JPH05169184A - 高珪酸質球状鋳物砂及びその製造方法 - Google Patents

高珪酸質球状鋳物砂及びその製造方法

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JPH05169184A
JPH05169184A JP3352749A JP35274991A JPH05169184A JP H05169184 A JPH05169184 A JP H05169184A JP 3352749 A JP3352749 A JP 3352749A JP 35274991 A JP35274991 A JP 35274991A JP H05169184 A JPH05169184 A JP H05169184A
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sand
mold
casting
spherical
particles
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JP3352749A
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Yuukou Hirata
雄候 平田
Ryutoku Sakata
龍徳 佐方
Makoto Matsubara
眞 松原
Katsunori Tsumura
克則 津村
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NAIGAI CERAMICS CO Ltd
NAIGAI CERAMICS KK
Original Assignee
NAIGAI CERAMICS CO Ltd
NAIGAI CERAMICS KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳造用に用いられる合成鋳物砂において、そ
の鋳型強度、寸法精度及びガス抜き特性において優れた
特徴を有すると共に、鋳造後のアルカリ性溶液による化
学的砂落し処理を容易に成し得るようにする。 【構成】 焼成後の化学組成が、SiO2 :80重量%
超、Al2 3 :20重量%未満となるように原料を配
合せしめ、かかる配合物を泥漿と成し、この泥漿をスプ
レードライヤーによって、平均粒径が0.02〜2mmで
ある球状粒に造粒した後、その得られた造粒物が、見掛
気孔率20%以下の緻密組織を有するようになるまで1
300℃〜1700℃の温度で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、鋳鉄、鋳鋼、アルミニウム、銅
合金等の鋳造用として用いられる高珪酸質球状鋳物砂及
びその製造方法に係り、特に鋳造後のアルカリ性溶液に
よる化学的砂落し処理を容易に為し得るようにした技術
に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、各種の鋳物製品を製造するに際
しては、よく知られているように、先ず最初に、鋳物
砂、粘結剤及び補助材料を配合、混練し、次いでこれを
用いて、生型法、ガス型法、シェルモールド法等の種々
の方法によって、目的とする鋳物形状の空隙部(鋳造キ
ャビティ)を有する鋳型を造型し、そしてこの鋳型の空
隙内に所定の金属溶湯を注入して、これを冷却凝固せし
めた後、この鋳型を取り除き、鋳造された鋳物を仕上げ
処理して、目的とする製品と成している。而して、通
常、そのような鋳型を取り除く作業においては、型ばら
しの後、ショットブラスト法、サンドブラスト法、ウォ
ータージェット法等といわれるような鋼球のショット、
サンドまたは超高圧噴射水を衝突せしめ、鋳物に付着し
た砂を除去する砂落しが行なわれているが、細長い形状
や薄く長い形状等の鋳型を取り除く場合には、500℃
程度の溶融苛性ソーダの中や、200℃程度のオートク
レーブ中の希苛性カリ溶液の中に鋳物を浸漬せしめ、鋳
型(鋳物砂)を溶解させて取り除く、所謂化学的砂落し
処理が広く行なわれている。
【0003】また、このような鋳型には、鋳造される鋳
