JP2643923B2 - オレフィン重合用触媒 - Google Patents
オレフィン重合用触媒Info
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- JP2643923B2 JP2643923B2 JP8068555A JP6855596A JP2643923B2 JP 2643923 B2 JP2643923 B2 JP 2643923B2 JP 8068555 A JP8068555 A JP 8068555A JP 6855596 A JP6855596 A JP 6855596A JP 2643923 B2 JP2643923 B2 JP 2643923B2
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- catalyst component
- olefin polymerization
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭素数2以上のオレ
フィンを単独に重合もしくは、2種類以上のオレフィン
を共重合させることにより得られるオレフィン重合用触
媒に関する。更に詳しくは、特定の構造を有する遷移金
属化合物とアルミノオキサンからなる触媒に関するもの
である。
フィンを単独に重合もしくは、2種類以上のオレフィン
を共重合させることにより得られるオレフィン重合用触
媒に関する。更に詳しくは、特定の構造を有する遷移金
属化合物とアルミノオキサンからなる触媒に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、オレフィン重合体の製造において
は、三塩化チタンを主成分とする固体チタン化合物と有
機アルミニウム化合物からなる触媒系、又は塩化マグネ
シウムに四塩化チタンを担持した固体と有機アルミニウ
ム化合物および電子供与性化合物からなる触媒系が一般
に用いられている。さらにチタン、ジルコニウム、ハフ
ニウムのシクロペンタジエニル化合物とアルミノオキサ
ンからなる重合触媒を用いる方法も提案されている(例
えば、特開昭58−19309号公報(米国特許第4,
542,199号明細書)、特開昭60−217209
号公報)が、これら重合触媒を用いる方法では、得られ
るオレフィン重合体、特にプロピレン重合体の分子量が
小さいという難点がある。
は、三塩化チタンを主成分とする固体チタン化合物と有
機アルミニウム化合物からなる触媒系、又は塩化マグネ
シウムに四塩化チタンを担持した固体と有機アルミニウ
ム化合物および電子供与性化合物からなる触媒系が一般
に用いられている。さらにチタン、ジルコニウム、ハフ
ニウムのシクロペンタジエニル化合物とアルミノオキサ
ンからなる重合触媒を用いる方法も提案されている(例
えば、特開昭58−19309号公報(米国特許第4,
542,199号明細書)、特開昭60−217209
号公報)が、これら重合触媒を用いる方法では、得られ
るオレフィン重合体、特にプロピレン重合体の分子量が
小さいという難点がある。
【0003】一方、Ti(OR)n X4-n と少なくとも
1つの水酸基をもつ芳香族炭化水素化合物を触媒成分の
一部として使用するオレフィン重合体の製法が提案され
ている(米国特許第4,525,556号明細書)。し
かしこの触媒系は、MgR2および、無機又は有機ハロ
ゲン化合物が他の触媒成分として必須であり、また有機
アルミニウム化合物としてはAlRn Xn'(Rは炭化水
素基、Xはハロゲン、n,n′は0から3の値でn+
n′=3)が用いられている。
1つの水酸基をもつ芳香族炭化水素化合物を触媒成分の
一部として使用するオレフィン重合体の製法が提案され
ている(米国特許第4,525,556号明細書)。し
かしこの触媒系は、MgR2および、無機又は有機ハロ
ゲン化合物が他の触媒成分として必須であり、また有機
アルミニウム化合物としてはAlRn Xn'(Rは炭化水
素基、Xはハロゲン、n,n′は0から3の値でn+
n′=3)が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は斯かる
問題点を解決できる新規な触媒を提供し、かかる触媒を
用いることにより、高分子量のオレフィン重合体を高効
率で製造することをめざすものである。
問題点を解決できる新規な触媒を提供し、かかる触媒を
用いることにより、高分子量のオレフィン重合体を高効
率で製造することをめざすものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そして発明者らの鋭意努
力の結果、開発された本発明の触媒は、 触媒成分(A): 一般式 M(R)l (OR′)m Xn-(l+m) (式中Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジ
ウムより選ばれる遷移金属原子、R,R′は炭素数1〜
20の炭化水素基、Xはハロゲン原子を表わす。l,
