JP2647985B2 - ジョセフソン素子 - Google Patents

ジョセフソン素子

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JP2647985B2 JP2030273A JP3027390A JP2647985B2 JP 2647985 B2 JP2647985 B2 JP 2647985B2 JP 2030273 A JP2030273 A JP 2030273A JP 3027390 A JP3027390 A JP 3027390A JP 2647985 B2 JP2647985 B2 JP 2647985B2
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昌也 長田
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は酸化物超電導膜をブリッジ型ジョセフソン素
子のブリッジ部の膜厚を薄くして感度を高くしたジョセ
フソン素子に関するものである。
<従来の技術> 最近、La系,Y系で代表されるランタノイド(Ln)系,
更にBi系やTl系等の臨界温度(Tc)の高い酸化物超電導
体が注目されている。これらの超電導体は、液体窒素に
よる冷却で利用できるものであり、実用化の上で有利な
材料である。
一方、従来から提案されている超電導材料による代表
的なデバイスにジョセフソン素子があるが、その構造か
ら大別すると、トンネル型と弱結合型になる。
このトンネル型接合素子は2つの超電導体の間に、そ
れらの超電導体のコヒーレンス長以下の極薄絶縁膜を介
在させか構造である。この極薄絶縁膜は、それを構成す
る元素の組成比及び膜厚等の均一性などによって、その
接合の特性や信頼性などが大きく左右されていた。特
に、高温酸化物超電導体と呼ばれるものはコヒーレンス
長が数Å程度と短くなるため、介在させる絶縁膜もÅオ
ーダの均一性をもたせる必要があり、作製が極めて困難
なことから、酸化物超電導体を用いた良好なトンネル接
合は得られていない。
一方、弱結合は、トンネル接合の代わりに断面積を小
さくした部分を設けるもので、一般的にはブリッジ型の
構成にしている。そして、このブリッジ型もブリッジ部
の断面積が使用した超電導体のコヒーレンス長に依存す
るので、酸化物超電導体のときは数十から数千Åにする
必要があり、均一な素子を作製することが難かしかっ
た。
<発明が解決しようとする課題> 以上で説明したように、従来は超電導体特に酸化物超
電導体によってジョセフソン効果をもつ接合を作製する
ときトンネル型接合は均一の絶縁膜の作製とその信頼性
に問題があり、又、弱結合型接合はブリッジ部形成の微
細加工に問題が残っていた。
以上のような実状からTcが高くなった酸化物超電導体
の特徴を有効に生かすジョセフソン接合を形成して、検
出素子や演算素子に応用することが難かしかった。
本発明は、従来のジョセフソン接合における問題点を
解決するものであり、弱結合型接合のブリッジ部の膜厚
を両側のバンク部(電極形成部)の超電導膜より薄くし
てブリッジ部の断面積を減少させたジョセフソン素子に
おいて、比較的簡単な作製方法によって得られる構造に
て、より良好な特性であるジョセフソン素子を提供する
ことを目的としている。
<課題を解決するための手段> 本発明は前記の目的を達成するため、超電導膜で弱結
合を構成するブリッジ部とバンク部とは異なる結晶の配
向性をもたせ、結晶配向性の違いによるエッチング速度
の差異を利用することにより、ブリッジ部とバンク部の
酸化物超電導膜の厚さを異ならせ、さらにブリッジ部の
微小断面積部を形成するものである。
例えば、超電導膜のバンク部ではc軸を基板面に垂直
に配向させ、ブリッジ部は無配向にしておくと第1図に
示したようにエッチングレートに差が出るため、同じエ
ッチングを行っても残留膜厚に差が生じる。この第1図
に於て、縦軸がエッチング速度で、横軸エッチャントの
濃度である。又それぞれの直線は、10が無配向の面,11
がa面,11がc面の酸化物超電導体のエッチングレート
を示している。このエッチャントとして1−ヒドロキシ
エタン−1、1−ジホスホン酸水溶液を用いている。
以上から、超電導膜を、バンク部では基板面に垂直に
c軸を配向させ、ブリッジ部は無配向にしておけば、同
じエッチングを行っても、ブリッジ部の方が膜厚が薄く
なるので従来と同じ印加電流によっても電流密度が高く
