JP2643311B2 - ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム - Google Patents

ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリエステル組成物に関し、さらに詳しく
は、透明性及び易滑性のポリエステルフイルム等を提供
しうるポリエステル組成物に関するものである。
[従来の技術] ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートは、
その優れた物理的、化学的特性を有するため、繊維、フ
ィルム、その他成形品として広く使用されている。しか
しその優れた特性とは逆に、上記成形品を得る成形工程
における工程通過性、あるいは製品自体での取り扱いに
おける滑り性不良による作業性の悪化、製品価値の低下
といった好ましくないトラブルが発生することも知られ
ている。
これらの問題に対して、ポリエステル中に微粒子を含
有せしめて成形品の表面に適度の凹凸を付与し、成形品
の表面の滑り性を向上させる方法が数多く提案され、そ
の一部は実用化されている。例えば酸化ケイ素、二酸化
チタン、炭酸カルシウム、タルク、カオリナイトなどの
不活性無機粒子、あるいはベンゾグアナミン・ホルムア
ルデヒド樹脂、ポリテトラフルオルエチレン−ヘキサフ
ルオルプロピレン共重合体、ポリフェニルエステル樹脂
などの有機高分子微粒子をポリエステル合成反応系に添
加する方法がある(例えば特開昭55−133431号公報、特
開昭57−125247号公報など)。
しかし、かかる粒子を添加する場合、添加量が増加す
るにつれてポリエステルの重要な特性である透明度が減
少する。フィルムに成形した場合、特に粒子とポリエス
テルの屈折率の影響および延伸による粒子の表面付近の
ボイド発生等により透明性が著しく損なわれることが知
られている。粒子の屈折率に関してはポリエステル、特
にポリエチレンテレフタレートの屈折率に近い粒子は少
なく、屈折率の近い粒子があっても易滑性に劣るなどの
問題がある。
また、特に有機高分子微粒子においては屈折率がポリ
エステルに近いものがあるが一般に耐熱性が劣る。従っ
て、ポリエステル重合時あるいは溶融成形時に軟化しや
すくこれに起因して凝集によるポリマー中の有機粒子の
分散性不良などの問題が生じる。特開昭55−155029号公
報などに開示されている架橋性の高分子粒子でも耐熱性
は不充分である。
例えば、特開昭59−217755号公報、特開昭61−174254
号公報においては、粒度分布がシャープな架橋ポリマー
粒子を様いた方法、特開昭55−152719号公報ではポリエ
ステルと共有結合する架橋高分子粒子からなる粒子が提
案されているが、かかる粒子あるいは方法を用いてもポ
リエステル中での凝集粒子やボイドの発生は避け切れ
ず、高度な表面均一性や透明性が必要とされる用途にお
いては不十分であった。さらに特開昭48−10177号公報
においては透明性と滑り性を両立させるために、低ヘイ
ズフィルムの少なくとも片面に炭酸カルシウム、二酸化
ケイ素、テレフタル酸金属塩の微細な不活性無機化合物
粒子を含有する層を積層したフィルムが提案されている
が、本発明が目的とする高度な表面平坦性、透明性と滑
り性の両立を達成するには不十分であった。
一方、易滑性に関して、2成分からなる不活性無機粒
子を用いて均一な凹凸表面を付与し易滑性を向上させる
方法も検討されているが、不活性無機粒子同士の併用系
では十分な特性が得られない。
近年、特に易滑性と透明性に優れたフィルムが要求さ
れる製版印刷用、エックス線写真用、マイクロフィルム
用、電子写真用、ジアゾ写真用の複写用途において、易
滑性および透明性という二律排反の現象をより高度に満
足させることが要求されるようになった。しかし未だ解
決に至っていないのが現状である。
そこで、本発明者らは、上記従来使用されている粒子
添加方式の欠点を改良し、特に易滑性と透明性のバラン
スに選れたポリエステルフィルムを得るために鋭意検討
した結果、熱分解温度が380℃以上である架橋ポリスチ
レン粒子、および熱分解温度が380℃以上かつ空隙率20
〜95%である架橋ポリスチレン粒子を用いることによっ
て本発明の目的を達成できることが判明した。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、特定の熱分解温度を有する架橋ポリ
スチレン粒子、および特定の熱分解温度と空隙率を有す
る架橋ポリスチレン粒子を含有し、従来技術では達成し
