JP2966378B2 - Ba−K−Bi−O系超電導薄膜の製造方法 - Google Patents
Ba−K−Bi−O系超電導薄膜の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば超高周波検
出や超微小磁界検出などに利用される、超電導接合のた
めのBa−K−Bi−O系超電導薄膜の製造方法に関す
るものである。
出や超微小磁界検出などに利用される、超電導接合のた
めのBa−K−Bi−O系超電導薄膜の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図2は例えば1994年(平成6年)秋
季第55回応用物理学関係連合講演会講演予稿集第1分
冊143頁、22a−ZS−5に記載された従来のBa
−K−Bi−O系超電導薄膜の構造を示す模式図であ
り、1はMgOバイクリスタル基板、3はBa−K−B
i−O系超電導薄膜、4はMgOバイクリスタル基板の
接合部の直上に形成された、Ba−K−Bi−O系超電
導薄膜の粒界接合部である。
季第55回応用物理学関係連合講演会講演予稿集第1分
冊143頁、22a−ZS−5に記載された従来のBa
−K−Bi−O系超電導薄膜の構造を示す模式図であ
り、1はMgOバイクリスタル基板、3はBa−K−B
i−O系超電導薄膜、4はMgOバイクリスタル基板の
接合部の直上に形成された、Ba−K−Bi−O系超電
導薄膜の粒界接合部である。
【0003】次に動作について説明する。MgOバイク
リスタル基板1の上にスパッタリング法、レーザアブレ
ーション法などによりBa−K−Bi−O系超電導薄膜
3を約220nmの厚さに堆積する。成膜されたBa−
K−Bi−O系超電導薄膜3は、MgOバイクリスタル
基板の面方位に従って結晶方位をそろえた形で形成され
る性質がある。このため、MgOバイクリスタル基板1
の接合部の両側では異なる向きに結晶方位をそろえた薄
膜が形成される。従ってこのBa−K−Bi−O系超電
導薄膜3はMgOバイクリスタル基板1の接合部の直上
に重なるように粒界接合部4を有する。このように作製
されたBa−K−Bi−O系超電導薄膜3をエッチング
などの手法で回路形状にパターニングし、粒界接合部4
が数μm〜数百μmの幅を持つように整形し、超電導接
合として機能するようにする。
リスタル基板1の上にスパッタリング法、レーザアブレ
ーション法などによりBa−K−Bi−O系超電導薄膜
3を約220nmの厚さに堆積する。成膜されたBa−
K−Bi−O系超電導薄膜3は、MgOバイクリスタル
基板の面方位に従って結晶方位をそろえた形で形成され
る性質がある。このため、MgOバイクリスタル基板1
の接合部の両側では異なる向きに結晶方位をそろえた薄
膜が形成される。従ってこのBa−K−Bi−O系超電
導薄膜3はMgOバイクリスタル基板1の接合部の直上
に重なるように粒界接合部4を有する。このように作製
されたBa−K−Bi−O系超電導薄膜3をエッチング
などの手法で回路形状にパターニングし、粒界接合部4
が数μm〜数百μmの幅を持つように整形し、超電導接
合として機能するようにする。
【0004】このように構成された超電導接合では、超
電導薄膜の粒界接合部が超電導弱結合として働き、準粒
子電流の障壁となって非線型な電流−電圧特性をもたら
したり、超電導電流の障壁となってジョセフソン効果を
生じさせたりする。このような効果はマイクロ波のミキ
サや超電導量子干渉素子として利用される。
電導薄膜の粒界接合部が超電導弱結合として働き、準粒
子電流の障壁となって非線型な電流−電圧特性をもたら
したり、超電導電流の障壁となってジョセフソン効果を
生じさせたりする。このような効果はマイクロ波のミキ
サや超電導量子干渉素子として利用される。
【0005】しかし、このように構成されたMgOバイ
クリスタル基板上のBa−K−Bi−O系超電導接合
は、Ba−K−Bi−O系超電導薄膜3の品質が悪く、
超電導接合の性能が低いという問題点があった。例えば
超電導接合の規格化抵抗値は5×10-5Ω・cm2と、
SrTiO3基板上に作製されたものに比べて、1桁以
上高いものであった。しかしながら、SrTiO3基板
は比誘電率が310程度と高く、高周波素子への適用に
は不適であり、比誘電率が10程度と低いMgO基板の
使用が避けられないため、MgO基板上のBa−K−B
i−O系超電導薄膜の品質向上が課題となっていた。
クリスタル基板上のBa−K−Bi−O系超電導接合
は、Ba−K−Bi−O系超電導薄膜3の品質が悪く、
超電導接合の性能が低いという問題点があった。例えば