m,nはl≧O、m>O、n−(l+m)≧Oなる数字
を表わす。nは遷移金属の原子価に対応する。)で表わ
される遷移金属化合物及び 触媒成分(B): トリア
ルキルアルミニウムと水との反応によって得られるアル
ミノオキサンから成るオレフィン重合用触媒である。
力の結果、開発された本発明の触媒は、 触媒成分(A): 一般式 M(R)l (OR′)m Xn-(l+m) (式中Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジ
ウムより選ばれる遷移金属原子、R,R′は炭素数1〜
20の炭化水素基、Xはハロゲン原子を表わす。l,
m,nはl≧O、m>O、n−(l+m)≧Oなる数字
を表わす。nは遷移金属の原子価に対応する。)で表わ
される遷移金属化合物及び 触媒成分(B): トリア
ルキルアルミニウムと水との反応によって得られるアル
ミノオキサンから成るオレフィン重合用触媒である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を詳細に説明
する。本発明で触媒成分(A)として使用される一般式
M(R)l (OR′)m Xn-(l+m) で表わされる遷移金
属化合物において、Mとしては、チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウムがあげられるが、特にチタ
ン、ジルコニウムが好ましい結果を与える。R又はR′
は炭素数1〜20の炭化水素基であり、この中でも炭素
数2〜18のアルキル基及び炭素数6〜18のアリール
基が好適に使用できる。
する。本発明で触媒成分(A)として使用される一般式
M(R)l (OR′)m Xn-(l+m) で表わされる遷移金
属化合物において、Mとしては、チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウムがあげられるが、特にチタ
ン、ジルコニウムが好ましい結果を与える。R又はR′
は炭素数1〜20の炭化水素基であり、この中でも炭素
数2〜18のアルキル基及び炭素数6〜18のアリール
基が好適に使用できる。
【0007】R又はR′の具体例としては、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、t−ブチル、n−アミル、イソアミル、n−ヘ
キシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n
−ドデシル等のアルキル基、フェニル、ナフチル等のア
リール基、シクロヘキシル、シクロペンチル等のシクロ
アルキル基、プロペニル等のアリル基、ベンジル等のア
ラルキル基等が例示される。
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、t−ブチル、n−アミル、イソアミル、n−ヘ
キシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n
−ドデシル等のアルキル基、フェニル、ナフチル等のア
リール基、シクロヘキシル、シクロペンチル等のシクロ
アルキル基、プロペニル等のアリル基、ベンジル等のア
ラルキル基等が例示される。
【0008】この中でもRとしてはメチル、エチル、フ
ェニル、ベンジル基等が、R′としては、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル等のアルキ
ル基及びフェニル等のアリール基が効適に使用される。
また、Xで表わされるハロゲン原子としては、塩素、臭
素、ヨウ素が例示できる。特に塩素が効適に使用され
る。l,m,nは、この触媒においてはl≧O、m>
O、n−(l+m)≧Oなる数字である。なお、触媒成
分(A)と触媒成分(B)から成るこの触媒系において
は、ヒドロカルビロキシ基が必須である。
ェニル、ベンジル基等が、R′としては、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル等のアルキ
ル基及びフェニル等のアリール基が効適に使用される。
また、Xで表わされるハロゲン原子としては、塩素、臭
素、ヨウ素が例示できる。特に塩素が効適に使用され
る。l,m,nは、この触媒においてはl≧O、m>
O、n−(l+m)≧Oなる数字である。なお、触媒成
分(A)と触媒成分(B)から成るこの触媒系において
は、ヒドロカルビロキシ基が必須である。
【0009】斯かる触媒成分(A)の具体例としては、
テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチ
タン、テトラ−t−ブトキシチタン、ジフェノキシチタ
ンジクロリド、ジナフトキシチタンジクロリド、テトラ
イソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジ
ルコニウム又はテトラ−t−ブトキシジルコニウム等が
挙げられる。
テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチ
タン、テトラ−t−ブトキシチタン、ジフェノキシチタ
ンジクロリド、ジナフトキシチタンジクロリド、テトラ
イソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジ
ルコニウム又はテトラ−t−ブトキシジルコニウム等が
挙げられる。
【0010】触媒成分(B)のアルミノオキサンはアル
ミニウム化合物の重合体であり、一般式 Ra (Al(Ra )O)n AlRa 2 (線状化合物) および/または(Al(Ra )O)n+1 (環状化合物) として存在する。式中Ra は例えば、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチルなどの炭素数1〜10のア
ルキル基であり、特にメチル、エチル基が好ましい。n
は1以上の整数であり、特に1〜20が好ましい。
ミニウム化合物の重合体であり、一般式 Ra (Al(Ra )O)n AlRa 2 (線状化合物) および/または(Al(Ra )O)n+1 (環状化合物) として存在する。式中Ra は例えば、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチルなどの炭素数1〜10のア
ルキル基であり、特にメチル、エチル基が好ましい。n
は1以上の整数であり、特に1〜20が好ましい。
【0011】アルミノオキサンは各種の一般的方法によ
り得られる。例えば、適当な炭化水素溶媒に溶解させた
トリアルキルアルミニウムを水と接触させて合成するこ
とができる。この場合水は温和な条件でアルミニウム化
合物と接触させることが好ましい。また、水の蒸気をア
ルミニウム化合物の溶液と接触させる方法、アルミニウ
ム化合物の溶液に水を飽和させた有機溶剤を徐々に滴下
する方法などがある。或いは、硫酸銅水和物(CuSO
4 ・5H2 O)もしくは、硫酸アルミニウム水和物(A
l2 (SO4 )3 ・18H2 O)とアルミニウム化合物
を反応させる方法もある。
り得られる。例えば、適当な炭化水素溶媒に溶解させた
トリアルキルアルミニウムを水と接触させて合成するこ
とができる。この場合水は温和な条件でアルミニウム化
合物と接触させることが好ましい。また、水の蒸気をア
ルミニウム化合物の溶液と接触させる方法、アルミニウ
ム化合物の溶液に水を飽和させた有機溶剤を徐々に滴下
する方法などがある。或いは、硫酸銅水和物(CuSO
4 ・5H2 O)もしくは、硫酸アルミニウム水和物(A
l2 (SO4 )3 ・18H2 O)とアルミニウム化合物
を反応させる方法もある。
【0012】通常、トリメチルアルミニウム、及び水か
らアルミノオキサンを合成する場合、線状化合物と環状
化合物が同時に得られる。反応モル比は好ましくはアル
ミニウム化合物1モルに対して、等モルの水になるよう
に選ばれる。
らアルミノオキサンを合成する場合、線状化合物と環状
化合物が同時に得られる。反応モル比は好ましくはアル
ミニウム化合物1モルに対して、等モルの水になるよう
に選ばれる。
【0013】オレフィン重合へこの触媒系を適用する場
合として、例えば、プロピレンの重合の場合、触媒成分
(A)及び(B)を用いた重合では主に分子量が極めて
高い立体規則性を有しない、アタクチック(非晶性)ポ
リマーを与える。
合として、例えば、プロピレンの重合の場合、触媒成分
(A)及び(B)を用いた重合では主に分子量が極めて
高い立体規則性を有しない、アタクチック(非晶性)ポ
リマーを与える。
【0014】各触媒成分の添加量は例えば溶媒重合の場
合には、触媒成分(A)は遷移金属原子として10-10
〜103 ミリモル/l、好ましくは10-7〜102 ミリ
モル/lの範囲で使用できる。触媒成分(B)は触媒成
分(A)に対して、アルミニウム原子/遷移金属原子と
して1〜100,000、好ましくは10〜10,00
0で使用できる。
合には、触媒成分(A)は遷移金属原子として10-10
〜103 ミリモル/l、好ましくは10-7〜102 ミリ
モル/lの範囲で使用できる。触媒成分(B)は触媒成
分(A)に対して、アルミニウム原子/遷移金属原子と
して1〜100,000、好ましくは10〜10,00
0で使用できる。
【0015】本発明に適用できるオレフィンとしては、
炭素数2〜10個のものであり、具体例としては、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メ
チルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ビニ
ルシクロヘキサン等が例示される。これらの化合物は単
独に重合もしくは、2種類以上の共重合に用いることが
できるが、本発明は上記化合物に限定されるべきもので
はない。
炭素数2〜10個のものであり、具体例としては、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メ
チルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ビニ
ルシクロヘキサン等が例示される。これらの化合物は単
独に重合もしくは、2種類以上の共重合に用いることが
できるが、本発明は上記化合物に限定されるべきもので
はない。
【0016】重合方法も、特に限定されるべきものでは
ないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素溶媒、又はメチレンクロリド等
のハロゲン化炭化水素溶媒を用いた溶媒重合、溶液重
合、またモノマーを溶媒とする塊状重合あるいはガス状
モノマー中での気相重合等が可能であり、また、連続重
合、回分式重合のどちらも可能である。
ないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素溶媒、又はメチレンクロリド等
のハロゲン化炭化水素溶媒を用いた溶媒重合、溶液重
合、またモノマーを溶媒とする塊状重合あるいはガス状
モノマー中での気相重合等が可能であり、また、連続重
合、回分式重合のどちらも可能である。
【0017】重合温度は−50℃〜200℃の範囲を取
り得るが、特に−20℃と100℃の範囲が好ましく、
重合圧力は常圧〜60kg/cm2 G.が好ましい。重
合時間は一般的には目的とするポリマーの種類、反応装
置により適宜決定されるが、5分間〜40時間の範囲を
取り得る。例えばエチレン重合の場合には5分間〜10
時間、プロピレン重合の場合には30分間〜20時間が
好ましい。
り得るが、特に−20℃と100℃の範囲が好ましく、
重合圧力は常圧〜60kg/cm2 G.が好ましい。重
合時間は一般的には目的とするポリマーの種類、反応装
置により適宜決定されるが、5分間〜40時間の範囲を
取り得る。例えばエチレン重合の場合には5分間〜10
時間、プロピレン重合の場合には30分間〜20時間が
好ましい。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例と比較例をあげ、本発明
の有する効果を具体的に説明するが、本発明はこれらに
よって限定されるものではない。実施例中の分子量は、
極限粘度〔η〕若しくは、ゲルパーミエーション クロ
マトグラフィー(GPC)を用い算出した重量平均分子
量で示した。〔η〕測定は、135℃でテトラリン溶液
で行なった。GPCはウォーターズ製150C型を用い
た。測定は140℃で溶媒としてo−ジクロルベンゼン
を用いた。カラムはShodex80M/Sカラムを3
本用いた。検量線作成用ポリスチレンは分子量範囲50
0から6.8×106 の単分散標準ポリスチレン14種
類を用いた。分子量はポリスチレン換算の平均分子量よ
りユニバーサル法で求めた重量平均分子量で示した。
の有する効果を具体的に説明するが、本発明はこれらに
よって限定されるものではない。実施例中の分子量は、
極限粘度〔η〕若しくは、ゲルパーミエーション クロ
マトグラフィー(GPC)を用い算出した重量平均分子
量で示した。〔η〕測定は、135℃でテトラリン溶液
で行なった。GPCはウォーターズ製150C型を用い
た。測定は140℃で溶媒としてo−ジクロルベンゼン
を用いた。カラムはShodex80M/Sカラムを3
本用いた。検量線作成用ポリスチレンは分子量範囲50
0から6.8×106 の単分散標準ポリスチレン14種
類を用いた。分子量はポリスチレン換算の平均分子量よ
りユニバーサル法で求めた重量平均分子量で示した。
【0019】プロピレン重合において得られたポリマー
のアイソタクチック立体規則性は、IRスペクトルによ
る、アイソタクチック結晶バンド997cm-1の有無に
よる、判定若しくは13C NMRスペクトルより求めら
れるアイソタクチックトリアツドモル分率(以下〔m
m〕分率という。)値で評価した。測定は日本電子製F
X−100スペクトロメーターを用い135℃で行なっ
た。なおポリマーはo−ジクロルベンゼンに溶解した。
〔mm〕分率はメチル炭素領域の拡大スペクトルより求
めた。
のアイソタクチック立体規則性は、IRスペクトルによ
る、アイソタクチック結晶バンド997cm-1の有無に
よる、判定若しくは13C NMRスペクトルより求めら
れるアイソタクチックトリアツドモル分率(以下〔m
m〕分率という。)値で評価した。測定は日本電子製F
X−100スペクトロメーターを用い135℃で行なっ
た。なおポリマーはo−ジクロルベンゼンに溶解した。
〔mm〕分率はメチル炭素領域の拡大スペクトルより求
めた。
【0020】実施例1 (1) メチルアルミノオキサン(触媒成分(B))の
合成 攪拌機、滴下ロート、還流コンデンサーを備えた内容積
0.5リットルのフラスコをアルゴンで置換した後3
8.2g(0.15mol)のCuSO4 ・5H 2 Oを
200mlのトルエンに懸濁させ、内温を25℃に保
ち、攪拌を行ないながら、トリメチルアルミニウム0.
