JPH06154941A - 鋳物砂の再生方法及び鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳物砂の再生方法及び鋳型の製造方法

Info

Publication number
JPH06154941A
JPH06154941A JP33533992A JP33533992A JPH06154941A JP H06154941 A JPH06154941 A JP H06154941A JP 33533992 A JP33533992 A JP 33533992A JP 33533992 A JP33533992 A JP 33533992A JP H06154941 A JPH06154941 A JP H06154941A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sand
mold
recovered
binder
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33533992A
Other languages
English (en)
Inventor
Teikan Miyawaki
禎完 宮脇
Akira Yoshida
昭 吉田
Naoki Kiyouchika
直喜 京近
Katsumi Matsuyama
克巳 松山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurimoto Ltd
Kao Quaker Co Ltd
Original Assignee
Kurimoto Ltd
Kao Quaker Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurimoto Ltd, Kao Quaker Co Ltd filed Critical Kurimoto Ltd
Priority to JP33533992A priority Critical patent/JPH06154941A/ja
Publication of JPH06154941A publication Critical patent/JPH06154941A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成ムライト砂と水溶性フェノール樹脂とを
使用して得られた鋳型からの回収砂を、良好に再生する
方法を提供する。 【構成】 鋳物砂が合成ムライト砂で、粘結剤が水溶性
フェノール樹脂で、この粘結剤の硬化剤が有機エステル
化合物である鋳型から砂を回収する。回収砂に、加熱処
理を施す。加熱処理の温度は、200〜500℃であるのが好
ましい。この後、乾式研磨処理を施して合成ムライト砂
を再生するのである。この再生砂を使用し、水溶性フェ
ノール樹脂を含有する粘結剤とを混練する。そして、自
硬性鋳型造型法で又はガス硬化性鋳型造型法で鋳型を得
ることができる。 【効果】 この再生方法を採用すれば、再生砂の表面の
焼け残り成分量を少なくでき、新砂に近似した再生砂と
なる。従って、この再生砂を使用して鋳型を製造すれ
ば、高強度の鋳型が得られる。また、この鋳型を使用す
れば、品質の良好な鋳物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳物砂として合成ムラ
イト砂を使用し、粘結剤として水溶性フェノール樹脂を
使用した鋳型からの回収砂を、効率的に再生する方法に
関するものである。また、この再生した鋳物砂を使用し
て、高強度の鋳型を製造する方法に関するものである。
なお、本発明において、鋳型という表現は中子をも包含
する意味で使用されている。
【0002】
【従来の技術】水溶性フェノール樹脂を粘結剤として使
用して、鋳型を製造する方法が、鋳物品質及び作業環境
に優れるとして、多くの鋳物会社で採用されたり、検討
が行なわれている。特に、鋳鋼分野では、従来から使用
されている鋳型の製造法である水ガラスを中心とする粘
結剤、すなわち、水ガラス/CO2、水ガラス/ダイカ
ル法の一部が上記鋳型製造法に転換されつつある。
【0003】また、鋳型の製造に用いる鋳物砂(耐火性
粒状材料)も、従来から多く用いられてきた珪砂,ジル
コン砂,クロマイト砂,オリビン砂等の欠点を補う目的
で、人工的に調整された鋳物砂の使用の検討がされてい
る。工業的に採用されているものには、各種鉱物を相互
に組み合わせ、混合粉砕し、泥漿状態にしたものをスプ
