmの粒度分布を有し、かつ6万/d〜180万/d(dは球状物の平均粒子径(μm))の範囲の単位体積あたりの表面積(cm2/cm3)を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の鋳型用粘結剤含有砂の製造方法
JP2015029942A 2015-02-18 2015-02-18 鋳型用粘結剤含有砂の製造方法 Active JP5869161B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029942A JP5869161B1 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 鋳型用粘結剤含有砂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029942A JP5869161B1 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 鋳型用粘結剤含有砂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5869161B1 true JP5869161B1 (ja) 2016-02-24
JP2016150368A JP2016150368A (ja) 2016-08-22

Family

ID=55360913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015029942A Active JP5869161B1 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 鋳型用粘結剤含有砂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5869161B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109128015A (zh) * 2018-10-31 2019-01-04 共享智能铸造产业创新中心有限公司 一种试验用热法再生流化与焙烧炉
CN113070444A (zh) * 2021-03-29 2021-07-06 南阳仁创再生资源有限公司 一种新型覆膜砂及其制备方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6978846B2 (ja) * 2017-03-24 2021-12-08 山川産業株式会社 高い充填性を有する中子製造用の粘結剤含有砂
JP6873548B2 (ja) * 2017-03-28 2021-05-19 ダイハツ工業株式会社 鋳物砂の製造方法
JP6916485B2 (ja) * 2017-04-27 2021-08-11 旭有機材株式会社 人工芝に含まれる砂の再生方法
KR101973491B1 (ko) * 2018-08-28 2019-09-02 서영정밀 주식회사 중력 주조용 모재 중자 및 이를 이용한 모노블럭 브레이크 캘리퍼 하우징의 제조 방법
JP7134136B2 (ja) * 2019-05-24 2022-09-09 Jfeミネラル株式会社 使用済み鋳物砂の再生処理方法および再生処理用焙焼炉

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6466041A (en) * 1987-09-08 1989-03-13 Mazda Motor Coated sand of casting mold
JP2648148B2 (ja) * 1987-06-26 1997-08-27 本田技研工業株式会社 消失模型

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2648148B2 (ja) * 1987-06-26 1997-08-27 本田技研工業株式会社 消失模型
JPS6466041A (en) * 1987-09-08 1989-03-13 Mazda Motor Coated sand of casting mold

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109128015A (zh) * 2018-10-31 2019-01-04 共享智能铸造产业创新中心有限公司 一种试验用热法再生流化与焙烧炉
CN113070444A (zh) * 2021-03-29 2021-07-06 南阳仁创再生资源有限公司 一种新型覆膜砂及其制备方法
CN113070444B (zh) * 2021-03-29 2022-09-20 南阳仁创再生资源有限公司 一种新型覆膜砂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016150368A (ja) 2016-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5869161B1 (ja) 鋳型用粘結剤含有砂の製造方法
JP5819551B1 (ja) 人工砂及び鋳型用粘結剤含有砂
CN110421113A (zh) 一种由旧砂再生废弃物制备的陶粒砂及由该陶粒砂制备的覆膜砂
CN107552720B (zh) 一种铸钢件覆膜砂的抗烧结性检测方法
JP7109444B2 (ja) 鋳型材料及びその製造方法、鋳型の製造方法、並びに回収耐火性骨材の再生方法
CN110125329B (zh) 一种水玻璃旧砂的再生方法
JP4448945B2 (ja) 鋳型砂とその製造方法
JP5075902B2 (ja) 鋳型砂とその製造方法
JP5600472B2 (ja) 鋳物砂及び鋳物砂組成物並びにそれを用いて得られた鋳造用鋳型
JP5933800B1 (ja) 鋳型用粘結剤含有砂及びその製法
JP2019048329A (ja) 回収鋳物砂の再生方法
JP2006068815A (ja) 生型廃砂の再生方法及び鋳型用骨材
JP2013188789A (ja) 人工砂およびその製造方法
JP2013043180A (ja) 鋳型砂とその製造方法
JP6564837B2 (ja) 鋳型用粘結剤含有砂、その製造用の原料砂、鋳型及び原料砂の製造方法
JP6738956B1 (ja) 鋳型再生砂、レジンコーテッドサンド及び鋳型
JP6738955B1 (ja) 鋳型再生砂、レジンコーテッドサンド及び鋳型
CN110202091B (zh) 一种碳化钨颗粒增强整体铁基复合材料的制备方法
EP0785835B1 (en) Moulds and cores made of crushed and graded magnetite ore and process for casting metal using them
KR20180072810A (ko) 소결광의 제조 방법
CN108941440B (zh) 一种用于砂型铸造的复合特种砂及其制备方法
CN108838332B (zh) 用于大中型铸件的砂型及其制备方法
JP2965782B2 (ja) 廃珪砂を利用した人工砂の製造方法
AU2022310919A1 (en) Inorganic binder system
CN117819948A (zh) 一种钢包用上水口砖及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5869161

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250