JP2637472B2 - 情報記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は記録媒体に情報を記録し、また記録媒体に記
録されている情報を再生するため、もしくはその記録、
再生の両方を行うための装置に関するものであり、特に
カード状等の情報記録媒体と該媒体に対し情報処理する
ためのヘッド部とが相対的に往復運動することにより情
報の記録及び再生、もしくはいづれか一方を行なう情報
記録再生装置に関する。

この様な情報記録再生装置は光学的情報記録再生装置
や磁気的情報記録再生装置として好適に利用される。

〔従来の技術〕

従来、光ビームを用いて情報を記録し且つかくして記
録された情報を光ビームを用いて再生するために用いら
れる記録媒体の形態として、カード状、ディスク状、テ
ープ状等各種のものが知られている。なかでも、カード
状に形成された光学的情報記録媒体（以下、「光カー
ド」と称す）は、製造が容易で、携帯性が良く、アクセ
ス性も良い記録媒体として、大きな需要が見込まれてい
る。

光カードにおいては、情報トラックは直線状に形成さ
れ、この様な情報トラックはカード表面の所定の領域に
て平行に多数本配列されている。従って、光カードを記
録媒体とする情報記録再生装置においては、光ビームス
ポットは光カード表面上にて情報トラックの方向に相対
的に連続移動せしめられ、この際に情報の記録または再
生が行なわれ、所定の距離の移動の後には光ビームスポ
ットは光カード表面上にて上記情報トラックの方向を横
切る方向に相対的に所定距離移動せしめられ、この際に
は情報の記録または再生は行なわれず、次いで再び上記
情報トラックの方向に相対的に連続移動せしめられ、こ
の際に情報の記録または再生が行なわれ、以下同様にし
て情報トラックの方向の相対的移動と該方向を横切る方
向の相対的移動とが交互に所望の回数繰り返される。

以上の様な動作を行う情報記録再生装置として、光カ
ードを載置台（以下、「シャトル」と称す）上に保持
し、該シャトルを情報トラックの方向に往復移動させ、
一方該光カードの情報トラックに光ビームスポットを形
成するためのヘッド部を情報トラックを横切る方向に移
動させる方式のものが考えられる。

しかして、光カードは一般に人間が携帯し、記録再生
の際には上記方式の装置のシャトルの所定の保持位置に
送入させる操作を行ない更に該所定の保持位置から取出
す操作を行なう必要がある。

ところで、近年においては情報記録再生の速度の向上
が求められているので、上記方式の情報記録再生装置に
おいては、シャトルが高速で往復運動移動及び反転を行
なう際に光カードが位置ずれを生ずることのない様に該
光カードをシャトルの所定の位置で正確且つ強固に保持
することが望ましい。

また、光カードは製造時からわずかではあるが「そ
り」が生じてしまうことは避けられず、さらに人間が携
帯している間に「そり」等の変形が生じてしまう危険性
が大きい。この「そり」は、光学的に情報の記録再生を
行なう光カードにあっては、大きな弊害となっていた。

上記の問題点に対して、第６図及び第７図に示す様な
シャトル101が既に提案されている。

尚、第６図はシャトルの平面図であり、第７図はシャ
トルの断面図である。第６図に示す様にシャトル101に
は基準面102が設けられており、光カード100はシャトル
101に固定接続された板バネ103によって基準面102の方
向に付勢されＹ方向の位置決めが行なわれる。104は光
カード100の記録面側に接するガイドであり、光カード1
00に接する面には基準面105（第７図に図示）が形成さ
れており、シャトル101に固定接続されている板バネ106
によって前記基準面105に対し光カード100が押圧される
ことにより、「そり」が補正され、保持される構成とな
っている。

しかしながら、光カード100を基準面105に押圧する力
が光カード100に対して一様ではなく、十分に「そり」
を補正できないという問題点があり、また板バネ103,10
6によって光カード100に対し常にＹ方向、Ｚ方向の力が
加えられており、このため光カード100をシャトル101に
挿入あるいは該カードをシャトル101から取り出す場合
に大きな力が必要であり、挿入時に光カード100が斜行
して挿入された場合にはそのままの状態で保持をしてし
まうという問題点があった。