物の品質の向上、或いは鋳造工程における作業性、生産
性の向上等のために、(1)鋳込み時の溶湯圧力、衝撃
等に耐える強度を持つこと、(2)鋳型内のガスを排除
し易いこと、(3)鋳込み後の崩壊性が良いこと、
(4)温度変化による膨張、収縮が小さく、これにより
寸法精度に優れていること、(5)溶湯の温度に耐える
こと、(6)アルカリ性溶液による化学的砂落しが容易
なこと等、多くの特性が要求されている。そして、これ
らの要求に応えるためには、鋳物砂の特性の向上が必要
なことは言うまでもなく、そのため、鋳物砂には、これ
ら鋳型に対して要求される特性に対応して、(1)粒子
強度が高く、適度な粒度分布を有すること、(2,3)
粒形が球状形状であること、(4)適当な化学組成と物
理的性質を有し、熱に対して安定であること、(5)耐
熱性に優れていること、(6)化学的安定性を有してい
るが、アルカリ性溶液にのみ溶解し易いこと等、多岐に
亘る特性を持ち合わせることが望まれている。
【0004】しかしながら、天然に産出する、ジルコン
サンド、オリビンサンド、珪砂等の所謂天然鋳物砂にお
いては、化学組成や物理的性質にバラツキがあり、また
必要とする粒度分布のものが、容易に大量に得られない
といった欠点があり、更に何よりも、わが国において天
然鋳物砂の量が次第に乏しくなってきているという大き
な問題が存している。そこで、近年では、人工的に珪石
を粉砕して、水洗、篩分けして製造した人造珪砂等の人
工鋳物砂が増加し、天然のものに取って代わりつつあ
る。これによって、必要とする粒度分布を有する鋳物砂
が容易に得られることとなったのであるが、人造珪砂等
は、あくまでも人工的に珪石を粉砕したものであるた
め、依然として化学組成や物理的性質にバラツキがあ
り、歩留りも悪く、また鋭角を持った砂粒となってしま
うのである。そのため、これを用いて造型された鋳型に
あっては、その強度及び寸法精度が不充分で、更にガス
抜き特性が著しく低下してしまうといった、問題を有し
ていたのである。
【0005】かかる状況下、本願出願人は、そのような
鋳物砂の改善の目的を以て、特公平3−47943号公
報や特開平1−284455号公報において、球状形状
を成した合成鋳物砂及びその製造方法を提案したのであ
る。即ち、それら合成鋳物砂の粒子は、何れも幾つかの
原料が配合され、1500℃以上の高温で、見掛気孔率
が20%以下の緻密粒となるように焼成された、平均粒
径が0.1〜2mmの球状形状をした粒子であり、それ故
かかる合成鋳物砂は、粒子強度が高く、適度な粒度分布
を持ち、合成により適当な化学組成を有する球形粒子で
ある等の特徴を有するものなのである。従って、それら
球状合成鋳物砂を用いることによって、その強度、寸法
精度、ガス抜き特性の全てにおいて、優れた鋳型を造型
し得ることとなったのである。
【0006】しかるに、かかる合成鋳物砂の粒子は、微
細なムライト結晶より構成されているため、化学的安定
性が非常に高く、苛性ソーダや苛性カリ溶液には溶解さ
れ難く、そのためかかる合成鋳物砂には、鋳造後のアル
カリ性溶液による鋳型の化学的砂落し処理が困難である
欠点が内在しているのであって、この点において未だ改
良の余地が残されている。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、鋳鉄、鋳鋼、アルミニウム、銅合金等の鋳造に
際して、鋳型用として用いられる高珪酸質球状鋳物砂に
おいて、その鋳型における優れた鋳型強度、寸法精度及
びガス抜き特性を確保しつつ、鋳造後のアルカリ性溶液
による化学的砂落し処理を容易に成し得る高珪酸質球状
鋳物砂並びにその製造方法を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明者らが種々検討を重ねた結果、特定の平均粒径範囲
と見掛気孔率を有する球状鋳物砂において、その主要構
成成分であるSiO2 とAl2 3 をそれぞれ所定の範
囲において含有せしめることによって、造型される鋳型
の優れた特性を確保しつつ、アルカリ性溶液に対して極
めて容易に溶解せしめ得る事実を見い出したのである。
