JP2647530B2 - 複合材一体成形用形状保持装置 - Google Patents

複合材一体成形用形状保持装置

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JP2647530B2
JP2647530B2 JP2068255A JP6825590A JP2647530B2 JP 2647530 B2 JP2647530 B2 JP 2647530B2 JP 2068255 A JP2068255 A JP 2068255A JP 6825590 A JP6825590 A JP 6825590A JP 2647530 B2 JP2647530 B2 JP 2647530B2
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和夫 小笠原
一男 九日
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複合材一体成形用形状保持装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の複合材製品の一体成形においては、第4図に示
すように下型10の上に桁材8を配設し、同桁材8上に上
型11を配設し、内側に成形時の加圧媒体としてシリコン
ゴムブロック12を設け、製品を真空バッグ13により覆
い、加圧缶(オートクレーブ)中に収納して加圧、加熱
していた。上記における複合材製品を一体に成形硬化す
るために必要な圧力は、シリコンゴムブロック12の温度
上昇に伴なう熱膨張によるもの、および側面に加圧缶の
流体圧力を受けたシリコンゴムブロックが押しつぶされ
て上下方向に拡張することによるもの(ポアソン効果)
であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の複合材一体成形において、複合材製品の一体成
形時点でシリコンゴムブロックから製品面に付加される
圧力は、前記の熱膨張圧力とポアソン圧力であるが、こ
れらの圧力はシリコンゴムブロックと製品面の間隙量に
よって変化し、複合材製品の板厚変動、シリコンゴムブ
ロックの劣化収縮等の要因で成形圧力が変動することと
なり、成形圧力の再現性と信頼性に欠けていた。上記シ
リコンゴムブロックの発生圧力が規定に達しないと複合
材製品内部に欠陥を生じ、逆に圧力が規定値を上まわる
と成形治具を変形させ、製品の形状不良を生じるため、
成形圧力を所定の値とすることは良好な成形を行う上
で、必要付加欠な課題であった。
本発明は上記の課題を解決しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
(1)本発明の複合材一体成形用形状保持具は、被成形
品素材に当接する部分は弾性材からなり、当接しない部
分に、剛体からなる板材を張り合わせて被成形品の型と
し、剛体の型の角部が分割されて、かつ剛体からなる板
材が弾性材の一部のみと接合されていることを特徴とし
ている。
(2)本発明は、上記発明(1)に記載の複合材一体成
形用形状保持具において、弾性材がシリコンゴムシート
で、剛体が繊維強化プラスチックであることを特徴とし
ている。
(3)本発明の複合材一体成形用形状保持装置は、上記
発明(1)もしくは(2)に記載の複合材一体成形用形
状保持具と、同形状保持具の外側で被成形品素材を覆っ
て加圧される真空バッグとを備えたことを特徴としてい
る。
(4)本発明の複合材一体成形方法は、複合材の被成形
品素材を、上記発明(1)もしくは(2)に記載の複合
材一体成形用形状保持具で保持し、上型及び下型で固定
したうえ真空バッグで覆い、加圧容器内にて加圧・加熱
することを特徴としている。
〔作用〕
上記発明(1)において、本発明に係る複合材一体成
形用形状保持具を被成形品素材に当接し、加圧容器内に
収納して加圧・加熱すると、被成形品素材の樹脂が液状
化し、被成形品素材のウェブ部分の板厚が減少する。
本発明に係る複合材一体成形用形状保持具は、弾性材
と型を形成する剛体の板材からなり、剛体の型の角部が
分割され、また剛体からなる板材が弾性材の一部のみと
接合されているため、加圧容器内で加圧されると、上記
のように被成形品素材のウェブ部分の板厚を減少させる
とともに、上下方向に拡張する。
そのため、複合材一体成形製品の成形時に被成形品素
材の各部に均一な圧力を加え続けることができるため、
製品内部に気泡等を残存することがなく、緻密な組織の
製品とすることができるとともに、寸法精度の向上した
製品を得ることが可能となる。
上記発明(2)において、シリコンゴムは良好な弾力
性を有し、繊維強化プラスチックは十分な剛性を有する
ため、それぞれ上記発明(1)における作用を実現する
ことができる。
上記発明(3)においては、複合材一体成形用形状保
持装置が、上記発明(1)もしくは(2)に記載の複合
