JP2642305B2 - 切屑処理装置を備えた加工システム - Google Patents

切屑処理装置を備えた加工システム

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JP2642305B2
JP2642305B2 JP5220075A JP22007593A JP2642305B2 JP 2642305 B2 JP2642305 B2 JP 2642305B2 JP 5220075 A JP5220075 A JP 5220075A JP 22007593 A JP22007593 A JP 22007593A JP 2642305 B2 JP2642305 B2 JP 2642305B2
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    • B30B9/30Presses specially adapted for particular purposes for baling; Compression boxes therefor
    • B30B9/3003Details
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切屑処理装置を備えた
加工システムに関し、特に、機械加工によって発生した
多量かつ、かさ高の切屑を収集、回収し、該切屑を圧縮
してブロック形状の切屑塊に形成し、また、必要に応じ
て被加工ワークの材質種別に応じて同材質毎の切屑塊を
形成し、これを所定場所に排出する切屑処理装置を備
え、被加工ワークの供給からNCプログラムに従うワー
クの加工、加工済ワークの回収、機械加工によって生じ
た切屑の処理並びに加工液の収集、回収に至る機械加工
における諸工程の自動化と省力化とを一貫して遂行可能
な切屑処理装置を備えた加工システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に加工システムは、複数台の工作機
械を所定の領域に配列、具備すると共に、それらの各工
作機械に対して材料状態の被加工ワークをパレットに装
着した状態でワークストッカから搬送、供給するワーク
搬送手段、各工作機械や上記のワーク搬送手段、各工作
機械に付設された自動工具交換装置(ATC装置)並び
に加工液の供給、回収等その他の諸設備を統括的に制御
するコンピュータから成る統括制御装置等を備えて構成
されている。
【0003】上述の加工システムに備えられた複数台の
工作機械のそれぞれの機械による被加工ワークの切削加
工においては、切屑の発生が不可避であり、この切屑が
機械加工部に残存した状態では、加工システムの運転に
障害となるばかりでなく、それぞれの工作機械の主軸に
自動工具交換で装着される切削工具の切れ味劣化を来た
し、また、被加工ワークに付着した切屑の影響で加工精
度にも悪影響を与えることになる。このために、一般的
には加工液を各工作機械の機械加工部に多量に噴出して
被加工ワークや切削工具の冷却を図ると同時に、その加
工液の噴出流で被加工ワークに付着したり、テーブル上
に散乱した切屑を洗い流して排除、浄化を図る方法が採
られることは周知である。このようにして機械加工部か
ら加工液と共に排除された切屑は、加工液と分離処理さ
れ、工作機械から離れた適当な位置に設けられた所定の
切屑集積場所へ搬送する方法が採られる。このような加
工液の分離と切屑集積場所への搬送手段としては、例え
ば、特開昭61−95850号公報がコンベア手段を開
示している。すなわち、同コンベア手段は、工作機械か
ら排出された切屑と加工液との混合体をホッパを介して
コンベア手段の入口部に受容し、ここで沈澱作用等を利
用して加工液から切屑を分離し、分離した切屑は掻取り
手段を有したコンベアで所定の集積場所に開口した出口
部へ搬送する構成となっている。
【0004】また、特公平4−38529号公報は、工
作機械から排出された加工屑を、自動的に切屑集積場所
へ搬送車で搬送するようにした切屑処理手段を備えた加
工システムを開示し、この場合には、一旦工作機械から
排出された切屑を機械前方の加工屑移送ステーションで
切屑容器に移送し、この切屑容器を搬送車で所定の離隔
位置に配置された加工屑投棄ステーションへ移送するよ
うに自動化した切屑処理装置の構成を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上述した
従来の工作機械用の切屑処理手段や装置は、機械加工部
から加工液による洗い流し作用で排出された切屑を加工
液と一緒に掻き集め、次いで、加工液をろ過または沈澱
処理によって分離した後、その切屑の姿のままで集積場
所まで自動的に運搬する構成に止まり、種々の問題点が
発生している。
【0006】すなわち、近時は、加工システムを構成す
る各工作機械の機械加工性能の向上が著しく、加工速度
が高速化することにより、ワークの切削過程で切粉のみ
ならずかさ高な絡み屑となって発生する切屑が、切削速
度の高速化と相まってその発生量が益々膨大化する傾向
にある。依って、このように大量に発生した切屑の処理
を高効率で達成する切屑処理装置の提供が要請されてお
り、かつ、多量に発生した切屑を切屑集積場所に運搬し
た場合には、集積場所から更に投棄処理を行うための人
的作業量も著しく増加して、切屑の収集、回収効率が結
局は低下すると同時に、このような事態は、加工システ
ムの自動運転における省力化効果をも大幅に低減させる
原因となる。
【0007】また、従来の切屑処理においては、被加工
ワークの材質に関わりなく、異種材料の切屑も混在状態
で収集、回収処理するために、近時の資源の再利用の要
請に応えることも困難であると言う問題点を含んでい
る。更に、従来の切屑処理においては、工作機械の機械
加工部から加工液の噴射を利用して切屑を排除する段階
で切屑と混在した同加工液を、可及的に切屑から分離、
除去後に切屑を切屑集積場所へ運搬する方法が採られて
いるが、切屑自体が被加工材料の材質や切削条件等に応
じて粉体形態から例えば、綿菓子状等の絡み屑の形態を
有する場合が多く、故に、加工液の分離処理後にも、な
お切屑に加工液が付着、包含された状態で切屑集積場所
へ運搬される場合が多い。従って、切屑の廃棄に伴って
加工液も共に廃棄されるので、多量の加工液が消耗され
る結果となり、加工液の無駄が多い欠点を有している。
【0008】依って、本発明の目的は、従来の工作機械
並びに加工システムに切屑処理機能を付加して、複数台
の工作機械が一斉に運転されることにより、切屑の多量
発生があった場合にも高効率で収集、回収を可能にし、
併せて切屑処理における人的作業の介入を極力、低減さ
せると同時に、切屑処理に当たって回収した切屑を圧縮
して切屑塊を形成する過程で、切屑に付着または包含さ
れた加工液を搾出、収集して各工作機械の加工液タンク
に回収し得るようにし、各工作機械の自動化に伴う省力
効果を一層、向上させることにある。
【0009】本発明の他の目的は、切屑を圧縮してブロ
ック状の切屑塊に形成することにより、切屑処理効率の
向上を達成すると同時に、被加工ワークの機械加工にお
けるワーク材質種の変化に応じて切屑塊の形成を制御し
て同材質の切屑塊を得ることが可能な切屑処理装置を備
えた加工システムを提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の発明の
目的に鑑みて、複数台の工作機械と、該複数台の工作機
械のそれぞれに被加工ワークを搬送、供給すると共に加
工済みワークを該それぞれの工作機械から受け取り、回
収するワーク搬送手段と、前記複数台の工作機械の運転
と前記ワーク搬送手段の運転とを統括的に制御する統括
