JP2640873B2 - 固形物材料の気力輸送用輸送栓及びこれを用いた固形物材料の気力輸送方法 - Google Patents

固形物材料の気力輸送用輸送栓及びこれを用いた固形物材料の気力輸送方法

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JP2640873B2 JP2308004A JP30800490A JP2640873B2 JP 2640873 B2 JP2640873 B2 JP 2640873B2 JP 2308004 A JP2308004 A JP 2308004A JP 30800490 A JP30800490 A JP 30800490A JP 2640873 B2 JP2640873 B2 JP 2640873B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ベンド管などの湾曲部を途中に有した輸送
管路内に、固形物材料を低速で気力輸送させる新規な構
成の輸送栓と、この輸送栓を使用して固形物材料を低速
で気力輸送させる方法に関する。
[従来の技術] 本出願人らは、先に特願平2−196002号によって、薬
錠剤などの固形物材料を、2つの栓体を柔軟な連結剤で
連結して構成した輸送栓を用いて低速で気力輸送できる
固形物材料の気力輸送方法とその方法を実施するための
装置を提案した。
この提案にかかる方法では、第4図に示したように、
途中にベンド管部100a,100bを設けた輸送管路100の始端
部に形成された材料投入口101の下方に2つの栓体102a,
102bを柔軟な連結材102cで連結させて構成した輸送栓10
2を待機させ、この待機させた輸送栓の2つの栓体102a,
102b間に充填量の計量された固形物材料103を投入して
から、輸送管路100の始端より輸送栓102側に加圧された
輸送ガスを供給することにより低速で気力輸送させるよ
うになっており、輸送栓102が固形物材料103を充填し
て、輸送管路100の終端に接続されたジグザクシュータ1
06aを下方に付設した捕集器106に輸送させる動作を完了
した後は輸送ガスの供給を一端停止させて輸送管路100
内のエアーを吸引させる動作に切換えることによって、
輸送栓102を材料投入口101の直下の待機位置まで吸引帰
還させ、その後同様な方法で固形物材料を輸送栓に充填
させた後、輸送ガスを再び供給して低速で気力輸送を繰
り返し行なうようになっている。
ところで、このような方法で実際に固形物材料の気力
輸送を行なう場合、輸送栓102による1回の輸送能力を
大きくし、かつ固形物材料の投入作業を容易にするため
には、輸送管路100の始端に形成した材料投入口101の内
口径を輸送管路100の内径に合わせて可能な限り大きく
することが望ましい。
しかし、材料投入口101の内口径を、第5図(c)に
断面構造を示したように輸送管路100の内口径とほぼ同
じ程度に大きくしたときには、輸送栓102の2つの栓体1
02a,102b間に形成された材料収容空間には、第5図
(a)に示したように固形物材料103を比較的多量に充
填できるが、輸送栓102が輸送ガスによって輸送管路100
内を移動し、材料投入口101から輸送管路100に入ったと
きに、輸送管路100の上部壁端面で固形物材料の盛り上
がった部分が摺り切られ、摺り切られた固形物材料の一
部が後側の栓体102bを乗り越えて漏れ落ちたり、また後
側の栓体102bが材料投入口101内の空間に来たときには
第5図(b)に示したように栓体102bが上方に浮き上が
ってしまって栓体102bと輸送管路100の内壁との間に隙
間を生じ、その生じた隙間から固形物材料103の一部が
漏れ出てしまうという不具合があった。
そこで、このような輸送管路100の始端部に形成され
る材料投入口は、輸送栓102の後側の栓体102bが材料投
入口の空間に入ったときでも上方に浮き上がらないよう
に、一般には内口径を輸送管路100の口径よりも小さく
絞り込んだ第6図(c)に断面構造を示したようなロー
ト状101′に形成されるが、このような形状の材料投入
口101′から固形物材料103を輸送栓102の前後の栓体102
a,102b間に投入させた場合、固形物材料103による安息