材一体成形用形状保持具と、真空バッグにより形成さ
れ、複合材一体成形用形状保持具を当接された被成形品
素材が真空バッグで覆われて加圧・加熱されるため、一
層良好な複合材一体成形製品を得ることが可能となる。
上記発明(4)においては、被成形品素材を上記発明
(1)もしくは(2)に記載の複合材一体成形用形状保
持具で保持し、上型と下型で固定し、真空バッグで覆
い、加圧容器内で加圧・加熱するため、上記発明(3)
と同様、良好な複合材一体成形製品を得ることが可能と
なる。
〔実施例〕
本発明の一実施例を第1図乃至第3図に示す。
第1図乃至第3図に示す本実施例は、第2図及び第3
図に示すように桁材8及び肋材9の内側に設けられシリ
コンゴムシート2とガラス繊維強化プラスチック(以下
GFRPという)プレート3よりなる形状保持具1、および
第1図に示すように上記形状保持具1の外側に設けられ
上型11の一部と複合材一体成形製品の成形部分及び接合
部分を包むように配設されるシリコン製の真空バッグ5
を備えている。
上記において、外板7、桁材8及び多数の助材9から
なる複合材一体成形製品を形成する各々の構成部分は個
別に積層され、所定の形状づけをされた後、一体成形用
治具6上に接着剤を介すること無く組み付けられる。一
体成形時の加圧は上下左右3次元的に行なわれる必要が
あるため、桁材8、肋材9の内側に部品形状に合せて製
作した形状保持具1をセットし、同様に部品形状に合せ
て製作したシリコン製の真空バッグ5を上記保持具1の
外側に組み込み付け、真空バッグ5と治具間を真空シー
ルして真空バッグ5内を真空引きし、さらに加圧缶(オ
ートクレーブ)の中に入れて約7気圧の圧力を加える。
その後、加圧缶の温度をあげてゆき一体成形製品を加熱
すると樹脂が液状化するが、形状保持具1が機能し樹脂
が液状化した複合部品の形状を所定の形状に保ちつづ
け、一体成形製品は加圧缶による所定の圧力が加えられ
成形される。
なお、上記形状保持具1の桁材8や肋材9のウエブ8a
に対応する位置のGFRPプレート4は一部のみがシリコン
ゴムシート2と接合され他の部分はその間をスライド可
能とし、適切な成形が行えるものとしている。
上記により、複合材一体成形製品の成形時には均一な
圧力が加えられ続けるため製品内部に気泡等が残存する
ことがなく、緻密な組織の製品とすることができると共
に、寸法精度も向上した製品を得ることができた。
〔発明の効果〕
本発明の複合材一体成形用形状保持装置は、桁材及び
肋材の内側に設けられた形状保持具が一体成形製品の形
状を保持しながら、真空引きされた真空バッグの外側よ
り加圧されることによって、複合材一体成形製品の成形
時には均一な圧力が加えられ続けるため製品内部に気泡
等が残存することがなく、緻密な組織の製品とすること
ができると共に、寸法精度も向上した製品を得ることが
できた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の説明図、第2図は上記一実
施例の断面図、第3図は上記一実施例の形状保持具の詳
細説明図、第4図は従来の一体成形の説明図である。 1……形状保持具、2……シリコンゴムシート、 3,4……GFRPプレート、 5……真空バッグ、6……一体成形用治具、 7……外板、8……桁材、8a……ウエブ、 9……肋材、10……下型、11……上型。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被成形品素材に当接する部分は弾性材から
    なり、当接しない部分に、剛体からなる板材を張り合わ
    せて被成形品の型とし、剛体の型の角部が分割されて、
    かつ剛体からなる板材が弾性材の一部のみと接合されて
    いることを特徴とする複合材一体成形用形状保持具。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲の第1項に記載の複合材一
    体成形用形状保持具において、弾性材がシリコンゴムシ
    ートで、剛体が繊維強化プラスチックであることを特徴
    とする複合材一体成形用形状保持具。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲の第1項もしくは第2項に
    記載の複合材一体成形用形状保持具と、同形状保持具の
    外側で被成形品素材を覆って加圧される真空バッグとを
    備えたことを特徴とする複合材一体成形用形状保持装
    置。
  4. 【請求項4】複合材の被成形品素材を、特許請求の範囲
    の第1項もしくは第2項に記載の複合材一体成形用形状
    保持具で保持し、上型及び下型で固定したうえ真空バッ
    グで覆い、加圧容器内にて加圧・加熱することを特徴と
    する複合材一体成形方法。
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