JP2877313B2 - マイクロブリッジの製造方法及びdc−squidの製造方法 - Google Patents

マイクロブリッジの製造方法及びdc−squidの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は酸化物超伝導膜のマイクロブリッジの製造方
法及びDC−SQUIDの製造方法に関する。
(ロ)従来の技術 ジョセフソン素子の磁場に敏感な性質を利用したセン
サとしてのSQUID(Superconducting quantum interfere
nce device)は、酸化物超伝導体、たとえばBa−Y−Cu
−O系超伝導体が窒素の液体温度以上で超伝導状態を示
すことが発見された後、この超伝導体の応用として最も
有望視されているものの1つであり、その製造方法につ
いて種々研究されている。その研究成果の1つに、論文
「DC−SQUID with High−Critical Temperature Oxide
−Supercoductor Film」(H,Nakane他4名)(Japanese
Journal of Applied Physics.Vol.26,No.11,1987年11
月,pp,L1925〜L1926)がある。
この論文におけるDC−SQUIDの作成は次のとおりであ
る。すなわち、rf−マグネトロンスパッタリング法によ
り、BaCuO2とY2Cu2O5をターゲット材として、強制加熱
をしていないMgO(100)基板上にBaCuO2薄膜とY2Cu2O5
薄膜を堆積させ、その直後に酸素雰囲気下で900℃2時
間のアニール処理を施こし、BaCuO2とY2Cu2O5の化学反
応により超伝導薄膜YBa2 Cu3O7-δを形成する。この薄
膜上に通常の写真印刷システムによってフォトレジスト
パターンを形成し、硝酸の1%水溶液を用いて化学エッ
チング法によりSQUIDパターンを形成するものである。
このようにして作成したSQUIDにおける化学エッチング
による孔は1mm×0.2mmである。
(ハ)発明が解決しようとする課題 ところがこの化学エッチング法によるSQUIDの製造方
法は、化学エッチングを行うために水溶液を必要とし、
酸化物超伝導薄膜にとって好ましくない。その理由は、
酸化物超伝導薄膜が水と反応して超伝導特性を劣化する
からである。
また、化学エッチング法においては、基板上に形成し
た薄膜にフォトレジストパターンによりマスキングを施
こす必要があり、製造上煩わしいだけでなく、薄膜のサ
イドエッチングが生じ、フォトレジストパターンとの寸
法シフトが生じ、おのずと化学エッチングにより形成さ
れる孔が大きくなり、微弱な磁場に対する感知精度のよ
いSQUIDを形成し難いものであった。
一方、基板上に作成した酸化物超伝導体薄膜を、サブ
ミクロンオーダーの微細加工を行うには、酸化物超伝導
薄膜としてはその結晶粒界が成長していないことが望ま
しい。
本発明はかかる点に鑑み発明されたものにして、酸化
物超伝導薄膜にマイクロブリッジを作製するマイクロブ
リッジの製造方法及びこの製造方法を用いたDC−SQUID
の製造方法を提供することを目的とする。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明のマイクロブリッジの製造方法は、酸化物超伝
導膜に孔を形成してなるマイクロブリッジを作製するマ
イクロブリッジの製造方法であって、薄膜を形成した基
板を準備する工程と、前記薄膜に集束イオンビームによ
るスパッタエッチングにて基板に到達しない孔を形成し
てマイクロブリッジを作製する工程と、を有し、前記薄
膜は超伝導性を引き出すためのアニール処理が施されて
いないことを特徴とする。
また、本発明のDC−SQUIDの製造方法は、酸化物超伝
導膜に孔を形成してなるマイクロブリッジを備えたDC−
SQUIDの製造方法であって、薄膜を形成した基板を準備
する工程と、前記薄膜に集束イオンビームによるスパッ
タエッチングにて基板に到達しない孔を形成してマイク
ロブリッジを作製する工程と、を有し、前記薄膜は超伝
導性を引き出すためのアニール処理が施されていないこ
とを特徴とする。
(ホ)作用 基板上に形成した薄膜に、集束イオンビームによるス
パッタエッチングにて基板に到達しない孔を形成するた
め、酸化物超伝導体にとって不都合な水を使用する必要
がない。また、スパッタエッチングに際して前記薄膜上
