JP2636921B2 - 止水方法および自然様人工池の造成方法 - Google Patents

止水方法および自然様人工池の造成方法

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JP2636921B2
JP2636921B2 JP2334489A JP2334489A JP2636921B2 JP 2636921 B2 JP2636921 B2 JP 2636921B2 JP 2334489 A JP2334489 A JP 2334489A JP 2334489 A JP2334489 A JP 2334489A JP 2636921 B2 JP2636921 B2 JP 2636921B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、止水方法および自然様人工池の造成方法、
とくに土壌を用いて止水層を形成し、景観的に優れた自
然様の人工池を容易に、かつ短期間に造成する方法に関
する。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題] 近年・人工池は貯水池の他に、公園やゴルフ場などの
景観を高めるために造成されることが多くなってきてい
る。
人工池の止水は土質材料を用いて行なうのが景観のう
えからとくに好ましいが、止水を行ないうる良質な土質
材料の人手が困難なため、現在ではほとんど行なうこと
ができないのが現状である。そのため、人工池の止水方
法としては、コンクリート構造物による止水工法、合成
ゴムシートや合成樹脂シートなどを止水材料とするシー
ト止水工法、アスファルトを用いて締固めて止水するア
スファルト締固め工法などが行なわれている。
しかしながら、コンクリート構造物による止水方法で
は経年による地盤の不等沈下に追従しきれないため、ク
ラックの発生はさけられず、水漏れの原因となる。ま
た、コンクリートより溶出するアルカリ分を排除するた
めに長期間の養生が必要であり、工期が永くかかるとい
う問題も有する。
一方、シート止水法には、比較的短い工期で行なえる
という利点があるが、シートの強度、耐久性が充分でな
いという欠点があり、さらに、不定形状の池の形状にあ
わせてシート止水を行なうのは困難である。
また、アスファルト締固め工法には前記2つの止水方
法のごとき問題はないが、アスファルトから出てくる油
状物が人工池を汚すという致命的な欠点がある。
したがって、人工池の造成には、目的に応じられるよ
うにこれらの止水工法を組合わせて行なうのが一般的で
ある。
これら従来の人工池の止水工法は、いずれも容易かつ
短時間に行なえる工法とは言いがたいばかりでなく、景
観的にも著しく見劣りするものであり、単なる貯水を目
的とした人工池では問題にならないとしても、公園やゴ
ルフ場などのように景観を重視するばあいには不適当で
ある。これら従来の工法による人工池に自然様の景観を
与えるためには、止水工法によりえられた止水層上に盛
土などを行なうことが必要であり、二重の工程が必要で
あるばかりでなく、止水層上の盛土は、流失、飛散など
しやすいため、自然様の景観を永く保持することは困難
である。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前記のごとき実状に鑑み自然様人工池
を造成する方法について鋭意検討を重ね、自然様の人工
池を造成するには、土壌を用いて止水層を形成するのが
好ましいとの結論に達し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、 (1)土壌とセメントおよびセメント硬化剤とを混合し
て土壌を団粒結合せしめて止水層基盤を形成する工程、 (2)止水層基盤に圧力を加えて締固めることにより、
セメントおよびセメント硬化剤の反応を促進せしめ、強
固な止水層基盤を形成する工程および (3)皮膜形成性のゴムおよび(または)樹脂組成物を
止水層基盤の表面に散布または塗布し、団粒結合粒子間
の空隙に含浸せしめ、乾燥させ、皮膜を形成して止水層
を形成する工程からなることを特徴とする止水方法、 前記方法において止水層基盤の厚さが10〜100cmであ
り、かつ止水層の厚さが1〜30cmである止水方法、 前記方法において皮膜形成性のゴムおよび(または)樹
脂組成物を散布または塗布してえられる皮膜が水に実質
的に不溶性であるが、水中に浸漬するとゴムまたは樹脂
