JP2641075B2 - ピペットチップ - Google Patents

ピペットチップ

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JP2641075B2 JP32740090A JP32740090A JP2641075B2 JP 2641075 B2 JP2641075 B2 JP 2641075B2 JP 32740090 A JP32740090 A JP 32740090A JP 32740090 A JP32740090 A JP 32740090A JP 2641075 B2 JP2641075 B2 JP 2641075B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、化学分析等において一定量の試料液を供給
するのに適した、外表面の少なくとも一部が撥水処理さ
れた、プラスチック成型されたピペットチップに関す
る。
さらに詳しくは、表面張力が小さいか、もしくは粘度
の高い水溶液、特に臨床血液検査において体液を定量的
に供給するのに適した、外表面の少なくとも一部が撥水
処理された、プラスチック成型されたピペットチップに
関する。
(従来の技術) 近年、乾式法による臨床化学検査(ドライケミストリ
ー)が、分析作業の簡易性、測定の迅速性等において優
れているため多く用いられるようになってきた。ここの
乾式法による臨床学検査は、例えば検体である血液等の
液体試料中のグルコース、尿素窒素等の特定成分と反応
する試薬を含有させた化学分析スライドに液体試料を点
着し、試薬と特定成分の反応により生じた発色、変色等
を比色分析することにより特定成分を定量するものであ
る。
従来、化学分析スライドに検体を点着するには、ピペ
ットで検体を所定量吸入した後、ピペットの先端に検体
の丸い液滴を形成し、この液滴を化学分析スライドの中
央部にそっと触れるようにして点着していた。
分析を実施する際には、プラスチック製のピペットチ
ップを用いることが多い。例えば10〜120μの液体を
専用のピペットチップを用いて定量的に採取し、必要に
応じて、数μから100μ分を放出する。この際、ピ
ペットチップの外周が濡れていると、検体がいわゆる液
回りを起こし易く、測定時の誤差となる。
ディスポーザブルタイプのプラスチック製ピペットチ
ップは理化学、医学、生物学の分野で広く使用されてい
るが、その対象はほとんどの場合、水溶液である。プラ
スチックとしてポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエ
チレン等の撥水性の高いものが選ばれているので、通常
の水溶液ではピペットチップの外表面に付着する液滴の
量も少ないが、何等かの理由によりピペットチップの周
囲に液が付着して残っていると、吸引した液体の放出の
際に液が周囲に引きずられ、いわゆる液回り現象が起き
る。
検体のピペットチップ外表面への付着のし易さおよび
液回り現象の起こり易さは、検体の表面張力や粘度、ピ
ペットチップ表面の物性に強く依存する。
例えば、10〜100μを定量する目的で作られたポリ
プロピレン製のピペットチップを用いた場合、純水や生
理食塩水等では液回り現象は殆ど起こらない。
一方、臨床検査の分野で測定対象とする血漿や血清で
は、粘度が1.5〜2.5cpsと高く、液回り現象が起こり易
い。さらに、全血検体では粘度は10〜数10cpsにわたっ
ており、液回り現象が非常に起こり易くなる。
本来、検体は加圧放出に従って、球状の液滴を形成す
ることが期待されている。この場合には液滴の大きさは
常に一定となり、ピペットチップの先端と液の受容面
(既に容器に入っている液体の表面、ガラス等の器壁の
表面、ドライケミストリーの場合にはスライドの展開層
表面)との距離を一定に保っておけば、検体は常に安定
に供給される。
しかし、液回り現象が起きると、これをきっかけとし
て、液体の加圧放出に伴い上回り現象が起こり、液滴が
検体の受容面へ届かず、結果として液が供給されない。
マニュアル操作の場合には、目視により検体の放出の
され方に従ってピペット先端の位置や角度を操作するこ
とができるので、液回りや上回りの影響は比較的少な
い。しかし、自動操作による場合には受容表面とピペッ
トチップ先端の位置関係が一定に固定されているので、
上回り現象が起これば検体の受容表面への供給ができな
くなってしまう。
特に、ドライケミストリー分野では、高い測定精度を
得るために、ピペットチップの先端にできるだけゆっく
り液滴を形成させてからそれをスライド表面にそっと置
くような供給操作が必要であり、上回り現象は大きな問