【0009】すなわち、本発明は、かかる知見に基づい
て完成されたものであって、その特徴とするところは、
SiO2 を80重量%を越える割合で含み、且つAl2
3 の含有量が20重量%未満である組成を有する球状
形状物であって、平均粒径が0.02〜2mm、見掛気孔
率が20%以下である高珪酸質球状鋳物砂にある。
【0010】また、本発明は、SiO2 が80重量%を
越え、Al2 3 が20重量%未満なる組成となるよう
に原料を配合して、泥漿を調製した後、かかる泥漿をス
プレードライヤーにて球状粒に造粒し、次いでその得ら
れた造粒物を、1300℃〜1700℃の温度で焼結せ
しめるようにした高珪酸質球状鋳物砂の製造方法をも、
その特徴とするところである。
【0011】
【具体的構成】ところで、本発明に従う高珪酸質球状鋳
物砂は、主にSiO2 とAl2 3 とから構成されるも
のであるが、かかる鋳物砂が、耐熱性に優れ、温度変化
による膨張、収縮が小さく、熱に対して安定で、且つ化
学的安定性は高いが、アルカリ性溶液にのみ溶解し易い
等の優れた特性を得るためには、SiO2 の含有量が8
0重量%を越え、且つAl2 3 の含有量が20重量%
未満とされる必要がある。また、この化学組成におい
て、SiO2 の含有量が多い程、即ちAl2 3 の含有
量が少ない程、アルカリ性溶液に対してより溶解し易く
なるため、SiO2 の上限並びにAl2 3 の下限は特
に限定されるものではない。従って、本発明において
は、かかる高珪酸質球状鋳物砂の化学組成が、Si
2 :80重量%超、且つAl2 3 :20重量%未満
の範囲において、適宜に決定されるのである。そして、
かくの如き化学組成を有する鋳物砂を造型することによ
って、優れた耐熱性及び寸法精度を有すると共に、鋳造
後のアルカリ性溶液による化学的砂落し処理が容易に成
され得る鋳型を得ることが可能となるのである。なお、
かかる高珪酸質球状鋳物砂にあっては、Fe2 3 ,T
iO2 ,CaO,MgO,K2 O,Na2 O等の各種金
属酸化物の如き不純物の含有が許容され得るが、そのよ
うな不純物の含有量は、焼成後の製品の化学組成におい
て、その合計が5重量%以下となるようにされているこ
とが望ましい。
【0012】また、かかる高珪酸質球状鋳物砂において
は、その粒子形状が球形を成していなければならない。
これにより、かかる高珪酸質球状鋳物砂は、流動性が良
好で、充填性が良く、以て高い成型性が得られるのであ
り、またこれを造型して得られる鋳型にあっても、優れ
たガス抜き特性及び崩壊性を有することとなるからであ
る。
【0013】さらに、かかる高珪酸質球状鋳物砂にあっ
ては、その粒子の平均粒径が0.02〜2mmとされてい
ることが必要で、このような平均粒径範囲は、優れた鋳
型を与えるに最も好適な粒度分布なのである。けだし、
平均粒径が0.02mmよりも小さいと、微細粒子部分に
結合用バインダーが多量に吸収され、全体として、鋳型
強度が上がらず、また平均粒径が2mmよりも大きいと、
鋳型表面の平滑性が悪くなり、同様に鋳込後の鋳物の表
面平滑性も悪くなるからである。
【0014】通常、鋳物砂においては、その粒子が多孔
体となる程、即ち見掛気孔率が大きい程、粒子強度が低
く、しかも吸水性が高くなり、鋳型を造型する際に添加
せしめられるバインダーの使用量が増加して、原料コス
トが高騰するという不具合を生じることとなる。それ
故、かかる見掛気孔率を小さくすれば、粒子強度を向上
せしめ、更に吸水性を低下させ得て、バインダーの使用
量が減少して、原料コストを低減せしめ得ることとな
る。従って、本発明に従う高珪酸質球状鋳物砂は、その
見掛気孔率が20%以下という低気孔率とされる必要が
あるのである。換言すれば、本発明は、かかる高珪酸質
球状鋳物砂の見掛気孔率を20%以下とすることによっ
て、その粒子強度を高め、吸水性を低減せしめ得たので
あり、それ故それを鋳型の造型に用いた場合にあって
も、得られる鋳型強度を効果的に向上せしめ得、更には
その製造コストを低減せしめることをも可能としたので
ある。
【0015】而して、かくの如き高珪酸質球状鋳物砂を
