JP2647817B2 - 撮影レンズ用保護カバー装置 - Google Patents

撮影レンズ用保護カバー装置

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JP2647817B2
JP2647817B2 JP7281324A JP28132495A JP2647817B2 JP 2647817 B2 JP2647817 B2 JP 2647817B2 JP 7281324 A JP7281324 A JP 7281324A JP 28132495 A JP28132495 A JP 28132495A JP 2647817 B2 JP2647817 B2 JP 2647817B2
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cam
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axis direction
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央 若林
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  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、撮影レンズの保護カバー
装置、特に光軸に沿って繰り込まれた撮影レンズの前面
を覆う撮影レンズ用保護カバー装置に関する。
【0002】
【発明の背景】撮影レンズを外部の物体との接触による
損傷から保護し、ホコリや指紋等の付着を防止するレン
ズカバー(以下「防塵カバー」と称する。)が撮影レン
ズの前面を覆うように開閉可能に設けられた装置は、例
えば特開昭57−196222号の公報特許公報などに
より既に公知である。この従来公知の防塵カバー装置
は、開き状態の防塵カバーを貫通して撮影レンズを移動
させることができ、しかも、その撮影レンズが繰り込ま
れて収納位置まで移動するときに、撮影レンズを移動さ
せるオートフォーカス装置の距離調節部材の回動に連動
してその防塵カバーが閉じるように構成されている。従
って、この公知の防塵カバー装置を用いれば、防塵カバ
ーを収容する撮影レンズ外筒を短いものにでき、操作が
容易で、しかもカメラ本体をコンパクトに形成できる利
点が有る。
【0003】しかし乍、この従来公知の防塵カバー装置
においては、防塵カバーを開き位置に保持するための係
止爪と、撮影レンズを収納位置へ移動するために距離調
節部材を釈放させると同時にその係止爪の係止を解除す
る操作部材とを必要とする。従ってその装置は、構造が
複雑で、コスト高なものとなる欠点を有する。また、こ
の公知の防塵カバー装置においては、防塵カバーを開閉
させるためのカバー駆動リングと、撮影レンズを光軸方
向に移動させるためのカムを有する距離調節部材との間
に撮影レンズ鏡筒が設けられている。従って、例えば注
レンズを繰り出し、その跡に補助レンズを付加すること
によって撮影レンズの合成焦点距離を変換するいわゆる
二焦点式カメラや、通常撮影領域の至近距離を超えてさ
らに極めて近接したマクロ撮影が可能なカメラの如く、
撮影レンズの、読出し量が特に大きいカメラにおいて
は、距離調節部材とカバー駆動リングとの間が極端に大
きく離れることになる。そのため、距離調節部材の回転
をカバー駆動リングに伝えるチャージ腕の長さが長くな
るばかりでなく、その距離調節部材とカバー駆動リング
とをそれぞれ係止する係止爪を釈放するための操作部材
の押圧部も長く伸ばさなければならず、作動が不円滑と
なる恐れが有る。
【0004】また、この公知の防塵カバー装置において
は、カバー駆動リングと距離調節部材とはそれぞればね
の付勢力によって回転して防塵カバーを閉じたり、撮影
レンズを繰込み方向に移動させる如く構成されている。
そのため、撮影に先立って、その都度、前記のばねをチ
ャージすると共に防塵カバーを開き、撮影レンズを繰出
し位置まで移動しなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、撮影レン
ズ鏡筒の移動に連動して自動的に開閉するレンズバリア
を有するカメラの小型化を目的とする。更に詳述する
と、本願発明は、撮影レンズ鏡筒の移動に連動して自動
的に開閉するレンズバリアを設ける際に、撮影レンズ鏡
筒の径をレンズバリア装置によって左右されない構成を
提供することを目的とする。また、本願発明の別の目的
は、撮影レンズ鏡筒の構造を複雑化することなく、撮影
レンズ鏡筒の移動に連動して自動的に開閉するレンズバ
リアを設けることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、前述の課題
を以下の手段によって解決する。請求項1に記載の発明
は、少なくとも繰出位置と繰込位置との間で、その光軸
方向へ移動可能な撮影レンズ鏡筒(3c)と、該撮影レ
ンズ鏡筒の少なくとも一部が通過可能な開口(1h)
と、該撮影レンズ鏡筒を移動させるための駆動力を発生
する電動駆動手段(12)と、光軸方向に移動すること
なく、光軸とほぼ垂直な面内において、前記開口を覆う
位置と該開口を覆う位置から退避した位置との間で移動
可能なレンズカバー(102)と、前記電動駆動手段に
よって発生した駆動力を前記レンズカバーへ伝達する伝
達手段(113’,107’,121,108,10
9,110,103)とを備え、前記電動駆動手段によ
って発生した駆動力によって前記レンズカバーを移動さ
せるようにした。請求項2に記載の発明は、請求項1の
発明における伝達手段として、前記レンズ鏡筒と共に光
軸方向に移動可能な可動部材(113’)と、該可動部
材に対して光軸方向には相対的に摺動可能であり、前記
可動部材に対して光軸方向とは異なる方向への相対的な
摺動は禁止される摺動部材(107’)と、前記可動部
材を前記レンズ鏡筒の光軸方向の移動に伴って光軸方向
とは異なる方向へ案内する案内部材(121)と、前記
案内部材による前記可動部材の光軸方向とは異なる方向
への移動を、前記摺動部材を介して前記レンズカバーへ
伝達する伝達部材(108,109,110,103)
とを設けた。以上の記載には、説明のために、本願発明
の各構成要素に実施例中の参照番号を付した。しかしな
がら、本願発明は、これによって実施例に限定されるも
のではない。
【0007】
【実施例】本願発明の実施例の説明に先立って、本願発
明の基礎となる二焦点カメラの構成を説明する。図1お
よび図2は二焦点式カメラの断面図で、図1は副光学系
を付加して合成焦点距離の長い望遠状態を示し、図2
は、その副光学系を撮影光路外に退避させて撮影レン
ズ、鏡筒をカメラ本体内に収納した状態を示す。また、
図3は図1に示された構成の望遠状態の斜視図、図4は
撮影レンズ鏡筒を繰り込んだ広角状態の斜視図、図5は
図2に示された収納状態における斜視図である。
【0008】図1および図3において、カメラ本体1か
ら光軸方向に繰り出して置かれた撮影レンズ鏡筒3A内
に設けられた主光学系3の前面には、後で詳しく述べら
れる防塵カバー102が開閉可能に設けられ、その主光
学系3の後方には副光学系4が挿脱可能に設けられてい
る。カメラ本体1の上面には、撮影光学系の焦点距離を
切り換えると共に防塵カバー102を開閉させるための
焦点距離選択部材105が常時操作可能に設けられてい
る。防塵カバー102は、撮影レンズ鏡筒3A内の主光
学系3の直前に設けられ、図1および図3においては開
位置におかれている。また焦点距離選択部材105は、
図3に示す如く主光学系3が繰り出された状態の望遠位
置に在り、その示標105Aはカメラ本体1の上面に付
された記号「T」に対向している。この状態において