超電導接合の規格化抵抗値は5×10-5Ω・cm2と、
SrTiO3基板上に作製されたものに比べて、1桁以
上高いものであった。しかしながら、SrTiO3基板
は比誘電率が310程度と高く、高周波素子への適用に
は不適であり、比誘電率が10程度と低いMgO基板の
使用が避けられないため、MgO基板上のBa−K−B
i−O系超電導薄膜の品質向上が課題となっていた。
【0006】また、別の従来例としてMgOバイクリス
タル基板とBa−K−Bi−O系超電導薄膜の間にBa
BiOのバッファ層を配置する例もある。図3は例えば
1995年(平成7年)春季第42回応用物理学関係連
合講演会講演予稿集第1分冊159頁、30p−TK−
2に記載された従来のBa−K−Bi−O系超電導薄膜
の構造を示す模式図であり、1はMgOバイクリスタル
基板、3はBa−K−Bi−O系超電導薄膜、4はMg
Oバイクリスタル基板の接合部の直上に形成された、B
a−K−Bi−O系超電導薄膜の粒界接合部、5はMg
Oバイクリスタル基板とBa−K−Bi−O系超電導薄
膜の間に配置されたBaBiO薄膜のバッファ層であ
る。
タル基板とBa−K−Bi−O系超電導薄膜の間にBa
BiOのバッファ層を配置する例もある。図3は例えば
1995年(平成7年)春季第42回応用物理学関係連
合講演会講演予稿集第1分冊159頁、30p−TK−
2に記載された従来のBa−K−Bi−O系超電導薄膜
の構造を示す模式図であり、1はMgOバイクリスタル
基板、3はBa−K−Bi−O系超電導薄膜、4はMg
Oバイクリスタル基板の接合部の直上に形成された、B
a−K−Bi−O系超電導薄膜の粒界接合部、5はMg
Oバイクリスタル基板とBa−K−Bi−O系超電導薄
膜の間に配置されたBaBiO薄膜のバッファ層であ
る。
【0007】次に動作について説明する。MgOバイク
リスタル基板1の上にスパッタリング法、レーザアブレ
ーション法などによりBaBiO薄膜5を約50nmの
厚さに堆積し、さらにその上にBa−K−Bi−O系超
電導薄膜3を約220nmの厚さに堆積する。成膜され
たBaBiO薄膜5およびBa−K−Bi−O系超電導
薄膜3は、MgOバイクリスタル基板1の面方位に従っ
て結晶方位をそろえた形で形成される性質がある。この
ため、MgOバイクリスタル基板1の接合部の両側では
異なる向きに結晶方位をそろえた薄膜が形成される。従
ってこのBa−K−Bi−O系超電導薄膜3はバイクリ
スタル基板の接合部の直上に重なるように粒界接合部4
を有する。このように作製されたBa−K−Bi−O系
超電導薄膜3をエッチングなどの手法で回路形状にパタ
ーニングし、粒界接合部が数μm〜数百μmの幅を持つ
ように整形し、超電導接合として機能するようにする。
リスタル基板1の上にスパッタリング法、レーザアブレ
ーション法などによりBaBiO薄膜5を約50nmの
厚さに堆積し、さらにその上にBa−K−Bi−O系超
電導薄膜3を約220nmの厚さに堆積する。成膜され
たBaBiO薄膜5およびBa−K−Bi−O系超電導
薄膜3は、MgOバイクリスタル基板1の面方位に従っ
て結晶方位をそろえた形で形成される性質がある。この
ため、MgOバイクリスタル基板1の接合部の両側では
異なる向きに結晶方位をそろえた薄膜が形成される。従
ってこのBa−K−Bi−O系超電導薄膜3はバイクリ
スタル基板の接合部の直上に重なるように粒界接合部4
を有する。このように作製されたBa−K−Bi−O系
超電導薄膜3をエッチングなどの手法で回路形状にパタ
ーニングし、粒界接合部が数μm〜数百μmの幅を持つ
ように整形し、超電導接合として機能するようにする。
【0008】このように構成された超電導接合では、超
電導薄膜の粒界接合部が超電導弱結合として働き、準粒
子電流の障壁となって非線型な電流−電圧特性をもたら
したり、超電導電流の障壁となってジョセフソン効果を
生じさせたりする。このような効果はマイクロ波のミキ
サや超電導量子干渉素子として利用される。
電導薄膜の粒界接合部が超電導弱結合として働き、準粒
子電流の障壁となって非線型な電流−電圧特性をもたら
したり、超電導電流の障壁となってジョセフソン効果を
生じさせたりする。このような効果はマイクロ波のミキ
サや超電導量子干渉素子として利用される。
【0009】しかし、このように構成されたMgO基板
上のBa−K−Bi−O系超電導接合も、Ba−K−B
i−O系超電導薄膜3の品質がまだ低いという問題点が
あった。例えば超電導接合の規格化抵抗値は1×10-6
Ω・cm2と、SrTiO3基板上に作製されたものとほ
ぼ同程度ながら、電流−電圧特性はギャップ電圧付近で
