JP2643829B2 - 画像データ同報システムおよび画像データ同報方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像データ同報システ
ムおよび画像データ同報方法に関し、特に、衛星通信回
線を利用して画像データを単一の送信局から複数の受信
局へ一斉同報する、画像データ同報システムおよび画像
データ同報方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、画像データ同報システムに関連す
る技術として下記の例がある。例１は、各受信局毎に応
答信号送信用の回線を敷設し、送信局が送出する制御手
順信号および画像データの受信を確認するための応答信
号を各受信局が返送する方式である。例２は、送信局か
ら制御手順信号および画像データを送出し、伝送路で発
生するエラーの訂正を行わない単純放送方式である。

【０００３】具体例として特開平４−１６０９７２号公
報に記載のものがある。本従来例では、衛星通信受信局
の出力側に切替制御装置及びファクシミリ装置を設け、
該衛星通信受信局から出力される制御信号に基づき、切
替手段によって電話回線の信号から衛星通信回線のファ
クシミリ信号に切替え、該ファクシミリ信号に対する受
信条件を判定手段で判断し、該判定結果に基づきファク
シミリ受信動作を行うようにしている。そのため、ファ
クシミリ同報システムの構成が簡単となり、ファクシミ
リ同報通信を簡単かつ経済的に実現できる、としてい
る。

【０００４】また他の具体例として特開平４−１７０２
５３号公報に記載のものがある。本例は、衛星を用いた
ファクシミリの同報システムの送信局・受信局および画
像データ同報方法であり、親局は子局と接続され子局の
ファクシミリ装置とだけ伝送制御信号のやりとりを行
う。この親局と子局との間で授受される伝送制御信号
は、親局と子局間に設けられたハイブリッド回路で分配
され、衛星用送信装置を介して孫局へ送信される。この
手順によって孫局のファクシミリ装置は、返送信号を送
信することなく親局の信号のみを受信することができ
る、としている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術には次のような課題がある。応答信号を用
いる方式では、受信局毎に応答信号返送用の回線を敷設
することが必要であり、回線設備構成が複雑になる。ま
た、受信局からの応答信号を必要としない方式では、受
信局毎の応答信号返送用の回線は不要であるが、気象状
況等による衛星回線上の電波障害が直接システム動作に
影響する。特に、地上送信局から衛星への送信であるア
ップリンク時に電波障害が発生した場合、この障害は全
ての受信局が受信する信号に影響する問題を伴う。

【０００６】本発明は、信頼性の高い画像データ同報シ
ステムおよび画像データ同報方法を提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項１に記載の画像データ同報システムは、単一
の送信局と複数の受信局とが衛星通信回線を介し接続さ
れて構成され、単一の送信局の送出する画像データを複
数の受信局へ一斉同報する画像データ同報システムであ
り、この送信局は、衛星通信回線およびアンテナを介し
て画像データの送受信を行う衛星通信送受信手段と、衛
星通信送受信手段の画像データの出力動作を制御する信
号送信制御手段と、衛星通信送受信手段がアンテナへ出
力した画像データとアンテナから入力した画像データと
の間の同一性を判別し、判別の結果を表す信号を信号送
信制御手段へ出力する送信信号監視手段とを有し、判別
の結果として同一性がない場合、この判別に対応するア
ンテナへ出力した画像データを再送信するよう、信号送
信制御手段が衛星通信送受信手段の動作を制御すること
を特徴としている。

【０００８】また、上記の衛星通信送受信手段が画像デ
ータを再送信する場合、再送信される画像データに再送
信を識別するための再送信符号を付加すると良い。

【０００９】請求項３に記載の画像データ同報システム
の受信局は、衛星通信回線とアンテナを介して画像デー
タの受信を行う衛星通信受信手段と、衛星通信受信手段
が受信した画像データが再送信された再送信画像データ
であるか否かをチェックする信号受信制御手段とを有
し、チェックの結果、再送信画像データである場合に再
送信データを正規のデータとして取り扱うことを特徴と
する。

【００１０】また、上記の受信局はさらに少なくとも２
フレームの画像データを記憶可能な記憶手段を有し、第
１のフレームに後続する第２のフレームの画像データが
再送信データである場合、第１のフレームの画像データ
をキャンセルし第２のフレームの画像データを正規のデ
ータとして取り扱うとよい。