は、副光学系4は主光学系3の後方の光軸上に挿入さ
れ、主光学系3と副光学系との合成焦点距離が主光学系
3の焦点距離より長い焦点距離に切り換えられている。
【0009】図4においては、焦点距離選択部材105
の示標105Aがカメラ本体1の上面に付された記号
「W」に対向しており、この場合、主光学系3は撮影レ
ンズ鏡筒3Aと共に図1の繰出し位置からカメラ本体1
側に繰り込まれた繰込み位置まで移動し、副光学系4は
図2に示す如く撮影光路外の退避位置へ退避する。従っ
て主光学系3のみが撮影光路上にあり、その焦点距離は
短焦点(広角)となる。しかし、防塵カバー102は開
状態のままに置かれる。
【0010】図2および図5においては、焦点距離選択
部材105の示標105Aがカメラ本体1の上面に付さ
れた記号「OFF」に対向している。この状態において
は、主光学系3は撮影レンズ鏡筒3Aと共にカメラ本体
1内に収納された繰込位置にあり、副光学系4は撮影光
路外に退避したままに保持される。しかし、防塵カバー
102は主光学系3の前面を覆い閉状態となる。
【0011】図6および図8は、それぞれ図1および図
2の一部破断平面図で、カメラ本体の導体ランドC
1 、Cd2 とそれぞれ接触する摺動接片Br1 、Br
2 は焦点距離選択部材105に連動し、長い帯状の導体
ランドCd1 と摺動接片Br1 とでスイッチSw1 が、
また短い導体ランドCd2 と摺動接片Br2 とでスイッ
チSw2 が構成されている。スイッチSw1 は、焦点距
離選択部材105が、広角記号Wおよび望遠記号Tの位
置にあるときにONとなり、記号「OFF」位置に変位
するとOFFとなる。また、スイッチSw2 は、焦点距
離選択部材105が望遠記号Tの位置にあるときのみO
Nとなり、他の広角記号WおよびOFF記号位置ではO
FFとなる。この2個のスイッチSw1 およびSw
2 は、主光学系3および副光学系4を変位させるために
後述のモータ12の回転を制御する。なお、撮影レンズ
鏡筒3Aの先端部には外周につば3Bを有し、焦点距離
選択部材105が広角位置(記号Wの位置)に切り換え
られ、図7の如く撮影レンズ鏡筒3Aが繰込位置まで繰
り込まれると、カメラ本体1の段部1aを3Bが埋める
ことにより、カメラの携行時に、ゴミや水滴がカメラ本
体内に侵入することを防止するように構成されている。
【0012】図9は焦点距離選択部材105によって制
御される光学系変位機構を示す斜視図で、図10は図9
の台板10を裏から見た斜視図である。共に図1に示す
如く主光学系3が繰出し位置にあり、副光学系4が主光
学系3の後方の光軸上に挿入されている望遠状態を示
す。図9において、台板10の中央部には撮影光束が通
過する開口10aが設けられており、その前方には、図
1に示す如く、絞り兼シャッター装置11と主光学系3
とが固設されている。台板10の上方裏面にはモータ1
2が固設されてあり、そのモータ12の回転軸の一端に
はペペルギヤ12aが図10に示す如く固設されてい
る。このペペルギヤ12aには台板10に軸支されたペ
ペルギヤ13がかみ合い、このギヤ13と一体の平歯車
13aには同じく台板10に軸支されたギヤ14がかみ
合っている。ギヤ14の中央には貫通孔が開けられてお
り、この貫通孔にはギヤ14の回転中心を軸心とするめ
ねじが切られている。このめねじには、案内軸15に切
られたおねじが螺合している。案内軸15は、光軸方向
に延びており、末端はカメラ本体の基板1cに固設さ
れ、先端は台板10の貫通孔10bに軸方向摺動可能に
挿入されている。モータ12の回転軸の他端にはペペル
ギヤ12bが固設されている。このペペルギヤ12bに
は台板10に軸支されたペペルギヤ16がかみ合い、こ
のギヤ16と一体の平歯車16aには台板10に軸支さ
れたギヤ列17の入力ギヤ17aがかみ合っている。ギ
ヤ列17の出力ギヤ17bの中央には貫通孔が開けられ
ており、この貫通孔にはギヤ17bの回転中心を軸心と
するめねじが切られている。このめねじには、案内軸1
8に切られたおねじが螺合している。案内軸18は、光
軸方向に延びており、末端はカメラ本体の基板1cに固
設され、先端は台板10の貫通孔10eに軸方向摺動可
能に挿入されている。モータの一定量回転に対するギヤ
14、17bの回転の量と方向は等しくなるように設定
されており、またギヤ14と案内軸15の螺合と、ギヤ
17bと案内軸18の螺合の条件も等しく設定されてい
る。基板1cには光軸方向に延びる別の案内軸19も植
設されている。案内軸19は、台板10の裏面に突設さ
れた張出部10dの貫通孔10eと台板10の貫通孔1
0fとに軸方向摺動可能に挿入され、これにより台板1
0は光軸に対して垂直に保持されている。
【0013】このような構成なので、モータ12が回転
すると、ギヤ14と案内軸15の螺合と、ギヤ17bと
案内軸18の螺合により、台板10は光軸に対して垂直
を保ったまま光軸方向に平行移動し、それに固設された
主光学系3、絞り兼シャッター装置11は、繰出位置と
繰込位置との間を光軸方向に変位する。台板10の図9
中で右側面にはプリント基板20が固設されている。こ
のプリント基板20の表面には、導体ランド20a〜2
0cが設けられており、これらにはカメラ本体に固設さ
れた3つの摺動接片21〜23がそれぞれ摺接可能とな
っている。摺動接片21と導体ランド20aとでスイッ
チSw3を、摺動接片22と導体ランド20bとでスイ
ッチSw4を、摺動接片23と導体ランド20cとでス
イッチSw5をそれぞれ構成している。スイッチSw3
は主光学系3が繰込位置にある時、スイッチSw4は繰
出位置にある時、スイッチSw5は繰込位置と繰出位置
の中間にある時それぞれOFFとなる。スイッチSw
3、Sw4はリミットスイッチとして働き、主光学系3
が繰込位置または繰出位置まで変位してくるとモータ1
2の給電を断つ。スイッチSw5は、主光学系3が上記
両位置の中間の位置にあって、フィルム面に被写体像を
形成不可能な時に、シャッターレリーズが出来ないよう
にするためのスイッチであり、後述の自動焦点調節・シ
ャッター制御回路31(図12に図示)への給電を断つ
ためのスイッチである。尚フィルム24は、基板1eに
開けられた撮影開口14の後方に設けられている。
【0014】次に、副光学系挿脱機構を図6によって説
明する。図10において、台板10の裏面には減速ギヤ
列25とカムギヤ26と駆動部材27とが軸支されてお
り、駆動部材27には副光学系4が保持されている。減
速ギヤ列25の入力ギヤ25sは、上記ペペルギヤ13
と一体の平歯車13aとかみ合っており、減速ギヤ列2
5の最終ギヤ25bはカムギヤ26とかみ合っている。
カムギヤ26と駆動部材27とは同軸であって、両者は
カムギヤ26の端面に設けられた正面カム26aを介し
て結合されている。
【0015】減速ギヤ列25の減速比は、次のように設
定されている。すなわち主光学系3が繰出位置にある時
は、副光学系4を撮影光束中に挿入した挿入位置(実線
で図示)に置き、主光学系3が繰込位置にある時は、副
光学系4を撮影光束から退避させた退避位置(2点破線
で図示)に置くようになっている。カムギヤ26と駆動
部材27とは、台板10に植設された固定軸10gに回
転可能に支持され、さらに駆動部材27は、固定軸10
g上を軸方向に摺動可能であって、圧縮ばね30により
カムギヤ26の正面カム26aに圧接するように付勢さ
れている。台板10には駆動部材27の自由端27dを
係止する係止部材10j、10kが植設されており、係
止部材10jは副光学系4が挿入位置にもたらされた時
に駆動部材27の摺動を係止し、係止部材10kは副光
学系4が退避位置にもたらされた時に駆動部材27の揺
動を係止する。
【0016】カムギヤ25の正面カム26aは、図11
のカム線図において、太線にて示す如く、回転角θが0