光カード100をシャトル101に対して挿入あるいは取り
出す場合に小さな力で挿入、取り出しを可能とするため
の「そり」補正及び保持機構を第８図、第９図、第10図
及び第11図に示す。尚、第８図、第９図、第10図及び第
11図は従来例を説明するための図である。

図示する様に、シャトル201にはカード案内溝201a,20
1bが設けられており、該溝に情報記録媒体である光カー
ド100が挿入される。シャトル201には長角穴201c,201d
が対称に設けられておりその穴からレバー202,203を揺
動させて光カード100を案内溝201a,201bのそれぞれ上面
201e,201fに押しつけて保持する。尚、光カード100の
「そり」補正を行なうためのレバー202,203がレバーの
回転中心を構成するピン204,205によって揺動自在にか
つ長手方向に固定的にはめ込まれている。206,207はそ
れぞれレバー202,203を板カム208,209の位置する方向へ
押圧するバネであり、一端がシャトル201に接続され、
他端がレバー202,203に当接される。板カム208,209はそ
れぞれレバー202,203に設けられたカム面ならい用突起2
02a,203aと摺動的に係合してレバー202,203を揺動させ
る板カムであり、外部固定部材に固定されている。

シャトル201に光カード100を挿入あるいはシャトル20
1から光カード100を取り出す時には、突起203aは板カム
208のカム面208a（第９図に図示）にバネ207により押圧
されており、カード押圧部203bは案内溝201bの下面に対
し同一面か又は多少埋没した状態となり、光カード100
は抵抗なく挿入−取り出しすることができるように構成
されている。

光カード100がシャトル201に挿入されると、シャトル
201がモーターにより駆動され、突起203aが板カム208の
カム面208aからはずれ、レバー203は押圧バネ207により
ピン205を中心軸として回転し、レバー203のカード押圧
部203bが光カード100の端部100aをカード案内溝201bの
上面201fに押し当てるように作動し、光カード100を保
持すると共に「そり」を補正する。以上の動作はレバー
202についても同様である。（第10,11図参照） 以上の様に、上述従来例の情報記録再生装置は、光カ
ード100の「そり」補正に関して十分に効果を有するも
のであり、また光カード100の挿入、取り出し時に必要
とする力は極めて小さいもので済むという効果を有す
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら上述従来技術による情報記録再生装置
は、情報記録媒体である光カード100がシャトル101に対
し斜行して挿入された場合にはその斜行を補正すること
ができず、該カードの斜行挿入における位置決めに関し
ては十分なものではないという問題点を有していた。

〔目的〕

本発明は上述従来技術の問題点に鑑みなされたもので
あり、その目的は情報記録媒体の「そり」補正を十分に
行うことができ、また情報記録媒体が斜行して挿入され
た場合でも該記録媒体を高精度に位置決めすることを可
能とし、且つ情報記録媒体の挿入−取り出しをスムーズ
に行うことのできる情報記録再生装置を提供することに
ある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的は、本発明によれば、情報記録媒体が載置さ
れた載置台と記録用及び再生用、もしくはいづれか一方
のためのヘッドとを相対的に往復移動させることにより
情報の記録及び再生、もしくはいづれか一方を行う情報
記録再生装置において、前記載置台上に形成された、前
記媒体の面内方向における位置決め基準を与える第一の
基準面と、前記媒体の厚み方向における位置決め基準を
与える第二の基準面と、前記媒体の斜め下方から前記媒
体に接触し、前記媒体を押圧する保持部材と、前記保持
部材を前記媒体を押圧する方向に付勢するばね手段とを
備え、前記保持部材は、前記媒体を第二の基準面に押圧
すると共に接触時における摩擦力により前記媒体を前記
第一の基準面に押圧し、前記媒体の前記載置台に対する
挿入、排出時において、前記媒体を第一および第二の基
準面に押圧する動作を解除することを特徴とする情報記
録再生装置によって達成される。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的且つ詳
細に説明する。