【００１１】請求項５に記載の画像データ同報方法は、
単一の送信局から画像データを衛星通信局へ送信する画
像データ送信工程と、画像データを衛星通信局が受信
し、受信した画像データを送信局へ返送送信する返送送
信工程と、返送送信された画像データを送信局が受信す
る送信画像データ受信工程と、送信画像データ受信工程
で受信した画像データと画像データ送信工程で送信した
画像データとの同一性を送信局が判別する同一性判別工
程と、同一性判別工程により同一性が否定された場合、
画像データ送信工程で送信した画像データに再送信を識
別するための再送信符号を付加し、再送信符号が付加さ
れた画像データを再度衛星通信局へ送信する画像データ
再送信工程と、複数の受信局が衛星通信局から返送送信
された画像データを受信する画像データ受信工程と、画
像データ受信工程により受信した画像データの中に再送
信符号の有無を判別する再送信符号判別工程とを有し、
返送送信工程により衛星通信局から返送される画像デー
タに障害の発生の有無を同一性判別工程により判別し、
再送信符号を受信局が判別することにより障害の発生の
無い画像データを受信することを特徴とする。

【００１２】

【作用】したがって、本発明の画像データ同報システム
および画像データ同報方法によれば、送信局は衛星通信
回線とアンテナを介して画像データの送受信を行い、送
信した画像データと受信した画像データとの間の同一性
を判別し、この判別の結果として同一性がない場合、そ
の受信画像データに対応する画像データを再送信する。
よって、地上局と衛星の間の通信で画像データに障害が
発生した場合、障害の発生した画像データに代えて再送
信した画像データを受信局が受信可能となる。

【００１３】

【実施例】次に添付図面を参照して本発明による画像デ
ータ同報システムおよび画像データ同報方法の実施例を
詳細に説明する。図１を参照すると本発明の画像データ
同報システムの一実施例が示されている。

【００１４】図１に示す画像データ同報システムは、送
信局１、受信局２および衛星通信回線３の各部により構
成される。これらの各部は更に詳細化され、送信局１
は、画像の一斉同報送信を制御する画像同報送信機１１
と、衛星通信回線３を介して伝搬する電波を送受信する
衛星通信送受信機１２とアンテナ装置１３から構成され
る。また、受信局２はＮ個の受信局２ａ〜２ｎから成
り、各々の受信局２ａ、２ｂ、…、２ｎは、送信局１か
ら一斉同報された信号を画像データとして受信する画像
受信機２１と、衛星通信回線３を介して伝搬する電波を
受信する衛星通信受信機２２とアンテナ装置２３とから
構成される。

【００１５】更に、画像同報送信機１１は、画像送信制
御部１１１と、信号送信制御部１１２と、送出信号監視
部１１３とから構成され、画像受信機２１は、画像受信
制御部２１１と、信号受信制御部２１２とから構成され
る。

【００１６】画像同報送信機１１の画像送信制御部１１
１は、送信局１全体の動作を制御する機能部である。信
号送信制御部１１２は、画像送信制御部１１１から出力
される制御信号と送出信号監視部１１３から出力される
送信状態の識別信号とに基づき衛星通信送受信機１２の
送信動作を制御する部である。送出信号監視部１１３
は、衛星通信送受信機１２から送信される画像信号と衛
星３１から返送された画像信号とを入力し、両信号の同
一性を監視し、監視結果の識別信号を信号送信制御部１
１２へ出力する回路部である。

【００１７】画像受信機２１の画像受信制御部２１１
は、受信局２全体の受信動作を制御する機能部である。
信号受信制御部２１２は、衛星通信受信局２２の受信状
態を監視して監視結果を画像受信制御部２１１へ出力す
る回路部である。

【００１８】衛星３１は、送信局１のアンテナ装置１３
から発射される電波信号を受信し、この受信信号を増幅
し、増幅した信号を地上へ向けて送信する中継局であ
る。

【００１９】図２は、本発明の画像データ同報システム
におけるインタフェースの流れを説明するためのシーケ
ンス図である。

【００２０】図２において、縦線の「送信局」、「衛
星」、「受信局」は各局を概念的に表しており、斜線は
各局間における通信の手順を上側から下側へ時系列に表
している。各通信の制御信号Ａ1、Ａ2は、本実施例のシ
ステムにおけるインタフェースで規定された、画像デー
タ同報のための制御情報を搭載した信号フレームであ
り、制御信号Ａ2’は、制御信号Ａ2の再送信号を示す。
また、画像データＢ1、Ｂ2、…、Ｂnは画像データを搭
載した信号フレームであり、画像データＢ2’は画像デ
ータＢ2の再送信号を示す。これらの再送信号Ａ2’、Ｂ
2’は、最初の送信信号Ａ2、Ｂ2と識別するための識別
符号が付加されて送信される。

【００２１】上記の通信を表す斜線において、「画像デ
ータＢ2」および「制御信号Ａ2」の×印は送信信号に障
害の発生を模擬的に示している。更に、×印以降の斜線
の有無は、同一フレーム内の通信の継続の有無を表して
いる。よって、「画像データＢ2」は、×印以降の通信
が途切れ、衛星３１が１フレーム全体の画像データを受
信出来なかったことを表している。また、「制御信号Ａ
2」は障害は発生したが通信は行われたことを意味して
いる。尚、「送信局」と「衛星」の間の×印は、両局間
において障害の発生したことを意味する。「衛星」と
「送信局」および「受信局」間の×印は、「送信局」と
「衛星」の間で障害の生じた「制御信号Ａ2」を衛星３
１が地上局へ返送したことを意味する。