からθ1にかけて揚程が0で変化しない第1平坦区間A
と、θ1からθ2にかけて揚程hが0からh1まで直線
的に増加する第1斜面区間Bと、θ2からθ3にかけて
揚程bがb1で変化しない第2平坦区間Cと、θ3から
306°にかけて揚程bがb1から0まで直線的に減少
する第2斜面区間Dとから成る。
【0017】駆動部材27が第1平坦区間Aに係合して
いるときは、副光学系4は、図1に示す挿入位置または
図2に示す退避位置に在り、駆動部材27から突出した
小筒4Cが台板10の間口10aまたは円孔10l(図
1および図2に参照)に挿入されているので、正面カム
25aが回転しても副光学系4はその位置に固定して置
かれる。正面カム26aが正回転または逆回転して、駆
動部材27が第1斜面区間Bと第2斜面区間Dに係合し
ている間中に、副光学系4は、そのカムリフトに従って
光軸方向に移動し、小筒4Cが開口10aまたは円孔1
0lから脱出すると、図10に示すように角αだけカム
ギヤ26と一体に回動するように構成されている。
【0018】図12は、主光学系3と防塵カバー2とを
内成する撮影レンズ鏡筒3Aを保持する台板10と副光
学系4を保持する駆動部材27とを駆動するためのモー
タ12を制御するモータ制御回路図である。図12にお
いて、モータ12は次の3つの給電回路で駆動される。
第1の経路は、電源Bの正極−スイッチBw3−スイッ
チSw7a−モータ12−スイッチSw7b−電源Bの
負極の経路である。この経路で給電がなされることによ
り、モータ12は回転し、主光学系3を繰込位置へ変位
させると共に副光学系4を退避位置に変位させる。
【0019】第2の経路は、電源Bの正極−スイッチS
w4−スイッチSw8a−モータ12−スイッチSwB
b−電源Bの負極の経路である。この経路で給電がなさ
れることにより、モータ12は第1の経路の時とは逆方
向に回転して、主光学系3を繰出位置へ変位させると共
に副光学系4を挿入位置に変位させる。ここでスイッチ
Sw7s、Sw7b、Sw8a、Sw8bは、後述の論
理回路40によって開閉制御される半導体スイッチであ
る。
【0020】第3の経路は、自動焦点調節・シャッター
制御回路31とモータ12とを結ぶ経路であって、この
制御回路31の出力によりモータ12は正逆転して、光
学系を光軸方向に前後させ、焦点を合致させる。その自
動焦点調節・シャッター制御回路31は、自動焦点調節
制御回路31Aとシャッター制御回路31Bとを含み、
図示されないシャッタ・レリーズ釦の押動により自動焦
点調節制御回路31Aが動作を開始し、焦点調節が完了
するとシャッタ制御回路31Bが動作して、絞り兼用シ
ャッター装置11の開閉が行われるように構成されてい
る。この制御回路31の給電路には、直列接続されたス
イッチSw1a、Sw5が挿入されている。スイッチS
w1aは、上記スイッチSw1(図4参照)によってこ
れと同相で開閉制御される半導体スイッチで、また、ス
イッチSw5は主光学系3が繰出位置と繰込位置とにあ
る時(副光学系4が挿入位置と退避位置とにある時)だ
けONとなる。これらにより防塵カバー102や光学系
3、4が撮影に不適当な位置にある時に自動焦点調節や
シャッターが動作することが防がれる。
【0021】スイッチSw7a、Sw7b、Sw8aお
よび8w8bの半導体スイッチは、図13の如き論理回
路40によって制御される。この論理回路40は、一対
の入力端子40a、40bと一対の出力端子40c、4
0dとを備えている。入力端子40aは上記スイッチS
w1と接地抵抗の間に、入力端子40bは上記スイッチ
Sw2と接地抵抗の間に、出力端子40cは上記スイッ
チSw7a、Sw7bの制御端子に、出力端子40dは
上記スイッチSw8a、8bの制御端子にそれぞれ接続
されている。入力端子40aは、スイッチSw1がON
の時にHighレベルとなり、スイッチSw1がOFF
の時、すなわち焦点距離選択部材105がOFF位置に
ある時にLowレベルとなる。入力端子40bは、スイ
ッチSw2がONの時、すなわち焦点距離選択部材5が
望遠位置にある時にHighレベルとなり、スイッチS
w2がOFFの時、すなわち焦点距離選択部材105が
広角位置およびOFF位置にある時にLowレベルとな
る。出力端子40cは、Highレベルの時上記スイッ
チSw7a、Sw7bを共にONにし、Lowレベルの
時共にOFFにする。出力端子40dは、Highレベ
ルの時上記スイッチSw8a、Sw8bを共にONに
し、Lowレベルの時共にOFFにする。
【0022】論理回路40の入力端子40aは、イクス
クルーシブオア回路40eの一方の入力端子とノブ回路
40fの一方の入力端子とに接続されている。入力端子
40bは、イクスクルーシブオア回路40eの他方の入
力端子とノブ回路40fの他方の入力端子とに接続され
ている。両回路40e、40fの出力端子は、オア回路
40gの両入力端子にそれぞれ接続されている。オア回
路40gの出力端子は、論理回路40の出力端子40c
とインバータ40bの入力端子とに接続され、インバー
タ40hの出力端子は、論理回路40の出力端子40d
に接続されている。
【0023】下表は、焦点距離選択部材105の位置、
その位置によって切り換わるスイッチSw1、Sw2の
状態、論理回路40の入力端子40a、40b、出力端
子40c、40dのレベル、スイッチSw7a、Sw7
b、Sw8a、Sw8bの状態、主光学系3、副光学系
4の位置の関係がまとめたものである。
【0024】
【表1】
【0025】図14は、二焦点カメラの防塵カバー開閉
機構を示す斜視図で、主光学系3が望遠状態に繰り出さ
れ、防塵カバーは開いている状態を示す。なお、撮影レ
ンズ鏡筒3Aおよびカメラ本体1は省略されている。図
14において防塵カバー102は2枚の半月形の遮光板
102Aおよび102Bとから成り、それぞれ軸101
A、101Bを介して2個のクランクレバー103およ
び104の一方の腕103a、104aに一定角度内で
回転自在に軸支されている。一方のクランクレバー1─
Cの他方の腕103bにはピン106が植設され、この
ピン106は他方のクランクレバー104の他方の腕1
04bに設けられた摺動溝104cと係合している。
【0026】一方、台板10に回転可能に支持された伝
達軸107の一端にはフランジ108が固設され、一方
のクランクレバー103はこのフランジ108に回転可
能に保持されている。また、このクランクレバー103
は、コイルねじりばね109によって図14中で反時計
方向に回動するように付勢され、他方の腕103bはフ
ランジ108に植設されたピン110に常時圧接してい
る。ピン106を介して一方のクランクレバー103と
結合する他方のクランクレバー104は、台板10に植
設されたピン軸111によって回転可能に支持されてい
る。さらにまた、台板10を貫通する伝達軸107の他
端には、引張ばね112によって図14中で時計方向に
付勢された揺動レバー113が固設されている。なお、
クランクレバー103の時計方向の動きは、台板10に
植設された固定ピン114に当接することにより阻止さ
れる。
【0027】また、一方、カメラ本体1に設けられた焦
点距離選択部材105の回動は偏心ピン115を介して
クランクレバー116に伝えられ、クランクレバー11
6の一方の腕116aに植設された係合ピン117を揺
動させる如く構成されている。この係合ピン117は、
カメラ本体に植設された2本の案内ピン118によって
支持されたスライド板119の上部突出部119Aに形
成された溝120に係合している。
【0028】スライド板119は、クランクレバー11
6が回動すると、台板10に平行に図14中で左右に摺
動する如く構成されている。そのスライド板119の下
部には突出カム121が光軸方向に突出して設けられ、
その突出カム121には、揺動レバー113と係合可能