58molとトルエン100mlからなる溶液を5時間
かけて滴下した。滴下終了後20時間室温で攪拌を続け
た。沈澱物を除去した後、減圧下溶媒を除去し、14.
3gのメチルアルミノオキサンを得た。重合にはトルエ
ンで希釈(0.1g/1ml)して使用した。ここで合
成したアルミノオキサンは以下の実施例2〜5、比較例
2にも使用した。
合成 攪拌機、滴下ロート、還流コンデンサーを備えた内容積
0.5リットルのフラスコをアルゴンで置換した後3
8.2g(0.15mol)のCuSO4 ・5H 2 Oを
200mlのトルエンに懸濁させ、内温を25℃に保
ち、攪拌を行ないながら、トリメチルアルミニウム0.
58molとトルエン100mlからなる溶液を5時間
かけて滴下した。滴下終了後20時間室温で攪拌を続け
た。沈澱物を除去した後、減圧下溶媒を除去し、14.
3gのメチルアルミノオキサンを得た。重合にはトルエ
ンで希釈(0.1g/1ml)して使用した。ここで合
成したアルミノオキサンは以下の実施例2〜5、比較例
2にも使用した。
【0021】(2) プロピレンの重合 内容積130mlのマグネチックスターラーによる攪拌
方式のステンレス製オートクレーブをアルゴン置換した
後、触媒成分(A)としてテトラ−n−ブトキシチタン
のトルエン溶液を500μl(Ti:8.62×10-6
mol)、メチルアルミノオキサン3mlおよび液化プ
ロピレン80mlをオートクレーブに仕込んだ。オート
クレーブを攪拌しながら30℃に1時間保った。過剰の
プロピレンを放出した後、ポリマーを回収した。ポリマ
ーは1N−HCl/メタノール液で洗浄した後、メタノ
ールで洗浄し、乾燥した。得られたポリマーは0.78
gでこれはチタン原子1mol当り9.4×104 gの
活性に相当する。このポリマーの〔η〕は3.5で、I
Rスペクトルは非晶性ポリプロピレンであることを示し
た。
方式のステンレス製オートクレーブをアルゴン置換した
後、触媒成分(A)としてテトラ−n−ブトキシチタン
のトルエン溶液を500μl(Ti:8.62×10-6
mol)、メチルアルミノオキサン3mlおよび液化プ
ロピレン80mlをオートクレーブに仕込んだ。オート
クレーブを攪拌しながら30℃に1時間保った。過剰の
プロピレンを放出した後、ポリマーを回収した。ポリマ
ーは1N−HCl/メタノール液で洗浄した後、メタノ
ールで洗浄し、乾燥した。得られたポリマーは0.78
gでこれはチタン原子1mol当り9.4×104 gの
活性に相当する。このポリマーの〔η〕は3.5で、I
Rスペクトルは非晶性ポリプロピレンであることを示し
た。
【0022】実施例2 触媒成分(A)としてテトラ−n−ブトキシチタン溶液
を50μl(Ti:8.62×10-7mol)使用した
こと、および重合温度を60℃にしたこと以外は実施例
1と同様に行なった。得られたポリマーは0.32gで
これはチタン原子1mol当り、3.7×105 gの活
性に相当する。このポリマーの〔η〕は2.2で、IR
スペクトルは非晶性ポリプロピレンであることを示し
た。
を50μl(Ti:8.62×10-7mol)使用した
こと、および重合温度を60℃にしたこと以外は実施例
1と同様に行なった。得られたポリマーは0.32gで
これはチタン原子1mol当り、3.7×105 gの活
性に相当する。このポリマーの〔η〕は2.2で、IR
スペクトルは非晶性ポリプロピレンであることを示し
た。
【0023】実施例3 触媒成分(A)としてテトラ−n−ブトキシチタン溶液
を5ml(Ti:8.62×10-5mol)を使用した
こと、および重合時間を4時間としたこと以外は実施例
1と同様に行なった。得られたポリマーは1.33gで
あった。このポリマーの〔η〕は6.1で、IRスペク
トルは非晶性ポリプロピレンであることを示した。
を5ml(Ti:8.62×10-5mol)を使用した
こと、および重合時間を4時間としたこと以外は実施例
1と同様に行なった。得られたポリマーは1.33gで
あった。このポリマーの〔η〕は6.1で、IRスペク
トルは非晶性ポリプロピレンであることを示した。
【0024】実施例4 触媒成分(A)としてテトラ−n−ブトキシチタン溶液
のかわりにテトライソプロポキシチタン溶液500μl
(Ti:1.01×10-5mol)を使用した以外は実