【００２２】画像送信制御部１１１は、本実施例の画像
データシステムにおけるインタフェース規定に従って、
制御信号Ａ1、Ａ2、Ａ2’（以降、制御信号Ａと総称す
る）および画像データＢ1、Ｂ2、Ｂ2’、…、Ｂn（以
降、画像データＢと総称する）の送出を信号送信制御部
１１２に要求する。

【００２３】信号送信制御部１１２は、送出要求された
制御信号Ａおよび画像データＢを信号フレームとし、衛
星通信送受信機１２を制御して、アンテナ装置１３を介
して電波に変換して衛星３１へ向けて送出する。

【００２４】また、信号送信制御部１１２は、制御信号
Ａおよび画像データＢの送出後、制御信号Ａおよび画像
データＢの各種信号受信の通知を、一定時間内に送出信
号監視部１１３から受けられない場合、または通知され
た信号の内容が送出した信号と異なる場合、再度同一の
信号を送出する。

【００２５】送出信号監視部１１３は、前記電波として
アンテナ装置１３および衛星通信送受信局１２を介して
受信し、受信した各種信号を信号送信制御部１１２へ通
知する。

【００２６】信号受信制御部２１２は、アンテナ装置２
３および衛星通信受信局２２を介して、送信局１から送
出された制御信号Ａおよび画像データＢを受信し、画像
受信制御部２１１へ出力する。

【００２７】この際、本実施例の画像データ同報システ
ムにおけるインタフェース規定として、制御信号Ａおよ
び画像データＢの信号フレームに、信号順序番号または
再送情報としての再送信符号を付加するよう構成されて
おり、信号受信制御部２１２は、信号順序番号または再
送情報を確認し最新の信号を正規な信号として取り扱う
様に制御することで、同一の制御信号Ａおよび画像デー
タＢを画像受信制御部２１１へ出力させない。

【００２８】受信局２における画像データＢ2、制御信
号Ａ2とこれらの再送信信号Ｂ2’、Ａ2’のより具体的
な取扱手順例を説明する。衛星通信受信機２２は少なく
とも２つのフレームの画像データＢまたは制御信号Ａを
記憶可能な記憶手段を有しており、信号受信制御部２１
２がこれらのフレームの信号（画像データＢまたは制御
信号Ａ）内に再送信符号の有無をチェックし、再送信信
符号がある場合、該当再送信信号の１つ手前のフレーム
に記憶されている信号をキャンセルし、後続のフレーム
の再送信信号を正規な信号として取り扱い発生した障害
をとり除く。これらの動作は、信号受信制御部２１２が
制御する。

【００２９】上記の送信局１の送信した信号と衛星３１
が地上局へ返送した信号との同一性を判別し、同一性の
無い場合、前回送信した信号を再送信する手順により、
衛星通信回線３において生じた障害を除去することが可
能となる。衛星通信回線３を送信局１と衛星３１間のア
ップリンクと、衛星３１と地上局間のダウンリンクとに
分別して上記の障害の除去の理論上の可能性を考察す
る。

【００３０】先ず、アップリンクにおいて生じた障害
は、送信局１が受信する衛星３１からの返送信号に障害
が生じているため、再送信が確実に実行される。また、
ダウンリンクにおいて生じた障害は、一の送信局１と多
数の受信局２ａ、２ｂ、…、２ｎとの間の機器の相違お
よび受信位置の相違等から全てをカバーすることができ
ない。但し、ダウンリンクにおける障害の中の、多数の
受信局に影響する大きな障害は送信局１の受信信号にも
障害が生じると考えられ、障害の発生を判別できる可能
性が高い。よって、ダウンリンクにおいても、障害の部
分的な改善が可能となる。

【００３１】また、上記の送信局１における送信信号と
受信信号間の同一性の判別において、衛星通信回線３で
の送受信がデジタル信号で行われる場合は両者の比較判
別に問題はないが、アナログ信号の場合は同一性の比較
判別において技術的な問題が生じる。この問題とは、ア
ナログ信号の２つの信号の同一性の判別は、厳格に行う
と不要に信号の再送信を行い、緩すぎると必要な再送信
を実行しないミスを生じ易くなることである。この比較
判別における厳緩の度合は、求められる厳格さ、受信局
２の分布状態、送信局１の同一性の判別能力等により定
めると良い。

【００３２】以上説明したように本発明は、受信局毎
に、送信局から送出される各種信号の受信を確認するた
めの応答信号返送用の回線の敷設を不要とし、アップリ
ンク時の障害による各種信号の伝搬を補正し、受信局へ
障害の無い信号を送信することにより、通信特性の信頼
性を向上できる。