得なかった易滑性および透明性に優れたポリエステル組
成物を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は芳香族ジカルボン酸を主たる
二官能性酸成分と、少なくとも一種のグリコール成分よ
りなるポリエステルが、熱分解温度が380℃以上である
平均粒径0.01〜5μmの架橋ポリスチレン粒子、および
熱分解温度が380℃以上かつ空隙率が20〜95%である平
均粒径が0.01μm〜5μmの架橋ポリスチレン粒子を含
有し、かつ、少なくとも一方の架橋ポリスチレン粒子の
体積形状係数が0.35〜π/6であるポリエステル組成物に
よって達成される。
本発明のポリエステルの二官能性酸成分は、芳香族ジ
カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体を主とす
るものであり、具体的にはテレフタル酸、2,6−ナフタ
リンジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、そのエステル形成
性誘導体としてテレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタリ
ンジカルボン酸ジメチル、1,2−ビス(2−クロロフェ
ノキシ)エタン−4,4−ジカルボン酸ジメチルなどが挙
げられ、なかでもテレフタル酸もしくはテレフタル酸ジ
メチルが好ましい。また、グリコール成分してはエチレ
ングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げら
れ、なかでもエチレングリコールが好ましい。これらジ
カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体およびグ
リコール成分以外に他の成分を共重合してもよく、その
成分は例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリ
コール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、5−ナトリウムスルホレゾルシンなど
のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸イ
ソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、ト
リメリット酸、ピロメリット酸などの多官能カルボン酸
成分、p−オキシエトキシ安息香酸などのオキシジカル
ボン酸成分などが挙げられる。
ジカルボン酸成分がジカルボン酸の場合はグリコール
とエステル化反応後、またジカルボン酸エステルの場合
はグリコールとエステル交換反応後、高温、減圧下にて
重縮合せしめポリエステルを得る。
また、プレポリマー自身を出発物質として重縮合させ
ることもできる。このようなモノマから得られるポリエ
ステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートが好ましく、特に高剛性が要
求される用途においてはポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートが好ましい。
本発明に用いる架橋ポリスチレン粒子は粒子を構成す
る主要組成がスチレンまたはその誘導体である粒子であ
り、粒子を構成するモノマとしては、分子中に唯1個の
脂肪族不飽和結合を有するモノビニル化合物(A)と、
架橋成分として分子中に2個以上の脂肪族不飽和結合を
有するジビニル化合物(B)が一般的に用いられる。こ
こで化合物(A)の主要部分にスチレンまたはその誘導
体を用いることによって本発明の架橋ポリスチレン粒子
を得ることができる。かかる粒子はいずれも高度に架橋
したポリスチレン粒子であって、熱天秤による熱分解温
度(10%減量温度)が380℃以上の耐熱性を有する粒子
をいう。すなわち架橋ポリスチレン粒子が易滑性として
作用を発揮するためには、ポリエステル重合時あるいは
溶融成形温度で溶融しない耐熱性が必要である。好まし
くは熱分解温度が400℃以上、さらに好ましくは410℃以
上である。熱分解温度が380℃未満ではポリエステル重
合時あるいは溶融成形時に粒子凝集を起こすため易滑性
が不良である。
このような耐熱性を有するためにはジビニルベンゼン
等の架橋成分により高度に架橋する必要があり、モノマ
ーに対して例えば純粋なジビニルベンゼン等の架橋成分
として12重量%以上必要で、好ましくは30重量%以上、
さらに好ましくは50重量%以上である。