角のために、充填した固形物材料103は第6図(a)に
示したように、材料投入口101内部で盛り上がってしま
い充填率も少なくなる。
また、輸送栓102が固形物材料103を充填した後、輸送
ガスによって輸送管路100内に移動させたときには、輸
送管路100の上部壁端面で摺り切られた一部の固形物材
料103は第6図(b)に示したように、後栓102bの上方
を乗り越えて漏れ落ちてしまったり、輸送栓10と輸送管
路100の内壁面との間に噛み込んでしまったりするなど
の不具合も生じていた。
更に、第7図に示すように固形物材料103をこのよう
な輸送栓102に充填してベンド管などの湾曲部108を有し
た輸送管路100内を気力輸送させる場合には、輸送栓102
がベンド管などの湾曲部108内を上昇して行くときに、
輸送栓102の連結材102cがその曲率に応じて湾曲して栓
体102a,102bと湾曲部108の内壁面との間に三日月形の隙
間g′を生じ、このとき生じた隙間g′が固形物材料10
3の粒径をより大きいか、同程度になると固形物材料103
の一部が輸送途中で漏れ落ちたり、隙間g′に噛み込ん
だりするなどの問題も生じている。
そして、このような材料投入時や輸送途中における固
形物材料の漏れ落ちや噛み込みの問題は、輸送栓を待機
位置まで帰還させる場合に障害物となり、固形物材料に
衝撃を与えて破壊の原因となるために、輸送管路内に輸
送栓を圧送させて固形物材料を割れや傷を生じさせるこ
となく気力輸送させる場合に最も重要で無視できない問
題とされている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、固
形物材料の充填量を大きくでき、しかもベンド管などの
湾曲部内を圧送され上昇して行くときにも噛み込みや、
濡れ落ちを有効に防止できる固形物材料の気力輸送用輸
送栓と、これを用いた固形物材料の気力輸送方法を提案
するものである。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために請求項1において提案され
た本発明の輸送栓は、材料収容空間を規定する2つの栓
体の後方に、すくなくとも1以上の補助栓体を設け、こ
れらの栓体を柔軟な連結材で連結させた構成となってい
る。
請求項2において提案された輸送栓は、材料収容空間
を規定する後側の栓体の外径が前側の栓体より小径に形
成したことを特徴としている。
更に、請求項3において提案された気力輸送方法は、
請求項1または2に記載された輸送栓を用いて固形物材
料を低速で気力輸送する方法であって、輸送管路の始端
部に形成された材料投入口より、計量された固形物材料
を上記輸送栓の材料収容空間を規定する2つの栓体間に
投入充填させ、ついで、輸送管路内に加圧された輸送ガ
スを供給させることによって上記輸送栓を低速で気力輸
送させることを特徴としている。
[作用] 請求項1に記載された本発明の輸送栓によれば次のよ
うな作用が奏される。
輸送管路4の始端部に形成された材料投入口2aの直下
に輸送栓Aを待機させ、充填量の計量された固形物材料
Mを材料投入口2aより落下させて輸送栓Aの前、後栓体
11,12間に形成された材料収容空間イに投下させると、
投入された固形物材料Mは所定の安息角を充す盛り上が
りを形成して充填される(第3図(a)参照)。このよ
うにして固形物材料Mを充填させた輸送栓Aが輸送ガス
の供給を受けると、前、後の栓体11,12間に形成された
材料収容空間イに盛り上がった固形物材料Mは、輸送栓
Aが材料投入口2aから輸送管路4内に入って行くとき
に、輸送管路4の上壁端面で摺り切られるが、このとき
後栓体12の上方より固形物材料の一部M′が漏れ落ちた
り、材料投入口2a内に固形物材料が残っていても後栓12
と補助栓13とで形成された補助空間ロに受けとめられ、
そのまま収容保持された状態で気力輸送できる(第3図
(b)参照)。
また、輸送栓Aがベンド管などの湾曲部4′を上昇し
て行くときに、輸送栓Aの後栓体12と輸送管路4の内壁
面との間に隙間gを生じて、生じた隙間gより一部の固
形物材料M″が漏れ落ちても、漏れ落ちた一部の固形物
材料M″は後栓12と補助栓13とで形成された空間ロに受
けとめられて収容される。そして、このようにして後栓
12と補助栓13との間の補助空間ロに収容された一部の固