題となる。
第4A〜C図は従来のピペットチップに吸引された血液
等の体液試料をゆっくり加圧放出する際の状態を示す模
式図である。
第4A図は試料を吸引後、ピペットチップ先端部1の外
周の水分をティッシュペーパー等によりきれいに拭き取
った場合を示す。この場合には、ピペットチップ最先端
部(吸引口断面部)2を軸として球形の試料液滴3が形
成される。液滴3の最下部はピペットチップ最先端部2
から所定の距離にある試料を受容すべき分析部材の最上
層4に接触し、十分な量の試料が分析部材に供給され
る。
第4B図および第4C図は試料を吸引後、ピペットチップ
先端部1の外周の水分をきれいに拭き取らなかった場合
の状態を示す。この場合、いわゆる「濡れ」現象によ
り、ピペットチップ先端部1の外周に液の上回りが起こ
っており、ピペットチップ最先端部2から液滴3の最下
部までの距離は正常の場合よりも著しく小さくなり、試
料が分析部材に正常に供給されない。
上回り現象の詳細、およびそれを解決するためにプラ
スチック成型されたピペットチップの外表面の少なくと
も一部撥水処理する技術が、特願平1−268582号(特開
平3−131351号公報)に開示されている。該撥水処理に
より安定した液滴が形成され、これにより精度の高い測
定値を再現性良く得ることが可能である。
上記の撥水処理の1方法として、硬化性のシリコーン
ゴムを用いると優れた結果が得られることが該明細書に
記載されている。
しかし、該明細書に記載された処方のシリコーンゴム
による処理では、測定精度、再現性等に問題は無いが、
シリコーンゴム層とピペットチップの素材であるプラス
チックの熱収縮性が異なることに起因して、シリコーン
ゴム層が剥がれ易くなる場合があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、化学分析において一定量の液体試料
を供給するのに適し、さらに取扱性の改良された定量ピ
ペットのピペットチップを提供することにある。
本発明の他の目的は、表面張力が小さく、粘度が高い
液体を定量的に供給するのに適し、さらに取扱性の改良
された定量ピペットのピペットチップを提供することに
ある。
本発明の他の目的は、上記目的に適した、プラスチッ
ク製のディスポーザブルタイプのピペットチップを提供
することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の目的は、先端部の外表面が、硬化型シリコー
ンゴムと、架橋剤と、下記一般式(I)で表される少な
くとも1種の化合物と下記一般式(II)で表される少な
くとも1種の化合物とを含有する硬化型シリコーン組成
物で撥水処理されていることを特徴とするプラスチック
製ピペットチップより達成される。
(1≦l≦4,0≦m≦5) (0≦n≦1000) 以下、本発明を詳細に説明する。
ディスポーザブルタイプのピペットチップを用いて液
体を定量的に採取する方法は特願平1−268582号明細書
の第7頁第15行〜第8頁第19行に記載されている。
ピペットチップの先端を撥水処理するのに適した硬化
型シリコーンゴムとその製法およびそれを用いた撥水処
理の方法は該明細書の第10頁第13行〜第18頁第11行に詳
細に記載されている。
ピペットチップの先端に塗布した後硬化するタイプの
シリコーンを用いる場合には、これらのシリコーンを溶
解する溶剤に溶かした溶液を作製し、浸漬、塗り付け、
スプレーによる吹き付け等を行う。脱アミン,脱酢酸,
脱アルコール、脱オキシム、脱水素等縮合反応により、
3次元構造を形成する性質を有するシリコーンが用いら
れる。
溶媒としてはn−ヘキサン、シクロヘキサン等のアル
キル系の石油系溶剤やそれらの混合物の他、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル系溶剤や、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、メタノール、エ
タノール、メチルエチルケトン、水等の単独もしくはこ
れらを適当に組み合わせた混合溶媒が使用できる。中で
は、アイソパーE、シクロヘキサンが好ましい。シリコ
ーン層は乾燥後の重量で約0.1〜100mg/チップ、より好
ましくは0.5〜50mg/チップの被覆量となるようにピペッ
トチップ基材先端に塗設し、乾燥することにより形成さ
れる。
硬化型のシリコーンとしては、次の様な繰り返し単位
を有する線状または部分的に架橋したポリジオルガノシ
クロヘキサンが好適に用いれる。
(ここで、Rはアルキル基、アリール基、アルケニル基
またはこれらの組み合わされた1価の基を表し、これら