なカム面121aがその先端部に形成されている。この
カム面121aは、焦点距離選択部材105が望遠位置
からOFF位置へ回転変位し、スライド板119が図1
4中で左方へ移動した後、台板10が繰込み位置へ移動
すると揺動レバー113の上部右側面に係合して、揺動
レバー113を反時計方向に回動させる如く構成されて
いる。
【0029】その揺動レバー113と突出カム121と
の位置関係は、図15の説明図に示されるように、焦点
距離選択部材105が望遠位置にあるときは、揺動レバ
ー113は突出カム121から大きく離れ、また、突出
カム121の左側面121bは、揺動レバー113の光
軸方向の軌道Lから離れて置かれる(図15〔a〕参
照)。焦点距離選択部材105を図15〔b〕の如く広
角位置に切り換えると、揺動レバー113は台板10の
移動につれて軌道Lに沿って破線位置から実線位置まで
移動し、突出カム121も鎖線位置から実線位置まで移
動する。この場合、突出カム121の左側面121bは
揺動レバー113の軌道Lに近接する位置にあるが、揺
動レバー113とは接触しない位置に置かれる。次に図
15〔c〕の如く焦点距離選択部材105がOFF位置
に置かれると、突出カム121は鎖線の位置から実線で
示すように揺動レバー113の軌道L上に挿入され、揺
動レバー113は突出カム121の左側面121bに当
接して左方へ押圧移動され実線位置に置かれる。このと
き揺動レバー113は図14中で半時計方向に回転し、
防塵カバー102は閉じる。また、焦点距離選択部材1
05を図15〔d〕の如く望遠位置から急速にOFF位
置まで回転させると、直ちに突出カム121は図15
〔a〕の位置から〔c〕の位置へ移動する。しかし、台
板10と共に光軸方向に移動する揺動レバー113の移
動が遅れるので、揺動レバー113は、(1)の位置か
ら軌道Lに沿って(2)の位置まで移動する。揺動レバ
ー113は、この(2)の位置までカム面121aに接
し、カム面121aに沿って左方へ変位して(3)の位
置に達し、図15〔c〕と同様な状態となるように構成
されている。
【0030】次に、上記の二焦点カメラの作用について
説明する。 〔1〕焦点距離選択部材105が望遠位置にある時。 図3に示されている如く、焦点距離選択部材105が望
遠位置(記号Tの位置に置かれている場合には、その焦
点距離選択部材105に連動するクランクレバー116
は図14の如く時計方向に回転した位置にあり、スライ
ド板119は図14中で最も右側に移動している。従っ
て図15〔a〕に示されているように、スライド板11
9の突出カム121は揺動レバー119の起動Lから右
方に離れた位置に置かれている。
【0031】その揺動レバー119は、引張ばね112
の付勢力によって図14の如く時計方向に回転変位した
位置に置かれ、これに連動するクランクレバー103は
固定ピン114によって時計方向の回動を阻止されてい
る。また、防塵カバー102の遮蔽板102Aおよび1
02Bは互いに離れて開き状態にある。一方、主光学系
3と台板10とは図1に示す如く繰出位置に在り、副光
学系4は、主光学系3の光軸上に挿入されている。
【0032】また、図6の如く焦点距離選択部材105
が望遠位置(記号T位置)に在るときは、これに連動す
るスイッチSw1の摺動接片Br1 とスイッチSw2の
摺動接片Br2 はそれぞれ導体ランドCd1、Cd2に
接触している。従って、スイッチSw1、Sw2は共に
ONの状態にあるので、論理回路40の入力端子40
a、40bは共にHighレベルとなる。イクスクルー
シブオブ回路40e、ノブ回路40fの出力端子はLo
wレベルとなり、オア回路40gの出力端子もLowレ
ベルとなり、論理回路40の出力端子40c、40dは
それぞれLow、Highレベルとなる。これにより図
12に示すスイッチSw7a、Sw7bはOFFとな
り、スイッチSw8a、Sw8bはONとなる。主光学
系3は繰出位置にあるので、図4に示すようにスイッチ
Sw3、Sw4、Sw5は、それぞれON、OFF、O
Nの状態にある。スイッチSw7a、Sw7bがOFF
であるから、モータ12を駆動するための前述の第1の
経路は形成されず、また、スイッチ8w4がOFFであ
るから前述の第2の経路も形成されない。
【0033】この場合、主光学系3は繰出位置にあり、
副光学系4がその光軸上の挿入位置にあるので、両光学
系により合成光学系が構成され、その焦点距離は望遠の
領域になる。またスイッチSw1a、Sw5は共にON
であるから、自動焦点調節、シャッター制御回路31は
作動可能状態にあり、望遠光学系での撮影が可能であ
る。図1は、この時の状態を示し、シャッタ・レリーズ
釦の押圧による撮影開始操作に伴いモータ12は前述の
第3の経路で給電を受けて回転する。この望遠領域にお
ける焦点調節のためのモータ12の回転により、ギヤ1
4、17bが回転して合成光学系3、4と共に台板10
は案内軸15および18のねじのリードに従って無限遠
位置から至近距離位置まで繰り出され、自動合焦が行わ
れる。
【0034】また、そのモータ12の焦点調節のための
回転に応じて、減速ギヤ列25を介してカムギヤ26も
回転する。しかし、正面カム25aは、副光学系4を保
持する駆動部材に対して、図11中で第1斜面区間Bに
近接する第1平坦区間A内の係合点R(合成光学系3、
4の至近距離位置に相当)から係合点S(合成光学系
3、4の無限透位置に相当)までの望遠側焦点調節区間
1内で接触摺動するだけである。従って、副光学系4
は、焦点調節の際に回転するカムギヤ26の回転範囲内
では、光軸方向にも、また光軸に直角な方向にも移動さ
れることはない。従って、主光学系3と副光学系4とは
一体となって、台板10と共に光軸方向に移して支障な
く焦点調節がなされる。
【0035】〔2〕焦点距離選択部材15が望遠位置か
ら広角位置に切り換えられた場合。 焦点距離選択部材15が望遠位置(記号Tの位置)から
広角位置(記号Wの位置)に図4に示す如く切り換えら
れると、この焦点距離選択部材15に連動するクランク
レバー115は、図14中で反時計方向に中間位置まで
回動し、スライド板119を左方の中間位置まで移動さ
せる。そのスライド板119の左方への移動により、突
出カム121は、図15〔b〕に示すように、揺動レバ
ー113の軌道Lに近接する位置まで移動する。台板1
0が繰込位置まで移動しても、実線で示す如く、揺動レ
バー113が当接することは無いから、揺動レバー11
3は引張ばね112の付勢力により図14と同様の位置
に保持される。従って、防塵カバー102は開いたまま
の状態に置かれる。
【0036】一方、焦点距離選択部材105を広角位置
(記号Wの位置)に望遠位置(記号Tの位置)から切り
換えると、図7に示される如く、スイッチSW2の摺動
接片Br2は導体ランドCd2から離れ、接触が断たれ
る。従って、スイッチSw2がOFFの状態になり、図
9の論理回路40の入力端子40bがLowレベルとな
る。イクスクルーシプオア回路40eの出力端子はHi
ghレベルとなるので、オア回路40gの出力端子はH
ighレベルに反転し、論理回路40の出力端子40
c、40dはそれぞれHigh、Lowレベルに反転す
る。これにより図12に示すスイッチSw7a、Sw7
bはONとなり、スイッチSw8a、Sw8bはOFF
となる。しかし、まだ主光学系3は繰出位置にあるの
で、図5に示すようにスイッチSw3、Sw4、Sw5
は、それぞれON、OFF、ONの状態にあり、スイッ
チSw7a、Sw7bがONであるから電源B−Sw3
−Sw7a−モータ12−Sw7b−電源2から成る前
述の第1の経路が形成され、モータ12が起動する。従
って、モータ12は案内軸15、16と螺合するギヤ1
4、17bを図10中で反時計方向に回転させ、主光学