制御手段とを備えた加工システムにおいて、
【0011】前記複数台の工作機械のそれぞれに設けら
れ、該それぞれの工作機械の機械加工時に発生した加工
液の混在する切屑を機械加工部から収集して所定場所に
回収する切屑回収手段と、前記複数台の工作機械のそれ
ぞれに設けられ、該それぞれの工作機械の前記切屑回収
手段により前記所定場所へ回収された前記切屑を圧縮室
に受容して切屑塊に圧縮、形成して排出する切屑圧縮手
段と、前記被加工ワークの材質種別に応じて前記加工シ
ステムの統括制御手段から送出される分別指令に従って
作動され、前記複数台の工作機械のそれぞれの前記切屑
圧縮手段から排出される前記切屑塊を前記被加工ワーク
の材質種別に分別する切屑塊分別手段と、
【0012】前記複数台の工作機械のそれぞれの前記切
屑圧縮手段から前記切屑塊分別手段を介して排出される
前記切屑塊を受承して前記被加工ワークの材質種別に対
応した所定の回収場所へ分別搬送する搬送路を有した切
屑塊搬送手段と、
【0013】前記複数台の工作機械のそれぞれの前記切
屑圧縮手段による前記切屑の圧縮時に該切屑から搾出、
収集される加工液を前記複数台の工作機械のそれぞれの
加工液タンクへ回収する加工液回収手段と、を具備して
構成される切屑処理装置を備えた加工システムを提供す
る。
【0014】
【作用】上述の構成を備えた加工システムによれば、複
数台の工作機械から多量に発生した切屑をそれぞれの工
作機械に備えられた切屑圧縮手段または加工システムの
所定場所に設けられた切屑圧縮手段によりブロック形状
の切屑塊に形成して排出するので、切屑の効率的な回収
と廃棄とが可能になり、切屑処理の高能率化を達成でき
るのである。
【0015】しかも、切屑塊の形成時に、加工システム
の統括制御手段からの指令に基づいて被加工ワークの材
質種別に応じて切屑塊が常に同材質の切屑塊に形成され
るようにし、従って、切屑塊を回収して資源の有効な再
利用を図ることを容易化することも可能となるのであ
る。また、切屑塊を圧縮、形成するとき、切屑に付着ま
たは包含されていた加工液を搾出、回収し、それぞれの
工作機械に設けられた加工液タンクへ返還、回収して加
工液の消耗を抑制し、以て加工液の無駄を低減させるこ
ともできる。以下、本発明を添付図面に示す実施例に基
づいて、更に、詳細に説明する。
【0016】
【実施例】図1は本発明の一実施例による切屑処理装置
を備えた加工システムの全体機構を示すブロック図、図
2は、同加工システムに設けられる工作機械の構成と各
工作機械に備えられる切屑圧縮装置の構成を示す斜視
図、図3は、切屑塊を被加工ワークの材料種別に応じて
分別するための切屑分別手段の構成の一例を示した斜視
図、図4は、図1に示した加工システムにおいて実行さ
れる切屑処理の制御システムのブロック図、図5は、同
制御システムにおける統括制御用コンピュータの記憶手
段にテーブルとして記憶されるNCプログラム番号と被
加工ワークの材質種別との関係を示した説明図、図6
は、図4の切屑処理制御システムが実行する切屑処理過
程を説明するフローチャート、図7は、工作機械に具備
される切屑処理装置の他の実施例の全体構成を一部を省
略して示した斜視図、図8は、同切屑処理装置の要部の
構成を一部断面して示す側面図、図9は、同切屑処理装
置を用いて工作機械から排出される切屑の切屑処理を遂
行する制御システムの構成を示すブロック図、図10
は、本発明の更に他の実施例による切屑処理装置を備え
た加工システムの全体機構を示したブロック図である。
【0017】先ず、本発明の第1の実施例による切屑処
理装置を備えた加工システムに就いて説明する。図1を
参照すると、この加工システムは、複数台の工作機械M
T−1〜MT−Nを備え、これらの工作機械MT−1等
はそれぞれが数値制御装置(NC装置)NC−1〜NC
−Nおよび機械制御装置MTC−1〜MTC−Nを備
え、コンピュータ装置によって形成される加工システム
の統括制御手段(以下、統括コンピュータとする)HC
によって統括的に運転制御される構成となっている。更
に、それぞれの工作機械MT−1等は、加工液タンク1
8−1〜18−Nを機体側部に備え、これらのそれぞれ
の加工液タンク18−1等から供給、噴出される加工液
によって機械加工部における機械加工工程の際に、切削
工具や被加工ワークの冷却を行うと共に被加工ワークか
ら切除される切屑の洗い流しによる排除を遂行する構成
となっている。
【0018】加工システムは更に、それぞれの工作機械
MT−1〜MT−Nの前方部に対応して延設された搬送
路100を有し、この搬送路100を、搬送車制御装置
101により走行制御される搬送車102が左右に走行
し、同搬送車102によって複数台のパレットストッカ
103と各工作機械MT−1等の前部に具備されたパレ
ット受承部PA−1等との間でパレットの供給と回収と
が遂行される。すなわち、同パレットに装着された未加
工状態の被加工ワークをそれぞれの工作機械MT−1等
に供給し、また、加工後のワークを装着したパレットを
それぞれの工作機械から受領して空のパレットストッカ
103へ返還、回収するように構成されている。ここ
で、図1から明らかなように、搬送車制御装置101
は、上述した統括コンピュータHCに接続され、従っ
て、搬送車102の走行制御は統括コンピュータHCに
より、それぞれの工作機械MT−1〜MT−Nの機械加
工動作と連携されている。
【0019】さて、加工システムには、複数台の工作機
械MT−1〜MT−Nを挟んで上述した搬送路100と
反対側の位置に切屑を後述の切屑圧縮機によりブロック
形状の切屑塊に形成して排出された時に、これを所定の
切屑塊回収場所、即ち、図示例では切屑塊回収器202
a、202bへ搬送する切屑塊搬送手段200が延設さ
れている。この切屑塊搬送手段200は、駆動装置20
1によって駆動される例えば、コンベア式の搬送装置か
ら成り、各工作機械から切屑塊が排出されたとき、コン
ベア上面の複数の受承面(図示例では2つの受承面20
0a又は200b)にこれを受承して走行し、分岐路2
03a又は203bを介して矢印Sで示すように、切屑
塊回収器202a又は202bへ排出、回収するように
なっている。このとき、コンベア式搬送装置の駆動装置
201は、統括コンピュータHCに接続され、同駆動装
置201の駆動作用が、それぞれの工作機械MT−1等
の機械加工作用と連携して制御されている。
【0020】ここで、それぞれの工作機械MT−1〜M
T−Nには、切屑をそれぞれの機械加工部から収集、回
収して所定場所まで搬送する後述の切屑回収手段と、そ
の所定の回収場所に接近、配置され、切粉状から絡み状
の形態で回収された切屑を圧縮室内で圧縮してブロック
形状の切屑塊に形成する切屑圧縮機31−1〜31−N
と、それらの各切屑圧縮機31−1等から排出される切
屑塊を被加工ワークの材質種別に応じて分別し、それぞ
れの材質種別に応じた排出路45−1〜45−Nを介し
て上述した切屑塊搬送手段200の受承面200a又は
200bへ矢印Pで示すように排出させる切屑分別手段
49ー1〜49−Nとが具備されている。
【0021】なお、加工システムには更に、それぞれの
工作機械MT−1等の切屑圧縮機31−1等によって切
屑が切屑塊に圧縮、形成されるときに、同切屑中から搾
出、回収される加工液を加工液タンク18−1等へ返
還、回収可能にする加工液回収路44−1〜44−Nが
設けられている。
【0022】上述した加工システムに具備された複数台
の工作機械MT−1〜MT−N、それらの工作機械MT
−1等のそれぞれに設けられた切屑圧縮機31−1〜3
1−N、それぞれの切屑圧縮機31−1〜31−Nに設
けられた切屑分別手段49ー1〜49−Nに就いて、以
