JP2965782B2 - 廃珪砂を利用した人工砂の製造方法 - Google Patents

廃珪砂を利用した人工砂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、鋳物砂再生処理工程や鋳物砂用
珪砂製造工程等において発生する廃珪砂を、鋳造用鋳物
砂や建築、土木用砂等に再利用し得る技術に関するもの
である。
【0002】
【背景技術】従来から、珪石や天然珪砂を粉砕し、整粒
処理して得られる鋳物用珪砂は、鋳鉄、鋳鋼、アルミニ
ウム、銅合金等の鋳造に際して、ベンナイトや水ガラス
等の無機質バインダーや、フラン樹脂、アルカリフェノ
ール樹脂及びフェノール樹脂等の有機質バインダー、或
いはまた必要に応じて補助材料が添加された後、所望の
鋳型に造型されて、使用されてきており、極く一部の特
殊な鋳造法を除き、鋳物の製造においてはなくてはなら
ない材料となっている。
【0003】そして、このような鋳型として使用された
珪砂には、鋳造後、型ばらしや砂落し処理等によって鋳
物から取り除かれた後、再使用を目的として再生処理が
行なわれている。この再生処理には、幾つかの方法があ
り、例えば、かかる鋳物用珪砂を、空気移動方式等によ
り回転羽根に衝突せしめ、粒子の孤立化及び研磨効果に
よる砂表面の清浄化を行なう方法や、また有機質系樹脂
をバインダーとして用いた場合においては、流動焙焼炉
により焙焼し、ロータリーリクレーマー等によって砂表
面の付着物を除去する方法等が、採用されている。そし
て、それらの何れの方法においても、そのような再生処
理によって表面が清浄化された砂の内、粒度の大きいも
のだけが、鋳物砂として再使用されているのである。
【0004】しかるに、このような再生処理にあって
は、砂表面の清浄化を行なうために、何れの方法におい
ても、鋳物から取り除かれた珪砂に対して機械的、熱的
な力が加えられることとなるため、該珪砂粒子の破壊が
惹起せしめられ、清浄ではあるが微細になり過ぎて、再
使用不能な珪砂粒子が発生してしまうのである。
【0005】一方、珪石や天然珪砂を粉砕して、新た
に、鋳物用珪砂を製造するに際しても、その粉砕物を整
粒処理する工程において、鋳物用珪砂としては使用不能
な、微細な珪砂粒子が、不可避的に発生している。
【0006】これら鋳物用珪砂として使用不能な微細な
珪砂粒子は、廃珪砂と呼ばれ、上記の如き鋳物用珪砂の
製造工程や再生処理工程の何れにおいても多量に発生す
るものであるが、そのような廃珪砂は、現在までのとこ
ろ、湾岸等の埋め立て用材料として用いられるか、或い
はその極く一部が建築、土木用のコンクリートブロック
用材料として使用されているに過ぎず、殆ど有効利用さ
れていないのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その課題とするところ
は、鋳物砂再生処理工程や鋳物砂用珪砂製造工程等にお
いて、多量に発生する廃珪砂を有効利用して、鋳造用鋳
物砂として再利用が可能な人工砂や、建築、土木用砂に
好適に用いられ得る人工砂を工業的に有利に合成、製造
する方法を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、上記の如き課題を解決するため
に、本発明にあっては、廃珪砂を平均粒径:100μm
以下に粉砕した後、所定の大きさに造粒し、次いでその
造粒物を見掛気孔率が20%以下となるように加熱焼結
せしめ、更にその得られた焼結体を、そのまま又は粉砕
処理した後、粒度調整を行なうことを特徴とする廃珪砂
を利用した人工砂の製造方法を、その要旨とするもので
ある。
【0009】
【具体的構成】ところで、かかる本発明において用いら
れる廃珪砂は、前記した如く、鋳物用珪砂の製造時や鋳
造後に鋳物から取り除かれた鋳物用珪砂の再生処理時等
において、不可避的に発生する、鋳物砂として使用不能
な微細な粒子であり、しかも粒度分布が大きく、またそ
の化学組成や物理的性質にもバラツキがある粒子である
ため、そのような廃珪砂を、そのままで有効に利用し得
る用途が、殆ど無かったのである。そこで、本発明は、
かかる廃珪砂に対し、簡便な操作を施すだけで、所定の
大きさの粒子と適当な化学組成や物理的性質を有する人
工砂を製造し、そしてこれを鋳物砂や建築、土木用砂等
として有効利用しようとするものである。