得るために、本発明においては、先ず最初に、SiO2
原料とAl2 3 原料とが、焼成後の化学組成がSiO
2 :80重量%超、Al2 3 :20重量%未満となる
ように配合せしめられるのであるが、そこで使用される
SiO2 原料及びAl2 3 原料としては、焼成後に上
記の如き化学組成を与え得るものであれば、特に限定さ
れるものではない。即ち、従来より合成鋳物砂の原料と
して公知のものが何れも使用され得るのであって、例え
ばSiO2 原料としては、珪石、珪砂、長石等が挙げら
れ、またAl2 3 原料としては、粘土、ベントナイ
ト、カオリン、ばんど頁岩、酸化アルミニウム、水酸化
アルミニウム等が用いられ得るのである。また、それら
原料を配合するに際しては、必ずしもそれらから1種類
ずつを選択して用いる必要はなく、それぞれの原料を2
種類以上組み合わせて使用しても、何等差し支えないの
である。
【0016】次いで、その得られた配合物が、水と共に
ボールミル等の粉砕機に投入され、有利には、その平均
粒径が50μm以下になるまで湿式にて粉砕混合され、
泥漿と成る。これによって、かかる粉砕粒子はより均一
に混合され、またその後のスプレードライヤーによる、
該粉砕粒子を所定範囲の平均粒径を持つ球形状粒子に造
粒する操作が容易となるのである。また、本発明にあっ
ては、この湿式粉砕混合において、かかる泥漿にリン酸
ソーダ、珪酸ソーダ等のソーダ化合物、炭酸カリウム等
のカリウム化合物、シュウ酸アンモン等のアンモニア化
合物並びにジエチルアミン等のアミン化合物等の解こう
剤を5重量%程度までの範囲で加えることによって、泥
漿の濃度及び粘性を変化させ、スプレードライヤーによ
る造粒粒子の粒径を変化させることも可能である。
【0017】そして、この泥漿は、筒内温度が一般に2
00℃〜450℃とされたスプレードライヤーにおいて
加圧、噴霧せしめられることによって、その表面張力で
粒子形状が球形となり、またその平均粒径が0.02〜
2mm程度となって、鋳物砂として優れた特性を発揮し得
る、適当な粒度分布を有する球形状粒子に造粒されるの
である。
【0018】かくして得られた造粒粒子が、空気中にお
いて、ロータリーキルン等にて見掛気孔率が20%以下
の緻密組織を有するようになるまで焼成せしめられ、そ
の後その焼結物が篩分け機により粒度調整され、目的と
する高珪酸質球状鋳物砂が得られることとなるが、この
焼成において、かかる造粒物は、1300℃〜1700
℃の温度範囲において焼結せしめられる必要がある。な
お、この焼成温度が1300℃より低いと、本化学組成
範囲内では、見掛気孔率が20%以下となるように、緻
密に焼結させることは困難であり、また1700℃を越
えた温度で焼成せしめられると、粒子間の融着が惹起せ
しめられ、孤立した焼結粒が得られなくなるからであ
る。
【0019】なお、このロータリーキルン等による焼成
時に粒子の融着が多い場合は、粒子間の融着を防止する
ために、本発明に係る高珪酸質球状鋳物砂よりも耐火度
の高い粉末、例えばムライトやアルミナ粉末等を、かか
る造粒粒子と共にロータリーキルン等へ投入し、焼結の
後、粒子表面から該粉末を取り除き、目的とする鋳物砂
を得ることも可能である。
【0020】而して、このようにして得られた高珪酸質
球状鋳物砂は、単独でまたは珪砂等の鋳物砂と組み合わ
せて、ベンナイト、水ガラス等の無機質バインダー、或
いはフラン、ウレタン、フェノール樹脂等の有機質バイ
ンダーと混合せしめられ、その後、所望の鋳型に造型さ
れることとなる。従って、かくして得られる鋳型は、鋳
型内のガスが排除され易く、鋳型強度が高く、寸法精度
や耐熱性に優れ、鋳込み後の崩壊性が良い等の特徴を有
するものであり、しかもそれのみならず、鋳造後のアル
カリ性溶液による化学的砂落しが容易であるという、優
れた特性をも有するものなのである。このような工業的
に有利な鋳型として要求される特性の全てを満足し得る
鋳型並びにそれを造型し得る鋳物砂は、従来には全く見
られないものである。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0022】下記表1にて示される如き化学組成を有す