の基はハロゲン原子、アミン基、ヒドロキシ基、アルコ
キシ基、アリーロキシ基、(メタ)アクリロキシ基、チ
オール基などの官能基を有していてもよい。なお、シラ
ンカップリング剤、チタネート系カップリング剤等の接
着剤や光重合開始剤を添加してもよい。) 上記ポリシロキサンを主たる骨格とする高分子重合体
(シリコーンゴム)の原料としては、分子量数千ないし
数十万で末端に官能基を有するポリシロキサンが使用さ
れ、これを次に示すような方法で架橋硬化してシリコー
ンゴムが形成される。すなわち、具体的には両末端もし
くは片末端に水素基を有する上記ポリシロキサンに、次
のような一般式で示されるシラン系架橋剤を混入し、必
要に応じて有機金属化合物、例えば、有機錫化合物、無
機酸、アミン等の触媒を添加して、ポリシロキサンとシ
ラン系架橋剤とを加熱し、または常温で縮合硬化するこ
とにより形成される。
RnSiX4-n (ここで、nは1〜3の整数、Rは先に示したRと同様
の置換基であり、Xは−OH、−OR2、−OAc、 −Cl、−Br、−I等の置換基を表す。ここで、R2、R
3は、先に説明したRと同じ意味であり、それぞれ同一
でも異なっていてもよい。Acはアセチル基を表す。) また、末端に水酸基を有するオルガノポリシロキサン
と、ハイドロジエンポリシロキサン架橋剤と必要に応じ
て上記のシラン系架橋剤とを縮合硬化させることによっ
てもシリコーンゴム層を形成することができる。
さらに、Si H基と−CH=CH2基との付加反応によっ
て架橋させた付加型シリコーンゴム層も有用である。付
加型シリコーンゴム層は硬化時比較的湿度の影響を受け
にくく、その上高速で架橋させることができ、一定の物
性を容易に得ることができるという利点がある。
ここで用いる付加型シリコーンゴム層は多価ハイドロ
ジエンオルガノポリシロキサンと、1分子中に2個以上
の−CH=CH2結合を有するポリシロキサン化合物との反
応によって得られるもので、望ましくは、以下の成分: (1)1分子中に珪素原子に直接結合したアルケニル基
(望ましくはビニル基)を少なくとも2個有するオルガ
ノポリシロキサン100重量部、 (2)1分子中に少なくともSi H結合を2個有するオル
ガノハイドロジエンポリシロキサン0.1〜100重量部、お
よび (3)付加触媒0.00001〜10重量部からなる組成物を硬
化架橋したものである。
成分(1)のアルケニル基は分子鎖末端、中間のいず
れにあってもよく、アルケニル基以外の有機基として
は、置換もしくは非置換のアルキル基、アリール基であ
る。成分(1)には水酸基を微量含有させてもよい。
成分(2)は成分(1)と反応してシリコーンゴム層
を形成する。成分(2)の水素基は分子鎖末端もしくは
中間のいずれにあってもよく、水素以外の有機基として
は成分(1)と同様のものから選ばれる。
成分(1)と成分(2)の有機基は撥水性の向上の点
で総じて基数の60%以上がメチル基であることが好まし
い。成分(1)および成分(2)の分子構造は直鎖状、
環状、分枝状いずれでもよく、どちらか少なくとも一方
の分子量が1000を越えることがゴム物性の面で好まし
く、さらに成分(1)の分子量が1000を越えることが好
ましい。
成分(1)としては、α,ω−ビス−ビニルジメチル
シリルポリジメチルシロキサン、α,ω−(ビス−トリ
メチルシリル)ポリ(メチルビニル)(ジメチル)シロ
キサン共重合体等が例示され、成分(2)としては、
α,ω−ビス−(ジメチルハイドロジエンシリル)ポリ
ジメチルシロキサン、α,ω−ビス−(トリメチルシリ
ル)ポリメチルハイドロジエンシロキサン、α,ω−ビ
ス−(トリメチルシリル)ポリ(メチルハドロジエン)
(ジメチル)シロキサン共重合体、環状ポリ(メチルハ
イドロジエン)シロキサン等が例示される。
これらの中で、両末端トリメチルシリル基のポリ(メ
チルハイドロジエン)(ジメチル)シロキサン共重合体
が好ましく、以下の式で表される。
x/y=100/0〜10/90(モル%) 具体的には以下のものが挙げられる。
成分(3)の付加触媒は、公知のものの中から任意に
選ばれるが、特に白金系の化合物が望ましく、白金単
体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金等が例
示される。これらの組成物の硬化速度を制御する目的
で、テトラシクロ(メチルビニル)シロキサン等のビニ
ル基含有のオルガノポリシロキサン、炭酸−炭素三重結
合含有のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、