組成物の固形分の10%(重量%、以下同様)以上の水を
吸収して膨張する止水方法および 前記止水方法により止水層を形成することを特徴とする
自然様人工池の造成方法 に関する。
[実施例] 本発明においては、まず土壌とセメントおよびセメン
ト硬化剤とを混合して土壌を団粒結合せしめて止水層基
盤が形成される。
前記土壌としては、粒子径74μm以下のシルト分およ
び粘土分を30%以上含有する砂質土、シルト質土、粘性
土、ロームなどのような土質の土壌が好ましい。この土
壌に残り70%未満の範囲で含有されるものとしては、た
とえば粒子径75μm以上の砂分や25mm程度までのレキな
どがあげられる。土壌中に多少のレキが混入しても問題
とならないが、レキを多量に含む土壌や砂地では、本発
明の止水方法では充分な止水効果がえられにくく、好ま
しくない。このような好ましくない土質のばあいには、
近傍より好ましい土壌を搬入して用いればよい。
本発明に用いられるセメントとは、水で練ると硬化性
を示す無期物質のことであり、狭義のポルトランドセメ
ントに限られるものではない。前記セメントの具体例と
しては、たとえばポルトランドセメント、天然セメン
ト、ローマンセメント、アルミナセメント、スラグセメ
ント、高炉セメント、石灰、セッコウ、マグネシアセメ
ントなどの単味セメントや混合セメントなどがあげられ
るが、これらに限定されるものではない。これらのうち
では、セメントとして一般的に広く使用されているポル
ランドセメントが人手の容易であるという点から好まし
い。
本発明に用いられるセメント硬化剤とは、前述のセメ
ントの反応を促進し、硬化させるものであればとくに限
定はなく、どのようなものでも使用することができる。
このようなセメント硬化剤のひとつとして水溶性の無機
塩組成物があげられる。
水溶性の無機塩組成物の具体例としては、塩化カリウ
ム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム、塩化アルミニウム、塩化鉄などの水溶性無機塩化物
の1種または2種以上を水溶性無機塩組成物の40%以上
含有し、吸湿性の無機塩の1種または2種以上を10以上
含有する水溶性の無機塩組成物がとくに好ましい。吸湿
性の無機塩としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウ
ム、塩化アルミニウム、塩化鉄のごとき無機塩化物がと
くに好ましいが、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、
臭化アルミニウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシ
ウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、証左アルミ
ニウムなども用いられる。
セメント硬化剤として、水溶性無機塩化物の1種また
は2種以上を40%以上含有し、吸湿性の無機塩の1種ま
たは2種以上を10%以上含有する水溶性の無機塩組成物
を用いると、土壌の団粒結合が速やかに行なわれ、充分
な強度を有する土壌の団粒がえられるなどの点からとく
に好ましい。また、セメント硬化剤を水溶液などとした
のち散布して用いるばあいは、固形分濃度が10〜40%の
水溶液などにするのが好ましい。とくに土壌の乾燥が著
しいときは、固形分濃度を低くして用い、土壌の湿潤状
態の著しいときは固形分濃度を高くするか、水溶液とせ
ずに粉体として用いるのが好ましい。
土壌と混合するセメントの量は、土壌の土質などによ
り異なるが、土壌1m3に対して通常20〜500kg程度であ
り、好ましくは60〜200kg程度である。該量が20kg程度
以下では充分な団粒結合がえられにくくなり、また500k
g程度以上使用しても効果の向上は認められず、不要な
材料を使用することになるので好ましくない。
セメント硬化剤の使用量は、土壌の土質や使用するセ
メントの量などによって異なるが、土壌1m3に対して通
常0.3〜5kg程度であり、好ましくは0.8〜3kg程度であ
る。該量が0.3kg程度以下では充分な団粒結合がえられ
にくくなり、5kg程度以上では不要なセメント硬化剤が
残留することになり、好ましくない。
土壌とセメントおよびセメント硬化剤とを混合する順
序、方法などにはとくに限定はなく、土壌とセメントお
よびセメント硬化剤のいずれか一方とを混合したのちセ