る珪砂とばんど頁岩とを原料として用い、それらの原料
を各々異なる量にて配合せしめた。その得られた配合物
のうち、焼結後に本発明に従う化学組成となるよう配合
されたものを、それぞれ実施例1、実施例2とし、また
そうでない配合物を比較例1とした。そして、それら配
合物を各々ボールミル中に投入し、水を加えて、湿式法
により粉砕、混合を行ない、それぞれの泥漿を得た。か
くして得られた泥漿の粒度分布を測定した結果を、下記
表2に、またそれぞれの泥漿比重と水分含量を、下記表
3に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】 次いで、この得られた泥漿を、それぞれスプレードライ
ヤーによって造粒した。そして、このようにして得られ
た造粒粒子のそれぞれの粒度分布を測定した結果を、下
記表4に示す。
【0026】
【表4】
【0027】さらに、かくして得られた造粒粒子に対し
て、ガス炉にて、1450℃、1550℃及び1650
℃の何れかの加熱温度で、それぞれ30分間の加熱処理
を施し、目的とする鋳物砂である加熱処理粒子を得た。
それぞれの加熱処理粒子の化学組成を下記表5に示す。
また、比較例2として、天然に産する一般的鋳物用珪砂
を用い、かかる比較例2と、それら加熱処理粒子の加熱
温度別の物理的特性、即ち吸水率、見掛比重、嵩比重及
び見掛気孔率についてそれぞれ測定した結果を、下記表
6に示し、更にそれぞれの加熱粒子と、比較例2として
の一般的鋳物用珪砂の構成鉱物を下記表7に示す。な
お、これらの物理的特性は、「JIS R2205−7
4耐火れんがの見掛気孔率、吸水率及び比重の測定方
法」に準じて行なった。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】これらの表の結果から明らかなように、各
原料を所定の割合で配合し、これを泥漿と成した後、ス
プレードライヤーにて球状形状に造粒し、その後これを
1300℃〜1700℃の温度で加熱処理することによ
って、所定の化学組成を有し、見掛気孔率が20%以下
で、平均粒径が0.02〜2mm程度の球状形状物が得ら
れた。
【0032】そして、表6に示される加熱処理粒子のう
ち、加熱処理による粒子間の融着が少なく、孤立した緻
密組織の球状鋳物砂となった、本発明に係る特徴を有す
る実施例1及び実施例2における1550℃での加熱処
理粒子と、本発明において規定された範囲外の化学組成
から成る比較例1の1650℃での加熱処理粒子と、更
に、本発明に従う化学組成に類似する組成を有するが、
粒子形状や構成鉱物の異なる、天然に産する一般的鋳物
用珪砂である比較例2とを用い、それら実施例1、実施
例2、比較例1及び比較例2について、以下のような試
験を行なった。
【0033】先ず、それら鋳物砂の耐熱性を明らかにす
るために、それぞれの耐火度を測定した。この耐火度測
定は、「JIS R2204」に準じた方法で行ない、
得られた結果を下記表8に示した。
【0034】
【表8】
【0035】次に、それぞれの鋳物砂によって造型され
る鋳型の強度を調べるために、それぞれの鋳物砂を用
い、それらを下記表9に示す如き粒度分布に揃えた後、
レジンコーテッドサンド(RCS)法によりフェノール
樹脂をコーティングして、シェルモールド鋳型を各々作
製し、得られた鋳型について、その抗折強度を測定し
た。より詳細には、実施例1、2、比較例1、2の鋳物
砂それぞれの100部をヒーターによって約150℃に
加熱した後、各々スピードミキサーに投入し、ノボラッ
ク型フェノール樹脂をそれぞれの鋳物砂に対して1.8
%入れ、ミキサー中で60秒間混練して、かかる樹脂を
鋳物砂に被覆した。そして、このそれぞれの鋳物砂に対
して水1.5%と樹脂に対してヘキサメチレンテトラミ
ン15%とを水溶液にして入れ、約30秒後に内容物が
乾体自由流動に成ったところで、滑剤としてステアリン
酸カルシウムをそれぞれの鋳物砂に対して0.1%入
れ、更に約15秒間混練した後、ミキサーから排出して
RCSを得た。このようにして得られたそれぞれのRC