施例1と同様に行なった。得られたポリマーは2.3g
で、このポリマーの〔η〕は2.5であり、IRスペク
トルは非晶性ポリプロピレンであることを示した。
のかわりにテトライソプロポキシチタン溶液500μl
(Ti:1.01×10-5mol)を使用した以外は実
施例1と同様に行なった。得られたポリマーは2.3g
で、このポリマーの〔η〕は2.5であり、IRスペク
トルは非晶性ポリプロピレンであることを示した。
【0025】実施例5 触媒成分(A)としてテトラ−n−ブトキシチタンのか
わりにジフェノキシチタンジクロリド溶液500μl
(Ti:9.2×10-6mol)を使用し、重合時間を
4時間とした以外は実施例1と同様に行なった。得られ
たポリマーは2.9gであった。このポリマーの〔η〕
は2.1であり、IRスペクトルは非晶性ポリプロピレ
ンであることを示した。
わりにジフェノキシチタンジクロリド溶液500μl
(Ti:9.2×10-6mol)を使用し、重合時間を
4時間とした以外は実施例1と同様に行なった。得られ
たポリマーは2.9gであった。このポリマーの〔η〕
は2.1であり、IRスペクトルは非晶性ポリプロピレ
ンであることを示した。
【0026】比較例1 触媒成分(B)であるメチルアルミノオキサンのかわり
にエチルアルミニウムセスキクロリドのトルエン溶液
(0.29mmol/ml溶液)18mlを使用した以
外は、実施例1と同様に重合した。得られたポリマーは
2mgで、この触媒系は低活性であった。
にエチルアルミニウムセスキクロリドのトルエン溶液
(0.29mmol/ml溶液)18mlを使用した以
外は、実施例1と同様に重合した。得られたポリマーは
2mgで、この触媒系は低活性であった。
【0027】比較例2 触媒成分(A)であるテトラ−n−ブトキシチタンのか
わりにビスシクロペンタジエニルチタンジクロリドを
8.6×10-7mol使用した以外は実施例1と同様に
行なった。得られたポリマーは0.28gであった。こ
のポリマーの〔η〕は0.03で、粘着性のある非晶性
ポリプロピレンであった。
わりにビスシクロペンタジエニルチタンジクロリドを
8.6×10-7mol使用した以外は実施例1と同様に
行なった。得られたポリマーは0.28gであった。こ
のポリマーの〔η〕は0.03で、粘着性のある非晶性
ポリプロピレンであった。
【0028】
【発明の効果】本発明の触媒系により、高効率で、高分
子量のオレフィン重合体を製造することができる。特に
これまで製造がきわめて困難であった、高分子量の非晶
性オレフィン重合体の製造が容易にできることの工業的
意義は極めて大きい。
子量のオレフィン重合体を製造することができる。特に
これまで製造がきわめて困難であった、高分子量の非晶
性オレフィン重合体の製造が容易にできることの工業的
意義は極めて大きい。
【図1】図1は、本発明の理解を助けるためのフローチ
ャート図である。本フローチャート図は、本発明の実施
態様の代表例であり、本発明は、何らこれに限定される
ものではない。
ャート図である。本フローチャート図は、本発明の実施
態様の代表例であり、本発明は、何らこれに限定される
ものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−45205(JP,A) 特開 昭59−210907(JP,A)
Claims (6)
- 【請求項1】 触媒成分(A):一般式 M(R)l (OR′)m Xn-(l+m) (式中Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウム及びバナ
ジウムより選ばれる遷移金属原子、R,R′は炭素数1
〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子を表わす。l,
m,nはl≧O,m>O n−(l+m)≧Oなる数字
を表わす。nは遷移金属の原子価に対応する。)で表わ
される遷移金属化合物及び触媒成分(B):トリアルキ
ルアルミニウムと水との反応によって得られるアルミノ
オキサンから成るオレフィン重合用触媒。 - 【請求項2】 触媒成分(A)において一般式M(R)
l (OR′)m Xn-(l+m) で表わされる遷移金属化合物
のMがチタン又はジルコニウムであり、l=O,m>O