形物材料M″は、自らの重力によって生じた隙間g側と
は反対側に保持されているので、漏れ落ちや噛み込みを
生じることもない(第3図(c)参照)。
また、請求項2に記載された輸送栓では、材料収容空
間を形成する後側の栓体12′が前側の栓体11′よりもや
や小径となっているので、材料充填時の固形物材料の噛
み込みが特になく、輸送栓A′が材料投入口2aから輸送
管路4内に入って行くときに、輸送管路4の上壁端面で
摺り切られた一部の固形物材料の一部が後栓体12′の上
方より抵抗なく補助空間に収容させて移送させることが
できる。
[実施例] 以下に、添付図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。
第1図は、本発明の輸送栓の基本的構造を示した構成
図であり、第2図は輸送栓を使用した気力輸送システム
の基本構成図である。
本発明の輸送栓Aは、図に見るように、テフロンなど
で製された2つの栓体11,12の後方に1以上の補助栓体1
3を設け、これらの栓体11〜13をシリコン樹脂などの柔
軟な連結材14で連結した構造となっている。
図例の輸送栓Aの3の栓体11〜13は、いずれも輸送管
路の内口径よりもわずかに小さい外径を有した形状とな
っており、この輸送栓Aを輸送管路内に収納させた場合
に前、後2枚の栓体11,12によって区分される大きい方
の空間を材料収容空間イとなし、後栓12と補助栓13とで
区分されて形成される小さい方の空間を、輸送栓Aの移
動時に材料充填空間から漏れ落ちた固形物材料を収容さ
せる補助空間ロとしている。
ここに、輸送栓Aを構成する栓体11〜13の外径と、輸送
管路の内口径との間に形成される空隙は、輸送栓Aの管
路内移動時に固形物材料が漏れ出すことがなく、かつ輸
送栓Aが閉塞せずに輸送管路内をスムーズに移動できる
程度の適当な値に設定されるあ。
図例では、前後2つの栓体11,12の後方に、1つの補
助栓体13を柔軟な連結材14で一体的に連結させた構造に
しているが、材料充填空間の後に設けられた補助栓体13
は所定の間隔を保持して2以上連ねて設けてもよく、こ
のような補助栓体13を設けることによって、ラビリンス
効果がより良く発揮されるので、輸送栓Aの後方より供
給される加圧ガスの漏れを防止して有効な推進力を得る
ことができる。
第1A図は請求項2において提案された輸送栓の基本構
造を示しており、 後側の栓体12′が前側の栓体11′より小径に形成されて
いる。
後側の栓体12′と前側の栓体11′との外径差は輸送栓
A′が材料投入口2aから輸送管路4内に入って行くとき
に、輸送管路4の上壁端面で摺り切られた固形物材料
が、後栓体12′の上方より抵抗なく逃がす程度でよい。
第2図は、本発明の輸送栓Aを用いて固形物材料とし
て薬錠剤を用いた気力輸送システムの概略構成図を示し
ている。
打錠機(不図示)より連続的に製造された薬錠剤は、
粉取機で粉塵が除去され、パッカー式ダンバーとコニッ
クバルブを有した気密輸送タンク2内に供給されて計量
された後、輸送管路4内の始端部内に待機している輸送
栓Aの前後の栓体間に充填投入される。
そして、薬錠剤の輸送栓Aへの充填が終了すると、輸送
管路の始端より加圧ガスが輸送管路内に供給され、この
加圧ガスによって輸送栓Aは輸送管路4内に押し出され
て輸送管路4内を低速で圧送され、最後に捕集器8に到
達する。かくして、輸送栓Aが捕集器8の材料投下口
(不図示)まで到達すると、薬錠剤は捕集器8の材料投
下口よりほぼ自然落下に近い状態で落下し、衝撃防止シ
ュート9内を通じて貯蔵容器(不図示)内に落下され、
貯留される。
このようなシステムを構成する各部の構成を説明する
と、輸送管路4は、その基端部に輸送栓Aを収容するよ
うにした輸送栓収容部4Eを有しており、図示の例では、
この輸送栓収納部4Eは気密輸送タンク2の材料投入口2a
の直下に形成されている。
輸送管路4は、大径の下部水平管路4Aにベンド管41を
介して大径の垂直立上り管路4Bの下端を接続し、この垂
直立上り管路4Bの上端には別のベンド管42を連結し、そ
の終端には衝撃防止板91をジグザクに配置させた緩衝シ
ュート9を下方に付設させた捕集器8が接続されてい
る。また、輸送管路4の始端部にはガス供給管6aが設け
られ、輸送栓Aの圧送時にはガス制御手段GCから加圧さ