【0010】而して、本発明においては、目的とする人
工砂を得るために、そのような廃珪砂が、ボールミル等
に投入され、湿式若しくは乾式にて、平均粒径が100
μm以下となるように粉砕される。かかる廃珪砂が、そ
の後の加熱処理において、焼結がより容易となり、また
焼結体内の組織が均質化せしめられるためには、平均粒
径が100μm以下となるように粉砕せしめられる必要
があるからである。また、この粉砕により、その後の造
粒操作において、得られた粉砕粉末を、目的とする人工
砂の用途に応じた所定の大きさに造粒することも容易と
なるのである。
【0011】なお、本発明に従って鋳物砂用の人工砂を
製造する場合には、この粉砕処理に先立って、予め、か
かる廃珪砂の化学組成が分析される。そして、鋳物砂と
して適当な化学組成となるように、必要に応じて、かか
る廃珪砂に対してシリカ質、アルミナ質或いはシリカ−
アルミナ質等からなる化学組成の調整用粉末が添加せし
められ、湿式若しくは乾式にて、廃珪砂と共に粉砕、混
合せしめられることとなる。一般に、鋳物砂は、鋳型の
優れた寸法精度を得るために、高温の溶湯と接触せしめ
られるに際しても、熱に対して安定であることが望まれ
るが、この鋳物砂の熱に対する安定性は、その化学組成
に依存しており、特に、シリカ及びアルミナの含有量に
大きく影響される。従って、本発明において使用される
化学組成調整用粉末としては、シリカ質粉末、アルミナ
質粉末或いはシリカ−アルミナ質粉末等が好ましいので
ある。そして、この化学組成調整用のシリカ質粉末、ア
ルミナ質粉末或いはシリカ−アルミナ質粉末としては、
従来から公知の物の何れもが使用され得るが、中でも、
より一般的な珪石、珪砂、粘土、長石、カオリン、ばん
ど頁岩、水酸化アルミ、アルミナ等が好適に使用される
こととなる。
【0012】通常、鋳物砂として好適な化学組成は、鋳
込金属の種類や製品の熱容量等の種々の要因により決定
されるが、本発明にあっては、廃珪砂を出発原料として
いるところから、成分調整後の製品成分組成において、
シリカの含有量が、少なくとも50重量%以上とされ、
且つシリカ及びアルミナの合計含有量が、80重量%以
上であり、残部のFe2 3 ,TiO2 ,CaO,Mg
O,K2 O,Na2 O等の不純物の合計含有量が、20
重量%を越えないようにされていることが、経済的に
も、作業的にも最も効率的である。
【0013】また、本発明にあっては、砂の品質面から
見ると、成分調整後の製品成分組成において、シリカ及
びアルミナ成分の合計含有量が、90重量%以上で、残
部の不純物の合計含有量が、10重量%を越えないよう
にされていることが、より好ましく、更に、耐熱性、強
度、耐久性等の面から、不純物の合計含有量が、出来る
限り、低くされていることが、なお望ましいのである。
換言すれば、本発明において、鋳物砂用等の人工砂を製
造する場合には、上記の如き化学組成となるように、廃
珪砂に対して、化学組成調整用粉末が添加せしめられる
ことが望ましく、またこれによって、熱に対して安定
で、鋳型として優れた寸法精度を発揮し得る鋳物砂用等
の人工砂が得られるのである。
【0014】そこにおいて、本発明に係る人工砂が、そ
のように好適な製品成分組成を得るためには、成分調整
に用いられるシリカ及びアルミナ成分以外の不純物が、
原料たる廃珪砂から、該人工砂へ持ち込まれることを、
可及的に低減せしめることが重要である。それには、例
えば、鋳物砂の製造及び再生処理工程中に、磁石等を用
いた除鉄工程を設備し、それにより鉄や酸化鉄等を除去
せしめる等して、廃珪砂中に含まれる不純物を、積極的
に減少させることが、最も有効である。
【0015】また、廃珪砂から持ち込まれる不純物の増
加を防止して、目的とする人工砂の品質の向上を図る上
においては、原料たる廃珪砂として、有機質バインダー
が使用された鋳型の廃珪砂を、選択、利用することが好
ましく、更にかかる人工砂や通常の鋳物砂を用いて鋳型
を製造する際に、有機質バインダーのみを使用すること
が望ましい。けだし、鋳型を造型する際には、一般に、
フラン樹脂、アルカリフェノール樹脂、フェノール樹脂
等の有機質バインダーの他に、ベンナイトや水ガラス等
の無機質バインダーが、適宜に使用されるが、それらの
バインダーは高温焼成された場合、有機質バインダーは