系3と副光学系4とを台板10と共に繰込み位置に向け
て移動させる。
【0037】合成光学系3、4の減速領域の無限遠位置
まで台板10が移動し、その無限遠位置を越えると直ち
にスイッチSw4はON、スイッチSw5はOFFの状
態に切り換えられ、台板10が広角領域の至近距離位置
に達すると、スイッチSw3はOFF状態となり、また
スイッチSw5は再びON状態となる。このスイッチS
w3がOFFとなることにより、前述の第1の経路は断
たれ、モータ12は回転を停止する。また、撮影レンズ
鏡筒3Aのつば部3Bが図4および図5に示す如くカメ
ラ本体1内に挿入される。なお、このとき、防塵カバー
102を開閉させるための揺動レバー113は、図15
〔b〕に示す如く点線位置から突出カム121の左側面
121bに近接する実線位置まで移動する。
【0038】スイッチSw5がOFF状態の区間中すな
わち望遠領域を越えて広角領域へ台板10が移動中は、
自動焦点調節・シャッタ制御回路31が不動作状態とな
るので、シャッタ・レリーズ釦を押圧しても、焦点調節
は行われない。しかし、台板10が広角領域の至近距離
位置に達すると、スイッチSw5がONとなるので、シ
ャッタ・レリーズ釦の押圧によりモータ12を停止させ
ること無く引き続いて焦点調節を行うことができる。
【0039】上記の如く、台板10が望遠領域から広角
領域へ移動する間に、副光学系4は、主光学系3の光軸
上の挿入位置から光軸外の退避位置へカムギヤ26の正
面カム26aの回動に応じて移動する。次に、その副光
学系4の移動行程を説明する。前述の第1の経路(電源
E−Sw3−Sw7a−モータ12−Sw7b−電源
E)の形成によってモータ12が回転をはじめると、減
速ギヤ列25を介してカムギヤ26が図6中で時計方向
に回転をはじめる。そのモータ12の回転により台板1
0が望遠領域の無限遠位置(図11で係合点5に相当す
る)を越えてわずかに繰り込まれると、副光学系4を保
持する駆動部材27は、正面カム26aの第1平坦区間
Aの終点θ1 を越えて第1斜面区間Bのカム面と係合
し、その正面カム26sはばね30の付勢力に抗して駆
動部材27を光軸方向に変位させる。この光軸方向の変
位は、カム26aが図6に示す状態から時計方向に回転
して第1斜面区間Bで駆動部材27の摺接部27cを押
し上げることによるものである。
【0040】この駆動部材27の光軸方向の移動によ
り、副光学系4を保持する小筒4c(図1参照)が台板
10の開口10aから脱出するので、駆動部材27は、
光軸を横切る方向に揺動可能となる。従って、続くモー
タ12の回転に伴い、駆動部材27は第1斜面区間Bの
カム面上部によって押され、図10中でカムギヤ26と
共に時計方向に回動する。その際、駆動部材27はばね
30によって常時台板10の方向に付勢されているの
で、小筒4cの端面は台板10の裏面上を摺接しながら
移動する。
【0041】駆動部材27が正面カム26aと共に時計
方向に図10で角αだけ回転すると、駆動部材27の自
由端27dが係止部材10kに当接し、その回動は阻止
される。その後もモータ12と共にカムギヤ26は回転
を継続するので、駆動部材27は、正面カム26aの第
1斜面区間Bを昇りつめ、第2平坦区間Cを越えて第2
斜面区間Dを滑り下りる。この駆動部材27の下降によ
り小筒4cは台板10の円孔10l内に挿入され、副光
学系はこの退避位置に固定される(図2参照)。
【0042】駆動部材27が、係合する第2斜面区間D
を越えて正面カム26aの第1平坦部A内に入ると、図
11中で係合点Pにおいて、主光学系3は至近距離位置
に到達し、スイッチSw3がOFFとなり前述の第1の
経路が断たれ、モータ12が停止する。また、そのとき
スイッチSw5がONとなるので、その後はモータ12
が第3の経路による自動焦点調節・シャッター制御回路
31によって制御され、主光学系3は広角領域の至近距
離位置から無限遠位置まで移動可能となる。しかし、駆
動部材27に対する正面カム26aの相対移動は図11
中で第1平坦区間A内の点PからQまで間の広角焦点調
節区間W内に限定されるので、副光学系4は退避位置か
ら移動することはない。
【0043】〔3〕焦点距離選択部材105が広角位置
からOFF位置に移動した場合。 図4に示す広角位置から焦点距離選択部材105を図5
に示すようにOFF位置まで回転変位させると、この焦
点距離選択部材105に連動してクランクレバー116
が図14中で反時計方向に回動し、スライド板119を
左方に摺動する。このスライド板119の摺動により、
突出カム121は、図15〔c〕に示されるように、揺
動レバー113の軌道Lに近接する鎖線位置から軌道L
を横切る実線位置まで左方に移動する。この突出カム1
21の移動に伴って、揺動レバー113は、突出カム1
21の左側面121bに押圧されて左方に実線の位置ま
で変位(図14中では反時計方向に変位)する。
【0044】図14において、突出カム121が左方へ
移動し、引張ばね112の付勢力に抗して揺動レバー1
13を反時計方向に変位させると、伝達軸107を介し
てフランジ108が反時計方向に回転する。このフラン
ジ108の反時計方向の回転に応じてピン110が反時
計方向に旋回するので、コイルねじりばね109によっ
て反時計方向に付勢されたクランクレバー103は、そ
のピン110に追従した反時計方向に回動する。また、
このクランクレバー103とピン105を介して連結す
る他方のクランクレバー104は時計方向に回動するの
で、この2個のクランクレバー103、104に支持さ
れた防塵カバー102の2枚の遮蔽板102Aと102
Bは互いに近付く方向に移動し、主光学系3の前面で合
体して、防塵カバー102の閉動作が終了する。
【0045】一方、焦点距離選択部材105がOFF位
置まで移動すると、スイッチSw1およびSw2の摺動
接片Br1およびBr2は、図8に示される如くそれぞ
れ導体ランドCd1、Cd2より離れるので、スイッチ
Sw1とSw2は双方共にOFF状態となる。従って、
論理回路40の入力端子40a、40bが共にLowレ
ベルとなる。そこで、イクスクルーシプオア回路40e
の出力端子がLowレベル、ノブ回路40fの出力端子
がHighレベルとなるので、論理回路40の出力端子
40e、40dはそれぞれHigh、Lowレベルのま
まに維持される。これにより図12に示すスイッチSw
7a、Sw7bはON、スイッチSw8a、Sw8bは
OFFの状態にある。しかし、主光学系3は既に繰込位
置(広角領域)にあり、スイッチSw3、Sw4、Sw
5はそれぞれOFF、ON、ONの状態にある。それ
故、モータ12に給電する前述の第1の経路および第2
の経路は断たれているので、モータ12は正逆いずれに
も回転されない。またスイッチSw1と同相で動作する
スイッチSw1aもOFF状態に置かれるので、自動焦
点調節・シャッター制御回路31への給電も断たれ焦点
調節はもちろんシャッターも不動作状態となり、シャッ
ター・レリーズ釦を押圧しても撮影が不可能となるよう
にシャッターはロックされる。
【0046】〔4〕焦点距離選択部材105が望遠位置
から広角位置を越えてOFF位置に切り換えられた場
合。 焦点距離選択部材105が、図15〔d〕に示す如く、
望遠位置(記号Tの位置)から記号Wの位置を越えて直
接OFF位置まで回転すると、この焦点距離選択部材1
05に連動して突出カム121は、揺動レバー113の
軌道Lの外の鎖線の位置から、軌道L内の実線の位置に
移動する。しかし、まだ移動レバー113は突出カム1
21から離れた(1)の位置にあるので、防塵カバー1
02は開いた状態に置かれている。
【0047】一方、焦点距離選択部材105が望遠位置
からOFF位置まで回転すると、スイッチSw1および
Sw2は図6に示されたON状態から図8に示すOFF