下に図2および図3を参照して説明する。
【0023】先ず、図2を参照すると、加工システムに
設けられた上述の複数台の工作機械から代表的に工作機
械MT−1とそれに備えられた切屑回収手段19ー1、
切屑圧縮機31−1とが図示されている。
【0024】工作機械MT−1は、自動工具交換装置を
備えた数値制御(NC)工作機械として形成され、機体
11と、その機体11の側部に設けられた切屑圧縮機3
1−1とを具備している。機体11の基本的構成は、周
知の諸要素を有した構成を備え、すなわち、コラム12
の前面側にキャビネット状のスプラッシュガード13で
包囲された機械加工部、つまり、主軸頭、主軸、テーブ
ル等が格納、具備されている。また、スプラッシュガー
ド13の前方にはパレットチェンジャによるパレット交
換を可能にするパレット受承部PA−1が設けられ、ス
プラッシュガード13の内部のテーブル上に装着される
パレット15を交換可能に保持し、同パレット15上に
は被加工ワーク(図示なし)が装着されて加工待機す
る。
【0025】コラム12の側面には、工作機械MT−1
のNC装置NC−1及び機械制御装置MTC−1並びに
電源等の電気装置等の諸装置を格納した制御筐体16が
備えられ、又、この制御筐体16とは反対側の機械加工
部の側面には、該機械加工部の主軸との間で自動工具交
換を遂行する自動工具交換装置(図示に現れない)がガ
ード筐体17に格納されて設けられている。
【0026】また、機体11の前方の下方部位にはタン
ク構造を有した加工液タンク18−1が設けられてお
り、この加工液タンク18−1からスプラッシュガード
13内部の機械加工部に配管路(図示に現れない)を介
して加工液の供給が行われ、かつ、機械加工部へ噴出さ
れた加工液の大半部分の回収が行われる構成を有してい
る。
【0027】上述した機体11の機械加工部において
は、パレット15上に装着された被加工ワークに対して
既述した統括制御コンピュータHC(図1参照)から統
括的に指令制御される機械制御装置MTC−1およびN
C制御装置NC−1の制御に従って工具交換や加工開始
タイミングの制御動作、テーブルの送り動作等の諸工程
が遂行され、かつ、この間に主軸に装着された切削工具
による機械加工が遂行される。このときに、上記の加工
液タンク18−1からは加工液が供給され、被加工ワー
クの加工部位と切削工具に向けて噴出され、それらの冷
却を行うと共に切削加工により被加工ワークから発生し
た切粉状や絡み屑状の切屑をテーブル面等から洗い流し
により排除を行うようになっている。
【0028】スプラッシュガード13内部の機械加工部
から加工液と共に排除された切屑は機体11の下部の加
工液タンク18−1へ受承、収集され、既述した周知の
機体11の側部に設けられたリフトアップコンベア19
−1における第1リフトアップコンベア19aの下端か
ら機体前方の上方位置へ一旦上昇、搬送され、次いで、
機体11の背部へ向けて延設された第2リフトアップコ
ンベア19bの一端に設けられた投入口20に落下する
ことにより、向きを転じ、同第2リフトアップコンベア
19bで切屑圧縮機31−1の切屑受け、つまり、切屑
ホッパ32の上部入口部位に搬送、回収されて同切屑ホ
ッパ32内に落下する。なお、この切屑ホッパ32の上
部入口に搬送、回収される切屑は、リフトアップコンベ
ア19a、19bで水切りされたとは言え未だ、加工液
を付着または包含した状態にある。
【0029】上記の切屑圧縮機31−1は上記切屑ホッ
パ32を切屑受容部として具備すると共に、機台33上
に横設されたシリンダ装置35と切屑圧縮部34を有し
ている。切屑圧縮部34においては、流体圧作動のシリ
ンダ装置35のピストン桿の先端に圧縮ラムがホッパ3
2の下に設けられた圧縮室内で直線摺動自在に設けら
れ、切屑ホッパ32から落下した切屑が圧縮室内に堆積
し、所定量となったことが例えば、レベラー等の適宜の
切屑量検知手段38aで検知されると、ピストン桿の作
用で圧縮ラムが前進し、同圧縮ラムと対向配置に設けら
れた受圧板40の受圧面との間で切屑を圧縮してブロッ
ク形状の切屑塊(図2に39で図示したもの)を形成す
る構成となっている。ここで、受圧板40は、別の流体
圧作動型のシリンダ装置41の作動により切屑圧縮部3
4内に臨む図示の位置と上方に後退した位置との間で可
動に形成され、後退位置に上動したとき、切屑圧縮部3
4の右端が開口して、同開口端から圧縮された切屑塊3
9が圧縮ラムに押されて排出される構成となっている。
しかも、切屑圧縮部34の底面には切屑の圧縮によって
同切屑に付着または包含された残存加工液の搾出時に、
同加工液の通過用となる適数個の液孔が設けられ、この
液孔を通過した加工液が、ロート状の加工液受け(図示
せず)で回収され、適宜の配管44−1を介して機体1
1の加工液タンク18−1(図2)へ送出、返還させる
構成となっているため、加工液の回収率を向上させ得る
ように成っている。
【0030】なお、上述した切屑量検知手段38aによ
る切屑量の検知信号は、機体11の機械制御装置MTC
−1へ送出され、また、流体作動型の圧縮動作用のシリ
ンダ装置35及び受圧板40を上下動させる41の作動
タイミングは機械制御装置MTC−1によって制御され
る構成となっている。図3を参照すると、上述した切屑
圧縮機31−1によって圧縮、形成された切屑塊39
を、被加工ワークの材質種別に応じて分別し排出せしめ
る切屑分別手段49の構成が示されている。
【0031】上記の切屑分別手段49は、切屑圧縮機3
1−1の排出口の後段に既述した切屑塊搬送手段200
のコンベア面に臨んで設けられ、被加工ワークの材質種
別が例えば、アルミニウム材料から鋼材料に変更された
とき、その材質種別の変更に応じて上記切屑塊搬送手段
200上の異なる受承面200a又は200bへ振り分
けて切屑塊39を排出し、従って、異なる切屑塊回収器
202a又は202b(図1参照)へ回収し得るように
構成されているものである。
【0032】すなわち、切屑圧縮機31−1の切屑圧縮
部34の端部開口から排出される切屑塊39は、シュー
ト45によって受承され、このとき、シュート45は、
仕切り板46の支軸46aを中心とした矢印Tで示す振
り分け枢動作用に応じて第1の出口シュート45aと第
2の出口シュート45bとに分別して切屑塊39を排出
可能に構成されているものである。このような切屑塊3
9の分別を可能にした構成とすることにより、切屑塊3
9の材質種別に応じて第1または第2の出口シュート4
5a又は45bに振り分け排出することが可能となり、
従って、材質種別が異なる切屑塊39を分別して切屑塊
回収器202a又は202bに回収することが可能とな
る。なお、上述した仕切り板46の振り分け枢動作用
は、例えば流体作動シリンダ等の適宜のアクチュエータ
手段により起動される構成を有し、このアクチュエータ
手段は、後述のように、工作機械の機体11側の機械制
御装置MTC−1からの指令に応じて作動可能に設けら
れ、従って、機械制御装置MTC−1が被加工ワークの
材質種別に応じてアクチュエータ手段を作動させ、仕切
り板46の枢動を起動して、切屑塊39の排出方向を制
御するようになっている。また、上述した仕切り板4
6、第1、第2の出口シュート45a,45bを備えた
シュート45、振り分け枢動用のアクチュエータ手段に
より本切屑分別手段49が構成されているものと理解す
ることができる。
【0033】次に、図4〜図6を参照して本発明に係る
切屑処理装置を備えた加工システムにおいて実行される
切屑処理の制御作用を説明する。なお、本加工システム
は複数台の工作機械MT−1〜MT−Nを備え、それぞ
れの工作機械に切屑圧縮機31−1〜31−N及び切屑