れた輸送ガスを供給させ、輸送栓Aの帰還時にはエアー
を吸引させる構成としている。
なお、実施例では気密輸送タンク2のコニックバルブ
20aは、捕集器8まで薬錠剤を輸送させた輸送栓Aを後
述するエアーパージ制御手段のガスの吹き付けによって
待機位置まで強制帰還させるときに使用される大気開放
手段を兼ねているが、輸送管路4の待機位置よりも末端
側に大気に連通させた別の開閉バルブを設けても良い。
また、輸送管路4には輸送栓検出センサーS1、S2を設
けており、センサーS1は輸送栓Aの待機位置、センサー
S2は輸送栓Aの終点位置に設置されている。輸送栓Aが
捕集器8に達するとセンサーS2がこれを検知して輸送栓
Aを一旦停止させ、輸送ガスの間欠供給により輸送栓A
を更に捕集器8の材料投下口まで移送させ、捕集器8の
材料投入口より固形物材料を落下させるのに充分な所定
の遅れ時間が経過した後、輸送ガス制御手段GCを吸引モ
ードに切換設定して輸送栓Aを最初の待機位置まで吸引
帰還させるが、輸送栓Aが薬錠剤の輸送を終了して待機
位置まで強制帰還されると、センサーS1が輸送栓Aを検
知して輸送ガス制御手段GCによる吸引モードの動作を停
止させて、気密輸送タンク2のコニックバルブ20aを開
いて、気密輸送タンク2内で計量され貯留された次の輸
送分の薬錠剤を材料投入口2aより輸送栓Aに充填投下さ
せて、次の輸送に備えるようになっている。
なお、センサーS2によって検知された輸送栓Aの停止手
段としては、輸送栓Aの栓体の一部に磁性体を張り付
け、輸送管路の一部に取り付けた電磁石を励磁させて停
止させる構成にすればよいが、このような手段に限定さ
れるものではない。また、センサーS4は輸送すべき薬錠
剤Mの残量により輸送の終了を検知するものであるが、
センサーS1,S2はカラーセンサー、光センサーなどの輸
送栓Aの存在を検知するあらゆる種類のセンサーが採用
される。
気密輸送タンク2は、逆コーン状に形成された材料投
入ホッパー22の下方に、輸送栓Aによる1回分の充填量
を計量させるために材料計量室21を連通させ、この材料
計量室21の下方に気密バルブ機構20を上部に備えたバル
ブハウジング23を連設している。バルブハウジング23の
材料投入口2aの直下には、輸送栓Aを待機収容させる輸
送栓収容部4Eが形成され、この輸送栓収容部4Eは輸送管
路4の下部水平管路4Aに連通している。なお、材料投入
口2aを形成する樹脂製のハウジングの外周にはアース線
29cを巻き付けて、ハウジングに生じた静電気を逃がし
て静電気による固形物材料Mのハウジング内壁への付着
を防止している。また、29aは外周に複数の送気孔を穿
設した加圧エアーの噴射管であり、材料投入口2aのハウ
ジング内への固形物材料の付着やブリッジ現象をなくす
ために、固形物材料Mの輸送栓Aへの投入後に適時加圧
エアーを吹き付けするようになっている。
気密バルブ機構は、コニックバルブとなっており、バ
ルブハウジング23内にはバルブ制御手段(不図示)から
供給された加圧エアを導入させる通路を形成した分岐管
を有したT字状の軸体20bが設けられ、この軸体20bの立
上管20cには、テフロン製の傘状弁体20aの下方に固着さ
せた筒体20dを挿嵌させている。
このような構造のコニックバルブでは、バルブ制御手
段から加圧エアーが供給されたときには、傘状弁体20a
はその加圧によって上昇されて材料計量室21の材料排出
口21bを閉じる一方、バルブ制御手段が加圧エアーの供
給を停止すると、傘状弁体20aは自重で降下して材料排
出口21bが開かれる。
材料計量室21の上部に連通した材料投入ホッパー22の
内側には、3本の指示脚を設けた三角垂状の陣笠Jが配
置され、更にその下部には緩やかな湾曲受け面25aを形
成した1枚の材料受け体25の片側端をヒンジ部28によっ
て開閉可能に枢着させている。
このような材料受け体25は、材料投入ホッパー22の外
方に設けたエアーシリンダー26のロッド26aに連動する
リンク機構27を介して回動させて材料排出口22aを開閉
させる構造となっている。
すなわち、この場合のリンク機構27は、第2A図に示した
ように、エアシリンダー26のロッド26aの先端に取り付
けられた「く」の字状のリンクアーム27aに、ヒンジ部2