焼失してしまうが、無機質バインダーにおいて、珪酸ソ
ーダ等のバインダーは焼失しない。そのため、そのよう
な無機質バインダーが使用された鋳型の廃珪砂を用い
て、本発明に従い、焼成により人工砂を製造する場合に
あっては、珪酸ソーダ等のバインダーが不純物として残
留し、再生回数の増加につれて、人工砂中に、それら不
純物が蓄積されてしまい、上記の如き良好な製品成分組
成を得ることが困難となるからであり、その上、それら
無機質バインダーに、ガラス質が多く含まれることか
ら、得られる人工砂の耐熱性が低下するといった問題を
も、惹起されるからである。
【0016】次に、本発明に従い、上記の如き廃珪砂原
料を粉砕して得られる100μm以下の平均粒径の粉末
を造粒するには、その粉砕手法に応じた一般的な方法、
例えば、湿式粉砕混合方法により得られる泥漿は、その
ままスプレードライヤーによって造粒する方法や、フィ
ルター脱水機にて脱水した後、押出成型機によって造粒
する方法、また乾式粉砕混合方法により得られる乾燥粉
末は、転動造粒機等によって乾式造粒する方法等が採用
され得るのであるが、特に、本発明にあっては、これら
造粒方法の中から、目的とする人工砂の用途に応じた粒
子の大きさに造粒し得る方法が適宜に選択されるのであ
る。例えば、鋳物砂には、優れたガス抜き特性と崩壊性
を有した鋳型を製造し得る、比較的小さな球状粒子が要
求されるため、鋳物砂用の人工砂を製造する場合は、湿
式粉砕混合にて得られた泥漿を、目的とする小さな球状
粒子に造粒し得る、スプレードライヤーによる造粒方法
が好適に採用され、また建築、土木用砂は、コンクリー
ト用材料として比較的大きな粒子が好ましく、そのため
建築、土木用砂用の人工砂を製造する際には、ペレット
状の比較的大きな造粒物を与え得る押出成型機による造
粒方法が、有利に選択されることとなる。
【0017】そして、このようにして得られた造粒物
は、本発明に従い、大気雰囲気中において、見掛気孔率
が20%以下の緻密組織を有するようになるまで加熱・
焼結せしめられるのである。かくして得られる焼結体に
おいて、見掛気孔率が20%を越えるようなものは、吸
水性が高く、粒子強度が弱くなってしまうのであり、そ
のため、そのような焼結体を鋳物砂として使用する場合
は、鋳型を造型する際に添加せしめられるバインダーの
使用量が増大して、原料コストが高騰したり、造型され
る鋳型の強度が低下する等といった不具合を生じるので
あり、また建築、土木用砂として用いる場合にあって
は、コンクリート用骨材としての強度が充分に得られな
い等という問題が惹起される。
【0018】また、かかる造粒物の加熱焼結操作におい
ては、ロータリーキルンやトンネルキルン、或いはシャ
フトキルン等の一般的な焼成設備が何れも使用され得る
が、その加熱温度は、一般に、1300℃〜1700℃
の温度範囲とされることが望ましい。加熱温度が130
0℃より低いと、見掛気孔率が20%以下の緻密組織を
有する焼結体が、得られ難く、また1700℃を越える
温度で加熱すると、焼結体が溶融し始めるからである。
【0019】なお、この造粒物の加熱焼結時において、
粒子の融着が多い場合は、粒子間の融着を防止するため
に、適当なセラミックス粉末、例えば、ムライト、水酸
化アルミ、アルミナ粉末等を、かかる造粒粒子と共にロ
ータリーキルン等へ投入し、焼結の後、粒子表面から必
要に応じて該粉末を取り除き、目的とする孤立した焼結
体を得ることも可能である。
【0020】そして、この焼結体には、必要に応じて、
従来から公知の方法にて粉砕、研磨が行なわれ、また一
般的な方法によって、それぞれの用途において要求され
る粒径分布を有するように粒度調整が為され、以て目的
とする人工砂が得られることとなる。
【0021】かくして本発明に従って得られる人工砂
は、ガス抜き特性、崩壊性、寸法精度及び強度において
優れた特徴を有する鋳型を製造し得る鋳物砂用人工砂と
して、或いは適度な粒径と優れた粒子強度を有する建
築、土木用砂用人工砂として、それぞれ有利に用いられ
得ることとなるのである。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが理解されるべき
である。
【0023】ここでは、珪砂を主鋳物砂として用いたシ
ェルモールド法鋳型の再生処理工程より発生した、下記