メント硬化剤およびセメントののこりの一方を混合して
もよく、土壌とセメントおよびセメント硬化剤とを一度
に混合してもよく、セメントおよびセメント硬化剤をは
じめに混合したのち土壌と混合してもよいが、たとえば
池を造成する際には、止水しようとする土壌にセメント
をトラクターなどで混合したのちセメント硬化剤を水溶
液などにして散布し、トラクターなどで混合するのが土
壌の団粒を均一に行なうなどの点から好ましい。
このようにして調製された土壌とセメントおよびセメ
ント硬化剤との混合物は、土壌が団粒結合(土壌の粒子
とセメント粒子が結合して充分な強度を有し、一定以上
の粒径を有すること)しており、止水層基盤となる。
なお止水層基盤とは、のちの工程で形成される止水層
の基盤、または基盤および止水層の一部となり、強度的
(圧縮強度や引張(弾性)強度など)に充分とはいえな
い止水層の強度、止水層より下層(路床)の支持力、安
定性などを補強するものである。本発明においては、後
述する皮膜形成性のゴムまたは樹脂組成物が止水層基盤
の表面に散布または塗布・含浸・乾燥せしめられて止水
層が形成されるため、止水層基盤は止水層の一部にもな
る。
前記止水層基盤は、そのままでは空隙が多くて密度が
低く、セメントによる団粒結合も必ずしも充分でなく、
強度などの面でも充分でないため、止水層基盤に圧力を
加えて締固め、セメントおよびセメント硬化剤の反応を
促進せしめ、強固な止水層基盤が形成される。
止水層基盤に圧力を加える方法にはとくに限定はな
く、止水層基盤をほぼ均質に締固めることができるよう
な方法であればよく、止水層基盤の形状(凹凸があるな
ど)、大きさなどに応じて適した方法をえらべばよい。
このような方法の具体例としては、たとえばローラーに
よる転圧、バッケホウのバケットなどの機械による方法
や木製の圧締具「タコ」やハンドローラーなどを用いて
人力による方法があげられる。
前記止水層基盤を締固める際の圧力などにも特別な限
定はなく、締固める程度や地盤の状況などに応じて適宜
選択すればよい。形成される止水層基盤の厚さとして
は、10〜100cm程度が好ましい。該厚さが10cm程度未満
では、亀裂がおこりやすく、衝撃などにも対応できず、
止水層基盤として充分なものでなくなりやすい。また10
0cm程度をこえても止水層基盤としての効果はかわら
ず、材料のみを多く使用することになる。とくに軟弱な
土壌のばあいは、止水層基盤の厚さは厚くした方が好ま
しい。止水層基盤の養生期間は、土壌の乾燥状態、基盤
の厚さ、気候などの種々の条件により変わるが1〜10日
程度で充分である。
本発明においては、このようにして形成された止水層
基盤表面に皮膜形成性のゴムおよび(または)樹脂組成
物が散布または塗布され、含浸せしめられ、乾燥せしめ
られて止水性の皮膜が形成される。
皮膜形成性のゴムおよび(または)樹脂組成物を用い
て止水層基盤表面に止水性の皮膜が形成されることによ
り、止水層基板のみでは止水性を有さないものが止水性
を有するようになる。
したがって、形成された皮膜が止水性に影響するほど
水に溶解しないことが当然必要である。しかし、皮膜を
水中に浸漬しておくと、水を吸収して膨張するような樹
脂などから皮膜が形成されていると、止水層にわずかな
間隙やまたは後日、わずかな亀裂が生じたようなとき、
樹脂などが水を吸収して膨張することにより漏水をふせ
ぎ、充分な止水効果をうることができる。全く水を吸収
しないか、わずかにしか水を吸収しないゴムおよび(ま
たは)樹脂を使用して前述のごとき水を吸収して膨張す
ることによる止水効果をうるためには、ゴムおよび(ま
たは)樹脂組成物に、水不溶性吸水性樹脂や、ゴムおよ
び(または)樹脂と混合性の良好な親水性樹脂などを混
入せしめて使用すれば同様の効果がえられる。
とくにゴムおよび(または)樹脂組成物の固形分の重
量の10%以上の水を吸収して膨張する皮膜であるのが好
ましい。
なお本明細書にいう前記皮膜形成性とは、塗布または
散布し乾燥すると、ゴムおよび(または)樹脂からなる
亀裂などのない均一な皮膜が形成される性質を有するこ
とを意味し、また止水性を有するとは、水を入れた際に
一定量までの水は吸水しても、それ以上の水は吸収せ
ず、実質的に水を通過しないことを意味する。
前記皮膜形成性のゴムおよび(または)樹脂組成物と
しては、塗布または散布することにより皮膜を形成する
ものであればとくに限定なく使用することができる。一