急峻な変化を示さないため、高周波検出等の応用には不
適であった。
上のBa−K−Bi−O系超電導接合も、Ba−K−B
i−O系超電導薄膜3の品質がまだ低いという問題点が
あった。例えば超電導接合の規格化抵抗値は1×10-6
Ω・cm2と、SrTiO3基板上に作製されたものとほ
ぼ同程度ながら、電流−電圧特性はギャップ電圧付近で
急峻な変化を示さないため、高周波検出等の応用には不
適であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これまでのBa−K−
Bi−O系超電導接合は以上のように構成されていたた
め、次のような問題点があった。まず、MgO基板上に
直接Ba−K−Bi−O系超電導薄膜を堆積したもの
は、接合の規格化抵抗値が高く高周波応用に不適であっ
た。また、MgO基板上にBaBiOバッファ層を配置
してからBa−K−Bi−O系超電導薄膜を堆積したも
のは、電流−電圧特性がギャップ電圧付近で急峻な変化
を示さないため、高周波応用に不適であった。
Bi−O系超電導接合は以上のように構成されていたた
め、次のような問題点があった。まず、MgO基板上に
直接Ba−K−Bi−O系超電導薄膜を堆積したもの
は、接合の規格化抵抗値が高く高周波応用に不適であっ
た。また、MgO基板上にBaBiOバッファ層を配置
してからBa−K−Bi−O系超電導薄膜を堆積したも
のは、電流−電圧特性がギャップ電圧付近で急峻な変化
を示さないため、高周波応用に不適であった。
【0011】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
め、接合の規格化抵抗値が低く、電流−電圧特性がギャ
ップ電圧付近で急峻な変化を示す、高周波応用に適した
Ba−K−Bi−O系超電導接合を作ることのできるB
a−K−Bi−O系超電導薄膜の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
め、接合の規格化抵抗値が低く、電流−電圧特性がギャ
ップ電圧付近で急峻な変化を示す、高周波応用に適した
Ba−K−Bi−O系超電導接合を作ることのできるB
a−K−Bi−O系超電導薄膜の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、基板上に極めて少量の、すなわち層を形成しな
い量のBaを含み、且つ反応性の高いKを含まない酸化
物を付着させた後、Ba−K−Bi−O系超電導薄膜を
堆積することを特徴とする製造方法である。本発明の請
求項2に係る発明は、Baを含みKを含まない酸化物
が、BaBiOである前記製造方法である。本発明の請
求項3に係る発明は、Baを含みKを含まない酸化物
が、BaOである前記製造方法である。本発明の請求項
4に係る発明は、Baを含みKを含まない酸化物が、B
aO2である前記製造方法である。
発明は、基板上に極めて少量の、すなわち層を形成しな
い量のBaを含み、且つ反応性の高いKを含まない酸化
物を付着させた後、Ba−K−Bi−O系超電導薄膜を
堆積することを特徴とする製造方法である。本発明の請
求項2に係る発明は、Baを含みKを含まない酸化物
が、BaBiOである前記製造方法である。本発明の請
求項3に係る発明は、Baを含みKを含まない酸化物
が、BaOである前記製造方法である。本発明の請求項
4に係る発明は、Baを含みKを含まない酸化物が、B
aO2である前記製造方法である。
【0013】本発明のBa−K−Bi−O系超電導薄膜
の製造方法では、MgO等の基板上に、Ba−K−Bi
−O系超電導薄膜を堆積するのに先だって、Baを含み
Kを含まない酸化物を、層を形成しない量だけ付着させ
る。付着させる方法はスパッタリング法、レーザアブレ
ーション法等何でもよいが、層を形成しないほどのごく
少量にすることを特徴とする。これはバッファ層を形成
するためではなく、基板の表面を処理することが目的だ
からである。この基板表面の処理によって、その微視的
な機序は明らかでないが、MgO等の基板上に残留する
不純物等が効果的に除去又は無害化され、引き続いての
Ba−K−Bi−O系超電導薄膜の作製に悪影響が及ば
ないようにすることができる。このように処理された基
板上に、スパッタリング法、レーザアブレーション法な
どによりBa−K−Bi−O系超電導薄膜を堆積するこ
とで、これまで作製が困難であったMgO等の基板上へ
の高品質Ba−K−Bi−O系超電導薄膜の作製が可能
となった。
の製造方法では、MgO等の基板上に、Ba−K−Bi
−O系超電導薄膜を堆積するのに先だって、Baを含み