表1に示される如き化学組成を有する廃珪砂を試料1と
し、また鋳物砂用珪砂製造工程より発生した、同じく下
記表1にて示されるような化学組成よりなる廃珪砂を試
料2として、それら試料を用いて、以下の如き試験を行
なった。
【0024】
【表1】
【0025】先ず、これら試料1、2を各々ボールミル
中に投入し、これに水を加えて、湿式法により粉砕、混
合を行ない、それぞれの泥漿を得た。その後、この得ら
れた泥漿の粒度分布を測定した。その結果を下記表2
に、またそれぞれの泥漿比重と水分含量を下記表3に示
す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】次いで、これらの泥漿を、それぞれ、スプ
レードライヤーによって造粒した。これにより得られた
造粒粒子のそれぞれの粒度分布を測定した結果を、下記
表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】さらに、かくして得られた造粒粒子を、ガ
ス炉にて、1300℃〜1600℃の加熱温度で、それ
ぞれ30分間の加熱処理(焼成)を行ない、目的とする
人工砂である加熱処理粒子を得た。それぞれの加熱処理
粒子の化学組成を下記表5に示し、またそれら加熱処理
粒子の加熱温度別の物理的特性、即ち吸水率、見掛比
重、嵩比重及び見掛気孔率をそれぞれ測定した結果を下
記表6に示し、更にそれぞれの加熱粒子の構成鉱物を下
記表7に示す。なお、これらの物理的特性の測定は、
「JIS−R−2205−74 耐火れんがの見掛気孔
率、吸水率及び比重の測定方法」に準じて、行なった。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】これらの表の結果から明らかなように、鋳
造後の鋳物砂再生処理工程並びに鋳物砂用珪砂製造工程
において発生する廃珪砂を、100μm以下に粉砕し、
そして、この得られた粉末を造粒し、その後この造粒物
を1300℃〜1700℃の温度で加熱処理することに
よって、見掛気孔率が20%以下の緻密組織を有する焼
結体が得られた。これは、本発明に従って得られる焼結
体が、その粒子の緻密さから建築、土木用砂として使用
するのに充分な強度を有していることを示している。
【0035】そして、表6に示される加熱処理粒子のう
ち、加熱処理により緻密組織を有する人工砂となった試
料1における1500℃での加熱処理粒子と、試料2に
おける1400℃での加熱処理粒子と、それに加え比較
用として鋳物用5号珪砂とを用い、これらについて、鋳
物砂として要求される鋳型強度及び鋳型の熱に対する安
定性を明らかにすべく、以下のような試験を行なった。
【0036】先ず、それぞれの試料を鋳物砂として用い
て造型される鋳型の強度を明らかにするために、それぞ
れの試料を用いて、レジンコーテッドサンド(RCS)
法によりフェノール樹脂をコーティングして、シェルモ
ールド鋳型を各々作製し、得られた鋳型について、その
抗折強度を測定した。より詳細には、試料1、2、鋳物
用5号珪砂のそれぞれ100部を、ヒーターによって約
150℃に加熱した後、各々スピードミキサーに投入
し、ノボラック型フェノール樹脂をそれぞれの試料に対
して1.8%入れ、ミキサー中で60秒間混練して、か
かる樹脂を各試料に被覆した。そして、この樹脂被覆さ
れたそれぞれの試料に対して水1.5%と樹脂に対して
ヘキサメチレンテトラミン15%とを水溶液にして入
れ、約30秒後に内容物が乾体自由流動に成ったところ
で、滑剤としてステアリン酸カルシウムをそれぞれの試
料に対して0.1%入れ、更に約15秒間混練した後、
ミキサーから排出して、目的とする樹脂被覆鋳物砂、即
ちRCSを得た。このようにして得られたそれぞれのR
CSを、250℃の加熱された金型に入れ、樹脂を硬化
させ、それぞれ試験片を作製した。そして、これら試験
片を「JIS−K−6910」に準じて、鋳型の抗折強
度を測定した。その結果を下記表8に示す。
【0037】
【表8】
【0038】次いで、これらの試料にて得られる鋳型の
熱に対する安定性を明らかにするために、上記如きRC
S法によって得られたそれぞれの試験片を、1000℃
の電気炉の中へ入れて曝熱せしめ、その曝熱時点からの
熱変化を測定する曝熱式熱膨張測定法によって、鋳型の
熱変化を測定した。そして、その結果を、下記表9に示
した。
【0039】