また、本発明では良好な易滑性、透明性を得るために
熱分解温度が380℃以上の架橋ポリスチレン粒子と、熱
分解温度が380℃以上で特定の空隙率を有する架橋ポリ
スチレン粒子をポリエステルに含有させることを特徴と
する。該空隙率は20〜95%にする必要があり、好ましく
は30〜80%で、さらに好ましくは40〜75%である。空隙
率20%未満ではフイルムにした場合、ボイドが発生し、
良好な透明性は得られない。95%を越えると粒子の形態
安定性が不良となり易滑性として使用できない。
本発明に用いる特定の熱分解温度を有する架橋ポリス
チレン粒子と特定の熱分解温度および空隙率を有する架
橋ポリスチレン粒子は透明性、易滑性の天から粒子形状
が球形状で均一な粒度分布のものが好ましい。
すなわち、体積形状係数が0.35〜π/6の範囲にあるこ
とが必要で、さらには0.45以上のものが好ましい。[た
だし、体積形状係数fは次式で表わされる。f=V/D3
ここで、Vは粒子体積(μm3)、Dは粒子の投影面にお
ける最大径(μm)]例えば特開昭55−158937号公報な
どに開示されている粉砕して微粒子化する方法では粒子
形状が不定形で均一な粒度分布のものが得られにくく粗
大粒子が存在して、特にフィルムに成形する場合製膜時
にフィルターの目塞り、製品としては透明性、易滑性、
美観が損なわれるもので好ましくない。
本発明の架橋ポリスチレン粒子は公知の製造方法によ
って得られるものを用いることができる。公知の製造方
法としては以下のような例えば乳化重合による方法があ
る。
(1)ソープフリー重合法すなわち乳化剤を使用しない
か、あるいは極めて少量の乳化剤を用いて重合する方
法。
(2)乳化重合に先だって重合系内へ重合体粒子を添加
しておいて乳化重合させるシード重合方法。
(3)単量体成分の一部を乳化重合させ、その重合系内
で残りの単量体を重合させるコアーシェル重合方法。
(4)特開昭54−97582号公報、および特開昭54−12628
8号公報に示されているユーゲルスタット等による重合
方法。
(5)(4)の方法において膨潤助剤を用いない重合方
法。
上記のうち、特に(3)および(4)の方法が均一な
粒度分布を持つ球形状架橋ポリスチレン粒子を得うこと
ができるので好ましい。
さらに、架橋ポリスチレン粒子中に特定の空隙率、す
なわち細孔容積を付与するためには、重合、架橋するに
際し、有機溶媒あるいは有機溶媒に可溶な高分子化合物
(A)を共存させ、重合反応終了後、生成した架橋ポリ
スチレン粒子中から化合物(A)を除去せしめることに
よって得られる。ただし、この方法に限定されるもので
はない。
本発明ににおいてポリエステル中に分散含有させる特
定の熱分解温度を有する架橋ポリスチレン粒子と特定の
熱分解温度および空隙率を有する架橋ポリスチレン粒子
の平均粒径は0.01〜5μmとする必要があり、より好ま
しくは0.05〜2μmである。平均粒径が0.01μm未満で
はフィルムにした場合、滑り性が低下してくる。また平
均粒径が5μmを越えるとボイドの発生、粗大突起に起
因するフィルム表面の散乱の増加等によるフィルムの透
明性が減少する。
さらにフイルムにした場合、透明性、滑り性、製品と
しての美観の点から、特定の熱分解温度を有する架橋ポ
リスチレン粒子(A)と特定の熱分解温度および空隙率
を有する架橋ポリスチレン粒子(B)の平均粒径は下記
式を満足する条件がさらに好ましい。
0.1μm≦(A)<0.6μm かつ0.6μm≦(B)≦2.0μm あるいは 0.1μm≦(B)<0.6μm かつ0.6μm≦(A)≦2.0μm また、特定の熱分解温度を有する架橋ポリスチレン粒
子と特定の熱分解温度および空隙率を有する架橋ポリス
チレン粒子のポリエステルに対する添加量は好ましくは
0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.002〜2重量
%さらに好ましくは0.01〜1重量%である。
本発明の特定の熱分解温度を有する架橋ポリスチレン
粒子および特定の熱分解温度を有する架橋ポリスチレン
粒子を用いると、架橋ポリスチレン粒子はポリエステル
の屈折率に近く、粒度均一性、親和性も良好で、さらに
親和性に優れた特定空隙率を有する架橋ポリスチレン粒
子と組み合わせることにより延伸フィルムにした場合、
均一な凹凸表面による易滑性および透明性に優れたフィ
ルムが得られ、易滑性および透明性という二律排反の現
象をより高度に満足させることができる。
また、ポリエステルとの親和性をさらに向上させるた
めに、ポリエステルと反応し共有結合を形成しうる基を