Kを含まない酸化物を、層を形成しない量だけ付着させ
る。付着させる方法はスパッタリング法、レーザアブレ
ーション法等何でもよいが、層を形成しないほどのごく
少量にすることを特徴とする。これはバッファ層を形成
するためではなく、基板の表面を処理することが目的だ
からである。この基板表面の処理によって、その微視的
な機序は明らかでないが、MgO等の基板上に残留する
不純物等が効果的に除去又は無害化され、引き続いての
Ba−K−Bi−O系超電導薄膜の作製に悪影響が及ば
ないようにすることができる。このように処理された基
板上に、スパッタリング法、レーザアブレーション法な
どによりBa−K−Bi−O系超電導薄膜を堆積するこ
とで、これまで作製が困難であったMgO等の基板上へ
の高品質Ba−K−Bi−O系超電導薄膜の作製が可能
となった。
【0014】
実施の形態1.以下、本発明の実施の形態について説明
する。図1は本発明のBa−K−Bi−O系超電導薄膜
の製造方法を説明するための模式図であり、図におい
て、1および3,4の各番号は上記と同一または相当す
る部分であり、2はBaBiOによって処理されたMg
Oバイクリスタル基板の表面である。
する。図1は本発明のBa−K−Bi−O系超電導薄膜
の製造方法を説明するための模式図であり、図におい
て、1および3,4の各番号は上記と同一または相当す
る部分であり、2はBaBiOによって処理されたMg
Oバイクリスタル基板の表面である。
【0015】次に製造方法の一例について説明する。M
gOバイクリスタル基板1を真空中で760℃に加熱
し、5分間保持する。次に酸素を20ccmの流量で導
入し、圧力を90Paに保つ。この状態で、RFスパッ
タリング法により100Wの出力で10秒間、BaBi
OをMgOバイクリスタル基板1に対しスパッタリング
する。この処理により、MgOバイクリスタル基板1上
に、堆積厚さ換算で0.25nm相当のBaBiOが付
着する。これはBaBiOの1原子層である0.4nm
以下の少量である。このようにして得られたMgOバイ
クリスタル基板表面2に対し、基板温度を490℃に下
げ、組成比がBa0.7K0.3BiO3のターゲットを使用
し、100Wの出力で3時間、スパッタリングを行う。
これにより基板上に、厚さ270nmのBa−K−Bi
−O系超電導薄膜3が堆積される。この薄膜の粒界接合
部4をArイオンを用いたイオンビームエッチング法で
幅7μmのブリッジ状に成形し、粒界接合を有する超電
導素子を作製する。
gOバイクリスタル基板1を真空中で760℃に加熱
し、5分間保持する。次に酸素を20ccmの流量で導
入し、圧力を90Paに保つ。この状態で、RFスパッ
タリング法により100Wの出力で10秒間、BaBi
OをMgOバイクリスタル基板1に対しスパッタリング
する。この処理により、MgOバイクリスタル基板1上
に、堆積厚さ換算で0.25nm相当のBaBiOが付
着する。これはBaBiOの1原子層である0.4nm
以下の少量である。このようにして得られたMgOバイ
クリスタル基板表面2に対し、基板温度を490℃に下
げ、組成比がBa0.7K0.3BiO3のターゲットを使用
し、100Wの出力で3時間、スパッタリングを行う。
これにより基板上に、厚さ270nmのBa−K−Bi
−O系超電導薄膜3が堆積される。この薄膜の粒界接合
部4をArイオンを用いたイオンビームエッチング法で
幅7μmのブリッジ状に成形し、粒界接合を有する超電
導素子を作製する。
【0016】このようにして作製した素子を液体ヘリウ
ム中で冷却し、接合の規格化抵抗と電流−電圧特性を測
定したところ、超電導接合の規格化抵抗値は8.1×1
0-7Ω・cm2であり、従来の方法で作製したものより
2桁も低い抵抗値が達成された。また、電流−電圧特性
はギャップ電圧6.5mVの位置で遷移幅1.0mVの
急峻な変化を示し、従来の方法では達成できなかった、
高周波応用に適した品質の超電導接合を実現した。な
お、実施の形態1では基板としてMgOバイクリスタル
基板を用いた例について説明したが、必要に応じて他の
基板も適宜選択することができる。
ム中で冷却し、接合の規格化抵抗と電流−電圧特性を測
定したところ、超電導接合の規格化抵抗値は8.1×1
0-7Ω・cm2であり、従来の方法で作製したものより
2桁も低い抵抗値が達成された。また、電流−電圧特性
はギャップ電圧6.5mVの位置で遷移幅1.0mVの
急峻な変化を示し、従来の方法では達成できなかった、
高周波応用に適した品質の超電導接合を実現した。な
お、実施の形態1では基板としてMgOバイクリスタル