状態に双方共に切換えられる。スイッチSw1およびS
w2がOFFの状態になると、〔3〕にて説明したよう
に、論理回路40の入力端子40a、40bが共にLo
wレベルとなるので、出力端子40a、40bはそれぞ
れHigh、Lowレベルに転換される。これにより図
12のスイッチSw7a、Sw7bはON、スイッチS
w8a、Sw8bはOFFの状態となる。
【0048】一方、この状態においては、主光学系3お
よび副光学系4は合成されて図1の如き繰出位置(望遠
領域)にあり、スイッチSw3、Sw4、Sw5は図5
に示す如くON、OFF、ONの状態に置かれている。
従って、モータ12は、〔2〕にて説明した如く、前述
の第1の経路によって給電され、そのモータ12の回転
により台板10を繰込位置(広角領域)に向けて移動さ
せると同時に、副光学系4を図2に示す如く退避位置へ
移動させる。
【0049】この台板10が繰込位置に向って移動する
間に、防塵カバーを開閉するための揺動レバー113
は、台板10の移動に応じて軌道L上を突出カム121
に向かって移動する。その揺動レバー113は、図15
〔d〕に示す(2)の位置に達すると、突出カム121
の傾斜カム面121aに従って移動し、その軌道Lから
左方へ変位した(3)の位置にて突出カム121の左側
面と係合して台板10の繰込位置へ移動の停止と共に停
止する。この揺動レバー113の左方への変位により、
防塵カバー102は、図2および図5に示す如く主光学
系3の繰込位置への移動に連動して、自動的に覆うこと
になる。従って、カメラを収納する場合、防塵カバーを
閉じることを忘れる恐れが無い。また、スイッチSw1
のOFFによりスイッチSw1aもOFF状態になるの
で、カメラの収納時に、不用意にシャッタが作動するよ
うなことも防止できる。
【0050】〔5〕焦点距離選択部材105をOFF位
置から広角位置に切り換えられた場合。 この場合は、既に〔3〕にて説明した動作と逆に図15
〔c〕中で、突出カム121が実線の位置から、鎖線の
位置まで右方へ移動し、この突出カム121の移動に応
じて揺動レバー113は右方へ変位して軌道Lの位置に
復帰する。従って、図14中では揺動レバー113が時
計方向に回動復帰し、クランクレバー103、104を
介して防塵カバー102を開く。
【0051】一方この状態においては、図7の如くスイ
ッチSw1がON状態になるので、前述の第3の経路に
よってモータ12は給電され、このモータ12の回転に
より、主光学系3は広角領域内で焦点調節のために移動
され、撮影可能となる。 〔5〕焦点距離選択部材105が広角位置から望遠位置
へ切り換えられた場合。
【0052】焦点距離選択部材105が広角位置(記号
Wの位置)から望遠位置(記号Tの位置)に切換えられ
ると、図15〔b〕に示す如く突出カム121は、軌道
Lに近接する実線の位置から右方の鎖線の位置まで移動
するが、揺動レバー113はこれによって移動されな
い。従って、防塵カバー102は開いたままの状態に置
かれる。
【0053】また、焦点距離選択部材105が望遠位置
に切り換えられると、図6に示されるようにスイチSw
1、Sw2が双方共にONの状態になるので、論理回路
40の入力端子40a、40bは共にHighレベルと
なる。イクスクルーシプオア回路40e、ノブ回路40
fの出力端子は共にLowレベルとなるので、オブ回路
40gの出力端子はLowレベルに反転し、論理回路4
0の出力端子40c、40dはそれぞれLow、Hig
hレベルに反転する。これにより図6に示すスイッチS
w7a、Sw7bはOFFとなり、スイッチSw8a、
Sw8bはONとなる。主光学系3は繰込位置にあるの
で、スイッチSw3、Sw4、Sw5は、それぞれOF
F、ON、ONの状態にある。スイッチSw8a、Sw
8bがONであり、スイッチSw4がONであるから前
述の第2の経路が形成されて、モータ12が〔2〕の時
と逆方向に回転しはじめる。従って主光学系3は繰込位
置から繰出位置に向けて変位しはじめる。
【0054】このモータ12の回転で、副光学系4を保
持する小筒4c(図2参照)が台板10に設けられた円
孔10lから脱出するまで、副光学系4は、退避位置に
おいて光軸方向に変位する。この光軸方向の変位は、正
面カム26aが図10中で反時計方向に回転して、第2
斜面区間Dで駆動部材27が押し上げられることによる
ものである。小筒4cが円孔10lから脱出すると、駆
動部材27は第2斜面区間Dの上部によって押され、図
10中で反時計方向に角αだけ回転する。副光学系4が
主光学系3の光軸上に位置したとき、駆動部材27は、
その自由端27dが係止部材10jに当接することによ
り回転を阻止する。引き続く正面カム26aの回転によ
り、駆動部材27は第2斜面区画Dを昇りつめ、さらに
第2平坦区間Cを過ぎると、第1斜面区間Bを滑り下り
る。その際駆動部材27は、ピン10jに沿って光軸方
向に移動するので、副光学系4を保持する小筒4eは図
1に示すように台板10の開口10aに嵌入し、副光学
系4の挿入位置への移動は終了する。
【0055】一方、主光学系3を支持する台板10が繰
り出されて広角領域の至近距離位置(正面カム26aで
は第1平坦区間A内の係合点Pの位置)に達すると、ス
イッチSw3はON状態となり、さらに台板10が繰り
出されて望遠領域の無限遠位置(正面カム26aでは第
1平坦区間A内の係合点Sの位置)に達すると、スイッ
チSw4がOFFの状態になり、前述の第2の経路が断
たれ、モータ12は回転を停止する。その後は、至近距
離位置(正面カム26aでは第1平坦区間A内の係合点
Rの位置)まで自動焦点調節・シャッター制御回路31
により制御されて台板10は繰り出され、図1に示す位
置で停止する。台板10が望遠領域にあるときは、図1
5〔a〕に示す如く揺動レバー113が軌道L上に在る
ので、防塵カバー102は図14の如く開き状態に維持
される。
【0056】〔7〕焦点距離選択部材105がOFF位
置から望遠位置に切り換えられた場合。 この場合には、まずスライド板119の突出カム121
が図15〔c〕に示す実線の位置から、図15〔a〕に
示す如く揺動レバー113の軌道から大きく離れた位置
まで右方に変位するので、揺動レバー113は、これに
追従して右方へ移動し、軌道L上に位置する。従って、
防塵カバー12は直ちに開き状態になる。
【0057】一方、焦点距離選択部材105がOFF位
置から望遠位置に切り換えられると、スイッチSw1お
よびSw2はOFF状態から双方共にONの状態に切り
換えられる。従って、主光学系3は前記の広角位置から
望遠位置への切換えの場合〔6〕と全く同様にして繰り
出され、副光学系4は、その主光学系3の跡の光軸上に
挿入される。
【0058】図16および図17に本願発明の実施例を
示す。上記の図1乃至図15に示す二焦点カメラにおい
ては、防塵カバー102が主光学系3を保持する台板1
0と共に光軸方向に移動する形式のものである。しか
し、この防塵カバー102は公知の防塵カバーの如く光
軸方向には移動しないように構成することもできる。図
16および図17は、主光学系3の前面を覆う防塵カバ
ー102が光軸方向には移動しない形式の本願発明の実
施例の断面図で、図18はその要部構成の構成を示す斜
視図である。図1乃至図15の二焦点カメラと同じ機能
を有する部材には、図1乃至図15と同一符号を付し、
その構成に付いての詳しい説明は省略する。
【0059】図16は、主光学系3が繰り出された望遠
状態を示し、図17は主光学系3が繰り込まれた広角状
態において防塵カバー102が閉じられた状態を示す。
また、図18は図16に示された望遠状態における本発
明の要部の構成を示す。図16および図17において、
防塵カバー102はカメラ本体1の前面固定部1aと前
蓋部1fとの間に設けられ、主光学系3を保持する撮影
