JP2640045B2 - コーヒー抽出液の清澄化方法 - Google Patents
コーヒー抽出液の清澄化方法Info
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- Japan
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- coffee
- extract
- coffee extract
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焙煎コーヒーを抽出し
て得られるコーヒー抽出液(ストレート液又は濃縮液)
の濁り成分を除去することにより、ストレートコーヒー
の場合は、加熱処理及び保存中における、濃縮コーヒー
の場合は、加熱処理、保存中及び希釈時における濁り及
び沈殿の発生を防止し得る、長期間安定な透明性を有す
るコーヒーエキスを提供するコーヒー抽出液の清澄化方
法に関するものである。
て得られるコーヒー抽出液(ストレート液又は濃縮液)
の濁り成分を除去することにより、ストレートコーヒー
の場合は、加熱処理及び保存中における、濃縮コーヒー
の場合は、加熱処理、保存中及び希釈時における濁り及
び沈殿の発生を防止し得る、長期間安定な透明性を有す
るコーヒーエキスを提供するコーヒー抽出液の清澄化方
法に関するものである。
【0002】
【従来技術】コーヒー飲料は、焙煎コーヒー豆から抽出
したコーヒーエキスを容器に充填するが、ホット充填や
レトルト殺菌等を行う場合に濁りが発生しやすく、ま
た、長期間保存する場合においても濁りが発生しやす
い。また、濁りが多いと沈殿物が生じるため、極端に商
品価値を減じることになる。コーヒー抽出液を清澄化す
る従来技術として、「甘味剤を添加することによる濁り
の緩和」、「タンニン・ゼラチンによるオリ下げ」、
「繊維素分解酵素処理による方法」(特開昭61−29
3371号)、「限外濾過膜による濾過」(特開昭59
−63137号)等の技術があげられる。しかしなが
ら、甘味剤の添加は、甘味剤の増粘効果によって単に濁
りの発生を抑制するのみであり、コーヒー液中の濁りそ
のものを除去するものではない。また、甘みを添加した
ものは当然甘みを増すので、コーヒー本来の味覚を損な
い、コーヒー愛好者の味の嗜好にマッチせず、商品選択
の余地を狭めることとなり、マーケティング政策上も決
して好ましいものではない。さらに、その他の方法につ
いても、本発明者らは各種実験を行ったが、僅かな効果
があるものの長期的に清澄なコーヒー液を得ることがで
きるものではなかった。
したコーヒーエキスを容器に充填するが、ホット充填や
レトルト殺菌等を行う場合に濁りが発生しやすく、ま
た、長期間保存する場合においても濁りが発生しやす
い。また、濁りが多いと沈殿物が生じるため、極端に商
品価値を減じることになる。コーヒー抽出液を清澄化す
る従来技術として、「甘味剤を添加することによる濁り
の緩和」、「タンニン・ゼラチンによるオリ下げ」、
「繊維素分解酵素処理による方法」(特開昭61−29
3371号)、「限外濾過膜による濾過」(特開昭59
−63137号)等の技術があげられる。しかしなが
ら、甘味剤の添加は、甘味剤の増粘効果によって単に濁
りの発生を抑制するのみであり、コーヒー液中の濁りそ
のものを除去するものではない。また、甘みを添加した
ものは当然甘みを増すので、コーヒー本来の味覚を損な
い、コーヒー愛好者の味の嗜好にマッチせず、商品選択
の余地を狭めることとなり、マーケティング政策上も決
して好ましいものではない。さらに、その他の方法につ
いても、本発明者らは各種実験を行ったが、僅かな効果
があるものの長期的に清澄なコーヒー液を得ることがで
きるものではなかった。
【0003】何故ならば、コーヒー液の濁り及び沈殿は
タンパク質とポリフェノール類の凝集や、あるいは、ペ
クチン・セルロース・リグニンなどの炭水化物が経時的
に、きわめて複雑な反応経路を経て、濁り及び沈殿分子
を形成しているものと考えられるからである。従って、
「タンニン・ゼラチンによるオリ下げ」や「繊維素分解
酵素処理法」など単一反応系では、濁り及び沈殿物質を
完全に除去できないため、その後の加熱処理や保存中に
おいて濁り物質が再び析出する結果となり、清澄に至る
完全な効果が得られない。さらに、「繊維素分解酵素処
理法」では、この他にも高い酵素反応温度によるフレー