レードライヤーで造粒し、高温焼成する方法で得られる
合成ムライト砂等が挙げられる。この合成ムライト砂に
は、熱膨張量が少ない、耐火度が高い、硬度が高い、熱
衝撃に強い、球状であるといった特長がある。また、か
さ密度が珪砂と同じ程度であるため、ジルコン砂やクロ
マイト砂の代わりにしようした場合、重量が軽くて、造
型時や鋳型を持ち運ぶ時のハンドリングが良いといった
利点も有している。
【0004】従って、水溶性フェノール樹脂を使用して
鋳型を製造するのに、この合成ムライト砂を使用すれ
ば、鋳物品質や作業環境に優れるのはもちろん、耐火物
の硬度が高いことや熱衝撃に強いことが、鋳物砂の回
収,再生,再使用するときに高い歩留まりを実現し、産
業廃棄物の廃棄量を減少せしめ、造型時のハンドリング
が良いことが生産性向上にむすびつくとして、鋳物業界
で真剣に導入が試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水溶性フェノール樹脂
を用いた鋳型製造法で使用した鋳物砂を再利用すると、
しだいに鋳型の強度が低下する傾向があった。従って、
一旦鋳造した後再使用を目的とする回収砂や複数回繰り
返して使用した再生砂を用いるほど鋳型強度の確保が難
しくなり、ますます粘結剤の砂に対する使用量が多くな
る等の悪循環に陥りやすい欠点があった。また、このよ
うな鋳型中の粘結剤量の増大は、注湯時の熱分解ガス量
の増大につながり、鋳物のガス欠陥及び、作業環境の悪
化につながる等の欠点を併せ持つことになる。かような
欠点を少しでも軽減するために、一般的には砂表面の残
留有機物やアルカリ分の除去のため、強度の機械的研磨
再生処理を行なうと同時に、新砂の補給割合を多くする
か、もしくは砂の使い捨て等で対処しているのが現状で
あった。このため、鋳物砂を再生で使用する場合には、
砂の回収率(再生率)はせいぜい85%程度が限界であっ
た(FOUNDRY TRADEJOURNAL -8/22 DECEMBER 1989)。
【0006】このように低い回収率では、合成ムライト
砂を鋳物砂として使用しても、先に記述したいろいろな
メリットの実現が不可能である。逆に、高硬度・球状と
いう性質が機械的研磨処理時の破砕性の低さをもたら
し、珪砂の場合には破砕した微粉分と一緒に除去されて
しまう残留有機物やアルカリ分までが残ってしまい、再
生効率は低く、新砂の補給割合が珪砂の場合よりも高く
なってしまう欠点を有している。
【0007】鋳型又は中子から砂を再生するには、鋳造
物を取り出した後に、使用済み鋳型と中子を機械的な振
動又は分解して砂をばらばらにし、塊又は凝集体を破壊
し砂を回収する。回収した砂表面には粘結剤の焼け残り
成分が存在するため、普通は次に再生処理する。砂の再
生方法には一般的に認められた3方法(機械的,湿式,
熱的)がある。湿式再生方法は、洗浄水に関連した廃棄
問題と砂の乾燥に要するエネルギーコストのために、比
較的好ましくない方法である。熱的再生方法では、通常
800℃前後の熱処理が必要とされるため、エネルギーコ
ストが高く、比較的好ましくない方法である。この反
面、機械的再生方法は最も経済的であるために、鋳物工
業で一般的に用いられており、普及している再生方法で
ある。
【0008】かようにして得られた再生砂において、水
溶性フェノール樹脂を有機エステルで硬化させるバイン
ダープロセスでは、十分な鋳型強度が得られないという
前述したごときの本プロセス特有の欠点が存在し、広く
普及している酸硬化性フラン樹脂の場合とは全く異なる
現象であり、改良が望まれている。特に、鋳物砂として
前述の合成ムライト砂を使用した場合、粘結剤の焼け残
り成分の除去が、従来の鋳物砂にくらべて困難であり、
改良が強く望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
合成ムライト砂を再生する際、機械的再生を行なう前に
所定の温度で加熱処理することにより、鋳込み時の粘結
剤の焼け残り成分の除去が効率的に行なうことができ、
且つ、この方法で再生された鋳物砂から造型された鋳型
の強度が大幅に向上することを見出し、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は、鋳物砂として合成ムライ
ト砂を使用し、且つ粘結剤として水溶性フェノール樹脂
を使用して、該粘結剤を有機エステル化合物で硬化させ
て得られた鋳型からの回収砂を再生するに際し、回収砂