般的には固形分濃度10〜50%の溶剤溶液や水性分散液が
用いられる。耐水性のうえからは溶剤溶液が好ましい
が、溶剤による毒性や火災の危険性の問題があり、使用
上の注意が必要である。また、使用上の安全性や作業の
容易さからは、水性分散液が好ましい。水溶性樹脂から
えられる皮膜は一般的に水に溶解して止水性がえられな
いので好ましくないが、塗布または散布後に触媒などに
より水に不溶化し、止水層を形成しうるものであれば本
発明に使用することができる。
ゴムおよび(または)樹脂の種類としては、塗布また
は散布することにより止水層を形成するものであればと
くに限定はなく、天然ゴム、天然樹脂、合成ゴム、合成
樹脂などを使用しうるが、人手の容易さから合成ゴム、
合成樹脂が好ましい。
前記合成ゴムの具体例としては、たとえばポリブタジ
エン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、アクリル
ゴム、多硫化系合成ゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、
シリコーンゴムなどがあげられ、これらの誘導体も同様
に使用することができる。
前記合成樹脂の具体例としては、たとえばフェノール
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シ
リコーン樹脂などの熱硬化性樹脂;アクリル樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル系樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂な
どの熱可塑性樹脂などがあげられ、これらの誘導体も同
様に使用することができる。
安全性、作業性や人手の容易さなどの点から実用的、
総合的に判断すると、アクリル系樹脂やエチレン−酢酸
ビニル系樹脂、ビニルエステル系樹脂の水性分散液がと
くに有利である。これらは、水中において単量体を乳化
重合することにより、樹脂が水中に微細な粒子として分
散したものとしてえられるものであり、樹脂と水とを主
成分とするもので、毒性や火災の危険性がなく安全であ
り、作業性もよく、塗布または散布し、乾燥すると水中
に散布した微細な粒子が結合して樹脂の皮膜を形成する
ものである。しかも一度えられた樹脂皮膜は再び水に溶
解や再分散することがないので、すぐれた止水効果をう
ることができる。
本発明に用いる皮膜形成性のゴムおよび(または)樹
脂組成物の使用量は、止水層基盤の1m2に対して皮膜形
成性成分(固形分)で、通常0.05〜10kg程度であり、0.
1〜5kg程度が好ましい。該量が0.05kg程度未満では充分
な止水効果がえられず、10kg程度をこえて使用しても止
水効果はかわらない。
皮膜形成性のゴムおよび(または)樹脂組成物の塗布
または散布方法にもとくに関係はなく、原液または希釈
した液を1回または2回以上に分けて塗布または散布す
ればよいが、1回目に希釈した濃度の低い皮膜形成性の
ゴムおよび(または)樹脂組成物を塗布または散布し、
2回目以降に比較的濃度の高い皮膜形成性のゴムおよび
(または)樹脂組成物を塗布または散布すると、強度に
優れた止水層を形成することができる。なお、皮膜の乾
燥期間は、通常1〜10日程度である。
皮膜形成性のゴムおよび(または)樹脂組成物による
止水層の厚さとしては、表面より1〜30cm程度、好まし
くは5〜20cm程度まで形成させるのが好ましい。該厚さ
が1cm程度未満では止水効果が充分ではなく、30cm程度
をこえて形成しても止水効果はかわらず、材料のみを多
く使用することになるので好ましくない。
本発明の止水法において、止水層基盤を形成する工程
中、とくにセメント硬化剤を添加するときに、止水層を
形成するための皮膜形成性のゴムおよび(または)樹脂
組成物と同一または異種の皮膜形成性のゴムおよび(ま
たは)樹脂組成物(止水層を形成するために使用する量
の1/2以下の量)を添加して止水層基盤を形成すると、
止水層基盤の強度をより向上させることができる。この
方法は、セメントおよびセメント硬化剤による団粒結合
だけでは充分な強度がえられにくい土壌のばあいにとく
に有用な方法である。また、止水層基盤を形成する工程
で添加されるゴムおよび(または)樹脂組成物として、
とくに合成樹脂水性分散液を乾燥してえられる樹脂粉末
や水不溶性吸水性樹脂粉末などの樹脂粉末をそのまま使