第１図は本発明の実施例を示す斜視図であり、第２図
は本発明の実施例を示す平面図であり、第３図は本発明
の実施例を示す正面図である。

図において、10は情報記録媒体であるところの光カー
ド100を保持し、図中のA,B方向に往復運動するシャトル
である。ガイド軸13はシャトル10に固定されている軸受
11,12と摺動可能に係合されており、シャトルを支持部1
4の摺動部15と摺動するガイド軸16と共にシャトル10を
直線的に往復運動可能に支持しており、ガイド軸13およ
びガイド軸16は図示されていないシャーシに固定されて
いる。シャトル10には、ベルト17が固定されており、ベ
ルト17は図示されていない駆動モーターの軸に固定され
た駆動プーリーと回転自在に支持された従動プーリーと
の間に巻回されており、駆動モーターの駆動力がベルト
17を介してシャトル10に伝達され、シャトル10は駆動モ
ーターの正転あるいは逆転により、図中のＡ方向あるい
はＢ方向に直線駆動される。なお図中では、駆動モータ
ー、駆動プーリー、従動プーリーは省略してある。

シャトル10には、第一の基準面としての、ｘ方向の基
準面21、及び、ｙ方向の基準面22がそれぞれ形成されて
おり、また、光カード100の記録面側100aと接し、後述
する保持部材と共同して光カード100の保持を行なうガ
イドA18、ガイドB19が固定されており、ガイドA18、ガ
イドB19にはそれぞれ第二の基準面としての、ｚ方向の
基準面23a,23bが形成されている。さらに、シャトル10
にはガイド溝31,32が設けられており、これらの溝には
それぞれ前記ガイドA18及びガイドB19と共同して光カー
ド100を保持する保持部材であるところのスライダA33、
スライダB34が摺動可能に嵌合されている。前記スライ
ダA33、スライダB34は結合部材であるところのジョイン
ト35によって一般的に動くように結合されている。該ジ
ョイント35には、一端がシャトル10に固定されている付
勢バネ36の他端が固定されており、光カード100の第一
を（ｘ方向の）基準面21と、第二の（ｚ方向の）基準面
23a,23bに圧接する方向に付勢されている。板バネ37
は、光カード100をｙ方向の基準面22に圧接させるため
の付勢バネである。

以上の様な構成において、本発明の実施例の動作を説
明する。第４図および第５図は、スライダA33の動作を
示す概略断面図である。ここで、スライダA33とスライ
ダB34は同一の動きをするので、スライダA33についての
み説明を行なう。

光カード100をシャトル10に挿入する場合、まず、カ
ム等の図示されていない手段によって、ジョイント35を
Ｃ方向に移動させ保持する。この移動により、スライダ
A33はスライダA33に設けられている張出部40a,40bがシ
ャトル10のガイド溝41a,41bに案内させることにより図
中のＥ方向に移動し、ガイドA18とスライダA33の間に光
カード100を挿入するのに十分な空間が設けられ、光カ
ード100を図示されない外部別手段により抵抗なく挿入
することができる。このとき光カード100は、板バネ37
によってｙ方向の基準面22方向に常に付勢されている
が、この付勢力は挿入力と比較して極めて小さいもので
十分である。挿入が完了した後挿入手段が解除されると
光カード100はシャトル10内で動きを規制するものがな
く、板バネ37によって基準面22に圧接され、ｙ方向の位
置決めが正確になされる。

次に、ジョイント35の保持を解除すると付勢バネ36に
よってジョイント35はＤ方向に移動し、スライダA33は
張出部40a,40bがガイド溝41a,41bに案内されることによ
り図中のＦ方向に移動して、付勢される。この付勢力に
より光カード100の裏面とスライダA33との間に摩擦力が
発生し、該摩擦力とスライダA33の斜め移動によって光
カード100は基準面21および23aに圧接され、ｘ方向およ
びｚ方向の位置決めがなされる。このとき、スライダA3
3の光カード100との接触面に摩擦係数の高い弾性材等を
設けておくとより効果的である。