に加熱処理を施した後、乾式研磨処理を施すことを特徴
とする鋳物砂の再生方法、及びこの再生方法によって得
られた再生砂を使用して鋳型を製造する方法に関するも
のである。
【0010】本発明に係る方法で使用する鋳物砂は、合
成ムライト砂である。合成ムライト砂は、アルミノケイ
酸塩を主体とするセラミックスの一種であり、各種鉱物
を相互に組み合わせ、混合粉砕し、泥漿状態にしたもの
をスプレードライヤーで造粒し、高温焼成して得られる
ものである。
【0011】一方、本発明に係る方法で使用する粘結剤
は、水溶性フェノール樹脂である。水溶性フェノール樹
脂としては、従来公知のものが使用でき、具体的には、
フェノール,クレゾール,レゾルシノール,3,5-キシレ
ノール,ビスフェノールA,その他の置換フェノール等
のフェノール類を、大量のアルカリ性物質の水溶液中
で、ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒド,アセト
アルデヒド,フルフラール及びアルデヒドとの混合物等
のアルデヒド類と反応させることによって得られるもの
である。ここで使用されるアルカリ性物質としては、水
酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム等が
単独で又は混合して用いられるが、特に水酸化カリウム
を用いるのが好ましい。
【0012】このような水溶性フェノール樹脂よりなる
粘結剤は、有機エステル化合物で良好に硬化する。有機
エステル化合物としては、環状有機エステルであるラク
トン類,又は炭素数1〜10の一価若しくは多価アルコー
ルと炭素数1〜10の有機カルボン酸より誘導される有機
エステルが、単独で又は混合して使用される。自硬性で
鋳型を製造する際には、γ−ブチロラクトン,プロピオ
ンラクトン,ε−カプロラクトン,ギ酸エチル,エチレ
ングリコールジアセテート,エチレングリコールモノア
セテート,トリアセチン等を使用するのが好ましく、ガ
ス硬化性で鋳型を製造する際には、ギ酸メチル等を使用
するのが好ましい。
【0013】上記した合成ムライト砂と水溶性フェノー
ル樹脂と有機エステル化合物とを使用して得られた鋳型
中の、合成ムライト砂を再生するには、以下の如き方法
を採用する。即ち、まず、使用済み鋳型に機械的な振動
等を与えて分解し、鋳型をばらばらにする。そして、塊
や凝集体を破壊して合成ムライト砂を回収する。この回
収された合成ムライト砂(回収砂)には、その表面にフ
ェノール樹脂等の焼け残り成分が残存している。次に、
この回収砂に加熱処理を施す。加熱処理は、回収砂の温
度が、200〜500℃になるようにして行なうのが好まし
い。回収砂の温度が200℃未満であると、その後に乾式
研磨処理を施しても、再生効率が十分に向上しない傾向
が生じる。逆に、回収砂の温度が500℃を超えると、乾
式研磨処理を施す前に回収砂を冷却する必要が生じた
り、温度が高すぎてエネルギーコストが高価になる傾向
が生じる。そして、この加熱処理の後、回収砂に従来公
知の乾式研磨処理を施して、回収砂を再生するのであ
る。
【0014】以上のようにして得られた再生砂(再生さ
れた合成ムライト砂)は、再び鋳型製造の際の鋳物砂と
して使用されるのである。即ち、再生砂のみ又は再生砂
に所望量の新砂(未使用の合成ムライト砂)を添加して
なる鋳物砂と、水溶性フェノール樹脂と、有機エステル
化合物とを混練し、この混練物を所望の型に充填して、
水溶性フェノール樹脂を硬化させて鋳型を得ることがで
きる(自硬性鋳型造型法)。また、再生砂に所望量の新
砂(未使用の合成ムライト砂)を添加してなる鋳物砂
と、水溶性フェノール樹脂とを混練し、この混練物を所
望の型に充填して、有機エステル化合物をガス状又はエ
アロゾル状で混練物に注入することによって、水溶性フ
ェノール樹脂を硬化させて鋳型を得ることができる(ガ
ス硬化性鋳型造型法)。
【0015】
【実施例】
実施例A ナイガイセラビーズ60 #500(内外セラミックス株式
会社製、合成ムライト砂)100重量部に対して、カオー
ステップQX-130(花王クエーカー株式会社製、水溶性フ
ェノール樹脂用有機エステル系硬化剤)を0.625重量
部,カオーステップS-602(花王クエーカー株式会社
製、水溶性フェノール樹脂)を2.5重量部添加混練して
なる混練物を、木型模型に充填し、重量が40kgの鋳型を
10個製造した。次に、クラッシャーでこの鋳型が砂粒に
なるまで破砕し、回収砂とした。この回収砂に、プロパ