分別手段49−1〜49−Nが設けられ、統括制御手段
を形成する統括コンピュータHCによって各工作機械毎
に切屑処理制御が遂行されているので、以下において
は、代表的に工作機械MT−1と、それに設けられた切
屑圧縮機31−1、切屑分別手段49−1とに就いて説
明する。
【0034】さて、図4を参照すると、本発明の実施例
に係る切屑処理装置を備えた加工システムにおける切屑
処理を遂行するための制御システムが図示されており、
同制御システムは、統括コンピュータHCを統括制御手
段として構成され、それぞれの工作機械MT−1〜MT
−Nの各機体11側における自動工具交換、パレット交
換等を伴った機械加工動作を制御する既述の機械制御装
置MTC−1〜MTC−NおよびNC装置NC−1〜N
C−Nを切屑処理の制御手段に併用して構成されてお
り、従って、統括コンピュータHCから各機械制御装置
MTC−1等を介してNC装置NC−1等へ供給される
NCプログラムのNC入力データに従って各工作機械M
T−1等の機体11が機械加工作用を行い、その間に本
発明に係る切屑処理装置による切屑処理の制御が逐次、
遂行される。
【0035】さて、工作機械MT−1に注目すると、図
4に明示するように、この制御システムは、信号ライン
を介して切屑圧縮機31−1および切屑分別手段49−
1と機械制御装置MTC−1とを接続した構成を有して
いる。この制御システムにおいて、NC装置NC−1が
機械制御装置MTC−1を介して統括コンピュータHC
からNCプログラム番号毎にNC入力データが供給さ
れ、同NC装置NC−1から工作機械MT−1の機体1
1の各送り軸系には軸送り指令が供給される。
【0036】他方、機械制御装置MTC−1は、NCプ
ログラムのNCデータに従って工作機械MT−1の機体
11の機械加工部に対して加工開始指令を送出し、ま
た、信号ラインを介して切屑量検知手段38aから切屑
量信号を受信し、要時に切屑圧縮機31−1の圧縮作用
の起動指令を送出し、また、必要に応じて切屑塊の分別
指令を切屑分別手段49−1へ送出する構成となってい
る。
【0037】なお、機械制御装置MTC−1は切屑処理
の制御作用における判断作用を行う場合には、統括コン
ピュータHCと交信し、同統括コンピュータHCが有す
る演算部CPUにおいて判断作用を遂行して判断結果を
受信し、また、工作機械MT−1による被加工ワークの
機械加工において、NCプログラム番号毎の被加工ワー
クの材質種別(例えば、鋼材、アルミニウム材、鋳物材
等の分類別)が何であるかを予め各工作機械毎に図5に
示すように対照テーブルにして記憶するメモリが統括コ
ンピュータHCに内蔵、具備され、このメモリ内の対照
テーブルを参照して被加工ワークの材質種別の判断を行
うようになっている。
【0038】次に、図4の切屑処理の制御システムによ
り遂行される切屑処理作用を図4、図5と共に図6のフ
ローチャートを参照して工作機械MT−1に関して代表
的に説明する。
【0039】先ず、加工システム中の工作機械MT−1
による機械加工に当たり、統括コンピュータHCから供
給されるNCプログラムを機械制御装置MTC−1を介
してNC装置NC−1により読み込みが行われる。この
とき、更に統括コンピュータHCからNCプログラム番
号が機械制御装置MTC−1に読み込まれている(ステ
ップ1)。
【0040】この結果、機械制御装置MTC−1は、各
NCプログラム番号に対応したNC加工を遂行する開始
前段の時点で、機体11における機械加工部のテーブル
にパレット15を介して装着された被加工ワークの材質
種別を統括コンピュータHCのメモリに記憶された前記
の対照テーブルから識別、認識することが可能となる
(ステップ2)。従って、認識したワーク材質種別が前
回の被加工ワークの材質種別と同一であるか否かの判別
が交信回路を介して統括コンピュータHCのCPUによ
って行われる(ステップ3)。
【0041】なお、工作機械MT−1が初めて被加工ワ
ークの機械加工を遂行するとき、つまり、前回の機械加
工データがないときには、前回の被加工ワークの材質種
別は不明であるが、そのような場合には、例えば、初め
ての被加工ワークの材質種別は、仮に、アルミニウム材
であると予め設定しておけば、前回被加工ワークとの材
質種別の識別遂行が可能となる。
【0042】更に、工作機械MT−1が常に一定の材質
の被加工ワークの加工を遂行する場合には、上述した材
質識別の作用ステップ(3)の結果は常に、同一材質で
あるからこのステップ(3)を省略し、直接、後段の加
工開始ステップ(6)へ進行することも可能である。
【0043】被加工ワークの材質種別が同一であること
(YES)が上記ステップ(3)で識別されると、工作
機械MT−1の機体11の機械加工部において、加工開
始指令に従って被加工ワークの機械加工が開始される
(ステップ6)。機械加工の開始に伴い、機械加工部で
は加工液の噴出による洗い流しを利用して同機械加工部
から切屑の排除が行われ、排除された切屑と加工液との
収集が機体11の内部で遂行され、大半の加工液が分離
された切屑がリフトアップコンベア19−1の第1、第
2のリフトアップコンベア19a、19bを介して切屑
圧縮機31−1のホッパ32の上端入口に回収される
(ステップ7)。この場合に回収された切屑には依然と
して加工液が付着ないし包含されている。
【0044】回収された切屑は、そのままホッパ32を
介して圧縮室内に落下、堆積する。従って、この切屑の
圧縮室内における堆積量が所定量に成ったことが切屑量
検知手段38aにより検知(切屑量信号ONの送出)さ
れると(ステップ8)、機械制御装置MTC−1から切
屑圧縮機31−1へ起動指令が送出され、圧縮室内の切
屑が圧縮ラムの前進、圧縮動作により切屑塊39に圧
縮、形成される。切屑塊39の圧縮、形成と同時に、そ
れに伴って搾出された加工液が配管44−1を介して加
工液タンク18−1へ送出、帰還されて回収される(ス
テップ9)。
【0045】その後、切屑圧縮機31−1においては、
切屑塊39の圧縮、形成後に一旦、圧縮ラムが後退し、
受圧板40もシリンダ装置41の作動で上動する動作工
程が所定順序で自動遂行されるから、切屑圧縮部34の
端部開口が開となる。従って、このとき、シリンダ装置
35のピストン桿の作動により圧縮ラムが再び前進作動
され、圧縮室内に保持されていた切屑塊39が押動さ
れ、端部開口からコンパクトな切屑塊39となって排出
される(ステップ10)。この切屑塊39の排出動作
は、例えば、切屑圧縮部34の端部開口に検出スイッチ
等の適宜の検出手段を設け、切屑塊39が同検出スイッ
チに接触することにより、容易に検出することが可能で
ある。
【0046】次いで、機械制御装置MTC−1は、切屑
塊39の排出が終了すると、工作機械MT−1の機体1
1側で未だ機械加工が続行されているか否かを判断する
判断作用が実行される(ステップ11)。すなわち、N
Cプログラムが終了したか否かを判断して、終了してい
た場合(YES)には、再びステップ(1)に戻って新
たなNCプログラム番号による機械加工に備え、上述と
同様な作用過程が遂行される。
【0047】他方、現在のNCプログラムが未だ終了し
ていない場合(NO)には、機械加工の進捗に応じて次
々と切屑の回収を行う必要があるので、上述したステッ
プ(7)に戻って、切屑回収ステップから再び、切屑塊
39の圧縮、形成と排出及び加工液の回収とを遂行す
る。
【0048】他方、上述したステップ(3)におけるワ
ーク材質種別の判別結果において、前回のNCプログラ
ム番号による機械加工と今回のNCプログラム番号によ
る機械加工との間で被加工ワークの材質種別が異なる場
合(NO)には、工作機械MT−1の機械加工部で継続