Sを250℃の加熱された金型に入れ、樹脂を硬化さ
せ、それぞれ試験片を作成した。そして、それら試験片
を、「JIS K6910」に準じて鋳型の抗折強度を
測定した。その結果を下記表10に示す。
【0036】
【表9】
【0037】
【表10】
【0038】また、これらの鋳物砂にて得られる鋳型の
熱に対する安定性を明らかにするために、上記の如きR
CS法によって得られたそれぞれの試験片を、1000
℃の電気炉の中へ入れて曝熱せしめ、その曝熱時点から
の熱変化を測定する曝熱式熱膨張測定法によって鋳型の
熱変化を測定した。その結果を下記表10に示す。
【0039】
【表11】
【0040】さらに、これらの鋳物砂において、鋳造後
のアルカリ性溶液による化学的砂落しが容易であるか否
かを明らかにするために、各鋳物砂を微粉砕し、44μ
mより細かく粒径を揃えた粒子を、オートクレーブ中に
おいて、150℃の2N苛性ソーダ溶液に15時間浸漬
し、それぞれの溶解量を測定した。そして、得られた結
果を下記表11に示す。
【0041】
【表12】
【0042】以上の評価結果より明らかなように、Si
2 :80重量%超、且つAl2 3 :20重量%未満
の化学組成から成り、見掛気孔率が20%以下で、平均
粒径が0.02〜2mmの高珪酸質球状鋳物砂を用いて造
型された鋳型は、化学組成は類似するが、見掛気孔率や
平均粒径の異なる鋳物用珪砂にて得られた鋳型と比較し
て、抗折強度が高い値を示し、また熱による変化量は小
さい値を示している。これは、かかる高珪酸質球状鋳物
砂にて造型された鋳型が、鋳型強度に優れ、熱に対して
安定で、以て寸法精度においても優れていることが示さ
れる結果となっている。またかかる特徴を有する高珪酸
質球状鋳物砂は、その化学組成が本発明の範囲外とされ
た鋳物砂と比較して、苛性ソーダ性溶液に対する溶解量
において、15倍〜17倍もの極めて大きい値を示して
おり、本発明に従う化学組成を有する鋳物砂が、鋳造後
のアルカリ性溶液による化学的砂落しを容易に成し得る
特性を持つ鋳物砂であることを示している。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う高珪酸質球状鋳物砂は、見掛気孔率が20%以下
で、平均粒径が0.02〜2mmの球状形状物である特徴
を有すると共に、SiO2 を80重量%を越える割合で
含み、且つAl2 3 の含有量が20重量%未満である
化学組成を有することにより、アルカリ性溶液に対する
溶解性が飛躍的に向上せしめられたのであり、これによ
って、鋳造後のアルカリ性溶液による化学的砂落しが極
めて容易に成し得ることとなったのであり、しかもこれ
を用いて造型される鋳型にあっては、その鋳型強度、ガ
ス抜き特性及び寸法精度における優れた特性を備えてい
るのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津村 克則 愛知県瀬戸市塩草町11番地の4 内外セラ ミックス株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 80重量%を越える割合でSiO2 を含
    み、且つAl2 3 の含有量が20重量%未満である組
    成を有する球状形状物であって、平均粒径が0.02〜
    2mm、見掛気孔率が20%以下であることを特徴とする
    高珪酸質球状鋳物砂。
  2. 【請求項2】 SiO2 が80重量%を越え、Al2
    3 が20重量%未満なる組成となるように原料を配合し
    て、泥漿を調製した後、かかる泥漿をスプレードライヤ
    ーにて球状粒に造粒し、次いでその得られた造粒物を、
    1300℃〜1700℃の温度で焼結せしめることを特
    徴とする高珪酸質球状鋳物砂の製造方法。
JP3352749A 1991-12-16 1991-12-16 高珪酸質球状鋳物砂及びその製造方法 Pending JPH05169184A (ja)

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