にマスキングを施す必要がないと共に化学エッチング時
に生ずるサイドエッチングも生じなく、前記孔を化学エ
ッチングを施すものに比し相対的に小さくすることがで
き、感知し得る磁界強度をより小さくすることができ
る。特に、前記孔が基板に到達しないものであるため、
基板に到達する孔を形成するときのように、スパッタエ
ッチング時に集束イオンビームが前記孔の周囲の薄膜に
照射されることにより、この周囲の薄膜の結晶構造がく
ずれて実質的に孔が大きくなる恐れを低減できる。
また、前記準備された薄膜が超伝導性を引き出すため
のアニール処理が施されていないので、このアニール処
理する場合に比べてこの薄膜の結晶粒界が成長していな
い。従って、前記スパッタエッチングによる微細加工が
可能となり、前記孔をより小さくすることができる。
(ヘ)実施例 本発明の一実施例を図面に基いて説明する。
第1図は本発明により製造したDC−SQUIDの斜視図で
あり、第2図は同平面図である。これらの図面におい
て、基板(1)上にTl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化物超伝
導薄膜(2)が形成され、この薄膜に孔(3)及びマイ
クロブリッジ(4)(4)が形成されている。
このDC−SQUIDは次のように形成される。
まず、基板(1)上に酸化物超伝導薄膜(2)をrf−
スパッタリング法により対向電極である陽陰極の内、陽
極は接地されると共にその上に超伝導薄膜を堆積させる
基板(1)が置かれ、陰極は超伝導焼結体からなるター
ゲット材から構成しており、負の高い電圧が印加されて
いる。
実施例では基板(1)としてMgO(100)を用いたが、
Al2O3(サファイア)、YSZ(イットリアで安定化したジ
ルコニア)あるいはSrTiO3(チタン酸ストロンチウム)
結晶を用いてもよい。
また、実施例では基板(1)を600℃に加熱し、基板
(1)上に形成される薄膜が、アニール処理を施こすこ
となく、Tl2Ba2Ca2Cu3Oxの酸化物超伝導薄膜になるよう
に、ターゲット材の組成をTl3Ba2Ca2Cu3Oxとした。
かくして基板(1)上に膜厚2μmのTl−Ba−Ca−Cu
−O系の酸化物超伝導薄膜(2)を作製した。
この薄膜(2)の電気抵抗特性を測定したところ、Tc
(end)=98Kで超伝導転移が観測された。また、この薄
膜(2)のX線回折テストを行なったところ、この薄膜
はペロブスカイトに類似の構造であり、C軸配向してい
ることが確認された。
次にこの薄膜(2)に集束イオンビームによるスパッ
タエッチングにて孔(3)を形成してマイクロブリッジ
(4)(4)を作製した。すなわち、薄膜(2)を形成
した基板(1)を集束イオンビーム装置の試料ステージ
上に載置し、Auをイオン源として用い、加速電圧80KV、
ドーズ量5×1017イオン/cm2としてスパッタエッチン
グを行った。2つの各マイクロブリッジ(4)(4)の
幅は20μmのものを得た。この場合に、第2図のIII−I
II断面図である第3図に示すように、孔(3)は基板
(1)に到達しない深さであり、実施例では0.5〜1.0μ
mにした。孔(3)の底部に残る膜(5)は、集束イオ
ンビームの拡散及び基板(1)との相互拡散で超伝導特
性が劣化していると考えられる。続いて、酸素雰囲気中
で940℃2分間アニール処理を行った。
このようにして形成したDC−SQUIDに磁場を付与した
ところ、磁束の量子干渉効果による電圧の振動が観測さ
れた。温度を変えたときの磁場−電圧特性を第4図に示
す。この図面中Tは温度であり、IBはDC−SQUIDのバイ
アス電流である。この図面から明らかなように95Kにお
いては量子干渉効果を観測することができた。
以上の実施例において基板(1)上にアニール処理を
施こすことなく、酸化物超伝導薄膜(2)を形成する方
法として、特別なターゲット材を使用したrf−スパッタ
リング法を用いたが、この方法に代って、固体酸素源
(分子状態で照射される酸化物、たとえばSb2O3、As
2O3)を1つの蒸発源として使用し、Tl,Ba,Ca及びCuの
各蒸発源と併用して、基板上に各原子又は分子を堆積さ
せるMolecular Beam Epitaxy法を用いてもよい。
また、基板上にアニール処理によって形成した酸化物
超伝導薄膜に前述の集束イオンビームによるスパッタエ
ッチングを行う場合には、前記孔の寸法は、前述の従来
例のものより小さいが、前述の実施例のものより大きく
なる。