的に機械加工を続行し、切屑の収集、回収を行うと、切
屑に異質の材料が混在する結果となり、そのまま切屑圧
縮機31−1で切屑塊39を形成した場合には切屑塊中
に異質材料の切屑が混在する結果になる。このような異
質材料の混在した切屑塊39は、材料の再利用上から不
都合であるので、被加工ワークの材質種別が種々、異な
る場合には、機体11の機械加工部から排除される切屑
の収集時点で、一つの材質種から他の材質種へ機械加工
が切替られるとき、所定の時間ずれ(予め実験的に確認
した待機時間)を設け、切屑圧縮機31−1のホッパ3
2の上端入口へ一つの材質の切屑の搬送、回収が終了す
るまでは後続の材質の切屑の搬送、回収が遂行されない
ようにする。
【0049】このために、被加工ワークの材質の違いが
ステップ(3)で判別されたときは、先ず、切屑圧縮機
31−1の切屑分別手段49−1へ機械制御装置MTC
−1から分別指令を送出して切屑分別手段49−1の仕
切り板46(図3参照)を前回の出口シュート45aま
たは45bとは異なる、つまり、今回の切屑塊の回収に
合致した出口シュート側へ切り替える(ステップ4)。
【0050】また、今回のNCプログラム番号による被
加工ワークの機械加工作業の開始を上述のように所定時
間待機する(ステップ5)。こうして所定の時間が経過
後に今回の機械加工を開始し(ステップ6)、以後は、
そのNCプログラム番号の機械加工が終了するまで、ス
テップ(6)からステップ(11)までの既述した切屑
制御作用を繰り返し遂行するものである。この間には、
切屑圧縮機31−1により圧縮、形成された切屑塊39
は所定の出口シュート45aまたは45bから切屑塊搬
送手段200の所定の受承面200aまたは200bへ
排出され、所定の切屑塊回収器202a又は202bへ
分別、回収される。
【0051】他方、切屑圧縮時に搾出された加工液が切
屑圧縮機31−1の回収口から取り出され、配管44−
1を経て加工液タンク18−1に回収される。上述の説
明から明らかなように、本実施例に係る加工システムに
よれば、複数台の工作機械MT−1〜MT−Nを備え、
それぞれの工作機械が被加工ワークの機械加工に伴って
多量かつ、かさ高の切屑を発生した場合でも、それらの
切屑が各工作機械MT−1等を離れる時点には切屑圧縮
機31−1〜31−N等により圧縮されたコンパクトな
ブロック形状の切屑塊に形成され、所定の回収場所へ搬
送、回収されるから、切屑の収集、回収の処理を高能率
の下に遂行されることが理解できる。しかも、被加工ワ
ークの材質種別が変化したときは、先のワーク材質に係
る切屑塊の形成排出が終了してから、後続のワーク材質
に係る切屑塊の形成、排出が行われるから、この間にワ
ーク材質の相違に応じて切屑塊搬送手段200への排出
前段で分別処理を行うことが可能となる。そして、この
結果、切屑塊は材質別に異なる所定の回収場所へ回収で
き、従って、切屑塊を後段で再利用のために処理する場
合にも又は投棄処理する場合にも材質種別に応じて適当
に処理を行うことが可能となるのである。
【0052】更に、切屑塊の形成、回収による切屑処理
過程の間に、切屑中から搾出された加工液を回収してそ
れぞれの工作機械MT−1等の加工液タンク18−1へ
回収できるから、従来は切屑に付着したまま又は包含さ
れたまま廃棄された加工液も回収可能となり、加工液の
消耗を極力抑止することが可能となるのである。なお、
本実施例では、切屑圧縮機31−1が工作機械MT−1
の機体の側部に設けられた場合について説明したが、切
屑圧縮機が工作機械の機体内部に内蔵されているような
切屑処理装置付きの工作機械であっても良い。
【0053】また、上述した切屑圧縮機31−1等はシ
リンダ装置のヘッドが横動して切屑を切屑塊に圧縮する
横形シリンダ装置を備えた構成であるが、工作機械の周
辺に比較的大きなスペースを占有する結果となる。依っ
て、加工システムの規模が比較的小さな場合に、スペー
スの有効利用を図り得る一例として切屑圧縮機を立形構
造にした他の実施例を以下に説明する。
【0054】先ず、図7を参照しながら本実施例による
切屑処理装置を説明する。この工作機械は、数値制御工
作機械やマシンニングセンタ等の周知の自動工作機械か
ら成り、同工作機械の機体MTは、前面51側の上方域
に図には現れていない主軸等を有した機械加工部を備
え、また、横側面52には機械加工で発生する種々の金
属加工屑(以下、切屑と言う。)を加工液と共に機外に
排出する切屑排出ユニット53を有している。
【0055】また、上記横側面52の底部に隣接して加
工液タンク54が設けられ、この加工液タンク54に貯
留された加工液は、濾過された後、適宜の流体ポンプの
作動によって機体MTの周囲に配設された管路を介して
上記の機械加工部へ供給される。なお、上記の機械加工
部は、周知のごとく、ノズル等の加工液供給手段による
加工液の供給下で金属ワークを所定の数値制御プログラ
ムに従って機械加工する構成を有するものである。この
ときワークの機械加工に伴って発生する切屑は加工液の
流出によって機械加工部から排除され、従って、切屑と
加工液は一体混在状態で機体MTの下方部位に設けられ
た切屑受け(図示なし)に一旦受承される。
【0056】次いで、同切屑受けに設けられた送り刃等
を有した周知の切屑送り機構により上述した切屑排出ユ
ニット53へ送出され、同切屑排出ユニット53を経て
加工液と混在状態で機外に排除される構成を有してい
る。なお、機械加工時にクーラント用途及び切屑排除用
途に多量に消費される加工液は、切屑と分離、回収して
再利用を図ることが必要とされる。さて、本実施例によ
れば、機体MTの側部の加工液タンク54に近接した最
適領域に切屑処理装置60が設けられ、工作機械の機体
MT側から上記切屑排出ユニット53を介して排出され
る切屑および加工液が以下に説明するように処理される
ようになっている。
【0057】すなわち、上記切屑排出ユニット53から
機外へ排出された切屑、加工液は、先ず、同ユニット5
3の直下の定位置に開口、設置された切屑処理装置60
の定置ホッパ62へ放出され、この定置ホッパ62の底
部開口から加工液タンク54の内部に組み込まれて設け
られ、切屑処理部66の切屑受承ホッパ68に向けて延
設されるリフトアップコンベア64により形成された切
屑搬送手段の搬送面へ移送される。ここで、リフトアッ
プコンベア64の搬送面は、加工液のろ過、分離用に網
目状に形成されているので、切屑に付着、混在した加工
液の大半は、このリフトアップコンベア64による搬送
過程で切屑から分離され、加工液タンク54内に滴下、
回収される。
【0058】他方、加工液の大半が分離された切屑は、
未だ、残余の加工液を含んだまま、リフトアップコンベ
ア64で上昇搬路に沿って搬送され、同リフトアップコ
ンベア64の出口64aから切屑処理部66の上記切屑
受承ホッパ68内に搬送される。そして更に、そこから
後述のように、同切屑処理部66に設けられた切屑の後
述圧縮室内で油圧作動の立形ラム82を備えた切屑圧縮
シリンダ80によって圧縮され、回収、廃棄処理が容易
な一定塊状の切屑塊に形成されて廃棄処理されるのであ
る。
【0059】さて、切屑処理部66においては、切屑受
承ホッパ68に受承された加工液を未だ含んだ切屑は、
同ホッパ68の下底部に設けられた螺旋送り刃71を有
した切屑押込機構70により立形ラム82を備えた切屑
圧縮シリンダ80の下部に配設された立形の圧縮室81
内に移入される。この圧縮室81内の切屑は、次いで、
上記切屑圧縮シリンダ80の立形ラム82が上昇位置か
ら圧縮室81の室底に向けて下動することにより切屑を
圧縮し、切屑塊に形成する。
【0060】なお、上記切屑圧縮室41の受圧面は、横