用して添加すると、止水層基盤の強度をより向上させる
ことができ、止水硬化も向上させることができるので好
ましい。
本発明の特徴とするところは、止水層の主材として土
壌を用いることにあり、そのため自然様の景観に優れた
止水層がえられるのである。
土壌を用いて止水層を形成するために、まず「土壌に
セメントおよびセメント硬化材を混合して、土壌を団粒
結合せしめることにより、のちの工程においてゴムおよ
び(または)樹脂組成物の皮膜を形成しうる空隙を形成
する工程」が必要である。
土壌を団粒結合しなくとも、直接に皮膜形成性のゴム
または樹脂組成物を散布または塗布することにより止水
層がえられそうであるが、実験の結果、団粒結合してい
ない土壌では、散布または塗布量を多くしても均一に含
浸せず、含浸しにくい部分では止水層が薄く、強度が不
充分となり、亀裂や止水層の不連続部分を生じやすく、
充分な止水効果をうることができなかった。
次に、「団粒結合せしめた土壌に圧力を加え、締固め
ることにより、セメントとセメント硬化剤の反応を促進
させ、強固な止水層基盤を形成する工程」が必要であ
る。
本発明において、団粒結合せしめた土壌に圧力を加え
締固めることは、単に前工程でえられた空隙を小さくす
るだけではなく、セメントとセメント硬化剤の反応を促
進させるものである。この工程によって止水層基盤を強
固にすることができるのであり、必要不可欠な工程であ
る。
この工程を行なわず、皮膜形成性のゴムや樹脂組成物を
散布または塗布しても、多量の散布量を必要とするばか
りでなく、基盤の強度が弱いために充分な止水硬化をう
ることができない。
最後に、「皮膜形成性のゴムまたは樹脂組成物を止水
層基盤の表面に散布または塗布することにより含浸せし
め、乾燥させ、団粒結合粒子間の空隙に皮膜を形成して
止水層を形成する工程」が必要である。
本発明は、単にゴムまたは樹脂組成物を基材に塗布し
乾燥したときに生成する皮膜により止水効果を期待する
ものではない。このような皮膜自体は充分な強度もな
く、止水効果も充分ではない。本発明は、充分な強度を
有する止水層基盤に、充分な厚さを有する止水層を形成
することによって止水効果をえるものであり、優れた止
水効果がえられるものである。
本発明において、とくに水中に浸漬しておくと、水を
吸収して膨張する樹脂を使用することが好ましく、止水
層に貯水するとこの樹脂が膨張して完全な止水層がえら
れる。
以上の通り、本発明の止水方法は、前述の3つの工程
により、その相乗効果によって始めて、その目的が達せ
られているものである。
以下に、本発明の止水方法および自然様人工池の造成
方法を実施例に基づき説明する。
実施例1 透水性が大きく、地盤の支持力が弱くて池を形成する
ことができないシルト質粘土ロームの土壌である人工池
用地において、広さ1500m2(不定形状)、深さ100cmの
範囲の土壌を搬出して人工池の形状を造った。
次に人工池用地の底面の1m3単位あたり、ポルトラン
ドセメント120kgを、大型トラクターで深さ約20cmまで
の土壌と均一に混合したのち、第1表の組成(単位は重
量%)かたなるセメント硬化剤水溶液を、上記の土壌と
セメントとの混合した層に、1m3単位あたり25l(硬化
剤固形分で1.2kg)の割合で散布し、大型トラクターで
均一に混合し、土壌を団粒結合せしめた。
この土壌表面をマガダムローラによる転圧および不陸
整正を繰返し行ない、また機械作業ができない場所は木
製の圧締具「タコ」を用い、人力によって圧締、不陸整
正を行ない止水層基盤を約20cmの厚さに形成した。
止水層基盤に対して、水に不溶性であるが、水中に浸
漬しておくと100%の水を吸収して膨潤する被膜を形成
するエチレン20%および酢酸ビニル80%からなるエチレ
ン−酢酸ビニル系合成樹脂水性分散液(固形分濃度50
%)1重量部を水9重量部により希釈した液を1m2単位
あたり5kg(固形分0.25kg)になるように2回に分けて
散布し、3日間乾燥させた。
止水層基盤厚さ約20cmの表面から深さ約10〜15cmま
で、エチレン−酢酸ビニル系合成樹脂が浸透し、止水層
を形成していた。
以上の止水方法により止水層を形成した人工池用地
に、水を導入して、水を満し、人工池を造成した。
人工池は、自然様で優れた景観を示し、作業日数4日
間、養生(乾燥)期間3日間の全工程日数7日の短期間
で造成することができ、自然様の景観は1年後も全く変
わらず、1年後も漏水は認められなかった。