ンガスのバーナーで加熱処理を施した。加熱処理の温度
及び時間は、表1に示すように種々変更した。加熱処理
した後、ロータリーリクレーマM型(日本鋳造株式会社
製、砂再生装置)で乾式研磨処理を、表1に示した回数
となるように繰り返し施して、再生砂を得た。
【0016】得られた再生砂を、25℃,60%RHの恒温
恒湿室に24時間放置した。そして、この再生砂100重量
部に対して、カオーステップQX-130を0.375重量部,カ
オーステップS-602を1.5重量部添加混練してなる混練物
を、直径が50mmで高さが50mmのテストピース用模型に充
填し、鋳型を得た。この鋳型を24時間放置した後、その
圧縮強度(鋳型強度)を測定した。この結果を表1に示
した。また、得られた再生砂の遊離水分を除去した試料
(重量w0)を約1000℃で約1時間強熱し、デシケータ中
で室温まで冷却した後の重量(w1)を測定して、灼熱
減量を測定して、表1に示した。なお、灼熱減量は
[(w0−w1)/w0]×100(%)なる式で算出したも
のであり、その値が小さいほど再生効率が高いことを示
している。
【0017】
【表1】
【0018】比較例A及び参考例A 実施例Aと同一の方法で回収砂を得た後、加熱処理も乾
式研磨処理も施さない砂を使用して、実施例Aと同一の
方法で鋳型を得た(比較例A1)。そして、鋳型強度及
び砂の灼熱減量を測定し、表2にその結果を示した。ま
た、実施例Aと同一の方法で回収砂を得た後、加熱処理
を施さずに、乾式研磨処理のみを施した再生砂を使用し
て、実施例Aと同一の方法で鋳型を得た(比較例A2及
びA3)。この鋳型強度及び再生砂の灼熱減量を測定
し、表2にその結果を示した。また、実施例Aと同一の
方法で回収砂を得た後、乾式研磨処理を施さずに、加熱
処理のみを施した再生砂を使用して、実施例Aと同一の
方法で鋳型を得た(比較例A4〜A13)。この鋳型強度
及び再生砂の灼熱減量を測定し、表2にその結果を示し
た。なお、参考例Aとして、新砂(ナイガイセラビーズ
60 #500)を使用して、実施例Aと同一の方法で鋳型
を得、その鋳型強度及び新砂の灼熱減量を測定し、表2
にその結果を示しておいた。
【0019】
【表2】
【0020】表1及び表2の結果から明らかなように、
回収砂を再生する際に、加熱処理を施した方が、加熱処
理を施さない場合に比べて、灼熱減量が低下し(即ち、
合成ムライト砂表面の焼け残り成分の量が低下し、再生
効率が向上し)、得られる鋳型強度の向上が図れるので
ある。また、乾式研磨処理の回数が多いほど、灼熱減量
が低下し、得られる鋳型強度の向上が図れる。具体的に
は、200℃の加熱処理を施すと、乾式研磨処理を4回繰
り返せば、新砂を使用した場合と同等の鋳型強度を持つ
ものが得られ、500℃の加熱処理を施すと、乾式研磨処
理2回で新砂を使用した場合と同等の鋳型強度を持つも
のが得られる。また、600℃の加熱処理を施せば、乾式
研磨処理を施さなくても、新砂を使用した場合と同等の
鋳型強度を持つものが得られるが、極めて高い温度によ
る処理であるため、エネルギー的に不利である。
【0021】比較例B及び参考例B 合成ムライト砂を使用する代わりに、国産珪砂を使用す
る以外は、実施例Aと同一の方法で回収砂(国産珪砂の
回収砂)を得た。この回収砂を使用して、そのまま又は
表3に示した方法で再生して、実施例Aで使用した水溶
性フェノール樹脂及びその硬化剤を用いて、実施例Aと
同一の方法で鋳型を得た。この再生砂の灼熱減量及び得
られた鋳型の圧縮強度(鋳型強度)を測定し、表3にそ
の結果を示した。なお、参考例Bとして、合成ムライト
砂に代えて国産新砂を使用して、実施例Aと同一の方法
で鋳型を得、その鋳型強度及び新砂の灼熱減量を測定
し、表3にその結果を示しておいた。
【0022】
【表3】
【0023】比較例B17と、これに対応する実施例A12
の結果を比較すれば明らかなとおり、国産珪砂を使用す
るよりも合成ムライト砂を使用した方が、得られる鋳型
の強度を高くすることができる。これは、合成ムライト
砂の形状が球状であるためと考えられる。また、比較例
B17の回収率は85.8%であり、実施例A12の回収率は9
5.8%であった。従って、合成ムライト砂を使用する
と、再使用の場合の歩留まりが良く、再使用が促進され
て産業廃棄物の廃棄量を低減することができる。これ
は、合成ムライト砂が、高硬度で且つ耐熱衝撃に優れて
いるからであると考えられる。なお、回収率は、鋳型の
破砕処理(クラッシャーによる処理)から乾式研磨処理
