JP2639656B2 - 針金で結束した梱包体の解梱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、回収した大量の故紙、パルプ等を所定の大
きさの立方体に圧縮成形し、これを針金で結束した梱包
体の解梱装置に関する。

（従来の技術） 上記梱包材料を再生使用するために該梱包体を解梱す
る手段としては、従来、単に、梱包材料を結束した針金
を弛めてこれを切断するに止まり、該切断した後の針金
の処理を直ちに行なう手段はなかった。

（発明が解決しようとする問題点） 梱包体の針金は梱包材料中に深く喰込んでおり、これ
を脱去するに非常な労力と時間を要し、時には切断した
針金の弾発で怪我をする等の弊害もあった。本発明は、
梱包材料に喰込んだ結束用針金を切断すると共に、切断
した針金を梱包体から自動的に脱去処理できるようにし
た装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上記問題点を解決するものであって、その
手段は、特許請求の範囲第１項に記載のとおり、少くと
も一方を移動自在に構成し、互いに対向した一対の基板
のうちの一方の基板に針金切断装置を設け、他方の基板
に、該切断装置により切断された針金を引き上げるため
の上下方向に移動可能な爪片を設けると共に、該爪片の
上下動領域の両側に、梱包体を支承する複数の支承突片
を、適宜の間隔をあけて上下方向に設置し、更に、前記
他方の基板には、上限位置の前記爪片を包囲する籠形の
針金巻胴を設け、該針金巻胴を回転させて、前記切断さ
れた針金を巻き取るようにしたことを特徴とする針金で
結束した梱包体の解梱装置である。

また、別の手段は、特許請求の範囲第２項に記載のと
おり、一対の基板をフォークリフト型の移動車に装備し
たことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の針金
で結束した梱包体の解梱装置である。

（作 用） 前記特許請求の範囲第１項の手段によれば、一対の基
板のうち、前記一方の移動式基板を移動させることによ
り、該一対の基板間に位置する梱包体を両基板で挟持
し、その挟持により前記一方の移動式基板の切断装置を
梱包体に突入させ、更に、前記他方の基板の爪片を梱包
体に当接させると共に、支承突片が梱包体にくい込んで
梱包体を支承する。

次いで、前記切断装置により、梱包体を結束した数段
の針金を一挙に切断した後、爪片を下方の待機位置から
上方に向って移動させる。該爪片の上動に伴い、梱包体
を結束していた針金は、その中間部を下段のものから、
順次、該爪片によって引き上げられる。

この爪片は、各段の針金の中間部を引き上げてその上
限位置で停止するが、該上限位置にある爪片は、他方の
基板に設けらえた籠型の針金巻胴で包囲される。

次いで、その状態で、籠型の針金巻胴を回転し、各段
の針金を針金巻胴の周面に環状に巻き取り、梱包体を結
束した針金をすべて梱包体から脱去して解梱する。

前記特許請求の範囲第２項の手段によれば、装置をフ
ォークリフト型の移動車に装備して梱包体を移動しなが
ら上記の梱包体の解梱作業を行なう。

（実施例） 本発明の装置が解梱の対象とする梱包体ａは、故紙、
パルプ等を所定大きさの立方体に圧縮成形し、その周囲
を数段の針金ｂで結束したものである。

第１図乃至第３図で、１、２は、間隔を存して対向さ
せた一対の基板を示す。

前記基板１、２のうちの一方の基板１を移動自在に構
成し、他方の基板２との間隔を自由に調整できるように
し、移動式基板１を移動して両基板１、２の間隔を狭め
ることにより両基板１、２の間に位置させた梱包体ａを
挾持する。上記の実施例とは別に、両基板１、２を共に
移動式に構成するようにしてもよい。

第１図及び第３図に示すように、一方の基板１の中央
部の対向面側に、即ち、梱包体ａ側に、固定刃3aと可動
刃3bとから成る切断装置３を上下方向に設けると共に該
切断装置３の両側には梱包体ａを支承する支承突片４を
上下数段に配設し、更に、可動刃3bの上下動用として、
エヤー或いは油圧で駆動するシリンダー機構3cを基板１
の上方に設けた。