【表9】
【0040】以上の評価結果より明らかなように、鋳造
後の鋳物砂再生処理工程並びに鋳物砂用珪砂製造工程に
おいて発生する廃珪砂を、100μm以下に粉砕した
後、その得られた粉末をスプレードライヤーにて球形に
造粒し、その後この造粒物を1300℃〜1700℃の
温度で加熱処理することによって得られる、見掛気孔率
が20%以下の緻密組織を有する人工砂を用いて製造さ
れた鋳型は、一般に使用される鋳物砂用珪砂により得ら
れた鋳型と比較しても、抗折強度において殆ど変わらな
い値を示し、熱による変化量においては、寧ろ小さい値
を示している。即ち、これは、かかる人工砂によって、
一般に使用される鋳物砂用珪砂にて得られる鋳型と比較
して、同程度の強度と熱に対してより安定な鋳型を製造
し得ることを示す結果となっているのである。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にあっては、鋳物砂用珪砂の製造や鋳造後の鋳物砂の再
生処理等の工程において、不可避的に発生する廃珪砂を
粉砕した後、目的とする人工砂の用途に応じた大きさに
造粒し、次いでその得られた造粒物を見掛気孔率が20
%以下となるように加熱焼結せしめ、更にその得られた
焼結体を必要に応じて粉砕処理した後、粒度調整を行な
うことによって、一般に使用される鋳物砂用珪砂と同様
に、高強度で、熱変化の少ない鋳型を製造し得る、鋳物
砂として再使用が可能な人工砂や、建築、土木用砂とし
て、優れた強度を有するコンクリート用材料を与え得る
人工砂を製造し得るのである。そして、これによって、
本発明は、これまで、何等、有効利用されていなかった
廃珪砂を工業的に極めて有効に再利用し得ることとなっ
たのである。
【0042】また、本発明にあっては、使用される原料
が多量に発生する廃珪砂であり、またその製造工程が、
何等特別な装置や複雑な工程を必要としないもので、一
般的な装置によって、簡便な粉砕、造粒、加熱焼結、粒
度調整という操作を施すだけのものであることから、鋳
物砂や建築、土木用砂に用いられる砂粒を非常に安価
に、且つ大量に製造し得るのである。
【0043】また、特に、本発明に従って鋳物砂用人工
砂を製造、再利用する場合にあっては、鋳造後の再生処
理時に発生する微粉を、再度、本発明に従い粉砕、造
粒、加熱焼結せしめることによって、該微粉から更に鋳
物砂として使用可能な人工砂が得られるため、かかる廃
珪砂を繰り返し利用することが可能となり、以て鋳物砂
用珪砂の製造工程及び鋳造後の鋳物砂の再生処理工程に
おける歩留りを著しく向上せしめ、またその経済効率も
飛躍的に高め得ることとなったのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 眞 愛知県瀬戸市塩草町11番地の4 内外セ ラミックス株式会社内 (72)発明者 津村 克則 愛知県瀬戸市塩草町11番地の4 内外セ ラミックス株式会社内 (72)発明者 藤井 隆平 愛知県瀬戸市塩草町11番地の4 内外セ ラミックス株式会社内 (72)発明者 吉年 信雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 藤尾 俊一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−18251(JP,A) 特開 昭51−140823(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22C 5/00 - 5/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃珪砂を平均粒径:100μm以下に粉
    砕した後、所定の大きさに造粒し、次いでその造粒物を
    見掛気孔率が20%以下となるように加熱焼結せしめ、
    更にその得られた焼結体を、そのまま又は粉砕処理した
    後、粒度調整を行なうことを特徴とする廃珪砂を利用し
    た人工砂の製造方法。
JP7912792A 1992-02-28 1992-02-28 廃珪砂を利用した人工砂の製造方法 Expired - Lifetime JP2965782B2 (ja)

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