終了後に至るまでの砂の損失の程度を示すものである。
即ち、[(再生後の砂量)/(鋳型中の砂量)]×100
(%)で算出されるものであり、その値が大きいほど、
破砕処理から再生終了後までの砂の損失量が少ないこと
を示している。
【0024】実施例B,比較例C及び参考例C 実施例Aで使用したナイガイセラビーズ60 #500に代
えて、ナイガイセラビーズ60 #650(内外セラミック
ス株式会社製、合成ムライト砂)を使用する以外は、実
施例Aと同一の方法で回収砂を得た。この回収砂を使用
して、そのまま又は表4に示した方法で再生して、実施
例Aで使用した水溶性フェノール樹脂及びその硬化剤を
用いて、実施例Aと同一の方法で鋳型を得た。この再生
砂の灼熱減量及び得られた鋳型の圧縮強度(鋳型強度)
を測定し、表4にその結果を示した。なお、参考例Cと
して、ナイガイセラビーズ60 #650を使用して、実施
例Aと同一の方法で鋳型を得、その鋳型強度及び新砂の
灼熱減量を測定し、表4にその結果を示しておいた。
【0025】
【表4】 なお、表1〜表4中の加熱処理時における温度(℃)
は、砂温をクロメルーアルメルの熱電対で測定したもの
である。また、加熱処理時における時間(分)は、砂の
温度を設定温度±5℃の温度範囲に保持した時間のこと
である。また、乾式研磨処理の回数は、ロータリーリク
レーマM型に通した回数である。
【0026】
【作用】本発明に係る再生方法は、鋳物砂として合成ム
ライト砂を使用し、且つ粘結剤としてフェノール樹脂を
使用した鋳型から回収した回収砂に乾式研磨処理を施す
前に、予め加熱処理を施すというものである。そして、
この加熱処理によって、乾式研磨処理による再生工程に
おいて再生効率を低下させる物質が、回収砂の表面から
除去されると推定される。また、回収砂の表面に付着し
ている有機物質やアルカリ物質が、乾式研磨処理によっ
て除去されやすい性質に変化すると推定される。従っ
て、合成ムライト砂の如く、その表面が破砕されにくい
回収砂であっても、加熱処理及び乾式研磨処理を施せ
ば、その表面に付着している焼け残り成分を良好に除去
できるのである。また、合成ムライト砂は破砕されにく
く、高硬度のものであるから、乾式研磨処理の際に微粉
の発生量を低減することができ、且つ乾式研磨処理によ
る合成ムライト砂の損失量を低減することができるので
ある。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る再生
方法を採用すれば、再生砂の表面の焼け残り成分を減少
させることができ、この再生砂を使用して比較的少量の
粘結剤量で鋳型を得ることができる。従って、多量の粘
結剤の存在によって生じる、注湯時のガス発生量を低下
させて、ガス欠陥も発生しにくくなって、品質が良好
で、且つ合成ムライト砂及び水溶性フェノール樹脂を使
用した高強度の鋳型を得ることができるという効果も奏
する。更に、合成ムライト砂の回収率が向上し、再使用
が促進されるため、産業廃棄物量を低減しうるという効
果も奏する。また、ジルコン砂やクロマイト砂等に比べ
て軽量の合成ムライト砂を使用して鋳型を製造すると、
鋳型製造時の鋳物砂の持ち運びの際、又は得られた鋳型
の持ち運びの際、ハンドリング性に優れるという効果も
奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 京近 直喜 愛知県豊橋市曙町字測点208 (72)発明者 松山 克巳 愛知県豊橋市高師町字北新切205スズキハ イツ202号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳物砂として合成ムライト砂を使用し、
    且つ粘結剤として水溶性フェノール樹脂を使用して、該
    粘結剤を有機エステル化合物で硬化させて得られた鋳型
    からの回収砂を再生するに際し、回収砂に加熱処理を施
    した後、乾式研磨処理を施すことを特徴とする鋳物砂の
    再生方法。
  2. 【請求項2】 加熱処理の温度が200〜500℃である請求
    項1記載の鋳物砂の再生方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の方法で再生された
    鋳物砂と、水溶性フェノール樹脂を含有する粘結剤とを
    混練して、所望の型に充填した後、有機エステル化合物
    よりなる硬化剤によって該粘結剤を硬化させることを特
    徴とする鋳型の製造方法。