メタノール、エタノール、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル等の架橋抑制剤を添加することも可能であ
る。
これらの組成物は、3成分を混合した時点において付
加反応が起き、硬化が始まるが、硬化速度は反応温度が
高くなるに従い急激に大きくなる特徴を有する。故に、
組成物のゴム化までのポットライフを長くし、ピペット
チップに塗布後の硬化時間を短くする目的で、組成物の
硬化条件は、ピペットチップの基材が変形しない範囲の
温度条件で、適度に硬化するまで高温に保持しておくこ
とがピペットチップ基材との接着力の安定性の面で好ま
しい。
本発明の組成物に使用できる一般式(I)で表される
化合物の例としては下記のものが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
また、本発明の組成物に使用できる一般式(II)で表
される化合物の例としては下記のものが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
硬化型シリコーンゴムと一般式(I)で表わされる化
合物および一般式(II)で表される化合物はピペットチ
ップへの密着性を向上させるものであり、その使用比率
は100:0.01:0.01〜100:10:10、好ましくは100:0.5:0.1
〜100:5:2である。いずれも使用比率が小さすぎると密
着性が低下し、また逆に多すぎると撥水性が低下する。
本発明におけるシリコーンゴム層の厚みについては特
に制限はないが、少なくともピペットチップの所定部分
の外表面を均一に覆う程度の塗布量が必要である。
一般的には、層厚0.1〜5μmが実用的に適切な範囲
であり、特に好ましくは0.5〜3μmである。
ピペットチップ1本当りの塗布重量は、ピペットチッ
プの大きさ、形状によって異なるが、10〜100μ採取
用のディスポーザブルピペットチップの場合ピペットチ
ップ1本当り0.1〜100mg、好ましくは0.5〜50mg、さら
に好ましくは0.5〜10mgの範囲である。
塗布量が多すぎても性能上特に問題はないが、硬化処
理に時間がかかり処理の効率が悪くなると共に原材料の
無駄になる。
また、本発明の処理をピペットチップの外表面全体に
施してもよいが、先端部だけを処理する方が望ましく、
その際、先端から3〜15mm、好ましくは5〜15mm、より
好ましくは5〜7mmの範囲を処理する。
この処理を施す場合、ピペットチップ基材との密着を
良くしないと、機械的摩擦により剥がれてしまう等の取
扱上の問題を生じ易くなる。
ピペットチップ基材とシリコーンゴム層との間の密着
力を上げる目的、もしくはシリコーンゴム組成物中の触
媒の被毒を防止する目的で、ピペットチップ基材とシリ
コーンゴム層との間に接着層を設けてもよい。
また、シリコーンゴムにシラン化合物よりなる接着助
剤を添加したものも好適に用いられる。シラン化合物よ
りなる公知の接着助剤の具体例は特願平1−268582号明
細書第20〜21頁に挙げられているが、これらに限定され
るものではない。該接着助剤の添加量はシリコーン組成
物中1〜20重量%、好ましくは1〜5重量%である。
ピペットチップをシリコーン溶液中に浸漬して処理す
る場合には、ピペットチップの内側にも溶液が入るので
ピペットチップの吸入口を塞いでしまうことがある。こ
れを防ぐにも、浸漬中もしくは溶液から取り出した直後
に、ピペットチップの上側から空気を吹き込むことが好
ましい。
(作用) 第1図はピペットチップ先端部1の外周に撥水処理層
5を設けた本発明のピペットチップにおける試料の放出
状態を示す模式図である。撥水処理層を設けていないピ
ペットチップ中間部6の外周には付着試料7が認められ
るが、撥水処理層5を設けたピペットチップ先端部1の
外周には試料の付着は認められない。ピペットチップ最
先端部2にはきれいな球状の液滴3が形成される。
第2図はピペットチップ先端部1の外周のみに撥水処
理層5を設けた本発明のピペットチップにおける試料の
放出状態を示す模式図である。このピペットチップにお
いては、ピペットチップ中間部6、ピペットチップ根元
部8、ピペットチップ咬合部9には撥水処理層が設けら
れていない。この場合、非処理部に生じた付着試料7は
処理部と非処理部の境界部に止まるようになっており、
ピペットチップ先端部1を通って本来秤量されるべき液
滴3と一体になることはない。
第3図はピペットチップの外周全面、すなわち、先端
部1、中間部6、根元部8全体に撥水処理層5を設けた
本発明のピペットチップにおける試料の放出状態を示す
模式図である。この場合は、付着試料7が生じると、こ
れが撥水処理層5を伝って液滴3と一体になる可能性が