バーの逸散や酵素自体による風味の劣化という問題が顕
著であった。限外濾過膜による濾過については、前記、
特開昭59−63137号があるが、これは、限外濾過
膜を用いることにより発泡を抑え、副次的効果として濾
過膜による2次沈澱を防止するものであるとともに、本
実施例におけるコーヒーエキスの濃度も極めて低いもの
であり、汎用性にかけるものである。また、限外濾過膜
による濾過の場合、濾過後の清澄度は上がるが、濁り及
び沈殿物質の析出・形成が未だ不十分なまま濾過を行う
ため、その後、経時的に濁りや沈殿が再び発生し、特に
低温保存状態においてはこの現象が顕著なものであっ
た。さらに、超精密濾過であるため、コーヒーエキスの
有効成分までも除去してしまい、コーヒー本来の微妙な
香りや美味しさが失われ、味の深みもなくなってしま
う。それ故、完全なコーヒー抽出液の清澄化技術は、未
だ確立されていないのというのが現状である。
タンパク質とポリフェノール類の凝集や、あるいは、ペ
クチン・セルロース・リグニンなどの炭水化物が経時的
に、きわめて複雑な反応経路を経て、濁り及び沈殿分子
を形成しているものと考えられるからである。従って、
「タンニン・ゼラチンによるオリ下げ」や「繊維素分解
酵素処理法」など単一反応系では、濁り及び沈殿物質を
完全に除去できないため、その後の加熱処理や保存中に
おいて濁り物質が再び析出する結果となり、清澄に至る
完全な効果が得られない。さらに、「繊維素分解酵素処
理法」では、この他にも高い酵素反応温度によるフレー
バーの逸散や酵素自体による風味の劣化という問題が顕
著であった。限外濾過膜による濾過については、前記、
特開昭59−63137号があるが、これは、限外濾過
膜を用いることにより発泡を抑え、副次的効果として濾
過膜による2次沈澱を防止するものであるとともに、本
実施例におけるコーヒーエキスの濃度も極めて低いもの
であり、汎用性にかけるものである。また、限外濾過膜
による濾過の場合、濾過後の清澄度は上がるが、濁り及
び沈殿物質の析出・形成が未だ不十分なまま濾過を行う
ため、その後、経時的に濁りや沈殿が再び発生し、特に
低温保存状態においてはこの現象が顕著なものであっ
た。さらに、超精密濾過であるため、コーヒーエキスの
有効成分までも除去してしまい、コーヒー本来の微妙な
香りや美味しさが失われ、味の深みもなくなってしま
う。それ故、完全なコーヒー抽出液の清澄化技術は、未
だ確立されていないのというのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】コーヒーは嗜好飲料
として、その需要もますます増大し、消費者のコーヒー
飲料に対する認識も高まり、より一層の品質向上を求め
るようになってきている。コーヒー製品としては、フリ
ーズドライ製法の粉末インスタントコーヒー等がある
が、コーヒー本来の味を未だ完全に再現できるものでは
ない。一方、最近では、より本物志向を追及した缶入り
ストレートコーヒーやスプレータイプの液体濃縮コーヒ
ーが発売されてはいるが、しかし、これらの商品は、前
者は保存中に特有の濁りや沈殿が生じ、また、後者も希
釈時において濁りを生じるため、視覚的・味覚的にも決
して良いとはいえないものである。本発明は、コーヒー
本来の美味しさを重視し、かつ、長期間にわたり濁りや
沈殿が生じることなく、さらに、希釈時においても濁り
の生じることがない「透明性を有するコーヒー抽出液の
清澄化技術」を提供するものである。
として、その需要もますます増大し、消費者のコーヒー
飲料に対する認識も高まり、より一層の品質向上を求め
るようになってきている。コーヒー製品としては、フリ
ーズドライ製法の粉末インスタントコーヒー等がある
が、コーヒー本来の味を未だ完全に再現できるものでは
ない。一方、最近では、より本物志向を追及した缶入り
ストレートコーヒーやスプレータイプの液体濃縮コーヒ
ーが発売されてはいるが、しかし、これらの商品は、前
者は保存中に特有の濁りや沈殿が生じ、また、後者も希
釈時において濁りを生じるため、視覚的・味覚的にも決
して良いとはいえないものである。本発明は、コーヒー
本来の美味しさを重視し、かつ、長期間にわたり濁りや
沈殿が生じることなく、さらに、希釈時においても濁り
の生じることがない「透明性を有するコーヒー抽出液の
清澄化技術」を提供するものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記問