JP33533992A 1992-11-20 1992-11-20 鋳物砂の再生方法及び鋳型の製造方法 Pending JPH06154941A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33533992A JPH06154941A (ja) 1992-11-20 1992-11-20 鋳物砂の再生方法及び鋳型の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33533992A JPH06154941A (ja) 1992-11-20 1992-11-20 鋳物砂の再生方法及び鋳型の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06154941A true JPH06154941A (ja) 1994-06-03

Family

ID=18287412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33533992A Pending JPH06154941A (ja) 1992-11-20 1992-11-20 鋳物砂の再生方法及び鋳型の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06154941A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002178100A (ja) * 2000-12-15 2002-06-25 Toyohashi University Of Technology 回収鋳物砂の再生方法
JP2006239707A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Kao Corp 再生砂の製造方法
JP2006247699A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Kao Corp 鋳物砂の製造方法
JP2008030120A (ja) * 2006-06-29 2008-02-14 Kao Corp 再生鋳物砂の製造方法
WO2009035134A1 (ja) 2007-09-12 2009-03-19 Kao Corporation 再生鋳物砂の製造方法
JP2010075937A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Kao Corp 再生鋳物砂の製造方法
CN105562587A (zh) * 2016-02-29 2016-05-11 无锡烨隆精密机械有限公司 一种减少铸件裂纹的型砂及其应用
JP5933800B1 (ja) * 2015-10-20 2016-06-15 山川産業株式会社 鋳型用粘結剤含有砂及びその製法
CN107321912A (zh) * 2017-07-05 2017-11-07 济南圣泉集团股份有限公司 一种酯硬化碱性酚醛树脂旧砂的再生方法
US11260425B2 (en) 2019-03-28 2022-03-01 Taiyo Machinery Co., Ltd. Casting sand reclamation system and casting sand reclamation method

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5152324A (en) * 1975-09-02 1976-05-08 Mitsubishi Motors Corp Imonozunano saiseihoho
JPS51140823A (en) * 1975-05-30 1976-12-04 Komatsu Mfg Co Ltd Method of regenerating and processing casting sand

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51140823A (en) * 1975-05-30 1976-12-04 Komatsu Mfg Co Ltd Method of regenerating and processing casting sand
JPS5152324A (en) * 1975-09-02 1976-05-08 Mitsubishi Motors Corp Imonozunano saiseihoho