基板を用いた例について説明したが、必要に応じて他の
基板も適宜選択することができる。
【0017】実施の形態2.実施の形態1ではBaを含
みKを含まない酸化物としてBaBiOを使用したが、
酸化物の材料はBaBiOに限られるものではなく、B
aOを使用しても同様の効果が得られる。
みKを含まない酸化物としてBaBiOを使用したが、
酸化物の材料はBaBiOに限られるものではなく、B
aOを使用しても同様の効果が得られる。
【0018】実施の形態3.実施の形態1ではBaを含
みKを含まない酸化物としてBaBiOを使用したが、
酸化物の材料はBaBiOに限られるものではなく、B
aO2を使用しても同様の効果が得られる。
みKを含まない酸化物としてBaBiOを使用したが、
酸化物の材料はBaBiOに限られるものではなく、B
aO2を使用しても同様の効果が得られる。
【0019】実施の形態4.実施の形態1では超電導薄
膜としてBa−K−Bi−O系超電導薄膜を対象とした
が、本発明はBa−Rb−Bi−O系超電導薄膜に対し
ても同様の効果が得られる。
膜としてBa−K−Bi−O系超電導薄膜を対象とした
が、本発明はBa−Rb−Bi−O系超電導薄膜に対し
ても同様の効果が得られる。
【0020】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、基板上に、B
aを含みKを含まない酸化物を、層を形成しない量だけ
付着させた後、Ba−K−Bi−O系超電導酸化物を堆
積させたため、低誘電率のMgO基板上に、規格化抵抗
の低い、ギャップ電圧で明瞭な遷移を示す電流−電圧特
性を有する、高周波応用に適した品質の超電導接合を実
現するBa−K−Bi−O系超電導薄膜を作製できる。
aを含みKを含まない酸化物を、層を形成しない量だけ
付着させた後、Ba−K−Bi−O系超電導酸化物を堆
積させたため、低誘電率のMgO基板上に、規格化抵抗
の低い、ギャップ電圧で明瞭な遷移を示す電流−電圧特
性を有する、高周波応用に適した品質の超電導接合を実
現するBa−K−Bi−O系超電導薄膜を作製できる。
【0021】請求項2の発明によれば、Baを含みKを
含まない酸化物が、BaBiOである前記製造方法であ
るため、低誘電率のMgO基板上に、規格化抵抗の低
い、ギャップ電圧で明瞭な遷移を示す電流−電圧特性を
有する、高周波応用に適した品質の超電導接合を一層良
好に実現するBa−K−Bi−O系超電導薄膜を作製で
きる。
含まない酸化物が、BaBiOである前記製造方法であ
るため、低誘電率のMgO基板上に、規格化抵抗の低
い、ギャップ電圧で明瞭な遷移を示す電流−電圧特性を
有する、高周波応用に適した品質の超電導接合を一層良
好に実現するBa−K−Bi−O系超電導薄膜を作製で
きる。
【0022】請求項3の発明によれば、Baを含みKを
含まない酸化物が、BaOである前記製造方法であるた
め、低誘電率のMgO基板上に、規格化抵抗の低い、ギ
ャップ電圧で明瞭な遷移を示す電流−電圧特性を有す
る、高周波応用に適した品質の超電導接合を一層良好に
実現するBa−K−Bi−O系超電導薄膜を作製でき
る。
含まない酸化物が、BaOである前記製造方法であるた
め、低誘電率のMgO基板上に、規格化抵抗の低い、ギ
ャップ電圧で明瞭な遷移を示す電流−電圧特性を有す
る、高周波応用に適した品質の超電導接合を一層良好に
実現するBa−K−Bi−O系超電導薄膜を作製でき
る。
【0023】請求項4の発明によれば、Baを含みKを
含まない酸化物が、BaO2である前記製造方法である
ため、低誘電率のMgO基板上に、規格化抵抗の低い、
ギャップ電圧で明瞭な遷移を示す電流−電圧特性を有す
る、高周波応用に適した品質の超電導接合を一層良好に
実現するBa−K−Bi−O系超電導薄膜を作製でき
る。これらの効果により、本発明によれば、Ba−K−
Bi−O系超電導接合の性能を大幅に向上させることが
可能となる。
含まない酸化物が、BaO2である前記製造方法である
ため、低誘電率のMgO基板上に、規格化抵抗の低い、
ギャップ電圧で明瞭な遷移を示す電流−電圧特性を有す
る、高周波応用に適した品質の超電導接合を一層良好に
実現するBa−K−Bi−O系超電導薄膜を作製でき
る。これらの効果により、本発明によれば、Ba−K−
Bi−O系超電導接合の性能を大幅に向上させることが
可能となる。
【図1】本発明の製造方法を説明するための模式図であ
る。
る。
【図2】従来のBa−K−Bi−O系超電導薄膜の構造
を示す模式図である。
を示す模式図である。
【図3】他の従来のBa−K−Bi−O系超電導薄膜の
構造を示す模式図である。