題点を解決するために鋭意研究の結果、コーヒー抽出液
を凍結状態で静置し、濁り成分を析出・凝集せしめ、遠
心分離及び濾過により除去することによって、コーヒー
本来の風味を変化させることなく、かつ、長期間にわた
り安定な清澄度を保つことのできるコーヒーエキスの清
澄化方法を見いだし、本発明を完成するに至ったのであ
る。
題点を解決するために鋭意研究の結果、コーヒー抽出液
を凍結状態で静置し、濁り成分を析出・凝集せしめ、遠
心分離及び濾過により除去することによって、コーヒー
本来の風味を変化させることなく、かつ、長期間にわた
り安定な清澄度を保つことのできるコーヒーエキスの清
澄化方法を見いだし、本発明を完成するに至ったのであ
る。
【0006】すなわち、本発明の要旨を説明すると、本
発明におけるコーヒーの抽出方法は、従来公知のいずれ
の抽出方法を用いてもよく、また、その用水は熱水・冷
水のいずれでもよく、更にまた、抽出液はストレート飲
料タイプのものでも濃縮タイプのものであってもよい。
次に、清澄化方法の詳細について説明する。コーヒー豆
粉砕品から常法により抽出して得たコーヒー抽出液を速
やかに凍結させる。凍結方法は、従来公知のいずれの凍
結方法を用いてもよい。当該凍結コーヒーは、所定期間
凍結状態で静置し、抽出液中の濁り成分及び沈殿物質を
析出・凝集させる。静置期間は、使用したコーヒー豆の
種類・粉砕程度・抽出方法及び凍結方法によって、析出
・凝集の程度が異なるので、必要に応じて時間を調整す
る。所定の凍結静置期間経過後に解凍し、遠心分離にて
沈殿を除去する。遠心分離機は、通常使用されているも
のであればいずれも使用でき、その条件は必要に応じて
適宜設定することができる。遠心分離後の状態のコーヒ
ー抽出液の上澄液では清澄化度が未だ不十分であるの
で、さらに濾過処理を行うことによって清澄化コーヒー
を得る。本発明における濾過方法としては、従来公知の
いずれの方法も使用でき。当該上澄液の清澄化度に応じ
て適宜選択することができる。表1に、遠心分離にて得
られた沈殿の分析結果を示した。表1からわかるよう
に、沈殿にはペクチン・リグニン・ホロセルロースその
他微量の植物組織由来の抽出カスが含まれている。
発明におけるコーヒーの抽出方法は、従来公知のいずれ
の抽出方法を用いてもよく、また、その用水は熱水・冷
水のいずれでもよく、更にまた、抽出液はストレート飲
料タイプのものでも濃縮タイプのものであってもよい。
次に、清澄化方法の詳細について説明する。コーヒー豆
粉砕品から常法により抽出して得たコーヒー抽出液を速
やかに凍結させる。凍結方法は、従来公知のいずれの凍
結方法を用いてもよい。当該凍結コーヒーは、所定期間
凍結状態で静置し、抽出液中の濁り成分及び沈殿物質を
析出・凝集させる。静置期間は、使用したコーヒー豆の
種類・粉砕程度・抽出方法及び凍結方法によって、析出
・凝集の程度が異なるので、必要に応じて時間を調整す
る。所定の凍結静置期間経過後に解凍し、遠心分離にて
沈殿を除去する。遠心分離機は、通常使用されているも
のであればいずれも使用でき、その条件は必要に応じて
適宜設定することができる。遠心分離後の状態のコーヒ
ー抽出液の上澄液では清澄化度が未だ不十分であるの
で、さらに濾過処理を行うことによって清澄化コーヒー
を得る。本発明における濾過方法としては、従来公知の
いずれの方法も使用でき。当該上澄液の清澄化度に応じ
て適宜選択することができる。表1に、遠心分離にて得
られた沈殿の分析結果を示した。表1からわかるよう
に、沈殿にはペクチン・リグニン・ホロセルロースその
他微量の植物組織由来の抽出カスが含まれている。
【0007】
【表1】
【0008】表2に、凍結静置期間中に発生する沈殿物
の量を示した。凍結静置期間中に発生する沈殿物の量
は、凍結期間に比例して経時的に多くなり、約4カ月経
過後には沈殿の凝集は完了し、その後ほとんど沈殿物が
増加しない。すなわち、凍結静置期間は、4〜6カ月程
度で充分である。従来のように、抽出後のエキスをその
まま遠心分離するのみでは、遠心分離によって除去でき
る沈殿の量はごく僅かである。これは、上記のように、
抽出後の段階では、コーヒーエキスに含まれている、濁
り成分や沈殿物質の析出・凝集が不十分であるからであ
る。
の量を示した。凍結静置期間中に発生する沈殿物の量
は、凍結期間に比例して経時的に多くなり、約4カ月経
過後には沈殿の凝集は完了し、その後ほとんど沈殿物が