さらに光カード100は、付勢バネ36によってガイドA18
とスライダA33との間でカードの長手方向のほぼ全域に
渡って圧接保持されるため、カードの「そり」が十分に
補正される。

光カード100がシャトル10に挿入された後、シャトル1
0は駆動モーターによって図中のAB方向に直線駆動さ
れ、図に示されていない記録再生ヘッドによって記録お
よび／または再生が行なわれる。

光カード100をシャトル10から取り出す場合には、挿
入時と同様にジョイント35をＣ方向に移動保持すること
により、光カード100を抵抗なく取り出すことができ
る。

〔発明の効果〕

本発明は、以上詳述したように、情報記録媒体が載置
された載置台と記録用及び再生用、もしくはいづれか一
方のためのヘッドとを相対的に往復移動させることによ
り情報の記録及び再生、もしくはいづれか一方を行う情
報記録再生装置において、前記載置台上に形成された、
前記媒体の面内方向における位置決め基準を与える第一
の基準面と、前記媒体の厚み方向における位置決め基準
を与える第二の基準面と、前記媒体の斜め下方から前記
媒体に接触し、前記媒体を押圧する保持部材と、前記保
持部材を前記媒体を押圧する方向に付勢するばね手段と
を備え、前記保持部材は、前記媒体を第二の基準面に押
圧すると共に接触時における摩擦力により前記媒体を前
記第一の基準面に押圧し、前記媒体の前記載置台に対す
る挿入、排出時において、前記媒体を第一および第二の
基準面に押圧する動作を解除することを特徴とする。

ここでは、前記保持部材が前記媒体の斜め下方から前
記媒体に接触するが、前記保持部材が前記媒体に及ぼす
力のベクトルは、前記媒体の厚み方向と面内方向の二方
向の力に分解される。この内、厚み方向の力は、前記媒
体を第二の基準面に押圧するため、前記媒体のそりは補
正される（媒体のそりは、媒体の厚み方向（ｚ方向）に
生じている）。また、面内方向の力は、前記媒体を第一
の基準面に押圧するため、前記媒体は面内方向内で位置
決めされる。なお、面内方向の力が前記媒体に伝わるの
は、前記媒体裏面と保持部材との間に摩擦力が存在する
ためである。

このようにして、本発明によれば、情報記録媒体のそ
り（反り）の補正を十分に行うことができるとともに、
情報記録媒体が斜行して挿入される場合、該媒体を高精
度に位置決めすることができ、しかも、この両機能を挿
入の際に保持部材による押圧で達成できるので、従来の
装置に比べて、構成を簡素化できるなどの優れた効果が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図及び第３図はそれぞれ本発明の実施例
を示す斜視図、平面図、正面図である。 第４図及び第５図はスライダA33の動作を示す概略断面
図である。 第６図及び第７図はシャトルの従来例を示す平面図及び
断面図である。 第８図、第９図、第10図及び第11図はそれぞれ従来例を
説明するための図である。 10:シャトル、13,16:ガイド軸、33,34:スライダA,スラ
イダＢ、35:ジョイント、36:付勢バネ、37:板バネ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】情報記録媒体が載置された載置台と記録用
   及び再生用、もしくはいづれか一方のためのヘッドとを
   相対的に往復移動させることにより情報の記録及び再
   生、もしくはいづれか一方を行う情報記録再生装置にお
   いて、 前記載置台上に形成された、前記媒体の面内方向におけ
   る位置決め基準を与える第一の基準面と、前記媒体の厚
   み方向における位置決め基準を与える第二の基準面と、
   前記媒体の斜め下方から前記媒体に接触し、前記媒体を
   押圧する保持部材と、前記保持部材を前記媒体を押圧す
   る方向に付勢するばね手段とを備え、前記保持部材は、
   前記媒体を第二の基準面に押圧すると共に接触時におけ
   る摩擦力により前記媒体を前記第一の基準面に押圧し、
   前記媒体の前記載置台に対する挿入、排出時において、
   前記媒体を第一および第二の基準面に押圧する動作を解
   除することを特徴とする情報記録再生装置。