構造を示す模式図である。
1 基板、2 Baを含みKを含まない酸化物によって
処理された基板表面、3 超電導薄膜、4 超電導薄膜
の粒界接合部、5 バッファ層。
処理された基板表面、3 超電導薄膜、4 超電導薄膜
の粒界接合部、5 バッファ層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 12/02 ZAA H01B 12/02 ZAA (72)発明者 吉田 幸久 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−147945(JP,A) 特開 平5−167118(JP,A) 特開 平6−157035(JP,A) IEEE TRANSACTIONS ON APPLIED SUPERC ONDUCTIVITY,Vol.5, No.2,JUNE 1995,pp.1351 −1354 電気学会研究会資料,SMP−98−1 〜4,1998年1月21日,pp.7−12 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/24 H01L 39/22 H01L 39/00 C01G 1/00 C01G 29/00 C23C 14/08 C30B 29/22 501 H01B 12/02
Claims (4)
- 【請求項1】 基板上に、Baを含みKを含まない酸化
物を、層を形成しない量だけ付着させた後、Ba−K−
Bi−O系超電導酸化物を堆積させることを特徴とする
Ba−K−Bi−O系超電導薄膜の製造方法。 - 【請求項2】 Baを含みKを含まない酸化物が、Ba
BiOである請求項1に記載のBa−K−Bi−O系超
電導薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 Baを含みKを含まない酸化物が、Ba
Oである請求項1に記載のBa−K−Bi−O系超電導
薄膜の製造方法。 - 【請求項4】 Baを含みKを含まない酸化物が、Ba
O2である請求項1に記載のBa−K−Bi−O系超電
導薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9221465A JP2966378B2 (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | Ba−K−Bi−O系超電導薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9221465A JP2966378B2 (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | Ba−K−Bi−O系超電導薄膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1168181A JPH1168181A (ja) | 1999-03-09 |
JP2966378B2 true JP2966378B2 (ja) | 1999-10-25 |
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ID=16767151
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9221465A Expired - Fee Related JP2966378B2 (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | Ba−K−Bi−O系超電導薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2966378B2 (ja) |
-
1997
- 1997-08-18 JP JP9221465A patent/JP2966378B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
IEEE TRANSACTIONS ON APPLIED SUPERCONDUCTIVITY,Vol.5,No.2,JUNE 1995,pp.1351−1354 |
電気学会研究会資料,SMP−98−1〜4,1998年1月21日,pp.7−12 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1168181A (ja) | 1999-03-09 |
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