増加しない。すなわち、凍結静置期間は、4〜6カ月程
度で充分である。従来のように、抽出後のエキスをその
まま遠心分離するのみでは、遠心分離によって除去でき
る沈殿の量はごく僅かである。これは、上記のように、
抽出後の段階では、コーヒーエキスに含まれている、濁
り成分や沈殿物質の析出・凝集が不十分であるからであ
る。
【0009】これに対し、本発明方法によれば、コーヒ
ー抽出液を凍結させて所定の期間静置させることによっ
て、エキス中に含まれている濁り成分及び沈殿物質を充
分に析出・凝集せしめることができ、これらを遠心分離
によって除去し、さらに濾過処理を施すので、濁りの原
因となる物質を完全に除去することができる。従って、
ストレートコーヒーの場合は、加熱処理及び保存中にお
いて、濃縮コーヒーの場合は、加熱処理、保存中及び希
釈時において、濁り成分が再び析出すること自体が皆無
となり、長期間安定な透明性を有するコーヒーエキスを
提供することができるのである。
ー抽出液を凍結させて所定の期間静置させることによっ
て、エキス中に含まれている濁り成分及び沈殿物質を充
分に析出・凝集せしめることができ、これらを遠心分離
によって除去し、さらに濾過処理を施すので、濁りの原
因となる物質を完全に除去することができる。従って、
ストレートコーヒーの場合は、加熱処理及び保存中にお
いて、濃縮コーヒーの場合は、加熱処理、保存中及び希
釈時において、濁り成分が再び析出すること自体が皆無
となり、長期間安定な透明性を有するコーヒーエキスを
提供することができるのである。
【0010】
【表2】
【0011】凍結静置期間はできるだけ長い方が望まし
いが、短期間の凍結静置であっても遠心分離の後、濾過
処理を適宜調整・選定することにより、従来方法によっ
て得られるコーヒーと比較しても透明性の充分に優れた
ものが得られる。すなわち、遠心分離後のコーヒー抽出
液の上澄液中に、若干の濁り成分や沈殿物質が残存して
いる場合には、濾過処理において、析出・凝集されたフ
ロックの状態に応じて適性な助剤を選定し、これをフィ
ルター板にプレスコートしコーヒー抽出液を通液する。
助剤の粒子径よりもフィルター板のメッシュが大きいほ
うが、フィルターの安定化には望ましい。また、必要に
応じて、濾過層を2層あるいは3層の組み合わせとする
ことが望ましい。濾過直後は、助剤の濾液側への移行が
認められるが、しばらく循環方式で濾過を行うことによ
って濾過ケーキが安定するので、その後の透明性を確認
後コーヒーエキスを回収する。また、収率ロスの低減を
図るために、遠心分離で除去した沈殿を回収し、可溶性
固形分を水で抽出した後、この抽出液を原液に戻すこと
も可能である。水抽出後の残渣は無味無臭であるので、
これを取除くことによって抽出コーヒーエキスの風味に
与える影響は皆無である。
いが、短期間の凍結静置であっても遠心分離の後、濾過
処理を適宜調整・選定することにより、従来方法によっ
て得られるコーヒーと比較しても透明性の充分に優れた
ものが得られる。すなわち、遠心分離後のコーヒー抽出
液の上澄液中に、若干の濁り成分や沈殿物質が残存して
いる場合には、濾過処理において、析出・凝集されたフ
ロックの状態に応じて適性な助剤を選定し、これをフィ
ルター板にプレスコートしコーヒー抽出液を通液する。
助剤の粒子径よりもフィルター板のメッシュが大きいほ
うが、フィルターの安定化には望ましい。また、必要に
応じて、濾過層を2層あるいは3層の組み合わせとする
ことが望ましい。濾過直後は、助剤の濾液側への移行が
認められるが、しばらく循環方式で濾過を行うことによ
って濾過ケーキが安定するので、その後の透明性を確認
後コーヒーエキスを回収する。また、収率ロスの低減を
図るために、遠心分離で除去した沈殿を回収し、可溶性
固形分を水で抽出した後、この抽出液を原液に戻すこと
も可能である。水抽出後の残渣は無味無臭であるので、
これを取除くことによって抽出コーヒーエキスの風味に
与える影響は皆無である。
【0012】
【実施例−1】凍結状態で6カ月間保存した濃縮コーヒ
ー(Brix25.0)を解凍し、遠心分離(1,50
0G10min)にてフロックを除去した後、荒濾過
(保留粒子径4μm)し、次いで3層コーティングの循
環濾過器にて循環濾過を1時間行い濃縮コーヒーエキス
を回収した。この濃縮コーヒーエキスを加熱処理したも
のの25℃・6カ月保存品は、濁りや沈殿を生じること