第１図及び第３図に示すように、一対の横断面コ字形
の枠体5a、5aを間隔をあけて、その開口部分を対向させ
ておき、該枠体5a、5aを板状部材5bで結着し、全体とし
て の横断面を有する筐枠５を構成し、該筐枠５を他方の基
板部材2aの対向面側に固着する。

第３図に示すように、該筐枠５の内側に、左右一対の
上下方向の溝形案内軌道片６、６に沿って上下動する昇
降枠７を設けるが、該昇降枠７は、第２図に示すよう
に、その左右の側片7a、7aに取付けた滑車7b、7bを前記
案内軌道片６、６に摺動させて上下動する。

第１図及び第２図に示すように、該昇降枠７の下部横
杆から対向面側、即ち、梱包体ａに向って、切断された
針金ｂの中間部を引き上げるための爪片８を突設し、該
昇降枠７をシリンダー機構９で上下動させることによ
り、爪片８は上下動する。図示の例では、該昇降枠７
は、常態で、突設した爪片８を下部位置に待機させるよ
うに構成した。なお、爪片８は、シリンダー機構8aによ
りその突出度を調整し得るようにした。

また、第１図乃至第３図に示すように、筐枠５の対向
面側、即ち、梱包体ａ側において、上記爪片８の上下動
領域の両側に、梱包体を支承するための複数の支承突片
10を上下数段に亘って適宜の間隔をあけて配設する。

梱包体ａの結束用針金の位置は不定であるから、梱包
体ａの挟持に際して支承突片４、10により針金を押さえ
てしまうと、針金の除去が不能となるので、前記支承突
片４および10の各先端を尖鋭に形成するとよい。これに
より、両基板１、２で梱包体ａを挾持するときに、各支
承突片４、10の先端が結束針金ｂに当接しても、各支承
突片４、10は、それらの尖った先端により前記針金を側
方に押しのけて梱包体ａに突入して、梱包体ａを支承す
ると共に梱包体ａの挾持を的確にする。

第１図において、11は、実線で示される梱包体ａ側の
待機位置と鎖線で示される針金ｂを巻き取る位置との間
で進退自在の枠体であり、該枠体11は、基板２の筐枠５
の上部に設けられる。

第１図及び第３図に示すように、該枠体11は、筺枠５
を挟んで端板11aと11bを連結した連結杆11c、11cとから
なる。該連結杆11c、11cは、筐枠５と一体に設けた案内
管14、14を貫通し、案内管14、14は連結杆11c、11cを支
持する。枠体11は、筐枠５の板状部材5bに固着したピス
トン杆と枠体11に結着したシリンダーとから成るシリン
ダー装置15により適時に進退される。

端面を開放し周面を数本の支杆12aにより形成した籠
形の針金巻胴12が枠体11に設けられ、該針金巻胴12はモ
ータ13で適時駆動させる。それによって、該籠形の針金
巻胴12は回転して、その支杆12aにより、前記爪片８に
よって引き上げられた針金ｂを巻き取る。

枠体11を梱包体ａ側の待機位置に移動させたときに
は、第３図に示すように、枠体11に軸支した籠形の針金
巻胴12が、前記爪片８の上動に支承ないように、梱包体
ａ側の離れた待機位置に置かれる。

その待機位置での籠形の針金巻胴12は、該針金巻胴12
の軸心が上限位置に停止する爪片８と同高となるような
位置に置かれることが望ましい。

障壁板17は、第１図に示すように、筐枠５の上部側面
5cとの間に適宜の間隔16を存して固設され、前記筐枠５
の上部側面5cと待機位置にある籠形の針金巻胴12の間に
おいて、前記針金巻胴12の一部を梱包する。

前記障壁板17は、針金巻胴12との間に小間隔をあけて
設けられており、針金巻胴12が待機位置に復動するとき
には、針金巻胴12のみが待機位置に復動され、針金巻胴
12に巻かれた針金ｂの巻き束は針金巻胴12から抜き出さ
れる。