一方あるいは両方の架橋ポリスチレン粒子に導入するこ
とがさらに好ましい。例えばカルボキシル基、水酸基、
スルホン酸基、エステル基等を挙げることができ、カル
ボキシル基を導入するにはメタクリル酸、水酸基にはア
クリル系モノマー、スルホン酸基にはスチレンスルホン
酸を用いるのが好適であるが特に限定されない。これら
の活性基を導入するためのモノマー量は粒子に体して1
〜10重量%が好ましい。
また、架橋ポリスチレン粒子の耐熱性向上あるいは屈
折率のコントロールのために、架橋ポリスチレン粒子の
まわりにSiO2、TiO2などの無機物を被覆してもよい。
本発明の特定の熱分解温度を有する架橋ポリスチレン
粒子と特定の熱分解温度および空隙率を有する架橋ポリ
スチレン粒子はポリエステルに公知の種々の方法によっ
て添加、混合できる。中でもポリエステル重合開始前か
ら重合反応中の段階で添加するのが粒子分散性の点で特
に好ましい。ポリエステル組成物製造前の前駆段階また
は重縮合段階における粒子の添加は、エチレングリコー
ルのスラリーとして添加するのが好ましい。そのスラリ
ー濃度としては0.5〜20重量%程度が適当である。
エチレングリコール等の分散媒への分散法は例えば高
速分散機、サンドミル、ロールミル等を用いてもよい。
また分散時にはリン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム
などのリン原子含有化合物、テトラエチルアンモニウム
ハイドロオキサイド、ヒドロキシルアミンなどの窒素原
子含有化合物、アルカリ化合物、陽イオン、陰イオン、
両性もしくは非イオン性などの界面活性剤あるいは水溶
性高分子等の分散剤を使用するとスラリーおよびポリマ
ー中の特定の熱分解温度を有する架橋ポリスチレン粒子
と特定の熱分解温度および空隙率を有する架橋ポリスチ
レン粒子の分散性がさらに向上し、特に好ましい。
さらにポリエステルの製造時に通常用いられるリチウ
ム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガ
ン、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン等の化合
物の親族化合物触媒、着色防止剤としてのリン化合物、
架橋ポリスチレン粒子以外の粒子として、従来公知の例
えば酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸
バリウム、タルク、リン酸カルシウム、カオリン、シリ
カアルミナ、炭酸カルシウムなどの無機粒子、アルカリ
金属あるいはアルカリ土類金属とリンとを構成成分の一
部としポリエステル重合反応系内で析出してくるいわゆ
る内部粒子、またはホルムアルデヒド樹脂、フェノール
樹脂、シリコーン樹脂などからなる有機高分子微粒子も
必要に応じて適宜添加できる。
本発明のポリエステル組成物は、単層、複層のいずれ
のフィルムにも適用することができるが、フィルムの易
滑性、表面の均一性の点から、本発明のポリエステル組
成物からなるフィルムを少くとも1層、特に最外層に有
する積層フィルムとすることができる。このようなフィ
ルムは従来公知の方法によって製造することができる。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
なお、得られたポリエステルの各特性値の測定は次の
方法に従って行なった。
(A) 粒子の粒径 平均粒径は粒子の電子顕微鏡写真によって測定した50
体積%の点にある粒子等価球直径により求めた。等価球
直径とは粒子と同じ体積を有する球の直径である。
(B) 粒子の熱分解温度 理学電気(株)製TAS−100にて窒素雰囲気下、昇温速
度20℃/minでの熱天秤減量曲線を測定した。10%減量温
度を熱分解温度とした。
(C) 空隙率 水銀ポロシメーターにより粒子の細孔容積を測定し、
この細孔容積と粒子の比重とから算出する。
(D) ポリマーの極限粘度 o−クロロフェノールを溶媒として25℃にて測定し
た。
(E) ポリマー中の粒子分散状態 ポリマーを超薄膜作成装置によって800Åの超薄切片
にしたのち、透過型電子顕微鏡により、ポリマー中の粒
子分散状態を観察した。
分散状態の測定は次のとおりに行なった。
○:二次凝集粒子はほとんど観察されず、目的を達成す
る。
△:わずかに二次凝集粒子が存在し、目的を達成しな
い。
×:ほとんどの粒子が二次凝集粒子であるので目的を達
成しない。
(F) フィルム特性 (1)表面粗さRa(μm) 触針式表面粗さによる測定で示した(カットオフ値0.