及びn−m≧Oである請求項1に記載のオレフィン重合
用触媒。 - 【請求項3】 触媒成分(A)において一般式M(R)
l (OR′)m Xn-(l+m) のR及びR′がアルキル基又
はアリール基である請求項1に記載のオレフィン重合用
触媒。 - 【請求項4】 触媒成分(A)においてRがメチル、エ
チル、フェニル又はベンジル基であり、R′がn−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル又はフェ
ニル基である請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。 - 【請求項5】 触媒成分(A)において一般式M(R)
l (OR′)m Xn-(l+m) が、テトライソプロポキシチ
タン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−t−ブト
キシチタン、ジフェノキシチタンジクロリド、ジナフト
キシチタンジクロリド、テトライソプロポキシジルコニ
ウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム又はテトラ−
t−ブトキシジルコニウムである請求項1に記載のオレ
フィン重合用触媒。 - 【請求項6】 触媒成分(B)においてトリアルキルア
ルミニウムがトリメチルアルミニウム又はトリエチルア
ルミニウムである請求項1〜5のいずれか1項に記載の
オレフィン重合用触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8068555A JP2643923B2 (ja) | 1985-10-11 | 1996-03-25 | オレフィン重合用触媒 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60-227589 | 1985-10-11 | ||
JP22758985 | 1985-10-11 | ||
JP60-243523 | 1985-10-30 | ||
JP24352385 | 1985-10-30 | ||
JP8068555A JP2643923B2 (ja) | 1985-10-11 | 1996-03-25 | オレフィン重合用触媒 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61505363A Division JP2541957B2 (ja) | 1985-10-11 | 1986-10-09 | オレフィン重合用触媒 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08253525A JPH08253525A (ja) | 1996-10-01 |
JP2643923B2 true JP2643923B2 (ja) | 1997-08-25 |
Family
ID=27299782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8068555A Expired - Fee Related JP2643923B2 (ja) | 1985-10-11 | 1996-03-25 | オレフィン重合用触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2643923B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5845205A (ja) * | 1981-09-10 | 1983-03-16 | Idemitsu Kosan Co Ltd | ポリオレフインの製造方法 |
JPS59210907A (ja) * | 1983-05-16 | 1984-11-29 | Showa Denko Kk | エチレン重合体の製造方法 |
-
1996
- 1996-03-25 JP JP8068555A patent/JP2643923B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08253525A (ja) | 1996-10-01 |
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