第３図に示す例では、該障壁板17は、筐枠５と一体の
前記案内管14に固着される。

更に、第１図及び第２図に示すように、筐枠５の上記
側面5cと該障壁板17との間に、上端を軸18aで軸支して
シリンダー機構19により下部を開閉する一対の針金抑圧
片18、18を設ける。該針金抑圧片18は、巻き取った針金
ｂの巻き束を外面から抑圧して、その外形を整える。

また、第２図及び第３図に示すように、上下動する爪
片８を突設した昇降枠７の下部横杆において一対の押出
片20を該爪片８の両側に設け、該押出片20は、シリンダ
ー機構21により適時爪片８に沿って進退される。該押出
片20は、第５図に示すように、該爪片８に沿って進出す
ることで、爪片８に吊り下げられた切断した針金ｂの巻
き束を取り出す。

永久磁石22は、第２図に示すように、基板２の筐枠５
の両側に上下方向に設けられ、必要により、これをシリ
ンダー機構23により進退させる。該永久磁石22は、切断
された針金を吸引して梱包体ａから浮き出させる。

以上の装置において、第１図で示すように、両基板
１、２間に位置した梱包体ａを、一方の基板１の移動に
より他方の基板２との間で挟持すると、支承突片４、10
の先端が梱包体ａに突入して該梱包体ａを支承して不動
にする。この場合、各支承突片４、10の先端を尖鋭にし
たので、梱包体ａを支承するに際して、針金ｂに支承突
片４、10が当接しても、支承突片４、10は支承なく針金
ｂを側方に押しのけて梱包体ａに突入する。これと同時
に、切断装置３も梱包体ａに突入するから、可動刃3bを
上方に移動させることにより、固定刃3aとの間で針金ｂ
を切断することができる。第１図乃至第３図に示す実施
例では、針金ｂの結束位置に変動があっても各段の針金
ｂを一挙に切断し得るように、両刃3a、3bを多段式に設
けた。

この切断によって針金ｂは緊締状態から弛み、前記の
ように、基板２の筺枠５に永久磁石22を設けるときは、
永久磁石22がその弛んだ針金ｂを吸引して梱包体ａから
針金ｂを浮き出させる。

その後、第２図で鎖線で示すように、シリンダー機構
９の駆動により、昇降枠７を上動すると、その下部横杆
から突設した爪片８が下部の待機位置から上動する。爪
片８は前述の梱包体ａの挟持においてその先端が梱包体
ａに突入しているので、爪片８は各段ｂの中間部を引き
上げる。このとき、各段の針金ｂは、順次、爪片８の上
下動領域の両側に配設された数段の支承突片10のいづれ
かによって、案内されて、同時に、全部の針金ｂを円滑
に引き上げる。

爪片８が、第２図に鎖線で描かれた上限位置で停止し
たとき、シリンダー機構15により枠体11が梱包体ａ側の
待機位置から爪片８に向って移動されるので、前記枠体
11に軸支した籠形の針金巻胴12が爪片８に向かって移動
し、その開放端面により爪片８を被包する。

爪片８を針金巻胴12内に被包した後、モータ13により
針金巻胴12を駆動回転させるが、このとき、爪片８で中
間部を引き上げられた各段の針金ｂは、第４図に示され
るように、一括して針金巻胴12の周面に環状に巻き取ら
れ、針金ｂで結束した梱包体ａは解梱される。解梱され
た梱包体ａは、再生に支承のない状態となり、次の処理
に移される。

尚、第４図で示すように、針金巻胴12により環状に巻
き取られた針金ｂの巻き束は、その後適当な時期に、針
金巻胴12上から取り出して処分する。例えば、上述の解
梱を終った後、両基板１、２による梱包体ａの挟持を解
いて梱包体ａを取り出し、シリンダー19によって、一対
の抑圧片18、18で、巻き取った針金ｂの巻き束を外面か
ら抑圧して、その外形を整え、次いで、抑圧片18、18を
復動させた後、枠体11を前記待機位置に戻すが、該針金
ｂの巻き束の移動方向の前方には前記固定障壁板17が位
置しているために、該針金ｂの巻き束は該障壁板17によ
ってその移動が阻止され、針金巻胴12のみが前記待機位
置に復動して、針金ｂの巻き束は針金巻胴12から抜き出
される。該針金ｂの巻き束は、第５図で示すように、そ
の下方に位置する爪片８に受け止められ吊り下げされ、
その状態で爪片８を適宜の高さに下動させて爪片８の両
側に設けた押出片20、20をシリンダー機構21、21により
爪片８に沿って進出させ、爪片８上の環状の針金ｂの巻
き束を取り出す。しかし、このような取り出し手段は、
これに限ることなく他の任意手段を採用し得る。