8ピペットチップ先端部1のみを撥水処理した場合より
も高い。しかしながら、ピペットチップの外周全面が撥
水処理されているため、付着試料7が生じる可能性自体
は極めて低くなっている。
このように、本発明のピペットチップは先端部の外表
面が特定のシリコーン組成物で撥水処理されているた
め、本来秤量されるべき液滴が付着試料の影響を受ける
ことが少なくなっている。
(実 施 例) 以下に本発明を実施例によりさらに詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜8,比較例1〜5 <撥水処理したピペットチップの作製> エッペンドルフ社製の使い捨て型ポリプロピレン製の
ピペットチップ(5〜100μ用)を、表1に示した処
方のシリコーン液中に、8mmの長さまで浸漬後引き上
げ、そのまま放置し、もしくは100℃で3分間後処理を
行って、乾燥、硬化させ、その外壁を撥水処理した。
なお、上記いずれの場合にも、浸漬処理の間、処理液
がピペットチップの内側に入り込まないようにピペット
チップの中に弱い加圧空気を送り込み、バブリングを続
けた。
<評価> 実施例1〜8、比較例1〜5に従って撥水処理したピ
ペットチップを各50本作製した。
これらのサンプルの皮膜の収縮性を評価した。
50本中皮膜の剥離が 0本 ◎ 1〜2本 ◯ 3〜5本 △ 6本以上 × とした。
また、水、管理血清(Monitrol I)、人血漿、人全
血を検体として、それぞれ5本ずつ吸引、点着を行い、
液滴の形成状態、「上回り」現象の有無を評価した。
5回全て合格のもの ◎ 3回〜4回合格のもの ◯ 1回〜2回合格のもの △ 5回全て不合格のもの × として、結果を表2に示した。
本発明の処方により撥水処理したピペットチップは、
皮膜の剥離が少なく、また、「上回り」現象も無く、取
扱性が非常に優れていることが判る。
実施例9 実施例1〜6で作製したピペットチップを2ケ月間室
温放置後、上記の方法で評価したところ、全血を含む全
ての検体で良好な結果を得た。
実施例10 人血漿2mlをサンプルカップに採り、この中に実施例
2で作製したピペットチップを差込んでサンプリングを
行い、FDC−5000(富士フイルム(株)社製)を用いて
測定したところ、全血を含む22項目について測定値への
影響は全く無かった。
(発明の効果) 本発明のピペットチップは、先端部の外表面が特定の
シリコーン組成物で撥水処理されているため、化学分析
において液体試料を定量的に供給するのに適し、取扱い
が容易なものとなっている。このような優れた効果を発
揮する本発明はその産業上の利用価値が高いものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は発明のピペットチップのピペットチップ先端部
における試料の放出状態を示す模式図、 第2図はピペットチップ先端部の外周のみに撥水処理層
を設けた本発明のピペットチップにおける試料の放出状
態を示す模式図、 第3図はピペットチップの外周全面に撥水処理層を設け
た本発明のピペットチップにおける試料の放出状態を示
す模式図、 第4A〜C図は従来のピペットチップにおける試料の放出
状態を示す模式図である。 1……先端部、2……最先端部、3……液滴 4……分析部材の最上層、5……撥水処理層 6……中間部、7……付着試料 8……根元部、9……咬合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大庭 敏夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社シリコーン電子材料技 術研究所内 (72)発明者 板垣 明成 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社シリコーン電子材料技 術研究所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端部の外表面が、硬化型シリコーンゴム
    と、架橋剤と、下記一般式(I)で表される少なくとも
    1種の化合物と、下記一般式(II)で表される少なくと
    も1種の化合物とを含有する硬化型シリコーン組成物で
    撥水処理されていることを特徴とするプラスチック製ピ
    ペットチップ。
  2. 【請求項2】前記一般式(I)で表された少なくとも1
    種の化合物が下記化合物群から選ばれたものであること
    を特徴とする請求項1記載のピペットチップ。
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