型シリンダ90の直動ピストン桿の先端に設けられて
前、後進する後述の押圧子(図7に現れない)の一側面
から形成され、切屑の圧縮が終わると立形ラム82が一
旦上昇、後退すると同時に横型シリンダ90の上記押圧
子も圧縮室81の室底部領域から一旦後退する。次い
で、切屑塊は、再度立形ラム82の下動で圧縮室81の
室底部に落下する。すなわち、圧縮された切屑塊は、横
型シリンダ90の後退に伴って自由落下的に圧縮室81
の室底部に落下可能となるが、圧縮作用力を受けたとき
に、圧縮室81の側壁面に付着状態で停止していても、
再度の立形ラム82の下動で下方へ押下されるので、圧
縮室81の室底部に確実に落下するのである。
【0061】なお、切屑圧縮時には、切屑中に含まれて
いた加工液が搾出され、下方部へ流下して、後述のよう
に、受け樋84を経て加工液タンク54の受口54a
(金網等の適宜ろ過器が設けられ、タンク内への切屑、
切粉の侵入が防止されている)から同タンク54内に還
流、回収されるようになっている。
【0062】圧縮室81の室底部に落下した切屑塊は、
再び、横型シリンダ90の押圧子の前進によって圧縮室
81の室底領域に横孔状に開口された切屑塊取出し口8
3から押出し状態で外部へ排出される。このとき、切屑
塊取出し口83には後述する切屑分別装置85が接続さ
れており、この切屑分別装置85の分別板86が切屑の
材質種別に応じて排出された切屑塊39aを分別し、シ
ュート状の排出路87a又は87bに振り分け排出す
る。この排出路87a又は87bを経て排出される切屑
塊39aは、それぞれ、同一材質毎の切屑に指定された
それぞれの切屑バケットに送出、廃棄されるか、或いは
図示のごとく、切屑塊搬送コンベア200の分別された
搬送路面上に排出され、搬送される。
【0063】なお、切屑分別装置85の分別板86は、
図示例では2つ設けられ、所望に応じて増数も可能な排
出路87aまたは87bの始点部に枢着され、分別作動
シリンダ88の制御、駆動に応じて切屑塊を所定の排出
路87aまたは87bへ振り分け制御するように設けら
れたものであり、分別作動シリンダ88は、切屑処理部
66の側面に設けられた切屑処理制御盤95によって作
動を制御される構成を有している。勿論、この切屑処理
制御盤95は、切屑塊の分別制御の外に、既述した切屑
押込機構70の螺旋送り刃71の作動、立形ラム82を
有した切屑圧縮シリンダ80の作動等の切屑処理の諸作
用を制御するように設けられ、工作機械側の後述する機
械制御装置(MTC装置)と接続されて機械加工作用と
関連して切屑処理と加工液回収とを制御すべく設けられ
ている。
【0064】このように、本実施例に係る切屑処理装置
の特徴は、図7に示す全体構成から明らかなように、工
作機械の機体MTの直近に立形ラムを有して機体周囲の
床面の上方領域を有効利用した切屑処理部66を備えた
切屑処理装置60を設けたものであり、工作機械は、素
材ワークを投入することにより、製品を造り出すと同時
に、切屑を回収容易な切屑塊として機外に排出する切屑
処理能力を持ったものである。なお、切屑圧縮手段とし
ての切屑圧縮シリンダ80の下方領域には、油圧タンク
91からの圧油を切屑圧縮シリンダ80や横型シリンダ
90へ供給する油圧ポンプ(図示に現れない)を適宜に
作動するための油圧ポンプモータ92が設けられてい
る。
【0065】ここで図8を参照すると、同図は、上述し
た切屑処理装置60の切屑処理部66における構造を詳
示した断面図である。同図8において、切屑受承ホッパ
68の側部にはブラケット69が固設され、このブラケ
ット69には切屑量検出装置75が設けられている。こ
の切屑量検出装置75は、ブラケット69の上部位置に
一端76aが枢着された検出レバー76が設けられ、こ
の検出レバー76は、上記切屑受承ホッパ68内に延在
し、ホッパ68の下壁に設けられたストッパ77との当
接位置を下端位置にして上方へ矢印Pで示すように揺動
可能に設けられ、この検出レバー76の揺動は、ブラケ
ット69に回転可能に取着された回転カム78の回動に
応じて生起され、同検出レバー76がホッパ68内を上
方へ揺動したとき、同ホッパ68内に投入された切屑が
該検出レバー76の下部に回り込むと、該レバー76が
破線図示のように切屑上に停止し、このとき、該検出レ
バー76の一端76aに設けられたドグ78aがブラケ
ット69に予め設けられた検出スイッチ78bと係合ま
たは係合解離することにより、切屑受承ホッパ68の内
部にレバー上昇位置によって決定される所定の溜り量の
切屑が投入、堆積されていることを検出し、その検出を
電気検出信号として該検出スイッチ78bから切屑処理
制御盤95(図7参照)へ送出するように成っている。
【0066】そして、上述した切屑量検出装置75によ
って切屑受承ホッパ68内に切屑が投入、堆積されてい
るときには、切屑押込機構70の螺旋送り刃71の回転
軸72が回動される。この結果、切屑受承ホッパ68か
ら切屑圧縮シリンダ80の立形切屑圧縮室81内に向け
て切屑の押込が促進され、同切屑圧縮室81を充填す
る。なお、上記切屑量検出装置75の回転カム78と切
屑押込機構70の螺旋送り刃71の回転軸72は同一の
回転駆動源から歯車箱97内に設けられた歯車機構(図
示略)によって2系統に分離、伝動され、一方の駆動系
がベルト・プーリ機構79を介して回転カム78を回転
駆動し、他方の駆動系が切屑押込機構70の回転軸72
を回転駆動する構成を有している。従って、切屑受承ホ
ッパ68内部に所定溜り量の切屑が無いときは、切屑量
検出信号の無に応動して切屑圧縮シリンダ80への切屑
の押込も停止すべく、駆動源を停止させることもでき
る。
【0067】他方、切屑圧縮シリンダ80は、内部に上
下動可能に設けられた切屑圧縮用の立形ラム82を具備
し、切屑受承ホッパ68から投入口81aを経由して投
入される加工液を含んだ切屑は、切屑圧縮室81内へ送
入される。このとき、横型シリンダ90のピストン桿9
3の先端に設けられた押圧子94は図示のように、切屑
圧縮室81の下底部位置に前進されており、同押圧子9
4の上向き面が切屑の受け面94aを成している。切屑
が圧縮室81内を充満した時点で立形ラム82が上方か
ら下動され、その先端と上記押圧子94の受け面94a
との間で切屑を圧縮して一定塊状の切屑塊39aに形成
する。
【0068】このとき、立形ラム82の上下方向の位置
は、同圧縮シリンダ80の側面に最上方から最下位々置
に分散して設けられた位置検出スイッチLS1,LS
2,LS3のそれぞれと立形ラム82に取着されたドグ
82aとの係合、解離に応じて検出可能に構成されてお
り、図示例では、位置検出スイッチLS1がドグ82a
と係合(オン)する位置は、立形ラム82が上方位置へ
後退している圧縮開始位置を検出し、検出スイッチLS
2がドグ82aと係合(オン)し、他のスイッチLS
1,LS3が解離状態(オフ)にあるときは、立形ラム
82が下動または上動の途中位置で停止していることを
検出している。また、検出スイッチLS3に立形ラム8
2のドグ82aが係合(オン)し、他のスイッチLS
1,LS2が解離状態(オフ)にあるときは、立形ラム
82が圧縮作用のために最下位位置まで下動しているこ
とを検出している。そして、これらの位置検出スイッチ
LS1〜LS3の位置検出信号は、何れも切屑処理制御
盤95へ送信されており、同信号に従って立形ラム82
の作動のタイミングを同制御盤95が制御可能になって
いる。
【0069】ここで、切屑圧縮シリンダ80の立形ラム
82の位置と横型シリンダ90の押圧子94の作動態様
とを位置検出スイッチLS1〜LS3による検出信号に
対応させて以下に簡単に説明する。すなわち、スイッチ