爪片８から取り出された環状の針金ｂの巻き束を処理
し、解梱された梱包材を、例えば、再生処理等の次の工
程に移して解梱作業を終る。

第１図乃至第３図図示の実施例においては、基板２に
は筺枠５が含まれているが、筺枠５は必ずしも必要では
なく、基板部材2aのみでもよい。

尚、上記の実施例においては、昇降枠７、爪片８、支
承突片10、枠体11とこれに軸支した針金巻胴12は、特
に、基板部材2aに一体に結着した筐枠５に設備したもの
を示したが、必ずしも、筐枠５を設ける必要はなく、上
記の各作動部材を直接基板部材2aに設けてもよいことは
勿論である。

更に、上記の実施例とは別に、本発明においては、第
７図で示すように、梱包体ａの解梱作業位置において、
解梱装置の一対の基板１、２を、ローラー式コンベヤー
等の搬送装置24の両側に対向するように設置し、該搬送
装置24で搬送される梱包体ａを、固設部25に設けたシリ
ンダー機構26により一方の基板１を移動するように構成
して、他方の固定基板２に対して梱包体ａを移動させる
ようにしてもよい。それとは別に、第７図に鎖線で示す
ように、他方の基板２も、可動式に構成して前記のよう
に解梱作業を行なうようにしてもよい。

また、第８図で示すように、一対の基板１、２をフォ
ークリフト型の移動車27に装備させることにより、次の
作業位置に向かって梱包体ａを運搬しながら、梱包体ａ
の解梱を行なうので、作業性が向上する。

（発明の効果） 特許請求の範囲第１項に記載の本発明の装置は、周面
を数段の結束用針金によって結束した梱包体に対し、該
数段の結束用針金を一挙に切断すると共に切断した各段
の針金の中間部を爪片で一括して引き上げて該針金を針
金巻胴で巻き取ることにより梱包体から結束用針金を分
離除去するので、針金の切断作業と切断した針金の処理
作業を一連の作業で自動的に行なえる効果を有する。

巻き取った針金の巻き束は、環状体に纏められている
ので、以後の取り扱いが容易となる。

また、特許請求の範囲第２項に記載の装置は、フォー
クリフト型の移動車に一対の基板を装備することによ
り、野積状態にあった梱包体を次の作業位置に運搬しな
がら解梱できるので、その作業性を高め得る効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明装置の実施例を示すもので、第１図は一部
を截断した側面図、第２図は第１図のII−II線断面図、
第３図は平面図、第４図は針金巻胴に針金を巻き取った
状態の一部側面図、第５図は一部側面図、第６図は第５
図の正面図、第７図および第８図は、それぞれ本発明の
別の実施態様を示す平面図である。 １、２……基板 ３……切断装置 3a……固定刃 3b……可動刃 ４、10……支承突片 ８……爪片 12……針金巻胴

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少くとも一方を移動自在に構成し、互いに
   対向した一対の基板のうちの一方の基板に針金切断装置
   を設け、他方の基板に、該切断装置により切断された針
   金を引き上げるための上下方向に移動可能な爪片を設け
   ると共に、該爪片の上下動領域の両側に、梱包体を支承
   する複数の支承突片を、適宜の間隔をあけて上下方向に
   設置し、更に、前記他方の基板には、上限位置の前記爪
   片を包囲する籠形の針金巻胴を設け、該針金巻胴を回転
   させて、前記切断された針金を巻き取るようにしたこと
   を特徴とする針金で結束した梱包体の解梱装置。
2. 【請求項２】一対の基板をフォークリフト型の移動車に
   装備したことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載
   の針金で結束した梱包体の解梱装置。