がなく、安定した清澄度を有するものであった。対照品
として、タンニン・ゼラチン処理、及び、セルラー
ゼ処理をしたものを、本実施例と同様に遠心分離・3層
コーティングの循環濾過器による循環濾過を1時間行
い、さらに加熱処理したものを用いた。(表3) セルラーゼ処理は、添加率0.003%〜0.1%、反
応温度60℃・18hrの条件で行ったが、この場合、
セルラーゼの添加率0.01%で味の変化が認められ
た。
ー(Brix25.0)を解凍し、遠心分離(1,50
0G10min)にてフロックを除去した後、荒濾過
(保留粒子径4μm)し、次いで3層コーティングの循
環濾過器にて循環濾過を1時間行い濃縮コーヒーエキス
を回収した。この濃縮コーヒーエキスを加熱処理したも
のの25℃・6カ月保存品は、濁りや沈殿を生じること
がなく、安定した清澄度を有するものであった。対照品
として、タンニン・ゼラチン処理、及び、セルラー
ゼ処理をしたものを、本実施例と同様に遠心分離・3層
コーティングの循環濾過器による循環濾過を1時間行
い、さらに加熱処理したものを用いた。(表3) セルラーゼ処理は、添加率0.003%〜0.1%、反
応温度60℃・18hrの条件で行ったが、この場合、
セルラーゼの添加率0.01%で味の変化が認められ
た。
【0013】
【表3】
【0014】また、上記の各濃縮エキス保存品の上澄液
をサンプリングし、熱水及び冷水(4℃)で希釈した結
果を(表4)に示す。タンニン・ゼラチン処理やセルラ
ーゼ処理を行ったものは、熱水では透明性を有するが、
冷水で希釈したものは、肉眼で明らかに濁りが認められ
た。
をサンプリングし、熱水及び冷水(4℃)で希釈した結
果を(表4)に示す。タンニン・ゼラチン処理やセルラ
ーゼ処理を行ったものは、熱水では透明性を有するが、
冷水で希釈したものは、肉眼で明らかに濁りが認められ
た。
【0015】
【表4】
【0016】本実施例の工程図は、図1のとおりであ
る。
る。
【0017】
【実施例−2】凍結状態で1カ月保存したストレートコ
ーヒー(Brix1.3)を解凍し、遠心分離(1、5
00G10min)にてフロックを除去した後、単層コ
ーティングの循環濾過器にて循環濾過を1時間行い、コ
ーヒーエキスを回収した。回収したストレートコーヒー
エキスを加熱処理したものの、25℃及び10℃での6
カ月間保存品も濁りや沈殿を生じることがなく、極めて
清澄度の高いものであった。対照品として、タンニン
・ゼラチン処理、及び、セルラーゼ処理をしたもの
を、本実施例と同様に遠心分離・単層コーティングの循
環濾過器による循環濾過を1時間行い、さらに加熱処理
したものを用いた。(表5)
ーヒー(Brix1.3)を解凍し、遠心分離(1、5
00G10min)にてフロックを除去した後、単層コ
ーティングの循環濾過器にて循環濾過を1時間行い、コ
ーヒーエキスを回収した。回収したストレートコーヒー
エキスを加熱処理したものの、25℃及び10℃での6
カ月間保存品も濁りや沈殿を生じることがなく、極めて
清澄度の高いものであった。対照品として、タンニン
・ゼラチン処理、及び、セルラーゼ処理をしたもの
を、本実施例と同様に遠心分離・単層コーティングの循
環濾過器による循環濾過を1時間行い、さらに加熱処理
したものを用いた。(表5)
【0018】
【表5】
【0019】本実施例の工程図は、図2のとおりであ
る。
る。
【0020】
【発明の効果】本発明方法によれば、凍結静置状態にお
いて析出・凝集せしめた濁り成分及び沈殿物質を遠心分
離にてあらかじめ除去するため、瀘過時に目詰まりが起
こらない。また、遠心分離後のコーヒー抽出液の上澄液
中に、若干の濁り成分や沈殿物質が残存している場合で
あっても、上澄液を再度、濾過処理にかけるため、濁り
の原因物質を完全に除去することができる。それ故、後
の加熱処理、保存、希釈時においてコーヒー抽出液中
に、濁り成分が再び析出すること自体が皆無となる。ま
た、濁り成分や沈殿物質の析出・凝集は凍結静置状態で
おこる現象であり、従来のように添加物の添加や酵素処
理に伴う加温も行う必要がないので、抽出コーヒーエキ
スの風味保持の点で有利であるという点においてもすぐ
れた効果を発揮するものである。すなわち、本発明によ
って得られたコーヒーは、濃縮タイプのものは、加熱処
理や保存中においても濁りや沈殿を生じることなく透明
性を維持し、また、喫飲時に熱水や冷水で希釈しても濁
りを生じることなく、従来品と比べても視覚的にも味覚