レンズ鏡筒3cは、その前面固定部1eおよび前蓋部1
fにそれぞれ設けられた開口1g、1hを貫通可能に構
成されている。
【0060】図18において、防塵カバー12の遮光板
102A、102Bを支持する軸101A’および10
1B’は図10の軸101Aおよび101Bより極めて
短く形成されている。また、一端にフランジ108が固
設された伝達軸207は、カメラ本体1の前面固定部1
eに回転可能に支持され、且つ台板10に回転可能に支
持された揺動レバー113’の回転中心に貫通して長く
延びている。この揺動レバー113’は、伝達軸10
7’に形成された軸方向に長いキー溝107’aと係合
し、伝達軸107’と一体に回転すると共に、この伝達
軸107’に沿って摺動可能に構成され、上記の軸10
1’A、101’B、伝達軸107’および揺動レバー
113’以外の図18中の部材は、図14のものと全く
同様に構成されている。
【0061】従って、焦点距離選択部材105Aを望遠
位置(記号Tの位置)からOFF位置に切り換えると、
図1乃至図15の構成における〔14〕の動作と同様
に、スライド板119の突出カム121は、図15
〔d〕と同様に誘導レバー113’の軌道上にただちに
挿入される。この状態において、モータ12の回転によ
り台板10が図16中で右方へ繰り込まれると、誘導レ
バー113’は伝達軸107上を右方へ摺動する。この
誘導レバー113’は、図15〔d〕中で(2)の位置
に達すると、突出カム121と係合して、傾斜カム面1
21aに沿って軌道Lから左方へ変位する。この摺動レ
バー113’の左方への変位、すなわち図18中で反時
計方向の変位によって伝達軸107’は反時計方向の回
転をフランジ108に伝える。従って、フランジ105
は反時計方向に回動し、クランクレバー103、104
を介して遮光板102Aおよび102Bを互いに近接す
る方向に移動させる。
【0062】撮影レンズ鏡筒3cがまだ前蓋部1fの開
口1hを通過しないうちに防塵カバー102が閉じ始め
るので、遮光板102Aおよび102Bは撮影レンズ鏡
筒3cに当接し、クランクレバー103、104の回転
が停止する。この場合、フランジ108と共に反時計方
向に回動するピン110が、クランクレバー103から
離れ、コイルねじりばね109の付勢力がわずかに強め
られるのみで、この防塵カバー102の遮光板102A
および102Bは撮影レンズ鏡筒3cと接触したままに
置かれる。
【0063】撮影レンズ鏡筒3cが開口1hを通過し、
その外周と遮光板102A、102Bとの接触位置から
離れると、遮光板102A、102Bはコイルねじりば
ね109の付勢力により互いに接する方向に移動し、直
ちに防塵カバー102は閉状態になる。また、副光学系
4は、第1実施例と全く同様にして退避位置に移動し、
カメラは収納状態となる。
【0064】焦点距離選択部材105をOFF位置から
広角位置(記号Wの位置)または望遠位置(記号Tの位
置)に切り換えた場合には、第1実施例と同様に、先
ず、スライド板119が右方へ移動し、突出カム121
は図15〔b〕中で実線の位置または鎖線の位置まで移
動する。この移動に追従して、揺動レバー113’は図
18の如く引張ばね112の付勢力により時計方向に回
転する。また、揺動レバー113’の回転は伝達軸10
7’を介してフランジ108に伝達され、フランジ10
8が時計方向に回転する。従って防塵カバー102は開
かれる。
【0065】焦点調節および焦点距離切換えの際には、
モータ12の回転によって台板10が光軸方向に動かさ
れる。しかし、この場合は、既に防塵カバー102は開
状態にあり、揺動レバー113’は回動することなく伝
達軸107’上を移動するのみであるから、撮影レンズ
鏡筒3eと防塵カバー102とが干渉する恐れは無い。
【0066】この図18に示した本願発明の実施例にお
いては、防塵カバー102は固定されたままに置かれ、
撮影レンズ鏡筒3cも小径に形成することが可能であ
る。従って、本実施例では、図1乃至図15に示した構
成に比してカメラをコンパクトに作ることができる。上
記の図14および図18に示した防塵カバー開閉機構の
クランクレバー103と伝達軸107、107’との間
には、遮光板101A、101B、101A’、101
B’が閉じたときの相互の干渉をさけるために、フラン
ジ105、コイルねじりばね109およびピン110が
設けられている。しかし、揺動レバー113に時計方向
の回動習性を与える引張ばね112の付勢力により強い
引張ばねをスライド板に設け、焦点距離選択部材105
がOFF位置に移動したときには、スライド119、1
19がこの引張バネによって左方へ変位し、揺動レバー
113を反時計方向に回動するように構成すれば、上述
のフランジ105等を除き、伝達軸107、107’に
直接クランクレバー103を結合することができる。図
19は、図14におけるクランクレバー103をクラン
クレバー103に直結し、スライド板119’を引張ば
ね122により左方へ変位するように付勢した本願発明
に関連する構成の要部を示す斜視図である。このスライ
ド板119’の丈夫突起部119’Aの左側面は係合ピ
ン117に常時圧接する如く、引張ばね122により付
勢され、その係合ピン117を支持するクランクレバー
115の回転は、焦点距離選択部材105に連動する回
転板123の外周に設けられたクリック溝123A内に
クリックばね124の先端部が落ち込むことによって阻
止される如く構成されている。また、3個のクリック溝
123Aはそれぞれ焦点距離選択部材105が移動設定
される望遠位置(T)、広角位置(W)およびOFF位
置に対応して設けられている。その他の部材は、図14
と同一であるから、同一符号を付してその構成について
の説明は、省略する。なお、図19は図14と同様に焦
点距離選択部材105が望遠位置(T)にあり、主レン
ズ3および台板10が繰出し位置にある状態を示す。
【0067】図19において、焦点距離選択部材105
を望遠位置(T)から直接OFF位置へ切り換えると、
クランクレバー117は反時計方向に回動するので、係
合ピン117は図19中で左方へ変位する。従って、ス
ライド板119’は引張バネ122の付勢力により係合
ピン117に追従して左方に変位し、図15〔d〕に示
すように揺動レバー113の軌道L上に挿入される。一
方、台板10と共に繰出し位置にある揺動レバー113
が繰込み位置に向かって軌道Lに沿って移動すると、突
出カム121のカム面121aに当接、そのカム面12
1aを押圧する。その際、スライド板119’を付勢す
る引張バネ112より揺動レバー113を付勢する引張
ばね112の方が付勢力が弱いので、揺動レバー113
は、その引張バネ112の付勢力に抗して図19中で反
時計方向に回動し、カム面121aに沿って移動する。
その揺動レバー113の反時計方向の回転により、クラ
ンクレバー103は反時計方向に回転して遮光板102
Aを変位させ、またクランクレバー103に連動する他
方のクランクレバー104は時計方向に回転して他方の
遮光板101Bを変位させ、防塵カバー102は閉状態
となる。遮光板101A、101Bが互いに当接して閉
じた後、さらに揺動レバー113が繰込み方向に移動す
ると、も早、揺動レバー113は、遮光板101A、1
01Bによりその反時計方向の回転を阻止されているの
で、カム面121aを右方へ押圧し、引張バネ122の
付勢力に抗してスライド板119’を右方へ変位させ、
突出カム121の左側面121bに接触し、繰込み位置
に到達する。この場合、スライド板119’の上部突出
部119’Aは係合ピン117から離れるが、焦点距離
選択部材105はクリックばね124とクリック溝12
3Aとからなるクリックストップ手段によってOFF位
置に停止したままに置かれる。このクリックストップ装