LS1がオン、スイッチLS2,LS3がオフのときに
は立形ラム82が圧縮開始位置へ後退しているから、横
型シリンダ90の押圧子94は圧縮室81内へ前進して
切屑の受承面94aを形成している。スイッチLS2が
オン、LS1,LS3がオフのときは、立形ラム82は
圧縮開始位置から途中まで下動し、圧縮開始直前で待機
している状態にある。このとき横型シリンダ90の押圧
子94は前進位置にある。スイッチLS3がオン、スイ
ッチLS1,LS2がオフの状態では立形ラム82が圧
縮動作して最下位へ下動しており、横型シリンダ90の
押圧子94の受け面94aとの間で切屑圧縮を行った状
態を検出している。故に、横型シリンダ90の押圧子9
4は依然として前進位置にある。
【0070】その後、再びスイッチLS2がオン、他の
スイッチLS1,LS3がオフの状態では、立形ラム8
2が圧縮位置から上方へ僅かに後退しており、故に、横
型シリンダ90は押圧子94を後退させて、圧縮された
切屑塊を次の前進により押圧して排出させる作用のため
に待機することが可能となっている。次いで、スイッチ
LS1がオン、他のスイッチLS2,LS3がオフの状
態では立形ラム82が最上方位置へ後退しており、横型
シリンダ90の押圧子94も後退している。故に、この
状態から立形ラム82を下動させることにより、圧縮室
81の下方部位の側壁に圧縮された切屑塊39aが付着
しているときは、同切屑塊を圧縮室81の室底部位置へ
落下させることができる。
【0071】次に、再び、スイッチLS2またはLS1
がオン、スイッチLS3がオフ状態と成ったときに、横
型シリンダ90の押圧子94を後退位置から前進させれ
ば、圧縮室81の室底部位置に落下した切屑塊39aを
押圧して切屑塊取出し口83から押圧、排出させること
が可能となる。上述のように、切屑圧縮シリンダ80の
立形ラム82の位置検出を行って、その検出信号に応じ
て同立形ラムの上下作用と横型シリンダの押圧子94の
前、後進作用とを組合せ制御し、切屑を圧縮して切屑塊
に形成し、これを押圧して圧縮室81から排出させるこ
とができるのである。なお、所要に応じて、横型シリン
ダ90の押圧子94の前進、後進位置を検出するスイッ
チ手段を設けて、それらの位置検出信号をも取り入れて
両シリンダ80、90の作動タイミングを制御するよう
に構成しても良い。
【0072】なお、図8には、切屑処理部66の切屑塊
取出し口83から横型シリンダ90の押圧子94で押圧
されて排出される切屑塊39aのみを示し、分別用の排
出路87aまたは87bおよび切屑塊搬送コンベア20
0の図示を省略してある。さて、図9を参照すると、上
述実施例に係る切屑処理装置を備えた工作機械MTにお
ける切屑処理を遂行する制御システムが図示されてお
り、同制御システムは、工作機械MTの機体側における
自動工具交換、パレット交換等を伴った機械加工動作を
制御する周知のNC制御装置56a、MTC装置56b
を切屑処理制御盤に接続、協働するように構成されてお
り、従って、NCプログラムNCPからのNC入力デー
タに従って工作機械の機体MTが機械加工作用を行う間
に切屑処理装置60による切屑処理の制御が逐次、遂行
される。
【0073】即ち、同制御システムは、信号ラインを介
して切屑圧縮装置60の切屑処理部66に装備された切
屑処理制御盤95と上記MTC装置56bとが接続さ
れ、切屑圧縮装置60の切屑処理部66と同処理部66
に付設された切屑分別装置85が信号ラインを介して切
屑処理制御盤95を介してMTC装置56bに接続した
構成を有している。この制御システムにおいて、NC装
置56aからMTC装置56bにはNCプログラム番号
毎にNC入力データが供給され、又、NC装置56aか
ら工作機械MTの機体の各送り軸系には軸送り指令が供
給される。他方、MTC装置56bは、NCプログラム
NCPのNCデータに従って機体の機械加工部に対して
加工開始指令を送出し、また、切屑処理制御盤95を介
して切屑量検知装置75の検知信号を受信し、要時に切
屑圧縮装置60の切屑処理部66における切屑圧縮作用
の起動指令を送出し、また、必要に応じて切屑分別指令
を切屑処理制御盤95を介して切屑分別装置85へ送出
する構成となっている。
【0074】なお、MTC装置56bには切屑処理の制
御作用における判断作用を行う演算部CPUと、工作機
械MTの機体による被加工ワークの機械加工において、
NCプログラム番号毎の加工対象の被加工ワークの材質
種別(例えば、鋼材、アルミニウム材、鋳物材等の分類
別)が何であるかを予め例えば、対照テーブルにして記
憶するメモリが内蔵、具備され、この記憶された対照テ
ーブルに従って工作機械MTから排出される切屑の材質
種別を識別、認識して切屑塊39aの圧縮、形成後にお
ける排出に際して、それぞれ材質種別に従って搬送コン
ベア20の所定の搬送面へ排出されるように切屑分別装
置85を制御できるのである。
【0075】上述した本実施例の切屑圧縮装置60を具
備した工作機械MTを図1に示した加工システムの各工
作機械MT−1〜MT−Nに置換配置すれば、同図1に
示した加工システムと同様に、切屑塊を圧縮、形成して
処理可能な加工システムを構成し得ることは言うまでも
ない。図10は、本発明に係る切屑処理装置を備えた加
工システムの更に他の実施例を示したブロック図であ
る。なお、同実施例において、既述の図1の実施例と同
一又は同様な装置や要素については同一の参照番号で示
してある。
【0076】図10から明らかなように、本実施例の加
工システムも複数台の工作機械MT−1〜MT−Nを具
備し、それぞれの工作機械MT−1等は、統括コンピュ
ータHCに接続した機械制御装置MTC−1〜MTC−
NおよびNC装置NC−1〜NC−Nを備えて工具交
換、パレット交換、機械加工等の諸運転動作が統括コン
ピュータHCの指令に基づいて制御される構成を有して
いる。従って、工作機械MT−1〜MT−Nの前方に沿
って搬送車102の搬送路100が設けられ、その搬送
路100に沿って複数のパレットストッカ103が配設
されている。
【0077】他方、工作機械MT−1〜MT−Nの背面
側には、それぞれの工作機械からリフトアップコンベア
19−1〜19−Nにより排出される加工液が付着また
は包含されたままの切粉または絡み屑状をした切屑(矢
印C)を全て集中的に受承して搬送するコンベア式の切
屑搬送手段300が集中切屑回収装置として設けられて
いる。この切屑搬送手段300は、コンベア駆動装置等
から成る駆動装置301により駆動される構成を有し、
同駆動装置301は統括コンピュータHCに接続されて
制御される構成を有している。
【0078】この切屑搬送手段300の一端(図示の右
端)の切屑出口302に接近して1台の切屑圧縮機31
が設けられ、切屑搬送手段300によってそれぞれの工
作機械MT−1等から排出された切屑が集中的に上記切
屑出口302へ搬送、収集されると、その切屑を受承し
て所定のブロック形状をした圧縮切屑塊に形成するよう
に構成されている。この切屑圧縮機31の構成は、実質
的に前述の切屑圧縮機31−1等と同一であり、圧縮室
内に受承、搬入された切屑を流体作動シリンダ装置35
の作動で圧縮作動する圧縮ラムで受圧板40との間で切
屑塊に圧縮する構成を有している。そして、圧縮、形成
された切屑塊は、図10に矢印Eで示すように、排出口
から切屑塊搬送車または切屑塊受容器等の適宜の切屑塊
受け304へ排出され、この切屑塊受け304内に排出
された切屑塊が所定量になると統括コンピュータHCの
制御で搬送車へ搬送指令が付与されたり、或いはランプ
の点灯等による報知が行われるようになっている。
【0079】他方、本加工システムにおいては、それぞ
れの工作機械MT−1〜MT−Nが具備する加工液タン