8のシャフト28aに固着させた別のアーム27bを枢着させ
た構造になっているので、エアーシリンダー26のロッド
26aを下げてリンク機構27を実線の状態まで下げたとき
には材料受け体25のヒンジ部28のシャフト28aを回動さ
せ、材料受け体25を第2B図に示したように下げて、ホッ
パー22の材料排出口22aを開き、リンク機構27を2点鎖
線の状態まで持ち上げたときには材料受け体25のヒンジ
部28のシャフト28aを反対方向に回動させ、材料受け体2
5を第2B図の2点鎖線で示したように持ち上げてホッパ
ー22の材料排出口22aを閉じるようになっている。
このような構造のパッカー式ダンパー機構は、構造が
簡単な上に、材料投入ホッパーより固形物材料が連続し
て投入されて来ても落下して来た固形物材料は、湾曲し
た受け面を形成した材料受け体によって受け止められる
ので、噛み込みを生じたり、傷を付けたりすることもな
い。
なお、パッカー式ダンパーは、薬錠剤Mの通過できる
程度の隙間を保持して閉じ袷せられるようにした1組の
材料受け体を開閉可能にさせた構造(不図示)にしても
よい。
また、このような構造の気密輸送タンク2では、材料
投入ホッパー22の内側には陣笠状の緩衝傘Jを設けてい
るため、ブリッジの発生防止にも効果的であるばかりで
なく、固形物材料を一旦緩衝させて落下させることがで
きるので、ホッパー22内に多量の固形物材料が連続して
投入されたときにも、材料受け体25には急激な負荷が加
わらず荷重を一定に保つことができる。
次に、かかる固形物材料の気力輸送システムによる固
形材料の輸送制御動作を説明する。
打錠機などから送られて来る固形材料は、気密輸送タ
ンク2の材料計量室21内に落下され、このときコニック
バルブ20の弁傘20aは材料計量室21の排出口21bを閉じて
いるが、材料計量室21内に所定容量の固形材料が貯る
と、レベルセンサーS3がこれを検知してパッカー式ダン
パーの材料受け体25を回動させてホッパー22の排出口22
aを閉じ、これによって輸送栓Aに投下すべき1回分の
充填量が計量される。
コニックバルブ20の傘状弁体20aが下動されると、材料
計量室21に貯留された固形材料は自然落下して輸送栓A
の材料収容空間イに収容される。
ついで、固形物材料が輸送栓Aの材料収容空間イに収
容された後、ガス供給管6aより加圧された輸送ガスを供
給すると、輸送栓Aはこの輸送ガスによって低速で移動
され、このとき材料収容空間に盛り上がった固形物材料
の安息角が次第に崩れて行き、後栓体を乗り越えた一部
の固形物材料は補助空間ロに収容される。この場合にお
ける輸送ガスの供給は、輸送栓Aの後栓体12材料投入口
2aの前方に出るまではインチング操作によって間欠的に
行なうことが輸送栓Aに無用な衝撃を加えなくする点で
望ましい。
そして、輸送栓Aは輸送管路4内を終端位置まで次第に
圧送されて行くが、その再、輸送ガスは輸送栓Aを低速
で圧送するように設定されているので、輸送栓Aは垂直
上昇管4Bにおいても低速で上昇するために、固形材料は
輸送管路4内を殆ど衝撃を受けることなく移送される。
このようにして、輸送栓Aは輸送管路4内を移送されて
行き、ベンド管41,42を上昇し始めると、ベンド管41,42
の曲率に応じて輸送栓Aの連結材14も湾曲して、輸送栓
Aの後栓体12と輸送管路4内壁面との間に隙間gを生じ
るが、この生じた隙間gより一部の固形物材料が漏れ落
ちても、漏れ落ちた固形物材料は補助空間ロに収容保持
され、そのまま輸送栓Aによって移送される(第3図
(c)参照)。
かくして、輸送栓Aが輸送管路4内を低速度で移送さ
れ、センサーS2が輸送栓Aを検知すると、輸送栓Aは一
旦停止され、その後輸送ガスをいわゆるインチング操作
によって間欠的に供給して捕集器8の材料投下口まで移
送する。輸送栓Aが捕集器8の材料投下口に到達する
と、材料投下口からの輸送ガスの漏れ出しにより推進力
がなくなるとともに、材料収容空間イと補助空間ロに収
容された固形物材料は、捕集器8の材料落下口よりほと
んど自然落下に近い状態で落下する。
輸送栓Aが固形物材料の捕集器8への輸送を完了させ
た後は、ガス供給管6aよりエアーを吸引し、この吸引力
で輸送栓Aを待機位置まで復帰させるが、この場合にお
いて、捕集器8の材料投下口での吸引ロスを防止するた