なり、臨界電流(Jc)値が低くなる。以上のジョセフソ
ン接合でブリッジ部のJc以上の電流を流せば超電導−常
電導−超電導(S−N−S)型接合になって抵抗をもつ
ブリッジ型のジョセフソン接合が形成される。これは、
いわゆるVTB(Variable Thickness Bridge)のジョセフ
ソン素子である。更に、以上で説明したブリッジ部の膜
の配向性を変えてエッチングレートを制御することによ
って、用途に適した特性のジョセフソン素子を形成する
こともできる。
<作 用> 本発明によるブリッジ型ジョセフソン素子は、そのブ
リッジ部の膜厚を、酸化物超電導膜の配向性によって異
なるエッチングレートを利用して制御するものであり、
VTB型で特性の良好なジョセフソン素子にすることがで
きる。
<実施例> 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
本実施例で作製したブリッジ型ジョセフソン素子構成
の平面図を第2図(a)に、又そのX−X′断面図を第
2図(b)に示した。
第2図から、本実施例のジョセフソン素子は基板上に
2種のPt膜である26及び27,27′が形成され、更にその
表面にそれぞれ超電導膜のブリッジ部22とバンク部23,2
3′が形成されている。ここでPt膜の26と27,27′は膜の
配向性を変えているので、その上に成膜したブリッジ部
22とバンク部23,23′は下地に影響されて、その配向性
が異っていることを示しており、ここではブリッジ部22
の膜厚がバンク部23,23′に比べ薄くなっていることを
示している。更に、バンク部23,23′にはバイアス電流
印加用電極24,24′と素子が発生した電圧検出用電極25,
25′が設けられている。
続いて、第3図によって、本発明のブリッジ型ジョセ
フソン素子の一実施例の製造工程について説明する。
第3図(a)に示したのは(100)面のMgO単結晶基板
21上に電子ビーム蒸着でAlを厚さ1μm堆積し、フォト
リソ加工により幅w1が5μmのブリッジ部での線状膜を
形成する。次に、以上の基板を550℃に加熱して電子ビ
ーム蒸着で膜厚d1が0.5μmのPt膜27,27′を形成した
が、このPt膜は、基板21と蒸着温度の550℃の条件で配
向膜になった。次にNaOH水溶液によって前記Al膜を除去
すると共にそのAl膜上のPt膜もリフトオフ法によって除
去した状態を示したのが第3図(b)である。更に、第
3図(c)では基板温度を200℃に加熱して電子ビーム
蒸着により、ブリッジ部26に膜厚d2が0.5μmの無配向P
t膜26を形成した状態を示している。
なお、MgO(100)単結晶基板にPtの成膜をしたとき、
基板温度が400℃以下のときPt膜は配向せず、400℃以上
のときはPt膜は基板面に垂直にc軸配向することが知ら
れている。このc軸配向したPt膜上に一定基板温度上で
酸化物超電導膜を形成するとその超電導膜も同じように
c軸配向し、無配向のPt膜上では超電導膜も無配向にな
る。次の第3図(d)に示したのは、前記の基板21を60
0℃に加熱し、その基板の近傍のみ約5mTorrの高い酸素
雰囲気に保って、Y、Ba、Cuの各元素を電子ビーム蒸着
で、組成比がY:Ba:Cu=1:2:3で均一にした蒸着により超
電導膜を形成した。成膜した超電導膜31のTcは85Kで、
その27,27′の部分のJcは77Kで2×105A/cm2,26の部分
は同じ条件でJcが2×103A/cm2であった。続いて、第3
図(e)に示したように精密なフォトリソグラフィー
と、塩素ガスを用いた反応性スパッタリングにより、幅
w2が5μm、膜厚d3が0.5μmのブリッジ部22をもつブ
リッジ型ジョセフソン素子の形状にしたものである。こ
ゝでバンク部23,23′は前記で説明したようにc軸配向
し、ブリッジ部22は無配向になっていた。
続いて、第3図(f)に示したのは、以上の超電導膜
22及び23,23′を水で1000倍に希釈した1−ヒドロキシ
エタン−1,1ジホスホン酸水溶液に30秒浸漬した後の状
態で、バンク部23,23′の膜厚d4が0.3μm、ブリッジ部
の膜厚d5が0.1μmになった。最後に、第3図(g)に
示したようにバンク部23,23′上にバイアス電流電極24,
24′と電圧電極25,25′を、メタルマスクを用いた電子
ビーム蒸着により、膜厚0.5μmのTiで形成しブリッジ
型ジョセフソン素子を完成させた。
以上のように作製したジョセフソン素子の電圧−電流