また、完成15日後に、淡水魚(コイ)を放流したが、
何た異状は認められなかった。
実施例2 透水性が大きく、地盤の支持力が弱くて池を形成する
ことができない粘土質ロームの土壌である人工池用地に
おいて、広さ1000m2(不定形状)、深さ100cmの範囲の
土壌を搬出して人工池の形状を造った。
次に人工池用地の底面の1m2単位あたり、ポルトラン
ドセメント120kgを、大型トラクターで深さ約30cmまで
の土壌と均一に混合したのち、実施例1で用いたセメン
ト硬化剤1.2重量部とエチレン20%、塩化ビニル30%お
よび酢酸ビニル50%からなるエチレン−塩化ビニル−酢
酸ビニル系合成樹脂水性分散液(固形分濃度50%)1.5
重量部とを水25重量部に溶解、分散させた水性液を、上
記の土壌とセメントとを混合した層に、1m3単位あたり
27lの割合で散布し、大型トラクターで均一に混合し、
土壌を団粒結合せしめた。
この土壌表面をマガダムローラによる転圧および不陸
整正を繰返し行ない、また機械作業ができない場所は木
製の圧締具「タコ」を用い、人力によって圧締、不陸整
正を行ない止水層基盤を約30cmの厚さに形成した。
止水層基盤に対して、水に不溶性にあるが、水性に浸
漬しておくと150%の水を吸収して膨潤する被膜を形成
するエチレン20%、塩化ビニル30%および酢酸ビニル50
%からなるエチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル系合成樹
脂水性分散液(固形分濃度50%)1重量部を水9重量部
により希釈した液を、1m2単位あたり5kg(固形分0.25k
g)になるように2回に分けて散布し、3日間乾燥させ
た。
止水層基盤厚さ約30cmの表面から深さ約10〜15cmま
で、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル系合成樹脂が浸
透し、止水層を形成していた。
以上の止水方法により止水層を形成した人工池用地
に、水を導入して、水を満し、人工池を造成した。
人工池は、自然様で優れた景観を示し、作業日数4日
間、養生(乾燥)期間3日間の全工程日数7日の短期間
で造成することができ、自然尼の景観は1年後も全く変
わらず、1年後も漏水は認められなかった。
また、完成15日後に、淡水魚(コイ)を放流したが、
何ら異状は認められなかった。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、短期間で容易に土壌に止水層
が形成されるとともに止水層の下層の安定性も向上し、
止水することができる。また本発明の方法によれば、自
然様の人工池を容易にかつ短期間に造成することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−85717(JP,A) 特開 昭58−47808(JP,A) 特開 昭56−28918(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)土壌とセメントおよびセメント硬化
    剤とを混合して土壌を団粒結合せしめて止水層基盤を形
    成する工程、 (2)止水層基盤に圧力を加えて締固めることにより、
    セメントおよびセメント硬化剤の反応を促進せしめ、強
    固な止水層基盤を形成する工程および (3)皮膜形成性のゴムおよび(または)樹脂組成物を
    止水層基盤の表面に散布または塗布し、団粒結合粒子間
    の空隙に含浸せしめ、乾燥させ、皮膜を形成して止水層
    を形成する工程 からなることを特徴とする止水方法。
  2. 【請求項2】止水層基盤の厚さが10〜100cmであり、か
    つ止水層の厚さが1〜30cmである請求項1記載の止水方
    法。
  3. 【請求項3】皮膜形成性のゴムおよび(または)樹脂組
    成物を散布または塗布してえられる皮膜が、水に実質的
    に不溶性であるが、水中に浸漬するとゴムまたは樹脂組
    成物の固形分の10重量%以上の水を吸収して膨張する請
    求項1または2記載の止水方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載の止水方法によ
    り止水層を形成することを特徴とする自然様人工池の造
    成方法。
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