めに捕集器8の輸送管路4内にエアパージ制御手段(不
図示)を設け、最初にこのエアーパージ制御手段のガス
吹出し管からのガス吹出しによって材料投入口より始端
部側に逆行させてから、ガス供給管6aの吸引力で輸送栓
を帰還させる構成にしてもよい。
本発明方法では、このようにして薬錠剤を輸送栓Aに
収容させて輸送するので、固形物材料を輸送管路4内に
密状態に充填しなくても輸送が可能となり、したがっ
て、固形物材料のブリッジ現象も生じなくなる。
しかも、輸送栓Aは柔軟な材料で形成されているので、
輸送管路4内の湾曲部では弾性変形して輸送管路4の管
内壁にフィットしながらスムーズに曲がることができ
る。
なお、輸送管路4が短い場合には、エアパージ制御手
段を使用して輸送栓Aを元の待機位置まで戻すこともで
きるが、その場合には、輸送管路4の始端側に大気開放
手段を設けておき、エアパージ制御手段により加圧ガス
を逆方向に噴射させる前に、大気開放手段を大気に通じ
ておく。
[発明の効果] 本発明の輸送栓によれば、いずれも材料投入口から固
形物材料を充填させる場合にも固形物材料の噛み込みを
生じることがなく、しかも材料収容空間より漏れ落ちた
一部の固形物材料は補助空間に保持される。
また、ベンド管のような湾曲部を上昇するときに輸送
栓と輸送管路との間に隙間を生じても、生じた隙間から
漏れ落ちた一部の固形物材料は材料投入時と同様に補助
空間に収容保持されるので、輸送途中においても噛み込
みや漏れ落ちを生じることがない。
また、本発明方法によれば、固形物材料を上記した効
果を有した本発明の輸送栓に収容させて低速で気力輸送
できるので、輸送管路内で固形物材料同士が噛み合うこ
とがなくなり、しかも輸送管路の管径に合わせて輸送栓
を大型化することにより、一度に大容量の固形物材料を
噛み込みや漏れ落ちなく気力輸送できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の輸送栓の一実施例斜視図,第1A図は本
発明の輸送栓の別例の斜視図,第2図は本発明方法を実
施する薬錠剤の気力輸送システムの基本構成図,第2A
図,第2B図はパッカー式ダンパー機構の説明図,第3図
(a)〜(c)は本発明の輸送栓の動作説明図,第4図
は輸送栓を使用した従来の気力輸送システムの基本構成
図,第5図(a)〜(c),第6図(a)〜(c)及び
第7図は従来の輸送栓による問題点の説明図である。 (符号の説明) A,A′……本発明の輸送栓 11,11′……前栓体 12,12′……後栓体 13,13′……補助栓体 14,14′……連結材 イ,イ′……材料収容空間 ロ,ロ′……補助空間 2……気密輸送タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−231706(JP,A) 特公 昭47−29552(JP,B1) 特公 昭53−40796(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加圧された輸送ガスを受けて輸送管路内を
    気力圧送されるようにした固形物材料の気力輸送用輸送
    栓であって、 材料収容空間を規定する2つの栓体の後方に、すくなく
    とも1以上の補助栓体を設け、これらの栓体を柔軟な連
    結材で連結させて成る固形物材料の気力輸送用輸送栓。
  2. 【請求項2】上記材料収容空間を規定する後側の栓体の
    外径が前側の栓体より小径に形成された請求項1に記載
    の固形物材料の気力輸送用輸送栓。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載された輸送栓をベ
    ンド管などの湾曲部を途中に設けた輸送管路内に気力圧
    送して、固形物材料を低速で気力輸送する方法であっ
    て、 輸送管路の始端部に形成された材料投入口より、計量さ
    れた固形物材料を上記輸送栓の材料収容空間を規定する
    2つの栓体間に投入充填させ、 ついで、輸送管路内に加圧された輸送ガスを供給させる
    ことによって上記輸送栓を低速で気力輸送させることを
    特徴とする固形物材料の気力輸送方法。
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