置は、図示されないが、図14、図18においても設け
られている。図19の構成においては、伝達軸107を
クランクカム114に直結させたので、カバー開閉機構
が簡単になり、本願発明の実施例の構成(図16の構
成)の如く狭いスペース内に装備する場合に都合がよ
い。
【0068】以上説明した構成は、いずれも二焦点カメ
ラの防塵カバーに関するものであって、焦点距離選択部
材105をの切換え操作に連動して変位するカム手段
(突出カム121)を設け、その焦点距離選択部材をO
FF位置から、広角位置または望遠位置へ切り換えたと
きは、主光学系3の移動に先立ってカム手段が変位して
防塵カバー102を開き、焦点距離選択部材105が望
遠位置からOFF位置に切換えられた時は、突出カム1
21が変位した後に、主光学系の長い繰込み移動距離と
突出カム121のカム面121aとを利用して防塵カバ
ーを閉じる如く構成した。従って、この防塵カバー装置
は、通常撮影領域の至近距離位置を越えて大きく繰り出
され、所定のマクロ領域内の一定の距離にある被写体に
対して焦点が合致するようなマクロ撮影可能なカメラに
も、次の如き簡単な変更のみで適用できる。
【0069】すなわち、主光学系3がマクロ領域内の所
定の距離にある被写体に対して合焦したときに、図9に
示されたスイッチSw4がOFFとなるように導体ラン
ド20bの長さを定め、スイッチSw4がOFFのとき
に自動焦点調節回路31Aは不作動となりシャッタ制御
回路31Bのみが作動するように構成すればよい。な
お、図6中で焦点距離選択部材105は撮影領域選択部
材と名称を変更し、その焦点距離選択部材105の切換
え位置、望遠位置の記号Tをマクロ領域を代表する記号
Mに変え、また広角位置の記号Wを通常撮影領域での自
動焦点調節を代表する記号Aに変更するだけでよい。
【0070】また、図1ないし図18の構成において
は、防塵カバー102が互いに反対方向に動く2枚の遮
光板102A、102Bで構成されている。しかし、そ
の防塵カバー102の収容スペースの余裕がある場合に
は一枚で構成しても差し支え無い。なおまた、図1乃至
図19の構成において、揺動レバー(カバー開閉部材)
113は、図15に示す如く焦点距離選択部材(操作部
材)105が望遠位置からOFF位置に切換えられたと
きのみ突出カム121のカム面121aに係合して変位
する如く構成されている。しかし、そのカム面121a
を左側面121bの方へ伸ばして、左側面を無くし、焦
点距離選択部材(操作部材)105がOFF位置にある
ときには揺動レバー(かばー開閉部材)がその伸びたカ
ム面と係合するようにしてもよい。この場合、主光学系
3が無限遠位置にあるときは、揺動レバー113がその
伸びたカム面によって図15〔c〕の位置よりさらに左
方へ変位される。しかし、クランクレバー103に接す
るピン110が図10中でさらに反時計方向にわずかに
変位するだけで、防塵カバー102はそのまま閉状態に
置かれるので差し支えない。
【0071】
【発明の効果】上述の如く、本願発明は、光軸方向に移
動することなく、光軸とほぼ垂直な面内において、前記
開口を覆う位置と該開口を覆う位置から退避した位置と
の間で移動可能なレンズカバーと、電動駆動手段によっ
て発生した駆動力を前記レンズカバーへ伝達する伝達手
段とを設けた。よって、撮影レンズ鏡筒の移動に連動し
て自動的に開閉するレンズバリアを設けても、レンズ鏡
筒の径はレンズバリア装置によって左右されない。すな
わち、カメラの小型化を実現する際に好適である。ま
た、本願発明においては、レンズバリアは撮影レンズ鏡
筒内に設けられない。よって、撮影レンズ鏡筒内の構造
がシンプルになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二焦点式カメラに適用された本発明の第1実施
例の断面図であり、主光学系と副光学系とが合成された
選択状態を示す。
【図2】二焦点式カメラに適用された本発明の第1実施
例の断面図であり、副光学系が退避位置に移動した後防
塵カバーが閉じられた収納状態を示す。
【図3】図1の外観斜視図。
【図4】図3の焦点距離選択部材を広角位置に置いた状
態の外観斜視図。
【図5】図3の焦点距離選択部材をOFF位置に置いた
状態を示す外観斜視図。
【図6】図3の上部を一部切り欠いた平面図。
【図7】図4、図5の上部を一部切欠いた平面図。
【図8】図4、図5の上部を一部切欠いた平面図。
【図9】図1に示す実施例の主光学系の変位機構の斜視
図。
【図10】図9中の台板を裏から見た斜視図。
【図11】図10中の正面カムのカム線図。
【図12】図1の実施例に用いられる光学系駆動用モー
タ制御回路図。
【図13】図12の中の論理回路図。
【図14】図1に示す本発明の第1実施例の要部をなす
防塵カバー開閉機構の構成を示す斜視図。
【図15】図14中の突出カムと揺動レバーとの関係を
示す説明図で、〔a〕は焦点距離選択部材が望遠位置に
置かれているときの状態、〔b〕は焦点距離選択部材が
広角位置に切換えられたときの状態、〔c〕は焦点距離
選択部材がOFF位置に変位したときの状態、〔d〕は
焦点距離選択部材をOFF位置から望遠位置に切り換え
たときの状態を示す。
【図16】二焦点式カメラに適用された本発明の第2実
施例の断面図であり、主光学系と副光学系とが合成され
た望遠状態を示す図である。
【図17】二焦点式カメラに適用された本発明の第2実
施例の断面図であり、副光学系が退避位置に移動した後
防塵カバーが閉じられた収納状態を示す図である。
【図18】図16に示す本発明の第1実施例の要部をな
す防塵カバー開閉機構を示す斜視図。
【図19】図14、図15とは異なる防塵カバー開閉機
構の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
3 主光学系(撮影レンズ) 4 副光学系 3A、3C 撮影レンズ鏡筒 10 台板 12 モータ 102 防塵カバー 103、104 クランクレバー 105 焦点距離選択部材(操作部材) 107 伝達軸 113 揺動レバー(カバー開閉部材) 119 スライド板(係合手段) 121 突出カム(係合手段)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも繰出位置と繰込位置との間
    で、その光軸方向へ移動可能な撮影レンズ鏡筒と、 該撮影レンズ鏡筒の少なくとも一部が通過可能な開口
    と、 該撮影レンズ鏡筒を移動させるための駆動力を発生する
    電動駆動手段と、 前記光軸方向に移動することなく、光軸とほぼ垂直な面
    内において、前記開口を覆う位置と該開口を覆う位置か
    ら退避した位置との間で移動可能なレンズカバーと、 前記電動駆動手段によって発生した駆動力を前記レンズ
    カバーへ伝達する伝達手段とを備え、 前記電動駆動手段によって発生した駆動力によって前記
    レンズカバーを移動させることを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 前記伝達手段は、 前記レンズ鏡筒と共に光軸方向に移動可能な可動部材
    と、 該可動部材に対して光軸方向に相対的に摺動可能であ
    り、前記可動部材に対して光軸方向とは異なる方向への
    相対的変位が禁止される摺動部材と、 前記可動部材を前記レンズ鏡筒の光軸方向の移動に伴っ
    て光軸方向とは異なる方向へ案内する案内部材と、 該案内部材による光軸方向とは異なる方向への前記可動
    部材の移動を、前記摺動部材を介して前記レンズカバー
    へ伝達する伝達部材とを有することを特徴とする請求項
    1に記載のカメラ。
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