的にも優れたものであった。従って、ホットコーヒーで
もアイスコーヒーでも清澄度の高く、且つ、風味のすぐ
れた状態で味わうことができる。また、ストレートタイ
プのものは、加熱処理や低温での保存中においても透明
性を維持し、且つ、風味においても非常に優れたもので
あり、従来品に比べて優れた商品価値を有するものであ
った。
いて析出・凝集せしめた濁り成分及び沈殿物質を遠心分
離にてあらかじめ除去するため、瀘過時に目詰まりが起
こらない。また、遠心分離後のコーヒー抽出液の上澄液
中に、若干の濁り成分や沈殿物質が残存している場合で
あっても、上澄液を再度、濾過処理にかけるため、濁り
の原因物質を完全に除去することができる。それ故、後
の加熱処理、保存、希釈時においてコーヒー抽出液中
に、濁り成分が再び析出すること自体が皆無となる。ま
た、濁り成分や沈殿物質の析出・凝集は凍結静置状態で
おこる現象であり、従来のように添加物の添加や酵素処
理に伴う加温も行う必要がないので、抽出コーヒーエキ
スの風味保持の点で有利であるという点においてもすぐ
れた効果を発揮するものである。すなわち、本発明によ
って得られたコーヒーは、濃縮タイプのものは、加熱処
理や保存中においても濁りや沈殿を生じることなく透明
性を維持し、また、喫飲時に熱水や冷水で希釈しても濁
りを生じることなく、従来品と比べても視覚的にも味覚
的にも優れたものであった。従って、ホットコーヒーで
もアイスコーヒーでも清澄度の高く、且つ、風味のすぐ
れた状態で味わうことができる。また、ストレートタイ
プのものは、加熱処理や低温での保存中においても透明
性を維持し、且つ、風味においても非常に優れたもので
あり、従来品に比べて優れた商品価値を有するものであ
った。
【0021】
【図1】濃縮コーヒーエキスを清澄化する工程を示す説
明図である。
明図である。
【図2】ストレートコーヒーエキスを清澄化する工程を
示す説明図である。
示す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 常法により得られたコーヒー抽出液を凍
結させ、所定期間これを静置して、濁り成分を析出・凝
集せしめ、当該抽出液を解凍後、遠心分離にて濁り成分
を除去し、さらに、当該上澄液を濾過することを特徴と
するコーヒー抽出液の清澄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10900191A JP2640045B2 (ja) | 1991-02-15 | 1991-02-15 | コーヒー抽出液の清澄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10900191A JP2640045B2 (ja) | 1991-02-15 | 1991-02-15 | コーヒー抽出液の清澄化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05304891A JPH05304891A (ja) | 1993-11-19 |
JP2640045B2 true JP2640045B2 (ja) | 1997-08-13 |
Family
ID=14499055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10900191A Expired - Lifetime JP2640045B2 (ja) | 1991-02-15 | 1991-02-15 | コーヒー抽出液の清澄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2640045B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101106908B (zh) * | 2004-12-13 | 2010-09-15 | 三得利控股株式会社 | 使用经过过滤处理的提取液的咖啡饮料的制造方法 |
-
1991
- 1991-02-15 JP JP10900191A patent/JP2640045B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05304891A (ja) | 1993-11-19 |
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