基板上にアニール処理によって酸化物超伝導薄膜を形
成するには、次のようにすればよい。前述の実施例にお
けるrf−スパッタリング法でターゲット材としてTl3Ba2
Ca2Cu3Ox系酸化物超伝導材を使用して、基板上にスパッ
タリングして基板上に薄膜とたとえば2μm形成する。
この状態ではこの薄膜は超伝導性を示さない。その後、
この基板上の薄膜を、たとえば酸化雰囲気中で940℃2
分間アニール処理を行い急冷する。かくして得た薄膜は
超伝導性を示す。
このようにアニール処理により作成した酸化物超伝導
薄膜は、その結晶粒界がアニール処理により成長するた
め、集束イオンビームによるスパッタエッチングを行う
とき微細加工に限界があり、前述の実施例のように結晶
粒界が成長していない酸化物超伝導薄膜に対するものに
比し、前記孔の寸法が大きくなる。
(ト)発明の効果 本発明は、従来の化学エッチング法において使用する
水溶液は不要となり、酸化物超伝導薄膜の超伝導特性、
特にTc特性の劣化を抑制できる。
また、前記孔の形成にマスキングが不要となり、さら
に化学エッチング法において生じるサイドエッチングも
生じないので、前記孔及びマイクロブリッジの寸法精度
を高めることができ、これらの寸法をより小さくするこ
とにより、DC−SQUIDの場合、感知精度を高めることが
できる。特に、前記孔が基板に到達しないものであるた
め、基板に到達する孔を形成するときのように、スパッ
タエッチング時に集束イオンビームが前記孔の周囲の薄
膜に照射されることにより、この周囲の薄膜の結晶構造
がくずれて実質的に孔が大きくなることを抑制できる。
更に、前記準備された薄膜は超伝導性を引き出すため
のアニール処理が施されていないので、この薄膜の結晶
粒界が成長していないので、前記孔の寸法をより小さく
することができ、DC−SQUIDの場合、さらに磁場の感知
精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明により製造したDC−SQUIDの斜視図、第
2図は同平面図、第3図は第2図のIII−III断面図、第
4図はDC−SQUIDの磁場−電圧特性図である。 (1)…基板、(2)…酸化物超伝導薄膜、(3)…
孔、(4)(4)…マイクロブリッジ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金田 和博 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 鈴木 茂雄 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 水上 敦夫 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 桑原 英樹 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−269586(JP,A) 特開 昭64−9703(JP,A) 特開 平1−114084(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/00 H01L 39/22 H01L 39/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超伝導薄膜に孔を形成してなるマイ
    クロブリッジを作製するマイクロブリッジの製造方法で
    あって、 薄膜を形成した基板を準備する工程と、前記薄膜に集束
    イオンビームによるスパッタエッチングにて基板に到達
    しない孔を形成してマイクロブリッジを作製する工程
    と、を有し、前記薄膜は超伝導性を引き出すためのアニ
    ール処理が施されていないことを特徴とするマイクロブ
    リッジの製造方法。
  2. 【請求項2】酸化物超伝導薄膜に孔を形成してなるマイ
    クロブリッジを備えたDC−SQUIDの製造方法であって、 薄膜を形成した基板を準備する工程と、前記薄膜に集束
    イオンビームによるスパッタエッチングにて基板に到達
    しない孔を形成してマイクロブリッジを作製する工程
    と、を有し、前記薄膜は超伝導性を引き出すためのアニ
    ール処理が施されていないことを特徴とするDC−SQUID
    の製造方法。
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