08mm、測定長0.5mm。ただし、JIS−B−8601に従っ
た。) (2)滑り性およびフイルムヘイズ a.滑り性 ASTM−D−1894B−63に従い、スリップテスターを用
いて、静摩擦係数(μs)ならびに動摩擦係数(μd)
を測定した。
b.フィルムヘイズ ASTM−D1003−52に従って測定した。
滑り性(μs):0.8以下でかつフイルムヘイズ:0.6%
以下が本発明の目的を達成する値である。
実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコー
ル70重量部から酢酸カルシウム0.09重量部を触媒として
常法により、エステル交換反応を行ない、生成物に三酸
化アンチモン0.03重量部、リン酸トリメチル0.3重量部
および5重量%濃度のエチレングリコールスラリーとし
て分散させた熱分解温度が420℃で平均粒径0.4μmの架
橋ポリスチレン粒子(体積形状係数0.51)0.02重量部と
熱分解温度が410℃、空隙率50%の平均粒径0.8μmの架
橋ポリスチレン粒子(体積形状係数0.05)0.03重量部を
添加し、常法により重合して極限粘度0.613、軟化点26
0.1℃のポリエチレンテレフタレートを得た。ポリマー
中を透過型電子顕微鏡によって観察した結果、粒子分散
状態は二次凝集が少なく、ほぼ単分散状態で存在した。
該ポリマーを290℃で溶融押し出しし、85℃で縦横方
向に3.3倍、95℃で横方向に3.6倍延伸した。その後205
℃で熱固定し、厚さ25μmの二次延伸フィルムを得た。
該フィルム特性を評価した結果、滑り性および透明性と
も良好であった(第1表)。
実施例2〜8および比較実施例1〜4 含有する架橋ポリスチレン粒子(いずれも体積形状係
数が0.51)の粒子構成、熱分解温度、空隙率、平均粒径
を変えて実施例1と同様にポリエチレンテレフタレート
の二軸配向フィルムとした。含有する粒子の粒子構成、
熱分解温度、空隙率、平均粒径が本発明の範囲内である
ものはフィルムにした場合、滑り性、透明性ともに優れ
ていた(実施例2〜8)。
しかしながら、架橋ポリスチレン粒子の熱分解温度、
空隙率、平均粒径が本発明外であるものはフイルムにし
た場合、滑り性、透明性をともに満足させることはでき
なかった(比較実施例1〜4)。
比較実施例5〜8 含有する粒子の種類を変えて実施例1と同様にしてポ
リエチレンテレフタレートの二軸配向フィルムとした。
いずれも滑り性、透明性を共に満足させることができな
かった。
[発明の効果] 本発明のポリエステルは、特定の熱分解温度を有する
架橋ポリスチレン粒子と特定の熱分解温度および空隙率
を有する球形状の架橋ポリスチレン粒子を含有するので
次のような優れた効果が発揮される。
(1)本発明の架橋ポリスチレン粒子はポリエステルの
屈折率に近く、ポリエステルに対して親和性、かつ粒度
均一性に優れ、さらに親和性に優れた特定空隙率の架橋
ポリスチレン粒子を併用することにより、フィルムにし
た場合、透明性および易滑性に良好なフィルムが得られ
る。かかるフィルムは写真、製版用途等には好適であ
る。
(2)本発明の架橋ポリスチレン粒子はポリエステルと
の親和性に優れており、特定空隙率の架橋ポリスチレン
粒子を平行することによりフィルムにした場合ボイドが
少なく、均一な凹凸表面が得られ、耐摩耗性、電気特性
に優れている。かかるフィルムは磁気テープ用途、コン
デンサー用途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−99948(JP,A) 特開 昭55−155030(JP,A) 特開 昭61−217229(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸を主とする二官能性酸
    成分と少なくとも一種のグリコール成分よりなるポリエ
    ステルが、熱分解温度が380℃以上である平均粒径0.1μ
    m〜5μmの架橋ポリスチレン粒子、および熱分解温度
    が380℃以上かつ空隙率が20〜90%である平均粒径が0.0
    1μm〜5μmの架橋ポリスチレン粒子を含有し、か
    つ、少なくとも一方の架橋ポリスチレン粒子の体積形状
    係数が0.35〜π/6であるポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】少なくとも一方の架橋ポリスチレン粒子が
    カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基およびエステル
    基よりなる群から選ばれた少なくとも一つのモノマー単
    位を該粒子に対して1〜10重量%含有することを特徴と
    する請求項1記載のポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】少なくとも一方の架橋ポリスチレン粒子が
    SiO2またはTiO2で被覆されていることを特徴とする請求
    項1または2に記載のポリエステル組成物。
  4. 【請求項4】いずれか一方の架橋ポリスチレン粒子の平
    均粒径が0.1μm以上0.6μm未満の範囲にあり、かつ他
    方の架橋ポリスチレン粒子の平均粒径が0.6μm以上2.0
    μm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載のポリエステル組成物。
  5. 【請求項5】前記ポリエステルが2,6−ナフタリンジカ
    ルボン酸単位を主たる酸成分とするポリエステルである
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル組成
    物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリ
    エステル組成物からなるフィルム。
  7. 【請求項7】フィルムヘイズが0.6%以下であることを
    特徴とする請求項6記載のフィルム。
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