ク18−1〜18−Nには、加工システム内の適所に設
けられた集中加工液供給装置400から加工液が管路4
01、401−1〜401−Nの往路を介して供給され
る構成を有し、また、各工作機械MT−1等で使用され
た加工液の大半は回収されて上記集中加工液供給装置4
00の加工液槽(図示略)へ同じく管路401、401
−1〜401−Nの帰還路を介して返還、回収される構
成を有している。そして、上記の集中加工液供給装置4
00による加工液の供給タイミング等は統括コンピュー
タHCにより、統括制御されている。
【0080】このような集中的な加工液供給、回収系を
有した集中加工液供給装置400は、上述した切屑圧縮
機31において切屑の圧縮時に切屑中から搾出される加
工液を回収する回収路402とも接続され、切屑圧縮機
31の回収口から同回収路402を経由して加工液が回
収されるので、切屑に付着または包含されたまま従来は
廃棄されていた加工液をも回収して再利用を図ることが
可能となっている。
【0081】以上の説明から明らかなように、本実施例
に係る加工システムは、複数台の工作機械MT−1〜M
T−Nから排出される多量の切屑を集中的に所定の場所
に搬送、収集し、その所定場所に設けた切屑圧縮機で切
屑塊に圧縮、形成するようにしたものである。なお、切
屑圧縮機は、実施例の1台に代えて必要に応じて数台を
連設するように構成することも可能である。そして、本
実施例においても、切屑の切屑塊化により切屑処理効率
を向上させ、かつ、加工液の回収を図って工作機械にお
ける加工液の消耗を抑止することができるのである。な
お、本実施例の切屑圧縮機31も所要に応じて図7〜図
9に示した立形の切屑処理装置60と同様な立形の切屑
圧縮シリンダ80を有した構成にすることが可能なこと
は言うまでもない。
【0082】
【発明の効果】以上の実施例に基づく説明から明らかな
ように、本発明によれば、複数台の工作機械が設けら
れ、従ってそれらの工作機械が一斉に機械加工を遂行す
るときには大量、かつ、かさ高な切屑が発生する加工シ
ステムにおいて、切屑をブロック形状の切屑塊に切屑圧
縮機を用いて圧縮、形成し、そのようなコンパクトな切
屑塊状態で切屑の自動処理を行い得るようにしたから、
切屑処理の高能率化を達成すると同時に切屑処理への作
業者の人的作業の介入を十分に低減させ、延いては、加
工システムの自動運転における省力効果を一段と向上さ
せることが可能と成ったのである。そして、切屑塊にし
て切屑処理を行う過程で、被加工ワークの材質種別に応
じて切屑塊形成時に常に同質材料化を図り、形成した切
屑塊を切屑塊分別手段で分別した上、搬送し、回収する
ので、切屑を資源として再利用を図る場合にも材質分別
を後段で行う煩瑣が回避でき、効率的な切屑の再利用を
達成することも可能となるのである。
【0083】更に、本発明によれば、切屑の収集、回収
を行って更に切屑塊を切屑圧縮機で圧縮、形成する過程
で、切屑に付着または包含されていた加工液を搾出、回
収できるから、従来は切屑に付着したまま廃棄されてい
た加工液分の回収も可能になり、従って、加工システム
の各工作機械の加工液供給装置における加工液の消耗量
を極力、抑止することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による切屑処理装置を備えた
加工システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】同加工システムに設けられる工作機械の構成と
各工作機械に備えられる切屑圧縮装置の構成を示す斜視
図である。
【図3】切屑塊を被加工ワークの材料種別に応じて分別
するための切屑分別手段の構成の一例を示した斜視図で
ある。
【図4】図1に示した加工システムにおいて実行される
切屑処理の制御システムのブロック図である。
【図5】同制御システムにおける統括制御用コンピュー
タの記憶手段にテーブルとして記憶されるNCプログラ
ム番号と被加工ワークの材質種別との関係を示した説明
図である。
【図6】図4の切屑処理制御システムが実行する切屑処
理過程を説明するフローチャートである。
【図7】工作機械に具備される切屑処理装置の他の実施
例の全体構成を一部を省略して示した斜視図である。
【図8】同切屑処理装置の要部の構成を一部断面して示
す側面図である。
【図9】同切屑処理装置を用いて工作機械から排出され
る切屑の切屑処理を遂行する制御システムの構成を示す
ブロック図である。
【図10】本発明の更に他の実施例による切屑処理装置
を備えた加工システムの全体構成を示したブロック図で
ある。
【符号の説明】
MT…工作機械 MT−1〜MT−N…工作機械 MTC−1〜MTC−N…機械制御装置 NC−1〜NC−N…数値制御装置 HC…統括コンピュータ 18−1〜18−N…加工液タンク 19−1〜19−N…切屑回収手段 19a…第1リフトアップコンベア 19b…第2リフトアップコンベア 31…切屑圧縮機 31−1〜31−N…切屑圧縮機 39…切屑塊 39a…切屑塊 44−1〜44−N…加工液回収路 49−1〜49−N…切屑分別手段 53…切屑排出ユニット 60…切屑処理装置 64…リフトアップコンベア 66…切屑処理部 80…切屑圧縮シリンダ 81…立形の切屑圧縮室 82…立形ラム 83…切屑塊取出し口 85…切屑分別装置 87a…切屑排出路 87b…切屑排出路 90…横型シリンダ 94…押圧子 95…切屑処理制御盤 100…搬送路 102…搬送車 103…パレットストッカ 200…切屑塊搬送装置 202a、202b…切屑塊回収手段 300…切屑搬送手段 304…切屑塊受け 400…集中加工液供給装置 401…管路 402…加工液回収路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数台の工作機械と、該複数台の工作機
    械のそれぞれに被加工ワークを搬送、供給すると共に加
    工済みワークを該それぞれの工作機械から受け取り、回
    収するワーク搬送手段と、前記複数台の工作機械の運転
    と前記ワーク搬送手段の運転とを統括的に制御する統括
    制御手段とを備えた加工システムにおいて、 前記複数台の工作機械のそれぞれに設けられ、該それぞ
    れの工作機械の機械加工時に発生した加工液の混在する
    切屑を機械加工部から収集して所定場所に回収する切屑
    回収手段と、 前記複数台の工作機械のそれぞれに設けられ、該それぞ
    れの工作機械の前記切屑回収手段により前記所定場所へ
    回収された前記切屑を圧縮室に受容して切屑塊に圧縮、
    形成して排出する切屑圧縮手段と、 前記被加工ワークの材質種別に応じて前記加工システム
    の統括制御手段から送出される分別指令に従って作動さ
    れ、前記複数台の工作機械のそれぞれの前記切屑圧縮手
    段から排出される前記切屑塊を前記被加工ワークの材質
    種別に分別する切屑塊分別手段と、 前記複数台の工作機械のそれぞれの前記切屑圧縮手段か
    ら前記切屑塊分別手段を介して排出される前記切屑塊を
    受承して前記被加工ワークの材質種別に対応した所定の
    回収場所へ分別搬送する搬送路を有した切屑塊搬送手段
    と、 前記複数台の工作機械のそれぞれの前記切屑圧縮手段に
    よる前記切屑の圧縮時に該切屑から搾出、収集される加
    工液を前記複数台の工作機械のそれぞれの加工液タンク
    へ回収する加工液回収手段と、 を具備して構成されることを特徴とした切屑処理装置を
    備えた加工システム。
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