特性を液体窒素温度(77K)で測定したのが第4図であ
る。この第4図は典型的なブリッジ型ジョセフソン素子
の特性を示している。
以上のジョセフソン素子を77Kに冷却した状態で、そ
のブリッジ部22に10.8GHzのマイクロ波を照射して、電
圧−電流特性に約20μVのシャピロステップが発生して
いるのを観測できた。
以上の測定から、本実施例の素子はそのブリッジ部22
にジョセフソン接合が形成されていると考えることがで
きる。
なお、実施例の説明には、超電導膜にY1Ba2Cu3O7-X
酸化物超電導薄膜を用いたが、本発明はこれに限定され
ず、次に記載するものを含む酸化物超電導体の薄膜を用
いることができる。
(La1-XMx)2CuO4(MはBa,Sr,Ca等),Ln1Ba2Cu3O7-X
とLn5Cu11Ox(以上でLnはNb,Pm,Sm,Eu,Gd,Dy,Ho,Er,Tm,
Yb等である。)、更に、Bi2Sr2Ca2Cu3O10,Bi1.7Pb0.2Sb
0.1Ca2.0Sr2.0Cu2.8Ox,(Bi0.7Pb0.32Sr2Ca2Cu3Ox,Tl
2Ba2Ca2Cu3O10,Ba1-XKXBiO3及びNd2-XCeXCuO4-y等及び
これらに類似した酸化物超電導体基板も実施例のMgO(1
00)単結晶基板に限定されず、同じ効果が得られるSrTi
O3の(100)又は(110)単結晶基板、YSZ(イットリウ
ム安定化ジルコニア)多結晶基板、又は、Si単結晶基板
等を用いることができる。
更に、超電導膜の作製も実施例の電子ビーム蒸着法に
限定されずレーザ蒸着法,イオンクラスタビーム法,反
応性蒸着法,CVD法,スパッタ法などを用いることができ
る。
実施例においてはブリッジ型ジョセフソン素子の主要
部であるブリッジ部の幅を5μmにしたが、これに関連
した実験に於てはその幅を0.5μmから100μmの範囲で
変えてもマイクロ波照射によるシャピロステップが確認
でき、ジョセフソン接合が形成されることが分った。
<発明の効果> 以上で説明したように本発明のジョセフソン素子はブ
リッジ部とバンク部の超電導膜の結晶の配向性を変え、
その配向性の差異によるエッチングレートの違いを利用
してブリッジ部とバンク部の膜厚差を設けることでブリ
ッジ部の臨界電流を低くするものであり、比較的簡単な
VTB法で特性の良いジョセフソン素子にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の超電導膜の配向性によるエッ
チングレートの相違を示す図、第2図は実施例のジョセ
フソン素子の構成図、第3図は本発明の実施例のジョセ
フソン素子製造工程の斜視図、第4図は実施例のジョセ
フソン素子の電圧−電流特性図である。 21……基板,22……ブリッジ部,23,23′……パンク部,2
4,24′……電流電極,25,25′……電圧電極,26.27.27′
……Pt膜,31……超電導膜。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−161880(JP,A) 特開 平1−286373(JP,A) 特開 平1−293581(JP,A) 特開 昭56−21390(JP,A) 特開 昭60−65583(JP,A) 特開 昭3−149885(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に堆積させた弱結合型接合のブリッ
    ジ部の酸化物超電導膜厚を、両側のバンク部の酸化物超
    電導膜より薄くしてブリッジ部の断面積を減少させたブ
    リッジ型ジョセフソン素子に於て、 基板と酸化物超電導膜との間に介在させる膜を具備し、
    該膜の配向性の差異により、前記ブリッジ部と前記バン
    ク部との酸化物超電導膜の結晶配向性を異ならせ、 かつ前記結晶配向性の違いによるウエットエッチング速
    度の差異により、ブリッジ部とバンク部との酸化物超電
    導膜の厚さを異ならせることを特徴とするジョセフソン
    素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載のジョセフソン素子に於て、 ブリッジ部の酸化物超電導膜が無配向膜であって、バン
    ク部の酸化物超電導膜が基板に垂直にc軸配向させた膜
    であることを特徴とする請求項1記載のジョセフソン素
    子。
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