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002178100A (ja) * 2000-12-15 2002-06-25 Toyohashi University Of Technology 回収鋳物砂の再生方法
JP2006239707A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Kao Corp 再生砂の製造方法
JP2006247699A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Kao Corp 鋳物砂の製造方法
JP2008030120A (ja) * 2006-06-29 2008-02-14 Kao Corp 再生鋳物砂の製造方法
WO2009035134A1 (ja) 2007-09-12 2009-03-19 Kao Corporation 再生鋳物砂の製造方法
US8551373B2 (en) 2007-09-12 2013-10-08 Kao Corporation Process for producing reclaimed casting sand
JP2010075937A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Kao Corp 再生鋳物砂の製造方法
JP5933800B1 (ja) * 2015-10-20 2016-06-15 山川産業株式会社 鋳型用粘結剤含有砂及びその製法
CN105562587A (zh) * 2016-02-29 2016-05-11 无锡烨隆精密机械有限公司 一种减少铸件裂纹的型砂及其应用
CN107321912A (zh) * 2017-07-05 2017-11-07 济南圣泉集团股份有限公司 一种酯硬化碱性酚醛树脂旧砂的再生方法
US11260425B2 (en) 2019-03-28 2022-03-01 Taiyo Machinery Co., Ltd. Casting sand reclamation system and casting sand reclamation method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3878496B2 (ja) 鋳型用砂及びその製造方法
JP5537067B2 (ja) 鋳型の製造方法
EP1753560B1 (en) Reclamation of ester-cured phenolic resin bonded foundry sands
JPS6026620B2 (ja) 再生砂の製造方法
JP2019177401A (ja) コーテッドサンド及びそれを用いた鋳型の製造方法並びに鋳物砂の再生方法
JPH06154941A (ja) 鋳物砂の再生方法及び鋳型の製造方法
JP2011148000A (ja) 鋳型の製造方法
JP2001504040A (ja) 砂の再生
JP7079093B2 (ja) 鋳型造型用粘結剤組成物
JP3253579B2 (ja) 鋳型用砂
CN101005909A (zh) 再生铸砂的制造方法及制造装置
JP2001205388A (ja) 鋳物砂の熱再生方法及び鋳造用鋳型の製造方法
JP4216104B2 (ja) 合成ムライト砂の再生方法及び鋳型の製造方法
JP4056865B2 (ja) 鋳物砂の再生方法およびその再生砂を用いた鋳型の製造方法
JP3453485B2 (ja) 鋳物砂の処理方法及び鋳型の製造方法
JP2898799B2 (ja) 鋳物砂の処理方法及び鋳物用砂型の製造方法
JPH08192244A (ja) 鋳造用湯口・押湯系製品
JP2965782B2 (ja) 廃珪砂を利用した人工砂の製造方法
JP2003136187A (ja) 鋳造用鋳型の製造方法
JP2018140425A (ja) 再生砂の製造方法および鋳物砂の製造方法
JPH0435251B2 (ja)
WO2005021188A2 (en) Compositions and use of sand and powders capable of being heated by microwave or induction energy
JP6242212B2 (ja) 鋳型用組成物の製造方法、及び鋳型の製造方法
JP2001286977A (ja) 鋳型および鋳型の製造方法
JP3092983B2 (ja) 鋳物砂型の製造方法