【００３３】尚、上述の実施例は本発明の好適な実施の
一例ではあるが、本発明はこれに限定されるものではな
く本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施
可能である。

【００３４】

【発明の効果】以上の説明より明かなように、本発明の
画像データ同報システムおよび画像データ同報方法は、
送信局が衛星通信回線とアンテナを介して画像データの
送受信を行い、送信した画像データと受信した画像デー
タとの間の同一性を判別し、この判別の結果として同一
性がない場合、該当する送信した画像データを再送信す
る。よって、地上局と衛星の間の通信で画像データに障
害が発生した場合、障害の発生した画像データに代えて
再送信した画像データにより受信局が処理することが可
能となる。この処理により、アップリンク時に発生した
障害と、ダウンリンク時に発生した大きな障害とを補正
し、同報データの信頼性を向上させることが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像データ同報システムの一実施例を
示すブロック図である。

【図２】図１のシステムにおけるインターフェースシー
ケンス図である。

【符号の説明】

１ 送信局 ２ 受信局 ３ 衛星通信回線 １１ 画像同報送信機 １２ 衛星通信送受信機 １３、２３ アンテナ装置 ２１ 画像受信機 ２２ 衛星通信受信機 １１１ 画像送信制御部 １１２ 信号送信制御部 １１３ 送出信号監視部 ２１１ 画像受信制御部 ２１２ 信号受信制御部

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 単一の送信局と複数の受信局とが衛星通
   信回線を介し接続されて構成され、前記単一の送信局の
   送出する画像データを前記複数の受信局へ一斉同報する
   画像データ同報システムにおいて、前記送信局は、 前記衛星通信回線およびアンテナを介して前記画像デー
   タの送受信を行う衛星通信送受信手段と、 該衛星通信送受信手段の前記画像データの出力動作を制
   御する信号送信制御手段と、 前記衛星通信送受信手段が前記アンテナへ出力した画像
   データと前記アンテナから入力した画像データとの間の
   同一性を判別し、該判別の結果を表す信号を前記信号送
   信制御手段へ出力する送信信号監視手段とを有し、 前記判別の結果として同一性がない場合、この判定に対
   応する前記アンテナへ出力した画像データを再送信する
   よう、前記信号送信制御手段が前記衛星通信送受信手段
   の動作を制御することを特徴とする画像データ同報シス
   テム。
2. 【請求項２】 前記衛星通信送受信手段が前記画像デー
   タを再送信する場合、再送信される前記画像データに該
   再送信を識別するための再送信符号を付加することを特
   徴とする請求項１記載の画像データ同報システム。
3. 【請求項３】 前記受信局は、 前記衛星通信回線とアンテナを介して前記画像データの
   受信を行う衛星通信受信手段と、 該衛星通信受信手段が受信した前記画像データが再送信
   された再送信画像データであるか否かをチェックする信
   号受信制御手段とを有し、 前記チェックの結果、再送信画像データである場合に、
   該再送信データを正規のデータとして取り扱うことを特
   徴とする請求項１記載の画像データ同報システム。
4. 【請求項４】 前記受信局はさらに、少なくとも２フレ
   ームの前記画像データを記憶可能な記憶手段を有し、第
   １のフレームに後続する第２のフレームの画像データが
   前記再送信データである場合、第１のフレームの画像デ
   ータをキャンセルし前記第２のフレームの画像データを
   正規のデータとして取り扱うことを特徴とする請求項３
   記載の画像データ同報システム。
5. 【請求項５】 単一の送信局から画像データを衛星通信
   局へ送信する画像データ送信工程と、 前記画像データを前記衛星通信局が受信し、該受信した
   画像データを前記送信局へ返送送信する返送送信工程
   と、 前記返送送信された画像データを前記送信局が受信する
   送信画像データ受信工程と、 送信画像データ受信工程で受信した画像データと前記画
   像データ送信工程で送信した画像データとの同一性を前
   記送信局が判別する同一性判別工程と、 該同一性判別工程により同一性が否定された場合、前記
   画像データ送信工程で送信した画像データに再送信を識
   別するための再送信符号を付加し、該再送信符号が付加
   された前記画像データを再度前記衛星通信局へ送信する
   画像データ再送信工程と、 複数の受信局が前記衛星通信局から返送送信された画像
   データを受信する画像データ受信工程と、 該画像データ受信工程により受信した画像データの中に
   前記再送信符号の有無を判別する再送信符号判別工程と
   を有し、前記返送送信工程により前記衛星通信局から返
   送される画像データに障害の発生の有無を前記同一性判
   別工程により判別し、前記再送信符号を前記受信局が判
   別することにより障害の発生の無い画像データを受信す
   ることを特徴とする画像データ同報方法。